JP5216522B2 - 脆性材料プライヤ - Google Patents
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Description
第1レバー2は、グリップ部5、支持部6及び先端部7を連続して有する一体の部材である。グリップ部5の端部から支持部6側にかけて、グリップカバー8が設けられている。このグリップカバー8は作業者が手を当てて作業をしやすいように設けられたものである。支持部6はグリップ部5の先端側からほぼ90°の角度で曲げられている。この支持部6のほぼ中央部には、第1レバー2が延びる方向と直交する方向に回動用の支持孔6aが形成されている。先端部7は支持部6の先端からさらに90°曲げられてグリップ部5とほぼ平行に形成されている。先端部7には、回動用支持孔6aと平行に押圧体支持孔7aが形成されている。
第2レバー3は、第1レバー2と同様に、グリップ部10、支持部11及び先端部12を連続して有する一体の部材である。グリップ部10の端部から支持部11側にかけて、グリップカバー13が設けられている。このグリップカバー13は作業者が手を当てて作業をしやすいように設けられたものである。支持部11はグリップ10の先端側から徐々に幅が拡がるように延びて形成されており、支持部11には、第1レバー2の支持孔6aと同じ位置に同じ方向で支持孔11aが形成されている。先端部12は支持部11の先端からさらに延びてグリップ部10とほぼ平行に形成されている。先端部12には、支持孔11aと平行に受け部支持孔12aが形成されている。そして、第1レバー2の支持孔6a及び第2レバー3の支持孔11aには支持ピン13が挿通しており、これにより第1レバー2と第2レバー3とは互いに回動自在となっている。
第1レバー2の先端部7にはガラス押圧体15が設けられている。ガラス押圧体15は、ガラス板Gを下方から押圧するために設けられた部分であって、図2で示すように、押圧部としての押圧プレート16aと、押圧プレート支持部17と、を有している。なお、図2は、図1の左側面図、すなわちガラスプライヤ1を先端側から見た図である。
押圧プレート16aは、スクライブラインが形成されたガラス板Gに対して、スクライブラインの溝幅よりも広い範囲で分布荷重を作用させるためのものであり、第1レバー2の長手方向(スクライブラインが形成された方向:以下、前後方向と記す)及びそれと直交する方向(スクライブラインと直交する方向:以下、左右方向と記す)に所定の幅を有している。この押圧プレート16aは、ガラスより高い剛性を有するステンレス材あるいはSK(工具鋼)材等で形成されるのが好ましいが、特にこれらの材質に限定されるものではない。なお、この実施形態では、押圧プレート16aの左右方向の幅は、第2レバー3の先端部12の幅より長く、かつ後述するガラス受け部の幅よりも短く形成されている。
押圧プレート支持部17は、押圧プレート16aを第1レバー2の先端部7に支持するためのものである。この押圧プレート支持部17は、取付部16bと、押圧軸20と、1対の下支持部材21と、を有している。
なお、取付部16b及び1対の下支持部材21の下端には、上方に向かうネジ孔が各部材の孔に貫通して形成されている。そして、図3に示すように、このネジ孔にネジ部材22を螺合し、その先端で押圧軸20を押圧することにより、取付部16b及び1対の下支持部材21が押圧軸20に対して相対回転しないように構成されている。図3は、押圧プレート支持部17を下方から見た図である。なお、押圧軸20は先端部7に形成された押圧体支持孔7aに対して回動自在になっているので、ガラス押圧体15の全体が第1レバー2の先端部7に対して回動自在となっている。
第2レバー3の先端部12には、図1及び図2から明らかなように、ガラス受け部25が設けられている。ガラス受け部25は、弾性プレート26と、弾性プレート支持部27と、を有している。
弾性プレート26は、左右方向に所定の長さで延び、ガラス板Gより低剛性の弾性変形可能な部材である。この実施形態では、弾性プレート26は左右方向において押圧プレート16aより長く、前後方向において押圧プレート16aとほぼ同じ長さに形成されている。また、この弾性プレート26はポリアセタール、塩化ビニル、ポリエチルケトン等の樹脂で形成されるのが好ましいが、特にこれらの材質に限定されるものではない。
弾性プレート支持部27は、弾性プレート26の左右方向両端部を第2レバー3に対して支持するものであり、支持軸30と、1対の上支持部材31と、を有している。
図1で示すように、第1レバー2の先端部7には、ガラス押圧体15の後方にガラス位置決め部材34が設けられている。このガラス位置決め部材34は、樹脂等により形成されたブロック状の部材であり、ネジ部材によって第1レバー2に固定されている。このガラス位置決め部材34にガラス板Gの端面を当接させることにより、ガラス板Gとガラスプライヤ1との相対位置を精度良く決めることができる。また、このガラス位置決め部材34は所定の高さを有しているので、グリップ部5,10をある程度近づけると、第2レバー3の先端部12の下面がガラス位置決め部材34に当接する。このため、両グリップ部5,10の間に一定の間隔が確保され、安全性を向上させることができる。図1は、ガラス板Gの端面がガラス位置決め部材34に当接した状態を示している。
このガラスプライヤ1は、スクライブラインが形成されたガラス板を分断する際に用いられる。スクライブラインは、脆性材料のスクライブに通常使用されるスクライビングホイールやレーザ等の照射による熱応力を利用したもの等であればよく、形成手段は限定されない。
以上のようなガラス分断動作に際して、ガラス板G下面からスクライブラインを含む所定の領域に均一な分布荷重を作用させ、さらにガラス板G上面を弾性プレート26で覆っているので、クラックの進行速度が従来の場合に比較して低くなる。すなわち、従来のように一瞬にして弾け割れるような分断ではなく、クラックがゆっくり進行していく。このため、ガラス板Gの分断面が良好になり、しかも両側のガラス分断面同士が干渉してガラス分断面に欠けや割れが生じるのを抑えることができ、ガラス分断面の品質を向上させて歩留まりを向上させることができる。
[他の実施形態1]
前記実施形態では、ガラス位置決め部材34をガラス押圧体15の後方に位置する第1レバー2の先端部7に直接装着したが、図5〜図7に示すように、ガラス位置決め部材36を第2レバー3の先端部12のガラス受け部25に装着してもよい。あるいは、第2レバー3の先端部12に直接装着してもよい。
[他の実施形態2]
前記実施形態1では、図5〜図7に示すように、ガラス位置決め部材36と弾性プレート26を別の部材で形成したが、これらを弾性部材で一体に成形したものを弾性プレート支持部27に装着してもよい。
前記実施形態では、押圧プレート16aの両端に1対の下支持部材21を設けたが、押圧プレートをより厚く形成して剛性を高めた場合には、下支持部材は1つのみ、すなわち前記実施形態における取付部のみで支持してもよい。
[他の実施形態4]
前記実施形態では、押圧プレート16aを介してガラス板Gを押圧する構成としたが、図8および図9に示すように、第1レバー2の先端部7cに装着された押圧軸20の両端に押圧軸20の軸中心周りに回動可能に軸支された1対のローラー50を介してガラス板Gを押圧する構成としてもよい。
[他の実施形態5]
前記実施形態では、押圧プレート16aを介してガラス板Gを押圧する構成としたが、図10および図11に示すように、第1レバー2の先端部7bに装着されたローラー支持部材61で一対のローラー60を介してガラス板Gを押圧する構成としてもよい。
[他の実施形態6]
前記実施形態では、1対の下支持部材21によって支持される押圧プレート16aを介してガラス板Gを押圧する構成としたが、押圧プレート16aを省略し、1対の下支持部材21を介してガラス板Gを押圧する構成としてもよい。
[他の実施形態7]
前記実施形態では、ガラス押圧体15を押圧軸20周りに回動可能な構成としたが、代わりにガラス受け部25を支持軸30の軸周りに回動可能に構成してもよい。また、ガラス押圧体15を押圧軸20周りに、ガラス受け部25を支持軸30の軸周りにともに回動可能に構成してもよい。
2 第1レバー
3 第2レバー
15 ガラス押圧体
16 押圧部
16a 押圧プレート
16b 取付部
17 押圧プレート支持部
20 押圧軸
21 下支持部材
25 ガラス受け部
26 弾性プレート
27 弾性プレート支持部
30 支持軸
31 上支持部材
34 ガラス位置決め部材
Claims (9)
- 分断溝が形成された脆性材料を分断溝に沿って分断するための脆性材料プライヤであって、
先端部に脆性材料押圧体を有するとともに後端部にグリップ部を有する第1レバーと、
前記第1レバーに回動自在に支持され、先端部に脆性材料受け部を有するとともに後端部にグリップ部を有する第2レバーと、
を備え、
前記脆性材料受け部は、前記分断溝と交差する左右方向に所定の長さで延び脆性材料より低剛性の弾性変形可能な弾性プレートと、前記弾性プレートの左右方向両端部を前記第2レバーに対して支持する弾性プレート支持部と、を有し、
前記脆性材料押圧体は脆性材料に対して前記分断溝の溝幅よりも広い分布荷重を作用させるための押圧部を有している、
脆性材料プライヤ。 - 前記押圧部は、前記弾性プレートより左右方向において短く形成されかつ分断される脆性材料よりも高剛性の押圧プレートを有し、
前記脆性材料押圧体は前記押圧プレートを前記第1レバーに対して支持するための押圧プレート支持部をさらに有している、
請求項1に記載の脆性材料プライヤ。 - 前記押圧部は左右方向において前記弾性プレートより短く形成された押圧プレートを有し、
前記脆性材料押圧体は前記押圧プレートを前記第1レバーに対して支持するための押圧プレート支持部をさらに有し、
前記押圧プレート支持部は、前記第1レバーの先端部に設けられた左右方向に延びる押圧軸と、前記押圧プレートの左右両端を支持するとともに前記押圧軸に装着された1対の支持部材と、を有する、
請求項1又は2に記載の脆性材料プライヤ。 - 前記押圧部は前記押圧軸の軸中心周りに回動可能である、請求項3に記載の脆性材料プライヤ。
- 前記押圧部の回動を所定の角度範囲内に規制するための回動規制部をさらに備えた請求項4に記載の脆性材料プライヤ。
- 前記弾性プレート支持部は、前記第2レバーの先端部に設けられた左右方向に延びる支持軸と、前記弾性プレートの左右両端を支持するとともに前記支持軸に装着された1対の支持部材と、を有する請求項1から5のいずれかに記載の脆性材料プライヤ。
- 前記弾性プレート支持部は、前記支持軸の軸中心周りに回動可能である、請求項1から6のいずれかに記載の脆性材料プライヤ。
- 前記弾性プレート支持部の回動を所定の角度範囲内に規制するための回動規制部をさらに備えた請求項1から7のいずれかに記載の脆性材料プライヤ。
- 前記第1レバーまたは前記第2レバーに設けられ、前記脆性材料受け部と前記脆性材料押圧体との間に挿入された脆性材料の位置決めを行うための脆性材料位置決め部材をさらに備えている、請求項1から8のいずれかに記載の脆性材料プライヤ。
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