JP5214994B2 - コンバインドシステム - Google Patents
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Description
さらに、冷却水系統と排ガス系統とが分かれるのを避けるために、冷却水系統で排気ガスの熱をも回収し、ひとまとめにして再生器の熱源とすることが考えられる。
しかしながら、このシステムには次のような問題が残存する。
1 スターリングエンジンと吸収冷凍機の二つの機器が必要であり、また、冷却水ラインやその制御系を必要とするので、ガスエンジンの場合と同様に全体が大きくコスト高となる。
2 スターリングエンジンの排熱を一旦、冷却水という別媒体を通して再生器における加熱に利用することとなり、加熱は冷却水を介する間接加熱となるため、その間にエクセルギーロスが発生する。
3 スターリングエンジンの排気ガスの有する熱(投入エネルギーの15%程度)は、通常、給気加熱等の他の用途に既に利用されており、回収できる部分が少ない。
蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器及び膨張弁を備え、前記蒸発器において冷媒蒸気を発生し、前記吸収器において前記蒸発器で発生された冷媒蒸気を吸収液に吸収させて希溶液を生成し、前記再生器において前記吸収器で発生させた希溶液から冷媒蒸気を発生させるとともに、吸収液を濃溶液として再生し、前記凝縮器において前記冷媒蒸気を凝縮させるとともに前記膨張弁を介して膨張させて前記蒸発器に送り、前記再生器で再生された濃溶液が前記吸収器に戻されて作動する吸収冷凍システムを設け、
高温空間と低温空間との間に作動ガスが移動可能な作動ガス連通路を備えるとともに、前記作動ガス連通路の前記高温空間側にヒータ部を、前記作動ガス連通路の低温空間側にクーラ部を備えるとともに、前記ヒータ部とクーラ部との間にリジェネレータ部を備え、前記ヒータ部により前記作動ガス連通路を流れる作動ガスを加熱可能に、前記クーラ部により前記作動ガス連通路を流れる作動ガスを冷却可能に構成されるとともに、前記リジェネレータ部により作動ガスが有する熱を回収可能に、且つ作動ガスに前記リジェネレータ部が有する熱を供与可能に構成され、前記ヒータ部から熱が供給される状態で、前記高温空間と低温空間との間を作動ガスが交互に移動することにより発生する動力を出力する出力機構を備えたスターリングエンジンを設け、
前記クーラ部は、前記作動ガス連通路の周りに溶液室を構成すると共に、
前記溶液室に、前記吸収器から希溶液を送る希溶液路と前記吸収器に濃溶液を戻す濃溶液路を接続するとともに、当該溶液室において発生した冷媒蒸気を前記凝縮器に送る冷媒蒸気路を接続することで、
スターリングエンジンの前記クーラ部を、吸収冷凍システムの前記再生器とすることにある。
そして、本願の構成では、クーラ部が吸収冷凍システムの再生器とされるため、スターリングエンジンの作動ガスと再生器内で再生される吸収液との間に、他の熱媒体が介在することがない。結果、先に説明したエクセルギーロスを抑えることができ、再生器の温度をその分だけ高くでき、COPの向上を達成することができる。
このように構成することで、スターリングエンジンから発生する排熱に関しては吸収冷凍システムで、軸出力に関しては圧縮冷凍システムで、それぞれ使用して冷熱を得ることができる。
さらに具体的には、例えば、吸収冷凍システムの冷媒をアンモニア、吸収液を水とし、圧縮冷凍システムの冷媒をアンモニアとする等、吸収冷凍システムと圧縮冷凍システムとで冷媒に共通な媒体を選び、吸収式と圧縮式とで凝縮器と蒸発器を共用するようにすることで、スターリングエンジンから発生する軸出力を有効に冷熱の発生に利用でき、さらにコンパクト化を図ることができる。
〔第1実施の形態〕
図1は、第1実施の形態のコンバインドシステム100の構成を模式的に示したものである。図1に示すように、このシステム100は、単効用吸収冷凍システム101とスターリングエンジン102とを組み合わせて構成されており、単効用吸収冷凍システム101の再生器3がスターリングエンジン102のクーラ部3として共用されている。以下、単効用吸収冷凍システム101として働く機能部位の構成、スターリングエンジン102として働く機能部位の構成の順に説明する。
単効用吸収冷凍システム101は、良く知られているように、蒸発器1、吸収器2、再生器(スターリングエンジン102のクーラ部)3及び凝縮器4を備え、吸収器2、再生器3間において、吸収液aがその濃度を変えながら循環されるとともに、蒸発器1、吸収器2、再生器3及び凝縮器4間を冷媒bが相を変化しながら循環して運転される。
この冷凍システム101は、後述するスターリングエンジン102を熱源機とし、このエンジンから発生する熱により動作される。以下、冷凍システム101における吸収液a及び冷媒bの循環に従って、この吸収冷凍システムの構造と動作を説明する。
スターリングエンジン102は、シリンダ11内に収納されるディスプレーサピストン12、パワーピストン13を備えて構成されるとともに、ディスプレーサピストン12の一方の側(図示す例では上側)に、作動ガスが収納される高温空間14を、他方の側(図示す例では下側)に、同じく作動ガスが収納される低温空間15を備えて構成される。ディスプレーサピストン12、パワーピストン13は、ともに、エンジン102の出力軸であるクランク軸16に連結されている。両ピストン12、13間で、クランク軸16における連結部位は、軸周方向で90度位相がずれる構成とされている。そして、上記高温空間14と低温空間15との間で、ディスプレーサピストン12の移動に従って、作動ガスが移動可能に構成され、その移動経路に沿って、高温空間14から低温空間15からに向けて、ヒータ部の一部17、リジェネレータ部18、再生器(クーラ部)3が夫々設けられている。
この例にあっては、ヒータ部17は、前記高温空間14の外部に面して、内部にバーナ17aを備えた加熱室として構成されている。この加熱室には、空気取入れ口17bを介して酸素含有ガスである空気が流入され、排気口17cから排気ガスが排気される構成とされている。
図2は、第2実施の形態のコンバインドシステム100の構成を模式的に示したものである。このシステム100も、単効用吸収冷凍システム101とスターリングエンジン102とを組み合わせて構成され、スターリングエンジン102のクーラ部3が、単効用吸収冷凍システム101の再生器として共用されている。さらに、吸収冷凍システム101として働く吸収回路に加えて、スターリングエンジン102の軸出力で、吸収冷凍システム101と同一冷媒を使用する圧縮冷凍システム103の圧縮機21を駆動し、当該圧縮冷凍システム103の凝縮器4と当該吸収冷凍システム101の凝縮器4、蒸発器1を共用するシステムとされている。
即ち、第1の実施の形態に追加された構成に関して説明すると、スターリングエンジン102により駆動される圧縮機21を設けるとともに、この圧縮機21の吸引側に蒸発器1から吸収器2に向かう冷媒蒸気の一部を吸引し、圧縮機21により圧縮された冷媒を、再生器(クーラ部)3から凝縮器4に向かう冷媒蒸気に合流させることにより、吸収冷凍システム101及び圧縮冷凍システム103との両方で、スターリングエンジン102の運転に伴って発生する動力、及び一般に冷却水を介して捨てられる熱を回収して、有用に利用することができる。
〔別実施の形態〕
さらに、図3に示すように、これまで説明してきたコンバインドシステム100であって、吸収器2から再生器(クーラ部)3に送る希溶液を途中で、排気口17cに設けられた排ガス熱交換器30に導き、排気ガスの熱を回収する構造としてもよい。
2 :吸収器
3 :再生器(クーラ部)
4 :凝縮器
100:コンバインドシステム
101:単効用吸収冷凍システム
102:スターリングエンジン
103:圧縮冷凍システム
a :吸収液
b :冷媒
Claims (3)
- 蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器及び膨張弁を備え、前記蒸発器において冷媒蒸気を発生し、前記吸収器において前記蒸発器で発生された冷媒蒸気を吸収液に吸収させて希溶液を生成し、前記再生器において前記吸収器で発生させた希溶液から冷媒蒸気を発生させるとともに、吸収液を濃溶液として再生し、前記凝縮器において前記冷媒蒸気を凝縮させるとともに前記膨張弁を介して膨張させて前記蒸発器に送り、前記再生器で再生された濃溶液が前記吸収器に戻されて作動する吸収冷凍システムを設け、
高温空間と低温空間との間に作動ガスが移動可能な作動ガス連通路を備えるとともに、前記作動ガス連通路の前記高温空間側にヒータ部を、前記作動ガス連通路の低温空間側にクーラ部を備えるとともに、前記ヒータ部とクーラ部との間にリジェネレータ部を備え、前記ヒータ部により前記作動ガス連通路を流れる作動ガスを加熱可能に、前記クーラ部により前記作動ガス連通路を流れる作動ガスを冷却可能に構成されるとともに、前記リジェネレータ部により作動ガスが有する熱を回収可能に、且つ作動ガスに前記リジェネレータ部が有する熱を供与可能に構成され、前記ヒータ部から熱が供給される状態で、前記高温空間と低温空間との間を作動ガスが交互に移動することにより発生する動力を出力する出力機構を備えたスターリングエンジンを設け、
前記クーラ部は、前記作動ガス連通路の周りに溶液室を構成すると共に、
前記溶液室に、前記吸収器から希溶液を送る希溶液路と前記吸収器に濃溶液を戻す濃溶液路を接続するとともに、当該溶液室において発生した冷媒蒸気を前記凝縮器に送る冷媒蒸気路を接続することで、
スターリングエンジンの前記クーラ部を、吸収冷凍システムの前記再生器とするコンバインドシステム。 - 前記吸収冷凍システムを成す前記凝縮器、前記膨張弁及び前記蒸発器と、前記スターリングエンジンの軸出力で駆動される圧縮機とを備え、
前記圧縮機により圧縮された冷媒蒸気を、前記凝縮器において凝縮させるとともに前記膨張弁を介して膨張させ前記蒸発器に送り、前記蒸発器で冷媒蒸気を発生させる圧縮冷凍システムを設けた請求項1記載のコンバインドシステム。 - 前記ヒータ部に於いて発生される排ガスが保有する熱を、前記希溶液路を流れる前記希溶液に回収可能に構成されている請求項1又は2記載のコンバインドシステム。
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