JP5218307B2 - 冷却装置付きパワーモジュール - Google Patents

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Description

本発明は、電力用半導体素子などパワー部品が搭載されたパワーモジュールを冷却装置により冷却する冷却装置付きパワーモジュールに関し、特に当該モジュールの小型化を図る上で有益な配線構造の改良に関する。
周知のように、ハイブリッド車や電気自動車などの車両には、複数のモータやそれらモータに電力変換を行なった駆動用電流を供給するインバータ等からなる複数のパワーモジュールが設けられている。このうち、特にインバータを構成するパワーモジュールはIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)などの電力用半導体素子を有して構成されていることが多く、それら電力用半導体素子のスイッチング制御に基づき直流電力が例えば三相交流電力に変換されてモータに供給される。
一方、電力用半導体素子は、そこに流れる電流量に応じて発熱し、それ自身の温度が上昇するようになる。このため、素子温度がその動作保証温度に維持されるように、こうしたモジュールには通常、半導体素子の温度上昇を抑制する放熱装置や冷却装置が設けられている。そして、特に車両においては、限られたスペースの有効活用などを目的として、このような冷却装置を有するパワーモジュールもその小型化が求められている。
こうした実情から、冷却装置を有するパワーモジュールを小型化する技術については従来から種々提案されており、特許文献1にはそのような技術の一例が提案されている。この特許文献1に記載の冷却装置付きパワーモジュールでは、裏面に絶縁膜の形成されたバスバー上に電力用半導体素子を接合し、同バスバーの裏面を冷媒としての冷却水により冷却するようにしている。これにより、電力用半導体素子が搭載されたパワーモジュール自身の冷却に併せて、同モジュールに搭載される電力用半導体素子の設置スペースもその縮小が図られるようになる。
特開2000−315757号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置のパワーモジュールにあっては、そのバスバーが放熱を目的とする構造を有していないため、それを介して行なわれる電力用半導体素子の放熱も、効率面での課題が無視できない。また、バスバー自身が冷却されるとはいえ、そこを流れる電流量に応じてバスバー自身の温度も上昇するため、このようなバスバーの上に設けられている電力用半導体素子に対する冷却能力の低下も避けられない。すなわち、配線構造も含めて、バスバーを利用した電力用半導体素子の搭載態様そのものに改良の余地を残すものとなっている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力用半導体素子などを冷却装置により冷却させるパワーモジュールにおいてその冷却能力を維持しつつ当該モジュールとしての小型化をも併せて図ることのできる配線構造を有する冷却装置付きパワーモジュールを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、冷却装置に搭載された電力用半導体素子と冷却装置内の冷却通路を流れる冷媒との間で熱交換が行われる冷却装置付きパワーモジュールであって、前記冷却装置の前記電力用半導体素子の搭載面と直交する一面に前記冷却通路の一側面を塞ぐ態様にて設けられた絶縁性樹脂からなるブロック部と、前記冷却通路内を前記電力用半導体素子の搭載面と平行に横断する態様で前記ブロック部から導出された同じく絶縁性樹脂からなる中間層部とを備え、前記電力用半導体素子の電力供給線となる配線が、前記ブロック部から前記中間層部の内部を介して前記冷却装置の外部へと引き出されてなることを要旨とする。
このような構成によれば、配線が冷却通路の内部を横断するかたちに通るため冷却装置の電力用半導体素子の搭載面、すなわちパワーモジュールの表面や上部においてそれらの配線スペースが削減されてパワーモジュールとしても小型化される。なお発熱量の多い電力用半導体素子であれ、同電力用半導体素子は従来通り放熱フィンなどの放熱部を介して冷却装置により好適に冷却されるので、その冷却性能は維持される。
また、パワーモジュールに設置された電力用半導体素子にはその上部に結線作業などのための作業スペースが必要とされるが、配線が冷却通路を通ることにより、同作業スペースの一部が配線により占拠されることが抑制されるとともに、同作業スペースの減少を防ぐために確保する配線スペースを省スペース化することができるようにもなる。これにより、電力用半導体素子への作業なども容易とされるとともに、パワーモジュール表面における電力用半導体素子の配置が配線にとらわれないなどその自由度が高められるようにもなり、このような冷却装置付きパワーモジュールの実施が容易とされるようになる。
さらに、配線が冷却されることにより、流れる電流に応じて生じる発熱に伴う温度上昇が抑制され、その温度上昇に伴って生じる抵抗値の上昇なども抑制される。すなわち温度上昇が抑制されることにより配線は、単位面積あたりに流せる電流量が増加して断面積の小面積化が図られるようになり、それ自身の占有するスペースの省スペース化も図られるようになる。例えば、配線の断面積は、流したい最大電流量と発熱に伴う溶断電流とに基づいて定められるが、温度上昇の抑制により増加する溶断電流量に対応して必要とされる面積が小さくなる。これによっても冷却装置付きパワーモジュールの小型化が図られるようになる。
また、冷却通路には中間層部が冷媒の流通を制御するために形成されることも多くあり、そのような中間層部を配線配置に利用することで、配線の配置を容易にするとともに、配線に要するスペースの一層の省スペース化が図られるようになる。
さらに、配線は、絶縁性を有する中間層部により絶縁されるので、冷媒が冷却水など導電性を有する場合であれ、冷却通路内を横断することができるようになり、冷却装置付きパワーモジュールとしてその自由度が高められる。
また、冷却装置は樹脂材料から形成されることも多く、中間層部を冷却装置の形成時に一体形成するようにすれば、同中間層部の形成も容易となる。これにより、中間層部の内部に配置される配線も容易となる。
請求項2に記載の発明は、前記中間層部は、前記冷却通路を前記電力用半導体素子の搭載面と平行方向に分割する態様で前記ブロック部から導出されてなることを要旨とする。
この構成によるように、冷却通路は中間層部により搭載面の平行方向に分割される場合であれ、配線は同中間層部の内部に配置されて冷却通路内を横断することができる。これにより、中間層部の内部に配置される配線の配置の自由度も高められるようになる。
請求項3に記載の発明は、前記電力用半導体素子の電力供給線として前記ブロック部から前記中間層部の内部を介して引き出される配線が、板状の導電性金属材料からなるバスバーであることを要旨とする。
通常バスバーは、大電流を流すことのできる断面積を確保するため板状の金属材料などにより形成されているが、金属板であることや、安全確保のための絶縁距離が必要なことなどから、その配置の自由度が高くない。
このような構成によれば、配線としてのバスバーを冷却装置の内部に配線してパワーモジュール表面などの配線スペースを縮小することでモジュール上の電力用半導体素子などの配置の自由度が高められる。また、バスバーと作業スペースとの干渉のおそれも軽減される。
請求項4に記載の発明は、前記中間層部には温度センサが一体に設けられてなることを要旨とする。
このような構成によれば、中間層部に温度センサを設けることによって冷却水の温度調整が精度よく行えるようになり、各電力用半導体素子や各配線の温度を高い精度で管理することができるようになる。これにより、パワーモジュールとしての信頼性が高められるようになる。
請求項5に記載の発明は、前記電力用半導体素子として直流電力を交流電力に変換するインバータを構成する複数の素子が前記冷却装置に一括搭載されてなり、当該インバータの母線および変換された相電流が流れる電流線が前記電力用半導体素子の電力供給線として前記ブロック部から前記中間層部の内部を介して引き出されてなることを要旨とする。
このような構成によれば、インバータを構成する発熱量の多い電力用半導体素子はそれらが一括搭載される冷却装置にて冷却され、それら電力用半導体素子に接続される各電力供給線も冷却装置にて冷却されることでインバータとしての冷却性能が維持されるようになる。これにより、インバータとして、パワーモジュール上の配線スペースが減少されて小型化が図られるようになる。
請求項6に記載の発明は、前記インバータを構成する電力用半導体素子が絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタと該トランジスタに逆並列接続されたダイオードとを含むことを要旨とする。
この構成によるように、インバータにIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)と同IGBTの保護用などのダイオードとを有する電力用半導体素子が用いられる場合であれ、その温度上昇が抑制されて、その温度が動作保証温度に維持されるようになる。
請求項7に記載の発明は、前記冷却装置は前記ブロック部を挟んで対称に設けられてなり、前記電力用半導体素子は、それらブロック部を挟んだ冷却装置の両方に搭載されてなることを要旨とする。
この構成によるように、配線の集中配置されたブロック部を挟んで電力用半導体素子を配置することにより、それら配線が複数の電力用半導体素子に共用されることでパワーモジュール全体としての配線長を短くすることができるようになる。
請求項8に記載の発明は、前記電力用半導体素子は、前記中間層部の設けられた冷却通
路を挟んで前記冷却装置の両面に搭載されてなることを要旨とする。
このような構成によれば、冷却装置の両面に電力用半導体素子が配置されるので、冷却装置の表面を効率よく利用することができるようになる。また、冷却装置の両面にインバータを設けるような場合、冷却装置の内部に配置された配線の一部を共用することができるようにもなり、配線スペースのより一層の省スペース化が図られるようにもなる。
本発明に係る冷却装置付きパワーモジュールを具体化した一実施形態についてその斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のパワーモジュールに搭載されるパワー部品(電力用半導体素子)の正面構造を示す正面図。 同実施形態のパワーモジュールにおけるバスバーの配線構造を示す斜視図。 同実施形態のパワーモジュールについて図1の4−4線に沿った断面構造を示す断面図。 同実施形態のパワーモジュールについて図1の5−5線に沿った断面構造を示す断面図。 同実施形態のパワーモジュールにおけるパワー部品(電力用半導体素子)とバスバーとの配線構造を示す側面図。 同実施形態のパワーモジュールが適用される三相モータ駆動用のインバータについてその配線態様を示す配線図。 本発明に係る冷却装置付きパワーモジュールを具体化したその他の実施形態についてその断面構造を示す断面図。
以下、本発明の冷却装置付きパワーモジュールを具体化した一実施形態について図に従って説明する。図1は、本実施形態の冷却装置付きパワーモジュールを右上から斜視した構造を示す図であり、図2は、同パワーモジュールに用いられるパワー部品(電力用半導体素子)を正面からみた構造を示す図である。なお、本実施形態では、このパワーモジュールには、直流電力を三相交流電力に電力変換するいわゆるインバータが構成されている。
図1に示すように、パワーモジュールには、電力変換に用いられる6つのパワー部品10と、それらパワー部品10の熱を放熱する第1及び第2の放熱体20,21と、それら第1及び第2の放熱体20,21を通じて各パワー部品10を冷却する冷却装置11とが設けられている。
冷却装置11は、絶縁性を有する樹脂などにより矩形状に形成され、その上面(図1において上側の面)にはパワー部品10の搭載面を有している。冷却装置11は、その正面(図1において前側の側面)に供給口12と排出口13とが突出形成されている。また、冷却装置11の搭載面にて供給口12と排出口13との間に突出形成される中央突部14が、同冷却装置11の正面から同正面に対応する反対側の側面としての裏面(図1において後側の側面)との間に延設されている。冷却装置11の内部には、冷媒の流れされる冷却通路11Aがその先端と終端とをそれぞれ冷却装置11の正面側に配置する半周状に形成されており、同先端には供給口12が、同終端には排出口13がそれぞれ接続されている。また、同半周状の冷却通路11Aの内周部分は、搭載面と直交する冷却通路11Aの一側面を塞ぐ態様にて同冷却通路11Aを左右に区分するブロック部11Bが形成されており、その上部に上述の中央突部14の一部が配置されている。冷却通路11Aには、搭載面と平行であるとともに同冷却通路11Aを上下に分割する樹脂層18A(図3参照)がブロック部11Bから水平方向に同冷却通路11Aを横断するように設けられている。すなわち冷却装置11は、供給口12から供給された冷媒としての冷却水を樹脂層18A
により上下に分割して冷却通路11Aを流通させるとともに、樹脂層18Aにより分割された冷却水をまとめて排出口13から排出させるようになっている。これにより、冷却装置11の表面には同冷却水の冷却通路11Aの流通により同冷却水の温度に応じた熱交換能力、具体的には冷却能力が発揮されるようになっている。
中央突部14は正面から見てその上部(冷却装置11の搭載面に突出する突部の先端部)が左右に広がる形状になっており、すなわち中央突部14はその上部に左方向(供給口12のある方向)に延出される第1延出部15と、右方向(排出口13のある方向)に延出される第2延出部16とがそれぞれ設けられている。また、第2延出部16の上部は中央突部14の上面よりも低くなっており、中央突部14上部の右側には第2延出部16に対応する部分に同上部よりも低い段差部17が形成されている。
冷却装置11の搭載面には、中央突部14よりも左側に前述の第1の放熱体20が設けられ、中央突部14よりも右側に前述の第2の放熱体21が設けられている。第1及び第2の放熱体20,21はそれぞれ、冷却装置11との間での熱交換の効率を高めるための放熱体であり、それぞれアルミニウムなどの熱伝導率の高い材料より構成されている。また第1及び第2の放熱体20,21の裏面には、それぞれ放熱フィン20F,21Fなど冷却水との間の熱交換率を高めるための構造が設けられており、それら放熱フィン20F,21Fを冷却通路11A内に突出させて冷却水との熱交換の効率が高められるようになっている。なお、本実施形態では、第1及び第2の放熱体20,21のそれぞれに対応する冷却装置11の下面(図1において下側の面)の部分には第3の放熱体22と第4の放熱体23とが設けられている。第3及び第4の放熱体22,23はそれぞれ、第1及び第2の放熱体20,21と同様に、冷却装置11との間で効率の高い熱交換をするためにアルミニウムなどの熱伝導性の高い材料より構成されているとともに、それらの裏面には冷却通路11Aに突出される放熱フィン22F,23Fの構造などが設けられている。
第1及び第2の放熱体20,21の上面にはそれぞれ3つのパワー部品10が設けられており、合計で6つのそれらパワー部品10により前述のインバータが構成されている。なお、本実施形態では、パワー部品10はいずれも同様の構造を有するので、以下では、第2の放熱体21に設けられているパワー部品10についてその構造を詳細に説明し、説明の便宜上、第1の放熱体20に設けられているパワー部品10についてその重複する説明を省略する。
図2に示すように、第2の放熱体21上のパワー部品10は、絶縁層26と、導電層27と、ダイオード28と、トランジスタ29とを有し構成されている。絶縁層26は、絶縁基板などからなる層であり、その下面が第1の放熱体20に接着されることなどによりパワー部品10を第2の放熱体21に設置させるとともに、その上面には導電層27が配設されている。導電層27は、銅などの導電性の材料から構成されており、その上面にダイオード28の下面とトランジスタ29の下面とが機械的に接合される。ダイオード28は、いわゆる整流素子であり、下面にカソード端子28K、上面にアノード端子28Aを有している。トランジスタ29は、本実施形態では大電力を流すことのできるIGBTであり、下面にコレクタ端子29C、上面にエミッタ端子29E及びゲート端子29Gを有している。すなわち導電層27には、ダイオード28下面のカソード端子28K、及びトランジスタ29下面のコレクタ端子29Cとがそれぞれ電気的にも接続され、導電層27はカソード端子28Kとコレクタ端子29Cとへの配線層ともなっている。なお、IGBTなどのトランジスタ29は、そこに流れる電流量に応じて発熱するため、特に大電流を流す場合、その温度が電流に応じた発熱に基づく温度上昇により動作保証温度を超えるおそれもある。そのため本実施形態では、流される電流に応じて発熱して上昇するトランジスタ29の温度を第1及び第2の放熱体20,21を介して冷却装置11により冷却して動作保証温度内に維持するようになっている。
パワーモジュールには、インバータを構成する複数のパワー部品10に直流電力を供給する正極母線として導電性金属材料からなる正極バスバーPと、負極母線として同じく導電性金属材料からなる負極バスバーNとが設けられている。また、インバータを構成する複数のパワー部品10から三相交流電力の各相(U相、V相、W相)の電力(相電流)を出力するいずれも導電性金属材料からなるU相バスバーU、V相バスバーV、W相バスバーWとが設けられている。これにより、正極バスバーPと負極バスバーN、及び、U相バスバーUとV相バスバーVとW相バスバーWとがそれぞれパワー部品10の電力供給線となっている。
次に、パワーモジュールに設けられている各バスバーについて、図3〜図5に従って説明する。図3は、パワージュールに配設される各バスバーの斜視構造について示す図であり、図4は、図1の4−4線に沿った断面構造を示す図であり、図5は、図1の5−5線に沿った断面構造を示す図である。
図3に示すように、正極バスバーPは、冷却装置11の左側面11Lから冷却装置11の内部を通り中央突部14の左側部まで配置されている。詳述すると、図3及び図4に示すように、正極バスバーPは、冷却装置11の左側面11Lに外部端子P1を突出させ、同外部端子P1に続く内部配線P2が冷却装置11の冷却通路11Aの一部に形成される樹脂層18Aを通りブロック部11Bの左部分(中央突部14の左部分に対応する位置)まで延設されている。また、正極バスバーPは、その内部配線P2に接続され、中央突部14の左部分に同中央突部14の長さ方向に沿って設けられた連結部P3を有しているとともに、同連結部P3に接続され、中央突部14左側の第1延出部15の下部に少なくとも一部が露出される3つの接続端子Pu,Pv,Pwを有している。このように正極バスバーPが冷却装置11の冷却通路11Aに配設されることで、正極バスバーPの配線に伴い必要とされるパワーモジュールの表面積やパワーモジュールの上部空間が減少されるようになる。また、正極バスバーPは冷却通路11Aにおいて樹脂層18Aにより被覆されることにより冷却水などとの間におけるその絶縁性が確保される。
さらに、正極バスバーPは冷却装置11の内部、特に冷却通路11A内及びその近傍に配置されることで当該冷却装置11により冷却されるようになる。一般に、配線の断面積は、最大電流量と発熱に伴う溶断電流とに基づいて定められるようになっており、高さa1と幅b1とからなる正極バスバーPの断面積も、最大電流量と発熱に伴う溶断電流とに基づいて定められた面積が確保されている。ところで本実施形態では、正極バスバーPは冷却装置11により冷却されてその温度上昇が抑制されることから、溶断電流としての電流量が大きくなる。これにより、正極バスバーPの断面積を、それが冷却されない場合に比較して相対的に小さくすることができるようになり、正極バスバーPの配線に伴い必要とされる(占有する)パワーモジュールのスペースの省スペース化も図られるようにもなる。
なお、本実施形態では、樹脂層18Aには温度センサ19が設けられている。温度センサ19は、樹脂層18Aの成型時に一体形成されており、水路水温とともに、樹脂層18Aに配置される正極バスバーPの温度の測定を行う。これにより、正極バスバーPの温度上昇に応じて冷却装置11の冷却能力を調整することができるようにもなる。
また、図3に示すように、負極バスバーNは、冷却装置11の右側面11Rから冷却装置11の内部を通り中央突部14の右側部まで配置されている。詳述すると、図3及び図4に示すように、負極バスバーNは、冷却装置11の右側面11Rに外部端子N1を突出させ、同外部端子N1に続く内部配線N2が冷却装置11の冷却通路11Aの一部に形成される樹脂層18Aを通りブロック部11Bの右部分(中央突部14の右部分に対応する
位置)まで延設されている。また、負極バスバーNは、その内部配線N2に接続され、中央突部14の右部分に同中央突部14の長さ方向に沿って設けられた連結部N3を有しているとともに、同連結部N3に接続され、中央突部14上面右側の段差部17よりも高い位置に少なくとも一部が露出される3つの接続端子Nu,Nv,Nwを有している。このように負極バスバーNが冷却装置11の冷却通路11Aに配設されることで、負極バスバーNの配線に伴い必要とされるパワーモジュールの表面積やパワーモジュールの上部空間が減少されるようになる。また、負極バスバーNは冷却通路11Aにおいて樹脂層18Aにより被覆されることにより冷却水などとの間におけるその絶縁性が確保される。
さらに、負極バスバーNは冷却装置11の内部、特に冷却通路11A内及びその近傍に配置されることで当該冷却装置11により冷却されるようになる。このとき高さa2と幅b2とからなる負極バスバーNの断面積も、最大電流量と発熱に伴う溶断電流とに基づいて定められた面積が確保されている。ところで本実施形態では、負極バスバーNは、正極バスバーPと同様に、冷却されることから溶断電流としての電流量が大きくなるため、その断面積を、それが冷却されない場合に比較して相対的に小さくすることができるようになる。これにより、負極バスバーNの配線に伴い必要とされる(占有する)パワーモジュールのスペースの省スペース化も図られるようにもなる。
また、図3に示すように、U相バスバーU、V相バスバーV及びW相バスバーWは、冷却装置11の右側面11Rから冷却装置11の内部を通り中央突部14の右側まで配置されている。なお本実施形態では、V相バスバーVとW相バスバーWとは同様の構造を有しており、U相バスバーUとW相バスバーWとはその鏡像が同様の構造を有していることから、以下ではW相バスバーWの構造について詳細に説明し、説明の便宜上、U相バスバーUとV相バスバーVについてその重複する説明については省略する。また図3において、W相バスバーWについては他の部材に隠蔽される部分を破線で示したが、説明の便宜上、U相バスバーUとV相バスバーVについては隠蔽される部分の表示は省略している。
詳述すると、図3及び図5に示すように、W相バスバーWは、冷却装置11の右側面11Rに外部端子W1を突出させ、同外部端子W1に続くその内部配線W2が冷却装置11の冷却通路11Aの一部に形成される樹脂層18Aを通りブロック部11Bの右部分まで延設されている。またW相バスバーWは、内部配線W2に続くその接続端子Wdを少なくとも一部を第2延出部16(段差部17)に露出させるとともに、段差部17を同中央突部14の長さ方向に延設させており、同接続端子Wdの延設された端部から中央突部14の上部を跨いで中央突部14の左側上面(第1延出部15の上部)まで連絡部W3を架設させている。さらにW相バスバーWは、連絡部W3に続いて設けられている接続端子Wuを中央突部14の左側上面に配置しており、このような構造によりW相バスバーWの一部としての外部端子W1、接続端子Wd及び接続端子Wuが電気的に相互接続されている。
このようにW相バスバーWが冷却装置11の冷却通路11Aに配設されることで、W相バスバーWの配線に伴い必要とされるパワーモジュールの表面積やパワーモジュールの上部空間が減少されるようになる。また、W相バスバーWは冷却通路11Aにおいて樹脂層18Aにより被覆されることにより冷却水などとの間におけるその絶縁性が確保される。
さらに、W相バスバーWは冷却装置11の内部、特に冷却通路11A内及びその近傍に配置されることで当該冷却装置11により冷却されるようになる。このとき高さa3と幅b3とからなるW相バスバーWの断面積も、最大電流量と発熱に伴う溶断電流とに基づいて定められた面積が確保されている。ところで本実施形態では、W相バスバーWは、先の各バスバーP,Nと同様に、冷却されることから溶断電流としての電流量が大きくなるため、その断面積を、それが冷却されない場合に比較して相対的に小さくすることができるようになる。これにより、W相バスバーWの配線に伴い必要とされる(占有する)パワー
モジュールのスペースの省スペース化も図られるようにもなる。なお、高さa4と幅b4とからなるW相バスバーWの連絡部W3の断面積としても、少なくとも最大電流量と発熱に伴う溶断電流とに基づいて定められた面積が確保されている。このとき連絡部W3には内部配線W2に流れるよりも少ない電流が流れるので、同断面積は先の断面積(a3×b3)と同等程度の面積に構成されている場合、その発熱量は少ない。
U相バスバーUは、W相バスバーWと同様に、冷却装置11の右側面に突出される外部端子U1と段差部17の接続端子Udとが樹脂層18Aとブロック部11Bとを通る内部配線により電気的に接続される。また、接続端子Udと中央突部14の左側上面に配置される接続端子Uuとが中央突部14の上部に架設される連絡部U3により電気的に接続されている。
V相バスバーVも、W相バスバーWと同様に、冷却装置11の右側面に突出される外部端子V1と段差部17の接続端子Vdとが樹脂層18Aとブロック部11Bとを通る内部配線V2により電気的に接続される。また、接続端子Vdと中央突部14の左側上面に配置される接続端子Vuとは中央突部14の上部に架設される連絡部V3により電気的に接続されている。
このようにU相バスバーUとV相バスバーVが冷却装置11の冷却通路11Aに配設されることで、それらの配線に伴い必要とされるパワーモジュールの表面積やパワーモジュールの上部空間が減少されるようになる。また、U相バスバーUとV相バスバーVとは、冷却通路11Aにおいて樹脂層18Aにより被覆されることにより冷却水などとの間におけるその絶縁性が確保される。また本実施形態では、U相バスバーUとV相バスバーVとは、W相バスバーWと同様に、冷却されることから溶断電流としての電流量が大きくなるため、その断面積を、それが冷却されない場合に比較して相対的に小さくすることができるようになる。これにより、U相バスバーU及びV相バスバーVの配線に伴い必要とされる(占有する)パワーモジュールのスペースの省スペース化も図られるようにもなる。
上述のような構成から、本実施形態では、第1の放熱体20に設けられる3つのパワー部品10が正極バスバーPに接続される上アームを構成し、第2の放熱体21に設けられる3つのパワー部品10が負極バスバーNに接続される下アームを構成するようになっている。また、中央突部14(ブロック部11B)を挟むように配置される一対のパワー部品10がそれぞれ三相交流の各相(U相、V相、W相)を出力するU相アーム、V相アーム、W相アームを構成するようになっている。
次に、パワーモジュールのパワー部品と各バスバーとの配線構造について、図6を参照して説明する。図6は、U相アームについて各バスバーP,N,Uとパワー部品10との電気的接続を含むその配線構造を模式的に示す図である。なお、V相アーム及びW相アームの電気的接続を含むそれらの配線構造については、U相アームの配線構造と同様であるので、説明の便宜上、V相アーム及びW相アームのその説明については省略する。また、図6においては、説明の便宜上、各放熱フィン20F〜23Fについてその図示を省略する。
まず、U相アームにおける上アームの配線構造について説明する。
図6に示すように、正極バスバーPの接続端子Puとパワー部品10の導電層27とが接続線J1により電気的に接続(配線)され、これにより、ダイオード28のカソード端子28Kとトランジスタ29のコレクタ端子29Cとに正極バスバーPを介して直流電力が供給されるようになっている。また、ダイオード28のアノード端子28Aとトランジスタ29のエミッタ端子29EとがU相バスバーUの接続端子Uuに接続線J2を介してそれぞれ電気的に接続(配線)されている。さらに、トランジスタ29のゲート端子29
Gは、制御基板30の出力する当該トランジスタ29を駆動するドライブ信号を伝達する信号線GUuに接続線J3を介して電気的に接続(配線)されている。これにより、トランジスタ29のゲート端子29Gに入力されるドライブ信号に基づいてトランジスタ29が駆動されて、そのコレクタ端子29Cからエミッタ端子29Eに電流が流されることにより正極バスバーPからU相バスバーUへ電流が流れるようになる。
次に、U相アームにおける下アームの配線構造について説明する。
これも図6に示すように、U相バスバーUの接続端子Udとパワー部品10の導電層27とが接続線J5により電気的に接続(配線)され、これにより、ダイオード28のカソード端子28Kとトランジスタ29のコレクタ端子29CとにU相バスバーUを介して直流電力が供給されるようになっている。また、ダイオード28のアノード端子28Aとトランジスタ29のエミッタ端子29Eとが負極バスバーNの接続端子Nuに接続線J6を介してそれぞれ電気的に接続(配線)されている。さらに、トランジスタ29のゲート端子29Gは、制御基板30の出力する当該トランジスタ29を駆動するドライブ信号を伝達する信号線GUdに接続線J7を介して電気的に接続(配線)されている。これにより、トランジスタ29のゲート端子29Gに入力されるドライブ信号に基づいてトランジスタ29が駆動されて、そのコレクタ端子29Cからエミッタ端子29Eに電流が流されることによりU相バスバーUから負極バスバーNへ電流が流れるようになる。
なお、本実施形態では、冷却装置11の搭載面を覆うように制御基板30が配置されているので、同搭載面の放熱効率はあまり高くなく、同搭載面上の上部空間の温度上昇を招くおそれもある。しかしパワー部品10はもとより各バスバーも冷却されることから、それらバスバーの全体が冷却装置11の搭載面に配置される場合と比較して、同上部空間の温度上昇も抑制されるようになり、パワーモジュールとしての信頼性の向上が図られるようにもなる。
次に、パワーモジュールを用いたモータ駆動システムについて図7を参照して説明する。図7は、パワーモジュールのインバータを用いて構成されるモータ駆動システムの回路図である。
図7に示すように、直流電力を供給する直流電源Eには、その正極に正極バスバーPが接続され、その負極に負極バスバーNが接続されている。正極バスバーPと負極バスバーNとの間には2つのパワー部品10の直列接続により構成される直列回路(各相アーム)が並列に3組配置されており、各直列回路(各相アーム)において2つのパワー部品10の接続点がモータMの各相(U相、V相、W相)にそれぞれ接続されている。これにより、正極バスバーPに接続される上アームのトランジスタ29が駆動されてそこに電流が流されるとモータの各相に相電流が供給され、負極バスバーNに接続される下アームのトランジスタ29が駆動されてそこに電流が流されるとモータの各相から相電流が戻されるようになっている。このような構成により、各トランジスタ29を所定のタイミングで駆動するように各ゲート端子にそれぞれ所定のドライブ信号が入力されることで、パワーモジュールが直流電力を三相交流電力に変換するインバータとして作動し、そこから出力される同三相交流電力(三相電流)によりモータMが回転駆動される。
以上説明したように、本実施形態の冷却装置付きパワーモジュールによれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)各バスバーP,N,U,V,Wが冷却通路11Aの内部を横断するかたちに通るようにした。これにより冷却装置11のパワー部品10の搭載面、すなわちパワーモジュールの表面や上部においてそれらの配線スペースが削減されてパワーモジュールとしても小型化される。なお発熱量の多いパワー部品10(トランジスタ29)であれ、同パワー部品10は従来通り各放熱フィン20F,21Fなどの放熱部を介して冷却装置11によ
り好適に冷却されるので、その冷却性能は維持される。
(2)パワーモジュールに設置されたパワー部品10にはその上部に結線作業などのための作業スペースが必要とされる。しかし、各バスバーP,N,U,V,Wを冷却通路11Aにそれぞれ通すことにより、同作業スペースの一部が配線により占拠されることを抑制するとともに、同作業スペースの減少を防ぐために確保する配線スペースを省スペース化するようにした。これにより、パワー部品10への作業なども容易とされるとともに、パワーモジュール表面におけるパワー部品10の配置が配線にとらわれないなどその自由度が高められるようにもなり、このような冷却装置付きパワーモジュールの実施が容易とされるようになる。
(3)各バスバーP,N,U,V,Wを冷却することにより、流れる電流に応じて生じる発熱に伴う温度上昇を抑制し、その温度上昇に伴って生じる抵抗値の上昇などを抑制する。すなわち温度上昇が抑制されることにより各バスバーP,N,U,V,Wは、単位面積あたりに流せる電流量が増加して断面積の小面積化が図られるようになり、それ自身の占有するスペースの省スペース化も図られるようになる。例えば、配線の断面積は、流したい最大電流量と発熱に伴う溶断電流とに基づいて定められるが、温度上昇の抑制により増加する溶断電流量に対応して必要とされる面積が小さくなる。これによっても冷却装置付きパワーモジュールの小型化が図られるようになる。
(4)冷却通路11Aには樹脂層18Aが冷却水の流通を制御するために形成されており、このような樹脂層18Aを配線配置に利用することで、各バスバーP,N,U,V,Wの配置を容易にするとともに、各バスバーP,N,U,V,Wに要するスペースの一層の省スペース化が図られるようになる。
(5)各バスバーP,N,U,V,Wを、絶縁性を有する樹脂層18Aにより絶縁するようにした。これにより冷媒が冷却水など導電性を有する場合であれ、冷却通路11A内を横断することができるようになり、冷却装置付きパワーモジュールとしてその自由度が高められる。
(6)冷却装置11は樹脂材料から形成されており、樹脂層18Aを冷却装置11の形成時に一体形成する。これにより、樹脂層18Aの形成も容易となり、同樹脂層18Aの内部への各バスバーP,N,U,V,Wの配置も容易となる。
(7)通常バスバーは、大電流を流すことのできる断面積を確保するため板状の金属材料などにより形成されているが、金属板であることや、安全確保のための絶縁距離が必要なことなどから、その配置の自由度が高くない。
しかし本実施形態では、各バスバーP,N,U,V,Wを冷却装置11の内部に配線してパワーモジュール表面などの配線スペースを縮小することでモジュール上のパワー部品10の配置の自由度が高められる。
(8)樹脂層18Aに温度センサ19を設けるようにしたことにより冷却水の温度調整が精度よく行えるようになり、各パワー部品や各バスバーP,N,U,V,Wの温度を高い精度で管理できるようになる。これにより、パワーモジュールとしての信頼性が高められるようになる。
(9)インバータを構成する発熱量の多いパワー部品10をそれらが一括搭載される冷却装置11の搭載面にて冷却し、それらパワー部品10に接続される各電力供給線としての各バスバーP,N,U,V,Wも同冷却装置11にて冷却することでインバータとして
の冷却性能が維持されるようにした。これにより、インバータとして、パワーモジュール上の配線スペースが減少されて小型化が図られるようになる。
(10)インバータにIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)などのトランジスタ29と同トランジスタ29の保護用などのダイオード28とを有するパワー部品10が用いられる場合であれ、その温度上昇が抑制されて、その温度が動作保証温度に維持されるようになる。
(11)各バスバーP,N,U,V,Wの集中配置されたブロック部11Bを挟んでパワー部品10を配置して、複数のパワー部品10がそれらバスバーを共用するようにした。これにより、パワーモジュール全体としてその配線長を短くすることができるようになる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のような態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、第1及び第2の放熱体20,21のみにパワー部品10が配置される場合について例示した。しかしこれに限らず、第3及び第4の放熱体22,23にもパワー部品が配置されてもよい。このようにすることで、冷却装置の両面をパワー部品などの冷却に効率良く用いることができるようになる。
・上記実施形態では、第1及び第2の放熱体20,21のみにインバータが構成される場合について例示した。しかしこれに限らず、第3及び第4の放熱体22,23にもインバータが構成されてもよい。すなわち、図8に示すように、ブロック部11Bに対応する冷却装置11の搭載面に上側中央突部14Aを設け、同冷却装置11の下面に下側中央突部14Bを設ける。そして上側中央突部14Aには、上記実施形態と同様に、各連結部P3、N3を設けそれら連結部P3,N3に接続する接続端子Pu,Nuなどを各相アームに対応して設けるとともに、上アームと下アームとを結ぶU相バスバーUAなどを設ける。また、下側中央突部14Bには、各内部配線P2,N2に接続される各連結部P4,N4を設けそれら連結部P4,N4に接続する接続端子Pu,Nuなどを各相アームに対応して設けるとともに、上アームと下アームとを結ぶU相バスバーUBなどを設ける。このように、第1及び第2の放熱体20,21に配置されたパワー部品10によりインバータを構成するとともに、第3及び第4の放熱体22,23に配置されたパワー部品10によりインバータを構成するようになる。これにより、一つのパワーモジュールに2つのインバータが設置されて、インバータの設置スペースの省スペース化が図られるようになるとともに、バスバーの冷却装置11内の配線によりパワーモジュールの表面に配置される各バスバーの占有面積が削減されるようになる。さらに、パワーモジュールの上下両面に各バスバーを別々に設けなければならない場合と比較すると、少なくとも各内部配線P2,N2を共用することができるようになり、それらの配線に要する面積も大幅に減少されるようになり、冷却装置11の表面におけるバスバーの占有面積が減少されるようになる。
・上記実施形態では、パワー部品10が、中央突部14の左右に配置される場合について例示した。しかしこれに限らず、パワー部品が中央突部14の左側または右側にのみ配置されていてもよい。これにより、パワー部品の配置の自由度が高められる。
・上記実施形態では、トランジスタをIGBTとする場合について例示したが、これに限らず、トランジスタは、パワーFETなどその他の種類のパワートランジスタでもよい。また、ダイオードやトランジスタなどの半導体素子や、コンデンサ、抵抗、コイルなど通電により発熱する部品などが併せて設けられていてもよい。これによればパワー部品の構成自由度も高められるようになる。
・上記実施形態では、パワーモジュールにインバータが構成される場合について例示し
たが、これに限らず、パワーモジュールにはコンバータなど大電流を扱い発熱する電子回路が構成されていてもよい。これにより、パワーモジュールの用途の自由度が高められる。
・上記実施形態では、樹脂層18Aに温度センサ19が設けられる場合について例示したが、これに限らず、樹脂層に温度センサが設けられなくてもよい。これにより、冷却装置付きパワーモジュールとしてその実施を容易にすることができるようになる。
・上記実施形態では、水路温度とともに正極バスバーPの温度も測定可能な温度センサ19が設けられる場合について例示したが、これに限らず、温度センサは、それぞれのバスバーに設けられてもよい。これにより、バスバーの温度上昇に対してより精度の高い水路水温の調整が可能となり、冷却装置付きパワーモジュールとしての信頼性の向上が図られるようになる。
・上記実施形態では、配線をバスバーとした場合について例示したが、これに限らず、配線は、必要な電力が流せるもので有れば、断面円形の単心線や多心数(より線)などであってもよい。これにより、パワーモジュールの配線の自由度も高められる。
・上記実施形態では、冷却通路11Aには一つの樹脂層18Aが設けられる場合について例示した。しかしこれに限らず、冷却通路には同冷却通路を搭載面と平行方向に分割する態様で複数の中間層が設けられてもよい。この場合、それら複数の中間層のいずれかに対応する各バスバーが設けられ、各バスバーが対応する中間層内を通り同冷却通路を横断するようすればよい。これにより、冷却装置の冷却通路の構成の自由度が高められ、このようなパワーモジュールの冷却能力の調整の自由度や実施の自由度が高められる。
・上記実施形態では、樹脂層18Aは冷却装置11とともに一体成形される場合について例示したが、これに限らず、樹脂層は別途成形され、それが冷却装置に組み込まれてもよい。これにより、冷却装置の構成の自由度が高められ、それに伴いその実施可能性も高められる。
・上記実施形態では、バスバーは樹脂層18Aにより絶縁される場合について例示したが、これに限らず、バスバーなどの配線は絶縁被膜を有していてもよい。
・上記実施形態では、冷却装置11の下面に第3及び第4の放熱体22,23が設けられる場合について例示した。しかしこれに限らず、冷却装置の下面に放熱体が不要であれば当該下面には放熱体がなくてもよいし、どちらか一方の放熱体のみが設けられてもよい。これにより、パワーモジュールの冷却装置の構成の自由度が高められる。このような配線構造の採用可能性も高められる。
・上記実施形態では、冷却装置11の搭載面に第1及び第2の放熱体20,21が設けられる場合について例示した。しかしこれに限らず、冷却装置に設けられる発熱体が放熱体を介さなくとも冷却可能であれば、当該搭載面には放熱体が設けられなくてもよい。また、どちらか一方の放熱体のみが設けられてもよい。これにより、パワーモジュールへの発熱体の設置態様及び、冷却装置の構成の自由度が高められるようになり、このような配線構造の採用可能性も高められる。
・上記実施形態では、ブロック部11Bが冷却通路11Aの内周部分である場合について例示した。しかしこれに限らず、ブロック部は冷却通路11Aの内周部分とともに、その上部に位置する中央突部を含んでもよい。これによれば、ブロック部の態様に関わらずパワーモジュールの構成の自由度が高められる。
10…電力用半導体素子としてのパワー部品、11…冷却装置、11A…冷却通路、11B…ブロック部、11L…左側面、11R…右側面、12…供給口、13…排出口、14…中央突部、14A…上側中央突部、14B…下側中央突部、15…第1延出部、16…第2延出部、17…段差部、18A…中間層部としての樹脂層、19…温度センサ、20…第1の放熱体、21…第2の放熱体、22…第3の放熱体、23…第4の放熱体、20F〜23F…放熱フィン、26…絶縁層、27…導電層、28…ダイオード、28A…アノード端子、28K…カソード端子、29…トランジスタ、29C…コレクタ端子、29E…エミッタ端子、29G…ゲート端子、30…制御基板、E…直流電源、M…モータ、N…負極バスバー、P…正極バスバー、U,UA,UB…U相バスバー、V…V相バスバー、W…W相バスバー、J1〜J3,J5〜J7…接続線、N1,P1,U1,V1,W1…外部端子、N2,P2,V2,W2…内部配線、N3,N4,P3,P4,U3,V3,W3…連結部、Nu,Nv,Nw,Pu,Pv,Pw,Ud,Uu,Vd,Vu,Wd,Wu…接続端子、GUd,GUu…信号線。

Claims (8)

  1. 冷却装置に搭載された電力用半導体素子と冷却装置内の冷却通路を流れる冷媒との間で熱交換が行われる冷却装置付きパワーモジュールであって、
    前記冷却装置の前記電力用半導体素子の搭載面と直交する一面に前記冷却通路の一側面を塞ぐ態様にて設けられた絶縁性樹脂からなるブロック部と、前記冷却通路内を前記電力用半導体素子の搭載面と平行に横断する態様で前記ブロック部から導出された同じく絶縁性樹脂からなる中間層部とを備え、
    前記電力用半導体素子の電力供給線となる配線が、前記ブロック部から前記中間層部の内部を介して前記冷却装置の外部へと引き出されてなる
    ことを特徴とする冷却装置付きパワーモジュール。
  2. 前記中間層部は、前記冷却通路を前記電力用半導体素子の搭載面と平行方向に分割する態様で前記ブロック部から導出されてなる
    請求項1に記載の冷却装置付きパワーモジュール。
  3. 前記電力用半導体素子の電力供給線として前記ブロック部から前記中間層部の内部を介して引き出される配線が、板状の導電性金属材料からなるバスバーである
    請求項1または2に記載の冷却装置付きパワーモジュール。
  4. 前記中間層部には温度センサが一体に設けられてなる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却装置付きパワーモジュール。
  5. 前記電力用半導体素子として直流電力を交流電力に変換するインバータを構成する複数の素子が前記冷却装置に一括搭載されてなり、当該インバータの母線および変換された相電流が流れる電流線が前記電力用半導体素子の電力供給線として前記ブロック部から前記中間層部の内部を介して引き出されてなる
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却装置付きパワーモジュール。
  6. 前記インバータを構成する電力用半導体素子が絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタと該トランジスタに逆並列接続されたダイオードとを含む
    請求項5に記載の冷却装置付きパワーモジュール。
  7. 前記冷却装置は前記ブロック部を挟んで対称に設けられてなり、前記電力用半導体素子は、それらブロック部を挟んだ冷却装置の両方に搭載されてなる
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の冷却装置付きパワーモジュール。
  8. 前記電力用半導体素子は、前記中間層部の設けられた冷却通路を挟んで前記冷却装置の両面に搭載されてなる
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷却装置付きパワーモジュール。
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