第1の本発明は静電容量型タッチパネルである。第1の実施形態になるタッチパネルはケース体を具備する。前記ケース体は、電気絶縁性透明樹脂フィルムで構成されている。前記ケース体は、例えば主面部と、側面部と、中空部とを具備する。前記中空部は、前記主面部と前記側面部とで形成される(囲まれる)領域に存在する。前記側面部は、前記主面部に連接している。前記側面部は、前記主面部に対して、例えば略直交している。一つの側面部は、前記主面部における第1の方向に対して、略直交している。一つの側面部は、前記主面部における第2の方向に対して、略直交している。前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる。前記第1の方向と前記第2の方向とは、例えば略直交している。前記主面部は、主面入力領域を具備する。前記側面部の中の少なくとも一つの側面部は、側面入力領域を具備する。全ての側面部が側面入力領域を具備しても良い。好ましくは、側面部の数がNであるとすると、(N−1)個または(N−2)個以下の数の側面部が側面入力領域を具備する。前記主面部には、二つ以上の第1の電極列と、二つ以上の第2の電極列とが、設けられている。前記二つ以上の第1の電極列は、所定の間隔を開けて、設けられている。前記第1の電極列は、前記第1の方向に沿って、設けられている。前記二つ以上の第2の電極列は、所定の間隔を開けて、設けられている。前記第2の電極列は、前記第2の方向に沿って、設けられている。前記第1の電極列および前記第2の電極列は、各々、二つ以上の島状電極を具備する。前記島状電極間は、電極間配線で接続されている。前記側面入力領域を具備する側面部には、一つ又は二つ以上の第3の電極列と、一つ又は二つ以上の第4の電極列とが、設けられている。前記第3の電極列は、前記第1の電極列(及び/又は前記第2の電極列)の延長上に、設けられている。延長上とは、主面部(前記第1,2の電極列の形成面)と側面部(前記第3,4の電極列の形成面)とが同一平面上に在るとした場合(例えば、ケース成形前であるフィルム状態の場合)、前記電極列が同一線上(例えば、一直線上)に在ると言うことである。前記第4の電極列は、前記第2の電極列(及び/又は前記第1の電極列)の方向に沿って、設けられている。前記第3の電極列は、その電極列において、一つ又は二つ以上の島状電極を具備する。島状電極が一つの場合でも、この島状電極は前記第1の電極列に電気的に接続されている。従って、前記第3の電極列は、前記島状電極および前記電気的接続部分を有するから、電極列の言葉で表現されている。前記島状電極が二つ以上の場合は、前記島状電極間は、電極間配線で接続されている。前記第1の電極列と前記第3の電極列とは、電気的に、接続されている。前記第4の電極列は、二つ以上の島状電極を具備する。前記島状電極間は、電極間配線で接続されている。第1の引出配線の一端部が、前記第1の電極列(又は、前記第3の電極列)の端部に、電気的に接続されている。前記第1の引出配線の他端部が、前記側面入力領域を具備しない側面部に、形成されている。第2の引出配線の一端部が、前記第2の電極列の端部および前記第4の電極列の端部に、電気的に接続されている。前記第2の引出配線の他端部が、前記側面入力領域を具備しない側面部に、形成されている。前記第1の引出配線および前記第2の引出配線の少なくとも一方は、互に隣接している側面部の境界である稜線部を通っている。
前記第1の電極列は、前記主面部の一方の面側に、設けられている。前記第2の電極列は、前記主面部の他方の面側に、設けられている。前記第3の電極列は、前記第3の電極列の元になっている前記電極列が設けられている面側に、設けられている。前記第4の電極列は、前記第4の電極列が沿っている前記電極列が設けられている面側に、設けられている。これは、次のようにも説明される。前記第1の電極列と前記第2の電極列とは、前記主面部(前記フィルム)の互いに異なる面に設けられている。前記異なる面は表面と裏面である。前記第3の電極列および前記第4の電極列は、これ等の電極列の基礎となる電極列が前記第1の電極列である場合、前記第1の電極列が形成されている面と同じ側の面に形成される。前記第3の電極列および前記第4の電極列は、これ等の電極列の基礎となる電極列が前記第2の電極列である場合、前記第2の電極列が形成されている面と同じ側の面に形成される。例えば、次の(1)(2)の場合が考えられる。(1) 前記第1の電極列は、前記主面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。前記第2の電極列は、前記主面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。前記第1の電極列の延長上に在る前記第3の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。前記第2の電極列の延長上に在る前記第3の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。前記第1の電極列に沿っている前記第4の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。前記第2の電極列に沿っている前記第4の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。(2) 前記第1の電極列は、前記主面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。前記第2の電極列は、前記主面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。前記第1の電極列の延長上に在る前記第3の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。前記第2の電極列の延長上に在る前記第3の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。前記第1の電極列に沿っている前記第4の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。前記第2の電極列に沿っている前記第4の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。
前記第1の電極列および前記第2の電極列が、共に、前記主面部の一方の面側に、設けられる場合が有る。前記第3の電極列および前記第4の電極列が、共に、前記側面部の一方の面側に、設けられる場合が有る。この場合、電気絶縁性スペーサが、前記第1の電極列と前記第2の電極列との交差部において、その間に、設けられる。電気絶縁性スペーサが、前記第3の電極列と前記第4の電極列との交差部において、その間に、設けられる。前記第1の電極列と前記第2の電極列とは、互いに、電気的に非接触でなければならない。前記第3の電極列と前記第4の電極列とは、互いに、電気的に非接触でなければならない。この為、電気絶縁性スペーサが、両者の交差部に、設けられる。前記前記第1の電極列、前記第2の電極列、前記第3の電極列、及び前記第4の電極列は、全てが、前記フィルムの一面側に設けられていても良い。前記前記第1の電極列と前記第2の電極列とが設けられた面と、前記第3の電極列と前記第4の電極列とが設けられた面とは、互いに、異なっていても良い。しかし、本例にあっては、前記電気絶縁性スペーサが必須である。従って、電気絶縁性スペーサが必須要件でない前記実施形態(前記第1の電極列と前記第2の電極列とは、互いに、異なる面に設けられている。)の場合が、好ましい。
前記第1の電極列の島状電極の中心位置と、前記第2の電極列の島状電極の中心位置とは、前記主面部に対して直交する方向から眺めた場合、異なる位置に在ることが好ましい。特に、前記第1の電極列の島状電極と、前記第2の電極列の島状電極とは、互いに、実質上、重なっていないことが好ましい。このようにすることで、主面入力領域において、光透過率が、場所によらず、一様になる。表示面における視認性が良好になる。静電容量の変化が、略同じ検出感度で、効率良く、検出される。前記第3の電極列の島状電極と前記第4の電極列の島状電極との関係は、前記第1の電極列の島状電極と前記第2の電極列の島状電極との関係と、同様である。しかしながら、前記第3の電極列および前記第4の電極列は側面部に形成される。側面部における透光性は、主面部における透光性の如くには、要求されないかと思われる。従って、前記第3の電極列の島状電極と前記第4の電極列の島状電極とは、その一部または全部が、重なる場もある。勿論、重なっていない場合が好ましい。
好ましくは、可視光遮蔽層が、前記主面入力領域の外の主面部(および/または前記側面入力領域の外の側面部)に、設けられる。
好ましくは、透明樹脂層が、前記ケース体表面に、設けられる。
好ましくは、ハードコート層が、前記ケース体表面に、設けられる。
好ましくは、透明樹脂層が前記ケース体表面に設けられ、ハードコート層が前記透明樹脂層表面に設けられる。
好ましくは、補強枠が、前記ケース体の側面部の内側に、設けられる。
好ましくは、前記主面部の前記島状電極は、網目状の導体によって、構成される。更に好ましくは、前記側面部の前記島状電極は、網目状の導体によって、構成される。好ましくは、前記主面部の前記電極間配線も、網目状の導体によって、構成される。更に好ましくは、前記側面部の前記電極間配線も、網目状の導体によって、構成される。中でも、好ましくは、前記主面部の前記電極列は、網目状の導体によって、構成される。導体部が網目状であると、それだけ、光透過率が高い。すなわち、視認性が良い。前記導体は、Ag,Au,Cu,Alの群の中から選ばれる一つ又は二つ以上の金属によって、構成される。二つ以上の金属とは合金である。
好ましくは、外部接続端子が、前記側面入力領域を具備しない側面部に、形成される。前記第1の引出配線の他端部および前記第2の引出配線の他端部の一方は、スルーホールを介して、前記外部接続端子に接続される。前記第1の引出配線の他端部および前記第2の引出配線の他端部の他方は、スルーホールを介さずに、前記外部接続端子に接続される。前記外部接続端子の表面は、好ましくは、カーボンで覆われる。前記稜線部を通っている前記引出配線は、好ましくは、前記ケース体の内面側に位置している。従って、前記フィルムをケース体に成形した場合、前記引出配線の引き伸ばしが起き難い。前記引出配線の断線が起き難い。
第2の本発明は静電容量型タッチパネルの製造方法である。本実施形態の製造方法は上記実施形態の静電容量型タッチパネルの製造方法である。前記方法は導体パターン形成工程を具備する。前記導体パターン形成工程は、前記第1の電極列、前記第2の電極列、前記第3の電極列、前記第4の電極列、前記第1の引出配線、及び前記第2の引出配線が、電気絶縁性透明樹脂フィルムに、形成される工程である。各々の導体パターンは同時(又は、順番)に形成される。前記方法は成形工程を具備する。前記成形工程は、前記導体パターンが形成された前記電気絶縁性透明樹脂フィルムが、前記ケース体に、成形される工程である。
好ましくは、前記方法は、前記導体パターン形成工程の後で、前記成形工程の前において、可視光遮蔽層が、前記主面入力領域の外の主面部および/または前記側面入力領域の外の側面部に対応した位置に、設けられる工程を更に具備する。
好ましくは、前記方法は、透明樹脂層が、前記ケース体表面に対応した位置に、設けられる工程を更に具備する。
好ましくは、前記方法は、ハードコート層が、前記ケース体表面に対応した位置に、設けられる工程を更に具備する。
第3の本発明はタッチパネル一体型表示装置である。前記装置は、表示装置を具備する。前記装置は前記静電容量型タッチパネルを具備する。前記静電容量型タッチパネルは前記表示装置の表示部上に配設されている。
前記導体パターン形成工程(第1の工程)の終了後、前記成形工程(第2の工程)に先立って、前記第1の電極列と前記第2の電極列の少なくとも一方が形成された前記フィルムの一方の面に、可視光を遮蔽し、かつ、意匠を付与する意匠印刷層を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、意匠印刷層を形成する為の意匠フィルムを別に用意する必要がない。部品点数が少なくなる。
フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とによって、前記加熱フォーミング体の外面に透明樹脂層を形成すると共に、前記透明樹脂層の面にハードコーティング層を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、タッチパネルを構成する箱体及びハードコート層の形成を、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とを、1回で行う成型によって形成できる。製造効率が良好である。
フィルムインサート成型によって前記加熱フォーミング体の外面に透明樹脂層を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、箱体を構成する透明樹脂層を加熱フォーミング体と一体化させることが出来る。
前記透明樹脂層を形成する工程の終了後に、電気絶縁性樹脂製の環状補強枠を前記中空部の内壁に接して設ける工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、外力に対して十分な強度を有し、変形に強いタッチパネルが得られる。
前記第2の工程に先立って実行され、電気絶縁性透明樹脂からなり、可視光を遮蔽し、かつ、意匠を付与する意匠印刷層が不透明領域として形成され、透明な領域が前記指示体によって位置が指定される前記主面入力領域及び前記側面入力領域とされる意匠フィルムを準備する工程と、前記意匠フィルムを加熱フォーミングして、前記主面部に対応する第2の主面部と、少なくとも4つの前記側面部のそれぞれに対応する第2の側面部を有し、箱状の前記加熱フォーミング体に対応する第2の加熱フォーミング体を形成する工程とを有する構成にすることが出来る。フィルムインサート成型によって、前記フィルムの加熱フォーミング体と前記第2の加熱フォーミング体との間に、透明樹脂層を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、フィルムの加熱フォーミング体に対して、目的に応じて多様な種々のパターンを有する意匠印刷層を準備することによって、箱体を構成する透明樹脂層でフィルムの加熱フォーミング体と第2の加熱フォーミング体とを一体化させ、目的とするパターンの意匠印刷層を有するタッチパネルが得られる。
前記フィルムの一方の面に前記第1の電極列が形成され、前記フィルムの前記一方の面に対向する他方の面に前記第2の電極列が形成される構成にすることが出来る。これによれば、フィルムの一方の面に第1の電極列及び第2の電極列を形成する場合に比較して、単純な工程によって、第1の電極列及び第2の電極列を形成することが出来る。
前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続される前記引出配線に接続される端子部を、前記一方の面又は前記他方の面で前記引出配線の終端部に形成し、前記引出配線又は前記端子部にスルーホールを形成する構成にすることが出来る。これによれば、一方の面又は他方の面で外部回路との電気的接続が容易に可能となる。第1の電極列及び第2の電極列に対する信号の送受を行うことができるタッチパネルが得られる。
前記スルーホールの内部にカーボンを充填する工程を有し、前記端子部をカーボンにより形成する工程、又は、前記引出配線を構成する導電性材料と同じ材料によって前記端子部を形成し、前記端子部を覆う保護層としてカーボン層を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、端子部を保護することが出来る。特に、端子部がAgによって形成されている場合には、Agの酸化やマイグレーションを防止することが出来る。
前記第1の方向に略直交する側面部に、前記第3の電極列を、前記主面部の前記第1の電極列が延びる前記第3の方向に形成し、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列を前記主面部の前記第2の電極列に平行に前記第2の方向に形成する構成にすることが出来る。前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に、前記第3の電極列を、前記主面部の前記第2の電極列が延びる前記第3の方向に形成し、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列を前記主面部の前記第1の電極列に平行に前記第1の方向に形成する構成にすることが出来る。これによれば、指示体により情報が入力される側面入力領域を側面に形成することが出来る。主面入力領域及び側面入力領域に、各々、形成される電極列に対して、共通の外部回路によって信号の送受を行うことが出来る。
前記第1の電極列と前記第2の電極列と前記引出配線とを、Ag,Au,Cu,Alの何れかによって形成する構成にすることが出来る。これによれば、加熱フォーミング体の形成において、引出配線に印加される引張り力、圧縮力による変形によって、これらの引出配線に電気的接続の中断が生じ難い。
前記第1の方向に略直交する側面部と前記第2の方向に略直交する側面部の少なくとも1つに形成された前記引出配線の終端部に、端子部を形成する工程を有する構成にすることが出来る。前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に形成された前記引出配線の終端部に、端子部を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、引出配線及び端子部は側面部に形成される。タッチパネルの主面部の殆どの領域を主面入力領域とすることが出来る。額縁領域を最小とすることが出来る。
本発明の入出力一体型装置は、上記のタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネルと、前記中空部の内部に少なくとも一部が収容される表示装置とを有する。
本発明のタッチパネルでは、前記フィルムの面に垂直な方向から見た場合、前記第1の電極列と前記第2の電極列が交差して配置され、前記第1の電極列の前記島状電極と前記第2の電極列の前記島状電極とが、分離して、交互に、2次元に、格子状に配置されている。これによれば、表示面でもある主面入力領域において、光透過率が場所によらず一様なものとなる。表示面における視認性が良好になる。主面入力領域の全域に亘って、静電容量の変化が、略同じ検出感度で、効率よく検出できる。
前記フィルムは、その一方の面において、前記主面部の一部がなす面、及び、少なくとも四つの前記側面部の各々の面の少なくとも一部に形成され、可視光を遮蔽し、意匠を付与する意匠印刷層を有し、前記フィルムの加熱フォーミング体は前記意匠印刷層を有する構成にすることが出来る。これによれば、意匠印刷層によって、主面部に主面入力領域を、側面部に側面入力領域を略透明な光透過性を有する開口部として残し、タッチパネルの残りの部分に、情報の印刷表示、装飾や意匠の表示を行うことが出来る。
前記フィルムの加熱フォーミング体の外面に形成された透明樹脂層と、この透明樹脂層の面に形成されたハードコーティング層とを有する構成にすることが出来る。これによれば、タッチパネルを構成する箱体を透明樹脂層により形成し、タッチパネルの内部を保護し、ハードコート層によってタッチパネルの最外部の表面を保護することが出来る。
ハードコート層を設けずに、前記フィルムの加熱フォーミング体の外面に形成された透明樹脂層を有する構成にすることが出来る。これによれば、箱体を構成する透明樹脂層をフィルムの加熱フォーミング体と一体化させることが出来る。
前記中空部の内壁に接して設けられた電気絶縁性樹脂製の環状補強枠を有する構成にすることが出来る。これによれば、外力に対して十分な強度を有し、変形に強いタッチパネルが得られる。
電気絶縁性透明樹脂からなり、可視光を遮蔽し、意匠を付与する意匠印刷層が不透明領域として形成され、透明な領域が前記指示体によって位置が指定される前記主面入力領域及び前記側面入力領域とされる意匠フィルムを加熱フォーミングして、前記主面部に対応する第2の主面部と、少なくとも四つの前記側面部に各々対応する第2の側面部を備え、箱状の前記フィルムの加熱フォーミング体に対応する第2の加熱フォーミング体を有し、フィルムインサート成型によって形成された透明樹脂層を前記フィルムの加熱フォーミング体と前記第2の加熱フォーミング体との間に有する構成にすることが出来る。これによれば、上記の加熱フォーミング体に対して、目的に応じて多様な種々のパターンを有する意匠印刷層を準備することによって、箱体を構成する透明樹脂層を第2の加熱フォーミング体と一体化させ、目的とするパターンの意匠印刷層を有するタッチパネルが得られる。
前記第1の電極列が前記フィルムの一方の面に形成され、前記第2の電極列が前記フィルムの前記一方の面に対向する他方の面に形成された構成にすることが出来る。これによれば、フィルムの一方の面に第1の電極列を形成し、フィルムの一方の面に対向する他方の面に第2の電極列を形成する場合に比較して、単純な工程によって、第1の電極列及び第2の電極列を形成することが出来る。
前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続される前記引出配線に接続される端子部が、前記一方の面又は前記他方の面で前記引出配線の終端部に形成され、前記引出配線又は前記端子部にスルーホールが形成された構成にすることが出来る。これによれば、一方の面又は他方の面で外部回路との電気的接続が容易に可能となり、第1の電極列及び第2の電極列に対する信号の送受を行うことが出来る。
前記スルーホールの内部にカーボンが充填され、前記端子部がカーボン又は前記引出配線を構成する導電性材料と同じ材料によって形成され、前記端子部を覆う保護層としてカーボン層が形成された構成にすることが出来る。これによれば、端子部を保護することが出来る。特に、端子部がAgによって形成されている場合には、Agの酸化やマイグレーションを防止することが出来る。
前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部の一方又は双方に、前記第3の電極列が、前記主面部の前記第1の電極列が延びる前記第3の方向に形成され、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列が前記主面部の前記第2の電極列に平行に前記第2の方向に形成された構成にすることが出来る。前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に、前記第3の電極列が、前記主面部の前記第2の電極列が延びる前記第3の方向に形成され、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列を前記主面部の前記第1の電極列に平行に前記第1の方向に形成された構成にすることが出来る。これによれば、指示体により情報が入力される側面入力領域を側面に形成することが出来る。主面入力領域及び側面入力領域に各々形成される電極列に対して、共通の外部回路によって信号の送受を行うことが出来る。
前記第1の方向に略直交する前記二つの側面部と前記第2の方向に略直交する前記二つ側面部の一方との少なくとも1つに形成された前記引出配線の終端部に、端子部が形成された構成にすることが出来る。前記第2の方向に略直交する前記二つの側面部の一方に形成された前記引出配線の終端部に、端子部が形成された構成にすることが出来る。これによれば、引出配線及び端子部は側面部に形成される。タッチパネルの主面部の殆どの領域を主面入力領域とすることが出来る。額縁領域を最小とすることが出来る。
前記第1の電極列と前記第2の電極列と前記引出配線が、Ag,Au,Cu,Alの何れかによって形成される構成にすることが出来る。これによれば、加熱フォーミング体の形成において、引出配線に印加される引張り力、圧縮力による変形によって、これらの引出配線に断線が生じ難い。
本発明の入出力一体型装置は、主面入力領域及び側面入力領域を備えるタッチパネル成型体を主要な構成要素とするタッチパネルと、その中空部の内部に少なくとも一部が収容された表示装置とを有する。操作性に優れている。
<用語の説明>
本実施形態における用語が説明される。
・「タッチパネル」:タッチパネルは表示装置に一体的に構成される。タッチパネルは、例えば表示装置の画像表示が妨害されることなく、ユーザによるタッチ操作が検出される装置である。タッチパネルは、最大面積部(主面部:主面)と、これに連接する側面部(側面)とを備える。前記側面部は、好ましくは、例えば四つ有る。前記タッチパネルは、前記主面部と前記側面部(四つの側面部)とによって、その内側に、直方体状の中空構造(中空空間、中空部)を持つ。従って、前記タッチパネルは、ケース状(箱状)の立体形状である。前記主面部および側面部には、島状電極、電極間配線、引出配線、端子部が、必要に応じて、形成されている。タッチパネルには入力領域が形成されている。
・「タッチパネルフィルム」:タッチパネルフィルムは電気絶縁性透明樹脂フィルムで構成される。電気絶縁性透明樹脂フィルムには、島状電極、電極間配線、引出配線、端子部、意匠印刷層が、必要に応じて、形成されている。意匠印刷層が形成されない場合もある。
・「タッチパネル成型体」:島状電極などが形成された電気絶縁性透明樹脂フィルムが、各種の成型方法によって、形成された樹脂成型体である。
・「指示体」:例えば、導電性のタッチペン等の入力機器である。或いは、ユーザの指である。ユーザが、タッチパネルの主面部(側面部)における入力領域の任意の位置を指示する為に用いる。
・「タッチ(タッチ入力)」:指示体がタッチパネルに対して接触(又は、接近)することである。
・「タッチ面」:前記指示体が前記タッチパネルに対して接触(又は、接近)する面である。
・「タッチ位置」:前記指示体の接触(又は、接近)によって指示された位置である。
・「主面入力領域」:前記指示体により位置が指定される前記主面部における領域である。
・「側面入力領域」:前記指示体により位置が指定される前記側面部における領域である。
・「意匠印刷層」:意匠印刷層は、電気絶縁性透明樹脂フィルムに形成される。意匠印刷層が形成された領域は不透明領域である。不透明領域は可視光を遮蔽する。不透明領域には意匠が形成されている。意匠印刷層が形成されない透明な領域が入力領域である。意匠印刷層は、タッチパネルの主面入力領域や側面入力領域の外側(周囲:窓枠部:額縁部)に形成される。意匠印刷層には、所望の文字情報、絵柄記号による情報が表示される。
・「意匠フィルム」:前記意匠印刷層が形成されたフィルムである。
・「ハードコート層」:タッチパネルの最外層(透明樹脂ケース、或いは意匠フィルム)に、所定の強度(硬度)を付与する保護層である。前記保護層により、耐久性、耐候性、耐衝撃性が確保される。例えば、紫外線硬化樹脂等で構成される。
・「島状電極」:指示体の接触(又は、接近)による静電容量の変化を検出する為の電極である。接触検知電極と言われる。検出電極とも言われる。島状電極の形状は、例えば三角形、正方形、矩形、菱形(頂角は、90°でも、90°以外でも良い)、N(Nは5以上の整数)角形、円形、楕円形などが挙げられる。
・「電極間配線」:隣接する島状電極が電気的に接続される導体(配線)である。
・「引出配線」:島状電極とタッチパネル端子部とが電気的に接続される導体(配線)である。
・「網目状導体」:形が網目状の導体(配線)である。前記島状電極は網目状導体である。前記電極間配線も、好ましくは、網目状導体である。前記引出配線も網目状導体であっても良い。
・「網目状導体パターン」:網目状に形成された導体パターンである。
・「タッチパネル端子部」:タッチパネルの側面部に形成された引出配線の終端部に接続して形成された入出力用の端子部である。
・「加熱フォーミング」:フィルムを加熱・軟化させて、ケース(箱型)状にすることである。例えば、真空成型(金型とフィルムとの間を真空にしてフィルムを金型に密着させて成型する真空成型)、圧空成型(フィルムを加熱軟化させ、圧縮空気の力でフィルムを金型に沿わせ成型する圧空成型)などによる。
・「加熱フォーミング体」:加熱フォーミングによって形成された成型体である。
・「タッチパネルフィルム加熱フォーミング体」:タッチパネルフィルムが加熱フォーミングされて形成された成型体である。
・「意匠フィルム加熱フォーミング体」:意匠フィルムが加熱フォーミングされて形成された成型体である。
・「フィルムインモールド成型」:離型材(剥離材)処理された剥離性フィルムに、所望の層(例えば、仮硬化されたハードコート層)が形成される。このフィルムが金型内に挿入され、溶融流動状態の成型用樹脂が金型内に注入されて固化する。これによって、表面に所望の層が転写された成型体が得られる。
・「第1の方向」:タッチパネルの主面入力領域が矩形である場合、主面入力領域の長辺方向が第1の方向である。図面ではy方向(左右方向)である。主面入力領域が正方形である場合は、主面入力領域の何れかの辺の方向が第1の方向である。
・「第2の方向」:タッチパネルの主面入力領域が矩形である場合、主面入力領域の短辺方向が第2の方向である。図面ではx方向(上下方向)である。
・「第3の方向」:図面が示される紙面に垂直方向(奥行き)方向が第3の方向である。図面ではz方向である。第1の方向、第2の方向、第3の方向は、例えば、互に、直交している。しかし、厳格な直交は要求されない。例えば、交差角度が85°〜95°の略直交であっても良い。
以下、図面が参照されながら、本発明の実施形態が説明される。但し、本発明は、上述した作用・効果が満たされる構成であれば良い。以下の実施形態に限定されない。以下の図面は判り易いように描かれている。縮尺は厳密に正確とは言えない。
[実施の形態]
先ず、共通事項が説明される。
<投影型静電容量結合方式タッチパネル>
本発明は、特に、投影型静電容量結合方式のタッチパネルに関する。更には、このタッチパネルが表示装置に組み込まれた装置(入出力一体型装置)に関する。前記タッチパネルは、電子機器を操作する為の入力装置として使用される。前記タッチパネルは、表示装置(例えば、液晶表示装置など)の表示面に搭載される。前記タッチパネルはタッチパネル成型体である。前記タッチパネルは、前記成型体のタッチ面(例えば、主面)を透過して視認される表示装置の表示内容に応じて、指示体(例えば、タッチペンや指などの導電体)のタッチ面への接触(接近:位置指示)により、電子機器の各種操作(例えば、入力など)が行われる装置である。
前記タッチパネルには、島状電極が、電気絶縁性透明フィルムに設けられている。例えば、前記フィルムの両面(表面と裏面)に、設けられている。前記フィルム表面に、二つ以上の島状電極が、x方向(又は、y方向)に沿って、設けられている。前記フィルム裏面に、二つ以上の島状電極が、y方向(又は、x方向)に沿って、設けられている。前記フィルムに垂直な方向から見た場合、前記島状電極は、格子状(二次元的)に、配置されている。フィルム表面に形成された島状電極と、フィルム裏面に形成された島状電極とは、互に、実質上、重ならないように配置されている。このような配置の島状電極により、(x,y)位置での容量変化が順次検出されると、マルチタッチの検出が可能である。
前記島状電極は、タッチパネル成型体の主面と、この主面と交差する側面に形成されている。ユーザタッチによる情報入力領域として、主面に形成された主面入力領域と、側面に形成された側面入力領域とがある。タッチ入力領域は主面と側面との両面に形成されている。
<タッチパネルの主要な構成要素[タッチパネル成型体(A)〜(D)]の共通事項>
タッチパネル[後述のタッチパネル成型体(A)〜(D)]の共通事項が説明される。
(タッチパネル成型体)
タッチパネルは、タッチパネルフィルムの加熱フォーミング体(タッチパネル成型体)である。前記タッチパネル成型体は、最大面積部である主面(x-y-z座標系における(xy)面)、前記主面に略直交する側面(前記座標系における(xz)面)、前記主面に略直交する側面(前記座標系における(yz)面)を持つ。前記(xy)面は、例えば一つである。前記(xz)面は、例えば二つである。前記(yz)面は、例えば二つである。前記主面と前記側面とで構成される領域は中空部(中空空間)である。
前記タッチパネルを構成する透明樹脂は熱可塑性樹脂(例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂など)、又は熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂など)である。
(xz)面及び(yz)面の少なくとも一つの面、及び前記(xy)面には、島状電極が形成されている。隣接する島状電極は、電極間配線によって、直列状に、接続されている。
前記(xy)面の表面には、y方向に配列された島状電極列が、x方向に、複数、形成されている。前記(xy)面の裏面には、x方向に配列された島状電極列が、y方向に、複数、形成されている。この配列は、表面と裏面とで、逆であっても良い。
前記(xz)面に島状電極列が形成される場合、前記(xz)面の島状電極列は、例えば前記y方向配列の島状電極列が形成されたフィルムが90°折り曲げられることによって、形成される。前記(yz)面に島状電極列が形成される場合、前記(yz)面の島状電極列は、例えば前記x方向配列の島状電極列が形成されたフィルムが90°折り曲げられることによって、形成される。前記(xy)面の島状電極列は前記フィルム面に形成された島状電極列の一部である。前記(xz)面の島状電極列は前記フィルム面に形成された島状電極列の一部である。前記(xz)面の島状電極列は、例えば前記(xy)面の島状電極列の延長上に、存在する。前記(yz)面の島状電極列は前記フィルム面に形成された島状電極列の一部である。前記(yz)面の島状電極列は、例えば前記(xy)面の島状電極列の延長上に、存在する。
前記フィルムの表面側に形成された島状電極列の島状電極と、前記フィルムの裏面側に形成された島状電極列の島状電極とは、互に、実質上、重なっていない。光透過性(視認性)の観点から、表面側の島状電極と裏面側の島状電極との重なり合う領域(面積)は少ない方が好ましい。重なり合う領域(面積)は零である。静電容量の観点から、前記島状電極が重ならない領域(面積)は少ない方が好ましい。重なっていない領域(面積)は、僅かに、存在する。
前記(xz)面および前記(yz)面の少なくとも一つの面に、引出配線が形成されている。好ましくは、一つの(xz)面と一つの(yz)面(前記二つの面は、隣接し、かつ、繋がっている。)の双方に跨って形成されている。前記引出配線は、例えば前記(xz)面の島状電極列に接続されている。前記引出配線は、例えば前記(yz)裏面の島状電極列に接続されている。前記引出配線の末端部には端子部が形成されている。
前記端子部とフレキシブル印刷回路基板(FPC)の一方のFPC接続端子が接続されている。他方のFPC接続端子はタッチパネル制御・信号処理回路に接続されている。
前記タッチパネルは、投影型の静電容量結合方式として構成される。前記タッチパネルは、各種情報の入力装置として機能する装置である。タッチパネルの主面に、例えば矩形状の主面入力領域が設けられている。側面((xz)面、(yz)面)の少なくとも一つの側面に、矩形状の側面入力領域が設けられている。主面入力領域および側面入力領域に対する指示体のタッチによって指示されたタッチ位置が、タッチパネルの表面側に形成された島状電極と、タッチパネルの裏面側に形成された島状電極との間の静電容量の変化を自己容量方式又は相互容量方式で検出することによって、検知される。
タッチパネルの主面には、アクティブ領域が構成されている。場合によっては、非アクティブ領域が構成されている。前記アクティブ領域は、タッチによって各種情報が入力される領域である。前記アクティブ領域は、タッチ入力が検出される透明な透光性領域(主面入力領域:タッチ入力領域)である。前記非アクティブ領域は、主面入力領域を取囲む枠状の領域(額縁領域)に形成されている。前記非アクティブ領域は、光不透過性の意匠印刷層が形成された意匠領域(加飾領域)である。非アクティブ領域にタッチ入力があっても、このタッチ入力は検出されない。タッチパネルの側面には、アクティブ領域と非アクティブ領域が構成されている。前記側面のアクティブ領域は側面入力領域である。
主面入力領域に対する指示体のタッチ位置の自己容量方式(相互容量方式)による検出の説明がなされる。
自己容量方式では、主面((xy)面)のx方向に配列された島状電極列に対して、順番に、タッチ位置検出の為の電圧信号が供給される。主面((xy)面)のy方向に配列された島状電極列に対して、順番に、タッチ位置検出の為の電圧信号が供給される。タッチ位置に対向する主面のx方向に配列された島状電極列A、及び主面のy方向に配列された島状電極列Bと、GND(グランド)との間の容量が増加することから、島状電極列A及び島状電極列Bからの伝達信号の波形が、x方向の島状電極列A及びy方向の島状電極列Bの組合せ以外のx方向の島状電極列A’及びy方向の島状電極列B’からの伝達信号の波形と異なった波形となる。タッチパネル制御・信号処理回路は、島状電極列(主面のx方向に配列された島状電極列及び主面のy方向に配列された島状電極列)から供給された伝達信号に基づいて、タッチ位置を、演算する。
相互容量方式では、例えば主面のx方向に配列された島状電極列に対して、順番に、タッチ位置検出の為の電圧信号が供給され、主面のy方向に配列された島状電極列に対して、順番に、センシング(伝達信号の検出)が行われる。タッチ位置に対向するx方向に配列された島状電極列Aとy方向に配列された島状電極列Bとの間の寄生容量に対して、並列に、指示体の浮遊容量が加わる。y方向に配列された島状電極列Bからの伝達信号の波形は、y方向の島状電極列B以外のy方向の島状電極列B’からの波形とは異なった波形である。従って、タッチパネル制御・信号処理回路は、電圧信号を供給しているx方向に配列された島状電極列の順番と、供給されたy方向に配列された島状電極列からの伝達信号に基づいて、タッチ位置を、演算する。
前記自己容量方式(又は、相互容量方式)のタッチ位置検出方法が採用されることによって、主面入力領域に、同時に、二つの指示体が接触(又は接近)しても、タッチ位置の検出が可能になる。
同様にして、側面入力領域に対する指示体のタッチ位置の検出が可能である。
(網目状導体が形成されるタッチパネルフィルム、意匠印刷層が形成される意匠フィルム)
タッチパネルフィルム(意匠フィルム)は、電気絶縁性透明樹脂フィルムである。このフィルム素材としては、例えばエステル系樹脂類(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂(例えば、EVA等)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)、環状オレフィン高分子(COC)、ポリウレタン(PU)、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。代表的な例としてPETが挙げられる。
前記フィルムの厚みは、例えば10μm〜300μmである。但し、これに限られない。光透過率、機械的強度の点から、好ましくは30〜150μmである。
(網目状導体の形成方法)
網目状導体(メッシュ状導体)の代表的な形成方法が説明される。島状電極や電極間配線は、好ましくは、前記網目状導体で構成される。前記引出配線も前記網目状導体で構成されても良い。網目(高開口率)であると、光透過率が高い。
(1)導電性インクの印刷による方法
導電性ナノ粒子とバインダとを含む導電性インクが、透明フィルム面上に、網目状に形成される。例えば、印刷(スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、ディスペンサ印刷等)の手法が用いられる。
導電性ナノ粒子は、例えば平均粒子径が2μm以下(好ましくは、200〜500nm)の導電性粒子である。前記粒子の材料は、例えばAg,Au,Pt,Cu,Al、又はカーボンである。バインダは、例えばポリエステル樹脂である。
網目状導体は、導電性高分子を含有する導電インキの印刷によっても、形成できる。前記導電性高分子としては、例えばポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン等が挙げられる。
(2)導体薄膜のエッチングによる方法
樹脂フィルム面上に導体薄膜が形成される。前記導体薄膜上に網目状のレジストパターンが形成される。レジストパターンから露出する導体薄膜がエッチング除去される。これにより、網目状導体が得られる。前記薄膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法により、形成される。樹脂フィルムに貼り合せられた金属薄膜でも良い。導体薄膜は、例えばAu,Ag,Cu,Al等の薄膜である。
導体薄膜は、導電性高分子から形成される膜であっても良い。前記導電性高分子としては、前記高分子が挙げられる。
(3)マスクを使用した金属蒸着薄膜による方法
金属薄膜は、例えば、Au,Ag,Cu又はAl薄膜である。
(4)銀塩を用いた導電性銀形成法による方法
樹脂フィルム面上に感光性ハロゲン化銀塩とバインダとを含有する感光材料が塗布される。パターン露光および現像が行われる。露光部に細線からなる銀が形成され、未露光部に光透過性部が形成される。これにより、網目状導体(Ag)が形成される。
(網目状導体(導体細線)の線幅、ピッチ、厚み寸法)
島状電極や電極間配線を構成する導体細線の線幅、導体細線のピッチ、導体細線の厚みは、各々、例えば10μm〜50μm、100μm〜1000μm、2μm〜10μmである。このような網目状導体は、導体細線の線幅が細く、線幅に対するピッチが大きく、目立ち難く、視認性が向上する。
網目状導体(島状電極、電極間配線)の開口率は、表示画面の明るさの観点から、好ましくは、90%以上である。開口率は、(網目状導体の外形全面積−導体部分の面積)/(網目状導体の外形全面積)である。
前記島状電極の外形の大きさは、例えば2mm〜5mmである。前記電極間配線の外形幅は前記島状電極の外形より小さい。
隣接する島状電極(前記電極間配線で接続される島状電極)の間の距離(島状電極の外形をなす辺間の距離)は、例えば20μm〜100μmである。
引出配線(導体細線)の寸法、ピッチ、厚みは、前記島状電極の寸法、ピッチ、厚みと同じであっても良く、異なっていても良い。例えば、導体細線の線幅、ピッチ、厚みは、各々、50μm〜200μm、100μm〜1000μm、10μm〜50μmであっても良い。
引出配線は、島状電極列からの信号が外部回路に伝達される配線である。引出配線は、高導電率を有する導電材料から構成される。引出配線は、網目状である。しかし、網目状に限られない。非網目(ベタ)配線であっても良い。
引出配線の延長部分として形成されるタッチパネル端子部、及び孤立配線(タッチパネルフィルムの一方の面に形成される引出配線が、タッチパネルフィルムに形成されたスルーホール内の導体を介して接続される、タッチパネルフィルムの他方の面に形成される孤立配線)は、網目状である。しかし、網目状に限られない。所謂、ベタ配線であっても良い。
(意匠印刷層)
意匠印刷層は、光不透過性の窓枠や、抜き文字等の印刷が施された層である。前記意匠印刷層は、前記入力領域(アクティブ領域:タッチ入力領域)の外側の領域(非アクティブ領域)に設けられている。
意匠印刷層は意匠フィルムに形成される。意匠フィルムとして、タッチパネルフィルムとして使用される電気絶縁性透明樹脂フィルムが使用される。このフィルムの片面に意匠印刷層が形成される。
前記意匠印刷層は、印刷(例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷など)によって、形成される。印刷厚さは、例えば2μm〜10μmである。
網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルムに、直接、意匠印刷層が形成されても良い。この意匠印刷層の内側の領域が表示領域(入力領域)である。この場合、意匠フィルムは用いられない。
意匠印刷層が形成された意匠フィルムと、網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルムとが積層された態様であっても良い。例えば、後述するタッチパネル成型体(D)であっても良い。
(ハードコート層)
タッチパネル(透明樹脂ケース(或いは、意匠フィルム))の最外層に、ハードコート層が設けられても良い。このハードコート層は、好ましくは、厚さが1μm〜20μmである。ハードコート層の材料には、例えばニデック社製の有機無機ハイブリッドハードコート剤Acierが挙げられる。
<入出力一体型装置(I),(II),(III),(IV)の共通事項>
入出力一体型装置(I),(II),(III),(IV)の共通事項が説明される。
(入出力一体型装置)
前記タッチパネルと前記表示装置とが組み合され、入出力一体化装置が構成される。前記入出力一体化装置は、タッチパネル成型体、表示装置、タッチパネル成型体と表示装置との間を電気的に接続するフレキシブル印刷回路基板(FPC)等の接続導体、タッチパネル制御・信号処理回路、表示ユニット制御・信号処理回路、入出力一体化装置制御・信号処理回路などを具備する。表示装置は、例えば液晶表示装置(LCD)である。
タッチパネル制御・信号処理回路は、これから送信される駆動信号によって駆動制御され、タッチパネル成型体からの信号を処理する。タッチパネル成型体からの信号或いはこの信号の処理結果は、表示装置に送信される。表示に必要とされる信号処理がなされる。処理結果は、表示ユニット制御・信号処理回路によって駆動制御される表示装置(表示面)に表示される。入出力一体化装置制御・信号処理回路は、入出力一体化装置全体を制御する。前記入出力一体化装置制御・信号処理回路は、装置全体に係る信号処理を実行する回路である。前記入出力一体化装置制御・信号処理回路は、タッチパネル制御・信号処理回路及び表示ユニット制御・信号処理回路へ制御信号を送信し、前記回路の動作を制御する。
タッチパネルと組み合される表示装置は、文字情報、画像情報を含む映像の出力装置である。前記表示装置は、表示面と表示ユニット制御・信号処理回路を具備する。表示面は、映像を出力表示する表示領域と、この表示領域を取囲む非表示領域とを具備する。表示ユニット制御・信号処理回路は、出力表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示装置を駆動する。表示装置は、表示ユニット制御・信号処理回路の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面に表示する。
タッチパネルの主面は、表示装置(表示面)上方に対向して、配置される。タッチパネルの主面に設けられた主面入力領域(タッチ入力領域、アクティブ領域)は、表示装置(表示面)の表示領域に相対して、配置される。タッチパネルの主面に設けられた非アクティブ領域は、表示装置の非表示面の表示領域に相対して、配置される。ユーザは、表示装置の表示面に表示される映像を、透光性の主面入力領域を介して、観察する。
(入出力一体型装置の大きさ)
入出力一体型装置を備える電子機器の一例として、電話機能を有する携帯端末が挙げられる。この端末の外形寸法は、横70mm〜80mm、縦130mm〜150mm、厚さ8mm〜100mmである。表示装置(表示面)の表示領域の形状、及び前記表示装置(表示面)に対応するタッチパネルの主面入力領域の形状は、矩形である。例えば、横方向長さが60mm〜70mm、縦方向長さが90mm〜120mmである。側面入力領域の形状は矩形である。例えば、横側面では、厚さ方向長さが8mm〜10mm、横方向長さが50mm〜60mmである。縦側面では、厚さ方向長さが8mm〜10mm、縦方向長さが80mm〜110mmである。
タッチパネルは表示装置と組み合されて用いられる。タッチパネルは、主面入力領域と側面入力領域とを具備する。タッチ入力領域は複数面に有る。引出配線の殆どは側面に形成されている。主面の殆どは、主面入力領域となる。従って、主面入力領域は大きな表示面を持つ。前記タッチパネルは、大きな表示面を持つ表示装置に用いられる。大きな表示面を持つ入出力一体化装置に好適である。これ等の装置の操作性は優れている。
(表示装置の例)
前記タッチパネルが組み合わされる表示装置として、例えば液晶ディスプレイ装置、有機LEDディスプレイ装置、無機LEDディスプレイ装置、エレクトロクロミックディスプレイ、プラズマディスプレイ装置、電界放出ディスプレイ装置などが挙げられる。
(入出力一体型装置が適用される電子機器の例)
前記入出力一体型装置は、例えば一般家電品(洗濯機、冷蔵庫、テレビ等)、携帯電話機、カーナビゲーション装置、可搬型ナビゲーション装置、携帯型メディアプレーヤ、電子ブックリーダー装置、タブレット端末、ゲーム機、電子辞書、現金自動預け払い機、各種の理化学機器を始めとする産業用機器に用いられる。
ユーザは、前記入出力一体型装置の出力表示画面を参照しながら、同じ出力表示画面を入力面とし、ここに、指示体(タッチペン等の入力器具や指等)でタッチする。前記タッチによって、出力表示画面の任意の位置が指示される。これにより、予め、設定されている各種操作条件が出力表示画面で選択される。或いは、各種操作条件が出力表示画面に数値入力される。各種操作条件に対応して側面入力領域に予め設定された複数のキーから、目的とするキーが選択され、種々の電子装置にその運転条件が指示される。
前記タッチパネルは、主面と側面との両面にタッチ入力領域が形成されている。従って、操作条件の指示に、主面入力領域と側面入力領域の何れかの面を用いることが出来る。これは操作性が高いことを意味する。
以下、タッチパネル、タッチパネルの製造方法、入出力一体型装置が説明される。
<タッチパネル成型体(A)からなるタッチパネルの製造方法、タッチパネル、並びにタッチパネルと表示装置とを具備する入出力一体型装置(I)>
<タッチパネル成型体(A)>
タッチパネル(タッチパネル成型体(A))は、次の製造工程を経て、製造される(図1参照)。
図1は、タッチパネル成型体(A)の製造工程図である。図1(a)は、タッチパネルフィルムに島状電極と引出配線とが形成される工程と、意匠印刷層が形成される工程とを経て得られたフィルムの平面図である。図1(b1)は、図1(a)のフィルムが加熱フォーミングされる工程を経て得られたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(タッチパネル成型体)(α)の斜視図である。図1(b2)は、図1(b1)のX−X線断面図である。図1(c)は、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型の工程での断面図である。図1(d)は、金型から成型体が取り出された後のハードコート材料本硬化工程でのX−X線断面図である。図1(e1)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(A)のX−X線断面図である。図1(e2)はY−Y線断面図である。
タッチパネルフィルム40の表面および裏面に、島状電極、電極間配線、引出配線、引出配線の末端のタッチパネル端子部18、スルーホール19が、所定のパターンで、形成された(図1(a)参照)。前記電極間配線、前記引出配線、及び前記スルーホールは、図1(a)には示されていない。前記スルーホール19は、y方向の引出配線32の端部のタッチパネル端子部18に形成された。前記島状電極によって、タッチ位置が検出される。
20は、タッチパネルフィルム40の表面に形成されたx方向に配列した島状電極である。30は、タッチパネルフィルム40の裏面に形成されたy方向に配列した島状電極である。21,31は島状電極の間を接続する配線(電極間配線)である。21は、タッチパネルフィルム40の表面に形成されたx方向の電極間配線である。31は、タッチパネルフィルム40の裏面に形成されたy方向の電極間配線である。電極列1,2,3,4は、前記島状電極と前記電極間配線とで、構成される。電極列1は、前記タッチパネルフィルム40の中央位置(図1(b1)においては、(xy)面)の表面に形成されている。電極列2は、前記タッチパネルフィルム40の中央位置(図1(b1)においては、(xy)面)の裏面に形成されている。電極列3は、前記タッチパネルフィルム40の左方位置(図1(b1)においては、(xz)面)及び上方位置(図1(b1)においては、(yz)面)の表面に形成されている。電極列4は、前記タッチパネルフィルム40の左方位置(図1(b1)においては、(xz)面)及び上方位置(図1(b1)においては、(yz)面)の裏面に形成されている。22,32は引出配線である。22は、タッチパネルフィルム40の表面に形成されたx方向の引出配線である。32は、タッチパネルフィルム40の裏面に形成されたy方向の引出配線である。10は主面入力領域である。15a,15bは側面入力領域である。12は主面(主面領域)である。43は意匠印刷層である。18はタッチパネル端子部である。
意匠印刷層43がタッチパネルフィルム40の表面に形成された。島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32、意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムが得られた。このタッチパネルフィルムは、後述の図2〜図5、図10によって、説明される。
最終的に形成されたタッチパネルにおいて、主面入力領域10、側面入力領域15a,15bは、点線で示されている(図1(a)参照)。
島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32、意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムに対して、タッチパネル端子部18(y方向の引出配線32の端部のタッチパネル端子部18)に、スルーホール19が、形成されても良い。タッチパネル端子部18(y方向の引出配線32の端部のタッチパネル端子部18)にスルーホール19が形成された後に、意匠印刷層43が形成されても良い。
図1(a)で得られたフィルムが加熱フォーミングされた。これによって、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)50αが得られた(図1(b1)(b2)参照)。網目状導体パターンや意匠印刷層が形成されたタッチパネルフィルム(図1(a)参照)が、加熱軟化・冷却固化される前に、型にセットされた。真空圧や圧縮空気によって、目的とする箱(ケース)が成型された。この後、不要部分がトリミング(仕上げ加工、抜き加工)された。これにより、内部に直方体状の中空部63を有する箱型のフィルム中間品(中空部63の外部の面に意匠印刷層43を有するタッチパネル加熱フォーミング体(α))が得られた(図1(b1)(b2)参照)。この加熱フォーミング体(α)50αが説明される(後述の図6参照)。
図1(a)、図1(b)では、島状電極20,30は、実質的に透明であり、視認されない。しかし、構成を明確にする為、表面や裏面に形成された島状電極20,30は実線で示されている。島状電極を接続する電極間配線21,31は省略されている。z方向から眺めた場合、表面の島状電極20と裏面の島状電極30とが隣接する間の間隙も省略されている(図2、図5、図6、図7、図8、図11(a)、図11(b)、図13(a)、図13(b)、図15(a)、図15(b)、図15(e)、図16、図17(b)、図18、図24〜図28においても、同様)。
フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とによって、タッチパネル成型体(A)50Aが得られた(図1(c)及び図1(d)参照)。
タッチパネル加熱フォーミング体(α)とハードコート材料の仮硬化層45aが表面に形成された剥離性フィルム46とが用いられ、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とが行われた。これにより、タッチパネル成型体(A)50Aが得られた。
タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の内面が、凸状金型91aの凸状部に、セットされた。タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの外面と凹状金型91bの凹状部との間に、ハードコート材料の仮硬化層45aが表面に形成された剥離性フィルム46が、セットされた。この後、凸状金型91aと凹状金型91bとが型合せ(型締め、型閉じ)された(図1(c)参照)。流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)が、剥離性フィルム46に形成されたハードコート材料の仮硬化層45aとタッチパネル加熱フォーミング体(α)50α外面との間に、射出充填された。同時に、剥離性フィルム46の面から成型樹脂材料の面に仮硬化層45aが転写された。冷却固化後、金型の型開きが行われ、成型体が取り出された。
金型から取り出された成型体のハードコート材料の仮硬化層45aが本硬化させられた。ハードコート層45、成型樹脂材料による透明樹脂ケース62、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの三者が一体化された。意匠印刷層43がタッチパネルフィルム40と透明樹脂ケース62とで挟まれたタッチパネル成型体(A)50Aが得られた(図1(d)参照)。
図1(c)では金型の細部は図示されていない。しかし、凸状金型91a、凹状金型91bには、成型体の金型よりの型抜きを容易にする為、抜き勾配が構成されている。加熱溶融した成型樹脂材料の流れを容易にする為、又、応力集中を減少させる為、コーナー(角)部は曲面である。成型体において、肉厚がtである透明樹脂硬化体の二面が交差する角部の曲率半径(R)は、角部の内面側でR1=(1/t)、角部の外面側でR2=(1.5/t)である。例えば、t=0.5mmとすると、R1=0.25mm、R2=0.75mmである。前記抜き勾配、角部の曲率半径(R)は、凸状金型93a,95a,95b,97a及び凹状金型93b,95c,97bにも、形成されている。
フレキシブル印刷回路基板(FPC)70の一方のFPC端子部は、タッチパネル成型体(A)50Aの(zy)面に露出するタッチパネル端子部18に、接続されている(図1(e)参照)。フレキシブル印刷回路基板(FPC)70の他方のFPC端子部は、表示装置90、タッチパネル制御・信号処理回路100、表示ユニット制御・信号処理回路110、入出力一体型装置制御・信号処理回120等の回路が実装される実装基板92の実装基板端子72に、接続されている(後述の図9参照)。
フレキシブル印刷回路基板(FPC)70が接続されるタッチパネル端子部18の近傍部分の構造は、後述される(図10参照)。
(タッチパネルフィルムへの網目状導体パターンの形成)
図2は、島状電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(a)の平面図である。
タッチパネルフィルム40の表面には、x方向に配列した島状電極20の電極列が形成された。前記島状電極20と前記島状電極20とは、x方向の電極間配線21によって、接続された。前記電極列は、y方向に、複数列(例えば、10列)が、形成された。x方向の引出配線22が、前記島状電極20の電極列の末端位置に接続された。
タッチパネルフィルム40の裏面には、y方向に配列した島状電極30の電極列が形成された。前記島状電極30と前記島状電極30とは、y方向の電極間配線31によって、接続された。前記電極列は、x方向に、複数列(例えば、6列)が、形成された。y方向の引出配線32が、前記島状電極30の電極列の末端位置に接続された。
タッチパネルフィルム40の表面に形成された島状電極20と、裏面に形成された島状電極30とは、z方向から眺めた場合、互いに、重ならない。すなわち、間隔を置いて、格子状に、二次元的に配置されている(図2参照)。島状電極20,30の形は、各々、頂角が90°の菱形である。
タッチパネルフィルム40の表面に、x方向の引出配線22(及び、y方向の引出配線32)が接続されるタッチパネル端子部18が形成されている。y方向の引出配線32は、スルーホール19を介して、タッチパネル端子部18に接続されている。スルーホール19は、タッチパネル端子部18の任意の箇所(又は、y方向に配列する島状電極30の電極列の末端の島状電極30からタッチパネル端子部18に到るまでのy方向の引出配線32の任意の箇所)に形成されている。
タッチパネルフィルム40の裏面に、x方向の引出配線22(及び、y方向の引出配線32)が接続されるタッチパネル端子部18が形成されても良い。スルーホール19が、任意の個所(x方向に配列する島状電極20の電極列の末端の島状電極20からタッチパネル端子部18に到るまでのx方向の引出配線22の任意の箇所)に、形成されても良い。x方向の引出配線22が、スルーホール19を介して、タッチパネル端子部18に接続されても良い。
島状電極(検出電極)20,30及び引出配線22,32の抵抗値が精密に調整され、タッチ位置の位置検出精度を高める為、必要に応じて、取出配線22,32の抵抗値を調整する為の抵抗調整部が、任意の個所(例えば、タッチパネルの側面部に形成された引出配線22、32がタッチパネル端子部18に到るまでの途中の任意の箇所)に設けられてもよい。
最終的に形成されたタッチパネルの主面入力領域10は、フィルム40の主面部12の殆どである。タッチパネルの側面入力領域15aの島状電極20は、フィルム40の上方に位置している。タッチパネルの側面入力領域15bの島状電極30は、フィルム40の左方に位置している(図2参照)。
図3は、網目状導体(島状電極、電極間配線、引出配線)の一部拡大平面図である。図3(a1)は、y方向の電極間配線31−島状電極30−電極間配線31−島状電極30−電極間配線31の拡大平面図である。図3(a2)は、x方向の電極間配線21−島状電極20−電極間配線21−島状電極20−電極間配線21の拡大平面図である。図3(b1)は、y方向の引出配線32の一部拡大平面図である。図3(b2)は、x方向の引出配線22の一部拡大平面図である。
島状電極20と島状電極20とは、電極間配線21によって、電気的に接続されている。x方向における末端(端部)の島状電極20に、引出配線22が、接続されている。
島状電極30と島状電極30とは、電極間配線31によって、電気的に接続されている。y方向における末端(端部)の島状電極30に、引出配線32が、接続されている。
島状電極20,30及び電極間配線21,32は前記網目状導体で構成されている。本実施形態においては、引出配線22,32も、前記網目状導体で構成されている。しかし、引出配線22,32は、網目状でなくても良い。所謂、ベタ配線であっても良い。
引出配線22,32の延長部分であるタッチパネル端子部18も、網目状であっても、網目状でなくても良い。
島状電極および電極間配線は、光透過率の観点から、好ましくは、網目状である。特に、開口率が90%以上の網目であるのが好ましい。これにより、細線が視認され難く、表示画面の視野が明るくなる。
島状電極20,30、電極間配線21,31、及び引出配線22,32は、好ましくは、網目状導体である。その理由は、フィルムをケース(箱型)に成形するに際して、網目状導体に断線が起き難かったからに寄る。加熱フォーミング体(α)(β)は、島状電極、電極間配線および引出配線が形成されたタッチパネルフィルムが加熱フォーミングされることによって、得られる。この時、網目状導体(島状電極、電極間配線、引出配線)が加熱フォーミング体の角部(稜線部)に位置していても、かつ、加熱フォーミング時に起きる引張力や圧縮力が前記網目状導体に作用しても、前記網目状導体には断線が起き難かった。特に、網目状導体がAu,Ag,Cu,Al等で構成されていた場合には、断線が起き難かった。
引出配線がベタ配線の場合でも、引出配線はAu,Ag,Cu,Al等で構成されていることが好ましい。その理由は、Au,Ag,Cu,Al等は、展性や延性に優れているからである。従って、断線が起き難い。
網目状導体は、前記方法[例えば、(1)導電インクの印刷による方法、(2)導体薄膜のエッチングによる方法、(3)蒸着マスクを使用した金属蒸着方法、(4)銀塩を利用した導電性銀形成法による方法]によって、形成できる。
(タッチパネルフィルムへの意匠印刷層の形成)
図4は、タッチパネルフィルムに形成する意匠印刷層の平面図である。
タッチパネルの主面((xy)面)となる領域12の殆どを占める主面入力領域10が、光透過性の透明な開口領域44として形成される。この領域は意匠印刷層43が形成されない部分である。前記開口領域44の外周部分に意匠印刷層が形成される(図4参照)。
例えば、各種の操作の為の案内キー7や透明な背景が、側面入力領域15a,15bとなる部分(点線で示される部分)に、印刷によって、形成されている。開口領域44の外周部分で、かつ、側面入力領域とならない領域(図4の右方および下方の領域)は、意匠印刷層43として、光不透過性の層が印刷される(図4参照)。
タッチパネル端子部開口部16は開口部である(図4参照)。タッチパネル端子部18(図5参照)は、前記開口部16から、露出する。意匠印刷層は前記開口部16に設けられない(図4参照)。
図5はタッチパネルフィルム(a)の平面図である。前記タッチパネルフィルム(a)には、島状電極、引出配線、及び意匠印刷層が形成されている。図5は、図4が図2の上に重ねられた図である。従って、説明は省略される。
(タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の形成)
図6は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の斜視図である。
タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αは、その内部に、直方体状中空部63を具備する。意匠印刷層が、主面と側面とに、設けられている。主面入力領域(x方向に配列した島状電極20、及びy方向に配列した島状電極30が形成)10が、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの主面部((xy)面)12に、形成されている。意匠印刷層43が、主面入力領域10の外周域に、形成されている。側面入力領域15a,15bが、主面((xy)面)に直交する側面に、形成されている。意匠印刷層43が、側面入力領域15a,15bの外周域に、形成されている。タッチパネル端子部18、及びタッチパネル端子部開口部16が、前記側面に形成されている。スルーホール19が前記タッチパネル端子部開口部16に形成されている(図6参照)。
図7は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の説明図である、図7(a)は背面図である。図7(b)は左側面図である。図7(c)は平面図である。図7(d)は右側面図である。図7(e)は正面図である。
タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αは主面部12((xy)面)を具備する。主面入力領域10が主面部12に形成されている。主面入力領域10は主面部12の殆どを占める。側面入力領域15aが背面(側面)に形成されている。側面入力領域15bが左側面に形成されている。タッチパネル端子部18およびタッチパネル端子部開口部16が、正面(側面)に、形成されている。スルーホール19がタッチパネル端子部開口部16に形成されている。x方向の引出配線22とy方向の引出配線32とを遮蔽する意匠印刷層43が形成されている。右側面には、y方向の引出配線32を遮蔽する意匠印刷層43が形成されている(図7参照)。
図8は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の下面図である。
x方向の引出配線22が端子部18aに接続されている。前記引出配線22は、x方向に配列した電極列の端部(第6列目)の島状電極20に接続されている。前記引出配線22は、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの正面に形成されている。y方向の引出配線32が端子部18bに接続されている。前記引出配線32は、y方向に配列した電極列の端部(第10列目)の島状電極30に接続されている。前記引出配線32は、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの右側面に形成されている(図8参照)。
<入出力一体型装置(I)>
入出力一体型装置(I)(タッチパネル(タッチパネル成型体(A))および表示装置を具備)が説明される。
図9は入出力一体型装置(I)の説明図である。図9(a)は斜視図(ハードコート層は図示せず。)である。図9(b)はX−X線断面図である。図9(c)はY−Y線断面図である。
入出力一体型装置(I)50Iは、タッチパネル成型体(A)50Aから構成された上側箱体67と、前記上側箱体67と嵌合する下側箱体69とを具備する。前記上側箱体67と下側箱体69とで、内部に、閉鎖空間が形成される(図9参照)。
タッチパネル成型体(A)50Aの最外層のハードコート層45は図示されていない(図9(a)参照)。開口領域44は、タッチパネルフィルム40に意匠印刷層が形成されていない透明な領域である。開口領域44は主面入力領域10に対応する。島状電極20,30は図示されていない。
実装基板端子72の一方の面に搭載された表示装置90が、上側箱体67の内部空間に、収納されている(図9(b),図9(c)参照)。上側箱体67と実装基板端子72とは接合されている。タッチパネル制御・信号処理回路100、表示ユニット制御・信号処理回路110、及び入出力一体型装置制御・信号処理回120等の回路が、実装基板端子72の他方の面に、搭載されている。
一方のFPAC端子(フレキシブル印刷回路基板(FPC)70の端子)が、タッチパネル端子部18に、接続されている。他方のFPAC端子が、実装基板92の実装基板端子部72に、接続されている。実装基板端子部72とタッチパネル端子部18とは、フレキシブル印刷回路基板(FPC)70を介して、電気的に接続されている。
主面入力領域および側面入力領域に形成された電極列に対して、共通の外部回路100,110,120によって、信号の送受がされる(後述の図12、図14、図22についても同様)。
一方のFPAC端子とタッチパネル端子部18との間は、例えば異方性導電接着剤によって、接続される。他方のFPAC端子と実装基板端子部72の間は、例えば異方性導電接着剤によって、接続される。
一方のFPAC端子とタッチパネル端子部18との間、及び他方のFPAC端子と実装基板端子部72との間は、異方性導電接着剤によって接続されている(図9(b)参照)。一方のFPAC端子とタッチパネル端子部18との間の接続の詳細は図示されていない(図12、図14、図22についても同様)。
異方性導電接着剤としては、市販品として入手可能な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic
conductive Paste)が挙げられる。例えば、実装基板端子部72と他方のFPAC端子との間に異方性導電フィルムが配置される。又は、実装基板端子部72と他方のFPAC端子との一方に異方性導電ペーストが塗布された後、加圧しながら異方性導電接着剤が硬化させられる。実装基板端子部72と他方のFPAC端子との間が電気的に接合されると共に、実装基板92とフレキシブル印刷回路板(FPC)70とが接合される。
図10はタッチパネル端子部の説明図である。図10(a)はタッチパネル端子部の拡大平面である。図10(b)はW−W線拡大断面図である。図10(b1)はスルーホール形成時の断面図である。図10(b2)は保護層形成後の断面図である。図10(c)は、タッチパネル端子部とFPC端子部との位置関係の説明図である。
保護層34が形成されている。この保護層34は、意匠印刷層43で被覆されていない露出部分、及び孤立配線23部分を、覆っている。前記露出部分は、タッチパネル端子部18近傍での露出部分である。前記露出部分は、スルーホール19に充填された導体が外部に露出している部分である。引出配線73及びタッチパネル端子部75は、保護層34で被覆されている(図10参照)。後述する図11、図13、図15〜図18、図24〜図28に示されるタッチパネル端子部18も同様である。
タッチパネル端子部18は引出配線32の延長部分である。従って、タッチパネル端子部18は引出配線32の断面として図示されている。孤立配線23は引出配線22が形成された面に形成されている。孤立配線23は引出配線22に接続されていない。孤立配線23は、スルーホール19に充填された導体を介して、引出配線32に接続されている(図10(b),図10(c)参照)。
島状電極20,30、引出配線22,32、タッチパネル端子部18が、タッチパネルフィルム40に形成された後、スルーホール19が形成される。前記スルーホール19は、孤立配線23と引出配線32との電気的接続に用いられる(図10(b1)参照)。
孤立配線23は、引出配線22,32、タッチパネル端子部18と同様に、網目状導体であっても、ベタ配線であっても良い。
島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32、意匠印刷層43が、タッチパネルフィルム40に形成された後、タッチパネル端子部18、スルーホール19が形成されても良い。タッチパネル端子部18、スルーホール19が形成された後に、意匠印刷層43が形成されても良い。
カーボンインクが、タッチパネルフィルム40の両面側から、スルーホール19に供給・充填され、意匠層印刷層43が形成されている場合、保護層34が設けられる。前記保護層34は、意匠層印刷層43によって被覆されていない孤立配線23、引出配線32、スルーホール19充填表面露出カーボン33を完全に覆っている。前記保護層は、カーボンインクの印刷により形成される(図10(b2)参照)。
引出配線22,32およびタッチパネル端子部18がAgによって構成されている場合、カーボン保護層34はAg部分を完全に被覆している。従って、Agの酸化やマイグレーションが防止される。
保護層34が設けられた後、意匠層印刷層43が形成される場合、意匠層印刷層43は保護層34に重なるように設けられる。
図10(c)と図9(b)とは関連している。図10(c)は、タッチパネル端子部18とFPAC端子部78との間の接続における位置関係を示す。タッチパネル端子部18に形成されたカーボン保護層34とFPAC端子78との間が、異方性導電接着剤によって、電気的に接続される。
<入出力一体型装置(II)(タッチパネル成型体(B)からなるタッチパネルと表示装置を具備)>
<タッチパネル成型体(B)>
タッチパネル成型体(B)は次の製造工程(図11参照)を経て製造される。
図11は、タッチパネル成型体(B)の製造工程説明図である。図11(a)は、タッチパネルフィルムに島状電極と引出配線とが形成される工程と、意匠印刷層が形成される工程とを経て得られたフィルムの平面図である。図11(b1)は、図11(a)のフィルムが加熱フォーミングされる工程を経て得られたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の斜視図である。図11(b2)は、図11(b1)のX−X線断面図である。図11(c)は、フィルムインサート成型工程におけるX−X線断面図である。図11(d1)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(B)のX−X線断面図である。図11(d2)はY−Y線断面図である。
図1のタッチパネル成型体(A)はハードコート層45を具備する。図11のタッチパネル成型体(B)はハードコート層45を具備しない。
図11(a)及び図11(b)は、図1(a)及び図1(b)と同様である。本実施形態は、図1(a)及び図1(b)と同様に行われた。先ず、タッチパネルフィルム40に、網目状導体パターン20,30,18が形成された。次に、意匠印刷層43が形成された。すなわち、網目状導体パターン20,30,18及び意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムが作製された。このタッチパネルフィルムが加熱フォーミングされ、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αが得られた。
フィルムインサート成型が前記タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αに対して行われ、タッチパネル成型体(B)が得られた(図11(c)参照)。すなわち、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の内面が、凸状金型93aの凸状部にセットされた。凸状金型93aと凹状金型93bとが型合せ(型締め、型閉じ)された。流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)が、凹状金型93bの凹状部とタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの外面との間に射出・充填された。冷却固化後、金型の型開きが行われた。成型体(B)50bが金型から取り出された。
前記タッチパネル成型体(B)50bは、透明樹脂ケース62と、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αとが一体化されたものである。意匠印刷層43が、タッチパネルフィルム40と透明樹脂ケース62とで挟まれている。意匠印刷層43は、完全に、封止されている。
図11(d)は、タッチパネル成型体(A)50Aがタッチパネル成型体(B)50Bに置き換えられた図である(図1(e)参照)。従って、詳細は省略される。
<入出力一体型装置(II)>
入出力一体型装置(II)(タッチパネル成型体(B)を有するタッチパネルと表示装置とを具備)が説明される。
図12は入出力一体型装置(II)の説明図である。図12(a)は、X−X線(前記X−X線位置と同様位置)断面図である。図12(b)はY−Y線(前記Y−Y線位置位置と同様位置)断面図である。
図12の入出力一体型装置(II)50IIは、図9の入出力一体型装置(I)50Iと同様である。図12は、タッチパネル成型体(A)50Aがタッチパネル成型体(B)50Bに置き換えられた図である(図1参照)。従って、詳細は省略される。
<入出力一体型装置(III)(タッチパネル成型体(C)からなるタッチパネルと表示装置とを具備)>
<タッチパネル成型体(C)>
タッチパネル成型体(C)は次の製造工程(図13参照)を経て製造される。
図13は、タッチパネル成型体(C)の製造工程説明図である。図13(a)は、タッチパネルフィルムに島状電極と引出配線とが形成される工程と、意匠印刷層が形成される工程とを経て得られたフィルムの平面図である。図13(b1)は、図13(a)のフィルムが加熱フォーミングされる工程を経て得られたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の斜視図である。図13(b2)は、図13(b1)のX−X線断面図である。図13(c)は、フィルムインサート成型工程におけるX−X線断面図である。図13(d1)及び図13(d2)は補強材料成型工程での断面図である。図13(e1)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(B)のX−X線断面図である。図13(e2)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(B)のY−Y線断面図である。
タッチパネル成型体(C)50Cは、補強枠96を具備する。しかし、タッチパネル成型体(B)50Bは補強枠96を具備しない。
図13(a)及び図13(b)と図1(a)及び図1(b)とは同様である。タッチパネル成型体(C)50Cは、タッチパネル成型体(B)50Bと同様にして得られる。先ず、網目状導体パターン20,30,18が、タッチパネルフィルム40に形成された。次に、意匠印刷層43が形成された。網目状導体パターン20,30,18及び意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムが得られた。このフィルムが加熱フォーミングされた。これにより、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αが得られた。
フィルムインサート成型(1次成型)が、前記タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αを用いて、行われた。この後、補強材料成型(2次成型)が行われた。前記2段階成型によって、タッチパネル成型体(C)50Cが得られた。前記2段階成型(1次成型、2次成型)では、凹状金型95cが共通金型として用いられる。
先ず、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の内面が、凸状金型95aの凸状部に、セットされた(図13(c)参照)。タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の外面が、凹状金型95cの凹状部に、セットされた。凸状金型95aと凹状金型95cとの型合せが行われた。
流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)が、凹状金型95cの凹状部とタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの外面との間に、射出・充填された。冷却固化(1次成型)によって、1次成型体が得られた。
次に、型開きが行われた。前記1次成型体が凹状金型95cに残された状態で、凸状金型95aが凸状金型95bに変更された。2次成型が行われた。この2次成型によって、1次成型で冷却固化された透明樹脂60の中空部63の内面に補強枠96が形成された(図13(d)参照)。
前記2次成型では、凸状金型95bが、1次成型で冷却固化された透明樹脂60の中空部63の内部に、セットされた。凹状金型95cと凸状金型95bとの型合せが行われた。流動化した成型樹脂材料が、凸状金型95bの凸状部の側面とタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの内側面との間に射出・充填された。冷却固化(2次成型)によって、2次成型体が得られた。
又は、2次成型で、仮硬化状態(例えば、Bステージの熱硬化性樹脂)の補強枠96が、1次成型で冷却固化された透明樹脂60の中空部63の内部に、セットされた。凸状金型95bの凸状部が、前記補強枠96の枠内に、セットされた。仮硬化された状態の補強枠96が、1次成型で冷却固化された透明樹脂60と凸状金型95bの凸状部との間に挟まれた状態である。前記仮硬化補強枠96が、加熱により、本硬化した。これによっても、2次成型体が得られた。
又は、2次成型で、仮硬化状態の補強枠96が、凸状金型95bの凸状部の外面に、セットされた。凸状金型95bの凸状部が、1次成型で冷却固化した透明樹脂60の中空部63の内部に、セットされた。仮硬化状態の補強枠96が、透明樹脂60と凸状金型95bの凸状部との間に挟まれる。この状態で、仮硬化状態の補強枠96が、加熱・本硬化した。これによっても、2次成型体が得られた。
前記2次成型における成型樹脂材料は、1次成型における成型樹脂材料(透明樹脂60)とは異なる。例えば、強度を高める為、無機粒子が充填された成型用樹脂材料である。この成型用樹脂材料は、透明である必要はない。例えば、無機粒子が充填された熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等)である。
このようにして、タッチパネル成型体(C)50cが得られた。タッチパネル成型体(C)50cは、補強枠96、透明樹脂ケース62、タッチパネル加熱フォーミング体(α)を具備する。前記三者が一体化されている。意匠印刷層43は、タッチパネルフィルム40と透明樹脂ケース62との間に挟まれている。意匠印刷層43は、完全に、封止されている。
タッチパネル成型体(A)50Aとタッチパネル成型体(C)50Cとは同様である(図13(e)及び図1(e)参照)。従って、説明は省略される。
<入出力一体型装置(III)>
入出力一体型装置(III)(タッチパネル成型体(C)を有するタッチパネルと表示装置とを具備)が説明される。
図14は入出力一体型装置(III)の説明図である。図14(a)はX−X線(前記X−X線位置と同様位置)断面図である。図14(b)はY−Y線(前記Y−Y線位置と同様位置)断面図である。
図14の入出力一体型装置(III)50IIIは、図9の入出力一体型装置(I)50Iと同様である。図14は、タッチパネル成型体(A)50Aがタッチパネル成型体(C)50Cに置き換えられた図である(図1参照)。従って、説明は省略される。
<入出力一体型装置(IV)(タッチパネル成型体(D)からなるタッチパネルと表示装置とを具備)>
<タッチパネル成型体(D)>
タッチパネル成型体(D)は次の製造工程(図15参照)を経て製造される。
図15は、タッチパネル成型体(D)の製造工程説明図である。図15(a)は、タッチパネルフィルムに島状電極と引出配線とが形成される工程を経て得られたフィルムの平面図である。図15(b)は、図15(a)のフィルムが加熱フォーミングされたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)の斜視図である。図15(c)は、意匠印刷層が形成された意匠フィルムの平面図である。図15(d)は、図15(c)の意匠フィルムが加熱フォーミングされた意匠フィルム加熱フォーミング体の斜視図である。図15(e1)は、フィルムインサート成型工程における断面図である。図15(e2)は、タッチパネル成型体(D)の斜視図である。図15(e3)は、X−X線断面図である。図15(f1)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(D)のX−X線断面図である。図15(f2)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(D)のY−Y線断面図である。
図1(a)と同様な網目状導体パターンが、タッチパネルフィルム40に、形成された(図15(a)参照)。網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルム40が、加熱軟化・冷却固化の前に、型に、セットされた。真空圧や圧縮空気により、ケース(箱型)形状に成型された。この後、不要部分がトリミング(仕上げ加工、抜き加工)された。これにより、タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βが得られた(図15(b)参照)。タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βは、内部に、直方体状の中空部を有する。
図1(a)と同様な意匠印刷層43が、意匠フィルム42に、形成された(図15(c)参照)。意匠印刷層43が形成された意匠フィルム42が、加熱軟化・冷却固化する前に、型に、セットされた。真空圧や圧縮空気により、ケース(箱型)形状に成型された。この後、不要部分がトリミング(仕上げ加工、抜き加工)された。これにより、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γが得られた(図15(d)参照)。意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γは、内部に、直方体状の中空部を有する。
タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βと意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γとが用いられ、ダブルフィルムインサート成型によって、タッチパネル成型体(D)50Dが得られた(図15(e)参照)。タッチパネル成型体(D)50Dは、内部に、中空部63を具備する。
タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βの中空部の内面が、凸状金型97aの凸状部に、セットされた。加熱フォーミング体(γ)50γの中空部の外面が、凹状金型97bの凹状部に、セットされた。凸状金型97aと凹状金型97bとの型合せが行われた。流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)が、タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βの外面と、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの内面との間に、射出・充填された。冷却固化後、型開きが行われた。タッチパネル成型体(D)50Dが得られた(図15(e)参照)。タッチパネル成型体(D)50Dは、内部に、中空部63を具備する。
タッチパネル成型体(D)50Dは、透明樹脂ケース62と、タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βと、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γとの一体化物である。意匠印刷層は意匠フィルムと透明樹脂ケース62とで挟まれている。意匠印刷層は、完全に、封止されている。
タッチパネル成型体(A)50Aとタッチパネル成型体(D)50Dとは同様である(図15(f)及び図1(e)参照)。従って、説明は省略される。
図16は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)の斜視図である。図17は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)の説明図である。図17(a)は背面図である。図17(b)は左側面図である。図17(c)は平面図である。図17(d)は右側面図である。図17(e)は正面図である。図18は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)の下面図である。
図6のタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)50αは意匠印刷層43を具備する。本実施形態のタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)50βは、前記意匠印刷層43が設けられなかった例である。すなわち、本実施形態のタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)50βは、意匠印刷層を具備しない。従って、説明は省略される。
図19は、意匠フィルムの平面図である。
本実施形態の意匠フィルム42に形成された意匠印刷層43(図19参照)と、図4のタッチパネルフィルム40に形成された意匠印刷層43とは、同じである。主面入力領域10(タッチパネルの主面となる領域12の殆どの領域)には、意匠印刷層が形成されない。前記領域は光透過性を有する透明な開口領域44である。前記開口領域44の外周部分に意匠印刷層が形成された。
例えば、各種の操作の為の案内キーや透明な背景が、側面入力領域15a,15bとなる部分(点線で示される部分)に、意匠印刷層43によって、形成されている。開口領域44の外周部分で、かつ、側面入力領域とならない領域(図19の右方および下方の領域)には、光不透過性の層(意匠印刷層43)が印刷された(図19参照)。タッチパネル端子部開口部16は、タッチパネル端子部18が露出する意匠印刷層が形成されない開口部である。
図20は、意匠フィルム加熱フォーミング体の斜視図である。
意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γは、その内部に、直方体状の中空部を具備する。開口領域44が、意匠フィルム42の主面に、形成されている。開口領域44は、意匠印刷層43が形成されない光透過性を有する透明領域である。光不透過性の意匠印刷層43が、開口領域44の外周部に、形成されている。側面入力領域15a,15bが、側面に、形成されている。側面入力領域15a,15bの外周は、意匠印刷層43によって、囲まれている。タッチパネル端子部開口部16が設けられている。
図21は意匠フィルム加熱フォーミング体の説明図である。図21(a)は背面図である。図21(b)は左側面図である。図21(c)は平面図である。図21(d)は右側面図である。図21(e)は正面図である。
主面入力領域10が、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの主面部((xy)面)12に、開口領域44として、設けられている。主面入力領域10は主面部((xy)面)12の殆どを占めている。側面入力領域15aが、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの背面(側面)に、設けられている。側面入力領域15bが、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの左側面に、設けられている。タッチパネル端子部開口部16及び意匠印刷層43が、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの正面(側面)に、設けられている。タッチパネル端子部18及びスルーホール19が、タッチパネル端子部開口部16に、設けられている。意匠印刷層43は、引出配線22及び引出配線32を遮蔽する。引出配線32を遮蔽する意匠印刷層43が、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの右側面に、設けられている(図21参照)。
意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの下面図は、図8のタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の下面図(但し、タッチパネルフィルム40が意匠フィルム42に置き換えられる。島状電極20,30、引出配線22,32、スルーホール19、タッチパネル端子部18(18a,18b)が取り除かれる。)に相当する。従って、説明は省略される。
<入出力一体型装置(IV)>
入出力一体型装置(IV)(タッチパネル成型体(D)を有するタッチパネルと表示装置とを具備)が説明される。
図22は入出力一体型装置(IV)の説明図である。図22(a)はX−X線(前記X−X線位置と同様位置)断面図である。図22(b)はY−Y線(前記Y−Y線位置と同様位置)断面図である。
本実施形態の入出力一体型装置(IV)50IVは、図9の入出力一体型装置(I)50Iと同様である。図22は、図1(但し、タッチパネル成型体(A)50Aがタッチパネル成型体(D)50Dに置き換えられる。)と同様である。従って、説明は省略される。
<タッチパネル成型体(A)〜(D)の製造工程>
図23は、タッチパネル成型体の製造工程説明図である。タッチパネル成型体(A)〜(D)の製造工程が、比較して、説明される。
図1〜図8、図11、図13、図15〜図21のタッチパネル成型体の製造工程が、図23に、比較して、示されている。先ず、タッチパネルフィルム40に、島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32が形成された。次に、意匠印刷層43が形成された。この後、加熱フォーミングによって、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)50αが作製された。このタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αが用いられ、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とによって、タッチパネル成型体(A)50Aが得られた。前記タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αが用いられ、フィルムインサート成型によって、タッチパネル成型体(B)50Bが得られた。前記タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αが用いられ、フィルムインサート成型と補強成型とによって、タッチパネル成型体(C)50Cが得られた。
タッチパネルフィルム40に、島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32が形成された。この後、加熱フォーミングによって、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)50βが作製された。意匠フィルム42に意匠印刷層43が形成された。この後、加熱フォーミングによって、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γが作製された。前記タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)50βと前記意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γとが用いられ、フィルムインサート成型によって、タッチパネル成型体(D)50Dが作製された。
入出力一体型装置(I)50Iは、タッチパネル成型体(A)50Aを具備する。入出力一体型装置(II)50IIは、タッチパネル成型体(B)50Bを具備する。入出力一体型装置(III)50IIIは、タッチパネル成型体(C)50Cを具備する。入出力一体型装置(IV)50IVは、タッチパネル成型体(D)50Dを具備する。
<タッチパネル成型体の製造工程の変形例>
タッチパネル成型体の製造工程の変形例が説明される。
次の工程が、タッチパネル成型体製造工程の変形例として挙げられる。タッチパネル成型体(B)(C)(D)製造工程のフィルムインサート工程が、フィルムインサート成型工程とフィルムインモールド成型工程(タッチパネル成型体(A)の製造工程と同様)に置換された。これによって、タッチパネル成型体(B’)(C’)(D’)が得られた。タッチパネル成型体(B’)(C’)(D’)は、タッチパネル成型体(B)(C)(D)の最外層にハードコート層45が設けられたものである。
タッチパネル成型体(B)(C)(D)に対して、フィルムインモールド成型工程が適用された。これによって、タッチパネル成型体(B)(C)(D)の最外層にハードコート層45が設けられたタッチパネル成型体(B’)(C’)(D’)が得られた。
タッチパネル成型体(A)〜(D)製造工程において、タッチパネル加熱フォーミング体(α)、タッチパネル加熱フォーミング体(β)、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)の形成時における樹脂フィルムの加熱温度は、好ましくは、樹脂の軟化温度である。前記軟化温度は、好ましくは、300℃以下である。このような樹脂は、例えばPET(融点:258℃)、PEN(融点:269℃)、PE(融点:135℃)、PP(融点:163℃)、ポリスチレン(融点:230℃)、ポリ塩化ビニル(融点:180℃)、ポリ塩化ビニリデン(融点:212℃)、TAC(融点:290℃)等である。
タッチパネル成型体(A)〜(D)製造工程において、成型樹脂材料を流動化させる加熱温度(成型樹脂材料の射出温度)は、樹脂の溶融温度である。例えば、アクリル系樹脂では240℃前後、ポリエステル系樹脂では280℃前後、ポリアミド系樹脂では200℃前後、ABS、ポリスチレン、ポリカーボネート等の樹脂では270℃前後である。
<タッチパネルフィルムに形成される島状電極、引出配線のパターンの変形例>
網目状導体(島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32、タッチパネル端子部18)パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(a)(図2参照)では、引出配線32が、主面部12の右方(タッチパネル成型体では、y方向に垂直な一方の側面((xz)面)が対応)に、形成されている。引出配線22,32及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体では、x方向に垂直な一方の側面((yz)面)が対応)に、形成されている。
前記タッチパネルフィルム(a)(図2参照)、前記タッチパネルフィルム(b)(図24参照)、前記タッチパネルフィルム(c)(図25参照)では、島状電極20,30等の網目状導体パターンが、主面部12の左方(タッチパネル成型体では、y方向に垂直な他方の側面((xz)面)が対応)、及び主面部12の上方(タッチパネル成型体では、x方向に垂直な他方の側面((yz)面)が対応)に、形成されている。
タッチパネルフィルム(a)が用いられたタッチパネル成型体(A)〜(D)では、引出配線22及び引出配線32が接続されるタッチパネル端子部18は、x方向に垂直な一方の側面((yz)面)に形成されている。
引出配線22は、主面((xy)面)と一方の側面((xz)面)との二面の交差角部(稜線部)を通過する。引出配線22及び引出配線32は、主面((xy)面)と一方の側面((yz)面)との二面の交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、一方の側面((yz)面)と一方の側面((xz)面)との二面の交差角部(稜線部)を通過する。
タッチパネルフィルム40に島状電極20,30等の網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルムは、図2のタッチパネルフィルム(a)に限定されない。幾つかの例が図24〜図28に示される。これらの網目状導体パターンであっても、前記タッチパネル成型体(A)〜(D)と同様にして、タッチパネル成型体が作製される。
図24は、島状電極および引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(b)の平面図である。
網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(b)では、引出配線32及びタッチパネル端子部18並びにスルーホール19が、主面部12の右方(タッチパネル成型体のy方向に垂直な一方の側面((xz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。島状電極20、30等の網目状導体パターンが、主面部12の上方(タッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている(図24参照)。電極列1は、前記フィルムの表面の中央位置(前記(xy)面)に形成されている。電極列2は、前記フィルムの裏面の中央位置(前記(xy)面)に形成されている。電極列3は、前記フィルムの表面の左方位置(前記(xz)面)及び上方位置(前記(yz)面)に形成されている。電極列4は、前記フィルムの裏面の左方位置(前記(xz)面)及び上方位置(前記(yz)面)に形成されている。
タッチパネルフィルム(b)が用いられたタッチパネル成型体(A)〜(D)では、引出配線22が接続されたタッチパネル端子部18は、一方の側面((yz)面)に形成されている。引出配線32が接続されたタッチパネル端子部18は、一方の側面((xz)面)に形成されている。
引出配線22は、主面((xy)面)と一方の側面((yz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、主面((xy)面)と一方の側面((xz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。
図25は、島状電極および引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(c)の平面図である。
網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(c)では、引出配線32が、主面部12の右方(タッチパネル成型体のy方向に垂直な一方の側面((xz)面)に該当)及び主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22,32はタッチパネル端子部18に接続されている(図25参照)。
タッチパネルフィルム(c)では、島状電極20,30等の網目状導体パターンが、主面部12の上方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。図25における電極列1,2,3,4の形成箇所と、図24における電極列1,2,3,4の形成箇所とは、殆ど、同じである。
引出配線22は、主面((xy)面)と一方の側面((yz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、主面((xy)面)と一方の側面((xz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、前記側面と前記側面との交差角部(稜線部)を通過する。
図26は、島状電極および引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(d)の平面図である。
網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(d)では、引出配線32が、主面部12の右方(タッチパネル成型体の一方の側面((xz)面)に該当)及び主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22,32はタッチパネル端子部18に接続されている(図26参照)。
タッチパネルフィルム(d)では、島状電極20、30等の網目状導体パターンが、主面部12の上方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。電極列が(xz)面に形成されていない点を除けば、図26における電極列1,2,3,4の形成箇所と、図24における電極列1,2,3,4の形成箇所とは、殆ど、同じである。
図27は、島状電極および引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(e)の平面図である。
網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(e)では、引出配線32が、主面部12の右方(タッチパネル成型体の一方の側面((xz)面)に該当)及び主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22,32はタッチパネル端子部18に接続されている(図27参照)。
タッチパネルフィルム(e)では、島状電極20,30等の網目状導体パターンが、主面部12の左方(タッチパネル成型体の一方の側面((xz)面)に該当)に、形成されている。電極列が(yz)面に形成されていない点を除けば、図27における電極列1,2,3,4の形成箇所と、図24における電極列1,2,3,4の形成箇所とは、殆ど、同じである。
引出配線22は、主面((xy)面)と一方の側面((yz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、主面((xy)面)と一方の側面((xz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、前記側面と前記側面との交差角部(稜線部)を通過する。
図28は、島状電極および引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(f)の平面図である。
網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(f)では、引出配線32が、主面部12の右方(タッチパネル成型体の一方の側面((xz)面)に該当)及び主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22,32はタッチパネル端子部18に接続されている(図28参照)。
タッチパネルフィルム(f)では、島状電極20,30等の網目状導体パターンが、主面部12の左方(タッチパネル成型体の一方の側面((xz)面)に該当)、主面部12の右方(タッチパネル成型体の他方の側面((xz)面)に該当)、及び主面部12の上方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。電極列が右側の(xz)面にも形成されている点を除けば、図28における電極列1,2,3,4の形成箇所と、図24における電極列1,2,3,4の形成箇所とは、殆ど、同じである。
引出配線22は、主面((xy)面)と一方の側面((yz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、主面((xy)面)と一方の側面((xz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線22,32は、前記側面と前記側面との交差角部(稜線部)を通過する。
タッチパネル成型体のx方向に垂直な側面の一方、かつ、y方向に垂直な側面の一方、各々に、網目状導体パターン(島状電極20,30、電極間配線21,31)が形成されている。これによって、側面入力領域が形成される。側面入力領域とならない領域の側面に、引出配線22,32が、形成されている(図2、図24、図25参照)。
タッチパネル成型体のx方向(又は、y方向)に垂直な側面の一方に、網目状導体パターン(島状電極20,30、電極間配線21,31)が形成されている。これによって、側面入力領域が形成される。側面入力領域とならない領域の側面に、引出配線22、32が、形成されている(図26、図27参照)。
タッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面、かつ、y方向に垂直な二つの側面、各々に、網目状導体パターン(島状電極20,30、電極間配線21,31)が形成されている。これによって、側面入力領域が形成される。側面入力領域とならない領域の側面に、引出配線22,32が、形成されている(図28参照)。
図2、図24〜図28に示されるタッチパネルフィルムが所定形状に成形される。これによって、タッチパネル成型体が得られる。網目状導体パターン(島状電極20,30、電極間配線21,31)がタッチパネルフィネムの中央部に形成されているので、主面入力領域が形成される。網目状導体パターンがタッチパネルフィルムの周辺部に形成されているので、側面入力領域が形成される。タッチパネル成型体は、タッチパネル成型体の主面に垂直な側面(例えば、(イ)側面入力領域となる側面、(ロ)引出配線22,32が形成される側面、(ハ)側面入力領域となる面で、かつ、引出配線22,32が形成される側面、(ニ)側面入力領域とならず、引出配線22、32も形成されない側面の中の少なくとも一つ)を、具備している。従って、引出配線22,32が、タッチパネル成型体の主面に、形成されなくても済む。このことは、タッチパネルの主面部12の殆どの領域が主面入力領域となり得る。額縁領域は、出来るだけ、小さくなる。主面入力領域が、それだけ、大きくなる。
上記にあっては、島状電極、主面入力領域、側面入力領域、タッチパネル成型体などの形状、寸法は、例示に過ぎない。本発明は、上記実施形態に限定されない。本発明の技術的思想に基づいた各種の改良、修正、変形が可能である。
本発明によれば、入力領域が主面及び側面に存在するタッチパネルが得られた。前記タッチパネルと表示装置とを具備した入出力一体型装置が得られた。この装置は操作性が良い。