以下、本発明のパチンコ遊技機の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1に、本発明に係るパチンコ遊技機1の正面模式図を示す。パチンコ遊技機1は、台枠に取り付けられた透明ガラス板でなる前面扉2と、台枠の内側に配置されて前面扉2によって覆われる遊技盤3と、遊技盤3の左右斜め下方に配置された一対のスピーカ4と、遊技盤3の上方位置等に配置された装飾ランプ類5と、遊技盤3の下方に設けられた貯留皿である上皿31,下皿32と、下皿32の右方(図1で見て)に設けられた発射ハンドル7とを含んで構成されている。
遊技盤3は、ほぼ円形状の遊技領域3aが形成されており、そのほぼ中央位置に配設された中央役物10と、中央役物10の左方(図1で見て)に設けられた通過ゲート11と、遊技盤3上に植設された多数本の釘3b(一部のみ図示)と、中央役物10の略下方に設けられた、いわゆる電動チューリップ(以下、電チューと略記することもある)である始動入賞装置13と、始動入賞装置13の下方に設けられた大入賞装置14と、大入賞装置14の下方に設けられた玉排出口15と、遊技盤3の側端部に配置されたLEDでなる普通図柄(以下、普図と略記することもある)表示部16と、普図表示部16の下方に連設された複数(例えば4個)のLEDでなる普図保留表示部17とを含んで構成されている。
上皿31に準備された玉(遊技球:20)は、発射ハンドル7を含んで構成される発射装置151(図2参照)によって遊技領域3aに向けて発射される。遊技領域3aには釘3bが多数立設されており、中央位置に中央役物10が配置されているので、レール(図示せず)を通じて遊技盤3の遊技領域3aに達した玉20は、それらの釘3bに弾かれながら中央役物10の右側あるいは左側に振り分けられて遊技領域3aを落下する。
発射ハンドル7は回転操作部材でなり、遊技者により回転操作されると、その回転操作量を表す回転操作信号を発射制御回路150(図2参照)に出力する。
中央役物10は、特別図柄(以下、特図と略記することもある)の抽選結果により決定された3桁のアラビア数字等のキャラクタでなる図柄を表示して遊技者に特図の抽選結果を報知するもので、LCDおよびその駆動回路を含む液晶表示装置8と、液晶表示装置8の窓枠上辺に配設された特図保留表示部9とから構成されている。特図保留表示部9は、複数(例えば4個)のLEDを含んで構成される。
また、中央役物10には、ワープルート21が設けられている。中央役物10の側面に入口22が開口し、玉20は矢印のようにワープルート21内を移動して出口23から緩い傾斜が設けられたステージに流下する。ステージの遊技者側には、ステージ上を転動する玉20がステージ上に設けられた開口部25以外から転落しないようにガイド部材24が取り付けられている。そして、玉20はステージ上で左右に移動を繰り返し、開口部25から遊技領域3aの下部へ流下していく。
通過ゲート11は、賞球がないゲートであり、通過ゲート11に玉20を通過させると、普図の抽選処理が行われる。普図表示部16では、普図の抽選結果に基づいて図柄変動(LEDの点滅動作)が行われ、所定時間経過後に点灯表示すれば当たりとなり、後述する始動入賞装置13の回動翼片13a,13aを所定時間開放する。普図の図柄変動中や始動入賞装置13の開放動作中に新たな普図の抽選処理が行われると、その抽選結果はRAM113上の所定領域に一時記憶(保留)され、普図保留表示部17は、最大4つまで保留できる普図の抽選結果の数に応じて点灯表示する。先の図柄変動や開放動作が終了すると、普図表示部16では保留された普図の抽選結果に基づいて新たな図柄変動を開始する。
始動入賞装置13は、開口部に一対の回動翼片13a,13aを有する可変入賞装置でなる。始動入賞装置13は、回動翼片13a,13aが閉鎖していても遊技領域3aを流下する玉20を入賞可能に構成されているが、普図表示部16にて当たり表示がなされると、回動翼片13a,13aを所定時間開放し、遊技領域3aを流下する玉20を入賞し易くする。始動入賞装置13に玉20が入賞すると、特図の抽選処理が行われる。特図表示部8では、特図の抽選結果に基づいて図柄変動が行われる。詳しくは、3桁の図柄が同時に変動を開始し、所定時間経過後に停止し、3つの同じ数字が並べば大当たりとなり、大当たり処理が行われる。なお、図柄の変動の詳細については後述する。
特図の図柄変動中や大当たり処理中に新たな特図の抽選処理が行なわれると、その抽選結果はRAM113上の特図保留記憶領域113c(図3参照)に一時記憶(保留)され、特図保留表示部9は、最大4つまで保留できる特図の抽選結果の数に応じて点灯表示する。先の図柄変動や大当たり処理が終了すると、液晶表示装置8では保留された特図の抽選結果に基づいて新たな図柄変動を開始する。
大入賞装置14は、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置であり、開口部と蓋部材とから構成され、蓋部材が移動することにより開口部の閉鎖状態と開放状態とに切り替えられる。大入賞装置14は、特図の抽選で大当たりに当選すると、1回の大当たり処理で、例えば、開放してから10個入賞または30秒経過で閉鎖するまでの処理を1ラウンドとして、15ラウンド継続する処理を行う。
玉排出口15は、遊技領域3aの最下部に開口されており、遊技領域3aを流下し終わった玉をパチンコ遊技機1の外部に排出する。
始動入賞装置13または大入賞装置14の入賞に応じて払出装置141(図2参照)から払い出された玉は、上皿31に貯えられる。そして、上皿31の貯留限度を超えると、上皿31に設けられた図示しない排出口から下皿32に設けられた流入口33を介して下皿32に流下する。下皿32には、玉排出レバー34が備えられている。遊技者が玉排出レバー34を操作すると、下皿32の底部に設けられた排出口(図示せず)が開口状態となり、下皿32に貯えられた玉が、玉箱35に流下する。
図2に、パチンコ遊技機1の制御ブロック図を示す。パチンコ遊技機1は、主回路110を搭載する主制御基板100と、各種表示部,制御基板群,検出器,アクチュエータ等を含んで構成される。
主回路110には、特図保留表示部9,普図表示部16および普図保留表示部17等の表示部(例えばLED)およびその駆動回路が接続されている。
また、主回路110には、液晶表示装置8を制御する表示制御回路130の搭載された表示制御基板(図示せず)が接続されるとともに、装飾ランプ類5ならびにアンプ40およびスピーカ4を制御する副制御回路120の搭載された副制御基板(図示せず)と、発射ハンドル7からの回転操作信号に基づいて発射装置151を制御する発射制御回路150の搭載された発射制御基板(図示せず)と、払出装置141を制御する払出制御回路140の搭載された払出制御基板(図示せず)等の回路基板群が接続されている。
なお、パチンコ遊技機1を制御する各回路が搭載された各基板はパチンコ遊技機1の背面側に配置されており、例えば、表示制御回路130の搭載された表示制御基板は液晶表示装置8の背面側に配置されている。
また、主回路110には、通過ゲート11に併設されたゲート通過検出器161と、始動入賞装置13に併設された始動入賞検出器162と、大入賞装置14に併設された大入賞検出器163と、電チューである始動入賞装置13の可動翼片13a,13aを開閉する電チューソレノイド166と、大入賞装置14を開閉する大入賞ソレノイド167等の、検出部およびアクチュエータが接続されている。
また、主回路110には、各種表示部,制御基板群,検出器,アクチュエータ等に所定電圧を供給する電源回路168が接続されている。
主回路110は、CPU111,制御プログラム(図示せず)格納用のROM112,ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられるRAM113,I/O(Input/Output:入出力回路)114等を備える。CPU111が制御プログラムを実行することで、パチンコ遊技機としての各種機能を実現する。その他の各基板の各回路も、個別にCPUやメモリを備える構成が一般的であるが、図2では省略している。なお、主回路110が本発明の抽選数選択手段,抽選手段,遊技制御手段に相当する。
副制御回路120は、主回路110より入力される制御コマンドに応じてアンプ40を介してスピーカ4より音声を出力させるとともに、装飾ランプ類5の点灯/消灯を制御する。
表示制御回路130は、副制御回路120から入力される表示制御コマンドに応じて、液晶表示装置8に画像を表示させるための処理を実行する。なお、表示制御回路130が本発明の表示制御手段に相当する。また、液晶表示装置8が本発明の報知手段,表示手段に相当する。
払出制御回路140は、主回路110より入力される賞球払出信号に応じて払出装置141を制御し、上皿31に所定数の賞球を払い出させる。
発射制御回路150は、遊技者による発射ハンドル7の回転操作に応じて発射装置151を作動させる。発射ハンドル7の回転操作量に応じて、発射装置151による玉の発射強度(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。発射装置151より強く発射された玉は、遊技盤3上に形成された遊技領域3aへと放出され中央役物10の右側を自重によって流下し、発射装置151より弱く発射された玉は、中央役物10の左側を自重によって流下する。
次に、図1および図2を用いて、パチンコ遊技機1における遊技の流れ(遊技盤3上での遊技状態の変化)について概要を説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、発射装置151より発射され遊技領域3aへと放出された玉は、中央役物10により左右に振り分けられ中央役物10の右側あるいは左側を流下する。遊技領域3aには各種装置が配設され、その配設位置と釘3bの植設位置とにより入賞しやすさが異なる。例えば、通過ゲート11へは中央役物10の左側を流下する玉が入賞可能である。
通常状態では、玉が通過ゲート11に入球してゲート通過検出器161で検知されると、主回路110は、普図の当たり抽選を実行する。具体的には、普図用乱数カウンタから値を抽出し、通常用の当たり判定テーブル(普図当選確率:1/100)を用いて当否を判定する。普図用乱数カウンタから抽出した乱数値と、当たり判定テーブルに設定された当たり値が一致する場合は当たり、一致しない場合はハズレと判定し、その判定結果に応じて普図表示部16に抽選結果を表示する(変動時間は30秒間)。当たり抽選の結果が当たりであると、主回路110は、普図表示部16のLEDを点灯表示させるとともに、電チューソレノイド166を励磁して回動翼片13a,13aを所定時間(0.1秒間)開放して、電チュー13に入賞しやすくする。
玉が電チュー(始動入賞装置)13に入賞して始動入賞検出器162で検知されると、主回路110は、始動条件が成立したと判定し、所定数の賞球(例えば1入賞当たり3個)を払い出し、大当たり抽選を実行する。具体的には、主回路110(抽選手段)は、特図用乱数カウンタから値を抽出(詳細は後述)し、通常・時短用の大当たり判定テーブル(特図当選確率:1/256)を用いて当否を判定(詳細は後述)する。この大当たり抽選が本発明の抽選に相当する。表示制御回路130(表示制御手段)は、その判定結果に応じた図柄変動を液晶表示装置8(表示手段)で開始する。そして、図柄が所定時間にわたり変動表示し、例えば、左→右→中の順に確定表示(停止表示)する。液晶表示装置8では、判定結果が確変大当たりであれば3桁の奇数(1,3,5,7)の大当たり図柄(例えば「777」のゾロ目)が確定表示され、判定結果が非確変大当たりであれば3桁の偶数(2,4,6,8)の大当たり図柄(例えば「666」のゾロ目)が確定表示され、判定結果がハズレであれば3桁のハズレ図柄(例えば「357」等のバラケ目)が確定表示される。
液晶表示装置8に大当たり図柄が停止表示されると「大当たり状態」となり、主回路110(遊技制御手段)は、大当り遊技を実行する。具体的には、主回路110(遊技制御手段)は、大入賞ソレノイド167を励磁することで大入賞装置14を開放し、玉が極めて入り易い状況をもたらす。大入賞装置14を開放した後、大入賞検出器163による所定数(例えば10個)の入賞検知または所定時間(例えば30秒)の経過を1ラウンドとし、大入賞ソレノイド167を非励磁にすることで大入賞装置14を閉鎖する。1回の大当たり遊技では、所定ラウンド回数(例えば15回)まで繰り返されるので、このような大当たり状態の間に遊技者は多数の賞球(例えば1入賞当たり15個)を得ることができる。
確変大当たりの終了後は、確変状態となる。確変状態では、主回路110は、普図の当たり判定を時短状態用の普図判定テーブルの当たり値と比較して行うので、普図の当選確率は高くなり(普図当選確率:99/100)、普図の変動時間が短くなり(普図変動時間:1秒間)、回動翼片13a,13aの開放時間が長くなる(1.5秒間×3回)とともに、通常用特図判定テーブル(特図当選確率:1/256)よりも大当たりの当選確率が高い確変用特図判定テーブル(特図当選確率:1/32)によって特図の当否判定が行われる。つまり、確変状態では、電チュー13への入賞が容易になるので、持玉をさほど減らすことなく遊技できるとともに、すぐに次の大当たりに当選することができる。
非確変大当たりの終了後は、時短状態となる。時短状態では、確変状態と同様に普図の変動時間が短くなり(普図変動時間:1秒間)、普図の当選確率は高くなり(普図当選確率:99/100)、回動翼片13a,13aの開放時間が長くなる(1.5秒間×3回)とともに、通常用の大当たり判定テーブル(特図当選確率:1/256)によって当否判定が行われる。つまり、時短状態でも、電チュー13への入賞は容易なので、持玉をさほど減らすことなく遊技できる。そして、新たな大当たりに当選することなく特図の変動表示が100回行われると、時短状態を終了して通常状態へ移行する。
以下、本発明の要部をなす、複数段階の抽選によって当否判定を行い、その段階数やそれぞれの抽選結果を遊技者に表示する構成の詳細について述べる。
(抽選の例1)
以下、1つの特図当否乱数カウンタから抽出した特図当否乱数値を読み出したとき、必要に応じてビット単位で複数の値に分割し、その分割した値毎に当否判定する構成について述べる。まず、図3(a)に、RAM113の記憶内容の一例を示す。RAM113には、特図当否乱数カウンタ113a,段階乱数カウンタ113b,特図図柄乱数カウンタ113h,特図保留記憶領域(1〜4の4個分)113c,状態フラグ113d,および継続回数113eが含まれている。
特図当否乱数カウンタ113aは、0から所定時間毎にインクリメントされ、255の次は0に戻る8ビットのループカウンタであり、この特図当否乱数カウンタ113aから抽出した特図当否乱数値に基づいて、主回路110(抽選手段)は当たり判定(特図判定)を行う。
段階乱数カウンタ113bは、0から所定時間毎にインクリメントされ、99の次は0に戻るループカウンタであり、この段階乱数カウンタ113bから抽出した段階乱数値に基づいて、主回路110(抽選数選択手段)は実行する抽選の数を選択し、主回路110(抽選手段)は特図当否乱数値を複数の値に分割する際のビット数を決定する。
特図図柄乱数カウンタ113hは、0から所定時間毎にインクリメントされ、上限値の次は0に戻るループカウンタであり、この特図図柄乱数カウンタ113hから抽出した特図図柄乱数値に基づいて、主回路110は抽選結果の停止図柄、変動時間、変動パターンを決定する。
状態フラグ113dは、遊技盤3上での遊技状態を示すもので、遊技状態の変化に応じた値(通常状態:0,大当たり状態:1,確変状態:2,時短状態:3)が設定されている。そして、制御プログラムのスタート時において、状態フラグ113dは0(通常状態)に初期化されている。
継続回数は、大当たり終了時に時短状態となる場合は100をセットし、時短状態において特図の変動表示を行う毎にデクリメントする。そして、継続回数の値がゼロとなったときに、通常状態に移行する。
通常状態では、以下のような複数の通常特図判定テーブル(TB8〜TB1の7種)を用いて当たり判定を行う。主回路110(抽選手段)は、当たり判定を行う値と、その値のビット数に対応する判定テーブルの当たり値とを比較して当否を判定する。
・TB8:全ビット(8ビット)を使用,0:当たり,1〜255:ハズレ(当たり確率1/256)
・TB6:6ビットに分割されたものに対応,0:当たり,1〜63:ハズレ(当たり確率1/64)
・TB5:5ビットに分割されたものに対応,0:当たり,1〜31:ハズレ(当たり確率1/32)
・TB4:4ビットに分割されたものに対応,0:当たり,1〜15:ハズレ(当たり確率1/16)
・TB3:3ビットに分割されたものに対応,0:当たり,1〜7:ハズレ(当たり確率1/8)
・TB2:2ビットに分割されたものに対応,0:当たり,1〜3:ハズレ(当たり確率1/4)
・TB1:1ビットに分割されたものに対応,0:当たり,1:ハズレ(当たり確率1/2)
確変状態では、0〜9が当たりで、他の値(10〜255)がハズレとなり、当たり確率は1/25.6となる確変特図判定テーブルを用いて当たり判定を行う。時短状態では、常に通常特図判定テーブルのTB8を用いて判定を行う。つまり、確変状態と時短状態では、段階抽選を行わない。
玉が始動入賞装置13に入賞して始動入賞検出器162で検知されると、主回路110(抽選手段)は、特図保留記憶領域113cに記憶されている特図保留の数が3個以下であれば、始動条件が成立したとして特図当否乱数カウンタ113a,段階乱数カウンタ113b,および特図図柄乱数カウンタ113hの値を抽出し、特図当否乱数カウンタ113aから抽出した特図当否乱数値,段階乱数カウンタ113bから抽出した段階乱数値,および特図図柄乱数カウンタ113hから抽出した特図図柄乱数値を特図保留として特図保留記憶領域113cに記憶する。
そして、通常状態において特図保留を読み出したとき、主回路110(抽選数選択手段)は、読み出した特図保留の特図当否乱数値と段階乱数値とに基づいて、実行する抽選の数を選択する。
特図当否乱数値が0(当たり)か1(ハズレ)の場合は、以下のように段階乱数値に応じて設定された段階数を抽選の数として選択し、段階乱数値が0〜49のとき、主回路110(抽選手段)は、その段階乱数値に応じて設定されたビット数にしたがって、8ビット構成の特図当否乱数値を上位ビットから順にビット単位で複数の値に分割する。
・段階乱数値が 0〜 9:3段階 特図当否乱数値を4ビット,3ビット,1ビットに分割
・段階乱数値が10〜19:3段階 特図当否乱数値を5ビット,2ビット,1ビットに分割
・段階乱数値が20〜29:3段階 特図当否乱数値を4ビット,2ビット,2ビットに分割
・段階乱数値が30〜39:2段階 特図当否乱数値を6ビット,2ビットに分割
・段階乱数値が40〜49:2段階 特図当否乱数値を4ビット,4ビットに分割
・段階乱数値が50〜99:1段階 特図当否乱数値は8ビットのまま(分割しない)
このように、特図の大当たりに当選する場合は、複数段階の抽選を行う確率を50%と高く設定している。
また、特図当否乱数値が0および1以外(ハズレ)の場合は、以下のように段階乱数値に応じて設定された段階数を抽選の数として選択し、段階乱数値が0〜4のとき、主回路110(抽選手段)は、その段階乱数値に応じて設定されたビット数にしたがって、特図当否乱数値を上位ビットから順にビット単位で複数の値に分割する。
・段階乱数値が0:3段階 特図当否乱数値を4ビット,3ビット,1ビットに分割
・段階乱数値が1:3段階 特図当否乱数値を5ビット,2ビット,1ビットに分割
・段階乱数値が2:3段階 特図当否乱数値を4ビット,2ビット,2ビットに分割
・段階乱数値が3:2段階 特図当否乱数値を6ビット,2ビットに分割
・段階乱数値が4:2段階 特図当否乱数値を4ビット,4ビットに分割
・段階乱数値が5〜99:1段階 特図当否乱数値は8ビットのまま(分割しない)
このように、特図の大当たりに当選しない場合(特図当否乱数値が1の場合を除く)は、複数段階の抽選を行う確率を5%と低く設定している。つまり、複数段階の抽選を行ったときにその結果が大当たりとなる確率(1/27.4)を実際の大当たり確率(1/256)よりも高くすることで、複数段階の抽選が行われたときに大当たりとなる期待度を高めるようにしている。
そして、分割したビット数に応じて上述の通常特図判定テーブルのいずれを用いるかを決定する。例えば、主回路110(抽選手段)は、4ビットに分割されたものについては、通常特図判定テーブルのTB4を用いて当たり判定を行う。
上述の構成で、通常状態で特図当否乱数値が1のとき、8ビット表記すると00000001となる。また、段階乱数値が10であると、特図当否乱数値は、5ビット(00000),2ビット(00),1ビット(1)のように分割されるので、それぞれTB5,TB2,TB1を用いて段階抽選を行うことになる。このとき、当否判定すると、当たり,当たり,ハズレとなる。このように、通常状態では、特図当否乱数値と段階乱数値とに基づいて、何段階の抽選が選択されても、全ての抽選結果が当たりとなる確率は、その抽選の数にかかわらず一定(1/256)である。そして、全ての抽選結果が当たりであったときは、主回路110(遊技制御手段)は、大当り遊技を実行する。なお、確変状態、時短状態では、常に1段階の抽選が実行されることになっており、複数段階の抽選は実行されない。
以下、図4,図5を用いて、複数段階の抽選を特図変動処理内で行う例について説明する。始動入賞装置13への入賞(すなわち始動条件の成立)に基づいて記憶された特図保留に対する図柄変動処理は、大当たり中でなく、特図の変動が停止中で、かつ特図保留があることを前提条件として実行される。まず、主回路110は、RAM113上の特図保留記憶領域113cから最古の特図保留を読み出す(S11)。
次に、状態フラグ113dを参照し、通常状態であるか否かを判定する(S12)。通常状態であると判定したとき(S12:YES)、主回路110は、読み出した特図保留に含まれる特図当否乱数値と段階乱数値とに基づいて、複数段階の抽選を行うか否かを判定する(S13)。すなわち、特図当否乱数値が0または1のときは、段階乱数値が0〜49に含まれるか否か、特図当否乱数値が0および1以外のときは、段階乱数値が0〜4に含まれるか否かを判定し、段階乱数値が該当する範囲内に含まれているとき、複数段階の抽選を行うと判定する。
複数段階の抽選を行うと判定したとき(S13:YES)、主回路110は、段階乱数値に基づいて特図当否乱数値を複数の値に分割し、複数段階の抽選の各段階、すなわち分割した値毎に、ROM112から読み出されてRAM113上に展開されている通常特図判定テーブル(TB1〜TB7)の当たり値と比較して当否を判定する。そして、分割した各値が対応する通常特図判定テーブルの当たり値と一致していれば当たりと判定される。その判定結果(抽選結果)に基づいて何段階の特図変動を行うか、また各段階における特図の変動時間,表示する内容や変動パターン(キャラクタ表示やリーチ演出の有無など),および停止図柄を決定する(S14)。
続いて、複数段階抽選時の特図変動処理を実行する(S15,後述)。合わせて読み出された特図保留に対応する特図保留表示部9のLED(保留ランプ)点灯状態を変更する。すなわち、4個のLEDの表示状態を左へ1個ずつシフトし、右端のLEDを消灯状態とする。
一方、通常状態でないと判定したとき(S12:NO)、あるいは複数段階の抽選を行わないと判定したとき(S13:NO)、主回路110は、読み出した特図保留に含まれる特図当否乱数値と、ROM112から読み出されてRAM113上に展開されている通常特図判定テーブルのTB8(通常状態,時短状態)あるいは確変特図判定テーブル(確変状態)の当たり値と比較して当否を判定する。そして、その判定結果(抽選結果)に基づいて特図の変動時間,表示する内容や変動パターン(キャラクタ表示やリーチ演出の有無など),および停止図柄を決定する(S17)。このとき、読み出された特図保留に対応する特図保留表示部9のLED(保留ランプ)点灯状態を変更する。すなわち、4個のLEDの表示状態を左へ1個ずつシフトし、右端のLEDを消灯状態とする。
次に、主回路110は、RAM113上の特図変動タイマ(図示せず)のカウントを開始するとともに、副制御回路120に対し液晶表示装置8での特図の変動開始を指示する(S18)。具体的には、副制御回路120を経由し、表示制御回路130に対して演出内容および停止図柄を指示する表示制御コマンドを送信し、表示制御回路130は、受信した表示制御コマンドにしたがって液晶表示装置8において特図の変動表示を開始する。
定められた特図変動時間が経過すると(S19:YES)、主回路110は、RAM113上の特図変動タイマ(図示せず)のカウントを停止、リセットするとともに、副制御回路120に対し液晶表示装置8での特図の変動停止を指示する(S20)。具体的には、副制御回路120を経由し、表示制御回路130に対して変動停止を指示する表示制御コマンドを送信し、表示制御回路130は、受信した表示制御コマンドにしたがって液晶表示装置8における特図の変動表示を停止し、先に指示された停止図柄を表示する。例えば、特図抽選結果が大当たりのときは、液晶表示装置8に大当たり図柄(例えば「777」のゾロ目)が表示される。その後、本処理を終了する。
図5を用いて、図4のステップS15に相当する、複数段階抽選時の特図変動処理について説明する。まず、主回路110は、図4のステップS14で決定した各段階の停止図柄に当たり図柄があるか否かを判定する(S31)。当たり図柄があると判定したとき(S31:YES)、主回路110は、当たり図柄が含まれる段階の特図の変動時間,表示する内容や変動パターン,および停止図柄を用いて、上述の図4のステップS18と同様の方法で、液晶表示装置8において特図の変動表示を開始するよう指示する(S32)。
なお、当たりが複数ある場合は、当たり確率の低いものから順に特図の変動表示を行う。
一方、当たり図柄がないと判定したとき(S31:NO)、主回路110は、ハズレ図柄が含まれる段階の特図の変動時間,表示する内容や変動パターン,および停止図柄を用いて、上述の図4のステップS18と同様の方法で、液晶表示装置8において特図の変動表示を開始するよう指示する(S36)。
なお、ハズレが複数ある場合は、当たり確率の低い(すなわちハズレ確率の高い)ものについて特図の変動表示を行う。
そして、定められた特図変動時間が経過すると(S33:YES)、主回路110は、上述の図4のステップS20と同様の方法で、液晶表示装置8における特図の変動表示を仮停止するよう指示する(S34)。
続いて、表示すべき全ての抽選結果に対する特図の変動表示が終了したか確認し、特図変動処理の終了条件が成立したか否かを判定する(S35)。すなわち、当たりに基づく特図の変動表示を行った後に他の段階の変動表示が残っている場合はステップS31に戻り、ハズレに基づく特図の変動表示を行った場合は終了条件が成立したと判定する。
表示すべき全ての抽選結果に対する特図の変動表示が終了したと判定したとき(S35:YES)、仮停止していた特図を確定表示するよう指示し(S37)、本処理を終了する。例えば、3段階の抽選に対する特図の図柄が全てハズレであった場合、ハズレに基づく特図の変動表示を3回連続して行っても遊技者の期待感を煽ることはできないので、この場合は特図の変動を1回のみ行って、直ぐに次の特図保留に基づく抽選結果の表示を行うようにしている。
(特図の変動の表示例1)
図6を用いて、上述の抽選の例1において、特図当否乱数値が0または1で、段階乱数値が0〜9のときの、液晶表示装置8における特図の変動の表示例について説明する。このとき、8ビットの特図当否乱数値は、上位ビットから、4ビット,3ビット,1ビットに分割され、通常特図判定テーブルのTB4(当たり確率:1/16),TB3(同1/8),TB1(同1/2)により当否判定され、各抽選結果は、当たり,当たり,当たり(0)/ハズレ(1)となる。
複数段階の抽選が行われ当否が判定されると、先の抽選結果に基づくハズレ図柄が表示された図6(a)の画面から図6(b)の特図変動表示画面に切り替える。続いて、図6(c)のように抽選の数(上述の例では3)を表示する。これにより、遊技者には当たりの期待度が高い複数段階の抽選が行われることを報知するとともに、何段階の抽選が行われるのか、すなわち抽選の数を報知することができる。次に、図6(d)のように第1段階の抽選の当選確率を表示して、まずは当たり確率の低いTB4の抽選結果による特図の変動表示を行うことを報知する。
続いて、図6(e)のように左・右図柄に同じ図柄を停止表示してリーチ表示とし、TB4の抽選結果は当たりであるため、図6(f)のように中図柄にリーチ図柄と同じ図柄を表示して仮停止する。これにより、第1段階の抽選結果が当たりであったことを遊技者に報知する。一方、3段階全ての抽選結果がハズレの場合は、中図柄にリーチ図柄と異なる図柄を表示して確定表示する。つまり、図6(f)の段階でハズレが確定表示されたときには、3段階の抽選で1つも当たりがなかったことを遊技者に報知することになり、その特図保留に対する変動表示の段階で終了し、次の特図保留に基づく変動表示に移行する。すなわち、図6(a)の画面に戻る。
図6(f)のようにリーチ図柄と同じ図柄を表示して仮停止したときは、第2段階の抽選結果の表示を行うために、図6(g)のように仮停止していた図柄を再変動し、TB3の抽選結果による特図の変動表示を開始する。そして、図6(h)のように第2段階の抽選の確率を表示し、続いて図6(i)のようにリーチ表示にし、抽選結果は当たりであるため、図6(j)のようにリーチ図柄と同じ図柄を表示して仮停止する。また、図6(j)の段階でハズレが確定表示されたときには、3段階の抽選で1つも当たりがなかったことを遊技者に報知することになり、その特図保留に対する変動表示はこの段階で終了し、次の特図保留に基づく変動表示に移行する。すなわち、図6(a)の画面に戻る。
図6(j)のようにリーチ図柄と同じ図柄を表示して仮停止したときは、第3段階の抽選結果の表示を行うために、図6(k)のように仮停止していた図柄を再変動し、TB1の抽選結果による特図の変動表示を開始する。TB1あるいはTB2の抽選結果による特図の変動表示の際には、変動表示する図柄の数を確率に合わせて2個か4個にし、見た目の当たり確率を高めることで遊技者の興趣を向上させる。図6の例では、「1」,「2」のみを用いて図柄変動を行っている。そして、図6(l)のように第3段階の抽選の確率を表示し、続いて図6(m)のようにリーチ表示にする。
最後に、第3段階の抽選結果が当たり(特図当否乱数値が0)の場合は、図6(n)のようにリーチ図柄と同じ図柄を表示して確定表示し、第3段階の抽選結果がハズレ(特図当否乱数値が1)の場合は、図6(o)のようにリーチ図柄と異なる図柄を表示して確定表示する。図6(n)のように複数段階の全ての抽選結果が当たりの場合は、最後のリーチ表示の後、当たり図柄で確定表示し、大当たり遊技を開始する。(最後の確定停止図柄は特図図柄乱数値に基づいて決定する。)確変大当たり図柄を停止表示した場合、大当たり遊技終了後は確変状態とする。また、非確変大当たり図柄を停止表示した場合は、大当たり遊技終了後は時短状態とする。
上述の構成により、複数段階の全ての抽選結果が当たりの場合は、最後の当たり図柄を表示した後は再変動表示を行わないので、全ての抽選結果が当たりの場合以外は、再変動表示の回数が複数段階の抽選処理における当たりの数に一致する。よって、遊技者は、今回の当たりの確率がどのくらい低かったか、今回のハズレがどのくらい惜しかったかを認識することができる。
(抽選の例2)
以下、複数の特図当否乱数カウンタから値を抽出し、必要な数の抽出値について当否判定する構成について述べる。まず、図3(b)に、RAM113の記憶内容の一例を示す。図3(b)は図3(a)の変形例であるため、図3(a)と同様の構成のものについては同一の符号を付与し、ここでの詳細な説明は割愛する。RAM113には、第1〜第3特図当否乱数カウンタ113f,段階乱数カウンタ113b,採用乱数カウンタ113g,特図図柄乱数カウンタ113h,特図保留記憶領域(1〜4の4個分)113c,状態フラグ113d,および継続回数113eが含まれている。
第1〜第3特図当否乱数カウンタ113fは、0から所定時間毎にインクリメントされ255の次は0に戻る8ビットのループカウンタであり、この第1〜第3特図当否乱数カウンタ113fから抽出した第1〜第3特図当否乱数値に基づいて、主回路110(抽選手段)は当たり判定(特図判定)を行う。
段階乱数カウンタ113bは、0から所定時間毎にインクリメントされ、99の次は0に戻るループカウンタであり、この段階乱数カウンタ113bから抽出した段階乱数値に応じて、使用する通常特図判定テーブルを選択する。
採用乱数カウンタ113gは、0から所定時間毎にインクリメントされ、99の次は0に戻るループカウンタであり、この採用乱数カウンタ113gから抽出した採用乱数値に応じて、第1〜第3特図当否乱数値の中から当たり判定に採用する値および採用する順番を選択する。
通常状態では、以下のような複数の通常特図判定テーブルを用いて当たり判定を行う。主回路110(抽選手段)は、採用乱数値に応じて選択した特図当否乱数値(詳細は後述)と、段階乱数値に応じて選択した判定テーブル(詳細は後述)の当たり値とを比較して当否を判定する。
・1/256の判定テーブル … 当たり値:0
・1/64 の判定テーブル … 当たり値:1〜4
・1/32 の判定テーブル … 当たり値:11〜18
・1/16 の判定テーブル … 当たり値:21〜36
・1/8 の判定テーブル … 当たり値:101〜164
・1/4 の判定テーブル … 当たり値:1〜64
・1/2 の判定テーブル … 当たり値:101〜228
確変状態では、第1〜第3特図当否乱数値のうちのいずれか1つ(詳細は後述)について確変特図判定テーブルを用いて当たり判定を行う。確変特図判定テーブルは、0〜9が当たりで、他の値(10〜255)がハズレとなり、当たり確率は1/25.6となる。また、時短状態では、第1〜第3特図当否乱数値のうちのいずれか1つ(詳細は後述)について、当たり確率1/256の通常特図判定テーブルを用いて当たり判定を行う。つまり、確変状態と時短状態では、段階抽選を行わない。
玉が始動入賞装置13に入賞して始動入賞検出器162で検知されると、主回路110(抽選手段)は、特図保留記憶領域113cに記憶されている特図保留の数が3個以下であれば、始動条件が成立したとして、第1〜3特図当否乱数カウンタ113f,段階乱数カウンタ113b,採用乱数カウンタ113g,および特図図柄乱数カウンタ113hの値を抽出し、第1〜第3特図当否乱数カウンタ113fから抽出した第1〜第3特図当否乱数値,段階乱数カウンタ113bから抽出した段階乱数値,採用乱数カウンタ113gから抽出した採用乱数値,および特図図柄乱数カウンタ113hから抽出した特図図柄乱数値を特図保留として特図保留記憶領域113cに記憶する。
そして、通常状態において特図保留を読み出したとき、主回路110(抽選選択手段)は、以下のように段階乱数値に応じて設定された段階数を抽選の数として選択する。
・段階乱数値が 0〜4 :3段階 1/16,1/8,1/2の判定テーブル
・段階乱数値が 5〜9 :3段階 1/32,1/4,1/2の判定テーブル
・段階乱数値が10〜14:3段階 1/16,1/4,1/4の判定テーブル
・段階乱数値が15〜19:2段階 1/64,1/4の判定テーブル
・段階乱数値が20〜24:2段階 1/16,1/16の判定テーブル
・段階乱数値が25〜99:1段階 1/256の判定テーブル
また、主回路110(抽選手段)は、上記のように段階乱数値に応じて設定された判定テーブルの表記順と以下のように採用乱数値に応じて設定された特図当否乱数値の採用順とを照らし合わせ、選択された各判定テーブルの当たり値と、対応する特図当否乱数値とを比較して、一致する場合は当たり、一致しない場合はハズレと判定する。但し、抽選の段階数(すなわち段階乱数値)により2つ目や3つ目の特図当否乱数値を採用しない場合もある。
・採用乱数値が 0〜32:第1,第2,第3の順
・採用乱数値が33〜65:第2,第3,第1の順
・採用乱数値が66〜99:第3,第1,第2の順
上述の構成で、第1特図当否乱数値が25、第2特図当否乱数値が150、第3特図当否乱数値が35であった場合の当否判定について例示する。通常状態において、段階乱数値が2、採用乱数値が10の場合は、1/16,1/8,1/2の判定テーブルにより第1,第2,第3の順で当否判定を行う。具体的には、このとき、第1特図当否乱数値を1/16の判定テーブルで、第2特図当否乱数値を1/8の判定テーブルで、第3特図当否乱数値を1/2の判定テーブルで当否判定することになる。ちなみに、この3段階抽選の結果は当たり、当たり、ハズレとなる。また、通常状態において、段階乱数値が20で採用乱数値が75の場合は、第3および第1特図当否乱数値を1/16の判定テーブルで当否判定し、2段階抽選の結果は当たり、当たりで大当たりとなる。この場合、第2特図当否乱数値の当否判定は行わない。
確変状態では、採用乱数値に基づいて第1〜第3特図当否乱数値の採用順を決定し、その先頭となった特図当否乱数値について、当たり確率1/25.6の確変特図判定テーブルを用いて当たり判定を行う。また、時短状態でも採用乱数値に基づいて第1〜第3特図当否乱数値の採用順を決定し、その先頭となった特図当否乱数値について、当たり確率1/256の通常特図判定テーブルを用いて当たり判定を行う。
(特図の変動の表示例2)
図7を用いて、上述の抽選の例2において、第1特図当否乱数値が25、第2特図当否乱数値が150、第3特図当否乱数値が200または35のときに、段階乱数値が2、採用乱数値が10の場合の、液晶表示装置8における特図の変動の表示例について説明する。このとき、第1特図当否乱数値を1/16の判定テーブルで、第2特図当否乱数値を1/8の判定テーブルで、第3特図当否乱数値を1/2の判定テーブルで当否判定し、3段階の抽選結果は当たり、当たり、当たり(200)/ハズレ(35)となる。
複数段階の抽選が行われ当否が判定されると、先の抽選結果に基づくハズレ図柄が表示された図7(a)の画面から図7(b)の特図変動表示画面に切り替える。続いて、図7(c)のように抽選の数(上述の例では3)を表示する。これにより、遊技者には当たりの期待度が高い複数段階の抽選が行われることを報知するとともに、何段階の抽選が行われるのか、すなわち抽選の数を報知することができる。次に、図7(d)のように抽選の数だけ表示領域を分割する。表示領域の分割方法は、図7(d)のような横方向分割以外の形態でもよい(例えば縦方向分割,円グラフ状分割等)。各表示領域では、採用乱数値によって決められた順(当たり確率の低い順)に上方から各段階の抽選結果を表示する。なお、本実施例では、分割された上段の表示領域から順に図柄を停止表示していくため、上段の表示領域を大きくしている。
上段の表示領域では、当たり確率の低い1/16の判定テーブルが選択された第1段階の抽選結果による図柄変動が行われており、まず、図7(e)のように第1段階の抽選の確率を表示し、続いて図7(f)のように、左・右図柄に同じ図柄を停止表示してリーチ表示とし、第1段階の抽選結果は当たりであるため、図7(g)のように中図柄にリーチ図柄と同じ図柄を表示して停止する。一方、抽選結果がハズレの場合は、中図柄にリーチ図柄と異なる図柄を表示して確定表示する。なお、図7(g)の段階でハズレが確定表示されたときには、この特図保留が当たりとなることはないので、直ぐに中段と下段の表示領域で行われている図柄変動を停止し、第2および第3段階の抽選結果を当たり、ハズレにかかわらず表示して、その特図保留に対する図柄変動を終了し、上段の表示領域を拡大(中段と下段の表示領域を消滅)して、次の特図保留の抽選に移行する。すなわち、図7(a)の画面に戻る。
図7(g)のようにリーチ図柄と同じ図柄を表示して停止したとき、図7(h)のように、第1段階の抽選結果表示を残しつつ画面をスクロールして表示領域を変更する。拡大された中段の表示領域では、1/8の判定テーブルが選択された第2段階の抽選結果による図柄変動が行われている。そして、図7(i)のように第2段階の抽選確率を表示し、続いて図7(j)のようにリーチ表示にし、第2段階の抽選結果が当たりであるため、図7(k)のようにリーチ図柄と同じ図柄を表示して停止する。また、図7(k)の段階でハズレが確定表示されたときには、この特図保留が当たりとなることはないので、直ぐに下段の表示領域で行われている図柄変動を停止し、第3段階の抽選結果を当たり、ハズレにかかわらず表示して、その特図保留に対する図柄変動を終了し、中段の表示領域を拡大(上段と下段の表示領域を消滅)して、次の特図保留の抽選に移行する。すなわち、図7(a)の画面に戻る。
図7(k)のようにリーチ図柄と同じ図柄を表示して停止したとき、図7(l)のように第1および第2段階の抽選結果表示を残しつつ画面をスクロールして表示領域を変更する。拡大された下段の表示領域では、1/2の判定テーブルが選択された第3段階の抽選結果による図柄変動が行われている。1/4あるいは1/2の判定テーブルが選択された抽選結果による図柄変動の際には、変動表示する図柄の数を確率に合わせて2個か4個にすると、見た目の当たり確率が高められるので、遊技者の射幸心を更に煽ることができる。図7の例では、「1」,「2」のみを用いて図柄変動を行う。そして、図7(m)のように第3段階の抽選確率を表示し、続いて図7(n)のようにリーチ表示にする。
最後に、第3段階の抽選結果が当たり(第3特図当否乱数値が200)の場合は、図7(o)のようにリーチ図柄と同じ図柄を表示して仮停止し、その後、図7(p)のように、その表示を全画面表示して大当たりの確定表示を行う。この後、大当たり遊技を開始する。(最後の確定停止図柄は特図図柄乱数値に基づいて決定する。)確変大当たり図柄を停止表示した場合、大当たり遊技終了後は確変状態とする。また、非確変大当たり図柄を停止表示した場合は、大当たり遊技終了後は時短状態とする。
一方、第3段階の抽選結果がハズレ(第3特図当否乱数値が35)の場合は、図7(q)のようにリーチ図柄と異なる図柄を表示して仮停止し、その後、図7(r)のように、その表示を全画面表示してハズレの確定表示を行う。
上述の例で、抽選の例1の構成のときに特図の変動の表示例2の構成によって図柄変動を行ってもよい。逆に、抽選の例2の構成のときに特図の変動の表示例1の構成によって図柄変動を行ってもよい。
抽選の例1における特図当否乱数値のビット数や分割する際のビット数、各ビット別の判定テーブルの当たり値など、抽選の例2における各確率に対応する判定テーブルの当たり値など、適宜設定できるのはいうまでもない。また、ビット毎、当たり確率毎に複数の判定テーブルを用意しておき、いずれを使うか選択するようにしてもよい。
抽選の例2の特図当否乱数カウンタの数や各実施例の段階数も、4個や8個などもっと細かく分けてもよい。また、抽選の例1のように当たり値を等しくしてもよいし、抽選の例2のように使用する判定テーブルや採用する特図当否乱数値によって当たりになる場合とハズレになる場合があってもよい。
複数段階の抽選を行ったときの表示形式(メッセージ表示や画面の分割方法)も、上述の表示例以外の構成としてもよく、複数の抽選を行ったことが遊技者に伝わる表示方法であればよい。スピーカ4から音声メッセージを送出してもよい。上述の表示例のように明確に段階数を表示しなくても、演出の流れの中で何段階の抽選が行われたのかが遊技者に分かるように構成されていればよい。
液晶表示装置8の表示部に保留数表示領域を設け、保留数分だけ所定のアイコンが表示されるようにし、そのアイコン上に1以外の段階数を表示するようにしてもよい。これにより、保留が貯まっている状態であれば、以降の変動表示で複数段階の抽選が行われるか否かを遊技者が事前に知ることができるので、遊技の継続意欲がわく。保留がない状態では確認できないので、遊技者に保留を貯めたいと思わせることができ、稼働の向上(すなわち、遊技者がより多くの玉を打つこと)も見込める。
上述の抽選の例(1,2)では、何段階の抽選が選択されようと大当たりに対する期待度は同じに設計してあるが、差を設けて段階数が多いほど大当たりの期待度も高くなるように設計してもよい。また、段階数を示すタイミングも先に限らず後でもよい。さらに、大当たりや最終段階でハズレの場合だけ正確な段階数が遊技者に分かる構成であってもよい。
上述の抽選の例では、何段階の抽選処理が選択されても、通常状態における大当たり確率は常に一定であるよう構成したが、選択するカウンタやテーブルにより多少差があってもよい。ほぼ同じ確率であればよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。