JP5398508B2 - 軸流送風機のブレード - Google Patents

軸流送風機のブレード Download PDF

Info

Publication number
JP5398508B2
JP5398508B2 JP2009285571A JP2009285571A JP5398508B2 JP 5398508 B2 JP5398508 B2 JP 5398508B2 JP 2009285571 A JP2009285571 A JP 2009285571A JP 2009285571 A JP2009285571 A JP 2009285571A JP 5398508 B2 JP5398508 B2 JP 5398508B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
layer
reinforcing
wing
axial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009285571A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011127481A (ja
Inventor
健 藤田
川節  望
健太郎 新藤
正憲 古閑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2009285571A priority Critical patent/JP5398508B2/ja
Publication of JP2011127481A publication Critical patent/JP2011127481A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5398508B2 publication Critical patent/JP5398508B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

本発明は、火力発電等で用いられる大型軸流送風機用のブレードで、繊維強化プラスチック複合材からなる翼部と該翼部の翼根部をロータ軸へ取付けるフランジ部とを結合してなる軸流送風機のブレードに関する。
火力発電用の軸流送風機のブレードには、主として金属製のブレードが用いられている。このブレードは、高速回転することから高速回転時の遠心力を低減するためにブレードの軽量化が必須である。かかるブレードの軽量化によって製造コスト及び運用コストの低減もなし得る。
かかる観点から、近年はFRP複合材(繊維強化プラスチック複合材で、以下の説明ではFRP複合材という)で製造されるブレードが採用されるようになった。
かかるFRP複合材からなる軸流送風機のブレードの1例が、特許文献1(特開平11−22696号公報)にて開示されている。
図6は、かかる従来の軸流送風機のブレードの1例を示し、(A)はブレードの側面図、(B)は(A)におけるE−E線に沿う断面図である。
図6において、軸流送風機のブレード100は、FRP複合材で製造され、翼部1とフランジ部2とが一体で形成されている。
翼部1は、FRP複合材で構成された硬質で強靭な強化層4で周囲を囲んだ形態となって、内部をウレタンフォームなどの樹脂発砲体からなる内部充填層5によって構成している。また前記フランジ部2はFRP複合材で構成されており、該フランジ部2には、機械加工によってボルト穴を明けて、ネジ止と接着により固定したロータ軸への取り付け用の金属ボルト3が設けられ、該金属ボルト3によってロータ軸に固定される。
特開平11−22696号公報
しかしながら、図6に示す従来の軸流送風機のブレード100は、FRP複合材で製造されており、軽量化は実現できるが、製作面および翼内部の品質で以下のような問題点を抱えている(特許文献1(特開平11−22696号公報)の符号で示す)。
即ち、前記軸流送風機のブレード100の翼部1は、FRP複合材で構成された硬質で強靭な外皮の強化層4で翼長全体の外郭を形成し、この外郭を形成した強化層4により、ウレタンフォームなどの樹脂発砲体からなる内部充填層5全体を、包んだ構成となっている。
つまり、翼部1の軸方向に外郭である強化層4を形成し、この強化層4内に軸方向に、ウレタンフォームなどの樹脂発砲体からなる内部充填層5を装填する構造であり、さらにFRP複合材で構成されたフランジ部2は、前記翼部1の強化層4と一体に形成されている。
このため、翼長全体の外郭を形成した強化層4と、かかる強化層4に包まれた内部充填層5を翼長方向に一体に形成するとともに、フランジ部2も前記翼部1の強化層4と一体に形成しなければならず、かかるブレード100の製作に多くの工数を必要とするとともに、これに伴いブレード100の製造コストも増加する。
また、製造は成形型に所定形態のガラス繊維やカーボン繊維を必要な量だけ充填して、その後に内部充填材を注入する手法で製造するため、充填後の翼内部状態を確認することができず、品質確認が不十分であった。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みてなされたもので、一体に形成される翼部及びフランジ部の製作手順及び構造を簡単化して、ブレードの製作工数および製作コストを低減し、また翼内部の品質確認を可能にした軸流送風機のブレード及び該ブレードの製造方法を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、繊維強化プラスチック複合材からなる翼部と、該翼部の翼根部をロータ軸へ取付けるフランジ部とを結合してなる軸流送風機のブレードにおいて、
前記翼部とフランジ部とを、該翼部の軸方向に腹側部と背側部とに2分割して接着材にて結合して接着層を形成し、前記腹側部と背側部と接着層との3層構造のブレードに構成し、
更に前記翼部は、翼プロフィルの外周部を強化繊維材で構成して腹側強化層と背側強化層の2つに分割し、該2つの強化層の内側のそれぞれに前記強化繊維材よりも軟質で軽量の材料からなる充填材を充填して腹側充填層と背側充填層の2つの充填層を形成し、さらに前記フランジ部を前記2つの強化層に合わせて2分割し、前記2つの強化層及び2つの充填層と2つのフランジ部を前記接着材にて同時に接着して接着層を形成したことを特徴とする。
そして、かかる軸流送風機のブレードの製作方法は、翼プロフィルの外周部を強化繊維材で構成した強化層と、該強化層の内側に前記強化繊維材よりも軟質で軽量の材料からなる充填材で構成した充填層と、前記強化層と同一材料にて成形した前記フランジ部とを、前記翼部の軸方向に腹側部と背側部とに2分割にしてそれぞれ形成した後、前記2分割にした強化層と充填層とフランジ部とを、前記2分割部にて接着材にて同時に接着して腹側部と背側部との間に接着層を形成して、腹側部と背側部と接着層との3層構造からなるブレードを形成することを特徴とする。
かかる発明によれば、翼プロフィル(翼の輪郭、外形)の外周部を強化繊維材で構成した強化層と、該強化層の内側に前記強化繊維材よりも軟質で軽量の材料からなる充填材で構成した充填層と、前記強化層と同一材料にて成形したフランジ部とを、前記翼部の軸方向に腹側部と背側部とに2分割にしてそれぞれ形成した後、前記2分割にした強化層と充填層とフランジ部とを、前記2分割部にて接着材にて同時に接着して腹側部と背側部との間に接着層を形成するので、翼部の軸方向に強化層と該強化層の内側に充填層と、そしてフランジ部とを、腹側部と背側部それぞれに一体にして腹側部と背側部の2組製作し、この2組の一体にした強化層と充填層とフランジ部とを、腹側部と背側部との境界部で接着材にて同時に接着して接着層を形成することにより、該接着層により強固に接着した3層構造のブレードを得ることができる。
従って、1個のブレードを、翼部の軸方向に強化層と該強化層の内側に充填層と、そしてフランジ部とを2組作って、腹側部と背側部の境界部で接着材にて同時に接着して接着層を形成することにより製作するので、ブレードの形成が、2組の翼部及びフランジ部のプロフィルを接着するのみで容易にでき、ブレードの製作工数を大幅に低減できる。また、かかるブレードの製作工数の低減によりブレード製造コストも低減できる。
即ち、前記特許文献1のような、翼長全体の外郭を形成した強化層と、かかる強化層に包まれた内部充填材を翼長方向に一体に形成するとともに、フランジ部も前記翼部の強化層と一体に形成する構成に比べて、ブレードの製作工数を大幅に低減でき、かかるブレードの製作工数の低減によりブレード製造コストも低減できる。
さらに、強化層と該強化層の内側に充填層と、そしてフランジ部とを2組作って、腹側部と背側部の境界部で接着材にて同時に接着して接着層を形成するので、接合する前に腹側部と背側部との充填層の充填状態を確認してから接着できるため、充填後の翼内部状態を確認でき品質が安定して信頼性が向上する。
また、3層構造のブレードの流体入口部を、繊維強化層と耐摩耗塗料を積層した耐摩耗保護層で被覆するように構成するので、翼部の前縁部では高周速であり摩耗が問題となるが、繊維強化層と耐摩耗塗料を積層した耐摩耗保護層で前縁部を被覆することにより、翼部の前縁部での摩耗を低減できる。
また、耐摩耗保護層を繊維強化層と耐摩耗塗料とを積層した層とすることにより、保護層の厚さを厚くすることができ、耐摩耗性に関する寿命を延長することができる。
また、3層構造のブレードの翼根部から一定高さよりも、翼先端部側の流体出口部の先端部の曲率半径を一定量よりも小さく構成し、前記一定高さよりも翼根本寄りの流体出口部の先端部の曲率半径を前記一定量よりも大きく構成するので、翼先端部は高周速であることから、送風効率や騒音に大きな影響のある翼先端部は、曲率半径を一定量よりも小さく構成して、送風効率を高めるとともに騒音を低減できる。
また、一定高さよりも翼根本寄りの部分では、前記部分よりも周速が小さく送風効率に大きな影響が無いので、流体出口部の先端部の曲率半径を前記一定量よりも大きく構成することにより、遠心力による大きな応力を受け持つことができる。
また、前記一定高さよりも翼根本寄りの流体出口部の先端部の曲率半径を前記一定量よりも大きく構成して、かかる部分を繊維補強層で被覆するので、特に繊維補強層はガラス繊維が好適であり、流体出口部の先端部の尖りをガラス繊維で被覆することにより、流体出口部の先端部の耐摩耗性、耐腐食性を向上できる。
本発明によれば、1個のブレードを製作するに当たり、翼部の軸方向に強化層と強化層の内側に充填層と、そしてフランジ部とを2組作って、腹側部と背側部の境界部で接着材にて同時に接着して接着層とすることにより製作するので、ブレードの形成が、2組の翼プロファイルとフランジ部を接着するのみで容易に製造でき、FRP複合材からなる軽量のブレードの製作工数を大幅に低減でき、またかかるブレードの製作工数の低減によりブレード製造コストも低減できる。さらに、接合する前に腹側部と背側部との充填層の充填状態を確認してから接着できるため、品質が安定して信頼性が向上する。
本発明の第1実施形態における軸流送風機のブレードの正面図である。 前記第1実施形態における図1のA−A断面図である。 (A)は前記第1実施形態における図2のB−B断面図の接着前の図であり、(B)は(A)のG部拡大の強化繊維配列状態を示す説明図である。 (A)は本発明の第2実施形態における軸流送風機のブレードにおける図2相当図(図1のA−A断面図)、(B)はU部の拡大図の第1例、(C)はU部の拡大図の第2例である。 本発明の第3実施形態における軸流送風機のブレードで、(A)は正面図(図1相当図)、(B)は(A)のF−F断面図、(C)は(B)におけるD部詳細の第1例、(D)は(B)におけるD部詳細の第2例を示す。 従来の軸流送風機のブレードの1例を示し、(A)はブレードの側面図、(B)は(A)におけるE−E線に沿う断面図である。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態における軸流送風機のブレードの正面図、図2は前記第1実施形態における図1のA−A断面図、図3(A)は前記第1実施形態における図2のB−B断面図の接着前の図であり、図3(B)は図3(A)のG部拡大図であり、強化繊維の配列状態を示す図である。
図1〜2において、軸流送風機のブレード100は、FRP複合材(繊維強化プラスチック複合材で、以下の説明ではFRP複合材という)で製造され、翼部1とフランジ部2とが一体で形成されている。
翼部1は、FRP複合材で構成された、硬質で強靭な外皮である強化層4を、腹側1aから背側1bの全周に亘って配置している。該強化層4には、強化繊維としてカーボン樹脂やガラス繊維、高分子繊維を用いる。マトリックス樹脂としては、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂を用いる。
前記強化層4の内部には、軽量で耐熱性のある材料つまりクロス材(織物)、短繊維のチョップ材やマット材、無機物フィラーあるいはそれらの混合材等を用いた充填材が充填されて充填層5を構成している。
本発明の第1実施形態においては、前記強化層4を腹側1aから背側1bの全周に亘って配置し、該強化層4の内部に充填材が充填された充填層5を配置し、さらに、前記翼部1の下部に、前記強化層4と同一材料からなるフランジ部2を該翼部1と一体に形成している。
そして、前記翼部1の強化層4、該強化層4の内部に配置された充填層5、及びフランジ部2が、腹側1aと背側1bとに2分割されて、さらに腹側1aの分割部と背側1bの分割部とを高分子接着材にて同時に接着して接着層6を形成する。
そして、前記フランジ部2(2a、2b)には、機械加工によってボルト穴を明けて、金属ボルト3によってロータ軸(図示せず)に固定している。
かかるブレード100の製作方法は後述する。
以上の第1実施形態の構成による作用、効果について説明する。
前記のように、本発明の実施形態にかかるブレード100は、FRP複合材からなり、前記強化層4、該強化層4の内部に配置された充填層5、該強化層4と充填層5とを、腹側1aと背側1bの分割部にて接着材により同時に接着した接着層6と、前記フランジ部2a、2bとにより構成される。
従って、前記強化層4は、外皮などの応力の高い部分に使用し、高い応力を受け持つ。
また、前記充填層5は、軽量性を保ちながら、前記強化層4を保持し、外皮の強化層4が破損した場合にもブレード100自体が破壊しないように保持する。また、翼の内部への異物の侵入も防止する。
さらに、前記接着層6は、前記のように、強化層4と充填層5とを、腹側1aと背側1bの分割部にて接着材により同時に接着するものであり、接着力があり延性、靭性に優れた材料が適する。なお、接着材として充填材によって構成してもよい。
また、本発明の実施形態にかかるブレード100は、FRP複合材の、翼部1の軸方向(図1のX方向)に腹側1aと背側1bとに2分割されて製造されるので、ブレード100が軽量化される。
従って、かかるブレード100の軽量化により次の効果が得られる。
(1)回転体(翼及びロータ軸)の軽量化及び回転体構造の簡素化
ブレード100可変式軸流送風機の回転体(翼及びロータ軸)の構造、体格はブレード100の遠心力及びブレード100の開閉に要する力によって決まるため、ブレードの軽量化は回転体の軽量化、簡素化に繋がり設備全体のコスト低減を可能とする。
(2)メンテナンスの簡素化
軸流送風機の点検周期は、ブレード可変機構摺動部の寿命によって決まるが、軽量化により摺動部面圧が半分程度となり、摺動部材の交換時期を摺動部面圧が従来のものに比べて2倍にできる。また、点検作業時にクレーンではなく、人の手で作業可能となり、作業の手間が大幅に低減される。
(3)信頼性の向上
軸流送風機のトラブルは、制御油圧系に起因するものが多いが、ブレードの軽量化により制御油圧を下げることができ、かかるトラブル回避が可能である。
次に、前記のようにしてFRP複合材を用いることにより軽量化されたブレード100の製作方法について説明する。
図3(A)は、かかる第1実施形態における図2のB−B断面図の接着前の図である。
図3(A)に示すように、翼部1の翼プロフィル及びフランジ部2a、2bは、翼部1の軸方向(図1のX方向)に腹側1aと背側1bとに2分割される。
腹側1aの分割部は、外周部を前記のような強化繊維材で構成した強化層4と、前記強化層4の強化繊維材よりも軟質で軽量の材料からなる前記のような充填材で構成した充填層5とを、強化層4の内側に充填層5が充填されるように設けるとともに、前記強化層4と同一材料にて成形したフランジ部2aを前記強化層4と一体にして設ける。
このフランジ部2aを前記強化層4と一体に形成する際の強化繊維FRPの配列状態を図3(B)に示す。この図3(B)のように翼部1の腹側1aからフランジ部2aにかけて連続的に伸びるように縦方向に配置されるため、フランジ部2aと翼部1の腹側1aとの一体化が保持されるとともにフランジ部2aの強度が十分に確保される。そしてこのフランジ部2aにボルトが装着される。
また背側1bの分割部も前記と同様に、強化層4と充填層5とフランジ部2bを一体にして設けられる。
さらに、フランジ部2a、2bの充填層5の部分も、腹側1aの分割部および背側1bの分割部のそれぞれの充填層5と一体に形成される。
そして、前記腹側1aの分割部と背側1bの分割部とを接着材にて同時に接着して(図3(A)矢印方向)接着層6を形成する。これにより、前記接着層6により強固に接着した3層構造のブレード100を得ることができる。
即ち、1個のブレード100を、翼部1の軸方向に強化層4と該強化層4の内側に充填層5と、そしてフランジ部2a、2bとを、2組作って、腹側1aの分割部と背側1bの分割部との境界部を接着材にて同時に接着して接着層6を形成することにより製作するので、ブレード100の形成が、2組の翼及びフランジ部のプロファイルを接着するのみで容易にでき、ブレード100の製作工数を大幅に低減できる。また、かかるブレード100の製作工数の低減によりブレード製造コストも低減できる。
さらに、接合する前に腹側1aの分割部と背側1bの分割部のそれぞれの強化層4および充填層5の充填状態を確認してから接着できるため、品質が安定してブレード100の品質の信頼性が向上する。
なお、前記の腹側1aおよび背側1bをそれぞれフランジ付き別体として製造するには、具体的にはハンドレイアップ成形、または真空樹脂含浸製造法(VaRTM法)によって製造される。このハンドレイアップ法とは、織物やマット上の強化材に液体樹脂を塗布、含浸、脱泡を繰り返し、所定の厚さになるよう成形していく成形法であり、真空樹脂含浸製造法とは、差圧によってドライファブリックに樹脂を含浸させる成形法である。
(第2実施形態)
図4の(A)は本発明の第2実施形態における軸流送風機のブレードにおける図2相当図(図1のA−A断面図)、(B)はU部の拡大図の第1例、(C)はU部の拡大図の第2例である。
この第2実施形態においては、前記のような3層構造の翼部1の流体入口部1zを、耐摩耗保護層7で被覆している。
前記耐摩耗保護層7は、図4(B)、(C)に示すように、耐摩耗塗料7aと繊維強化層7bとを積層している。
前記耐摩耗塗料7aは、金属あるいは無機物の粉末、フィラーを樹脂に混合したものを使用する。さらに、前記繊維強化層7bの繊維には、ガラス、高分子の繊維を使用する。
また、前記耐摩耗保護層7は、図4(B)に示す第1例では、耐摩耗塗料7aと繊維強化層7bとを交互に積層している。各層の厚さは、例えば0.3〜0.5mmである。
また前記耐摩耗保護層7は、図4(C)に示す第2例では、耐摩耗塗料7a1層と繊維強化層7b2層を交互に積層している。各層の厚さは、例えば0.3〜0.5mmである。
前記以外の要素は、前記第1実施形態と同一であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
この第2実施形態によれば、3層構造の翼部1の流体入口部1zを、繊維強化層7bと耐摩耗塗料7aを積層した耐摩耗保護層7で被覆するように構成すれば、翼部1の前縁部の流体入口部1zでは高周速であり摩耗が問題となるが、繊維強化層7bと耐摩耗塗料7aを積層した耐摩耗保護層7で前縁部の流体入口部1zを被覆することにより、翼部1の前縁部の流体入口部1zでの摩耗を低減できる。
また、耐摩耗塗料のみでは保護層の厚さは1mm程度が限界であったが、耐摩耗保護層7を繊維強化層7bと耐摩耗塗料7aとを積層した混合層とすることにより、耐摩耗保護層7の厚さを厚くすることができ、耐摩耗性に関する寿命を延長することができる。
さらに、繊維強化層7bと耐摩耗塗料7aとの交互の積層における、繊維強化層7bと耐摩耗塗料7aの層数を、保護強度に応じて設定することが可能になり、軽量化を図りつつ耐摩耗性を向上できる。
(第3実施形態)
図5は本発明の第3実施形態における軸流送風機のブレードで、(A)は正面図(図1相当図)、(B)は(A)のF−F断面図、(C)は(B)におけるD部詳細の第1例、(D)は(B)におけるD部詳細の第2例を示す。
この第3実施形態においては、前記のような3層構造のブレード100の翼根部1yから一定高さSよりも大きい、翼先端部1gの形状を図5(C)のように構成する。即ち翼先端部1gの流体出口部の先端部半径(曲率半径)4cを、例えばR=1mm程度に一定量よりも小さく構成する。
また、前記3層構造のブレード100の翼根部1yから一定高さSよりも小さい、翼根本部1hの形状を図5(D)のように構成する。即ち翼根本部1hの流体出口部の先端部半径(曲率半径)4dを、例えばR=5mm程度に一定量よりも大きく構成する。
さらに、前記一定高さSよりも小さい翼根本部1hの流体出口部の端部を、図5(D)のように、繊維補強層1sで被覆する。
前記以外の要素は、前記第1実施形態と同一であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
この第3実施形態によれば、3層構造のブレード100の翼根部1yから一定高さSよりも大きい、翼先端部1gの流体出口部の先端部半径4cを一定量よりも小さく(例えばR=1mm程度)構成し、前記一定高さSよりも小さい翼根本部1hの流体出口部の先端部半径4dを前記一定量よりも大きく構成する(例えばR=5mm程度)。
このように構成すれば、翼先端部1gは高周速であることから、送風効率や騒音に大きな影響のある翼先端部1gは、先端部の曲率半径4cを一定量よりも小さく構成して(例えばR=1mm程度)、送風効率を高めるとともに騒音を低減することができる。
また、前記一定高さSよりも小さい翼根本部1hでは、前記翼先端部1gよりも周速が小さく送風効率に大きな影響が無いので、流体出口部の先端部の曲率半径4cを前記一定量よりも大きく構成して(例えばR=5mm程度)、遠心力による大きな応力を受け持つことができる。
また、前記一定高さSよりも小さい翼根本部1hの流体出口部の端部を、繊維補強層1sで被覆すれば、特に繊維補強層1sはガラス繊維が好適であり、流体出口部の先端部の尖りをガラス繊維で被覆することにより、流体出口部の先端部(曲率半径4c)の耐摩耗性、耐腐食性が向上する。
本発明によれば、一体に形成される翼部及びフランジ部の製作手順及び構造を簡単化して、ブレードの製作工数および製作コストを低減し、また翼内部の品質確認を可能にした軸流送風機のブレード及び該ブレードの製造方法を提供できる。
1 翼部
1a 腹側
1b 背側
1g 翼先端部
1y 翼根部
1h 翼根本部
1s 繊維補強層
2、2a、2b、2c フランジ部
2c0 一体構成フランジ
3 金属ボルト
4 強化層
4c 先端部半径(曲率半径)
4d 先端部半径(曲率半径)
5 充填層
6 接着層
7 耐摩耗保護層
7a 耐摩耗塗料
7b 繊維強化層
100 ブレード
S 一定高さ

Claims (5)

  1. 繊維強化プラスチック複合材からなる翼部と、該翼部の翼根部をロータ軸へ取付けるフランジ部とを結合してなる軸流送風機のブレードにおいて、
    前記翼部とフランジ部とを、該翼部の軸方向に腹側部と背側部とに2分割して接着材にて結合して接着層を形成し、前記腹側部と背側部と接着層との3層構造のブレードに構成し、
    更に前記翼部は、翼プロフィルの外周部を強化繊維材で構成して腹側強化層と背側強化層の2つに分割し、該2つの強化層の内側のそれぞれに前記強化繊維材よりも軟質で軽量の材料からなる充填材を充填して腹側充填層と背側充填層の2つの充填層を形成し、さらに前記フランジ部を前記2つの強化層に合わせて2分割し、前記2つの強化層及び2つの充填層と2つのフランジ部を前記接着材にて同時に接着して接着層を形成したことを特徴とする軸流送風機のブレード。
  2. 前記3層構造のブレードの流体入口部を、繊維強化層と耐摩耗塗料を積層した耐摩耗保護層で被覆したことを特徴とする請求項1記載の軸流送風機のブレード。
  3. 前記3層構造のブレードの翼根部から一定高さよりも、翼先端部側の流体出口部の先端部の曲率半径を一定量よりも小さく構成し、前記一定高さよりも翼根本寄りの流体出口部の先端部の曲率半径を前記一定量よりも大きく構成したことを特徴とする請求項1記載の軸流送風機のブレード。
  4. 前記一定高さよりも翼根本寄りの流体出口部の先端部の曲率半径を前記一定量よりも大きく構成し、且つかかる部分を繊維補強層で被覆したことを特徴とする請求項記載の軸流送風機のブレード。
  5. 繊維強化プラスチック複合材からなる翼部と、該翼部の翼根部をロータ軸へ取付けるフランジ部とを結合してなる請求項1記載の軸流送風機のブレードの製造方法において、
    翼プロフィルの外周部を強化繊維材で構成した強化層と、該強化層の内側に前記強化繊維材よりも軟質で軽量の材料からなる充填材で構成した充填層と、前記強化層と同一材料にて成形した前記フランジ部とを、前記翼部の軸方向に腹側部と背側部とに2分割にしてそれぞれ形成した後、前記2分割にした強化層と充填層とフランジ部とを、前記2分割部にて接着材にて同時に接着して腹側部と背側部との間に接着層を形成して、腹側部と背側部と接着層との3層構造からなるブレードを形成することを特徴とする軸流送風機のブレードの製造方法。
JP2009285571A 2009-12-16 2009-12-16 軸流送風機のブレード Active JP5398508B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009285571A JP5398508B2 (ja) 2009-12-16 2009-12-16 軸流送風機のブレード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009285571A JP5398508B2 (ja) 2009-12-16 2009-12-16 軸流送風機のブレード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011127481A JP2011127481A (ja) 2011-06-30
JP5398508B2 true JP5398508B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=44290334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009285571A Active JP5398508B2 (ja) 2009-12-16 2009-12-16 軸流送風機のブレード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5398508B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102927051A (zh) * 2012-11-15 2013-02-13 江苏中联风能机械有限公司 改进的大型空冷轴流风机叶片

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56104197A (en) * 1980-01-22 1981-08-19 Nippon Spindle Mfg Co Ltd Manufacture of frp-made fan
JPH08100794A (ja) * 1994-09-30 1996-04-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ファン翼における耐食ライニング剥離防止構造
JP2000329099A (ja) * 1999-05-19 2000-11-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 送風機羽根車
JP3409747B2 (ja) * 1999-09-03 2003-05-26 ダイキン工業株式会社 送風機用羽根車

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011127481A (ja) 2011-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1462606B1 (en) Multi-component hybrid turbine blade
US7758313B2 (en) Carbon-glass-hybrid spar for wind turbine rotorblades
EP3044415B1 (en) Airfoil with an integrally stiffened composite cover
US9909505B2 (en) Efficient, low pressure ratio propulsor for gas turbine engines
EP2594773B1 (en) Annulus filler
US6312224B1 (en) Relating to bladed structures for fluid flow propulsion engines
EP2316629A1 (en) Modular mould system for manufacturing a shell part
US20080219851A1 (en) Integrated shear webs for wind turbine blades
CA2762639C (en) Composite-material vane
US10823190B2 (en) Fan blade with variable thickness composite cover
JP2016512584A (ja) 複数の挿入体セクションを含むハイブリッドタービンブレード
EP2878433A1 (en) Shrouded rotary assembly from segmented composite for aircraft and method for its manufacture
CN116917202A (zh) 包括由复合材料制成的结构的叶片及相关的制造方法
JP5398508B2 (ja) 軸流送風機のブレード
CN100353030C (zh) 多组件混合式涡轮叶片
EP3085897B1 (en) Efficient, low pressure ratio propulsor for gas turbine engines
EP3683402A1 (en) Airfoil with body and cover panel
US20240309763A1 (en) Turbine engine airfoil with a woven core
US20240280026A1 (en) Turbine engine with a blade having woven core and toughened region
EP4365077A1 (en) Airfoil and methods of assembly thereof
US20240018938A1 (en) Wind turbine blade having buckling-resistant spar caps
US20240280027A1 (en) Turbine engine airfoil with a woven core and woven layer
MXPA03002789A (es) Hoja de turbina hibrida de componentes multiples.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131022

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5398508

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250