JP5215734B2 - 船舶用プロペラの翼構造 - Google Patents

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本発明は、船舶用プロペラの翼構造に関し、特に、複数種類の強化繊維からなる繊維強化プラスチック複合材を用いて構成する翼構造に関する。
従来、船舶用プロペラには、海水耐食性に優れたアルミ青銅鋳物製のものが多く用いられている。
プロペラは、推進軸のボス部に取り付けたブレード(翼)を数十〜数百RPMで回転させ、推進力を得るため、ブレードには大きな荷重がかかる。一方、流体力学的特性から、プロペラ作動効率を向上させるためには、大直径低回転数化にする方が好ましい。しかしながら、大直径化によるブレードの大型化は、重量増大、さらにはプロペラを支える軸系の大型化を招く。
このような背景から、ブレードの軽量化はブレード全体の性能を向上させる上で重要な要素となっている。
また、ブレードの角度を回転数に応じて変える機構(可変ピッチ機構)は、ブレードを歯車等の機構を介して油圧装置で回転させる構造となっているため、ブレードを軽量化することによって、この可変ピッチ機構の構造の簡単化、小型化も可能となる。
近年、プロペラ効率の向上と同時に、振動抑制性能も要求されつつあるが、こうした要求に対して、現用金属製のブレードで対応するには限界があり、ブレードの軽量化と強度、振動抑制性能を達成するための材料および構造が必要とされている。
また、海水中で使用されるプロペラについては、従来から、優れた耐食性が求められており、これらを全て満たしたブレード材料の開発が必要とされている。
一方、船舶用プロペラのブレードを繊維強化プラスチック複合材によって構成して、軽量化を図る技術は、例えば、特開平11−22696号公報(特許文献1)に開示されており、該公報には、図15(a)(b)のように、翼部01と翼根フランジ部02とからなる軸流ファン03が示され、翼部01がガラス繊維強化プラスチック複合材で構成された外皮04とウレタンフォームなどの樹脂発泡体からなる内部充填材05とから構成され、翼根フランジ部02がガラス繊維強化プラスチック複合材でつくられている構成が示されている。
さらに、翼根フランジ部02には、機械加工によるボルト穴をあけて、ネジ止めと接着により固定したロータ軸への取り付け用の金属ボルト06が設けられている。さらに、特許文献1の図4には外皮04が、カーボン繊維強化プラスチック複合材とガラス繊維強化プラスチック複合材の複数層で形成される構成が示されている。
また、繊維強化プラスチック複合材からなるプロペラについては、他にも多くの特許出願があり、特開昭60−15149号公報(特許文献2)には、カーボン繊維強化エポキシ樹脂製の母材の表面にウレタンをコーティングする技術が示されている。
特開平11−22696号公報 特開昭60−15149号公報
しかしながら、前記特許文献1に示される繊維強化プラスチック複合材は、翼全体を1種類の繊維強化プラスチック複合材によって形成するもの、またカーボン繊維強化プラスチック複合材とガラス繊維強化プラスチック複合材の複数層で形成するものであり、また特許文献2はカーボン繊維強化エポキシ樹脂製の母材の表面にウレタンをコーティングするものであるので、すなわち、翼全体が1種類、または翼全体が積層構造による繊維強化プラスチック複合材製の翼構造であり、繊維強化プラスチック複合材が適用される個所に応じて強化繊維の種類や含有量を使い分けることまでは示されていない。
このため、プロペラに要求される強度、振動特性等に対して強化繊維が有している機械的、物理的特性を十分に発揮できず、プロペラの軽量化を維持しつつ、強度、振動抑制性能が十分発揮されていない。
そこで、本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、繊維強化プラスチック複合材の強化繊維の種類や含有量を、適用個所に応じて使い分けて翼を構成することによって、プロペラの軽量化を維持しつつ、強度、振動抑制性能を達成できる船舶用プロペラの翼構造を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、第1の発明は、推進軸に嵌合する翼根部と、該翼根部から半径方向に広がる翼部とを備えた船舶用プロペラの翼構造において、前記翼部は複数種類の強化繊維が組み合わされてなる繊維強化プラスチック複合材から構成され、前後方向の前端部側は高強度、高靭性を有したアラミド繊維もしくは高強度、高剛性を有したカーボン繊維の少なくとも1種類の強化繊維によって形成され、後端部側は前端部側よりも低剛性となるようにガラス繊維単独あるいはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材によって形成されることを特徴とする。
また、第2の発明は、推進軸に嵌合する翼根部と、該翼根部から半径方向に広がる翼部とを備えた船舶用プロペラの翼構造において、前記翼部は複数種類の強化繊維が組み合わされてなる繊維強化プラスチック複合材から構成され、前後方向の前端部側はガラス繊維に加えて、高強度、高靭性を有したアラミド繊維と高強度、高剛性を有したカーボン繊維とによる混合素材によって形成され、後端部側は前端部側よりも低剛性となるようにガラス繊維単独あるいはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材によって形成されることを特徴とする。
第1の発明によれば、翼部の前端部側が高強度、高靭性を有したアラミド繊維もしくは高強度、高剛性を有したカーボン繊維の少なくとも1種類の強化繊維によって形成されるため、また第2の発明によれば、翼部の前端部側がガラス繊維に加えて、高強度、高靭性を有したアラミド繊維と高強度、高剛性を有したカーボン繊維とによる混合素材によって形成されるため、プロペラの軽量化を維持しつつ流木等の漂流物へのプロペラの衝突時等における強度確保が可能となる。
また後端部側は、翼に沿った流れを整流する機能が必要となるが、強度的には前端部よりも条件が緩和されるため、ガラス繊維単独あるいはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材による強化材を用いることで整流機能が発揮されるとともに、振動減衰性能の向上が期待できる。
さらに、第1の発明または第2の発明において、好ましくは、前記強化繊維の繊維含有量を前端部側で多くするとよく、前端部側の強度および剛性が一層向上し、軽量化を維持しつつ前端部の強度および剛性が向上する。
また、第1の発明または第2の発明において、好ましくは、前記翼部は前記複数種類の強化繊維からなる繊維強化プラスチック複合材の外皮と、同外皮の内部に充填される樹脂発泡体とからなるとよい。
このように構成することによって、翼部全体の重量を一層低減でき、プロペラの大幅な小型・コンパクト化、軽量化が可能となる。
さらに、前記前端部の繊維強化プラスチック複合材が前記後端部側よりも外皮厚さが厚く形成されるとよく、このように構成すると、プロペラの大幅な小型・コンパクト化、軽量化を達成した上に、プロペラに要求される耐衝撃性および強度を確保できる。
また、第1の発明または第2の発明において、好ましくは、前記翼部は金属製の部分と前記複数種類の強化繊維からなる繊維強化プラスチック複合材との結合構造によって構成され、該金属部分を翼前端部分に設けるとよい。このように構成することによって、プロペラの前端部の強度が確実に得られる。
次に、第3の発明は、推進軸に嵌合する翼根部と、該翼根部から半径方向に広がる翼部とを備えた船舶用プロペラの翼構造において、前記翼部は複数種類の強化繊維が組み合わされた繊維強化プラスチック複合材から構成され、上下方向の翼根部側は高強度、高靭性を有したアラミド繊維もしくは高強度、高剛性を有したカーボン繊維の少なくとも1種類の強化繊維によって形成され、先端部側は翼根部側よりも低剛性となるようにガラス繊維単独あるいはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材によって形成されることを特徴とする。
また、第4の発明は、推進軸に嵌合する翼根部と、該翼根部から半径方向に広がる翼部とを備えた船舶用プロペラの翼構造において、前記翼部は複数種類の強化繊維が組み合わされてなる繊維強化プラスチック複合材から構成され、上下方向の翼根部側はガラス繊維に加えて、高強度、高靭性を有したアラミド繊維と高強度、高剛性を有したカーボン繊維とによる強化繊維の混合素材によって形成され、先端部側は翼根部側よりも低剛性となるように各繊維の含有量を変化させて形成されることを特徴とする。
第3の発明によれば、上下方向の翼根部側が高強度、高靭性を有したアラミド繊維もしくは高強度、高剛性を有したカーボン繊維の少なくとも1種類の強化繊維によって形成されるため、または第4の発明によれば、上下方向の翼根部側がガラス繊維に加えて、高強度、高靭性を有したアラミド繊維と高強度、高剛性を有したカーボン繊維とによる強化繊維の混合素材によって形成されるため、すなわち、上下方向の翼根部になるほど高強度、高靱性のアラミド繊維と高強度、高剛性を有したカーボン繊維の含有量が多くなるため、翼に作用する引っ張り応力、曲げ応力とも最大となる部分の強度が確保されて、翼の支持および取り付けが確実になる。
また、先端部側は、第3の発明によれば、翼根部側よりも低剛性となるようにガラス繊維単独あるいはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材によって形成されるため、または第4の発明によれば、翼根部側よりも低剛性となるように各強化繊維の含有量を変化させているため、すなわち、翼先端になるほど高剛性のカーボン繊維の含有量が少なくなるため、先端部側の強度条件が翼根部よりも緩和され、振動減衰性能に優れた柔軟なプロペラ構造が提供できる。その結果、翼先端部側での海水の流れがスムーズになりキャビテーション、エロージョンの発生も抑制される。
また、第3の発明または第4の発明において、好ましくは、前記翼根部には推進軸と嵌合する嵌合部が形成され、該嵌合部は前記推進軸の軸方向に形成され径方向に幅が狭まる断面形状を有した溝に、軸方向に差し込んで嵌合する形状に形成されているとよい。
このように差し込みによって翼を推進軸へ取付けることができるので、従来技術のように推進軸に形成されたフランジへのボルトによる締結構造に比べて取り付け作業が簡単化する。また、幅が狭まる断面形状の溝への差し込み構造のため翼が抜け落ちるおそれがなく、さらに、翼根部の軸方向長さの全長にわたって曲げ力を受けて推進軸に伝えるため、翼取付け強度が従来技術の推進軸のフランジへのボルトによる締結構造に比べて向上する。
そして、前記嵌合部が、翼根部と同種の繊維強化プラスチック複合材によって一体に形成されてもよく、また、前記嵌合部が、翼根部と同種の金属材料によって一体に形成されてもよい。金属材料としては、従来からプロペラ素材として実績があり耐海水性に優れているアルミニウム青銅(JIS記号:C6191)やアルミニウム青銅鋳物(JIS記号:ALBC3)等がある。
このように、嵌合部が、翼根部と同種の繊維強化プラスチック複合材によって、または嵌合部と翼根部とを金属材料で一体形成するため、嵌合部を含めた翼の製造工程を簡単化できる。
また、第3の発明または第4の発明において、好ましくは、前記金属材料によって形成された翼根部に接続される翼中間部が電気絶縁層としてのガラス繊維強化プラスチック複合材、アラミド繊維強化プラスチック複合材またはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材によるプラスチック複合材からなるとよい。
すなわち、金属材料によって形成された翼根部とカーボン繊維強化プラスチック複合材で形成された翼部が接続される境界部分には、電気絶縁層を設けるのが好ましく、電気絶縁層としては、ガラス繊維強化プラスチック複合材、アラミド繊維強化プラスチック複合材またはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材によるプラスチック複合材からなるとよい。
このように金属部とカーボン繊維強化プラスチック複合材部が接する可能性がある部分では、その間に電気絶縁層を形成することによって、金属部材側に電気化学腐食現象を生じさせないようにできる。
本発明によれば、複数種類の強化繊維を組み合わせた繊維強化プラスチック複合材によって翼を構成するとともに、強度、剛性が要求される部分にはカーボン繊維強化プラスチックを多く使用し、靭性を要求される箇所にはアラミド繊維強化プラスチックを多く使用し、さらに電気化学腐食現象の発生を防止するようにガラス繊維強化プラスチックやアラミド繊維強化プラスチックを効率よく使用して、強化繊維の種類や含有量を適用個所に応じて使い分けて、プロペラの軽量化を維持しつつ、強度、振動抑制性能を達成できる船舶用プロペラの翼構造を提供することができる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、船舶用プロペラ1の全体構成を示す斜視図である。
駆動源からの推進力が伝達される推進軸3の後端部に形成されたハブ5に複数枚の翼7が取り付けられ、該複数枚の翼7によってプロペラ1を構成している。この翼7は、図4に示すように翼7の根本部を構成する翼根部9と、該翼根部9から半径方向に広がる翼部11とからなり、翼根部9には、推進軸3のハブ5の溝15に嵌合する嵌合部13が一体に形成されている。
図2はハブ5の斜視図を示し、図3は、図1のA−A線断面図を示し、この図2、3に示すように、ハブ5の外周面には軸方向に沿って、複数本の溝15が形成され、該溝15の断面形状は径方向に幅が狭まるように略台形形状に形成されている。そして、嵌合部13は、該溝15に嵌合するように、該溝15と同様の略台形形状の断面形状を有して形成されている。また、溝15は、図2のようにハブ5の外周面に軸方向に対して傾斜し螺旋状に形成されており、その螺旋形状の溝15に沿って図2の矢印Bのように嵌合部13を軸方向に差し込んで嵌合する。また、図4に示すように嵌合部13の長さは、翼根部9の軸方向長さの全長にわたって、または、それ以上の長さを有して形成されている。
嵌合部13の断面形状を図3に示す。図3の(a)は、略台形形状に形成されている例を示し、(b)は変形例であり、台形形状の底面にさらに突起部17が設けられ、突起部17がハブ5に形成された凹部18に嵌合することで翼7の位置決めを確実にできる。(c)はさらに変形例であり、(b)の構造に対してさらに突起部17の下端両側に鍔部19が張り出して形成されている。この鍔部19によって抜け止め作用がはたらき、(a)の例に比べて位置決めおよび抜け止め作用が一層確実に得られる。
このように、差し込みによって翼7をハブ5へ取付けることができるので、従来技術のような推進軸に形成されたフランジへのボルト締結構造に比べて取り付け作業が簡単化する。
また、嵌合部13が挿入される溝15は、その溝幅が径方向外側に向かうに従って狭まる断面形状からなり、嵌合部13を該溝15へ差し込むようにして組み付ける構造のため翼7が抜け落ちるおそれがなく、さらに、嵌合部13は翼根部9の軸方向長さの全長にわたって形成され、その全長で翼7に作用する曲げ力を受けてハブ5および推進軸3に伝えるため、従来の推進軸のフランジへのボルト締結構造のようにボルト締結部分だけに結合力が集中する構造に比べて翼7の取付け強度が向上する。
図3に示すように、嵌合部13と翼根部9とは一体に、繊維強化プラスチック複合材で形成され、強化繊維がガラス繊維、カーボン繊維またはアラミド繊維からなる。カーボン繊維強化プラスチック複合材は、カーボン繊維とマトリックス樹脂(たとえばエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂など)で形成され、その強度特性は、繊維の種類(PAN系,ピッチ系)や織物の形態、樹脂、繊維含有量などで大きく変わるが、たとえば一方向のPAN系カーボン繊維強化材では、引張強度:150〜250kgf/mm、弾性率が15,000〜30,000Kgf/mmである。
このように、カーボン繊維を強化繊維とする繊維強化プラスチック複合材は、強度、剛性に優れており、プロペラ1に作用する負荷(曲げ力)に対して必要強度を十分に満たすことが可能である。
なお、カーボン繊維強化プラスチック複合材の繊維方向の熱膨張係数は、およそ−0.5〜0.5×10−6/degであり、ハブ5側の鉄系金属の11〜20×10−6/degに比べて、きわめて小さいため、熱間圧入嵌合によって組み付けても、通常温度での使用に際してプロペラ側がハブ5側に対して緩むようなことはなく、圧入嵌合による取り付けが可能である。
なお、圧入嵌合のみではなく、溝15の底面と嵌合部13の低面との間に楔を打ち込んで締結力を確保しても良い。
また、嵌合部13と翼根部9とを一体に金属材料、例えば、従来からプロペラに使用されているアルミニウム青銅で形成しても良い。この場合には、熱膨張係数は、15〜18×10−6/degであり、ハブ5側の鉄系金属の11〜20×10−6/degとほぼ同等であることから、熱間圧入嵌合、冷間圧入嵌合によって組み付けても通常の使用温度では緩むような問題は無い。
このように、嵌合部13が、翼根部9と同種のプラスチック複合材(カーボン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維およびこれらの混合素材)によって一体に形成され、または、金属材料のアルミニウム青銅によって一体に形成されているため、溝15内へ嵌合部13を容易に差し込むことで翼7を簡単に組立てることができるので、翼7の製造工程が簡素化される。
次に、翼7の構造について具体的に説明する。
(第1実施形態)
図5に第1実施形態を示す。図5は、図4のC−C線断面図を示す。
この翼7の翼部11は前後方向(幅方向)に沿って、複数種類の強化繊維が組み合させてなる繊維強化プラスチック複合材によって構成されている。
前端部側Xが高強度、高剛性を有するカーボン繊維強化プラスチック複合材21、または高靭性のアラミド繊維強化プラスチック複合材23によって形成され、後端部側Yが前端部側よりも低剛性となるようにガラス繊維強化プラスチック複合材25によって形成されている。また、中間部Zの領域では、図5のようにガラス繊維強化プラスチック複合材25、または図6のようにガラス繊維強化プラスチック複合材25とカーボン繊維強化プラスチック複合材21とを混合(積層)させた構成、またはガラス繊維強化プラスチック複合材25とアラミド繊維強化プラスチック複合材23とを混合(積層)させた構成となっている。
繊維強化プラスチック複合材は、強化繊維によって機械的特性、およびコストにおいて次の表1のような特性を有している。
Figure 0005215734
従って、翼部11の前端部側Xが高強度、高剛性のカーボン繊維、または高靭性のアラミド繊維による強化材によって形成されるので、耐衝撃性および高強度を維持できるので、繊維強化プラスチック複合材の軽量化を維持しつつ流木等の漂流物へのプロペラの衝突時等における強度確保が可能となる。
また、後端部側Yは、前端部側Xよりも低剛性となるようにガラス繊維によって形成されるので、後端部側が前端部側よりも低剛性の特性を有するため、翼に沿って流れる流体をスムーズに後方に流すことができるとともに、振動減衰特性の向上が期待できる。
また、中間部Zの領域ではガラス繊維強化プラスチック複合材25と、カーボン繊維強化プラスチック複合材21とを混合(積層)させて表層部分にはカーボン繊維強化プラスチック複合材21を配置し、またはガラス繊維強化プラスチック複合材25とアラミド繊維強化プラスチック複合材23とを混合(積層)させて表層部分にアラミド繊維強化プラスチック複合材23を配置して、それぞれ中心部側にはガラス繊維強化プラスチック複合材25を配置してもよく、このように配置すると、低コストのガラス繊維を用いるので、低コストで中程度の強度を保持した設定が可能になる。
さらに、前記のような強化繊維を選定すると共に、前端部側Xの繊維含有量を多くすることで、例えば、通常は体積含有量で40〜50%程度で、前後方向ほぼ均一に設定してあるのに対して、前端部側Xを50〜60%程度に高く設定し、中間部Z、後端部側Yを40〜50%とすることで、前端部側Xの強度および剛性を、軽量化を維持しつつ一層向上できる。
なお、一般的に、ガラス繊維強化プラスチック複合材は、材料強度的には少なくともアルミ合金と同等以上の強度および剛性を有しており、必要な強度特性に応じてガラス繊維の量および配向を調整でき、最適強度設計が可能である。また、ガラス繊維強化プラスチック複合材は、用いる樹脂を選定することによって、耐熱性、耐食性を容易に付与することができ、耐食性が求められる海水中のプロペラへの適用が容易になる。
さらに、ガラス繊維の形態は、一方向に引き揃えられた繊維布や、縦糸と横糸で形成された織物(平織りクロス)、短い繊維(ガラスチョップ)あるいはこれをマット状にしたチョップドマットが用いられるが、強度を必要とする場合は一方向クロスや平織りクロス等を多く含む構成とする。
従って、図5のように中間部Zの領域を全てガラス繊維強化プラスチック複合材25で構成する場合には、後端部側Yを構成するガラス繊維強化プラスチック複合材25とは、異なる織り構成とし、またはガラス繊維の含有量を後端部側Yより多くして、中間部Zの領域のガラス繊維強化プラスチック複合材25の剛性を、後端部側Yを構成するガラス繊維強化プラスチック複合材25よりも高くしても良い。
前端部側Xの繊維強化プラスチック複合材21、23と、中間部Zの繊維強化プラスチック複合材25と、後端部側Yの繊維強化プラスチック複合材25との製造方法は、翼型内の前後方向のそれぞれの位置において強化繊維のシートを積層にセットし、その後に、型内にバインダとなる樹脂を注入して一体として繊維強化プラスチック複合材を成形する。
また、前端部側X、中間部Z、後端部側Yをそれぞれ別々の繊維強化プラスチック複合材として製作して、それらを接着剤によって接合してもよい。この接着剤接合の場合には、接合面をインロー嵌合構造に形成し、異なる繊維強化プラスチック複合材を精度よく容易にかつ強固に接合可能なようになっている。
また、本実施形態において翼部11を前後方向に3分割してそれぞれの部位に適した強化繊維を選択したが、複数の分割であればよいことは勿論であり、さらに分割ラインとしては明確に区切られずに分割領域として徐々に繊維の種類が変化するようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、図7を参照して第2実施形態について説明する。
第1実施形態においては、前端部側Xの強化繊維、中間部Zの強化繊維、後端部側Yの強化繊維をそれぞれ1種類(図5)としたが、コストの安価なガラス繊維をベースに前端部側Xをガラス繊維に加えてアラミド繊維とカーボン繊維との混合素材による混合繊維強化プラスチック複合材K1によって構成し、中間部Zを先端部側よりも低剛性となるようにガラス繊維とアラミド繊維との混合素材、またはガラス繊維とカーボン繊維とによる混合素材による混合繊維強化プラスチック複合材K2によって構成し、後端部側Yをさらに低剛性となるようにガラス繊維単独によるガラス繊維強化プラスチック複合材25によって構成するように設定する。その他の構成については第1実施形態と同様である。
すなわち、1種類の強化繊維でなく、前端部側Xの強化繊維、中間部Zの強化繊維、後端部側Yの強化繊維をそれぞれ、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維からの組合せによる混合素材によって構成する。
混合素材による混合繊維強化プラスチック複合材を製造するには、翼型内に強化繊維シートを積層にセットする際に、種類の異なる強化繊維シートを積層にしてその後、型内にバインダとなる樹脂を注入して成形する。
かかる第2実施形態によれば、第1実施形態のように単独の強化繊維による繊維強化プラスチック複合材21、23、25で構成した場合と同様の作用効果を有するとともに、さらに、コスト的に有利な繊維材料および強度、剛性、靱性の要求に対してきめ細かい繊維材料の設定が可能になる。
(第3実施形態)
次に、図7を参照して第3実施形態について説明する。
第2実施形態の変形例であり、前端部側X、中間部Z、後端部側Yの各領域をガラス繊維とアラミド繊維とカーボン繊維との混合素材によって構成して、各繊維材の含有量を、前端部側Xにおいてはカーボン繊維とアラミド繊維がガラス繊維より高く、後端部側Yに行くに従ってカーボン繊維とアラミド繊維の量が低くなりガラス繊維の比率が高まるように設定される。
前端部側Xにおいてはカーボン繊維とアラミド繊維の含有比率がガラス繊維より高い混合繊維強化プラスチック複合材K3によって構成され、後端部側Yに行くに従ってカーボン繊維とアラミド繊維の含有比率が低くガラス繊維の比率を高めるように設定された混合繊維強化プラスチック複合材K4、K5によって構成されている。例えば、後端部側Yの混合繊維強化プラスチック複合材K5ではカーボン繊維の含有量がゼロで、ガラス繊維とアラミド繊維との混合素材、またはカーボン繊維およびアラミド繊維の含有量がゼロでガラス繊維だけとなるようにしてもよい。その他の構成については第1実施形態と同様である。
かかる第3実施形態によれば、第1実施形態のように単独の強化繊維による繊維強化プラスチック複合材21、23、25で構成した場合と同様の作用効果を有するとともに、さらに、コスト的に有利な繊維材料および強度、剛性、靱性の要求に対してきめ細かい繊維材料の設定が可能になる。
(第4実施形態)
次に、図8を参照して第4実施形態について説明する。
第1実施形態と同一の構成要素については同一符号を付して説明を省略する。図8は、翼部11が、繊維強化プラスチック複合材、または混合繊維強化プラスチック複合材からなる外皮31と、同外皮31の内部に充填される樹脂発泡体33からなることを特徴とする。
具体的には、第1実施形態の繊維強化プラスチック複合材の場合には、前端部側Xの繊維強化プラスチック複合材は、カーボン繊維強化プラスチック複合材21、またはアラミド繊維強化プラスチック複合材23によって形成され、中間部Zの繊維強化プラスチック複合材は、カーボン繊維強化プラスチック複合材21によって形成され、後端部側Yの繊維強化プラスチック複合材は、ガラス繊維強化プラスチック複合材25によって形成されている。
そして、内部の樹脂発泡体33は、ウレタンフォームによって形成されている。また、内部の充填材としては樹脂発泡体33ではなく、ガラス繊維の短繊維をマット状にしたガラスチョップを用いても良い。
以上のように構成することによって、第4実施形態では、翼部11全体の重量を一層低減できプロペラ1の大幅な小型・コンパクト化、軽量化が可能となる。
(第5実施形態)
次に、図9を参照して第5実施形態について説明する。
第1実施形態と同一の構成要素については同一符号を付して説明を省略する。図9のように、第5実施形態は、第4実施形態に対して、前端部側Xの外皮の厚さt1が後端部側Yの外皮の厚さt2より厚く形成されている。
このように、前端部側Xの外皮の厚さt1が後端部側Yの外皮の厚さt2より厚く形成されるため、前端部側の強度および剛性が向上し、プロペラ1の大幅な小型・コンパクト化、軽量化を達成した上に、異物衝突時の衝撃力による損傷を軽減することができ、プロペラ1の前端部の強度が確実に得られ、プロペラ1の耐久性を向上できる。
(第6実施形態)
次に、図10を参照して第6実施形態について説明する。
第4実施形態と同一の構成要素については同一符号を付して説明を省略する。第6実施形態は、第4実施形態に対して、前端部側Xの部分に耐衝撃性および耐食性を有する金属材料41を設けることを特徴とする。この耐衝撃性および耐食性を有する金属としては、例えばチタン系合金、コバルト系合金、鉄系合金、ニッケル系合金および銅系合金を用いる。金属部材は中間部の繊維強化プラスチック複合材に対して接着やボルト締結手段によって結合される。
このように前端部側Xの部分に耐衝撃性および耐食性を有する金属材料41を設けることによって、異物衝突時の衝撃力による損傷を軽減することができ、プロペラ1の前端部の強度が一層向上し、プロペラ1の耐久性が向上する。
(第7実施形態)
次に、図11を参照して第7実施形態について説明する。
第1〜第6実施形態は、翼部11の前後方向において強化繊維の種類、含有量を変えたものであるが、第7〜11実施形態は、翼部11の高さ方向において、繊維強化プラスチック複合材の強化繊維の種類、含有量を変えて構成したものである。
翼根部9を形成する下部層Wには嵌合部13が一体に形成され、この翼根部9と嵌合部13とは同一の高強度、高剛性を有するカーボン繊維強化プラスチック複合材51、または高強度、高靭性を有するアラミド繊維強化プラスチック複合材53で形成されている。その上部の中間層Vは、翼根部9よりも強化繊維の体積含有量を少なくしたカーボン繊維強化プラスチック複合材51、またはアラミド繊維強化プラスチック複合材53で形成され、先端部層Uは、ガラス繊維強化プラスチック複合材55によって形成されている。
すなわち、翼先端に近くなるほど高剛性のカーボン繊維の含有量が少なく、翼根部になるほど高強度、高靭性を有したアラミド繊維と高強度、高剛性を有したカーボン繊維の含有量が多くなる。
なお、翼部11の高さ方向の分割領域は3分割でなく複数であればよく、さらに分割ラインとしては明確に区切られずに分割領域として徐々に繊維の種類が変化するようにしてもよいことは勿論である。
かかる第7実施形態によれば、下部層Wが高強度、高剛性、高靭性を有した繊維強化材によって形成されるので、翼に作用する引っ張り応力、曲げ応力とも最大となる部分の強度が確保されて、翼の支持および取り付けが確実になる。
また、先端部層Uが下部層Wよりも低強度、低剛性となるようにガラス繊維を主体とした強化材によって形成されるので、先端部層Uでは翼部11に沿っての海水の流れがスムーズになり、キャビテーション、エロージョンの発生が抑制される。
(第8実施形態)
次に、図12を参照して第8実施形態について説明する。
前記第7実施形態においては、下部層Wの強化繊維、中間層Vの強化繊維、先端部層Uの強化繊維をそれぞれ1種類(図11)としたが、コストの安価なガラス繊維をベースに下部層Wをガラス繊維に加えてアラミド繊維とカーボン繊維との混合素材による混合繊維強化プラスチック複合材K6によって構成し、中間層Vを下部層Wよりも低剛性となるようにガラス繊維とアラミド繊維との混合素材、またはガラス繊維とカーボン繊維とによる混合素材による混合繊維強化プラスチック複合材K7によって構成し、先端部層Uをさらに低剛性となるようにガラス繊維単独の繊維材料によるガラス繊維強化プラスチック複合材55によって構成するように設定する。その他の構成については第7実施形態と同様である。
すなわち、1種類の強化繊維でなく、下部層Wの強化繊維、中間層Vの強化繊維、先端部層Uの強化繊維をそれぞれ、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維からの組合せによる混合素材によって構成する。
かかる第8実施形態によれば、第7実施形態のように単独の強化繊維による繊維強化プラスチック複合材51、53、55で構成した場合と同様の作用効果を有するとともに、さらに、コスト的に有利な強化繊維の設定、および強度、剛性、靱性の要求に適した細かい強化繊維の設定が可能になる。
(第9実施形態)
次に、図12を参照して第9実施形態について説明する。
第8実施形態の変形例であり、下部層W、中間層V、先端部層Uの各領域をガラス繊維とアラミド繊維とカーボン繊維との混合素材によって構成して、各繊維材の含有量を、下部層Wにおいてはカーボン繊維とアラミド繊維がガラス繊維より高く、先端部層Uに行くに従ってカーボン繊維とアラミド繊維の量が低くなりガラス繊維の比率が高まるように設定される。
下部層Wにおいてはカーボン繊維とアラミド繊維の含有比率がガラス繊維より高い混合繊維強化プラスチック複合材K8によって構成され、先端部層Uに行くに従ってカーボン繊維とアラミド繊維の含有比率が低くガラス繊維の比率を高めるように設定された混合繊維強化プラスチック複合材K9、K10によって構成されている。例えば、先端部層Uの混合繊維強化プラスチック複合材K10ではカーボン繊維の含有量がゼロで、ガラス繊維とアラミド繊維との混合素材、またはカーボン繊維およびアラミド繊維の含有量がゼロでガラス繊維だけとなるようにしてもよい。その他の構成については第7実施形態と同様である。
かかる第9実施形態によれば、第7実施形態のように単独の繊維強化材による繊維強化プラスチック複合材51、53、55で構成した場合と同様の作用効果を有するとともに、さらに、コスト的に有利な強化繊維の設定、および強度、剛性、靱性の要求に適した細かい強化繊維の設定が可能になる。
(第10実施形態)
次に、図13を参照して第10実施形態について説明する。
第10実施形態は、第7実施形態に対して、翼根部9と嵌合部13とを金属材料で一体成形した場合を示す。
金属材料としては既に説明したようにアルミニウム青銅57によって一体に形成されている。この場合には、中間層Vには、電気絶縁層としてのガラス繊維強化プラスチック複合材55、またはアラミド繊維強化プラスチック複合材53、またはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材によるプラスチック複合材から構成されている。
中間層Vをこのようなガラス繊維またはアラミド繊維による繊維強化プラスチック複合材53、55で構成することで、先端側への電気絶縁層を形成することができるため、翼部11の電食現象を防止できる。
(第11実施形態)
次に、図14を参照して第11実施形態について説明する。
第11実施形態は、前記第10実施形態に対して、翼根部9と嵌合部13とを別体構成として、翼部11全体を前記第7実施形態で説明した繊維強化プラスチック複合材で構成し、嵌合部13だけを前記第10実施形態で説明した金属材料のアルミニウム青銅57によって形成され、翼根部9と接着やボルト締結手段によって結合される。
このように構成することによって、嵌合部13とハブ5との嵌合に適した金属材料の選定が可能になり、プロペラ1のハブ5および嵌合部13の設計の自由度が向上する。
なお、以上説明した第1実施形態〜第6実施形態の翼部11の前後方向においての強化繊維の種類や含有量を変える実施形態と、第7実施形態〜第11実施形態の翼部11の高さ方向においての強化繊維の種類や含有量を変える実施形態とを組み合わせて、翼部11の全体をマトリックス的に強化繊維の種類や含有率を変えるようにしてもよいことは勿論であり、このように前後および高さ方向で強化繊維の種類や含有量や配合率を使い分けることで、一層プロペラの軽量化を維持しつつ、強度向上および振動抑制性能を向上することが可能になる。
本発明によれば、複数種類の強化繊維を組み合わせた繊維強化プラスチック複合材によって翼を構成するとともに、強度、剛性が要求される部分にはカーボン繊維強化プラスチックを多く使用し、靭性を要求される箇所にはアラミド繊維強化プラスチックを多く使用し、さらに電気化学腐食現象の発生を防止するようにガラス繊維強化プラスチックやアラミド繊維強化プラスチックを効率よく使用して、強化繊維の種類や含有量を適用個所に応じて使い分けて、プロペラの軽量化を維持しつつ、強度、振動抑制性能を達成できるので、船舶用プロペラへの適用に適している。
船舶用プロペラを示す全体斜視図である。 推進軸端のハブを示す全体斜視図である。 ハブへの翼取り付け状態を示す図1のA−A線断面図である。 嵌合部を含めた翼全体を示す斜視図である。 翼構造の第1実施形態の説明図である。 第1実施形態の中間部Zの他の例を示す説明図である。 第2、第3実施形態の説明図である。 第4実施形態の説明図である。 第5実施形態の説明図である。 第6実施形態の説明図である。 第7実施形態の説明図である。 第8、第9実施形態の説明図である。 第10実施形態の説明図である。 第11実施形態の説明図である。 従来技術の説明図である。
符号の説明
1 船舶用プロペラ
3 推進軸
5 ハブ
7 翼
9 翼根部
11 翼部
13 嵌合部
15 溝
17 突起部
19 顎部
21、51 カーボン繊維強化プラスチック複合材
23、53 アラミド繊維強化プラスチック複合材
25、55 ガラス繊維強化プラスチック複合材
31 外皮
33 樹脂発泡体
K1〜10 混合繊維強化プラスチック複合材
X 前端部側
Y 後端部側
Z 中間部
U 先端部層
V 中間層
W 下部層

Claims (11)

  1. 推進軸に嵌合する翼根部と、該翼根部から半径方向に広がる翼部とを備えた船舶用プロペラの翼構造において、
    前記翼部は複数種類の強化繊維が組み合わされてなる繊維強化プラスチック複合材から構成され、
    前後方向の前端部側はアラミド繊維もしくはカーボン繊維の少なくとも1種類の強化繊維によって形成され、後端部側は前端部側を形成する強化繊維よりも弾性率の低いガラス繊維単独あるいはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材によって形成されることを特徴とする船舶用プロペラの翼構造。
  2. 推進軸に嵌合する翼根部と、該翼根部から半径方向に広がる翼部とを備えた船舶用プロペラの翼構造において、
    前記翼部は複数種類の強化繊維が組み合わされてなる繊維強化プラスチック複合材から構成され、
    前後方向の前端部側はガラス繊維に加えて、アラミド繊維とカーボン繊維とによる混合素材によって形成され、後端部側は前端部側を形成する混合素材よりも弾性率の低いガラス繊維単独あるいはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材によって形成されることを特徴とする船舶用プロペラの翼構造。
  3. 前記強化繊維の繊維含有量を前端部側で多くしたことを特徴とする請求項1または2記載の船舶用プロペラ翼構造。
  4. 前記翼部は前記複数種類の強化繊維からなる繊維強化プラスチック複合材の外皮と、同外皮の内部に充填される樹脂発泡体とからなることを特徴とする請求項1または2記載の船舶用プロペラの翼構造。
  5. 前記前端部側の繊維強化プラスチック複合材が前記後端部側よりも外皮厚さが厚く形成されることを特徴とする請求項4記載の船舶用プロペラの翼構造。
  6. 前記翼部は金属製の部分と前記複数種類の強化繊維からなる繊維強化プラスチック複合材との結合構造によって構成され、該金属部分を翼前端部分に設けたことを特徴とする請求項1または2記載の船舶用プロペラの翼構造。
  7. 推進軸に嵌合する翼根部と、該翼根部から半径方向に広がる翼部とを備えた船舶用プロペラの翼構造において、
    前記翼部は複数種類の強化繊維が組み合わされた繊維強化プラスチック複合材から構成され、
    上下方向の翼根部側はアラミド繊維もしくはカーボン繊維の少なくとも1種類の強化繊維によって形成され、先端部側は翼根部側を形成する強化繊維よりも弾性率の低いガラス繊維単独あるいはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材によって形成されることを特徴とする船舶用プロペラの翼構造。
  8. 前記翼根部には推進軸と嵌合する嵌合部が形成され、該嵌合部は前記推進軸の軸方向に形成され径方向に幅が狭まる断面形状を有した溝に、軸方向に差し込むことで嵌合可能に形成されていることを特徴とする請求項7記載の船舶用プロペラの翼構造。
  9. 前記嵌合部が、翼根部と同種の繊維強化プラスチック複合材によって一体に形成されることを特徴とする請求項7記載の船舶用のプロペラの翼構造。
  10. 前記嵌合部が、翼根部と同種の金属材料によって一体に形成されたことを特徴とする請求項7記載の船舶用のプロペラの翼構造。
  11. 前記金属材料によって形成された翼根部に接続される翼中間部が電気絶縁層としてのガラス繊維強化プラスチック複合材、アラミド繊維強化プラスチック複合材またはガラス繊維とアラミド繊維との混合素材によるプラスチック複合材からなることを特徴とする請求項10記載の船舶用プロペラの翼構造。
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