JP5219904B2 - 弾性ローラおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)無電解メッキにより形成されたニッケルによって周面が構成されており、軸方向の中央部の周面の表面酸化度が0.6以下であり、軸方向両端の該ニッケルの周面の表面酸化度が1.0以上である軸芯体を用意する工程と、
(2)該軸芯体の、該中央部及び該両端部の周面を該弾性体層の原料ゴム組成物の層で被覆する工程と、
(3)該原料ゴム組成物の層を硬化させて弾性体層を形成する工程と、
(4)該両端部の周面を被覆している該弾性体層を除去する工程とを有し、
該原料ゴム組成物は未加硫ゴムと、硫黄および分子内に硫黄原子を含む加硫剤から選ばれる少なくとも一方とを含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる弾性ローラは、軸芯体と、該軸芯体の周面を被覆している弾性体層とを有している弾性ローラであって、
該軸芯体は、無電解メッキにより形成されたニッケルによって周面が構成されており、軸方向の中央部の周面の表面酸化度が0.6以下であり、軸方向両端の該ニッケルの周面の表面酸化度が1.0以上であり、
該弾性体層は、該軸芯体における、表面酸化度が0.6以下である軸方向の中央部の周面を被覆しており、
該軸芯体の軸方向両端の周面は露出しており、
該弾性体層は、硫黄系架橋により硬化されてなるゴムを含む
ことを特徴とする。
「Ni metal」=853.0eV付近に結合エネルギーを持つ成分の面積強度
「Ni oxide」=856.8eV付近に結合エネルギーを持つ成分の面積強度
であり、この2つの値より、
表面酸化度=「Ni oxide」/「Ni metal」
を計算により求める。
直径6mm、長さ250mmのSUS製の軸芯体に対し、下記の無電解ニッケルメッキ液A又はBを用いて、90℃で表面に厚さ5μmの無電解ニッケルメッキ処理を施し、無電解ニッケルメッキ処理された軸芯体A又は軸芯体Bを準備した。
ゴム(弾性体)層用原料として、以下のものを使用した。
・EPDM−A:エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム「EPT4045」(商品名、三井化学株式会社製)。5−エチリデン−2−ノルボルネン(ジエン成分) 8.1質量%。
・EPDM−B:エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム「エスプレン522」(商品名、住友化学株式会社製)。5−エチリデン−2−ノルボルネン(ジエン成分) 5.0質量%。
・EPDM−C:エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム「エスプレン532」(商品名、住友化学株式会社製)。5−エチリデン−2−ノルボルネン(ジエン成分) 3.5質量%。
・BR:ポリブタジエンゴム「JSR BR01」(商品名、JSR株式会社製)。
・NBR:アクリロニトリルブタジエンゴム「JSR N231L」(商品名、JSR株式会社製)。
・EPM:エチレン−プロピレン共重合体ゴム「JSR EP11」(商品名、JSR株式会社製)。
・ECO:エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体「エピクロマーCG」(商品名、ダイソー株式会社製)。
・硫黄:分散性硫黄「Sulfax 200S」(商品名、鶴見化学工業株式会社製)。
・MBTS:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド「ノクセラーDM」(商品名、大内新興化学工業株式会社製)。
・DPTT:ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド「ノクセラーTRA」(商品名、大内新興化学工業株式会社製。
・TMTM:テトラメチルチウラムモノスルフィド「ノクセラーTS」(商品名、大内新興化学工業株式会社製)。
・TETD:テトラエチルチウラムジスルフイド「ノクセラーTET」(商品名、大内新興化学工業株式会社製)。
・架橋剤:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン「パーヘキサ25B−40」(商品名、日油株式会社製)。
・架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート「TAIC−M60」(商品名、日本化成株式会社製)。
・酸化亜鉛:酸化亜鉛2種(ハクスイテック株式会社製)。
・ステアリン酸:ステアリン酸S(商品名、花王株式会社製)。
・カーボンブラック:トーカブラック#7360SB(商品名、東海カーボン株式会社製)。
・可塑剤A:ダイアナプロセスオイルPW−380(商品名、出光興産株式会社製)。
・可塑剤B:ポリサイザーW−1600(商品名、DIC株式会社製)。
EPDM−A100質量部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸1質量部、カーボンブラック35質量部及び可塑剤A20質量部を、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練して、ゴムコンパウンドを調製した。
ゴムコンパウンドの原料及び組成を表2の様にし、さらに加硫剤(架橋剤)を表2の様にする他は、ゴム層用原料組成物の調製1と同様にして、原料ゴム組成物B乃至Fを得た。
EPDM−A100質量部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸1質量部、カーボンブラック35質量部及び可塑剤A40質量部を準備し、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練して、ゴムコンパウンドを調製した。
EPM100質量部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸1質量部、カーボンブラック35質量部及び可塑剤A40質量部を準備し、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練して、ゴムコンパウンドを調製した。
ECO 100質量部、ステアリン酸1質量部、カーボンブラック20質量部、架橋剤 2.5質量部及び架橋助剤1.5部を20℃に冷却した二本ロール機にて30分間混練して、未硬化の原料ゴム組成物Iを得た。
熱板による加熱処理を行う装置の概略構成を図4に示す。軸芯体11の両端部31に対し、接触するように熱板41が上下より配置されている。熱板41は軸心体11と接する部分は半円上となっている。熱板41内に電熱ヒーター42があり、これにより熱板41の温度が制御される。熱板41と少し間を空けて冷却板43が軸心体11の上下に配置されている。冷却板43は、軸芯体と接触する部分は半円上になっており、冷却媒の入口44と出口45があり、冷却板内を循環して冷却できるようになっている。なお、冷却媒としては通常冷却水が使用される。
熱風による加熱処理を行う装置の概略構成を図5に示す。軸芯体11の両端部31に対し、送風管51が配置され、熱風(一定温度に加熱された気体)52が上下より当るようになっている。熱風52が両端部31以外の部分に極力当らないように、遮蔽版53が配置されている。遮蔽版53は断熱効果のある素材で作成されている。遮蔽板53と少し間を空けて冷却板54が軸心体11の上下に配置されている。冷却板54は、軸芯体と接触する部分は半円上になっており、冷却媒の入口55と出口56があり、冷却板内を循環して冷却できるようになっている。なお、冷却媒としては通常冷却水が使用される。
ハロゲンランプ照射による加熱処理を行う装置の概略構成を図6に示す。軸芯体11の両端部31に対し、一方からハロゲンランプ61が照射するように配置され、その反対側に反射板62が配置されている。照射された熱線が両端部31以外の部分に極力当らないように、遮蔽版63が配置されている。遮蔽版63は断熱効果のある素材で作成されている。遮蔽板63と少し間を空けて冷却板64が軸心体11の上下に配置されている。冷却板64は、軸芯体と接触する部分は半円上になっており、冷却媒の入口65と出口66があり、冷却板内を循環して冷却できるようになっている。なお、冷却媒としては通常冷却水が使用される。図6において、67は、軸芯体11とハロゲンランプ61の最短距離を示す。
XPS測定は、ESCA装置、Quantum2000(商品名、アルバックファイ株式会社製)を用い、以下の条件で行った。
X線源 ; モノクロ AI Kα
Xray Setting ; 100μmφ(25W(15KV))
光電子取り出し角 ; 45度
中和条件 ; 中和銃とイオン銃の併用
分析領域 ; 300μm×300μm
Pass Energy ; 23.5eV
ステップサイズ ; 0.1eV
「Ni metal」=853.0eV付近に結合エネルギーを持つ成分の面積強度
「Ni oxide」=856.8eV付近に結合エネルギーを持つ成分の面積強度
表面酸化度=「Ni oxide」/「Ni metal」
長さ250mmの軸芯体の端から15mmの位置2ヶ所において、円周方向に120°毎に各3点、計6点につき測定し、その相加平均した値を、両端部の表面酸化度とした。
長さ250mmの軸芯体を、長手方向に4等分した3ヶ所において、円周方向に120°毎に各3点、計9点につき測定し、その相加平均した値を、中央部の表面酸化度とした。
(軸芯体の熱板加熱処理)
軸芯体Aの両端部各15mm巾の範囲を、図4に示す装置を用いて、250℃で加熱処理を1時間行った。軸芯体Aの中央部の温度上昇を防ぐため、冷却板には5℃の冷却水を循環した。冷却板の長さは200mmとし、熱板と冷却板との間には10mmの空間を設けた。処理後、室温放置して自然冷却し、40℃以下とした。
この軸芯体と未硬化の原料ゴム組成物Aを、クロスヘッドダイを有する押出し機にてローラ状に押し出して、軸芯体の表面上に、厚み3mmの未硬化ゴム層を形成した。次に、160℃の熱風炉中で1時間加熱し、軸芯体上に架橋ゴムの弾性体層を形成した。これを放冷した後、このゴムローラを回転させながら両端部から15mmの位置で弾性体層表面から軸芯体表面までカッターで切断した後、弾性ローラの両端部の弾性体層を剥離、除去して、弾性ローラ1を得た。
実施例1の軸芯体の熱板加熱処理の時間を3時間としたこと以外は、実施例1と同様にして現像ローラ2を作製した。
実施例2の軸芯体の熱板加熱処理の温度を300℃としたこと以外は、実施例2と同様にして弾性ローラ3を作製した。
(軸芯体の熱風加熱処理)
軸芯体Aの両端部各15mm巾の範囲を、図5に示す装置を用いて、250℃の熱風にて加熱処理を2時間行った。軸芯体Aの端から15mmの位置に厚さ5mmの遮蔽板を設けた。中央部の温度上昇を防ぐため、冷却板54に5℃の冷却水を循環した。冷却板の長さは200mmとし、遮蔽板と冷却板との間に5mmの空間を設けた。熱風加熱処理後、室温放置して自然冷却し、40℃以下とした。
この軸芯体を用い、以下実施例1の現像ローラの作成と同様にして、弾性ローラ4を得た。
実施例4の軸芯体の熱風加熱処理の時間を4時間としたこと以外は、実施例4と同様にして現像ローラ5を作製した。
(軸芯体のハロゲンランプ加熱処理)
軸芯体Aの両端部各15mm巾の範囲を、図6に示す装置を用いて、ハロゲンランプにて照射し、加熱処理を30分間行った。なお、ハロゲンランプとして、IRE135−N(商品名、岩崎電気株式会社製)を使用し、15%の出力で、軸芯体とハロゲンランプの最短距離を20cmとした。軸芯体Aの端から15mmの位置に厚さ5mmの遮蔽板を設けた。中央部の温度上昇を防ぐため、冷却板に5℃の冷却水を循環した。冷却板の長さは200mmとし、遮蔽板と冷却板との間には5mmの空間を設けた。照射開始30分後の軸芯体の両端部の表面温度は、非接触温度計で測定したところ170℃から175℃の範囲であった。次に、室温放置して自然冷却し、40℃以下とした。
この軸芯体を用いた以外は実施例1の現像ローラの作成と同様にして、弾性ローラ6を得た。
実施例6の軸芯体のハロゲンランプ加熱処理において、軸芯体とハロゲンランプの最短距離を15cmとしたこと以外は、実施例6と同様にして現像ローラ7を作製した。照射開始30分後の軸芯体の表面温度は215℃から220℃の範囲であった。
原料ゴム組成物として原料ゴム組成物Bを用いたこと以外は、実施例7の現像ローラの作成と同様にして弾性ローラ8を作製した。
実施例7の軸芯体のハロゲンランプ加熱処理において、ハロゲンランプの出力を27%としたこと以外は、実施例7と同様にして弾性ローラ9を作製した。照射開始30分後の軸芯体の表面温度は260℃から270℃の範囲であった。
(軸芯体のエキシマUV照射処理)
軸芯体Aの両端部各15mm巾の範囲を、細管エキシマランプ(ハリソン東芝ライティング株式会社製)を取り付けたエキシマUV照射装置を用い、ランプと軸芯体の最短距離を2mmとし、20rpmで回転させながら、紫外線照射処理を5分間行った。両端の紫外線照射部分以外は、アルミニウム製の遮蔽板を取り付け、紫外線で照射されないようにした。なお、照射波長は172nmであり、最短距離2mmでの紫外線の光量は3.83mW/cm2であった。その後、室温放置して自然冷却し、40℃以下とした。
この軸芯体を用い、以下実施例1の弾性ローラの作成と同様にして、弾性ローラ10を得た。
実施例10の軸芯体のエキシマUV照射処理において、紫外線照射処理の時間を15分間とした以外は、実施例10と同様にして弾性ローラ11を作製した。
(軸芯体の化学処理)
軸芯体Aの両端部各15mm巾の範囲をクロム酸処理した。クロム酸処理は、軸芯体Aを縦にして一方の端部の15mmを、濃度0.6g/リットルのクロム酸溶液中に30秒間浸漬し、蒸留水でクロム酸溶液を洗い流し、85℃のお湯に水1分間浸漬し、残存するクロム酸を除去した。次いで、軸芯体Aのもう一方の端部の15mmを同様に処理した。その後、軸芯体上の水分を除去するため、80℃のオーブンで10分間乾燥した後、室温放置して自然冷却し、40℃以下とした。
この軸芯体を用いた以外は実施例1の弾性ローラの作成と同様にして弾性ローラ12を得た。
実施例1の熱板加熱処理において、冷却板に冷却水を循環させなかった以外は、実施例1と同様にして弾性ローラ13を作製した。
軸芯体Aに替えて軸身体Bを用いた以外は、実施例6と同様にして弾性ローラ14を作製した。
軸芯体Aに替えて軸芯体Bを用いた以外は、実施例7と同様にして弾性ローラ15を作製した。
軸芯体Aに替えて軸芯体Bを用いた以外は、実施例9と同様にして弾性ローラ16を作製した。
原料ゴム組成物として原料ゴム組成物C乃至Fを用いた以外は、実施例7と同様にしてそれぞれ弾性ローラ17乃至20を作製した。
実施例2の熱板加熱処理と同様に処理した軸芯体Aを軸芯体に、原料ゴム組成物Aをシート状にしたものを巻きつけ、2つに分割可能な金型内に入れ、加圧しながら160℃で30分間加熱硬化して、軸芯体上に厚み3mmの架橋ゴムの弾性体層を形成した。以下実施例2と同様にして、弾性ローラ21を得た。
(軸芯体の調製)
軸芯体Aを250℃に設定した熱風炉中で3時間置き、軸芯体全体を加熱処理した。その後、室温放置により自然冷却し、40℃以下とした。さらに、軸芯体の長手方向の両端各20mmを除く、中央部210mmの円周方向全面に、導電性接着剤「スリーボンド3315E」(商品名、スリーボンド社製)を塗布し、乾燥した。接着剤層は、乾燥後の厚みは5μmとした。
この軸芯体を用い、以下実施例1の弾性ローラの作成と同様にして、弾性ローラ22を得た。
比較例1において、熱風炉中で処理した軸芯体Aに接着剤を塗布せずに直接弾性体層を形成し、以下比較例1と同様にして、弾性ローラ23を得た。
無電解ニッケルメッキ処理を施した軸芯体A(表面酸化度:両端部0.45、中央部0.45)をそのまま使用して、以下実施例1と同様にして、弾性ローラ24を得た。
軸芯体として、軸芯体Aを250℃の熱風炉中で30分間置き、軸芯体全体を加熱処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラ25を得た。
原料ゴム組成物として原料ゴム組成物Gを用いた以外は、実施例2と同様にして、弾性ローラ26を作製した。
軸芯体として、実施例2におけると同様の熱板加熱処理した軸芯体Aの長手方向中央部210mmに導電性接着剤「スリーボンド3315E」(商品名)を厚み5μmとなるよう塗布し、乾燥したものを用い、以下比較例5と同様にして、弾性ローラ27を作製した。
軸芯体として、実施例2におけると同様の熱板加熱処理した軸芯体Aの長手方向中央部210mmに導電性接着剤「スリーボンド3315E」(商品名)を厚み5μmとなるよう塗布し、乾燥したものを用い、以下実施例2と同様にして、弾性ローラ28を作製した。
原料ゴム組成物として、原料ゴム組成物H又はIを用いた以外は、実施例7と同様にして、弾性ローラ29又は30を作製した。
軸芯体として、軸芯体Aを250℃の熱風炉中で3時間置き、軸芯体全体を加熱処理したものの中央部210mmに、導電性接着剤「スリーボンド3315E」(商品名)を塗布し、乾燥したもの又は何も処理しない軸芯体Aを用いた。以下、実施例1と同様にして、弾性ローラ31又は32を得た。
ローラを回転させながら軸芯体の端部15mmの位置で弾性体層表面から軸芯体表面までカッターで切断した後、両端部の弾性体層を剥離、除去する工程における、弾性体層の剥離、除去のし易さを、以下の基準で評価した。
A:除去するゴムを物理的につかむことで簡単に除去できる。
B:物理的につかむことで大部分は除去できるが、残ったゴムは樹脂製のヘラ等を軸芯体に押し当てると容易に剥離し、除去できる。
C:接着剤が流れるなどして固着した部分があり、一部でゴムの除去が困難である。
D:ゴムの除去は接着が強く、困難である。
上記両端部の弾性体層の剥離、除去で形成された軸芯体の露出部を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:ゴムの固着が認められず、表面にキズ等がない。
B:ゴムは綺麗に剥離できているが、加工時のキズが確認される。
C:一部にゴムが固着している。固着したゴムの除去後の軸芯体は表面が変色している。
D:ほぼ全面にゴムが固着している。無理に除去するとメッキ層も剥離してしまう。
得られた弾性ローラの弾性体層と、軸芯体の中央部(125mm巾に相当)との接着性を、剪断剥離法により一定荷重負荷の条件で試験し、以下の基準で評価した。
A:接着面(軸芯体と弾性体層の界面)では剥離せず、弾性体層のゴムが凝集破壊する。
B;接着面での剥離が一部で確認され、軸芯体の表面の一部が目視で確認される。
C;接着面で剥離する。
得られた弾性ローラの弾性体層(220mm巾に相当)と軸心体の接着性を、実際に研磨加工することにより実用上問題がないか、以下の基準で評価した。なお、研磨加工は、弾性ローラの外径を適正な寸法とするために通常行われている加工方法である。本評価では、弾性体層の長手方向を一度に研削加工する巾を有する研削砥石を用いた。研削砥石の外径は220mmで、砥石回転数を2000rpmとし、外径12mmの弾性ローラを、回転数120rpmで砥石とカウンターとなる方向で回転させた。研削砥石の切り込み速度は2mm/minとし、弾性ローラの外径が11mmとなるまで、弾性体層のゴム厚として0.5mmを研削加工した。
A:研磨加工後、弾性体層に浮き等がない。
B:研磨加工後、弾性体層一部に浮きが確認される。
C;研磨加工中に、弾性体層が軸芯体に対し空回転し、研磨加工が上手くできない。
11 軸芯体
12 弾性体層(基層)
31 軸芯体の両端部
32 両端部と一緒に処理をする部分(両端部共処理部分)
33 軸芯体の中央部
34 軸芯体の中心
Claims (6)
- 軸芯体と、該軸芯体の軸方向の中央部の周面を被覆している弾性体層とを有し、該軸芯体の軸方向両端の外周面が露出している弾性ローラの製造方法であって、
(1)無電解メッキにより形成されたニッケルによって周面が構成されており、軸方向の中央部の周面の表面酸化度が0.6以下であり、軸方向両端の該ニッケルの周面の表面酸化度が1.0以上である軸芯体を用意する工程と、
(2)該軸芯体の、該中央部及び該両端部の周面を該弾性体層の原料ゴム組成物の層で被覆する工程と、
(3)該原料ゴム組成物の層を硬化させて弾性体層を形成する工程と、
(4)該軸芯体の両端部の周面を被覆している該弾性体層を除去する工程とを有し、
該原料ゴム組成物は未加硫ゴムと、硫黄および分子内に硫黄原子を含む加硫剤から選ばれる少なくとも一方とを含む
ことを特徴とする弾性ローラの製造方法。 - 前記軸芯体の軸方向の中央部の周面の表面酸化度が0.2以上である請求項1に記載の弾性ローラの製造方法。
- 前記軸芯体の軸方向の両端部の周面の表面酸化度が3.0以下である請求項1または2に記載の弾性ローラの製造方法。
- 前記表面酸化度が、前記軸芯体の表面をX線光電子分光法により測定し、840eV乃至865eVの範囲に見られる複合ピークを、金属ニッケルを表すピークと、ニッケル化合物を表すピークとに分離し、各々のピークの面積強度を「Ni metal」および「Ni oxide」としたとき、下記式で表される値である請求項1〜3のいずれか一項に記載の弾性ローラの製造方法:
表面酸化度=「Ni oxide」/「Ni metal」。 - 前記原料ゴム組成物が主鎖に二重結合を有するジエン系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴムから選ばれる少なくとも一方を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 軸芯体と、該軸芯体の周面を被覆している弾性体層とを有している弾性ローラであって、
該軸芯体は、無電解メッキにより形成されたニッケルによって周面が構成されており、軸方向の中央部の周面の表面酸化度が0.6以下であり、軸方向両端の該ニッケルの周面の表面酸化度が1.0以上であり、
該弾性体層は、該軸芯体における、表面酸化度が0.6以下である軸方向の中央部の周面を被覆しており、
該軸芯体の軸方向両端の周面は露出しており、
該弾性体層は、硫黄系架橋により硬化されてなるゴムを含む
ことを特徴とする弾性ローラ。
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