JP5218137B2 - 軸受装置、及び工作機械の回転テーブル並びにスピンドル装置 - Google Patents

軸受装置、及び工作機械の回転テーブル並びにスピンドル装置 Download PDF

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Description

本発明は、軸受装置、及び工作機械の回転テーブル並びにスピンドル装置に関し、より詳細には、転がり軸受に付与される予圧を切換え可能な軸受装置、及び工作機械の回転テーブル並びにスピンドル装置に関する。
従来、工作機械の回転テーブル等に用いられる転がり軸受には、高い剛性を備えるクロスローラや、スリーローラ軸受等が広く使用されていた。しかし、これらの軸受は、構造上の問題からスピン滑りが大きく、高速回転には不向きである問題があった。近年、剛性ではクロスローラやスリーローラ軸受にやや劣るものの、高速回転に適したアンギュラ玉軸受が採用されつつある。アンギュラ玉軸受の使用に際しては、予圧を与えるのが一般的であるが、低速回転での位置決め及び旋回においては重予圧を付与して剛性を高め、高速回転での旋削においては軽予圧を付与することが望ましい。このため、低速回転と高速回転とが切り換えて使用される回転軸においては、予圧面での矛盾が生じる。
一方、工作機械のスピンドルにおいては、予圧の大きさを切換え可能な装置が種々考案されている。例えば、主軸を支持する軸受の外輪とハウジングの間に予圧調整リングを設け、ハウジングに設けられた供給部から圧力流体を供給し、予圧調整リングを介して外輪を縮径させて予圧切換えを行うようにした予圧可変式軸受ユニットが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、上記の予圧調整リングとハウジングの間に溝を形成して圧力流体による圧力が予圧調整リングに均等にかかるように改良したものや(例えば、特許文献2参照。)、予圧調整リングとハウジングとをピンで連結して、クリープ発生を防止するようにしたものが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平7−24603号公報 特開平8−174306号公報 特開平8−177852号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の予圧可変式軸受ユニットは、予圧調整リングの径方向の位置決めをハウジングで、軸方向の位置決めを予圧調整リングの両側に設けた間座で行う構造となっているので、軸受ユニットの軸方向長さが長くなる問題がある。このため、軸方向長さが制限される工作機械の回転テーブルには、採用し難いという問題があった。また、特許文献2に記載の予圧可変式軸受ユニットでは、圧力流体による圧力が均等にかかるように予圧調整リングに溝を設けているが、予圧調整リングの厚さが一様でなくなるため、予圧調整リングが均等に圧縮されず、結果として外輪を均等に縮径させることができず、改善の余地があった。工作機械の回転テーブルやスピンドルの場合、外輪や内輪の変形により、回転精度が変化することは加工面の引き目や光沢劣化などの性状不良につながるため、これらに配慮した考案が望まれていた。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、軸方向長さを長くすることなく、予圧を連続的或いは段階的など、必要に応じて切換え可能で、且つ軸受回転精度を良好に維持できる軸受装置、及びこの軸受装置を備える工作機械の回転テーブル並びにスピンドル装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 外輪、内輪、及び接触角を有して前記外輪及び前記内輪間に転動自在に配置された複数の転動体を有するアンギュラ軸受と、
前記外輪の外周面に嵌合され、圧力流体を供給可能な溝部が径方向外側から形成されたスリーブと、
を備え、前記圧力流体の圧力によって前記アンギュラ軸受の予圧を切換可能な軸受装置であって、
前記アンギュラ軸受は、背面組合せ又は正面組合せされた一対のアンギュラ軸受からなり、
前記アンギュラ軸受には、定位置予圧が予め付与され、
前記スリーブの溝部は、前記接触角の延長線が前記スリーブと交差する位置を含むように形成され、
前記スリーブの幅は、前記一対のアンギュラ軸受の各軸方向外端面間の幅以下であることを特徴とする軸受装置。
) 上記(1)に記載の軸受装置を備えることを特徴とする工作機械の回転テーブル。
) 上記(1)に記載の軸受装置を備えることを特徴とする工作機械のスピンドル装置。
本発明の軸受装置によれば、アンギュラ軸受と、外輪の外周面嵌合するスリーブと、を備え、圧力流体を供給可能なスリーブの溝部が、接触角の延長線とスリーブとの交差位置を含むように形成されている。これにより、圧力流体を溝部に供給することによって、スリーブを介して外輪を縮径せてアンギュラ軸受の予圧を切り換えることが可能となる。
また、アンギュラ軸受には、定位置予圧が予め付与されているので、圧力流体の溝部への供給を制御することによって、高速回転時には軽予圧、低速回転時には重予圧に切り換え、回転数に適合した予圧を付与することができる。また、必要に応じて、圧力流体の供給の制御により、予圧を2段階以上の多段、或いは連続的に切換えてもよい。
さらに、スリーブの幅が、一対のアンギュラ軸受の各軸方向外端面間の幅以下であるので、軸方向長さを長くすることなく、予圧切換え可能な軸受装置が得られ、この軸受装置が組み込まれる機械装置の小型化が可能となる
このような軸受装置は、回転速度が低速及び高速に切り換えて使用され、且つ軸方向長さに制限がある工作機械の回転テーブルやスピンドル装置に適用するのに好適である。
本発明の第1実施形態に係る軸受装置が適用された回転テーブルの断面図である。 図1に示す軸受装置の断面図である。 図1に示す軸受装置のアンギュラ軸受とスリーブの関係を示す断面図である。 スリーブの寸法を説明するための図である。 スリーブに供給する圧力流体の圧力と、予圧の大きさとの関係を示すグラフである。 (a)は図2に示すスリーブの変形状態を示す概念図であり、(b)は軸受の変形状態を示す概念図である。 本発明の第2実施形態に係る軸受装置の断面図である。 図7に示す軸受装置のアンギュラ軸受とスリーブの関係を示す断面図である。 (a)は図8に示すスリーブの変形状態を示す概念図であり、(b)は軸受の変形状態を示す概念図である。 本発明の第3実施形態に係る軸受装置の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る軸受装置の断面図である。 本発明の第5実施形態に係る軸受装置の断面図である。 本発明の第6実施形態に係る軸受装置の断面図である。 本発明の第7実施形態に係る軸受装置の断面図である。 本発明の第8実施形態に係る軸受装置の断面図である。 本発明の変形例に係る軸受装置が適用された回転テーブルの断面図である。
以下、本発明の各実施形態に係る軸受装置を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る軸受装置が適用された回転テーブルの断面図である。この工作機械の回転テーブル10は、ハウジング11、軸受装置12、及びテーブル13を備える。軸受装置12は、テーブル13の回転軸14を回転自在にハウジング11に支持する。回転テーブル10は、回転軸14に外嵌固定されたロータ15と、ロータ15に対向してハウジング11に内嵌固定されたステータ16とからなるモータ17を備え、ステータ16に電力を供給することよって、回転軸14、即ちテーブル13が回転可能となっている。
図2に示すように、軸受装置12は、内輪21、外輪22、及び内外輪21、22間に転動自在に配置された複数の転動体である玉23をそれぞれ有し、背面組合せされた一対のアンギュラ軸受24,24と、各外輪22,22の外周面22a,22aに外嵌される円環状のスリーブ30とを備える。
各外輪22,22は、スリーブ30を介してハウジング11に内嵌されている。具体的には、スリーブ30がハウジング11に内嵌され、このスリーブ30に各外輪22,22が内嵌される。各外輪22,22は、ハウジング11に締結される外輪押え25によってハウジング11に設けられた段部26との間に狭持されて固定されている。
また、各内輪21,21は、回転軸14の小径部14aに外嵌され、回転軸14に螺合する内輪押え27によって軸方向に押圧されて回転軸14の段部28との間に狭持されて固定されている。これにより、一対のアンギュラ軸受24,24には、定位置予圧(後述する軽予圧)が付与される。
図3も参照して、スリーブ30には、軸方向中間部に円環状の溝部31が径方向外側から形成されており、スリーブ30がハウジング11に内嵌されることで、ハウジング11の内周面と円環状溝部31とによって圧力室37が形成される。また、溝部31を形成するスリーブ30の軸方向中間部は、径方向に容易に弾性変形可能な薄肉部36を構成している。溝部31の軸方向両側部分の外周面には、Oリング34を装着可能なOリング溝33が設けられており、装着されたOリング34がハウジング11とスリーブ30との間をシールすることで圧力室37が密閉される。また、Oリング34の接触抵抗によってハウジング11に対するスリーブ30の回転が防止される。
スリーブ30の外周側に形成された溝部31の長さL4は、一対のアンギュラ軸受24,24の接触角αの延長線CLがスリーブ30と交差する位置P,P間の長さL3より長い。即ち、溝部31は、軸方向において、一対のアンギュラ軸受24,24の接触角αの延長線CLがスリーブ30の内周面と交差する位置P,Pを少なくとも含むように形成されている。また、スリーブ30の軸方向幅L2は、一対のアンギュラ軸受24,24の各軸方向外端面間の幅L1と等しいか或いは幅L1より、望ましくは、0〜0.5mm、より望ましくは、0.010〜0.050mm程度小さくなっている(L2≦L1)。
図2に示すように、一対のアンギュラ軸受24,24の各外輪22,22は、ハウジング11に締結される外輪押え25によって軸方向に0.01mm〜0.03mm程度圧縮されて固定されている。また、スリーブ30は、軸方向中間部に薄肉部36が設けられているので、軸方向力が加わると形状が歪み、アンバランスが生じる虞がある。従って、スリーブ30の軸方向長さL2は、これらの軸方向圧縮量、及び形状歪みを考慮して決定される。
図2に示すように、ハウジング11には、溝部31に連通する圧力流体供給穴35が径方向に形成されている。この圧力流体供給穴35は、図示しない配管を介して圧力流体供給装置に接続されて圧力流体が供給される。圧力流体としては、圧縮空気や圧力油等の任意の圧力流体が使用可能である。
スリーブ30の溝部31に圧力流体の圧力を作用させたとき、スリーブ30の外径の収縮量は、式(1)から求められる。
Figure 0005218137
ここで、ΔDはスリーブの外径収縮量、Dは外径、dは内径、Pは圧力流体の圧力、Eはヤング率、υはポアソン比である。なお、図4(a)は、径方向外側に溝部31が形成される場合のスリーブ30の外径D及び内径dを示し、図4(b)は、径方向内側に溝部31が形成される場合の後述する実施形態のスリーブ30の外径D及び内径dを示している。
式(1)から分かるように、内径dが外径Dに近づくほど、換言すれば、(D−d)が小さくなるほど、外径収縮量ΔDが大きくなり、外輪22,22に作用する径方向圧縮力が大きくなる。従って、溝部31の径方向厚さ(肉厚)(D−d)/2を可能な限り小さくすることが望ましい。
図5は、背面組合せされた一対のアンギュラ軸受24,24の外輪22,22全面に圧力流体の圧力が作用した、換言すれば、溝部31の径方向厚さ((D−d)/2)が零と仮定したスリーブ30に、圧力流体の圧力が作用したときの圧力流体の圧力と、本圧力によって外輪22,22が収縮変形した際に生じる軸受予圧の変化(増加)の関係を示している。ここで、図5は、内径170mm×外径215mm×幅13.5mmの軸受寸法を有し、材質が軸受鋼である各アンギュラ玉軸受24,24と、機械構造用炭素鋼からなるスリーブとを使用して、スリーブ油圧負荷前の初期予圧荷重を1000Nとして計算した結果である。この図5から分かるように、軸受予圧は、圧力流体の圧力にほぼ比例して変化するので、圧力流体の圧力を制御することによって、予圧の切換えが可能となる。
本実施形態の作用を図6に基づいて説明する。
第1実施形態の軸受装置12は、図6(b)に示すように、アンギュラ軸受24,24を組み合わせた際、無負荷状態では、一般的に、各軸受24,24の接触角の延長線CLが交差する位置から遠い方の軌道輪(内輪又は外輪)にすきまgが設定されており、このすきまを埋める方向に通常すきまgが密着するまで荷重pを与えることで軸受内に予圧が付与される。このため、背面組合せされた一対のアンギュラ軸受24,24の内輪21,21が、互いに接近する方向に押圧されることで定位置予圧(軽予圧)が付与される。一般的に、回転輪である内輪21,21は回転軸14にしまりばめで嵌合され、固定輪である外輪22,22はハウジング11にすきまばめで嵌合されるので、予圧による軸受の変形は外輪22,22に現れる。即ち、予圧をかけることによって、外輪22,22には玉23を介して矢印A方向の力が作用し、接触角αの延長線CLと外輪22,22の外周面22a,22aとが交差する位置の近傍を中心として径方向外方に弾性変形(拡径)している。
一方、圧力流体供給装置から供給される圧力流体が、圧力流体供給穴35を介して圧力室37に供給されると、図6(a)に示すように、スリーブ30の薄肉部36が、径方向内方に弾性変形(縮径)する。このとき、スリーブ30の変形量の大きな位置は、略軸方向中心部付近となり、背面組合せされた一対のアンギュラ軸受24,24に予圧が付与されたときの外輪22,22の弾性変形位置、即ち、接触角αの延長線CLと外輪22,22の外周面22a,22aとが交差する位置と対応する。
従って、圧力流体を圧力室37に供給してスリーブ30を縮径させることにより、一対のアンギュラ軸受24,24の外輪22,22、特に定位置予圧によって弾性変形(拡径)している位置近傍が径方向に圧縮されて、外輪22,22とスリーブ30との変形が相殺される。これにより、一対のアンギュラ軸受24,24には、予め付与されている定位置予圧に加えて、更に圧力流体による予圧が加わって重予圧が付与される。
従って、圧力室37に供給する圧力流体を制御することによって、一対のアンギュラ軸受24,24の予圧を軽予圧から重予圧に切り換えることができる。これにより、回転軸14を高速回転させるときには、定位置予圧による軽予圧を付与し、低速回転させるときには、圧力室37に圧力流体を供給して重予圧を付与する。
以上説明したように、本実施形態の軸受装置12では、一対のアンギュラ軸受24,24の定位置予圧による弾性変形位置に、スリーブ30を介して圧力流体による圧力を作用させるようにしたので、従来の軸受装置とは異なり、外輪の全面に圧力流体による圧力を作用させる必要がない。従って、スリーブ30の軸方向幅L2を、一対のアンギュラ軸受24,24の各軸方向外端面間の幅L1より小さくすることができ、軸受装置12の長さを長くすることなく、予圧切換え可能な軸受装置12とすることができる。
(第2実施形態)
図7は正面組合せされたアンギュラ軸受を内輪回転機構に適用した第2実施形態の軸受装置の要部断面図である。第2実施形態の軸受装置40では、一対のアンギュラ軸受24,24は正面組合せで配置され、スリーブ30は、各外輪22,22の外周面とハウジング11の内周面との間に配置される。
各内輪21、21は、回転軸14の小径部14aに外嵌され、回転軸14に螺合する内輪押え27によって回転軸14の段部28との間に狭持されて固定されている。また、各外輪22,22は、スリーブ30を介してハウジング11に内嵌され、ハウジング11に締結される外輪押え25によって軸方向に押圧されて、ハウジング11に設けられた段部26との間に狭持されて固定されている。これにより、一対のアンギュラ軸受24,24には、定位置予圧が付与される。
図8に示すように、スリーブ30の外周側に形成された円環状の溝部31の長さL4は、一対のアンギュラ軸受24,24の接触角αの延長線CLがスリーブ30と交差する位置P、P間の長さL3より大きい。即ち、溝部31は、一対のアンギュラ軸受24,24の接触角αの延長線CLがスリーブ30に交差する位置P、Pを含んで形成されている。また、スリーブ30の軸方向幅L2は、一対のアンギュラ軸受24,24の各軸方向外端面間の幅L1と等しいか、或いは幅L1より、望ましくは、0〜0.5mm、より望ましくは、0.010〜0.050mm程度小さくなっている(L2≦L1)。
図9(b)に示すように、正面組合せされた一対のアンギュラ軸受24,24は、無負荷状態では、外輪にすきまgが設定されており、このすきまgを埋める方向に通常すきまgが密着するまで荷重pを与えることで軸受内に予圧が付与される。このため、外輪22,22が互いに接近する方向に押圧されて定位置予圧(軽予圧)が付与されているので、外輪22,22には玉23を介して矢印B方向の力が作用し、接触角αの延長線CLと外輪22,22の外周面22a,22aとが交差する位置の近傍を中心として径方向外方に弾性変形(拡径)する。
また、スリーブ30は、図9(a)に示すように、圧力室37に圧力流体を供給することによってスリーブ30の薄肉部36が、径方向内方に弾性変形(縮径)し、外輪22,22を径方向に圧縮する。これにより、一対のアンギュラ軸受24,24には、予め付与されている定位置予圧に加えて、更に圧力流体による予圧が加わって重予圧が付与され、予圧が切り換えられる。
尚、その他の構成及び作用については、第1実施形態の軸受装置12と同様である。
(第3実施形態)
図10は背面組合せされたアンギュラ軸受を外輪回転機構に適用した第3実施形態の軸受装置の要部断面図である。第3実施形態の軸受装置45では、一対のアンギュラ軸受24,24が背面組合せで配置され、スリーブ30は、各内輪21,21の内周面と固定軸46の外周面との間に配置される。
各外輪22,22は、回転するハウジング11に内嵌され、ハウジング11に締結される外輪押え25によってハウジング11に設けられた段部26との間に狭持されて固定されている。各内輪21,21は、スリーブ30を介して固定軸46の小径部46aに取付られ、固定軸46に螺合する内輪押え27によって軸方向に押圧されて固定軸46の段部28との間に狭持されて固定されている。これにより、一対のアンギュラ軸受24,24には、定位置予圧(軽予圧)が付与される。
スリーブ30には、軸方向中間部に円環状の溝部31が径方向内側から形成されており、 スリーブ30が固定軸46に外嵌されることで、固定軸46の外周面46aと溝部31とによって圧力室37が形成される。スリーブ30の溝部31は、軸方向において、一対のアンギュラ軸受24,24の接触角αの延長線CLがスリーブ30に交差する位置P、Pを含んで形成される。また、溝部31を形成するスリーブ30の軸方向中間部は、径方向に容易に弾性変形可能な薄肉部36を構成している。溝部31の軸方向両側部分の内周面には、Oリング34を装着可能なOリング溝33が設けられており、装着されたOリング34が固定軸46とスリーブ30との間をシールすることで圧力室37が密閉される。また、Oリング34の接触抵抗によって固定軸46に対するスリーブ30の回転が防止される。固定軸46には、圧力室37に連通する圧力流体供給穴35が設けられている。
一対のアンギュラ軸受24,24に重予圧を付与する場合、圧力流体供給穴35から圧力室37に圧力流体を供給してスリーブ30の薄肉部36を径方向外方に弾性変形(拡径)させ、各内輪21,21を径方向外方に押圧して拡径することによって、一対のアンギュラ軸受24,24に予め付与されている定位置予圧に加えて、更に圧力流体による予圧を加えて重予圧を付与する。
尚、その他の構成及び作用については、第1実施形態の軸受装置12と同様である。
(第4実施形態)
図11は正面組合せされたアンギュラ軸受を外輪回転機構に適用した第4実施形態の軸受装置の要部断面図である。第4実施形態の軸受装置50では、一対のアンギュラ軸受24,24が正面組合せで配置され、スリーブ30は、各内輪21,21の内周面と固定軸46の外周面との間に配置される。
各内輪21,21は、スリーブ30を介して固定軸46の小径部46aに取り付けられ、固定軸46に螺合する内輪押え27によって固定軸46の段部28との間に狭持されて固定されている。各外輪22、22は、ハウジング11に内嵌され、ハウジング11に締結される外輪押え25によって軸方向に押圧されて段部26との間に狭持されており、これにより一対のアンギュラ軸受24,24に定位置予圧(軽予圧)が付与される。
スリーブ30の円環状の溝部31は、一対のアンギュラ軸受24,24の接触角αの延長線CLがスリーブ30に交差する位置P、Pを含んで形成されている。そして、圧力室37に圧力流体を供給することにより、スリーブ30の薄肉部36を径方向外方に弾性変形(拡径)させ、内輪21,21を径方向外方に押圧して重予圧を付与する。
尚、その他の構成及び作用については、第3実施形態の軸受装置45と同様である。
(第5実施形態)
図12は軸受間に間座を備える第5実施形態の軸受装置の要部断面図である。第5実施形態の軸受装置55は第1実施形態と同様、内輪回転機構に適用され、一対のアンギュラ玉軸受24,24が定位置予圧を付与した状態で背面組合せで配置され、スリーブ30は外輪22,22の外周面とハウジング11の内周面との間に配置されている。
また、一対のアンギュラ軸受24,24では、各内輪21,21が内輪間座56を狭持して回転軸14に外嵌され、各外輪22,22が外輪間座57を狭持してスリーブ30に内嵌されている。
本実施形態においても、スリーブ30の円環状溝部31の幅L2およびL4が間座56,57の幅分だけ長く形成され、円環状溝部31は、一対のアンギュラ軸受24,24の接触角αの延長線CLがスリーブ30に交差する位置P、Pを含んでいるので、内輪21,21、及び外輪22,22の間に内輪間座56、及び外輪間座57が配置される場合にも、第1実施形態と同様の効果を奏する。
尚、その他の構成及び作用については、第1実施形態の軸受装置12と同様である。また、本実施形態の間座は、他の実施形態においても適用することができる。また、間座の形状も、適宜変更可能である。
(第6実施形態)
図13はスリーブの外周面及び側面にOリングを備える第6実施形態の軸受装置の要部断面図である。第6実施形態の軸受装置60は第1実施形態と同様、内輪回転機構に適用され、一対のアンギュラ玉軸受24,24が定位置予圧を付与した状態で背面組合せで配置され、スリーブ30は外輪22,22の外周面とハウジング11の内周面との間に配置されている。
このスリーブ30には、軸方向両側部分の外周面及び側面にそれぞれOリング34、62を装着可能なOリング溝33、61が設けられている。Oリング溝33に装着されたOリング34は、ハウジング11とスリーブ30との間をシールし、Oリング溝61に装着されたOリング62は、スリーブ30とハウジング11の段部26及び外輪押さえ25の軸方向側面との間をシールする。このように、スリーブ30には、2本のOリング34、62が装着されているので、シール性が向上すると共に、2本のOリング34、62の接触抵抗によってハウジング11に対するスリーブ30の回転防止効果が強化される。
尚、その他の構成及び作用については、第1実施形態の軸受装置12と同様である。
(第7実施形態)
図14はスリーブの外周面角部にOリングを備える第7実施形態の軸受装置の要部断面図である。第7実施形態の軸受装置65は、第1実施形態と同様、内輪回転機構に適用され、一対のアンギュラ玉軸受24,24が定位置予圧を付与した状態で背面組合せで配置され、スリーブ30は外輪22,22の外周面とハウジング11の内周面との間に配置されている。
このスリーブ30は、外周面と軸方向両側面の両角部に形成された円環状の切欠き部38(Oリング溝)にOリング34が装着されている。Oリング34は、ハウジング11の内周面、ハウジング11の段部26、及び外輪押え25の軸方向側面と接触して、圧力室37を密閉する。また、Oリング34は、ハウジング11、及び外輪押え25に接触しているので接触抵抗が大きく、接触抵抗によるスリーブ30の回転防止効果を高めている。
尚、その他の構成及び作用については、第1実施形態の軸受装置12と同様である。
(第8実施形態)
図15は溝形状が異なるスリーブを備える第8実施形態の軸受装置の要部断面図である。第8実施形態の軸受装置70は、第2実施形態と同様、内輪回転機構に適用され、一対のアンギュラ玉軸受24,24が定位置予圧を付与した状態で正面組合せで配置され、スリーブ30は外輪22,22の外周面とハウジング11の内周面との間に配置されている。
スリーブ30の溝部31は、各アンギュラ軸受24,24の接触角αの延長線CLがスリーブ30と交差する位置P,Pで薄肉部36,36を形成し、2つの薄肉部36,36間の圧力流体供給穴35と対向する軸方向中間部を厚く形成されている。この場合にも、接触角αの延長線CLがスリーブ30と交差する位置P,Pに薄肉部36,36が形成されているので、圧力室37に圧力流体を供給することにより、スリーブ30の薄肉部36,36を径方向内方に弾性変形させ、外輪22,22を径方向内方に押圧して重予圧を付与する。
その他の構成及び作用については、第1実施形態の軸受装置12と同様である。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態では、スリーブ30の軸方向両側部分の外周面又は内周面に一対のOリングを配置しているが、圧力室37が密閉される構造であればよく、Oリングを設けずに締め代によって密閉されてもよい。
また、本発明は、図16に示すような一対の幅狭アンギュラ玉軸受24,24を有する軸受装置75が工作機械の回転テーブル100に適用される場合にも好適に使用することができる。即ち、スリーブ30の軸方向長さは一対のアンギュラ玉軸受24,24の軸方向長さに合わせて設計される。なお、幅狭のアンギュラ玉軸受24としては、軸方向の省スペース化を図るため、軸方向断面幅をBとし、半径方向断面高さ(=(外輪外径−内輪内径)/2)をHとした場合、断面寸法比(B/H)が0.10<(B/H)<0.63のものが適用可能である。軸受24,24も上述のように軸方向で幅狭化することで、さらに回転テーブル全体が軸方向にコンパクトになり、工作機械の省スペースや、同スペースであればテーブルが省スペースになった分、最大加工可能ワークの寸法増が可能となる。
また、上記実施形態では、軸受装置が工作機械の回転テーブルに適用された例について説明したが、これに限定されず、工作機械のスピンドル装置にも同様に適用することができる。
10,100 回転テーブル装置
12,40,45,50,55,60,65,70,75 軸受装置
21 内輪
22 外輪
22a 外輪の外周面
23 玉(転動体)
24 アンギュラ軸受
30 スリーブ
31 溝部
CL 接触角の延長線
L1 一対のアンギュラ軸受の各軸方向外端面間の幅
L2 スリーブの幅
P 接触角の延長線がスリーブと交差する位置

Claims (3)

  1. 外輪、内輪、及び接触角を有して前記外輪及び前記内輪間に転動自在に配置された複数の転動体を有するアンギュラ軸受と、
    前記外輪の外周面に嵌合され、圧力流体を供給可能な溝部が径方向外側から形成されたスリーブと、
    を備え、前記圧力流体の圧力によって前記アンギュラ軸受の予圧を切換可能な軸受装置であって、
    前記アンギュラ軸受は、背面組合せ又は正面組合せされた一対のアンギュラ軸受からなり、
    前記アンギュラ軸受には、定位置予圧が予め付与され、
    前記スリーブの溝部は、前記接触角の延長線が前記スリーブと交差する位置を含むように形成され、
    前記スリーブの幅は、前記一対のアンギュラ軸受の各軸方向外端面間の幅以下であることを特徴とする軸受装置。
  2. 請求項に記載の軸受装置を備えることを特徴とする工作機械の回転テーブル。
  3. 請求項に記載の軸受装置を備えることを特徴とする工作機械のスピンドル装置。
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