JP4957197B2 - 鍵盤装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電子ピアノなどの折り畳み式の鍵盤装置に関する。
従来、電子ピアノなどの鍵盤装置においては、多数の鍵を配列させる必要があるため、鍵盤ケースが鍵の配列方向に長い形状に形成されている。このような鍵盤装置は、持ち運びに不便であるため、特許文献1に記載されているように、鍵盤ケースを鍵の配列方向に対して2つに分割し、この分割された鍵盤ケースにそれぞれ鍵盤部を分割して設けると共に、この分割された鍵盤ケースの端部同士を連結金具で折り畳み可能に連結した折り畳み式のものが知られている。
実開昭60−135797号
しかしながら、このような従来の鍵盤装置では、分割された鍵盤ケースの端部同士を連結金具で折り畳み可能に連結した構成であるから、分割された鍵盤ケースを折り畳んでコンパクトに持ち運ぶことはできても、連結金具で連結された鍵盤ケースの端部同士が開放されているため、この開放された各端部から鍵盤ケースの内部が見えてしまうばかりか、開放された各端部からごみや塵埃などの異物が鍵盤ケース内に侵入し、鍵操作に支障を来すおそれがあるという問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、分割された鍵盤ケースの端部から内部が見えることがなく、ごみなどの異物の侵入を防ぐことができる鍵盤装置を提供することである。
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、複数に分割された複数の鍵盤ケースと、
この複数の鍵盤ケースの分割された端部同士を回動可能に連結するヒンジ部と、
前記複数の鍵盤ケースにそれぞれ複数の鍵が配列されて設けられ、前記ヒンジ部を中心に前記複数の鍵盤ケースが回動して開いたときに前記鍵の全てが前記複数の鍵盤ケースに亘って等間隔で連続して配列される複数の鍵盤部と、
前記ヒンジ部で連結された前記複数の鍵盤ケースの前記端部同士に跨って連結され、前記ヒンジ部を中心に前記複数の鍵盤ケースが回動して互いに重なって閉じるときに前記複数の鍵盤ケースにおける前記端部同士の各対向面を覆うカバー部材と
前記ヒンジ部を中心に前記複数の鍵盤ケースが回動するときに、その回動動作に応じて前記カバー部材を連動させる連動機構と、
を備え、
前記カバー部材は、前記ヒンジ部を中心に前記複数の鍵盤ケースが回動して互いに重なって閉じるときに前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士の各対向面に対応するカバー部と、このカバー部の前後端における少なくとも一方の端部に設けられて前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士に跨って連結される連結片とからなり、
前記連動機構は、前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士における一方の端部側と前記カバー部材の前記連結片とを回動可能に連結する固定軸と、前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士における他方の端部側に回動可能に取り付けられて前記カバー部材の前記連結片に設けられたガイド溝内を移動する移動軸とを備え、
前記移動軸には歯車が設けられており、前記連結片には前記歯車が噛み合って転動するラックが前記ガイド溝に沿って設けられている
ことを特徴とする鍵盤装置である。
請求項に記載の発明は、前記連結片が、前記カバー部の端部に一体に形成された連結本体部と、この連結本体部に着脱可能に取り付けられた連結蓋部とを備え、前記連結本体部には、前記固定軸が挿入する軸孔と、前記移動軸が移動可能に挿入する前記ガイド溝と、前記移動軸に設けられた前記歯車が噛み合って転動する前記ラックとが設けられ、前記連結蓋部は前記固定軸と前記移動軸との各外端部を覆って前記軸孔と前記ガイド溝とを塞ぐことを特徴とする請求項に記載の鍵盤装置である。
請求項に記載の発明は、前記ヒンジ部が前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士の上面に設けられ、前記カバー部材は前記カバー部の前後端にそれぞれ前記連結片を設けた構成で、前記連動機構は前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士側に位置する各前後面部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項のいずれかに記載の鍵盤装置である。
請求項に記載の発明は、前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士の各内縁部に、それぞれ補強部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の鍵盤装置である。
この発明によれば、ヒンジ部を中心に複数に分割された複数の鍵盤ケースを回動させて開くと、複数の鍵盤ケースにそれぞれ設けられた複数の鍵盤部の全ての鍵が複数の鍵盤ケースに亘って等間隔で連続して配列されるので、通常の鍵盤装置と同じ鍵操作をして演奏することができる。また、ヒンジ部を中心に複数の鍵盤ケースを回動させて閉じると、複数の鍵盤ケースが互いに重なるので、コンパクトに持ち運ぶことができる。
このときには、複数の鍵盤ケースの分割された端部同士に跨ってカバー部材が連結されているので、ヒンジ部を中心に複数の鍵盤ケースが回動して互いに重なるときに、複数の鍵盤ケースの分割された端部同士の各対向面をカバー部材によって覆って塞ぐことができる。このため、カバー部材によって複数の鍵盤ケースの分割された各端部から各鍵盤ケースの内部が見えないように隠すことができると共に、複数の鍵盤ケースの分割された各端部からごみなどの異物が各鍵盤ケース内に侵入するのを防ぐことができる。
(実施形態1)
以下、図1〜図24を参照して、この発明を適用した鍵盤装置の実施形態1について説明する。
図1はこの発明の鍵盤装置を開いて使用する状態を示した平面図、図2はその正面図、図3はその背面図、図4はその底面図である。
この鍵盤装置は、図1〜図4に示すように、左右2つに分割された第1、第2鍵盤ケース1、2と、この第1、第2鍵盤ケース1、2を折り畳み可能に連結するヒンジ部3と、第1、第2鍵盤ケース1、2にそれぞれ設けられた第1、第2鍵盤部4、5と、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士に跨って取り付けられたカバー部材8とを備えている。
第1鍵盤ケース1は、図5および図6に示すように、上ケース部10と下ケース部11とを備えている。上ケース部10には、第1鍵盤部4が配置される鍵盤収納部10aが左端部側を除いて手前側と右端部6側とに開放されて設けられており、この上ケース部10の左上側には、スピーカ部12が設けられている。また、下ケース部11の下面には、ゴム足9が設けられている。この第1鍵盤ケース1の第1鍵盤部4は、多数の鍵4aが鍵盤収納部10aに対応して配列されている。この第1鍵盤部4の右端部に位置する鍵4aは、第1鍵盤ケース1の開放された右端部6に位置し、その右側面が外部に露出する状態で配置されている。
また、第2鍵盤ケース2は、図5および図6に示すように、上ケース部13と下ケース部14とを備えている。上ケース部13には、第1鍵盤ケース1の上ケース部10と同様、第2鍵盤部5が配置される鍵盤収納部13aが右端部側を除いて手前側と左端部7側とに開放されて設けられており、この上ケース部13の右上側には、スピーカ部12が設けられている。また、下ケース部14の下面にも、第1鍵盤ケース1の下ケース部11と同様、ゴム足9が設けられている。
この第2鍵盤ケース2の第2鍵盤部5は、多数の鍵5aが鍵盤収納部13aに対応して配列されている。この第2鍵盤部5の左端部に位置する鍵5aは、第2鍵盤ケース2の開放された左端部7に位置し、その左側面が外部に露出する状態で配置されている。これにより、第1、第2鍵盤部4、5は、図1、図2および図5(a)に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2を開いたときに、第1、第2鍵盤部4、5の全ての鍵4a、5aが同じ間隔で第1、第2鍵盤ケース1、2に沿って連続して配列されるように構成されている。
この場合、第1鍵盤ケース1の上ケース部10における分割された端部6には、図5(a)および図11に示すように、ヒンジ部3の中間部に位置する中間ヒンジカバー部3aが半円弧状に形成されており、この中間ヒンジカバー部3a内には、図11に示すように、後述するヒンジ補強筒15が配置されている。また、第2鍵盤ケース2の上ケース部13における分割された端部7には、図5(a)および図12に示すように、ヒンジ部3の両端部に位置する端部ヒンジカバー部3bがほぼ円弧状にそれぞれ形成されており、この両側の端部ヒンジカバー部3b内には、図12に示すように、後述するヒンジ補強部16、28が配置されている。
これにより、ヒンジ部3は、図11および図12に示すように、端部ヒンジカバー部3bで覆われたヒンジ補強部16、28のうち、ヒンジ補強部28にヒンジ軸17が設けられ、このヒンジ軸17が中間ヒンジカバー部3aで覆われたヒンジ補強筒15内に回動可能に挿入され、図6に示すように、第1鍵盤ケース1の上ケース部10の分割された端部6と、第2鍵盤ケース2の上部ケース部13の分割された端部7とを回動可能に連結することにより、第1、第2鍵盤ケース1、2を折り畳み可能に連結するように構成されている。
ところで、第1鍵盤ケース1の下ケース部11における分割された端部6には、図8(a)〜図8(d)に示すように、第1、第2補強部材18、19が設けられている。第1補強部材18は、図8(b)に示すように、金属板を長手方向に沿って逆L字形状に折り曲げたものであり、図8(a)に示すように、下ケース部11の端部6における内縁部に第1鍵盤部4と対応した状態でビス止めされている。この第1補強部材18の手前側の前端部には、図8および図9に示すように、カバー部材8を取り付けるためのカバー取付補強部20が折り曲げにより設けられている。
このカバー取付補強部20は、図9(a)〜図9(c)に示すように、その所定個所に軸取付孔20aとビス取付孔20bとが設けられ、図8(a)および図8(c)に示すように、下ケース部11の端部6側に位置する前面部6a(図1の手前側面)の内面に対面し、軸取付孔20aが下ケース部11の端部6側に位置する前面部6aに設けられた軸貫通孔11a(図5(b)参照)に対応した状態で、ビス取付孔20bによって下ケース部11の端部6側に位置する前面部6aにビス止めされている。
また、この第1補強部材18の後端部(図8(a)では上辺側の端部)には、図8(a)および図8(b)に示すように、ヒンジ部3を補強するための第1ヒンジ補強板21がビス止めされている。この第1ヒンジ補強板21は、図11に示すように、下ケース部11の端部6における内縁部に起立した状態でヒンジ部3と対応して設けられ、この起立した上部に、図11に示すように、ヒンジ部3の中間ヒンジカバー部3aで覆われるヒンジ補強筒15がビス止めされている。
また、第1鍵盤ケース1の第2補強部材19は、図8(d)に示すように、帯状の金属板からなり、下ケース部11と上ケース部10との両方の後面部(図1の背面)に跨って配置された状態で、下ケース部11の後面に取り付けられている。この第2補強部材19における下ケース部11の端部6側に位置する部分には、ヒンジ部3の端部ヒンジカバー部3bに対応するヒンジ補強部22が折り曲げにより設けられている。このヒンジ補強部22には、カバー部材8を取り付けるためのカバー取付補強部23が下ケース部11の後面に対面するように設けられている。
このカバー取付補強部23も、図8(d)に示すように、その所定個所に軸取付孔23aとビス取付孔23bとが設けられ、下ケース部11の端部6側に位置する後面部6b(図1の背面)の内面に対面し、軸取付孔23aが下ケース部11の端部6側に位置する後面部6bに設けられた軸貫通孔11a(図5(c)参照)に対応した状態で、ビス取付孔23bによって下ケース部11の端部6側に位置する後面部6bにビス止めされている。
一方、第2鍵盤ケース2の下ケース部14における分割された端部7には、図10(a)〜図10(d)に示すように、第3、第4補強部材24、25が設けられている。第3補強部材24は、図10(a)および図10(b)に示すように、第1補強部材20と同様、金属板を長手方向に沿ってL字形状に折り曲げたものであり、図10(a)に示すように、下ケース部14の端部7における内縁部に第2鍵盤部5と対応した状態でビス止めされている。
この第3補強部材24の手前側端部には、図10(b)および図10(c)に示すように、カバー部材8を取り付けるためのカバー取付補強部26が折り曲げられている。このカバー取付補強部26は、第1鍵盤ケース1のカバー取付補強部20と同様、その所定個所に軸取付孔26aとビス取付孔26bとが設けられ、下ケース部14の端部7側に位置する前面部7a(図1の手前側面)の内面に対面し、軸取付孔26aが下ケース部14の端部7側に位置する前面部7aに設けられた軸貫通孔14a(図5(b)参照)に対応した状態で、ビス取付孔26bによって下ケース部14の端部7側に位置する前面部7aにビス止めされている。
また、この第3補強部材24の後端部(図10(a)では上辺側の端部)には、図10(a)および図10(b)に示すように、ヒンジ部3を補強するための第2ヒンジ補強板27がビス止めされている。この第2ヒンジ補強板27は、図10(c)に示すように、下ケース部14の端部7における内縁部にヒンジ部3と対応して起立した状態で配置され、その上部にヒンジ部3の端部ヒンジカバー部3bに対応する手前側のヒンジ補強部16が設けられている。
また、第2鍵盤ケース2の第4補強部材25は、第2補強部材21と同様、帯状の金属板からなり、図10(d)に示すように、下ケース部14と上部ケース部13との両方の後面(図1の背面)に配置された状態で、下ケース部14の後面に取り付けられている。この第4補強部材25における下ケース部14の端部7側に位置する部分には、ヒンジ部3の端部ヒンジカバー部3bで覆われるヒンジ補強部28と、カバー部材8を取り付けるためのカバー取付補強部29とが設けられている。
この場合、ヒンジ補強部28には、ヒンジ部3の中間ヒンジカバー3aで覆われるヒンジ補強筒15内に挿入するヒンジ軸17が設けられている。また、カバー取付補強部29は、図10(d)に示すように、その所定個所に軸取付孔29aとビス取付孔29bとが設けられ、下ケース部14の端部7側に位置する後面部7bの内面に対面し、軸取付孔29aが下ケース部14の端部7側に位置する後面部7bに設けられた軸貫通孔14a(図5(c)参照)に対応した状態で、ビス取付孔29bによって下ケース部14の端部7側に位置する後面部7bにビス止めされている。
これにより、第1鍵盤ケース1は、その右端部6側が開放されていても、第1、第2補強部材18、19によって開放された端部6が補強されている。第2鍵盤ケース2は、その左端部7側が開放されていても、第3、第4補強部材24、25によって開放された端部7が補強されている。また、この第1、第2鍵盤ケース1、2を回動可能に連結するヒンジ部3は、中間ヒンジカバー部3aで覆われたヒンジ補強筒15と、端部ヒンジカバー部3bで覆われたヒンジ補強部16、28とによって補強されていると共に、第1補強部材18に取り付けられた第1ヒンジ補強板21と、第3補強部材24に取り付けられた第2ヒンジ補強板27と、第4補強部材25のヒンジ補強部28に設けられたヒンジ軸17とによって強固に補強されている。
一方、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7の各対向面を覆うためのカバー部材8は、図7に示すように、帯板状のカバー部30と、このカバー部30の両端にそれぞれ設けられた一対の連結片31とを備えている。この場合、カバー部30は、図4に示すように、その長さが第1、第2鍵盤ケース1、2の前後方向(図4では上下方向)の長さとほぼ同じ長さに形成されている。
また、このカバー部30は、図18および図19に示すように、その幅が第1、第2鍵盤ケース1、2の両方の厚みとほぼ同じ長さに形成され、第1、第2鍵盤ケース1、2が重なり合った状態のときに、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7の各対向面に対応して覆うように構成されている。さらに、このカバー部30は、その厚みが第1、第2鍵盤ケース1、2の下面に設けられたゴム足9の厚みよりも少し薄く形成され、図2に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2を開いて卓上に配置したときに、卓上に接触しないように構成されている。
このカバー部30の両端に設けられた一対の連結片31のうち、一方の連結片31は、図1〜図3に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7側に位置する前面部6a、7a(図1では手前側面)に対応するように設けられており、他方の連結片31は、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7側に位置する後面部6b、7b(図1では背面)に対応するように設けられている。また、この一対の連結片31における各一側部、つまり第1鍵盤ケース1の端部6側に位置する前後面部6a、6bに対応する個所には、図7に示すように、軸取付孔32がそれぞれ貫通して設けられており、この一対の連結片31の対向面には、ガイド溝33がそれぞれ軸取付孔32の近傍から反対側の端部つまり第2鍵盤ケース2の端部7側に向けて設けられている。
また、このカバー部材8は、連動機構34によって第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士に跨って連結され、第1、第2鍵盤ケース1、2の回動動作に連動して、カバー部30が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割され端部6、7の各対向面を開閉可能に覆うように構成されている。すなわち、この連動機構34は、図13〜図15に示すように、第1鍵盤ケース1の分割された端部6側の前後面部6a、6bとカバー部材8の一対の連結片31とを回動可能に連結する一対の固定軸35と、第2鍵盤ケース2の分割された端部7側の前後面部7a、7bにそれぞれ回動可能に取り付けられてカバー部材8の一対の連結片31にそれぞれ設けられた各ガイド溝33内を移動する一対の移動軸36とを備えている。
一対の固定軸35それぞれは、図16(a)に示すように、内端部側(同図では上端部側)に係止溝35aが設けられ、外端部(同図では下端部)に抜け止め用の頭部35bが設けられ、第1鍵盤ケース1の端部6側の前後面部6a、6bにそれぞれ設けられた各軸貫通孔11aおよび第1、第2補強部材18、19のカバー取付補強部20、23の各軸取付孔20a、23aと、カバー部材8の一対の連結片31にそれぞれ設けられた各軸取付孔32とに挿入されて回動可能に取り付けられるように構成されている。
すなわち、この一対の固定軸35のうち、第1鍵盤ケース1の前面側(図1の手前側)に位置する固定軸35は、図13および図14に示すように、カバー部材8の手前側に位置する連結片31に設けられた軸取付孔32に内端部側が外部側から内部側に向けて挿入され、この挿入された内端部が第1鍵盤ケース1の端部6側に位置する前面部6aに設けられた軸貫通孔11aを通り、第1補強部材18のカバー取付補強部20の軸取付孔20aに挿入され、この挿入された内端部がカバー取付補強部20から内側に突出し、この突出した内端部が取付金具37によって外部に抜けないように取り付けられている。
また、第1鍵盤ケース1の後面側(図1の背面側)に位置する固定軸35は、図13および図14に示すように、カバー部材8の後部側に位置する連結片31に設けられた軸取付孔32に内端部側が外部側から内部側に向けて挿入され、この挿入された内端部側が第1鍵盤ケース1の端部6側に位置する後面部6bに設けられた軸貫通孔11aを通り、第2補強部材19のカバー取付補強部23の軸取付孔23aに挿入され、この挿入された内端部がカバー取付補強部23から内側に突出し、この突出した内端部が取付金具37によって外部に抜けないように取り付けられている。
この場合、取付金具37は、図14(a)および図14(b)に示すように、金属板をL字状に折り曲げ、この折り曲げられた立上り部にU字形状の溝部37aが設けられ、このU字形状の溝部37aに固定軸35の係止溝35aが係合することにより、固定軸35が外部に抜け出さないように構成されている。また、一対の連結片31の各軸取付孔32内には、図17(a)に示す筒状の第1補強ブッシュ38がそれぞれ嵌め込まれており、また第1鍵盤ケース1の端部6に位置する前後面に設けられた各軸貫通孔11aには、図17(b)に示す筒状の第2補強ブッシュ39がそれぞれ嵌め込まれている。
これにより、一対の固定軸35は、図13および図14に示すように、その各内端部側が第1鍵盤ケース1における端部6側に位置する前後面部6a、6bに設けられた各軸貫通孔11aと第1、第2補強部材18、19のカバー取付補強部20、23の各軸取付孔20a、23aとに回動可能に取り付けられ、各外端部側がカバー部材8における一対の連結片31の各軸取付孔32に回動可能に取り付けられることにより、図20〜図24に示すように、カバー部材8の一対の連結片31を第1鍵盤ケース1の端部6側に位置する前後面部6a、6bに対して回動可能に連結している。
一方、一対の移動軸36それぞれは、図16(b)に示すように、内端部側(同図では上端部側)に係止溝36aが設けられ、外端部(同図では下端部)に摺動頭部36bが設けられた構成になっている。すなわち、一対の移動軸36のうち、第2鍵盤ケース2の前面側に位置する移動軸36は、図13および図15に示すように、摺動頭部36bがカバー部材8の手前側の連結片31に設けられたガイド溝33内に移動可能に挿入され、内端部が第2鍵盤ケース2の端部7側に位置する前面部7aに設けられた軸貫通孔14aを通り、第3補強部材24のカバー取付補強部26の軸取付孔26aに挿入され、この挿入された内端部がカバー取付補強部26から内側に突出し、この突出した内端部が、固定軸35の場合と同様、取付金具37によって外部に抜けないように取り付けられている。
また、第2鍵盤ケース2の後面側(図1の背面側)に位置する移動軸36は、図13および図15に示すように、摺動頭部36bがカバー部材8の後部側の連結片31に設けられたガイド溝33内に移動可能に挿入され、内端部側が第2鍵盤ケース2における端部7側に位置する後面部7bに設けられた軸貫通孔14aを通り、第4補強部材25のカバー取付補強部29の軸取付孔29aに挿入され、この挿入された内端部がカバー取付補強部29から内側に突出し、この突出した内端部が、固定軸35の場合と同様、取付金具37によって外部に抜けないように取り付けられている。この場合にも、第2鍵盤ケース2の端部7側に位置する前後面部7a、7bに設けられた各軸貫通孔14aには、図17(b)に示した筒状の第2補強ブッシュ39がそれぞれ嵌め込まれている。
これにより、一対の移動軸36は、一対の固定軸35によって一対の連結片31が第1鍵盤ケース1の端部6側に位置する前後面部6a、6bに回動可能に取り付けられた状態で、一対の移動軸36の各摺動頭部36bがカバー部材8の一対の連結片31にそれぞれ設けられた各ガイド溝33内に移動可能に挿入され、一対の固定軸35を中心にカバー部材8の一対の連結片31が第1鍵盤ケース1に対して回動するときに、その回動動作に伴って各摺動頭部36bがカバー部材8の一対の連結片31の各ガイド溝33内を移動することにより、一対の固定軸35を中心にカバー部材8のカバー部30を回転移動させるように構成されている。
次に、第1、第2鍵盤ケース1、2の折り畳み動作について説明する。
まず、第1、第2鍵盤ケース1、2がヒンジ部3を中心に回動して180度に開いたときには、図1および図2に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士の各対向面が互いに対面して突き当たり、第1、第2鍵盤ケース1、2に設けられた第1、第2鍵盤部4、5の各鍵4a、5aが全て同じ間隔で第1、第2鍵盤ケース1、2に沿って連続して配列される。
このときには、図1〜図4に示すように、カバー部材8のカバー部30が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7側に位置する下ケース11、14の各下面に跨って配置されると共に、カバー部材8の一対の連結片31が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7側に位置する下ケース11、14の各前後面部6a、6b、7a、7bに跨って配置される。この状態では、図20に示すように、連動機構34の一対の固定軸35と一対の移動軸36とが互いに接近した状態になっている。
この状態で、図6および図21に示すように、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2を回動させて少し閉じると、第1、第2鍵盤ケース1、2の端部6、7同士がヒンジ部3を中心に少し回動して開く。このときには、図21に示すように、連動機構34の移動軸36が、第2鍵盤ケース2の端部7と共にカバー部材8の連結片31のガイド溝33内を移動しながら、固定軸35から斜め上方に向けて移動する。これにより、カバー部材8の一対の連結片31が連動機構34の一対の固定軸35を中心に反時計回りに回動すると共に、カバー部材8のカバー部30が一対の固定軸35を中心に回転移動する。
この状態で、図22および図23に示すように、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2を更に閉じる方向に回動させると、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士がヒンジ部3を中心に更に回動して開く。このときにも、図22および図23に示すように、連動機構34の移動軸36が、第2鍵盤ケース2の端部7と共にカバー部材8の連結片31のガイド溝33内を移動しながら、固定軸35から斜め上方に向けて更に移動する。これにより、カバー部材8の一対の連結片31が連動機構34の一対の固定軸35を中心に反時計回りに更に回動すると共に、カバー部材8のカバー部30が一対の固定軸35を中心に更に回転移動し、図22および図23に示すように、カバー部30が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7の各対向面に次第に接近する。
この後、図24に示すように、ヒンジ部3を中心に更に第1、第2鍵盤ケース1、2が回動して互いに重なると、図19に示すように、第1、第2鍵盤部4、5が互いに対面して上下に重なると共に、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士がヒンジ部3を中心に180度に回動して開く。このときにも、図24に示すように、連動機構34の移動軸36が、第2鍵盤ケース2の端部7と共にカバー部材8の連結片31のガイド溝33内を移動しながら、固定軸35から上方に向けて最も移動する。
これにより、カバー部材8の一対の連結片31が一対の固定軸35を中心に反時計回りに90度回動してほぼ垂直に起立すると共に、カバー部材8のカバー部30も一対の固定軸35を中心に更に回転移動してほぼ垂直に起立し、図19および図24に示すように、カバー部30が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された各端部6、7の各対向面に対面して、各端部6、7の各対向面を覆って塞ぐ。
このように、この鍵盤装置によれば、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2を回動させて180度に開くと、図1に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2にそれぞれ設けられた第1、第2鍵盤部4、5の全ての鍵4a、5aが第1、第2鍵盤ケース1、2に亘って等間隔で連続して配列されるので、通常の鍵盤装置と同じ鍵操作をして演奏することができる。また、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2を回動させて閉じると、図19に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2が互いに重なると共に、第1、第2鍵盤部4、5も互いに対面して重なるので、コンパクトに持ち運ぶことができる。
このときには、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士に跨ってカバー部材8が連結されているので、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2が回動して互いに重なるときに、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士の各対向面をカバー部材8によって覆って塞ぐことができる。このため、カバー部材8によって第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された各端部6、7から第1、第2鍵盤ケース1、2の内部が見えないように隠すことができると共に、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された各端部6、7からごみなどの異物が第1、第2鍵盤ケース1、2内に侵入するのを確実に防ぐことができる。
この場合、第1、第2鍵盤ケース1、2がヒンジ部3を中心に回動するときに、その回動動作に応じて連動機構34がカバー部材8を連動させるので、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2が回動して互いに重なるときに、連動機構34が第1、第2鍵盤ケース1、2の回動動作に応じて、カバー部材8のカバー部30を第1、第2鍵盤ケース1、2における端部6、7同士の各対向面に対面させる方向に向けて移動させることができ、これにより第1、第2鍵盤ケース1、2における端部6、7同士の各対向面をカバー部材8のカバー部30で自動的に覆うことができる。
また、第1、第2鍵盤ケース1、2がヒンジ部3を中心に回動して開くときに、連動機構34が第1、第2鍵盤ケース1、2の回動動作に応じて、カバー部材8のカバー部30を第1、第2鍵盤ケース1、2における端部6、7同士の各対向面から離れる方向に移動させることができ、これにより第1、第2鍵盤ケース1、2における端部6、7同士の各対向面からカバー部材8のカバー部30を自動的に離脱させることができる。このため、第1、第2鍵盤ケース1、2を180度に開いたときに、カバー部材8が邪魔にならず、第1、第2鍵盤部4、5の全ての鍵4a、5aを第1、第2鍵盤ケース1、2に亘って等間隔に連続して配列させることができる。これにより、使い勝手の良いものを提供することができる。
また、この鍵盤装置では、カバー部材8が、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士の各対向面に対応するカバー部30と、このカバー部30の前後部に設けられて第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士に跨って連結される連結片31とからなり、連動機構34が、第1鍵盤ケース1の端部6側とカバー部材8の連結片31とを回動可能に連結する固定軸35と、第2鍵盤ケース2の端部7側に回動可能に取り付けられてカバー部材8の連結片31に設けられたガイド溝33内を移動する移動軸36とを備えているので、カバー部材8を第1、第2鍵盤ケース1、2の開閉動作に応じて連動させることができると共に、第1、第2鍵盤ケース1、2の開閉動作およびそのときのカバー部材8の連動動作を安定させることができる。
すなわち、第1鍵盤ケース1の端部6側とカバー部材8の連結片31とが固定軸35によって回動可能に連結され、第2鍵盤ケース2の端部7側に回動可能に取り付けられた移動軸36がカバー部材8の連結片31に設けられたガイド溝33内を移動する構成であるから、第1、第2鍵盤ケース1、2がヒンジ部3を中心に回動するときに、カバー部材8の連結片31が第1鍵盤ケース1の端部6側に取り付けられた固定軸35を中心に回動すると共に、第2鍵盤ケース2の端部7側に回動可能に取り付けられた移動軸36がカバー部材8の連結片31に設けられたガイド溝33内を移動するので、第1、第2鍵盤ケース1、2の開閉動作に応じてカバー部材8の一対の連結片31を確実に且つ円滑に連動させることができ、これにより第1、第2鍵盤ケース1、2の開閉動作およびそのときのカバー部材8の連動動作を安定させることができる。
この場合、特にヒンジ部3が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士の上面に設けられ、カバー部材8はカバー部30の前後部にそれぞれ連結片31を設けた構成で、連動機構34が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7側の前後面部6a、6b、7a、7bにそれぞれ設けられているので、第1、第2鍵盤ケース1、2の各端部6、7同士において、第1、第2鍵盤部4、5と対応する手前側部分にはヒンジ部3が設けられておらず、後部側部分のみにヒンジ部3が設けられている。
このため、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2が回動するときに、第1、第2鍵盤ケース1、2の各端部6、7における手前側部分が不安定な動作になりやすいが、第1、第2鍵盤ケース1、2の端部6、7側に位置する前後面部6a、6b、7a、7bに設けられた連動機構34によって、第1、第2鍵盤ケース1、2の開閉動作時における第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士の手前側部分の回動動作を安定させることができる。
更に、この鍵盤装置では、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7における各内縁部にそれぞれ第1〜第4補強部材18、19、24、25が設けられているので、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士が開放され、第1、第2鍵盤ケース1、2の各端部6、7の強度が低下していても、第1〜第4補強部材18、19、24、25によって十分な強度を確保することができる。
この場合、第1〜第4補強部材18、19、24、25は、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7における各内縁部にそれぞれ設けられているので、第1、第2鍵盤ケース1、2に設けられた第1、第2鍵盤部4、5の各鍵4a、5aのうち、端部に位置する鍵4a、5aが第1、第2鍵盤ケース1、2の開放された端部6、7の各対向面に位置していても、第1〜第4補強部材18、19、24、25がその鍵4a、5aの邪魔にならずに、第1、第2鍵盤ケース1、2の開放された各端部6、7を確実に且つ強固に補強することができる。
また、第1、第2鍵盤ケース1、2を回動可能に連結するヒンジ部3は、中間ヒンジカバー部3aで覆われたヒンジ補強筒15と、端部ヒンジカバー部3bで覆われたヒンジ補強部16、28とによって補強されていると共に、第1補強部材18に取り付けられた第1ヒンジ補強板21と、第3補強部材24に取り付けられた第2ヒンジ補強板27と、第4補強部材25のヒンジ補強部28に設けられたヒンジ軸17とによって強固に補強されているので、ヒンジ部3の強度を十分に確保することができ、これによっても第1、第2鍵盤ケース1、2の回動動作を安定させることができる。
更に、第1〜第4補強部材18、19、24、25には、それぞれカバー取付補強部20、23、26、29が設けられ、これら各カバー取付補強部20、23、26、29にそれぞれ軸取付孔20a、23a、26a、29aが第1、第2鍵盤ケース1、2の各端部6、7側に位置する前後面部6a、6b、7a、7bに設けられた各軸貫通孔11a、14aに対応して設けられているので、連動機構34の一対の固定軸35および一対の移動軸36を第1、第2鍵盤ケース1、2に対して確実に且つ強固に取り付けることができ、これによっても第1、第2鍵盤ケース1、2の回動動作を安定させることができる。
(実施形態2)
次に、図25〜図45を参照して、この発明を適用した鍵盤装置の実施形態2について説明する。なお、図1〜図24に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この鍵盤装置は、カバー部材40と連動機構41とが実施形態1と異なる構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成なっている。
すなわち、このカバー部材40は、図25〜図31に示すように、帯板状のカバー部42と、このカバー部42の両端にそれぞれ設けられた一対の連結片43とを備え、実施形態1と同様、第1、第2鍵盤ケース1、2が連続する状態に展開して開いたときに、連動機構41によって第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士に跨って連結され、また図28および図29に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2が回動して互いに重なり合うときに、第1、第2鍵盤ケース1、2の回動動作に連動して、カバー部42が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割され端部6、7の各対向面を覆って塞ぐように構成されている。
この場合、カバー部42は、実施形態1と同様、その長さが第1、第2鍵盤ケース1、2の前後方向(図27では上下方向)の長さとほぼ同じ長さに形成されている。また、このカバー部42は、図25〜図29に示すように、その幅が第1、第2鍵盤ケース1、2の両方の厚みとほぼ同じ長さに形成され、第1、第2鍵盤ケース1、2が重なり合った状態のときに、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7の各対向面に対応して覆うように構成されている。さらに、このカバー部42は、実施形態1と同様、その厚みが第1、第2鍵盤ケース1、2の下面に設けられたゴム足9の厚みよりも少し薄く形成され、図26に示したように、第1、第2鍵盤ケース1、2を開いて卓上に配置したときに、卓上に接触しないように構成されている。
このカバー部42の両端に設けられた一対の連結片43は、図32(a)および図32(b)に示すように、カバー部42の両端部にそれぞれ一体に設けられた一対の連結本体部44と、この一対の連結本体部44にそれぞれ着脱可能に取り付けられる一対の連結蓋部45とを備えている。この場合、一対の連結本体部44のうち、一方の連結本体部44は、図25および図26に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7側に位置する前面部6a、7a(図25では手前側面)に対応するように設けられており、他方の連結本体部44は、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7側に位置する後面部6b、7b(図25では背面)に対応するように設けられている。
この一対の連結本体部44における各一側部、つまり第1鍵盤ケース1の端部6側に位置する前後面部6a、6bに対応する個所には、図35(a)および図35(b)に示すように、軸取付孔32がそれぞれ貫通して設けられている。また、この一対の連結本体部44には、ガイド溝46がそれぞれ軸取付孔32の近傍から反対側の端部つまり第2鍵盤ケース2の端部7側に向けて設けられている。
さらに、この一対の連結本体部44の各対向面におけるガイド溝46の下側には、図35(b)に示すように、ラック47がそれぞれガイド溝46に沿って設けられている。この場合、ガイド溝46の右端部、つまり軸取付孔32と反対側に位置する端部には、後述するピニオンギア48が挿入する大きさの大径孔46aが設けられている。また、一対の連結本体部44の各対向面におけるガイド溝46の周辺部分は、凹部状に形成されており、この凹部状に形成された部分の内側下部にラック47が形成されている。
一方、連動機構41は、図28、図29、および図33に示すように、第1鍵盤ケース1の分割された端部6側の前後面部6a、6bとカバー部材40の一対の連結本体部44とを回動可能に連結する一対の固定軸35と、第2鍵盤ケース2の分割された端部7側の前後面部7a、7bにそれぞれ回動可能に取り付けられて一対の連結本体部44にそれぞれ設けられた各ガイド溝46内を移動する一対の移動軸36と、この一対の移動軸36に取り付けられて一対の連結本体部44の各対向面にそれぞれ設けられた各ラック47に噛み合って転動する一対のピニオンギア48とを備えている。
一対の固定軸35それぞれは、図33および図38(a)に示すように、内端部側(図38(a)では右端部側)に係止溝35aが設けられ、外端部側(図38(a)では左端部側)に軸受けブッシュ49が設けられ、内端部が第1鍵盤ケース1側に回転可能に取り付けられ、外端部が一対の連結本体部44の各軸取付孔32に回転可能に取り付けられるように構成されている。
すなわち、一対の固定軸35は、図33および図38(a)に示すように、第1鍵盤ケース1の端部6側の前後面部6a、6bにそれぞれ設けられた各軸貫通孔11aおよび第1、第2補強部材18、19のカバー取付補強部20、23の各軸取付孔20a、23aに挿入された状態で、外端部側がカバー部材40の一対の連結本体部44にそれぞれ設けられた各軸取付孔32に軸受けブッシュ49を介して挿入されることにより、一対の連結本体部44と第1鍵盤ケース1とに回動可能に取り付けられるように構成されている。なお、一対の固定軸35の各外端部は、図38(a)に示すように、一対の連結本体部44から外部側にそれぞれ突出している。
この場合、一対の固定軸35のうち、第1鍵盤ケース1の前面側(図25の手前側)に位置する固定軸35は、図33および図38(a)に示すように、その内端部側(図38(a)では右端部側)がカバー部材40の手前側に位置する連結本体部44に設けられた軸取付孔32に外部側から内部側に向けて挿入され、この挿入された内端部が第1鍵盤ケース1の端部6側に位置する前面部6aに設けられた軸貫通孔11aを通り、第1補強部材18のカバー取付補強部20の軸取付孔20aに挿入され、この挿入された内端部がカバー取付補強部20から内側に突出し、この突出した内端部が図38(b)に示すようにカバー取付補強部20に固定された取付金具37に回転可能に取り付けられ、この取付金具37によって外部に抜けないように構成されている。
また、第1鍵盤ケース1の後面側(図25の背面側)に位置する固定軸35も、図33および図38(a)に示すように、その内端部側がカバー部材40の後部側に位置する連結本体部44に設けられた軸取付孔32に外部側から内部側に向けて挿入され、この挿入された内端部が第1鍵盤ケース1の端部6側に位置する後面部6bに設けられた軸貫通孔11aを通り、第2補強部材19のカバー取付補強部23の軸取付孔23aに挿入され、この挿入された内端部がカバー取付補強部23から内側に突出し、この突出した内端部がカバー取付補強部23に固定された取付金具37に回転可能に取り付けられ、この取付金具37によって外部に抜けないように構成されている。
この場合、取付金具37は、実施形態1と同様、金属板をL字状に折り曲げ、この折り曲げられた立上り部に図38(b)に示すようにU字形状の溝部37aが設けられ、このU字形状の溝部37aに固定軸35の係止溝35aが係合することにより、固定軸35が外部に抜け出さないように構成されている。また、一対の連結本体部44の各軸取付孔32は、図33および図38(a)に示すように、固定軸35に取り付けられた軸受けブッシュ49が嵌合する大きさに形成されている。また、第1鍵盤ケース1の端部6に位置する前後面に設けられた各軸貫通孔11aには、実施形態1と同様、筒状の第2補強ブッシュ39がそれぞれ嵌め込まれている。
これにより、一対の固定軸35は、図33および図38(a)に示すように、その各内端部側が第1鍵盤ケース1における端部6側に位置する前後面部6a、6bに設けられた各軸貫通孔11aと第1、第2補強部材18、19のカバー取付補強部20、23の各軸取付孔20a、23aとに挿入されて、各取付金具37の溝部37aに回動可能に取り付けられ、また各外端部側が一対の連結本体部44の各軸取付孔32に軸受けブッシュ49を介して回動可能に取り付けられることにより、一対の連結本体部44を第1鍵盤ケース1の端部6側に位置する前後面部6a、6bに対して回動可能に連結するように構成されている。
一方、一対の移動軸36それぞれは、図33、図34、および図39(a)に示すように、内端部側(図39(a)では右端部側)に係止溝36aが設けられ、外端部側(図39(a)では左端部側)に図40(a)および図40(b)に示すピニオンギア48が設けられ、内端部が第2鍵盤ケース2側に回転可能に取り付けられ、外端部がカバー部材40の一対の連結本体部44に設けられたガイド溝46内に移動可能に挿入されていると共に、ピニオンギア48が一対の連結本体部44に設けられたラック47に噛み合って転動可能に取り付けられるように構成されている。
すなわち、一対の移動軸36のうち、第2鍵盤ケース2の前面側に位置する移動軸36は、図39(a)に示すように、その内端部(同図では右端部)が第2鍵盤ケース2の端部7側に位置する前面部7aに設けられた軸貫通孔14aを通り、第3補強部材24のカバー取付補強部26の軸取付孔26aに挿入され、この挿入された内端部がカバー取付補強部26から更に内側に突出し、この突出した内端部が、固定軸35の場合と同様、カバー取付補強部26に固定された取付金具37に回転可能に取り付けられ、この取付金具37によって外部に抜けないように構成されている。また、この前面側の移動軸36の外端部は、図39(a)に示すように、連結本体部44のガイド溝46を通して連結本体部44から外部側に突出している。
また、第2鍵盤ケース2の後面側(図25の背面側)に位置する移動軸36も、図34および図39(a)に示すように、その内端部側が第2鍵盤ケース2における端部7側に位置する後面部7bに設けられた軸貫通孔14aを通り、第4補強部材25のカバー取付補強部29の軸取付孔29aに挿入され、この挿入された内端部がカバー取付補強部29から内側に突出し、この突出した内端部が、固定軸35の場合と同様、カバー取付補強部29に固定された取付金具37に回転可能に取り付けられ、この取付金具37によって外部に抜けないように構成されている。この場合にも、第2鍵盤ケース2の端部7側に位置する前後面部7a、7bに設けられた各軸貫通孔14aには、図39(a)に示すように、筒状の第2補強ブッシュ39がそれぞれ嵌め込まれている。
これにより、連動機構41は、一対の固定軸35によって一対の連結本体部44が第1鍵盤ケース1の端部6側に位置する前後面部6a、6bに回動可能に取り付けられた状態で、一対の移動軸36が一対の連結本体部44の各ガイド溝46に移動可能に挿入されると共に、一対の移動軸36の各ピニオンギア48が一対の連結本体部44の各ラック47に転動可能に噛み合い、この状態で一対の固定軸35を中心に一対の連結本体部44が第1鍵盤ケース1に対して回動するときに、その回動動作に伴って一対の移動軸36が一対の連結本体部44の各ガイド溝46内を移動しながら、各ピニオンギア48が一対の連結本体部44の各ラック47に噛み合って転動することにより、一対の固定軸35を中心にカバー部材40の一対の連結片43を回動させると共に、カバー部42を回転移動させるように構成されている。
ところで、一対の連結本体部44に取り付けられる一対の連結蓋部45は、図32および図37に示すように、連結本体部44と同じ大きさの平板状に形成され、ビス51によって連結本体部44の外面に取り付けられて、固定軸35および移動軸36の各外端部を覆って軸取付孔32およびガイド溝46を塞ぐように構成されている。この場合、連結本体部44に対面する連結蓋部45の内面には、図32(a)および図32(b)に示すように、凹部52が設けられている。
この凹部52内の上辺部には、連結本体部44の外面に設けられたフック部53が係脱可能に係合する係止部54が設けられている。これにより、連結蓋部45は、その係止部54に連結本体部44のフック部53を係合させた状態で、ビス51によって連結本体部44の外面に取り付けられることにより、固定軸35に取り付けられた軸受けブッシュ49および移動軸36に取り付けられたピニオンギア48が外部に抜け出さないように固定軸35および移動軸36の各外端部(図33では各下端部)を覆う構成になっている。
次に、この実施形態2の鍵盤装置の作用について説明する。
まず、図25および図26に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2がヒンジ部3を中心に回動して180度に開いたときには、図41に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士の各対向面が互いに対面して突き当たり、第1、第2鍵盤ケース1、2に設けられた第1、第2鍵盤部4、5の各鍵4a、5aが全て同じ間隔で第1、第2鍵盤ケース1、2に沿って連続して配列される。
このときには、実施形態1と同様、カバー部材40のカバー部42が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7側に位置する下ケース11、14の各下面に跨って配置されると共に、カバー部材40の一対の連結片43が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7側に位置する下ケース11、14の各前後面部6a、6b、7a、7bに跨って配置される。この状態では、図41に示すように、連動機構34の一対の固定軸35と一対の移動軸36とが互いに接近し、移動軸36のピニオンギア48が連結片43のラック47の左端部に位置した状態になっている。
この状態で、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2を閉じる方向にほぼ45度回動させると、図42に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2の端部6、7同士がヒンジ部3を中心にほぼ45度回動して開く。このときには、連動機構41の移動軸36が、第2鍵盤ケース2の端部7と共にカバー部材40の連結片43におけるガイド溝46内を移動しながら、固定軸35から斜め上方に向けて移動すると共に、移動軸36のピニオンギア48が連結片43のラック47に噛み合ってその右側(つまり固定軸35から離れる方向)に向けて転動する。これにより、カバー部材40の一対の連結片43が連動機構41の一対の固定軸35を中心に反時計回りに回動して少し傾斜すると共に、カバー部材40のカバー部42が一対の固定軸35を中心に回転移動する。
この状態で、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2を更に閉じる方向に回動させると、図43および図44に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士がヒンジ部3を中心に更に回動して90°以上に開く。このときにも、連動機構41の移動軸36が、第2鍵盤ケース2の端部7と共にカバー部材40の連結片43におけるガイド溝46内を移動しながら、固定軸35から斜め上方に向けて更に移動すると共に、移動軸36のピニオンギア48が連結片43のラック47に噛み合って固定軸35から離れる斜め上方に向けて転動する。
このときには、図43および図44に示すように、カバー部材40の一対の連結片43が連動機構41の一対の固定軸35を中心に反時計回りに更に回動して45度以上に傾斜すると共に、カバー部材40のカバー部42が一対の固定軸35を中心に更に回転移動して45度以上に傾斜する。これにより、図43および図44に示すように、カバー部40が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7の各対向面に次第に接近する。
この後、ヒンジ部3を中心に更に第1、第2鍵盤ケース1、2が回動して互いに重なると、図45に示すように、第1、第2鍵盤部4、5が互いに対面して上下に重なると共に、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士がヒンジ部3を中心に180度に回動して開く。このときにも、図45に示すように、連動機構41の移動軸36が、第2鍵盤ケース2の端部7と共にカバー部材40の連結片43におけるガイド溝46内を移動しながら、固定軸35から上方に向けて最も移動すると共に、移動軸36のピニオンギア48が連結片43のラック47に噛み合ってその上方(つまり固定軸35から離れる方向)に向けて転動して固定軸35の上方に移動する。
このときには、カバー部材40の一対の連結片43が、図45に示すように、一対の固定軸35を中心に反時計回りに90度回動してほぼ垂直に起立すると共に、カバー部材40のカバー部42も一対の固定軸35を中心に更に回転移動してほぼ垂直に起立する。これにより、図28および図45に示すように、カバー部42が第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された各端部6、7の各対向面に対面して密接し、各端部6、7の各対向面を覆って塞ぐ。
このように、この鍵盤装置においても、実施形態1と同様、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2を回動させて180度に開くと、第1、第2鍵盤ケース1、2にそれぞれ設けられた第1、第2鍵盤部4、5の全ての鍵4a、5aが第1、第2鍵盤ケース1、2に亘って等間隔で連続して配列されるので、通常の鍵盤装置と同じ鍵操作をして演奏することができる。また、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2を回動させて閉じると、図28および図29に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2が互いに重なると共に、第1、第2鍵盤部4、5も互いに対面して重なるので、コンパクトに持ち運ぶことができる。
このときには、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士に跨ってカバー部材40が連結されているので、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2が回動して互いに重なるときに、図43〜図45に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士の各対向面をカバー部材40によって覆って塞ぐことができる。このため、カバー部材40によって第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された各端部6、7から第1、第2鍵盤ケース1、2の内部が見えないように隠すことができると共に、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された各端部6、7からごみなどの異物が第1、第2鍵盤ケース1、2内に侵入するのを確実に防ぐことができる。
この場合、第1、第2鍵盤ケース1、2がヒンジ部3を中心に回動するときに、その回動動作に応じて連動機構41がカバー部材40を連動させるので、ヒンジ部3を中心に第1、第2鍵盤ケース1、2が回動して互いに重なるときに、連動機構41が第1、第2鍵盤ケース1、2の回動動作に応じて、カバー部材40のカバー部42を第1、第2鍵盤ケース1、2における端部6、7同士の各対向面に対面させる方向に向けて移動させることができ、これにより第1、第2鍵盤ケース1、2における端部6、7同士の各対向面をカバー部材40のカバー部42で自動的に覆うことができる。
また、第1、第2鍵盤ケース1、2がヒンジ部3を中心に回動して開くときに、連動機構41が第1、第2鍵盤ケース1、2の回動動作に応じて、カバー部材40のカバー部42を第1、第2鍵盤ケース1、2における端部6、7同士の各対向面から離れる方向に移動させることができ、これにより第1、第2鍵盤ケース1、2における端部6、7同士の各対向面からカバー部材40のカバー部42を自動的に離脱させることができる。このため、第1、第2鍵盤ケース1、2を180度に開いたときに、カバー部材40が邪魔にならず、第1、第2鍵盤部4、5の全ての鍵4a、5aを第1、第2鍵盤ケース1、2に亘って等間隔に連続して配列させることができる。これにより、使い勝手の良いものを提供することができる。
また、この鍵盤装置では、カバー部材40が、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士の各対向面に対応するカバー部42と、このカバー部42の前後部に設けられて第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7同士に跨って連結される連結片43とからなり、連動機構41が、第1鍵盤ケース1の端部6側とカバー部材40の連結片43とを回動可能に連結する固定軸35と、第2鍵盤ケース2の端部7側に回動可能に取り付けられて連結片43に設けられたガイド溝46内を移動する移動軸36と、この移動軸36に設けられたピニオンギア48と、ガイド溝46に沿って連結片43に設けられてピニオンギア48が噛み合いながら転動するラック47とを備えているので、カバー部材40を第1、第2鍵盤ケース1、2の開閉動作に応じて連動させることができると共に、第1、第2鍵盤ケース1、2の開閉動作およびそのときのカバー部材40の連動動作を安定させることができる。
すなわち、第1鍵盤ケース1の端部6側とカバー部材40の連結片43とが固定軸35によって回動可能に連結され、第2鍵盤ケース2の端部7側に回動可能に取り付けられた移動軸36が連結片43のガイド溝46内を移動すると共に、移動軸36のピニオンギア48が連結片43のラック47に噛み合って転動する構成であるから、カバー部材40の連結片43が第1鍵盤ケース1の端部6側に取り付けられた固定軸35を中心に回動するときに、第2鍵盤ケース2の端部7側に取り付けられた移動軸36が連結片43のガイド溝46内を移動しながら、ピニオンギア48が連結片43のラック47に噛み合って転動する。このため、移動軸36の移動時に移動軸36が滑りによる動作ズレを生じることがなく、第1、第2鍵盤ケース1、2の開閉動作に応じてカバー部材40の連結片43を確実に且つ円滑に連動させることができる。これにより、第1、第2鍵盤ケース1、2の開閉動作およびそのときのカバー部材40の連動動作を、より一層、安定させることができる。
この場合、カバー部材40の連結片43は、カバー部42の端部に一体に形成された連結本体部44と、この連結本体部44に着脱可能に取り付けられた連結蓋部45とを備え、連結本体部44に、固定軸35が挿入する軸取付孔37と、移動軸36が移動可能に挿入するガイド溝46と、移動軸のピニオンギア48が噛み合って転動するラック47とが設けられ、連結蓋部45が固定軸35と移動軸36との各外端部を覆って軸取付孔37とガイド溝46とを塞ぐ構成であるから、連結本体部44を薄く形成することができると共に、連結本体部44を薄く形成しても、連結本体部44の強度を確保することができ、これにより連結片43に固定軸35、移動軸36、ラック47、およびピニオンギア48をコンパクトに集約することができる。
また、このカバー部材40の連結片43は、連結蓋部45を連結本体部44から取り外すことにより、固定軸35、移動軸36、ピニオンギア48を連結本体部44を通して連結本体部44と第1、第2鍵盤ケース1、2とに容易に組み付けることができる。また、連結蓋部45を連結本体部44に取り付けると、連結蓋部45で固定軸35と移動軸36との各外端部を覆うので、固定軸35に取り付けられた軸受けブッシュ49および移動軸36に取り付けられたピニオンギア48が外部に抜け出して外れるのを防ぐことができると共に、連結蓋部45によって軸取付孔37とガイド溝46とを塞ぐことができるので、外観的にもデザイン的に好ましいものを得ることができる。
なお、上記実施形態2では、カバー部材40の一対の連結片43にそれぞれラック47を設け、且つ第2鍵盤ケース2の分割された端部7の前後面に設けられた一対の移動軸36にそれぞれピニオンギア48を設けた場合について述べたが、これに限らず、少なくとも第2鍵盤ケース2の分割された端部7の前面に設けられた移動軸36のみにピニオンギア48を設け、これに対応する連結片43のみにラック47を設けた構成でも良い。
また、上記実施形態1、2では、第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7における各内縁部にそれぞれ第1〜第4補強部材18、19、24、25を設けて第1、第2鍵盤ケース1、2の各端部6、7を補強した場合について述べたが、これに限らず、例えば第1、第2鍵盤ケース1、2の分割された端部6、7側における前面部6a、7aに、補助補強部材を更に追加して設けても良い。この補助補強部材は、カバー部材8、40の連結片31、43を跨いで設けられると共に、第1、第2鍵盤ケース1、2がヒンジ部3を中心に回動するときに、これに伴って折れ曲がり、且つ第1、第2鍵盤ケース1、2が180度に開いたときに、第1、第2鍵盤部4、5の鍵操作の邪魔にならないように、手前側にも折れ曲がるように構成されていることが望ましい。
さらに、上記実施形態1、2では、鍵の配列方向に対して2つの第1、第2鍵盤ケース1、2に分割した場合について述べたが、これに限らず、鍵の配列方向に対して3つ以上の鍵盤ケースに分割しても良い。この場合にも、3つ以上に分割された各端部同士にそれぞれカバー部材8、40および連動機構34、41を設ければ良い。
この発明を適用した実施形態1の鍵盤装置を開いて使用する状態を示した平面図である。 図1の鍵盤装置の正面図である。 図1の鍵盤装置の背面図である。 図1の鍵盤装置の底面図である。 図1の鍵盤装置においてカバー部材を取り除いた状態を示し、(a)はその平面図、(b)はその正面図、(c)はその背面図である。 図1のA−A矢視において第1、第2鍵盤ケースを閉じる方向に少し回動させた状態を示した断面図である。 図1のカバー部材を示した斜視図である。 図5の第1鍵盤ケースの下ケース部を示し、(a)はその平面図、(b)はその右側面、(c)はその正面図、(d)はその背面図である。 図8の第1補強部材のカバー取付補強部を示し、(a)はその平面図、(b)はその右側面、(c)はその正面図である。 図5の第2鍵盤ケースの下ケース部を示し、(a)はその平面図、(b)はその左側面、(c)はその正面図、(d)はその背面図である。 図1のB−B矢視におけるヒンジ部の拡大断面図である。 図1のC−C矢視におけるヒンジ部の拡大断面図である。 図2のD−D矢視における連動機構の拡大断面図である。 図13の固定軸の取付状態を示し、(a)は図13のE−E矢視における拡大断面図、(b)はそのF−F矢視における拡大断面図である。 図13の移動軸の取付状態を示し、(a)は図13のG−G矢視における拡大断面図、(b)はそのH−H矢視における拡大断面図である。 図13の固定軸と移動軸とを示し、(a)は固定軸を示した正面図、(b)は移動軸を示した正面図である。 図13の第1、第2補強ブッシュを示し、(a)は第1補強ブッシュを示した正面図、(b)は第2補強ブッシュを示した正面図である。 図5(b)の状態の鍵盤装置を折り畳んでカバー部材を取り付ける状態を示した正面図である。 図18の状態でカバー部材を取り付けた状態を示した正面図である。 第1、第2鍵盤ケースが180度に開いたときの連動機構の動作状態を示した図である。 第1、第2鍵盤ケースが少し閉じたときの連動機構の動作状態を示した図である。 第1、第2鍵盤ケースが90度閉じたときの連動機構の動作状態を示した図である。 第1、第2鍵盤ケースが90度以上に閉じたときの連動機構の動作状態を示した図である。 第1、第2鍵盤ケースが互いに重なって閉じたときの連動機構の動作状態を示した図である。 この発明を適用した実施形態2の鍵盤装置を開いて使用する状態を示した平面図である。 図25の鍵盤装置の正面図である。 図25の鍵盤装置の底面図である。 図26の鍵盤装置を折り畳んで重ね合わせた状態を示した拡大正面図である。 図28の状態でカバー部材を取り外した状態を示した拡大正面図である。 図25のカバー部材を一部破断して示した拡大平面図である。 図30のカバー部材の拡大側面図である。 図30のカバー部材における連結片の断面を示し、(a)は連結本体部に連結蓋部を取り付けた状態を示した断面図、(b)は連結本体部に連結蓋部を取り付ける状態を示した断面図である。 図26のI−I矢視における要部の拡大断面図である。 図33のJ−J矢視における拡大断面図である。 図30のカバー部材の連結本体部を示し、(a)はその拡大正面図、(b)図30のK−K矢視における拡大断面図である。 図35の連結本体部に固定軸、移動軸、ピニオンギアを取り付けた状態を示した拡大正面図である。 図30のカバー部材の連結蓋部を示し、(a)はその拡大正面図、(b)はその内側から見た拡大裏面図である。 図33における固定軸付近を示し、(a)は図33のL−L矢視において連結蓋部を取り外した状態の拡大断面図、(b)はその固定軸を鍵盤ケースの内側から見た拡大側面図。 図34における移動軸付近を示し、(a)は連結蓋部を取り外した状態の拡大断面図、(b)はその移動軸を鍵盤ケースの内側から見た拡大側面図。 図39のピニオンギアを示し、(a)はその拡大正面図、(b)はその拡大側面図である。 図26におけるカバー部材付近を示した拡大正面図である。 図41の状態で第1、第2鍵盤ケースを約45度回動させた状態の拡大正面図である。 図41の状態で第1、第2鍵盤ケースを約90度回動させた状態の拡大正面図である。 図41の状態で第1、第2鍵盤ケースを約135度回動させた状態の拡大正面図である。 図41の状態で第1、第2鍵盤ケースを約180度回動させて重ね合わせた状態の拡大正面図である。
符号の説明
1、2 第1、第2鍵盤ケース
3 ヒンジ部
4、5 第1、第2鍵盤部
4a、5a 鍵
6 第1鍵盤ケースの端部
6a 前面部
6b 後面部
7 第2鍵盤ケースの端部
7a 前面部
7b 後面部
8、40 カバー部材
18 第1補強部材
19 第2補強部材
20、23、26、29 カバー取付補強部
24 第3補強部材
25 第4補強部材
30、42 カバー部
31、43 連結片
32 軸取付孔
33、46 ガイド溝
34、41 連動機構
35 固定軸
36 移動軸
44 連結本体部
45 連結蓋部
47 ラック
48 ピニオンギア

Claims (4)

  1. 複数に分割された複数の鍵盤ケースと、
    この複数の鍵盤ケースの分割された端部同士を回動可能に連結するヒンジ部と、
    前記複数の鍵盤ケースにそれぞれ複数の鍵が配列されて設けられ、前記ヒンジ部を中心に前記複数の鍵盤ケースが回動して開いたときに前記鍵の全てが前記複数の鍵盤ケースに亘って等間隔で連続して配列される複数の鍵盤部と、
    前記ヒンジ部で連結された前記複数の鍵盤ケースの前記端部同士に跨って連結され、前記ヒンジ部を中心に前記複数の鍵盤ケースが回動して互いに重なって閉じるときに前記複数の鍵盤ケースにおける前記端部同士の各対向面を覆うカバー部材と
    前記ヒンジ部を中心に前記複数の鍵盤ケースが回動するときに、その回動動作に応じて前記カバー部材を連動させる連動機構と、
    を備え、
    前記カバー部材は、前記ヒンジ部を中心に前記複数の鍵盤ケースが回動して互いに重なって閉じるときに前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士の各対向面に対応するカバー部と、このカバー部の前後端における少なくとも一方の端部に設けられて前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士に跨って連結される連結片とからなり、
    前記連動機構は、前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士における一方の端部側と前記カバー部材の前記連結片とを回動可能に連結する固定軸と、前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士における他方の端部側に回動可能に取り付けられて前記カバー部材の前記連結片に設けられたガイド溝内を移動する移動軸とを備え、
    前記移動軸には歯車が設けられており、前記連結片には前記歯車が噛み合って転動するラックが前記ガイド溝に沿って設けられている
    ことを特徴とする鍵盤装置。
  2. 前記連結片は、前記カバー部の端部に一体に形成された連結本体部と、この連結本体部に着脱可能に取り付けられた連結蓋部とを備え、前記連結本体部には、前記固定軸が挿入する軸孔と、前記移動軸が移動可能に挿入する前記ガイド溝と、前記移動軸に設けられた前記歯車が噛み合って転動する前記ラックとが設けられ、前記連結蓋部は前記固定軸と前記移動軸との各外端部を覆って前記軸孔と前記ガイド溝とを塞ぐことを特徴とする請求項1に記載の鍵盤装置。
  3. 前記ヒンジ部は前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士の上面に設けられ、前記カバー部材は前記カバー部の前後端にそれぞれ前記連結片を設けた構成で、前記連動機構は前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士側に位置する各前後面部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の鍵盤装置。
  4. 前記複数の鍵盤ケースの分割された前記端部同士の各内縁部には、それぞれ補強部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鍵盤装置。
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