JP5218155B2 - 鍵盤楽器の蓋開閉構造 - Google Patents

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Description

本発明は、分割して構成される蓋体を有する鍵盤楽器の蓋開閉構造に関する。
従来、下記特許文献1、2に示されるように、分割して構成された蓋体を採用する鍵盤楽器の蓋開閉構造が知られている。
例えば、下記特許文献1の構造では、蓋体が前蓋と後蓋とに分割して構成され、前蓋の後部の左右両端にピニオンギヤが設けられる。そして、楽器筐体の左右内側に設けられたラックギヤに上記ピニオンギヤが噛合して転動し、前蓋が前後にスライド移動するように構成される。
一方、下記特許文献2の構造では、分割構成の蓋体のうち、後蓋の後部の左右両端にピニオンギヤが設けられる。上記ピニオンギヤが噛合するラックギヤが、筐体後部において、後方且つ上方に凸となるように湾曲して設けられる。そして、前蓋を後方に移動させると、後蓋が、ラックギヤの湾曲に応じて筐体内の下方に降りて斜めに起立する。
特開平8−263051号公報 特開2007−102045号公報
しかしながら、上記特許文献1の構造では、ラックギヤが露出し、ピニオンギヤも閉蓋時には露出する。そのため、見栄えが悪く不安全であるだけでなく、ピニオンギヤに塗布されたグリスが衣服等に付きやすく、付くと潤滑効果が薄れていってしまい、円滑な開閉動作を長期間維持するのが困難である。
一方、上記特許文献2の構造では、開蓋時において後蓋は前蓋よりも後方下方において斜めになるため、楽器筐体の後部におけるスペースを大きく確保しておく必要がある。特に、後蓋は鍵盤のほぼ全幅に亘って延設されているので、筐体内の後蓋が移動する領域には他の部品等を配置することができず、スペースを有効に利用できない。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、楽器筐体後部のスペースの有効利用を可能にすると共に、ギヤ部を露出させないようにして円滑で安全な開閉と良好な外観を維持することができる鍵盤楽器の蓋開閉構造を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の鍵盤楽器の蓋開閉構造は、分割して構成され、閉蓋時に前後に隣接すると共に、開蓋時に鍵盤楽器(10)の筐体の後部において上下方向に重なって収容される前蓋(31)及び後蓋(32)を有する蓋体(30)と、前記鍵盤楽器の前記筐体の左側部(15L)及び右側部(15R)に設けられ、前記前蓋を前後方向に移動自在に支持する前蓋支持部(20、19)と、前記鍵盤楽器の前記筐体の前記左側部及び前記右側部に設けられ、前記後蓋を前後方向に移動自在に支持する後蓋支持部(17、19、46)と、前記筐体の後部の前記後蓋よりも下方の位置において、前記筐体の前記左側部及び前記右側部に設けられ、後方にいくにつれて下方に傾斜しているラックギヤ部(43a)と、一端部(42a)及び他端部(42b)を有し、前記一端部が、前記前蓋の後端部(31a)に対して、左右方向に沿う回動軸(40)を中心に回動自在に支持された少なくとも1つの連結材(42)と、左右方向に延設され、前記連結材の前記他端部に軸支された連動軸(41)と、前記連動軸の左端部(41a)及び右端部(41b)にそれぞれ固着され、前記ラックギヤ部に噛み合うように配設されたピニオンギヤ(35)とを有し、前記前蓋の押し引き操作によって前記ピニオンギヤが前記ラックギヤ部と噛合して転動することで、前記前蓋が前後方向にスライド移動するように構成されたことを特徴とする。
好ましくは、前記連結材は、前記筐体の前記左側部近傍と前記右側部近傍とに配設される(請求項2)。
好ましくは、前記前蓋には係合部(36)が設けられると共に、前記後蓋には被係合部(34a、37、38)が設けられ、前記前蓋の操作により前記前蓋が前後方向に移動するとき、前記前蓋の前記係合部と前記後蓋の前記被係合部が係合することで、前記前蓋に連動して前記後蓋が移動するように構成される(請求項3)。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1によれば、楽器筐体後部のスペースの有効利用を可能にすると共に、ギヤ部を露出させないようにして円滑で安全な開閉と良好な外観を維持することができる。
請求項2によれば、楽器筐体内の左右方向中間部分において有効利用可能なスペースを大きく確保することができる。
請求項3によれば、前蓋の操作だけで開蓋及び閉蓋操作が可能になり、開閉操作が容易となる。
本発明の一実施の形態に係る蓋開閉構造が適用される鍵盤楽器の模式的な右側面図であり、閉蓋状態を示す図(図(a))、開蓋行程の途中の状態を示す図(図(b))である。 同蓋開閉構造が適用される鍵盤楽器の模式的な右側面図であり、開蓋状態を示す図(図(a))、閉蓋行程の途中の状態を示す図(図(b))である。 図2(a)のA−A線に沿う鍵盤楽器の断面図(図(a))、図3(a)のB−B線に沿う鍵盤楽器の断面図(図(b))である。 変形例のギヤ部材の模式的な側面図(図(a)、(b))、変形例の蓋体の模式的な側面図(図(c)、(d))である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(a)、(b)、図2(a)、(b)は、本発明の一実施の形態に係る蓋開閉構造が適用される鍵盤楽器の模式的な右側面図である。これらの図では、後述する側板部15(左側板部15L、右側板部15R)(図3(b)参照)のうち右側板部15Rが取り外された状態が示されている。これらの図において、左方が、鍵盤楽器10の奏者が位置する前方であり、以降、鍵盤楽器10の左右方向については、奏者からみた方向で呼称する。
図3(a)は、図2(a)のA−A線に沿う鍵盤楽器10の断面図である。図3(b)は、図3(a)のB−B線に沿う鍵盤楽器10の断面図である。
図1、図2に示すように、この鍵盤楽器10の蓋開閉構造は、分割して構成される前蓋31及び後蓋32を有する蓋体30を有する。鍵盤楽器10は、電子鍵盤楽器として構成されるが、本発明の蓋開閉構造は、アコ−スティックの鍵盤楽器や、脚部付きの鍵盤楽器にも適用可能である。
鍵盤楽器10の筐体は、図1、図2等に示す棚板11、天板12及び背板13と、さらに図3(b)に示す側板部15(15L、15R)、左前板部14L及び右前板部14Rとから構成される。図1、図2に示すように、筐体内において、棚板11の上には鍵フレーム16が配設され、鍵フレーム16に、それぞれ複数の白鍵及び黒鍵からなる鍵盤部KBが配設される。楽音発生等のための電気・電子部品の図示は省略されている。
本蓋開閉構造は、主に、蓋体30と、後述するピニオンギヤ35周りの構成要素と、筐体における左側板部15L、右側板部15Rとにおいて構成される。本蓋開閉構造は、左右対称であるので、左右対称の構成要素の左側/右側のものを区別するときは、それぞれ、符号「L」/「R」を付して説明する。また、以降、側板部15周りの構成については主に左側板部15L周りのものを説明するが、右側板部15R周りのものも同様に構成される。
蓋体30は、前後スライド式であり、全開時には、後蓋32と前蓋31とが上下に重なって、筐体後部に収容される構成となっている。ここで、図1(a)が、蓋体30を閉じた「閉蓋状態」を示し、図1(b)は開蓋行程の途中の状態を示す。また、図2(a)が、蓋体30を全開した「開蓋状態」を示し、図2(b)が、閉蓋行程の途中の状態を示す。
図3(a)、(b)に示すように、左側板部15Lは、棚板11、天板12及び背板13に固着され、一般の鍵盤楽器の側板乃至腕木に相当する。左側板部15Lは、木質材等によって一体的に構成され、前端に左前板部14Lが固着されている。左側板部15Lの外側面15aLが鍵盤楽器10の筐体の左外側面に相当し、左側板部15Lの内側面15bLが、鍵盤楽器10の筐体の左内側面に相当する。
図1、図2、図3(b)に示すように、左側板部15Lの内側面15bLにおいて鍵盤部KBよりやや上方位置には、蓋体30の開閉時に前蓋31の前端部をスライド自在に支持する前蓋支持部20Lが前後方向に沿って突設されている。前蓋支持部20Lは、左側板部15Lに対して一体であるか別体であるかを問わない。前蓋支持部20Lの後半部は、開蓋行程後半において前蓋31がほぼ水平となるように、水平となっているが、前半部は前方にいくにつれて下方に傾斜している。
図1〜図3に示すように、左側板部15Lの内側面15bLには、ガイド溝穴19Lが前後方向に沿って形成されている。ガイド溝穴19Lは、鍵盤部KBよりも上方において、左側板部15Lの前半部の途中から後部にかけて設けられる。ガイド溝穴19Lは、主に前後方向中間部分が上方に凸となるように湾曲していて、後半部はほぼ水平であるが、前半部は前方にいくにつれて下方に傾斜している。
図1、図2、図3(b)に示すように、左側板部15Lの内側面15bLには、ガイド溝穴19Lの直上であってガイド溝穴19Lに平行に、突設部17Lが設けられる。突設部17Lは、左側板部15Lと一体でもよいし、別体のものを固着したものでもよい。突設部17Lの主に前半部は、上方乃至奏者側からガイド溝穴19Lを目隠しする機能を果たす。突設部17Lの主に後半部は、前半部よりも幅広となっていて、蓋体30の開閉時に後蓋32の後端部をスライド自在に支持する機能を果たす。
図1〜図3に示すように、左側板部15Lの内側面15bLには、金属製等のギヤ部材43Lが固着等によって突設して設けられる。ギヤ部材43Lは、図2(a)に示すように、開蓋状態における後蓋32の下方の位置において、上方且つ後方に凸となるように湾曲して設けられる。従って、ギヤ部材43Lは後方にいくにつれて下方に傾斜しており、後方ほど傾斜が強くなっている。ギヤ部材43Lの前端部の上下方向の位置は、前蓋支持部20Lの後端とほぼ同じである。ギヤ部材43Lの上側となる部分には、ラックギヤ部43aLが形成されている。ラックギヤ部43aLはギヤ部材43Lの延設方向全長に亘って形成される。
蓋体30については、次のように構成される。まず、前蓋31の後端部31a(図1(a)、図3(b)参照)の左右両端部からは、側方に向かってピン40(40L、40R)が突設されている。
図1、図2、図3(a)に示すように、後蓋32の左端部、右端部の各下側には、前後方向に沿って段差部32aが形成され、各段差部32aに、金属製等の係合部材34(34L、34R)が固着されている。係合部材34Lは、後蓋32の左端部の段差部32aから下方に垂下した下端が左方に水平に延び、その左端から下方に延びた部分が、前蓋31の左端に近接している(図3(a)参照)。上記下方に延びた部分には、係合溝34aLが前後方向に沿って形成されている。係合部材34R、係合溝34aR(図1(a)参照)及びその周りの構成は、係合部材34Lと左右対称で同様である。
そして、係合溝34a(34aL、34aR)をピン40L、40Rがそれぞれ貫通している。従って、ピン40L、40Rと係合溝34aL、34aRとの係合により、後蓋32と前蓋31とが常に係合すると共に、ピン40L、40Rと係合溝34aL、34aRの各前後端との係合により、前蓋31の移動に対して後蓋32が追従するようになっている。
ピン40L、40Rは、ガイド溝穴19(19L、19R)(図3(b)参照)に嵌入されている。前蓋31を前後方向に移動させる際、ガイド溝穴19L、19Rはピン40L、40Rを摺動自在に支持して前蓋31のスライド移動をガイドする機能を果たす。
図3(b)に示すように、前蓋31の後端部31aには、連結材42(42L、42R)を介して、左右方向に沿った丸棒状の連動軸41が取り付けられている。まず、前蓋31の後端部31aの左右両端部において、回動軸39(39L、39R)が設けられ、連結材42L、42Rの一端部42aL、42aRが、それぞれ回動軸39L、39Rを中心に回動自在に取り付けられている。連結材42は、閉蓋状態において、一端部42aL、42aRを前端として後方に延びる(図1(a)参照)。また、連結材42L、42Rの他端部42bL、42bRに対して連動軸41が軸支されている。
回動軸39L、39Rは、ピン40に干渉しない範囲で、左右に極力離間した位置に配設される。従って、連結材42L、42Rは、それぞれ左側板部15L、右側板部15Rの近傍乃至近接した位置に配設される(図3(b)参照)。これにより、連結材42L、42R間のスペースが大きく確保される。
連結材42は、金属や樹脂等で、撓みにくい厚み乃至形状に形成される。連結材42の横幅は後蓋32のそれよりも十分に小さい。蓋体30の開閉の動作に伴い連結材42が動作する領域をなるべく小さくするためには、連結材42の横幅は小さい方が有利である。なお、連結材42は、連動軸41を左右方向に平行に沿わせた状態で回動自在に支持できればよく、その数や、左右方向の配置位置は問わない。
連動軸41は、連結材42L、42Rの他端部42bL、42bRから左右に少し突出しており、これら該突出した左端部41a、右端部41bに、それぞれ、ラックギヤ部43aL、43aRの歯に対応する歯を有するピニオンギヤ35(35L、35R)が固着される。
連動軸41が連結材42に対して回動自在であるので、ピニオンギヤ35L、35Rも連動軸41と共に連結材42に対して回動自在である。ラックギヤ部43aL、43aRに対するピニオンギヤ35L、35Rの移動量が同期するように、これらの各歯の位置が設定されている。従って、蓋体30の開閉全行程において、ピニオンギヤ35L、35Rは常に同心で、連動軸41は常に左右方向に平行である。これにより、円滑な開閉操作が可能である。ラックギヤ部43aには、潤滑用のグリスが塗布されている。
右側板部15R(図3(b)等参照)において、内側面15bR、外側面15aR、右前板部14R、前蓋支持部20R、ガイド溝穴19R、突設部17R、ギヤ部材43R、ラックギヤ部43aR及びピニオンギヤ35Rについては、左側板部15Lにおける、内側面15bL、外側面15aL、左前板部14L、前蓋支持部20L、ガイド溝穴19L、突設部17L、ギヤ部材43L、ラックギヤ部43aL及びピニオンギヤ35Lと左右対称に同様に構成される。
本鍵盤楽器10の蓋開閉構造の主要部は次のようにして製造される。まず、蓋体30については、前蓋31にピン40、回動軸39を取り付けると共に、後蓋32に係合部材34を取り付け、ピン40が係合部材34の係合溝34aを貫通するように、前蓋31と後蓋32とを連結する。また、前蓋31の回動軸39に連結材42を取り付けると共に、連結材42に連動軸41を軸支させる。さらに、連動軸41にピニオンギヤ35を固着する。
一方、左側板部15L、右側板部15Rにおいては、ガイド溝穴19を機械加工や金型成形等によって形成すると共に、前蓋支持部20(20L、20R)、突設部17(17L、17R)、ギヤ部材43(43L、43R)を固着等によって設ける。
左側板部15L、右側板部15Rの前側から左前板部14L、右前板部14Rをネジや接着剤で固着する。左側板部15L、右側板部15Rは、左前板部14L、右前板部14Rが固着される前または後に、棚板11、天板12及び背板13に対してネジ等の固着具で固着する。
蓋体30の開閉動作は次のようになる。まず、閉蓋状態では、図1(a)に示すように、前蓋31と後蓋32とが前後に隣接して鍵盤部KBを上方から覆う。このとき、前蓋31の前端部は左前板部14L、右前板部14Rに支持される。前蓋31の後端部31aは、ピン40を介してガイド溝穴19によって支持され、後蓋32の前端部も、係合部材34、ピン40を介してガイド溝穴19に支持される。後蓋32の後端部は、突設部17の上に乗って、支持されている。ピニオンギヤ35はラックギヤ部43aの前部に噛合している。
次に、前蓋31を操作して後方に押していくと、ピン40がガイド溝穴19内を後方に摺動すると共に、ピニオンギヤ35がラックギヤ部43aに噛合してラックギヤ部43a上を後方に転動していく。ピン40がガイド溝穴19内を摺動する際、ピン40は、後蓋32の係合部材34の係合溝34a内を後方に摺動する。従って、蓋体30については、後蓋32は移動せず、前蓋31だけが後方に移動する。その際、前蓋31の前端部は、持ち上げてもよいが、前蓋支持部20上をスライドさせていってもよい。
そして、ピン40が係合部材34の係合溝34aの後端に当接すると、ピン40によって係合溝34aを介して後蓋32が駆動され、その後は図1(b)に示すように、前蓋31に連動して後蓋32が後方に移動していく。ピニオンギヤ35もラックギヤ部43a上を転動し、連結材42は一端部42aを上側として徐々に起立していく。
そして、ピン40がガイド溝穴19の後端に当接した時点で前蓋31及び後蓋32の後方位置が規制され、開蓋状態となる(図2(a)、図3(a)参照)。前蓋31及び後蓋32は上下にほぼ平行に重なるので、筐体内にコンパクトに収容される。開蓋状態においては、突設部17によってガイド溝穴19が隠れるので、外観が悪化しないで済む。ピニオンギヤ35は、ラックギヤ部43aの後端部でもある下端部に噛合し、連結材42は鉛直よりもやや斜めの起立状態となる。
次に、開蓋状態から閉蓋のために前蓋31を前方に引っ張ると、まずは、ピン40がガイド溝穴19内を前方に摺動すると共に、後蓋32の係合部材34の係合溝34a内を前方に摺動する。従って、蓋体30については前蓋31だけが前方に移動する。
そして、ピン40が係合溝34aの前端に当接すると、ピン40によって係合溝34aを介して後蓋32が駆動され、その後は前蓋31に連動して後蓋32が前方に移動していく(図2(b)参照)。そして、ピン40がガイド溝穴19の前端に当接した時点で前蓋31及び後蓋32の前方位置が規制され、手を離せば閉蓋状態となる(図1(a)参照)。
ところで、開蓋行程においては、途中から、前蓋31が後蓋32を引き連れて後方へ移動するので後蓋32の荷重が加わることになる。一方、ラックギヤ部43aに噛み合っているピニオンギヤ35は、その自重により連結材42を通じて前蓋31を常に後方に引っ張っている。しかし、上述したように、ギヤ部材43は、後方にいくにつれて下方への傾斜度合いが高くなっている。そのため、ピニオンギヤ35の自重による後方への付勢力が、開蓋行程の後半から増していく。その結果、開蓋行程においては、前蓋31の操作に対して後蓋32の重さが加わるころに、ちょうど後方への付勢力が大きくなっていくので、必要な操作力の急激な上昇が抑えられるという利点がある。
一方、ラックギヤ部43aの後端部は傾斜が大きいため、開蓋状態においては、閉蓋操作の当初、ピニオンギヤ35を持ち上げるような大きな力が必要となる。しかし、閉蓋行程の前半は、前蓋31には後蓋32の荷重がかからない。そして、閉蓋行程において途中から、前蓋31が後蓋32を引き連れてくるので後蓋32の荷重が加わることになる。ところが、そのころには、ピニオンギヤ35がラックギヤ部43aの傾斜が小さい箇所に位置するようになっているため、ピニオンギヤ35による後方への付勢力は小さくなる。その結果、閉蓋行程においても、必要な操作力の急激な上昇が抑えられる。
このように、前蓋31の操作だけで開蓋及び閉蓋操作が可能で、しかも、開閉の全行程において荷重の変化が少なく、開閉操作が容易となっている。
本実施の形態によれば、まず、開蓋時には、分割構成の前蓋31及び後蓋32が重なって筐体後部に収容されるので、楽器筐体の省スペースを図ることができる。特に、分割構成でない蓋体を採用する鍵盤楽器に比し、筐体高さをあまり高くすることなく筐体の前後長を短くすることができる。また、左右におけるピニオンギヤ35とラックギヤ部43aとの同期した噛み合いを用いたスライド開閉機構により円滑な操作を確保する上で、これらピニオンギヤ35とラックギヤ部43aを筐体の後部の視認されにくい領域に配設する構成を採用した。これらのギヤ部が露出しないことで、グリスが衣服等に付きにくく、潤滑効果が確保され、円滑な開閉動作を長期間維持することができると共に、良好な外観を維持することができる。
また、ギヤ部材43は、後方にいくにつれて下方に傾斜していて、開蓋状態においては、連結材42が鉛直に近い起立状態となるので、ギヤ部材43が一様に水平である構成に比し、筐体の前後方向の長さが短くて済む。ここで、連結材42が可動する範囲は、干渉を避けるために、各種の部品を配設できない。しかし、連結材42は、横幅が十分に小さく、筐体内の左右方向中間の領域には、部品を配置することが可能である。従って、楽器筐体後部のスペースの有効利用を可能にすることができる。左右の連結材42の間の領域には、例えば、電源装置やスピーカ等を配設することが可能である。
しかも、連結材42L、42Rは、左側板部15L、右側板部15Rの近傍に配設されたので、連結材42L、42R間の距離を長くとることができ、楽器筐体内の左右方向中間部分において有効利用可能なスペースを大きく確保することができる。この観点からは、連結材42L、42Rと左側板部15L、右側板部15Rとの距離に比し、連結材42L、42R間の距離を十分大きく確保すればよい。
特に、従来技術(上記特許文献2:特開2007−102045号公報)のように、後蓋にピニオンギヤを連結して後蓋が起立するような構成に比べると、連結材42は後蓋32に対して横幅が十分に小さくでき、しかも配置位置も左右両側に限定されることもない。そのめ、楽器筐体後部における部品配置の自由度も高い。
さらに、ガイド溝穴19が突設部17によって目隠しされるので、開蓋時の外観の悪化を抑制することができる。さらに、突設部17は、蓋体30の後蓋32の後端部を支持する機能を兼ねて一体に構成されるので、簡単な構成で済む。
なお、これら両機能を果たすことに限れば、突設部17は、前半部と後半部とを分離した構成としてもよい。特に、目隠し機能を単独で考えた場合、開蓋状態において、ガイド溝穴19のうち蓋体30では隠れない前半部だけを目隠しできればよいので、突設部17を設ける領域や形状も、それに応じたものとすればよい。後蓋32の後端部の支持機能についても同様で、主にガイド溝穴19の後半部に対応する領域に設ければその機能は果たされる。
ところで、開蓋状態において連結材42を鉛直に近い起立状態として筐体の前後方向の長さを短縮可能にするためには、ギヤ部材43は、後方にいくにつれて下方に傾斜していればよい。従って、図4(a)に示すように、直線的に傾斜した形状であってもよいし、図4(b)に示すように、凸側となる方向が途中で変わるような形状であってもよい。
また、上記実施の形態において、前蓋31の移動に連動して後蓋32が前後移動し、前蓋31の操作だけで開蓋及び閉蓋操作が可能なように構成する上で、両蓋間の係合は、ピン40と係合部材34の係合溝34aとによるものに限られない。また、前蓋31、後蓋32の積層の上下関係を逆にしてもよい。
例えば、図4(c)に蓋体30の変形例の模式図を示すように、前蓋31の後部下部に係合部36を突設する。さらに、後蓋32の前端部上部と後端部上部とに、それぞれ被係合部37、38を突設する。そして、被係合部37、38間に係合部36が位置するように前蓋31及び後蓋32を配設する。ピン40、回動軸39、連結材42、連動軸41、ピニオンギヤ35の構成は上記と同様である。
さらに、後蓋32の前端部と後端部とに、それぞれピン40に相当するピン44、45を設けると共に、側板部15の内側面15bにおいてはガイド溝穴19の少し下に、ガイド溝穴19に相当するガイド溝穴46を設ける。そして、ピン44、45をガイド溝穴46に対して摺動自在に係合させることで、後蓋32が独自に前後にスライド自在となる。
閉蓋状態から前蓋31が後方に移動すると、途中から係合部36が被係合部38と係合し、後蓋32が連動して後退する。また、開蓋状態から前蓋31が前方に移動すると、途中から係合部36が被係合部37と係合し、後蓋32が連動して前進する。
ここで、上述した実施の形態と対比すれば、ピン40の役割を係合部36が果たし、係合部材34の係合溝34a(34aL、34aR)の前端、後端の役割を、被係合部37、38が果たすことになる。図4(c)に示すような構成でも、蓋体30の前後動作は上記の実施の形態と同じとなる。このような係合関係となる構成は、例示したものに限られず、各種考えられる。
なお、図4(c)のような構成において、前蓋31、後蓋32の積層の上下関係を図1〜図3に示すものと同じとする場合は、図4(d)に示すような構成とすればよい。この場合、係合部及び被係合部は、前蓋31、後蓋32の左右端位置ではなく、左右方向における中間位置に設ければ見えなくなるので、外観が悪化しなくて済む。
なお、上記した実施の形態において、蓋体30は、前蓋31及び後蓋32の2枚の分割構成であったが、これらに相当する連結されて開蓋時に積層される分割構成の2枚の蓋を有する構成であればよい。従って、これら2枚の蓋の前部または後部に、別の蓋が連結され、3枚以上となった構成であってもよい。
10 鍵盤楽器、 15L 左側板部(左側部)、 15R 右側板部(右側部)、 17 突設部(後蓋支持部)、 19 ガイド溝穴(前蓋支持部、後蓋支持部)、 20 前蓋支持部、 30 蓋体、 31 前蓋、 31a 後端部、 32 後蓋、 34 係合部材、 34a 係合溝(被係合部)、 35 ピニオンギヤ、 36 係合部、 37、38 被係合部、 41 連動軸、 42 連結材、 42a 一端部、 42b 他端部、 43a ラックギヤ部、 40 ピン(回動軸)、 41a 左端部、 41b 右端部、 46 ガイド溝穴(後蓋支持部)

Claims (3)

  1. 分割して構成され、閉蓋時に前後に隣接すると共に、開蓋時に鍵盤楽器の筐体の後部において上下方向に重なって収容される前蓋及び後蓋を有する蓋体と、
    前記鍵盤楽器の前記筐体の左側部及び右側部に設けられ、前記前蓋を前後方向に移動自在に支持する前蓋支持部と、
    前記鍵盤楽器の前記筐体の前記左側部及び前記右側部に設けられ、前記後蓋を前後方向に移動自在に支持する後蓋支持部と、
    前記筐体の後部の前記後蓋よりも下方の位置において、前記筐体の前記左側部及び前記右側部に設けられ、後方にいくにつれて下方に傾斜しているラックギヤ部と、
    一端部及び他端部を有し、前記一端部が、前記前蓋の後端部に対して、左右方向に沿う回動軸を中心に回動自在に支持された少なくとも1つの連結材と、
    左右方向に延設され、前記連結材の前記他端部に軸支された連動軸と、
    前記連動軸の左端部及び右端部にそれぞれ固着され、前記ラックギヤ部に噛み合うように配設されたピニオンギヤとを有し、
    前記前蓋の押し引き操作によって前記ピニオンギヤが前記ラックギヤ部と噛合して転動することで、前記前蓋が前後方向にスライド移動するように構成されたことを特徴とする鍵盤楽器の蓋開閉構造。
  2. 前記連結材は、前記筐体の前記左側部近傍と前記右側部近傍とに配設されたことを特徴とする請求項1記載の鍵盤楽器の蓋開閉構造。
  3. 前記前蓋には係合部が設けられると共に、前記後蓋には被係合部が設けられ、前記前蓋の操作により前記前蓋が前後方向に移動するとき、前記前蓋の前記係合部と前記後蓋の前記被係合部が係合することで、前記前蓋に連動して前記後蓋が移動するように構成されたことを特徴とする請求項1または2記載の鍵盤楽器の蓋開閉構造。
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