JP2015199483A - 船舶用プロペラ - Google Patents

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山磨 敏夫
Toshio Yamama
敏夫 山磨
貴哉 櫻井
Takaya Sakurai
貴哉 櫻井
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Abstract

【課題】外部から衝撃エネルギーが加わった場合においても、強度等の特性の劣化を抑制しつつ、メンテナンス性や補修性に優れた船舶用プロペラを提供すること。【解決手段】プロペラ軸(2)に形成されたボス部(3)と、このボス部(3)から半径方向に延びる翼部(4)とを備えた船舶用プロペラ(1)において、翼部(4)に、第1の繊維強化プラスチックで構成される中核部(41)と、この中核部の外側に接着固定され、第1の繊維強化プラスチックよりも衝撃吸収性が高い第2の繊維強化プラスチック、繊維強化ゴム又はゴム単体のいずれかで構成される外周部(42)とを備える構成とした。【選択図】図3

Description

本発明は、船舶用プロペラに関し、特に、メンテナンス性、補修性や衝撃吸収性に優れた船舶用プロペラに関する。
従来、船舶用プロペラにおいては、海水耐食性に優れたアルミ青銅等の金属材料を用いて製作されたものが普及している。このような金属製プロペラにおいては、船舶の燃費向上のため、ブレードの形状変更による損失軽減や、プロペラの二重反転化による損失回収等の様々な技術開発が行われている。
一方、近年、更なるプロペラ性能の向上が期待できる材料として、繊維で強化されたプラスチック(繊維強化プラスチック)が注目されている。このような繊維強化プラスチックで製作することで、軽量化を図りつつ、高強度、高効率を可能とする船舶用プロペラが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−314598号公報
ところで、金属製プロペラにおいては、プロペラ表面に付着した海洋生物をディスクサンダーにより除去することや、海中浮遊物との接触に起因する損傷を溶接加工により補修することが行われている。しかしながら、繊維強化プラスチック製プロペラにおいては、強化繊維にダメージを与える結果、強度等の特性を劣化させ得るため、金属製プロペラと同様のメンテナンス作業や補修作業を行うことが困難である。
また、運搬時やメンテナンス作業時等において、船舶用プロペラにはプロペラ自体の落下やメンテナンス工具との接触に起因する衝撃エネルギーが加わる場合がある。これらの衝撃エネルギーは、プロペラ表面における損傷の原因となり、プロペラ自体の強度等の特性を劣化させ得る。このような衝撃エネルギーが外部から加わる場合においても、強度等の特性の劣化を抑制することができる船舶用プロペラが要請されている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、外部から衝撃エネルギーが加わった場合においても、強度等の特性の劣化を抑制しつつ、メンテナンス性や補修性に優れた船舶用プロペラを提供することを目的とする。
本発明の船舶用プロペラは、プロペラ軸に形成されたボス部と、前記ボス部から半径方向に延びる翼部とを備えた船舶用プロペラであって、前記翼部は、第1の繊維強化プラスチックで構成される中核部と、前記中核部の外側に接着固定され、前記第1の繊維強化プラスチックよりも衝撃吸収性が高い第2の繊維強化プラスチック、繊維強化ゴム又はゴム単体のいずれかで構成される外周部とを有することを特徴とする。
この構成によれば、翼部の内部に配置される中核部の外側に、中核部よりも衝撃吸収性が高い第2の繊維強化プラスチック、繊維強化ゴム又はゴム単体のいずれかで構成される外周部が配置されることから、外部から衝撃エネルギーが加わった場合においても、この衝撃エネルギーを外周部で吸収することができる。これにより、中核部が受けるダメージを防止又は最小限に抑えることができ、翼部における強度等の特性の劣化を抑制することができる。また、中核部の外側に外周部が接着固定されることから、中核部に影響を与えることなく外周部の一部又は全部を交換することができ、メンテナンス性や補修性を向上することができる。この結果、外部から衝撃エネルギーが加わった場合においても、強度等の特性の劣化を抑制しつつ、メンテナンス性や補修性に優れた船舶用プロペラを提供することが可能となる。
上記船舶用プロペラにおいて、前記外周部は、前記翼部の回転方向の前縁部、後縁部及び前記前縁部と前記後縁部との間に配置される表層部を有し、前記前縁部、後縁部及び表層部が前記翼部の半径方向の先端部で接続されることが好ましい。この構成によれば、外周部が前縁部、後縁部及び表層部に分割して構成されることから、ダメージを受けた外周部の一部(例えば、前縁部)のみを交換することができ、更にメンテナンス性や補修性を向上することができる。
例えば、上記船舶用プロペラにおいて、前記第2の繊維強化プラスチックは、強化繊維として、ガラス繊維、アラミド繊維及びポリアリレート繊維のいずれか又は2つ以上の組み合わせを含んで構成される。この構成によれば、特性の劣化の抑制及びメンテナンス性や補修性の向上に加え、第2の繊維強化プラスチックに含まれる強化繊維の種別に応じて特有のメリットを享受することができる。例えば、強化繊維としてガラス繊維が含まれる場合には、他の強化繊維と比べて材料コストが安価であることから、プロペラの製造や補修に要するコストを低減することができる。また、強化繊維としてアラミド繊維やポリアリレート繊維が含まれる場合には、他の強化繊維と比べて耐衝撃性能、耐蝕性能を有することから、キャビテーション・エロージョン耐性に優れた船舶用プロペラを提供することができる。
また、上記船舶用プロペラにおいて、前記第1の繊維強化プラスチックは、強化繊維として、カーボン繊維を含んで構成される。この構成によれば、他の強化繊維と比べて強度面及び軽さの両面で優れるカーボン繊維が第1の繊維強化プラスチックに含まれることから、強度等の特性に優れた船舶用プロペラを提供することができる。
上記船舶用プロペラにおいて、前記前縁部、後縁部及び表層部は、それぞれ複数の構成部分で構成され、各構成部分が分割して前記中核部の外周に接着固定されるようにしてもよい。この構成によれば、中核部の外周に複数の構成部分を有する前縁部、後縁部及び表層部が接着固定されることから、ダメージを受けた前縁部、後縁部及び表層部の一部のみを交換することができ、更にメンテナンス性や補修性を向上することができる。
また、上記船舶用プロペラにおいて、前記前縁部及び/又は後縁部は、前記中核部との接着箇所に凹部又は凸部を有し、前記中核部に設けられた凸部又は凹部と係合する。この構成によれば、前縁部及び/又は後縁部と中核部との接着箇所において、前縁部及び/又は後縁部に設けられた凹部又は凸部と、中核部に設けられた凸部又は凹部とが係合することから、前縁部及び/又は後縁部と中核部との接着面積を増加させることができ、これらの接着強度を向上することができる。
例えば、上記船舶用プロペラにおいて、前記繊維強化ゴムは、強化繊維として、ガラス繊維、アラミド繊維及びポリアリレート繊維、カーボン繊維、PBO繊維のいずれか又は2つ以上の組み合わせを含んで構成される。この構成によれば、特性の劣化の抑制及びメンテナンス性や補修性の向上に加え、繊維強化ゴムに含まれる強化繊維の種別に応じて特有のメリットを享受することができる。
本発明によれば、外部から衝撃エネルギーが加わった場合においても、強度等の特性の劣化を抑制しつつ、メンテナンス性や補修性に優れた船舶用プロペラを提供することが可能となる。
本実施の形態に係る船舶用プロペラの全体構成を示す斜視図である。 本実施の形態に係る船舶用プロペラの正面図である。 図2に示す一点鎖線A−Aの断面図である。 図3に示す一点鎖線B−Bに対応する翼部全体の断面図である。 本実施の形態に係る船舶用プロペラの翼部の変形例の説明図である。
以下、添付図面を参照して本実施の形態に係る船舶用プロペラについて説明する。図1は、本実施の形態に係る船舶用プロペラの全体構成を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る船舶用プロペラの正面図である。図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る船舶用プロペラ1においては、駆動源からの推進力が伝達されるプロペラ軸2に形成されるボス部3と、このボス部3から半径方向に延びる複数(本実施の形態では3枚)の翼部4とを含んで構成される。ボス部3は、プロペラ軸2の後縁部に一体的に設けられている。複数の翼部4は、ボス部3の外周部にて周方向に等間隔を空けて配置され、それぞれボス部3の外周部から径方向外側に向かって延びるように設けられている。
なお、ボス部3に設けられる翼部4の枚数及び各翼部4の平面形状は特に限定されるものではない。また、翼部4は、ボス部3と一体的に成形することができるが、これに限定されるものではない。例えば、ボス部3と各翼部4とを別部材として成形しておき、ボス部3に設けた嵌合溝に対して各翼部4の翼根部を嵌合させることで一体化するようにしてもよい。
また、本実施の形態に係る船舶用プロペラ1は、翼部4のピッチが固定される固定ピッチ式のプロペラや、翼部4のピッチが可変とされる可変ピッチ式のプロペラの双方に適用することができる。なお、可変ピッチ式のプロペラにおいては、手動で翼部4のピッチを調整するものと、環境に応じて自動的に翼部4のピッチを調整するものが含まれる。以下においては、説明の便宜上、本実施の形態に係る船舶用プロペラ1が固定ピッチ式のプロペラに適用されるものとする。
本実施の形態に係る船舶用プロペラ1において、翼部4は、翼部4内部に配置される部分を第1の繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)で構成すると共に、翼部4の外周部分を第1の繊維強化プラスチックよりも衝撃吸収性が高い第2の繊維強化プラスチック、繊維強化ゴム又はゴム単体のいずれかで構成することにより、外部から衝撃エネルギーが加わった場合においても、船舶用プロペラ1における強度等の特性の劣化を抑制しつつ、メンテナンス性や補修性を改善するものである。なお、以下においては、説明の便宜上、翼部4の外周部分を構成する繊維強化ゴム及びゴム単体を総称する場合に「繊維強化ゴム等」と呼ぶものとする。
以下、本実施の形態に係る船舶用プロペラ1が有する翼部4の内部構成について図3を参照しながら説明する。図3は、図2に示す一点鎖線A−Aの断面図である。図3においては、船舶の前進時における船舶用プロペラ1の回転方向の前方側を図3に示す左方側とし、回転方向の後方側を図3に示す右方側とする。なお、図3に示す翼部4の形状は一例を示したものであり、その形状を限定するものではない。また、図3において、翼部4を構成する部材は、理解を容易にするために模式的に示しており、その厚み等は相対的な厚みの相違を示すものではない。各部材の厚みは適宜設定される。
図3に示すように、翼部4は、翼部4の内部に配置される中核部41と、この中核部41の外側に配置される外周部42とを含んで構成される。中核部41は、第1の繊維強化プラスチックで構成され、外周部42は、この第1の繊維強化プラスチックよりも衝撃吸収性が高い第2の繊維強化プラスチック、繊維強化ゴム又はゴム単体のいずれかで構成される。ここで、中核部41及び外周部42を構成する繊維強化プラスチックは、炭素(カーボン)繊維などの強化繊維を、母材となる樹脂(プラスチック)の中に入れて強度を向上させた複合材料を指す。また、外周部42を構成する繊維強化ゴムは、炭素(カーボン)繊維などの強化繊維を、母材となるゴム(エラストマー)の中に入れて強度を向上させた複合材料を指す。
中核部41を構成する第1の繊維強化プラスチックは、例えば、強化繊維として、カーボン繊維を含んで構成される。この場合には、他の強化繊維と比べて強度面及び軽さの両面で優れるカーボン繊維を含むカーボン繊維強化プラスチックで中核部41が構成されることから、強度等の特性に優れ、極めて信頼性の高い翼部4(船舶用プロペラ1)を提供することができる。
一方、外周部42を構成する第2の繊維強化プラスチックは、例えば、強化繊維として、ガラス繊維、アラミド繊維及びポリアリレート繊維のいずれか又は2つ以上の組み合わせを含んで構成される。これらの場合、外周部42は、ガラス繊維強化プラスチック、アラミド繊維強化プラスチック、ポリアリレート繊維強化プラスチックのいずれか又はこれらの複合繊維強化プラスチックで構成される。また、外周部42を構成する繊維強化ゴムは、例えば、強化繊維として、ガラス繊維、アラミド繊維及びポリアリレート繊維、カーボン繊維、PBO(Poly(p-phenylene-2,6-benzobisoxazole))繊維のいずれか又は2つ以上の組み合わせを含んで構成される。なお、第2の繊維強化プラスチック又は繊維強化ゴムを構成する強化繊維の種別については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
例えば、外周部42がガラス繊維強化プラスチックで構成される場合には、他の強化繊維と比べて材料コストが安価であることから、船舶用プロペラ1の製造や補修に必要なコストを低減することができる。また、外周部42がアラミド繊維強化プラスチックやポリアリレート繊維強化プラスチックで構成される場合には、他の強化繊維と比べて耐衝撃性能、耐蝕性能を有することから、キャビテーション・エロージョン耐性に優れた船舶用プロペラ1を提供することができる。さらに、外周部42がガラス繊維及びアラミド繊維の複合繊維強化プラスチックで構成される場合等には、補修コスト等を低減しつつ、キャビテーション・エロージョン耐性に優れた船舶用プロペラ1を提供することができる。ガラス繊維、アラミド繊維及びポリアリレート繊維のいずれか又は2つ以上の組み合わせを含む繊維強化ゴムについても同様である。
本実施の形態に係る船舶用プロペラ1において、中核部41は、前端部(図3に示す左方側端部)及び後端部(図3に示す右方側端部)に、翼部4の回転方向と直交する方向に延在する平坦面が設けられている。前方側の平坦面の面積は、後方側の平坦面よりも大きく構成されている。中核部41は、概して前端部から後端部に向かって徐々に肉厚が薄くなる形状を有している。より具体的にいうと、図3に示す中核部41の下面は略水平方向に延在する一方、図3に示す中核部41の上面は後方側に向かって徐々に下方側に延出する形状を有している。
一方、外周部42は、翼部4の回転方向の前縁部421、後縁部422及びこれらの前縁部421と後縁部422との間に配置される表層部423とから構成される。前縁部421は、中核部41の前方側の平坦面に対向して配置され、翼部4の回転方向の前方側の一部(中核部41の前方側の平坦面より前方側の部分)を構成している。一方、後縁部422は、中核部41の後方側の平坦面に対向して配置され、翼部4の回転方向の後方側の一部(中核部41の後方側の平坦面より後方側の部分)を構成している。
表層部423は、図3に示す翼部4の上方側に配置される表層部423aと、翼部4の下方側に配置される表層部423bとを有する。これらの表層部423a、423bは、翼部4の表面に層状に構成され、それぞれ中核部41の上面及び下面に沿って設けられている。これらの表層部423a、423bの前端部は、中核部41の前方側の平坦面よりも外側に配置される前縁部421の一部に接続される。一方、これらの表層部423a、423bの後端部は、中核部41の後方側の平坦面よりも外側に配置される後縁部422の一部に接続される。
外周部42を構成する前縁部421及び後縁部422は、図4に示すように、翼部4の半径方向の先端部424で接続されている。また、図4では示されていないが、外周部42を構成する表層部423(423a、423b)も同様に、翼部4の半径方向の先端部424にて外周部42の他の構成部分と接続されている。すなわち、外周部42の全ての構成部分は、翼部4の先端部424近傍で接続されている。このため、中核部41の前端部、後端部及び先端部(径方向の先端部)は、外周部42により覆われた状態となっている。
以上のように構成された本実施の形態に係る船舶用プロペラ1を搭載する船舶が航走すると、海中浮遊物との接触に起因して翼部4の表面に損傷が発生する事態が生じ得る。また、運搬時やメンテナンス作業時等においては、プロペラ自体の落下やメンテナンス工具との接触に起因する衝撃エネルギーが加わる事態が生じ得る。しかしながら、本実施の形態に係る船舶用プロペラ1においては、強度を有するカーボン繊維強化プラスチックで構成された中核部41の周囲に、カーボン繊維強化プラスチックよりも衝撃吸収性が高いガラス繊維強化プラスチックや繊維強化ゴム等で構成された外周部42が接着されている。このため、外部から衝撃エネルギーが加わった場合においても、この衝撃エネルギーをガラス繊維強化プラスチックや繊維強化ゴム等で吸収することができる。これにより、中核部41が受けるダメージを防止又は最小限に抑えることができ、翼部4における強度等の特性の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施の形態に係る船舶用プロペラ1においては、中核部41の外側に外周部42が接着固定されることから、外部から衝撃エネルギーが加わることにより、外周部42の一部がダメージを受けた場合には、中核部41に影響を与えることなく外周部42の一部又は全部を交換することができる。このため、繊維強化プラスチックで船舶用プロペラ1を構成する場合においても、中核部41にダメージを与えることなく翼部4のメンテナンス作業や補修作業を行うことができ、メンテナンス性や補修性を向上することが可能となる。なお、ダメージを受けた外周部42の一部を交換する際には、その部分を除去しその除去部分に同一の繊維強化プラスチックや繊維強化ゴム等を接着することや、当初と異なる繊維強化プラスチックや繊維強化ゴム等を接着することが含まれる。繊維強化ゴム等を接着する際には、未加硫ゴムを中核部41の表面に配置し加硫して接着することや、加硫ゴムを中核部41の表面に二次接着することが行われる。
特に、本実施の形態に係る船舶用プロペラ1においては、外周部42が、翼部4の回転方向の前縁部421、後縁部422及び表層部423を有し、これらの前縁部421、後縁部422及び表層部423が翼部4の半径方向の先端部424で接続されている。このように外周部42が前縁部421、後縁部422及び表層部423に分割して構成されることから、ダメージを受けた外周部42の一部(例えば、前縁部421)のみを交換することができ、更にメンテナンス性や補修性を向上することができる。
また、本実施の形態に係る船舶用プロペラ1において、中核部41をカーボン繊維強化プラスチックで構成する一方、外周部42をガラス繊維強化プラスチックや繊維強化ゴム等で構成する場合には、カーボン繊維強化プラスチックと金属部品との接触に起因する電食現象を防止することができる。カーボン繊維強化プラスチックは通電性を有するため、金属部品と接触していると電位差が生じることとなり、その接触箇所の金属部品を腐食(電食)させる事態が生じ得る。しかしながら、本実施の形態のように外周部42をガラス繊維強化プラスチックや繊維強化ゴム等で構成することにより、このような電食現象の発生を回避することができる。
なお、上記実施の形態においては、外周部42の前縁部421及び後縁部422との接着箇所において、中核部41が平坦面を有する場合について示している。しかしながら、中核部41の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。外周部42の前縁部421及び後縁部422との接着強度を向上すべく、前縁部421及び後縁部422と中核部41との接着面積を増加させることは実施の形態として好ましい。
図5は、本実施の形態に係る船舶用プロペラ1の翼部4の変形例の説明図である。図5においては、図3と同様の翼部4の断面を示している。なお、図5において、上記実施の形態と共通する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。図5に示す翼部4においては、中核部41における前縁部421及び後縁部422との接着箇所に凸部411(図5A〜図5C)又は凹部412(図5D)を設ける場合について示している。
図5A〜図5Cにおいては、中核部41に凸部411が設けられる一方、前縁部421及び後縁部422にこの凸部411と係合する凹部421a、422aが設けられている。これらの場合には、前縁部421及び後縁部422と中核部41との接着箇所において、凸部411と凹部421a、422aとが係合することから、前縁部421及び後縁部422と中核部41との接着面積を増加させることができ、これらの接着強度を向上することができる。
一方、図5Dにおいては、中核部41に凹部412が設けられる一方、前縁部421及び後縁部422にこの凹部412と係合する凸部421b、422bが設けられている。この場合においても、前縁部421及び後縁部422と中核部41との接着箇所において、凹部412と凸部421b、422bとが係合することから、前縁部421及び後縁部422と中核部41との接着面積を増加させることができ、これらの接着強度を向上することができる。
また、上記実施の形態においては、外周部42が前縁部421、後縁部422及び表層部423(423a、423b)を含んで構成され、それぞれが中核部41の外周に接着固定される場合について示している。しかしながら、外周部42の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、これらの前縁部421、後縁部422及び表層部423(423a、423b)を複数の構成部分で構成し、各構成部分を個別に中核部41の外周に接着固定することもできる。例えば、前縁部421を図3に示す上下方向に2分割することや、表層部423aを図3に示す左右方向に2分割することが考えられる。この場合には、外部からの衝撃エネルギー等に起因してダメージを受けた前縁部421、後縁部422及び表層部423の一部分のみにメンテナンス作業や補修作業(例えば、交換作業)を施すことができ、更にメンテナンス性や補修性を向上することができる。この場合、特にダメージを受けやすい構成部分を、他の構成部分と分割して配置しておくことが好ましい。
なお、これらのように前縁部421、後縁部422及び表層部423(423a、423b)を複数の構成部分で構成する場合には、各構成部分と中核部41との接着強度を確保することが重要になる。このため、これらの場合には、図5に示したような態様にて接着強度を向上すべく、中核部41と前縁部421、後縁部422及び表層部423(423a、423b)との間の接着面積を増加させることが好ましい。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、繊維強化プラスチックや繊維強化ゴムを構成する強化繊維の織り方や配交方向については特に説明していない。しかしながら、繊維強化プラスチックや繊維強化ゴムをコーティングする際、制振性能を含むプロペラ性能の向上を実現する上で強化繊維の織り方や配交方向を適切に選択することは実施の形態として好ましい。例えば、強化繊維の織り方としては、繊維を平織りしたクロス材、一軸方向に繊維を配列しその軸方向に強度の高い一軸方向材及び一軸方向材を直交に重ね合わせステッチングした多軸材を選択することができる。また、強化繊維を積層する場合には、これらの強化繊維材を疑似等方になるように積層することができる。
また、中核部41の外周に外周部42を接着固定する際、翼部4(中核部41)の部位に応じて外周部42の厚みを変更することは実施の形態として好ましい。特に、2つ以上の強化繊維を組み合わせる場合、翼部4(中核部41)の部位に応じて強化繊維を変更することは実施の形態として好ましい。これらの場合には、翼部4の特定の部位におけるメンテナンス性や補修性を改善することが可能となる。
例えば、制振性能を向上する場合には、翼部4の肉厚が薄い箇所の振動を抑制することが好ましい。この場合、翼部4の肉厚が薄い箇所に制振性能に優れるポリアリレート繊維(ベクトラン繊維)を配置することが考えられる。また、キャビテーション・エロージョン耐性を向上する場合には、その影響を受けやすい翼部4の先端部近傍に耐衝撃性能に優れるアラミド繊維を配置することが考えられる。
また、上記の実施の形態においては、翼部4の中核部41の外周に第2の繊維強化プラスチックや繊維強化ゴム等を配置する場合(コーティングする場合)について説明している。しかしながら、第2の繊維強化プラスチックや繊維強化ゴム等をコーティングする対象については、これに限定されるものではなく、その他の部位を対象としてもよい。例えば、翼部4及びボス部3の両方をコーティングすることや、ボス部3のみをコーティングするようにしてもよい。また、翼部4及びボス部3の両方をコーティングする場合には、翼部4を第2の繊維強化プラスチック(例えば、GFRP)でコーティングし、ボス部3を繊維強化ゴム等でコーティングすることもできる。
以上説明したように、本発明は、外部から衝撃エネルギーが加わった場合においても、強度等の特性の劣化を抑制しつつ、メンテナンス性や補修性を向上できるという効果を有し、特に、繊維強化プラスチック製の船舶用プロペラに有用である。
1 船舶用プロペラ
2 プロペラ軸
3 ボス部
4 翼部
41 中核部
411 凸部
412 凹部
42 外周部
421 前縁部
421a、422a 凹部
421b、422b 凸部
422 後縁部
423、423a、423b 表層部
424 先端部

Claims (7)

  1. プロペラ軸に形成されたボス部と、前記ボス部から半径方向に延びる翼部とを備えた船舶用プロペラであって、
    前記翼部は、第1の繊維強化プラスチックで構成される中核部と、前記中核部の外側に接着固定され、前記第1の繊維強化プラスチックよりも衝撃吸収性が高い第2の繊維強化プラスチック、繊維強化ゴム又はゴム単体のいずれかで構成される外周部とを有することを特徴とする船舶用プロペラ。
  2. 前記外周部は、前記翼部の回転方向の前縁部、後縁部及び前記前縁部と前記後縁部との間に配置される表層部とを有し、前記前縁部、後縁部及び表層部が前記翼部の半径方向の先端部で接続されることを特徴とする請求項1記載の船舶用プロペラ。
  3. 前記第2の繊維強化プラスチックは、強化繊維として、ガラス繊維、アラミド繊維及びポリアリレート繊維のいずれか又は2つ以上の組み合わせを含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の船舶用プロペラ。
  4. 前記第1の繊維強化プラスチックは、強化繊維として、カーボン繊維を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の船舶用プロペラ。
  5. 前記前縁部、後縁部及び表層部は、それぞれ複数の構成部分で構成され、各構成部分が分割して前記中核部の外周に接着固定されることを特徴とする請求項2記載の船舶用プロペラ。
  6. 前記前縁部及び/又は後縁部は、前記中核部との接着箇所に凹部又は凸部を有し、前記中核部に設けられた凸部又は凹部と係合することを特徴とする請求項2記載の船舶用プロペラ。
  7. 前記繊維強化ゴムは、強化繊維として、ガラス繊維、アラミド繊維及びポリアリレート繊維、カーボン繊維、PBO繊維のいずれか又は2つ以上の組み合わせを含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の船舶用プロペラ。
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