JP5214956B2 - 電気化学リアクタースタック及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、形状精度が良く、シンプルな構造にて、細径のチューブ型(マイクロチューブ型)の電気化学リアクターセルを配列した電気化学リアクタースタックの技術に関する。また、細径のチューブ型の電気化学リアクターセルを集積した場合に、電気的な接続を自由に変更可能なスタック化技術に関する。
近年、燃料電池として、固体電解質(固体酸化物)を用いた固体電解質形燃料電池(固体酸化物形燃料電池:以下SOFCとも記す)が、盛んに開発されるようになっており、低温運転についても実施されるようになっている。
その中で、下記特許文献1に紹介されている微細円筒状(マイクロチューブ型)の燃料電池(セル)を高集積する技術は、非常に有効な手法であり、高出力密度を得ることのほか、固体酸化物形燃料電池の弱点である耐熱サイクル性を向上することができるので、注目されている。
特開2005−166470号公報
しかしながら、この特許文献1には、微細円筒状の燃料電池セルを精度良く配列するための記載はなく、この種の燃料電池についての課題が十分検討されていない。
例えば、微細円筒状の燃料電池セルを高集積する場合には、その形状が複雑であるために、ガスシール形状が複雑となり、集電のための構造も複雑となるといった問題がある。
それを解決する手法として、例えば、微細円筒状の燃料電池セルをすべて並列接続する方法が考えられるが、実際の運転を考えた場合には、大電流低電圧の出力となり、電力を取り出す過程でのロスが大きくなってしまう。
また、微細円筒状の燃料電池セルを、高集積しながら電気的に直列接続する方法も考えられるが、その場合には、燃料電池を構成している部品点数が多くなり、コスト高を招くとともに、構造が複雑となり、非常に高い作製精度が求められるという問題がある。
更に、部品点数が多いことから、集積するときに各部品の位置関係にずれを生じやすく、集積体をさらにモジュール化する段階にて、その寸法精度が悪影響を及ぼすことも考えられる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、微細な径を有するチューブ型セルを、精度良く、比較的シンプルな構造にて配列できるとともに、高効率が得られる直列接続をも容易に実現できる電気化学リアクタースタック及びその製造方法を提供することである。
(1)請求項1の発明は、電解質層を挟んで第1電極層と第2電極層とが積層された多層構造を有するチューブ型の電気化学リアクターセルを、複数個備えた電気化学リアクタースタックにおいて、電気絶縁性を有する絶縁性多孔体上に前記電気化学リアクターセルが複数個配列されたリアクターセル層状部を、複数備えるとともに、前記複数のリアクタ−セル層状部、前記絶縁性多孔体に形成された電気接続パスにより電気的に接続されて積層されており、且つ、前記積層方向の一方の端部のリアクターセル層状部と他方の端部のリアクターセル層状部にて、前記電気化学リアクタースタックへの電気的接続がされたことを特徴とする。
本発明では、絶縁性多孔体上に電気化学リアクターセルが配列されたリアクターセル層状部が積層され、それらは電気接続パスにより接続されている。
従って、微細な径(例えば直径0.5〜2.0mm)を有するチューブ型セルを、精度良く、比較的シンプルな構造にて配列できるとともに、高効率が得られる直列接続をも容易に実現することができる。また、この構成により、電気化学リアクタースタックの直列接続、並列接続を自由に組み替えることができる。更に、比較的な安価で、絶縁性多孔体を作製する際に、比重の小さい原材料を利用できることから、コスト低減や軽量化に有効である。
なお、第1電極層としては電解質層の内側に形成されたものを採用でき、第2電極層としては電解質層の外側に形成されたものを採用できる。
特に、本発明では、前記積層方向の一方の端部のリアクターセル層状部と他方の端部のリアクターセル層状部にて、前記電気化学リアクタースタックへの電気的接続がされている。
従って、スタックを積層してモジュール化する際に、スタック間の電気的接続が容易である。
)請求項の発明では、前記第1電極層はその外側面に前記電解質層に被覆されない非被覆部分を有し、該非被覆部分がガスの通過を阻止する緻密質な導電性シール材料に被覆されることにより、前記第1電極層と前記第2電極層とに供給されるガスの流路が分離され、且つ、前記導電性シール材料による被覆部分(例えば金属シール層)と前記第2電極層とは、前記第1電極層と前記第2電極層とが同一の電気化学リアクターセル上にて電気的に短絡しないように分離されていることを特徴とする。
本発明では、第1電極層の非被覆部分を導電性シール材料によって被覆することにより、第1電極層の電気接続端子を電気化学リアクターセルの表面に形成することができ、また、第1電極層と第2電極層にそれぞれに供給するガスを分離するシール構造を実現できる。しかも、これにより、電気的な接続をスタックの内部で完結することが可能となる。
)請求項の発明は、前記電気化学リアクターセルは、その軸方向に沿って、複数の前記導電性シール材料による被覆部分と複数の前記第2電極層とを備え、且つ、前記積層方向に隣接して配置された電気化学リアクターセル同士では、一方の電気化学リアクターセルの前記導電性シール材料による被覆部分と、該被覆部分に対応して配置された他方の電気化学リアクターセルの前記第2電極層とが、複数箇所にて電気接続パスにより電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明では、積層方向における異なる電気化学リアクターセル間を、長手方向(軸方向)の複数の箇所にて、電気接続パスにより接続するので、電気化学リアクターセルが長尺となっても、長手方向における電気抵抗が過大になることを防止できる。
)請求項の発明では、前記第1電極層を被覆している導電性シール材料は、Ag、Au、Pd、Pt、Ir、Rh、Ruのうち少なくとも1種、又はそれらの合金を用いた材料であることを特徴とする。
本発明は、導電性シール材料を例示したものである。上述した材料は、耐酸化性に強く、例えば高温で運転される電気化学リアクタースタックの導電性シール材料として好適である。なお、前記材料中に他の成分が含まれていてもよいが、前記材料の割合が高いほど好適である。
)請求項の発明では、前記絶縁性多孔体と電気化学リアクターセルとは、前記第1電極層と前記第2電極層とが同一の電気化学リアクターセル上にて短絡していない状態で、導電性集積用材料により固定されていることを特徴とする。
本発明では、導電性集積用材料により電気化学リアクターセル同士を電気的に接続することができる。また、導電性集積用材料を絶縁性多孔体への接着剤として使用することにより、簡単に、複数本のチューブ型の電気化学リアクターセルから集電をする構成を実現できるとともに、電気化学リアクターセルや絶縁性多孔体の集積を実現することができる。
なお、ここで、導電性集積用材料とは、導電性を有するとともに、部材間を密着(接合)させることが可能な材料である(以下同様)。
)請求項の発明では、前記導電性集積用材料が、前記電気接続パスに電気的に接続されていることを特徴とする。
従って、導電性集積用材料と電気接続パスにより、層が異なる他のリアクターセル層状部間の電気的接続を実現することができる。
)請求項の発明では、前記電気接続パスは、前記導電性集積用材料により構成されていることを特徴とする。
例えば、導電性集積用材料を絶縁性多孔体に塗布する際に、電気接続パスとなる連通孔に導電性集積用材料を充填することにより、電気接続パスを形成することができる。
)請求項の発明では、前記導電性集積用材料は、Ag、Pd、Au、Pt、Ir、Rh、Ru、La、Sm、Pr、Nd、Ba、Sr、Ca、Co、Fe、Mn、Ni、Crのうち少なくとも1種、或いは、その酸化物、混合物、又は化合物を用いた材料であることを特徴とする。
導電性集積用材料は、チューブ型の電気化学リアクターセルの集電を行うため、高い電気伝導率を有する必要があるが、これらの元素を含有する材料は高い電気伝導率を有するため好適である。
)請求項の発明では、前記導電性集積用材料は、第2電極層の気孔率よりも高い気孔率を有することを特徴とする。
導電性集積用材料から構成されている部分(例えば導電性集積用材料層)では、第2電極層へ反応するガス(例えば酸素)を供給することが求められるが、本発明は、上述した気孔率有するので、第2電極層へガス供給を容易に行うことができる。
10)請求項10の発明では、前記絶縁性多孔体は、前記電気化学リアクターセルを配列するための凹部を有することを特徴とする。
これにより、絶縁性多孔体上に、複数の電気化学リアクターセルを容易に規則正しく配置することができる。
11)請求項11の発明では、前記絶縁性多孔体は、前記リアクターセル層状部を積層する際に、その積層位置を決めるための凸部を有することを特徴とする。
絶縁性多孔体に、凸部とそれに嵌合する凹部とを予め規則正しく形成することにより、リアクターセル層状部(従って絶縁性多孔体)の積層段階に、その凹部と凸部を噛み合わせることで、積層時の位置決めを容易に行うことができる。
12)請求項12の発明では、前記絶縁性多孔体が、Mg、Zr、Ce、Al、Si
のうち少なくとも1種を含有する酸化物で構成されていることを特徴とする。
これにより、電気絶縁性を容易に得られるとともに、比較的安価な材料であるため、コスト的に有利である。
13)請求項13の発明では、絶縁性多孔体の気孔率が、60〜90%であることを特徴とする。
絶縁性多孔体は、例えば第2電極層へのガス供給流路として用いることができるが、その場合には、十分なガスを流す透過性を有することが必要となる。つまり、60%以上の気孔率を有する場合、空気等のガスの透過量は十分となるが、90%を上回ると絶縁性多孔体の構造を維持することが難しいので、本発明の範囲が好適である。
14)請求項14の発明では、前記絶縁性多孔体の気孔径が、20〜300μmであることを特徴とする。
絶縁性多孔体は、例えば第2電極層へのガス供給流路となるが、気孔径が20μm以上のときは、ガスを十分流す透過性が得られ、300μmを上回るときは、絶縁性多孔体の構造を維持することが難しい。従って、本発明の範囲が好適である。
15)請求項15の発明では、前記絶縁性多孔体は、主として(例えば全体の50質量%以上)、0.5〜10μmのセラミック粒子から構成されていることを特徴とする。
絶縁性多孔体が、0.5μmを下回るセラミック粒子から構成した場合、連通孔が少なくなりやすく十分なガス透過性が確保できなくなる。また、10μmを上回るときは、セラミック粒子の焼結が難しくなり、十分な強度が得られなくなる。従って、本発明の範囲が好適である。
16)請求項16の発明は、前記リアクターセル層状部の電気的接続では、少なくとも一部で直列接続がされていることを特徴とする。
集積したすべてのチューブ型の電気化学リアクターセルを並列接続とした場合、大電流を取り出すこととなり、集電用の部材(例えば集電板)などの電気抵抗から大きな電気抵抗ロスを招く。よって、本発明では、直列接続を採用することにより、電気抵抗ロスを低減できる。
17)請求項17の発明では、前記各リアクターセル層状部における電気化学リアクターセルの向きを、各層毎に交互に違えたことを特徴とする。
これにより、直列接続を容易に実現できる。
18)請求項18の発明は、前記導電性シール材料による被覆部分と前記第2電極層との位置は、前記電気化学リアクターセルの軸方向にずらして設定されるとともに、前記導電性シール材料による被覆部分と前記第2電極層との間に、絶縁性材料が配置されたことを特徴とする。
本発明は、電気化学リアクターセルの好適な構成を例示したものである。ここでは、電気化学リアクターセルの軸方向にずらした導電性シール材料の被覆部分と第2電極層との間に、絶縁性材料を配置することにより、第1電極層と第2電極層との間の短絡を防止することができる
19)請求項19の発明では、前記請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタックの製造方法において、前記第1電極層の焼成前の第1電極層用成形体を、押し出し成形により作製することを特徴とする。
本発明では、押し出し成形により第1電極層用成形体を作製するので、低コストで大量生産が可能となる。
20)請求項20の発明では、前記請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタックの製造方法において、前記絶縁性多孔体の焼成前の絶縁性多孔体用成形体を、押し出し成形により作製することを特徴とする。
本発明では、押し出し成形により絶縁性多孔体用成形体を作製するので、低コストで大量生産が可能となる。
21)請求項21の発明では、前記請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタックの製造方法において、前記絶縁性多孔体に穴をあけ、その穴に導電性集積用材料を埋め込み、その後焼成して前記電気接続パスを作製することを特徴とする。
これにより、容易に電気接続パスを形成することができる。
以下に、電気化学リアクタースタックの各構成について詳細に説明する。
・第1電極層及び第2電極層は、それぞれ、例えば燃料ガスと接触する燃料極、酸素源となる支燃性ガスと接触する空気極として使用できる。
このうち、「燃料極」の場合には、水素源となる燃料ガスと接触し、単セルにおける負電極として機能する。この燃料極としては、金属(特にNi)粒子とセラミックス粒子からなるサーメットを採用できる。
この金属としては、Ni以外に、Cu、Fe、Co、Ag、Pt、Pd、W、Mo、及びこれらの合金等を採用できる。
また、セラミックスとしては、ジルコニア、YSZ、ScSZ、SDC、GDC、アルミナ、シリカ、チタニアなどが挙げられる。特に、YSZ、ScSZ、SDC、GDCが望ましい。
一方、「空気極」の場合には、酸素源となる支燃性ガスと接触し、単セルにおける正電極として機能する。
空気極の材料としては、固体電解質形燃料電池の使用条件等により適宜選択することができる。この材料としては、例えば金属、金属の酸化物、金属の複合酸化物等を用いることができる。金属としては、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru、Rh等の金属又は2種以上の金属を含有する合金が挙げられる。
更に、金属の酸化物としては、例えば、La、Sr、Ce、Co、Mn、Fe等の酸化物(例えば、La23、SrO、Ce23、Co23、MnO2、FeO等)が挙げられる。また、複酸化物としては、La、Pr、Sm、Sr、Ba、Co、Fe、Mn等のうちの少なくとも1種を含有する各種の複合酸化物(例えば、La1-xSrxCoO3系複合酸化物、La1-xSrxFeO3系複合酸化物、La1-xSrxCo1-yFeyO3系複合酸化物、La1-xSrxMnO3系複合酸化物、Pr1-xBaxCoO3系複合酸化物、Sm1-xSrxCoO3系複合酸化物等)が挙げられる。
・「電解質層」としては、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリアをドープしたセリア)、GDC(ガドリアをドープしたセリア)、ペロブスカイト系酸化物等の固体電解質(固体酸化物)が挙げられる。これらは、単一膜でもよいし、2種以上の組成が積層構造となっている多層膜でもよい。多層膜としては、例えばYSZ+SDC膜、YSZ+GDC膜などが挙げられる。
この電解質層は、例えば燃料電池の場合には、その動作時に燃料極に導入される燃料ガス又は空気極に導入される支燃性ガスのうち一方の少なくとも一部をイオンとして移動させることができるイオン伝導性を有する。どのようなイオンを伝導することができるかは特に限定されないが、イオンとしては、例えば、酸素イオン及び水素イオン等が挙げられる。
以下、本発明の最良の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
ここでは、電気化学リアクタースタック及びその製造方法として、固体酸化物形燃料電池(以下単に燃料電池とも記す)スタック及びその製造方法について説明する。
a)まず、本実施形態の燃料電池スタックの全体構成について説明する。
図1に示す様に、本実施形態の燃料電池スタック1では、多数の円筒状(チューブ状)の燃料電池セル3がその軸方向に平行に配置されて、水平方向に1列に並んだリアクターセル層状部5が形成されており、このリアクターセル層状部5は、図の上下方向に平行に複数層形成されている。
つまり、図2に燃料電池スタック1の一部を示す様に、同図の左右方向に配列された各燃料電池セル3は、その周囲に配置された導電性集積用材料からなる導電性集積用材料層7により電気的に接続されている。また、この導電性集積用材料層7によって一体化されたリアクターセル層状部5は、絶縁性多孔体9によって上下方向から挟まれた状態で、積層配置されている。
図3に示す様に、前記燃料電池セル3は、細径(例えば直径0.5〜2.0mm)で長尺(例えば長さ10〜50mm)の筒状(チューブ形状)の部材であり、その軸中心には燃料ガスが流される貫通孔11が形成されている。
この燃料電池セル3は、中心に支持体となる筒状の燃料極(内側電極:第1電極)13を備えており、燃料極13の外側には薄肉の固体電解質層15が形成され、固体電解質層15の外側の一端側(図3(b)左側)には、薄肉の空気極(外側電極:第2電極)17が形成されている。
また、燃料電池セル3の他端側(図3(b)右側)では、固体電解質層15の一部が燃料極11が露出するまで帯状に除去されており、この除去部分には、燃料極13が露出しない様に、燃料極13の露出部分(即ち固体電解質層15の非被覆部分)とその近傍を覆って、金属シール層19が形成されている。この金属シール層19は、ガスの流通を阻止するとともに燃料極13の電極端子となる緻密な層であり、導電性シール材料によって帯状に形成されている。
図4及び図5に示す様に、前記絶縁性多孔体9は、空気の流通が可能な板状の多孔質の部材であって、その気孔率は60〜90%、気孔径は20〜300μmであり、0.5〜10μmのセラミック粒子から構成されている。この絶縁性多孔体9の上面には、燃料電池セル3が嵌め込まれる多数の凹部(配列溝)21が平行に形成され、その下面には、他の絶縁性多孔体9の配列溝21に嵌り込んで位置決めする凸部(位置決め用凸部)23が形成されている。なお、位置決め用凸部23の下面側は、燃料電池セル3の外側形状に合うように湾曲している。
また、各配列溝21の一方の端部の底部には、絶縁性多孔体9の上下面を貫いて導通するために、即ち、上側と下側の燃料電池セル3同士を電気的に接続するために、電気接続パス25(図6参照)となる連通孔27が形成されている。この電気接続パス25は、連通孔27に導電材料(例えば導電性集積用材料)が充填されたものである。
なお、燃料電池スタック1の最上層の絶縁性多孔体9には配列溝21はなく、最下層の絶縁性多孔体9には位置決め用凸部23はない。
そして、本実施形態では、図6に燃料電池スタック1の一部を示す様に(同図では、配列溝21が下方になるよう表示されている)、同図上側が負極で、下側が正極となるように、燃料電池セル3や絶縁性多孔体9等が組み付けられるとともに、燃料電池セル3は電気的に直列接続となるように配置されている。
具体的には、燃料電池セル3は、絶縁性多孔体9の配列溝21の中に収容されるとともに、その周囲には導電性集積用材料層7が形成され、更に、導電性集積用材料層7は、絶縁性材料層29により、左右に分離されている。これにより、空気極17と金属シール層19とは、絶縁性材料層29により、その短絡が防止されている。
また、同図の右側に配置された導電性集積用材料層7(第1導電性集積用材料層31)は、金属シール層19の周囲に配置されて、金属シール層19と他の(例えば同図上方の)絶縁性多孔体9の電気接続パス25とを電気的に接続している。一方、同図の左側に配置された導電性集積用材料層7(第2導電性集積用材料層33)は、空気極17の周囲に配置されて、空気極17と他の(例えば同図下方の)絶縁性多孔体9の電気接続パス25とを電気的に接続している。
更に、燃料電池セル3は、上下方向の各層において、チューブの左右が互い違いとなるように、即ち、空気極17側と金属シール層19側とが上下の層で向きが異なるように配置されている。それに応じて、各絶縁性多孔体9(従って各電気接続パス25)も、各層毎に左右互い違いとなる様に配置されている。なお、同一のリアクターセル層状部5においては、全ての燃料電池セル3の向きは同じである。
従って、この燃料電池スタック1では、発電を行う際には、同図に矢印で電流の経路を示すように、電気は、最上層の電気接続パス25から、第1導電性集積用材料層31→金属シール層19→燃料極13→固体電解質層15→空気極17→第2導電性集積用材料層33→2層目の電気接続パス25と流れ、以下同様にして、最下層の電気接続パス25に流れる。
上述した燃料電池スタック1では、前記図1のX方向に、絶縁性多孔体9を介して空気を流し、Y方向に、燃料電池セル3の貫通孔11を介して、燃料ガスを流すことにより、発電を行うことができる。
b)次に、前記燃料電池スタック1の製造方法について説明する。
<燃料電池セル3の作製方法>
酸化ニッケル及びGdをドープしたCeO2(GDC)の混合粉末に、セルロース系バインダーと、造孔材としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)ビーズ粉末を加え、十分に混合した後、水を添加して粘土状になるまで混合した。
その粘土を、押出成形機に投入して、図7に示す様に、燃料極13となる細径円筒状(チューブ)の燃料極用成形体35を作製した。
次に、固体電解質層15を形成するために、GDC粉末と、ポリビニルブチラールと、アミン系分散剤と、可塑剤を、メチルエチルケトン及びエタノールを溶媒として混合し、コーティング用スラリーを作製した。
次に、燃料極用成形体35を所定の長さに切断し、コーティング用スラリーに浸漬した後、ゆっくりと引き上げることで、燃料極用成形体35の表面に、電解質成膜を形成した。その後、1400℃にて、燃料極用成形体35と電解質被膜を同時焼成することで、燃料極13と固体電解質層15の同時焼成体37を得た。
その後、燃料極13より電気接続する端子を取り出すため、固体電解質層15の一部を、センタレスグラインダーを用いて研削して、燃料極13の一部を帯状に露出させた。
また、空気極17を形成するため、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83-x(LSCF)粉末と、GDC粉末と、ポリビニルブチラールと、アミン系分散剤と、可塑剤を、メチルエチルケトン及びエタノールを溶媒として混合し、空気極用スラリーを作製した。
そして、空気極15を形成しない位置にマスキングを行った後、前記同時焼成体37を空気極用スラリーに浸漬して、その後ゆっくりと引き上げることで、固体電解質層15の表面に、空気極被膜を形成した。
その後、1000℃にて焼付け処理を行って、空気極17を作製した。
更に、固体電解質層15を研削した部分をガスシールするとともに、燃料極13の電極端子とすることを目的として、燃料極13の露出部分を覆うように、例えば銀等の導電性シール材料を用いて、緻密な金属シール層19を形成し、燃料電池セル3を完成した。
なお、金属シール層19の形成方法としては、銀粉末を、α−テルピネオール、アミン系分散剤とともに混合することでペースト化し、燃料極13の露出部分にペーストを塗布し、熱処理することで緻密な銀被膜を形成する方法を採用できる。
<絶縁性多孔体9の作製方法>
酸化マグネシウム粉末と、セルロース系バインダーと、造孔材としてPMMAビーズを十分に混合した後、水を加えて混合し粘土状にした。
作製した粘土を、押出成形機に投入して、絶縁性多孔体9の配列溝21や位置決め用凸部23となる部分を有するシートに成形した。
次に、そのシートを1500℃にて焼成を行った後に、所定の寸法の切断して、絶縁焼成体39を作製した。
次に、絶縁焼成体39の各配列溝21の底部に、小型ボール盤を用いて、電気接続用パス25を形成するための穴(連通孔27)を加工し、絶縁性多孔体9を完成した。
<燃料電池スタック1の組立方法>
(導電性集積用材料層7となる)導電性集積用材料として、LSCF粉末、α−テルピネオール、アミン系分散剤を混合して作製したペーストを用意した。
また、(絶縁性材料層29となる)絶縁性材料として、酸化マグネシウム、α−テルピネオール、アミン系分散剤を混合したペーストを用意した。
なお、空気極17と比較し、導電性集積用材料層7は気孔率を高くすることが良好な性能を確保するために重要となるが、LSCFに粒子径の大きなものを使用したり、造孔材を導入することで可能となる。
次に、図8に示す様に、絶縁性多孔体9へ、はじめにディスペンサーロボットにて、絶縁性材料層29を形成する位置に、帯状に絶縁性材料のペースト43を塗布した後、そのペースト43の左右の第1、第2導電性集積用材料層31、33を形成する位置に、導電性集積用材料のペースト45を塗布した。
そして、それぞれのペースト43、45が乾く前段階で、絶縁性多孔体9の配列溝21に、燃料電池セル3を、その向きや軸方向の位置を合わせて埋め込んだ。つまり、この埋め込み際には、金属シール層19と連通孔27(従って電気接続パス25)との位置を合わせるとともに、金属シール層19と空気極17との間に絶縁性材料のペースト43(従って絶縁性材料層29)が位置するように、燃料電池セル3を配置した。
また、この導電性集積用材料の塗布の際に、配列溝21の底部の連通孔27にもペースト45が充填される。
そして、このように燃料電池セル3を埋め込んだ絶縁性多孔体9同士を、燃料電池セル3が直列接続となるように電気的接続方法に配慮しながら、各位置決め用凸部23を各配列溝21に嵌め込んで積層することで、燃料電池スタック1の積層体を作製した。つまり、この積層体では、燃料電池セル3(従って絶縁性多孔体9も)の左右方向の向きが、上下方向において順次互い違いになるように配置して積層した。
その後、この積層体を、大気中で1000℃で2時間焼成することにより、本実施形態の燃料電池スタック1を完成した。
なお、このとき、導電性集積用材料が焼成されて導電性集積用材料層7となり、この導電性集積用材料層7と上下の絶縁性多孔体9とが接合される。同時に、第1導電性集積用材料層31と金属シール層19とが、導通が確保された状態で接合されるとともに、第2導電性集積用材料層33と空気極17とも、導通が確保された状態で接合される。
c)この様に、本実施形態の燃料電池スタック1では、複数の燃料電池セル3は、絶縁性多孔体9の配列溝21に配置されるとともに、導電性集積用材料層7によって導通が確保された状態で配列溝21内に密着して固定されている。また、燃料電池セル3は、同じリアクターセル層状部5では、その向きを揃えて配置されるとともに、上下のリアクターセル層状部5では、その向きが異なるように配置され、更に、上下の燃料電池セル3間は、電気接続パス25により電気的に接続されている。その上、燃料極13はガスを遮断する金属シール層19により電気的に接続されるとともに、金属シール層19と空気極17とは絶縁性材料層29により、短絡しないように構成されている。
従って、本実施形態では、多数の細径のチューブ型(マイクロチューブ型)の燃料電池セル3を積層配置する場合に、容易に電気接続を直列接続とすることができ、また、組み付け精度も向上することができる。更に、絶縁性多孔体9に嵌め合い構造となる配列溝21と位置決め用凸部23とを有するので、形状良く集積することができる。なお、後述する様に、燃料電池セル3の向きや絶縁性多孔体9の構成などをわずかに変更するだけで、並列接続に自由に組み替えることも可能である。
つまり、本実施形態では、複雑なマイクロチューブ型の燃料電池セル3を用いた場合でも、比較的容易な手法にて所望の電気的な接続方法を実現できるとともに、形状精度の優れた燃料電池スタック1を作製可能である。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態の燃料電池スタックは、燃料電池セルを並列接続したものである。
図9に示す様に、本実施形態燃料電池スタック51は、絶縁性多孔体53の配列溝55に燃料電池セル57が配置されるが、前記第1実施形態とは異なり、燃料電池セル57の向きが全部揃っている。
つまり、図10に示す様に、本実施形態では、同図右側が金属シール層59となるように、向きを揃えて配置されている。なお、図10では、配列溝55が下方になるように上下逆にして表示している。
これに対応して、絶縁性多孔体53の配列溝55の底部には、(2つのグループに分けて)6箇所に連通孔61(従って電気接続パス63)が形成されている。
この電気接続パス63のうち、図10の右端側に形成された1個の電気接続パス63は、上下の燃料電池セル57の金属シール層59同士を、第1導電性集積用材料層65を介して電気的に接続するものである。
一方、図10の左端側に形成された5個の電気接続パス63は、上下の燃料電池セル57の空気極67同士を、第2導電性集積用材料層69を介して電気的に接続するものである。
なお、第1導電性集積用材料層65と第2導電性集積用材料層69との間には、金属シール層59と空気極67との短絡を防止するために、絶縁性材料層71が形成されている。
従って、本実施形態では、燃料電池セル57を並列接続して、発電を行うことにより、同図の最上層を負極に、最下層を正極にして電気を取り出すことができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態の燃料電池スタックは、第1実施形態の燃料電池セルよりも長尺の燃料電池セルを用いたものである。
図12に示す様に、本実施形態の燃料電池スタック81では、前記第1実施形態と同様に、マイクロチューブ型の燃料電池セル83は、導電性集積用材料層85及び絶縁性多孔体87を介して、多段となるように複数積層されており、特に、各燃料電池セル83は、第1実施形態の燃料電池セルより長尺(例えば50〜100mm)である。
この燃料電池セル83には、その外側に、2〜3箇所に分かれて空気極89が設けられるとともに、各空気極89の間には、絶縁性材料層91を介して、金属シール層93が形成されている。従って、各燃料電池セル83には、2〜3箇所に金属シール層93を備えている。
また、各絶縁性多孔体87には、所定段の各金属シール層93と(この段と上下方向に隣接する他の段の)各空気極89を覆う導電性集積用材料層85とを電気的に接続する電気接続パス95が形成されている。
従って、本実施形態では、燃料電池セル83が長尺であっても、長手方向における電気抵抗が過大になることがないという利点がある。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態は、固体電解質が、ある特定の元素を通過する特性を持ち、透過したガスを用いて反応を促したり、または、複数のガス種の混合物から特定元素を分離したり、反応を目的とする電気化学リアクタースタックに関するものである。
このリアクタースタックに関しては、リアクタースタックに通電し、強制的に反応・分離を行うものであってもよい。また、通電しなくとも、材料そのものが持つ触媒能やイオン選択性により、反応や分離ができるものであってもよい。
これらは、いずれについても、リアクター内部にガスが効率良く拡散することが重要であるため、反応や分離する方法や、反応させるもの、分離するものの種類を選ばない。
前記リアクタースタックは、以下に述べる様に、NOx浄化技術などに適用できる。
具体的には、例えばリアクタースタックの内側電極(例えば燃料電池と同様な燃料極)に、ディーゼルエンジン自動車の排ガスを投入し強制的に通電すると、排ガス中に含まれるNOxが電極上で酸素原子を放出するため、浄化することができる。
この場合、リアクタースタックの材料構成として、NOx導入側電極としては、Ni、Ptなどが考えられ、固体電解質としては酸素イオン導電性を有するものであればいずれでも良く ジルコニア系電解質、セリア系電解質、ランタンガレード系電解質いずれであっても良い。対極としては、酸素イオンを酸素化できる電極であれば良く、Pt、Agのほかに、前記燃料電池で用いられる空気極(例えば外側電極)といった組み合わせが考えられる。
従って、本実施形態では、前記図1と同様なリアクタースタックを用い、例えば前記図1のX方向に排ガスを供給すると、NOxを含むガスは、リアクターの内側電極により窒素と酸素に分解され、X方向のガス出口においては、NOx量が低下し、分解された窒素を含むガスを取り出すことができる。
尚、本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、多数の燃料電池セルの配列方法としては、前記第1実施形態の様な、縦横同数の配列以外に、縦横の配列数が異なる方法を採用できる。従って、その場合は、軸方向から見ると、燃料電池スタックは長方形となる。
(2)また、燃料電池セルの配列方法としては、前記第1実施形態の様に、軸方向から見て正方格子状以外に、例えば上下の列で半個づつ位置をずらして千鳥格子状としてもよい。
(3)更に、内側電極と外側電極とを逆にしてもよい。例えばガスの流路を入れ替えて、内側電極を空気極とし、外側電極を燃料極としてもよい。
(4)また、絶縁性多孔体の形状を簡易化するために、位置決め用凸部を省略してもよい。
第1実施形態の固体酸化物形燃料電池スタックを示す斜視図である。 図1のA−A断面の一部を拡大して示す断面図である。 (a)は燃料電池セルを示す斜視図、(b)は燃料電池セルを軸方向沿って破断した断面図である。 絶縁性多孔体の組み付け方法を示す説明図である。 (a)は絶縁性多孔体を示す斜視図、(b)は絶縁性多孔体の側面図である。 同固体酸化物形燃料電池スタックの一部を破断して示す断面図である。 同固体酸化物形燃料電池スタックの製造方法の全体を示す説明図である。 同固体酸化物形燃料電池スタックの製造方法の要部を示す説明図である。 第2実施形態の固体酸化物形燃料電池スタックの一部を分解して示す説明図である。 同固体酸化物形燃料電池スタックの一部を破断して示す断面図である。 第2実施形態の固体酸化物形燃料電池スタックの一部を破断して示す断面図である。
符号の説明
1、51、81…燃料電池スタック
3、57、83…燃料電池セル
5…リアクターセル層状部
7、31、33、65、69、85…導電性集積用材料層
9、53、87…絶縁性多孔体
13…燃料極(内側電極:第1電極)
15…固体電解質層
17、67、89…空気極(外側電極:第2電極)
19、59、93…金属シール層
25、63、95…電気接続パス
29、91…絶縁性材料層

Claims (21)

  1. 電解質層を挟んで第1電極層と第2電極層とが積層された多層構造を有するチューブ型の電気化学リアクターセルを、複数個備えた電気化学リアクタースタックにおいて、
    電気絶縁性を有する絶縁性多孔体上に前記電気化学リアクターセルが複数個配列されたリアクターセル層状部を、複数備えるとともに、
    前記複数のリアクタ−セル層状部、前記絶縁性多孔体に形成された電気接続パスにより電気的に接続されて積層されており、
    且つ、前記積層方向の一方の端部のリアクターセル層状部と他方の端部のリアクターセル層状部にて、前記電気化学リアクタースタックへの電気的接続がされたことを特徴とする電気化学リアクタースタック。
  2. 前記第1電極層はその外側面に前記電解質層に被覆されない非被覆部分を有し、該非被覆部分がガスの通過を阻止する緻密質な導電性シール材料に被覆されることにより、前記第1電極層と前記第2電極層とに供給されるガスの流路が分離され、
    且つ、前記導電性シール材料による被覆部分と前記第2電極層とは、前記第1電極層と前記第2電極層とが同一の電気化学リアクターセル上にて電気的に短絡しないように分離されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学リアクタースタック。
  3. 前記電気化学リアクターセルは、その軸方向に沿って、複数の前記導電性シール材料による被覆部分と複数の前記第2電極層とを備え、
    且つ、前記積層方向に隣接して配置された電気化学リアクターセル同士では、一方の電気化学リアクターセルの前記導電性シール材料による被覆部分と、該被覆部分に対応して配置された他方の電気化学リアクターセルの前記第2電極層とが、複数箇所にて電気接続パスにより電気的に接続されていることを特徴とする請求項に記載の電気化学リアクタースタック。
  4. 前記第1電極層を被覆している導電性シール材料は、Ag、Au、Pd、Pt、Ir、Rh、Ruのうち少なくとも1種、又はそれらの合金を用いた材料であることを特徴とする請求項2又は3に記載の電気化学リアクタースタック。
  5. 前記絶縁性多孔体と電気化学リアクターセルとは、前記第1電極層と前記第2電極層とが同一の電気化学リアクターセル上にて短絡していない状態で、導電性集積用材料により固定されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタック。
  6. 前記導電性集積用材料が、前記電気接続パスに電気的に接続されていることを特徴とする請求項に記載の電気化学リアクタースタック。
  7. 前記電気接続パスは、前記導電性集積用材料により構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の電気化学リアクタースタック。
  8. 前記導電性集積用材料は、Ag、Pd、Au、Pt、Ir、Rh、Ru、La、Sm、Pr、Nd、Ba、Sr、Ca、Co、Fe、Mn、Ni、Crのうち少なくとも1種、或いは、その酸化物、混合物、又は化合物を用いた材料であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタック。
  9. 前記導電性集積用材料は、第2電極層の気孔率よりも高い気孔率を有することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタック。
  10. 前記絶縁性多孔体は、前記電気化学リアクターセルを配列するための凹部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタック。
  11. 前記絶縁性多孔体は、前記リアクターセル層状部を積層する際に、その積層位置を決めるための凸部を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタック。
  12. 前記絶縁性多孔体が、Mg、Zr、Ce、Al、Siのうち少なくとも1種を含有する酸化物で構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタック。
  13. 絶縁性多孔体の気孔率が、60〜90%であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電気化学リアクタースタック。
  14. 前記絶縁性多孔体の気孔径が、20〜300μmであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の電気化学リアクタースタック。
  15. 前記絶縁性多孔体は、主として、0.5〜10μmのセラミック粒子から構成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタック。
  16. 前記リアクターセル層状部の電気的接続では、少なくとも一部で直列接続がされていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタック。
  17. 前記各リアクターセル層状部における電気化学リアクターセルの向きを、各層毎に交互に違えたことを特徴とする請求項16に記載の電気化学リアクタースタック。
  18. 前記導電性シール材料による被覆部分と前記第2電極層との位置は、前記電気化学リアクターセルの軸方向にずらして設定されるとともに、前記導電性シール材料による被覆部分と前記第2電極層との間に、絶縁性材料が配置されたことを特徴とする請求項に記載の電気化学リアクタースタック。
  19. 前記請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタックの製造方法において、
    前記第1電極層の焼成前の第1電極層用成形体を、押し出し成形により作製することを特徴とする電気化学リアクタースタックの製造方法。
  20. 前記請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタックの製造方法において、
    前記絶縁性多孔体の焼成前の絶縁性多孔体用成形体を、押し出し成形により作製することを特徴とする電気化学リアクタースタックの製造方法。
  21. 前記請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気化学リアクタースタックの製造方法において、
    前記絶縁性多孔体に穴をあけ、その穴に導電性集積用材料を埋め込み、その後焼成して前記電気接続パスを作製することを特徴とする電気化学リアクタースタックの製造方法。
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