JP2007170328A - 風力発電用風車翼およびその製造方法 - Google Patents

風力発電用風車翼およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の翼部材によれば、軽量かつ高剛性を有し、飛来物等による衝突に対しても破損しにくい安全性に優れた翼部材とその低コストな製造方法を提供する。
【解決手段】炭素繊維強化樹脂からなる表皮材と該表皮材よりもかさ密度の小さいコア材で構成される翼部材であって、少なくとも翼部材の前縁部長手方向全長の90%以上にわたって引張破断歪ε(%)が10〜500の範囲内である該表皮材のマトリックス樹脂とは異なる樹脂層により覆われていることを特徴とする風力発電用風車翼。
【選択図】図1

Description

本発明は、風力発電用風車翼に好適なFRP製翼部材とその製造方法に関する。
翼部材はその断面が流線型を有し、これにより流体の流れを効果的に制御する機能を発現する。一般に航空機や自動車用のリアスポイラに代表される水平翼および垂直翼、航空機、ヘリコプターおよび船舶等のプロペラ翼、送風機のタービン翼や、攪拌機の翼、風力発電用の風車翼などに用いられる。これらの例のように、翼部材は移動体に固定されて使用されたり、またはそれ自身が回転したりすることで、流体の流れを制御する機能を利用されることが多い。
そのため、翼部材は軽量であることが求められる。すなわち、翼部材を含めた装置全体の軽量化や翼部材の慣性力低減により装置の構造や動力の軽装化に寄与するためである。
また、翼部材は流体から圧力を受けるため、破壊や変形に耐え得る十分な強度と剛性を有することが必要不可欠である。これは、翼本体またはその一部の破損、飛散を防止するうえで重要な要件である。
従来、翼部材としてアルミ、チタン等の金属材料が用いられてきたが、軽量化かつ高剛性の要求から金属と比較して軽量で、かつ高強度、高剛性である繊維強化樹脂(以降、FRPと略す)が使用されるようになった。さらに近年では、高強度、高剛性を確保しつつ、さらなる軽量化を達成するため、FRPの表皮材と該表皮材に囲まれたコア材として密度の小さい樹脂やハニカム構造を充填するサンドイッチ構造が提案されている。
例えば、特許文献1には、強化樹脂製の表皮層で囲まれた翼内部に主桁を配置し、前縁側において繊維を連続させたことを特徴とする風力発電機用プロペラ翼を提案している。このプロペラ翼では、翼内部に主桁が配置されているため、翼自体の長手方向の強度および剛性は向上しているが、飛来物等の衝突により前縁部にクラックが入り、翼が破損、飛散する危険性を孕むものであった。また、密度が高い桁材料を翼内部に使用しているため、十分な軽量性を達成していない。
また、特許文献2には、前縁部分をNiにより保護被覆したプロペラ翼が提案されているが、翼表面に密度の高い金属を用いているため十分な軽量性を得ることができない。
また、特許文献3には、ポリオレフィン系樹脂延伸シートよりなる翼状断面の表層と、該表層に囲繞されている空間に充填されている、低密度弾性体よりなる芯材からなる風力発電用風車翼が提案されている。この風車翼は前縁部に飛来物等が衝突した際、破損する心配が少ないものの、絶対的な剛性に欠けるために、発電効率の向上には限界がある。
特開平13−165033号公報 特開平3−24290号公報 特開平16−316466号公報
そこで本発明の課題は、上記のような現状に鑑み、軽量かつ高剛性で、飛来物等による衝突に対しても破損しにくい安全性に優れた風力発電用風車翼部材およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。すなわち、
(1)炭素繊維強化樹脂からなる表皮材と該表皮材よりもかさ密度の小さいコア材で構成される翼部材であって、少なくとも翼部材の前縁部長手方向全長の90%以上にわたって引張破断歪ε(%)が10〜500の範囲内である該表皮材のマトリックス樹脂とは異なる樹脂層により覆われていることを特徴とする風力発電用風車翼。
(2)前記樹脂層が熱可塑性樹脂成分を含有し、該熱可塑性樹脂成分の重量含有率W(%)が50%以上であることを特徴とする前記(1)に記載の風力発電用風車翼。
(3)前記樹脂層の厚みT1と前記表皮材の厚みT2との比T1/T2が0.01〜1の範囲内であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の風力発電用風車翼。
(4)前記樹脂層の密度ρ1と前記表皮材の密度ρ2との比ρ1/ρ2が0.1〜1の範囲内であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の風力発電用風車翼。
(5)翼部材全面が前記樹脂層により覆われていることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の風車翼。
(6)前記樹脂層と翼部材とが全面で結合されていることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の風力発電用風車翼。
(7)全長が2m以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の風力発電用風車翼。
(8)前記表皮材中に前縁端部には炭素繊維端部を含まないことを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の風力発電用風車翼。
(9)かさ密度0.05〜1.0g/cmのコア材周囲に炭素繊維プリプレグを配置して翼部材の形状を形成し、少なくとも該翼部材の形状の前縁部の長手方向全長の90%以上にわたって、引張破断歪ε(%)が10〜500の範囲内である樹脂シートを配置し、ホットプレス法、または、オートクレーブ法により加熱加圧成形する風力発電用風車翼の製造方法。
(10)かさ密度0.05〜1.0g/cmのコア材周囲に炭素繊維織物を配置して翼部材の形状を形成し、少なくとも該翼部材の形状の前縁部の長手方向全長の90%以上にわたって、引張破断歪ε(%)が10〜500の範囲内である樹脂シートを配置した成形前駆体を用い、RTM法により成形する風力発電用風車翼の製造方法。
(11)前記樹脂シートが熱可塑製樹脂フィルムであることを特徴とする前記(9)または(10)いずれかに記載の風力発電用風車翼の製造方法。
本発明の翼部材によれば、軽量かつ高剛性を有し、飛来物等による衝突に対しても破損しにくい安全性に優れた翼部材とその低コストな製造方法を提供できる。
以下、本発明を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施態様に係る翼部材を示す斜視図である。図2は図1におけるA−A断面図、図3は図1のB−B断面図である。効率的に翼部材の剛性を向上させ、軽量化を図るためには表皮材の剛性強化が好ましい。本発明では図3のように炭素繊維強化樹脂(CFRP)からなる表皮材2と表皮材2(CFRP)よりもかさ密度の小さいコア材3で翼部材1を構成している。このような構成を採ることにより、表皮材2がコア材3を包含することにより翼部材内部への水分や異物の混入を防止できるとともに、応力集中を低減できるために翼部材1の耐久性向上が図れる。CFRPとしては、その強化繊維は、炭素繊維に加えガラス繊維、有機高弾性率繊維(例えば、米国デュポン(株)社製のポリアラミド繊維“ケブラー”)、アルミナ繊維、シリコンカーバイド繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維等の高強度、高弾性率繊維を含んでも良い。また、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ビニロン繊維等の合成繊維、さらには、有機天然繊維も併用でき、それぞれの強化繊維を単独または複数組み合わせを併用してもよい。少なくとも、高い剛性と軽量性を両立するために、弾性率と密度との比である比弾性率が高い炭素繊維を50%以上含むことが必要である。炭素繊維としては、例えばポリアクリロニトリル(PAN系)、ピッチ系、セルロース系、炭化水素による気相成長系炭素繊維、黒鉛繊維等を用いることができ、これらを2種類以上併用してもよい。中でも、強度と剛性とのバランスに優れるPAN系炭素繊維を含むことが好ましい。また強化繊維形態は連続繊維や不連続繊維のものを使用でき、両者を組み合わせてもよいが、中でも、一方向に引き揃えられた炭素繊維や織物が剛性と軽量性を両立する上でより好ましい。さらに、表皮材2中において前縁端部には炭素繊維が端部を含まないことが好ましい。ここで、前縁端部とは、図3(図1のB−B断面図)における左端の最も曲率の大きい点を中心とする幅5mmの領域をいう。かかる領域内に炭素繊維の端部がないこと(すなわち炭素繊維シートとしてみた場合の継ぎ目がないこと)により、回転時のねじり方向の荷重に対する剛性が向上するため、発電効率が向上し、フラッタリングによる振動音を抑制できる。
表皮材2に用いられるCFRPのマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を使用することができる。具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、シアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂等があるが、これらに特に限定されるものではない。エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で熱または光や電子線などの外部からのエネルギーにより硬化して、少なくとも部分的に三次元硬化物を形成する樹脂が好ましく使用できる。
コア材3は、剛性を保持したまま軽量化を達成するために表皮材2よりもかさ密度の小さい材料を使用する必要がある。好ましくは、その主成分が樹脂からなり、構造内部に空隙を多数供えた構造を有する樹脂多孔材料が良い。空隙は発泡剤が発泡したものでも良いし、中空ガラスビーズ等を多数含んだシンタクティックコアでも良い。樹脂としては熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を使用することができる。例えば、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等があり、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、HIPS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル樹脂、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルイミドやポリメタクリルイミド等のイミド樹脂、さらには各種エラストマー類等がある。これらは、単独で使用しても良いし、複数を混合して使用しても良い。
樹脂層4は、引張破断歪ε(%)が10〜500の範囲内である表皮材2のマトリックス樹脂と異なる樹脂を使用する必要がある。引張破断歪が上記範囲内である樹脂層4を適用したことにより、樹脂層の伸びが大きいために小石、鳥といった飛来物等の衝突によりクラックが発生したり、翼部材1が破損、飛散するのを防止することができる。樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、シアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートや塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、樹脂変性フェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、HIPS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルイミドやポリメタクリルイミド等のイミド樹脂、さらにはエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1‐ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体、エチレン/一酸化炭素/ジエン共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸グリシジル、エチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエーテルエーテルエラストマー、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、ポリエステルアミドエラストマー、ポリエステルエステルエラストマー等の各種エラストマー類等の熱可塑性樹脂等を使用できる。これらは、単独で使用しても良いし複数を混合して使用しても良いが、引張破断歪が高い熱可塑性樹脂成分の重量含有率W(%)が50%以上であることが好ましい。50未満であると翼表面を保護するのに十分な引張破断歪が確保できず、飛来物等が衝突した場合に翼部材1が破損する可能性があるからである。飛来物等は前縁部に衝突する可能性が最も高いため、少なくとも前縁部5(翼が風を切る側の面であり、図3における左端の前縁端部の最も曲率の大きい点から右端の後縁側に向かって、翼断面全周長の10〜50%の範囲内である領域)は、全長の90%以上にわたって樹脂層4で覆われていることが好ましく、翼部全面が樹脂層4で覆われていることがより好ましい。さらに、同様の理由から翼部全面が樹脂層4で覆われている場合には、前記前縁部5の領域が、他の部分より樹脂層が厚いことが好ましい。ここで覆われているとは樹脂層4が表皮材2の外層側の先に示した領域に結合されていることをいう。具体的には、樹脂層4がボルト締結といった方法で、一部で結合されていてもよく、好ましくは、接着剤による接合や融着といった方法で樹脂層4と表皮材2が全面で結合されていることがよい。これは、翼全面を引張破断歪の高い樹脂で表面保護し、翼部材1と一体化することで飛来物や鳥等の衝突による破損をより防止でき、翼部材1の内部への水分や異物の混入を防止できるからである。さらに、樹脂層4は厚みT1と前記表皮材2の厚みT2との比T1/T2が0.01〜1の範囲内であり、樹脂層4の密度ρ1と表皮材2の密度ρ2との比ρ1/ρ2が0.1〜1の範囲内であることが好ましい。T1/T2が0.01以上であると衝突に対してさらに十分な耐久性を確保できる。ただし、1より大きいと重量増加により発電効率が低下することから1以下であることが好ましい。同様にρ1/ρ2が0.1以上であると衝突に対するより十分な耐久性を確保できる。T1/T2と同様、1ρ1/ρ2においても、上限は重量増加による発電効率が低下の観点から設定される。
本発明の風車翼は翼全長が2m以下であることが好ましい。一般的に、翼全長が2m以下の高速回転型の風車は翼が高速回転であるため、衝突によるクラックが発生する危険性が大きいため、表面を耐久性の高い樹脂層で保護することによる効果が大きい。また、熱可塑性樹脂組成物によって樹脂層4を形成する際に、賦形型や加熱、加圧可能な成形設備が必要となることがあり、翼本体と一体化しようとすると、現実的には型と成形機の大きさに限界があり、上記範囲の翼全長とすることで、過大な設備費用を必要とせず生産性の面から適当である。翼全長の下限は、一般産業用途として活用しうる製品形状から鑑みて20cm以上であることが好ましい。
本発明の風車翼の用途としては、特に限定しないが、水平軸型プロペラ風車として用いられることが好ましい。この方式では、回転による翼の長手軸方向への遠心力、曲げ荷重、さらにねじり荷重や振動など、複数の外力が同時に付加されるために、軽量性と剛性のバランスに優れることが重要である。したがって、均質な材料を用いた翼構造ではそれぞれの荷重に対してバランスの良い構造設計が困難である。それに対して、本発明の風車翼は構造設計の自由度が高い。さらに水平軸型プロペラ風車として用いられる場合には、定格運転時の周速比が10〜20の範囲内の高速回転型の風車翼として用いられることが好ましい。高速回転時には当然ながら大きな荷重が付加されるために、軽量性に優れ、高い強度と剛性が必要となり、本発明の風車翼を適用することは好ましい。特に小型風車のように、市街地などで使用される風車に本発明の風車翼を適用した場合には、飛来物等の衝突や鳥、人が翼に接触した際に翼表面(特に前縁部5)が破損、飛散する可能性を低減することができるため特に好ましい。
次に、本発明の風車翼をなす翼部材1の製造方法としては、炭素繊維の強度を最大限に発現させ、高強度、高剛性の翼部材1を得るために、ホットプレス、オートクレーブおよびRTMといった加熱加圧成形法を用いることが好ましい。ホットプレス成形法を用いた場合、炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させたシート状のプリプレグ(中間基材)をかさ密度0.05〜1.0g/cmコア材周囲に配置して翼部材の形状を形成し、少なくとも翼部材1の前縁部5の長手方向全長の90%以上の領域に引張破断歪ε(%)が10〜500の範囲内である樹脂シートを配置した成形前駆体を予めプレス機に備え付けた金型内にセットし、加熱または非加熱下でプレスすることによりマトリックス樹脂の硬化を促し翼部材1を製造することができる。オートクレーブ成形法を用いる場合は、ホットプレス成形法と同手順で得られる成形前駆体を金型にセットし、オートクレーブを用いて圧力を負荷することによりマトリックス樹脂を硬化させ翼部材1を製造することができる。また、RTM成形法を用いる場合とは、織物やマット状物などの炭素繊維からなる基材をかさ密度0.05〜1.0g/cmコア材周囲に配置して翼部材の形状を形成し、少なくとも翼部材1の前縁部5の長手方向全長の90%以上の領域に引張破断歪ε(%)が10〜500の範囲内である樹脂シートを配置した成形前駆体を金型内にセットし、未硬化の樹脂を圧入して加熱または非加熱で賦形、硬化することで製造することができる。樹脂シートには、幅10〜500mm、長さ500〜2000mmのサイズに裁断した熱可塑性樹脂を含浸したプリプレグ、樹脂不織布、フィルム状の樹脂等を適宜選択して用いることができるが、中でもフィルム状の樹脂が好ましい。これは、前縁部を隙間無く完全に樹脂層で保護した成形体が比較的容易に製造できるからである。
本発明の翼部材は、風力発電用風車翼に好適であるが、航空機や自動車用スポイラーの水平翼、航空機、ヘリコプターや船舶のプロペラなどにも応用することができるがその応用範囲がこれらに限られるものではない。
本発明の一実施態様に係る翼部材を示す斜視図である。 図1のA−A断面を示す断面図である。 図1のB−B断面を示す断面図である。
符号の説明
1:翼部材
2:表皮材
3:コア材
4:樹脂層
5:前縁部
6:後縁部

Claims (11)

  1. 炭素繊維強化樹脂からなる表皮材と該表皮材よりもかさ密度の小さいコア材で構成される翼部材であって、少なくとも翼部材の前縁部長手方向全長の90%以上にわたって引張破断歪ε(%)が10〜500の範囲内である該表皮材のマトリックス樹脂とは異なる樹脂層により覆われていることを特徴とする風力発電用風車翼。
  2. 前記樹脂層が熱可塑性樹脂成分を含有し、該熱可塑性樹脂成分の重量含有率W(%)が50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の風力発電用風車翼。
  3. 前記樹脂層の厚みT1と前記表皮材の厚みT2との比T1/T2が0.01〜1の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の風力発電用風車翼。
  4. 前記樹脂層の密度ρ1と前記表皮材の密度ρ2との比ρ1/ρ2が0.1〜1の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の風力発電用風車翼。
  5. 翼部材全面が前記樹脂層により覆われていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の風車翼。
  6. 前記樹脂層と翼部材とが全面で結合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の風力発電用風車翼。
  7. 全長が2m以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の風力発電用風車翼。
  8. 前記表皮材中に前縁端部には炭素繊維端部を含まないことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の風力発電用風車翼。
  9. かさ密度0.05〜1.0g/cmのコア材周囲に炭素繊維プリプレグを配置して翼部材の形状を形成し、少なくとも該翼部材の形状の前縁部の長手方向全長の90%以上にわたって、引張破断歪ε(%)が10〜500の範囲内である樹脂シートを配置し、ホットプレス法、または、オートクレーブ法により加熱加圧成形する風力発電用風車翼の製造方法。
  10. かさ密度0.05〜1.0g/cmのコア材周囲に炭素繊維織物を配置して翼部材の形状を形成し、少なくとも該翼部材の形状の前縁部の長手方向全長の90%以上にわたって、引張破断歪ε(%)が10〜500の範囲内である樹脂シートを配置した成形前駆体を用い、RTM法により成形する風力発電用風車翼の製造方法。
  11. 前記樹脂シートが熱可塑製樹脂フィルムであることを特徴とする請求項9または10のいずれかに記載の風力発電用風車翼の製造方法。
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