JP4981613B2 - 衝撃吸収部材 - Google Patents

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Description

本発明は、衝撃吸収部材に関し、例えば、航空機等の航行体や、自動車等の走行体に適用して好適な衝撃吸収部材に関するものである。
航空機等の航行体(移動体)や、自動車等の走行体(移動体)に適用され、かつ、破壊モードに移行するまでの間に生じる過大な初期反力立ち上がりを抑制する衝撃吸収能力を備えた衝撃吸収部材としては、例えば、特許文献1に開示されたエネルギー吸収部材が知られている。
特許第3360871号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されたエネルギー吸収部材では、厚さ方向中心部位の繊維強化樹脂層の強化繊維が、エネルギー吸収軸方向に対して90°±15°の範囲内の方向に延びている。そのため、このエネルギー吸収部材に軸方向に沿って荷重が加わると、厚さ方向中心部位の繊維強化樹脂層自体および、この繊維強化樹脂層に隣接して配置された繊維強化樹脂層との間がそれぞれ軸方向にわたって容易に破壊が進展してしまい、自己破壊を進展させるときにエネルギー吸収部材が受け持つ荷重が大幅に低下してしまい、結果として、エネルギー吸収量が大幅に低下してしまうといった問題点があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる自己破壊の初期荷重のピーク値を制御することができるとともに、所望のエネルギー吸収量を確保することができる衝撃吸収部材を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る衝撃吸収部材は、初期破壊生成を担う先端部と衝撃吸収部材本体部で構成され、衝撃を受けた際に、自己破壊により前記衝撃を吸収する、複数の繊維強化樹脂層からなる衝撃吸収部材であって、先端部における少なくとも一つの繊維強化樹脂層の強化繊維が、エネルギー吸収軸方向に対して10°以上の角度差を持って配向されているとともに、前記先端部以外の衝撃吸収部材本体部が、前記先端部よりも、エネルギー吸収軸方向の強度、弾性率が高く、衝撃吸収部材本体部の少なくとも一つの繊維強化樹脂層は、先端部と共有する層で構成されている。
本発明に係る衝撃吸収部材によれば、エネルギー吸収軸方向に沿って初期破壊を誘発する荷重が加わった場合、自己破壊の初期において、衝撃吸収本体部よりも軸方向に強度の弱い先端部が先に破壊に至り、つづいて、自己破壊の中期および終期において、衝撃吸収部材本体部が破壊に至ることとなる。すなわち、本発明に係る衝撃吸収部材によれば、例えば、図4に示すように、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる初期荷重のピーク値を制御することができる。言い換えれば、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができる。
また、本発明に係る衝撃吸収部材によれば、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値は、衝撃吸収部材を構成する繊維強化樹脂複合材の組成(すなわち、強化繊維の材料および樹脂の材料)を変えたり、先端部を衝撃吸収部材の一端部または他端部もしくは両端部に設けるかによって、あるいは先端部の長さL1(図3参照)を調整したりすることによって、所望の値に自由に設定することができる。
さらに、先端部における少なくとも一つの繊維強化樹脂層の強化繊維が、エネルギー吸収軸方向に対して90°±45°の範囲内で配置し、同一繊維強化樹脂層内の衝撃吸収部材本体部における強化繊維の方向を0°±45°の範囲内で配置することにより、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値をさらに細かく設定することができて、衝撃吸収部材の設計自由度をさらに拡げることができる。
本発明に係る衝撃吸収部材は、初期破壊生成を担う先端部と衝撃吸収部材本体部で構成され、衝撃を受けた際に、自己破壊により前記衝撃を吸収する、複数の繊維強化樹脂層からなり、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる自己破壊の初期荷重のピーク値を制御する衝撃吸収部材であって、先端部が、エネルギー吸収軸方向に沿って圧潰しようとする荷重を徐々に加えていき、その変位が、所望の値になったところで荷重による圧潰を停止させることによって形成された破壊部とされている。
本発明に係る衝撃吸収部材によれば、エネルギー吸収軸方向に沿って初期破壊を誘発する荷重が加わった場合、自己破壊の初期において、衝撃吸収本体部よりも軸方向に強度の弱い先端部が先に破壊に至り、つづいて、自己破壊の中期および終期において、衝撃吸収部材本体部が破壊に至ることとなる。すなわち、本発明に係る衝撃吸収部材によれば、例えば、図4に示すように、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる初期荷重のピーク値を制御することができる。言い換えれば、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができる。
また、本発明に係る衝撃吸収部材によれば、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値は、衝撃吸収部材を構成する繊維強化樹脂複合材の組成(すなわち、強化繊維の材料および樹脂の材料)を変えたり、先端部を衝撃吸収部材の一端部または他端部もしくは両端部に設けるかによって、あるいは先端部の長さL2(図5参照)を調整したりすることによって、所望の値に自由に設定することができる。
本発明に係る衝撃吸収部材は、初期破壊生成を担う先端部と衝撃吸収部材本体部で構成され、衝撃を受けた際に、自己破壊により前記衝撃を吸収する、複数の繊維強化樹脂層からなり、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる自己破壊の初期荷重のピーク値を制御する衝撃吸収部材であって、先端部が、周方向内側または周方向外側に突出しつつ強化繊維が局所的に蛇行する蛇行部、あるいは周方向の内部に強化繊維が局所的に蛇行する蛇行部とされている。
本発明に係る衝撃吸収部材によれば、エネルギー吸収軸方向に沿って初期破壊を誘発する荷重が加わった場合、自己破壊の初期において、衝撃吸収本体部よりも軸方向に強度の弱い先端部が先に破壊に至り、つづいて、自己破壊の中期および終期において、衝撃吸収部材本体部が破壊に至ることとなる。すなわち、本発明に係る衝撃吸収部材によれば、例えば、図4に示すように、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる初期荷重のピーク値を制御することができる。言い換えれば、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができる。
また、本発明に係る衝撃吸収部材によれば、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値は、衝撃吸収部材を構成する繊維強化樹脂複合材の組成(すなわち、強化繊維の材料および樹脂の材料)を変えたり、先端部を衝撃吸収部材の一端部または他端部もしくは両端部に設けるかによって、あるいは先端部の長さL3(図6参照)を調整したりすることによって、所望の値に自由に設定することができる。
本発明に係る衝撃吸収部材は、初期破壊生成を担う先端部と衝撃吸収部材本体部で構成され、衝撃を受けた際に、自己破壊により前記衝撃を吸収する、複数の繊維強化樹脂層からなり、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる自己破壊の初期荷重のピーク値を制御する衝撃吸収部材であって、先端部が、隣接する繊維強化樹脂層間に離型成分を有する離型部とされている。
本発明に係る衝撃吸収部材によれば、エネルギー吸収軸方向に沿って初期破壊を誘発する荷重が加わった場合、自己破壊の初期において、衝撃吸収本体部よりも軸方向に強度の弱い先端部が先に破壊に至り、つづいて、自己破壊の中期および終期において、衝撃吸収部材本体部が破壊に至ることとなる。すなわち、本発明に係る衝撃吸収部材によれば、例えば、図4に示すように、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる初期荷重のピーク値を制御することができる。言い換えれば、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができる。
また、本発明に係る衝撃吸収部材によれば、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値は、衝撃吸収部材を構成する繊維強化樹脂複合材の組成(すなわち、強化繊維の材料および樹脂の材料)を変えたり、先端部を衝撃吸収部材の一端部または他端部もしくは両端部に設けるかによって、あるいは先端部の長さL4(図7参照)を調整したりすることによって、所望の値に自由に設定することができる。
本発明に係る耐衝撃性構造部材は、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができる衝撃吸収部材を複数本備えている。このような耐衝撃性構造部材の例としては、ヘリコプター・航空機等の航行体や陸上の走行体の床構造が挙げられる。
本発明に係る耐衝撃性構造部材によれば、追突時あるいは墜落時の衝撃が、優れた衝撃エネルギー吸収能力を有する衝撃吸収部材によって吸収されることとなるので、万が一追突あるいは墜落等が起こって不慮の衝撃を受けた場合でも、搭乗者の生存を高い確率で確保することができる。
本発明に係る移動体は、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができる耐衝撃性構造部材を備えている。
本発明に係る移動体によれば、追突時あるいは墜落時の衝撃が、優れた衝撃エネルギー吸収能力を有する耐衝撃性構造部材によって吸収されることとなるので、万が一追突あるいは墜落等が起こって不慮の衝撃を受けた場合でも、搭乗者の生存を高い確率で確保することができる。
本発明によれば、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる自己破壊の初期荷重のピーク値を制御することができるとともに、所望のエネルギー吸収量を確保することができるという効果を奏する。
以下、本発明に係る衝撃吸収部材の第1実施形態について、図1から図4を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る衝撃吸収部材を具備したヘリコプターの胴体部骨格構造を示す斜視図、図2は本発明に係る衝撃吸収部材の概略全体斜視図、図3は図2のa−a矢視断面図、図4は本発明の衝撃吸収部材にかかる衝撃荷重と変位との関係を示すグラフである。
さて、本発明に係る衝撃吸収部材(「衝撃吸収チューブ」ともいう。)は、例えば、図1に示すようなヘリコプター(回転翼航空機)1の床構造2に適用され得るものである。
本実施形態に係る衝撃吸収部材3は、例えば、図2に示すような中空角柱(本実施形態では四角柱)状の外観を呈するものであり、例えば、強化繊維(例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維(ケブラー(登録商標)等)、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維等からなる強化繊維に、樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリイミド樹脂等)を予め含有させたシート状のプリプレグを必要な枚数(本実施形態では7枚)積層した後、図示しない加熱炉(オートクレーブ)内において加圧成形させた繊維強化樹脂複合材で作られている。
衝撃吸収部材3は、エネルギー吸収軸方向(以下、「軸方向」という。)における端部(一端部(上端部)および/または他端部(下端部))を構成する先端部(「イニシエータ部」ともいう。「イニシエータ部」とは、破壊の起点となる部分のことをいう。)3aと、それ以外の部分を構成する衝撃吸収部材本体部(以下、「本体部」という。)3bとを備えている。
図2に示すように、先端部3aは、周方向にわたって、衝撃吸収部材3の先(末)端(図2に示すようなチャンファー加工(45°テーパ加工:面取り加工)が施されていないものでは先端面)から本体部3bの側(本体部3bの中央側)に長さL1(例えば、5mm〜10mm)だけ設けられている。
先端部3aを構成する繊維強化樹脂複合材は、例えば、図3に示すような、強化繊維(図示せず)が軸方向に対して+45°傾斜して配列された+45°繊維強化樹脂層4、強化繊維が軸方向(図3において上下方向)に対して90°傾斜して(直交するように)配列された90°繊維強化樹脂層5、強化繊維が軸方向に対して−45°傾斜して配列された−45°繊維強化樹脂層6、90°繊維強化樹脂層5、−45°繊維強化樹脂層6、90°繊維強化樹脂層5、+45°繊維強化樹脂層4が順次積層されたものである。
一方、本体部3bを構成する繊維強化樹脂複合材は、例えば、図3に示すような、強化繊維が軸方向(図3において上下方向)に対して+45°傾斜して配列された+45°繊維強化樹脂層4、強化繊維が軸方向に沿って配列された(すなわち、軸方向に対して傾斜しないように配列された)0°繊維強化樹脂層7、強化繊維が軸方向に対して−45°傾斜して配列された−45°繊維強化樹脂層6、0°繊維強化樹脂層7、−45°繊維強化樹脂層6、0°繊維強化樹脂層7、+45°繊維強化樹脂層4が順次積層されたものである。
本実施形態に係る衝撃吸収部材3によれば、軸方向に沿って荷重が加わった場合、自己破壊の初期において、本体部3bよりも軸方向に強度の弱い先端部3aが先に破壊に至り、つづいて、自己破壊の中期および終期において、本体部3bが破壊に至ることとなる。すなわち、本実施形態に係る衝撃吸収部材3によれば、図4に示すように、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる初期荷重のピーク値を制御することができる。言い換えれば、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができる。
また、本実施形態に係る衝撃吸収部材3によれば、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値は、衝撃吸収部材3を構成する繊維強化樹脂複合材の組成(すなわち、強化繊維の材料および樹脂の材料)を変えたり、先端部3aを衝撃吸収部材3の一端部または他端部もしくは両端部に設けるかによって、あるいは先端部3aの長さL1を調整したりすることによって、所望の値に自由に設定することができる。
例えば、衝撃吸収部材3に軸方向に動的条件で荷重を加えて(圧潰)破壊試験を行った結果、ある繊維強化樹脂複合材で構成された衝撃吸収部材3では、荷重均一比(初期ピーク荷重(kN)を平均荷重(kN)で除した値):0.84〜0.87という試験結果を得ることができた。
また、別の繊維強化樹脂複合材で構成された衝撃吸収部材3では、荷重均一比:0.76〜1.04という試験結果を得ることができた。
なお、本実施形態では、先端部3aが+45°繊維強化樹脂層4、90°繊維強化樹脂層5、−45°繊維強化樹脂層6、90°繊維強化樹脂層5、−45°繊維強化樹脂層6、90°繊維強化樹脂層5、+45°繊維強化樹脂層4からなるものを一具体例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、90°繊維強化樹脂層5の代わりに、強化繊維(図示せず)が軸方向に対して+45°〜+90°あるいは−45°〜−90°傾斜して配列された90°±45°繊維強化樹脂層、90°±15°繊維強化樹脂層、90°±5°繊維強化樹脂層、あるいは90°±1°繊維強化樹脂層等を適宜必要に応じて使用することもできる。
また、90°繊維強化樹脂層5の代わり使用することができるのは、90°±45°繊維強化樹脂層、90°±15°繊維強化樹脂層、90°±5°繊維強化樹脂層、90°±1°繊維強化樹脂層に限定されるものではなく、90°±45°の範囲内であればいかなるものであってもよい。
これにより、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値をさらに細かく設定することができて、衝撃吸収部材3の設計自由度をさらに拡げることができる。
さらに、本実施形態では、本体部3bが+45°繊維強化樹脂層4、0°繊維強化樹脂層7、−45°繊維強化樹脂層6、0°繊維強化樹脂層7、−45°繊維強化樹脂層6、0°繊維強化樹脂層7、+45°繊維強化樹脂層4からなるものを一具体例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、0°繊維強化樹脂層7の代わりに、強化繊維(図示せず)が軸方向に対して0°〜+45°あるいは0°〜−45°傾斜して配列された0°±45°繊維強化樹脂層、0°±15°繊維強化樹脂層、0°±5°繊維強化樹脂層、あるいは0°±1°繊維強化樹脂層等を適宜必要に応じて使用することもできる。
また、0°繊維強化樹脂層7の代わり使用することができるのは、0°±45°繊維強化樹脂層、0°±15°繊維強化樹脂層、0°±5°繊維強化樹脂層、0°±1°繊維強化樹脂層に限定されるものではなく、0°±45°の範囲内であればいかなるものであってもよい。
これにより、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値をさらに細かく設定することができて、衝撃吸収部材3の設計自由度をさらに拡げることができる。
本発明に係る衝撃吸収部材の第2実施形態について、図2、図4、および図5を参照しながら説明する。
図5は本発明に係る衝撃吸収部材の第2実施形態を示す図であって、図3と同様の図である。
なお、図5において、上述した第1実施形態と同じ部材には、同じ符号を付している。
本実施形態に係る衝撃吸収部材10は、例えば、図2に示すような中空角柱(本実施形態では四角柱)状の外観を呈するものであり、例えば、強化繊維(例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維(ケブラー(登録商標)等)、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維等からなる強化繊維に、樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリイミド樹脂等)を予め含有させたシート状のプリプレグを必要な枚数(本実施形態では7枚)積層した後、図示しない加熱炉(オートクレーブ)内において加圧成形させた繊維強化樹脂複合材で作られている。
衝撃吸収部材10は、軸方向における端部(一端部(上端部)および/または他端部(下端部))を構成する先端部(「イニシエータ部」あるいは「破壊部」ともいう。)10aと、それ以外の部分を(構成)する衝撃吸収部材本体部(以下、「本体部」という。)10bとを備えている。
図5に示すように、先端部10aは、周方向にわたって、衝撃吸収部材10の先(末)端(図5に示すようなチャンファー加工(45°テーパ加工:面取り加工)が施されていないものでは先端面)から本体部10bの側(本体部10bの中央側)に長さL2(例えば、2mm〜5mm)だけ設けられている。
衝撃吸収部材10(すなわち、先端部10aおよび本体部10b)を構成する繊維強化樹脂複合材は、例えば、図5に示すような、強化繊維が軸方向(図5において上下方向)に対して+45°傾斜して配列された+45°繊維強化樹脂層11、強化繊維が軸方向に沿って配列された(すなわち、軸方向に対して傾斜しないように配列された)0°繊維強化樹脂層12、強化繊維が軸方向に対して−45°傾斜して配列された−45°繊維強化樹脂層13、0°繊維強化樹脂層12、−45°繊維強化樹脂層13、0°繊維強化樹脂層12、+45°繊維強化樹脂層11が順次積層されたものである。
また、先端部10aは、熱硬化性樹脂が硬化した後に、静的試験機(図示せず)を用いて軸方向に沿って初期破壊を誘発する荷重を徐々に加えていき、その変位が、2mm〜5mm(先端部10aが一端部または他端部に設けられている場合)または4mm〜10mm(先端部10aが両端部に設けられている場合)の範囲内で、かつ、所望の値になったところで静的試験機を停止させることによって形成された部分である。そして、この先端部10aには、破壊された部分(すなわち、チャンファーが潰れて、層間が剥がれた(層間剥離した)部分)が形成されていることとなる。
本実施形態に係る衝撃吸収部材10によれば、軸方向に沿って荷重が加わった場合、自己破壊の初期において、本体部10bよりも軸方向に強度の弱い先端部10aが先に破壊に至り、つづいて、自己破壊の中期および終期において、本体部10bが破壊に至ることとなる。すなわち、本実施形態に係る衝撃吸収部材10によれば、図4に示すように、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる初期荷重のピーク値を制御することができる。言い換えれば、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができる。
また、本実施形態に係る衝撃吸収部材10によれば、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値は、衝撃吸収部材10を構成する繊維強化樹脂複合材の組成(すなわち、強化繊維の材料および樹脂の材料)を変えたり、先端部10aを衝撃吸収部材10の一端部または他端部もしくは両端部に設けるかによって、あるいは先端部10aの長さL2を調整したりすることによって、所望の値に自由に設定することができる。
例えば、衝撃吸収部材10に軸方向に動的条件で荷重を加えて(圧潰)破壊試験を行った結果、ある繊維強化樹脂複合材で構成された衝撃吸収部材10では、荷重均一比(初期ピーク荷重(kN)を平均荷重(kN)で除した値):1.16という試験結果を得ることができた。
本発明に係る衝撃吸収部材の第3実施形態について、図2、図4、および図6を参照しながら説明する。
図6は本発明に係る衝撃吸収部材の第3実施形態を示す図であって、図3および図5と同様の図である。
なお、図6において、上述した実施形態と同じ部材には、同じ符号を付している。
本実施形態に係る衝撃吸収部材20は、例えば、図2に示すような中空角柱(本実施形態では四角柱)状の外観を呈するものであり、例えば、強化繊維(例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維(ケブラー(登録商標)等)、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維等からなる強化繊維に、樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリイミド樹脂等)を予め含有させたシート状のプリプレグを必要な枚数(本実施形態では7枚)積層した後、図示しない加熱炉(オートクレーブ)内において加圧成形させた繊維強化樹脂複合材で作られている。
衝撃吸収部材20は、軸方向における端部(一端部(上端部)および/または他端部(下端部))を構成する先端部(「イニシエータ部」あるいは「蛇行部」ともいう。)20aと、それ以外の部分を構成する衝撃吸収部材本体部(以下、「本体部」という。)20bとを備えている。
図6に示すように、先端部20aは、周方向にわたって、衝撃吸収部材20の先(末)端から本体部20bの側(本体部20bの中央側)に長さL3(例えば、2mm)の局所的な位置に先端部20aの内周端が位置するように設けられている。
衝撃吸収部材20(すなわち、先端部20aおよび本体部20b)を構成する繊維強化樹脂複合材は、例えば、図6に示すような、強化繊維が軸方向(図6において上下方向)に対して+45°傾斜して配列された+45°繊維強化樹脂層11、強化繊維が軸方向に沿って配列された(すなわち、軸方向に対して傾斜しないように配列された)0°繊維強化樹脂層12、強化繊維が軸方向に対して−45°傾斜して配列された−45°繊維強化樹脂層13、0°繊維強化樹脂層12、−45°繊維強化樹脂層13、0°繊維強化樹脂層12、+45°繊維強化樹脂層11が順次積層されたものである。
また、先端部20aは、+45°繊維強化樹脂層11、0°繊維強化樹脂層12、−45°繊維強化樹脂層13を順次積層していく前に、周方向にわたってプリプレグ(本実施形態では直径1mmのコヨリ状のプリプレグ)21を予め配置しておき、つぎにこのプリプレグの外側(外方)に、+45°繊維強化樹脂層11、0°繊維強化樹脂層12、−45°繊維強化樹脂層13、0°繊維強化樹脂層12、−45°繊維強化樹脂層13、0°繊維強化樹脂層12、+45°繊維強化樹脂層11を順次積層していくことによって軸方向の蛇行を局所的に形成された部分である。
本実施形態に係る衝撃吸収部材20によれば、軸方向に沿って荷重が加わった場合、自己破壊の初期において、本体部20bよりも軸方向に強度の弱い先端部20aが先に破壊に至り、つづいて、自己破壊の中期および終期において、本体部20bが破壊に至ることとなる。すなわち、本実施形態に係る衝撃吸収部材20によれば、図4に示すように、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる初期荷重のピーク値を制御することができる。言い換えれば、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができる。
また、本実施形態に係る衝撃吸収部材20によれば、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値は、衝撃吸収部材20を構成する繊維強化樹脂複合材の組成(すなわち、強化繊維の材料および樹脂の材料)を変えたり、先端部20aを衝撃吸収部材20の一端部または他端部もしくは両端部に設けるかによって、あるいは先端部20aの長さL3を調整したりすることによって、所望の値に自由に設定することができる。
例えば、衝撃吸収部材20に軸方向に動的条件で荷重を加えて(圧潰)破壊試験を行った結果、ある繊維強化樹脂複合材で構成された衝撃吸収部材20では、荷重均一比(初期ピーク荷重(kN)を平均荷重(kN)で除した値):0.89という試験結果を得ることができた。
本発明に係る衝撃吸収部材の第4実施形態について、図2、図4、図7、および図8を参照しながら説明する。
図7は本発明に係る衝撃吸収部材の第4実施形態を示す図であって、図3、図5、および図6と同様の図、図8は本実施形態に係る衝撃吸収部材の作製方法を説明するためのフローチャートである。
なお、図7において、上述した実施形態と同じ部材には、同じ符号を付している。
本実施形態に係る衝撃吸収部材30は、例えば、図2に示すような中空角柱(本実施形態では四角柱)状の外観を呈するものであり、例えば、強化繊維(例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維(ケブラー(登録商標)等)、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維等からなる強化繊維に、樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリイミド樹脂等)を予め含有させたシート状のプリプレグを必要な枚数(本実施形態では7枚)積層した後、図示しない加熱炉(オートクレーブ)内において加圧成形させた繊維強化樹脂複合材で作られている。
衝撃吸収部材30は、軸方向における端部(一端部(上端部)および/または他端部(下端部))を構成する先端部(「イニシエータ部」あるいは「離型部」ともいう。)30aと、それ以外の部分を構成する衝撃吸収部材本体部(以下、「本体部」という。)30bとを備えている。
図7に示すように、先端部30aは、周方向にわたって、衝撃吸収部材30の先(末)端から本体部30bの側(本体部30bの中央側)に長さL4(例えば、5mm〜10mm)だけ設けられている。
衝撃吸収部材30(すなわち、先端部30aおよび本体部30b)を構成する繊維強化樹脂複合材は、例えば、図7に示すような、強化繊維が軸方向(図7において上下方向)に対して+45°傾斜して配列された+45°繊維強化樹脂層11、強化繊維が軸方向に沿って配列された(すなわち、軸方向に対して傾斜しないように配列された)0°繊維強化樹脂層12、強化繊維が軸方向に対して−45°傾斜して配列された−45°繊維強化樹脂層13、0°繊維強化樹脂層12、−45°繊維強化樹脂層13、0°繊維強化樹脂層12、+45°繊維強化樹脂層11が順次積層されたものである。
また、先端部30aには、+45°繊維強化樹脂層11、0°繊維強化樹脂層12、−45°繊維強化樹脂層13を順次積層していく度に、図8に示すような処理(離型処理)が施されることとなる。
すなわち、(1)ピールプライ(例えば、ポリエステル製のクロス)に離型剤(例えば、Henkel社の「FREKOTE 44NC」(商品名))を塗布し、(2)このピールプライに塗布された離型剤を完全に揮発させる。(3)そして、離型剤が完全に揮発したピールプライを衝撃吸収部材30の内周側に位置する一の繊維強化樹脂層(例えば、+45°繊維強化樹脂層11)の先端部30aの上に積層(レイアップ)し、(4)つづいて、デバルク(一の繊維強化樹脂層とピールプライを密着させるために空気を抜く作業)を行い、離型成分を一の繊維強化樹脂層に転写する。(5)ピールプライを除去した後、次の繊維強化樹脂層(例えば、0°繊維強化樹脂層12)を一の繊維強化樹脂層の上に積層する。以後、この作業を所定回数(本実施形態では6回)繰り返し行う。
本実施形態に係る衝撃吸収部材30によれば、軸方向に沿って荷重が加わった場合、自己破壊の初期において、本体部30bよりも軸方向に強度の弱い先端部30aが先に破壊に至り、つづいて、自己破壊の中期および終期において、本体部30bが破壊に至ることとなる。すなわち、本実施形態に係る衝撃吸収部材30によれば、図4に示すように、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる初期荷重のピーク値を制御することができる。言い換えれば、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができる。
また、本実施形態に係る衝撃吸収部材30によれば、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値は、衝撃吸収部材30を構成する繊維強化樹脂複合材の組成(すなわち、強化繊維の材料および樹脂の材料)を変えたり、先端部30aを衝撃吸収部材30の一端部または他端部もしくは両端部に設けるかによって、あるいは先端部30aの長さL4を調整したりすることによって、所望の値に自由に設定することができる。
例えば、衝撃吸収部材30に軸方向に動的条件で荷重を加えて(圧潰)破壊試験を行った結果、ある繊維強化樹脂複合材で構成された衝撃吸収部材30では、荷重均一比(初期ピーク荷重(kN)を平均荷重(kN)で除した値):1.04〜1.28という試験結果を得ることができた。
さらに、本発明に係るヘリコプター1の床構造2は、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができる、上述した衝撃吸収部材3,10,20,30のいずれかを備えている。
したがって、万が一墜落等が起こって不慮の接地衝撃を受けた場合でも、墜落等による不慮の接地衝撃は、優れた衝撃エネルギー吸収能力を有する衝撃吸収部材によって吸収されることとなるので、搭乗者の生存を高い確率で確保することができる。
さらにまた、本発明に係るヘリコプター1は、自己破壊の初期に発生する有害な初期荷重のピーク値を除去できるとともに、自己破壊の中期および終期における衝撃荷重を一定期間にわたって保持することができて、一定荷重(例えば、平均荷重近傍)で破壊を進展させることができるヘリコプター1の床構造2を備えている。
したがって、万が一墜落等が起こって不慮の接地衝撃を受けた場合でも、墜落等による不慮の接地衝撃は、優れた衝撃エネルギー吸収能力を有するヘリコプター1の床構造2によって吸収されることとなるので、搭乗者の生存を高い確率で確保することができる。
なお、本発明に係る衝撃吸収部材は、ヘリコプター1の床構造2のみに適用され得るものではなく、その他の用途、例えば、固定翼航空機の床構造や自動車のバンパー等の耐衝撃性構造部材にも適用することができる。
また、本発明に係る耐衝撃性構造部材は、ヘリコプター1のみに適用され得るものではなく、その他の用途、例えば、固定翼航空機や自動車等の移動体にも適用することができる。
さらに、本発明に係る衝撃吸収部材の外観形状は、図2に示したような中空角柱形状に限定されるものではなく、例えば、円筒の頂部を円錐状あるいは球面状に形成した円筒の他に、角筒、円錐、角錐、円錐台、角錐台、あるいは、横断面が楕円の筒、さらにはフランジ部を備えた円筒(又は角筒)等の筒状形状としてもよい。また、筒状形状以外に、例えば、円柱、角柱の柱形状とするようにしてもよい。さらに、一個の部材から構成するようにしてもよいが、これに限定されるものではなく、複数の部材を重ねて、あるいは組み合わせて構成するようにしてもよい。さらにまた、その側面(外周面)に湾曲部を有するようなものであってもよい。
さらにまた、第2実施形態から第4実施形態においては、衝撃吸収部材10,20,30が、+45°繊維強化樹脂層4、0°繊維強化樹脂層7、−45°繊維強化樹脂層6、0°繊維強化樹脂層7、−45°繊維強化樹脂層6、0°繊維強化樹脂層7、+45°繊維強化樹脂層4からなるものを一具体例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、0°繊維強化樹脂層7の代わりに、強化繊維(図示せず)が軸方向に対して+45°あるいは−45°傾斜して配列された0°±45°繊維強化樹脂層、0°±15°繊維強化樹脂層、0°±5°繊維強化樹脂層、あるいは0°±1°繊維強化樹脂層等を適宜必要に応じて使用することもできる。
また、0°繊維強化樹脂層7の代わり使用することができるのは、0°±45°繊維強化樹脂層、0°±15°繊維強化樹脂層、0°±5°繊維強化樹脂層、0°±1°繊維強化樹脂層に限定されるものではなく、0°±45°の範囲内であればいかなるものであってもよい。
これにより、初期荷重のピーク値および自己破壊を進展させるときの一定荷重の値をさらに細かく設定することができて、衝撃吸収部材3の設計自由度をさらに拡げることができる。
さらにまた、衝撃吸収部材を構成する樹脂材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシアクリレート(ビニルエステル)樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、グアナミン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリジアリルフタレート樹脂、アミノ樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。
また、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミド、またはこれらポリアミドの共重合ポリアミド、また、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、またはこれらポリエステルの共重合ポリエステル、さらに、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリオレフィン等、さらにまた、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等に代表される熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
さらには、上述の範囲を満たす樹脂として、例えばアクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム等のゴムを用いることもでき、さらには、上記の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴムから選ばれた複数を配合してなる配合樹脂を用いるようにしてもよい。
さらにまた、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、第1実施形態に係る発明と第2実施形態から第4実施形態のいずれかに係る発明とを組み合わせて実施することもできる。
本発明に係る衝撃吸収部材を具備したヘリコプターの胴体部骨格構造を示す斜視図である。 本発明に係る衝撃吸収部材の概略全体斜視図である。 図2のa−a矢視断面図である。 本発明の衝撃吸収部材にかかる衝撃荷重と変位との関係を示すグラフである。 本発明に係る衝撃吸収部材の第2実施形態を示す図であって、図3と同様の図である。 本発明に係る衝撃吸収部材の第3実施形態を示す図であって、図3および図5と同様の図である。 本発明に係る衝撃吸収部材の第4実施形態を示す図であって、図3、図5、および図6と同様の図である。 本発明の第4実施形態に係る衝撃吸収部材の作製方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 ヘリコプター
2 床構造
3 衝撃吸収部材
3a 先端部
3b 本体部(衝撃吸収部材本体部)
4 +45°繊維強化樹脂層
5 90°繊維強化樹脂層
6 −45°繊維強化樹脂層
7 0°繊維強化樹脂層
10 衝撃吸収部材
10a 先端部(破壊部)
20 衝撃吸収部材
20a 先端部(蛇行部)
30 衝撃吸収部材
30a 先端部(離型部)

Claims (6)

  1. 初期破壊生成を担う先端部と衝撃吸収部材本体部で構成され、衝撃を受けた際に、自己破壊により前記衝撃を吸収する、複数の繊維強化樹脂層からなり、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる自己破壊の初期荷重のピーク値を制御する衝撃吸収部材であって、
    先端部における少なくとも一つの繊維強化樹脂層の強化繊維が、エネルギー吸収軸方向に対して10°以上の角度差を持って配向されているとともに、
    前記先端部以外の衝撃吸収部材本体部が、前記先端部よりも、エネルギー吸収軸方向の強度、弾性率が高く、衝撃吸収部材本体部の少なくとも一つの繊維強化樹脂層は、先端部と共有する層で構成されていることを特徴とする衝撃吸収部材。
  2. 初期破壊生成を担う先端部と衝撃吸収部材本体部で構成され、衝撃を受けた際に、自己破壊により前記衝撃を吸収する、複数の繊維強化樹脂層からなり、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる自己破壊の初期荷重のピーク値を制御する衝撃吸収部材であって、
    先端部が、エネルギー吸収軸方向に沿って圧潰しようとする荷重を徐々に加えていき、その変位が、所望の値になったところで荷重による圧潰を停止させることによって形成された破壊部とされていることを特徴とする衝撃吸収部材。
  3. 初期破壊生成を担う先端部と衝撃吸収部材本体部で構成され、衝撃を受けた際に、自己破壊により前記衝撃を吸収する、複数の繊維強化樹脂層からなり、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる自己破壊の初期荷重のピーク値を制御する衝撃吸収部材であって、
    先端部が、周方向内側または周方向外側に突出しつつ強化繊維が局所的に蛇行する蛇行部、あるいは周方向の内部に強化繊維が局所的に蛇行する蛇行部とされていることを特徴とする衝撃吸収部材。
  4. 初期破壊生成を担う先端部と衝撃吸収部材本体部で構成され、衝撃を受けた際に、自己破壊により前記衝撃を吸収する、複数の繊維強化樹脂層からなり、安定的な順次破壊モードに移行するまでの間に生じる自己破壊の初期荷重のピーク値を制御する衝撃吸収部材であって、
    先端部が、隣接する繊維強化樹脂層間に離型成分を有する離型部とされていることを特徴とする衝撃吸収部材。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材を具備してなることを特徴とする耐衝撃性構造部材。
  6. 請求項5に記載の耐衝撃性構造部材を具備してなることを特徴とする移動体。
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