しかしながら、デジタル試験機能に加え、アナログ試験機能を備えたアナログ・デジタル混載試験装置は、アナログ信号を扱う装置を別途備える必要があるため、通常のデジタルテスターより高価である。
そのため、近年では、アナログ試験信号とデジタル試験信号を、それぞれ試験モジュール化することで、被試験半導体装置のアナログ信号、デジタル信号にあわせてある程度最適に組み合わせる方法も用いられているが、商品の製品寿命が短く出荷数量も少ない場合には、一つのアナログ・デジタル混載試験装置で何品種も試験しなければならず、品種ごとに試験モジュールの組み換えを行うことは、試験モジュールの価格および組み替えのオーバーヘッド時間からも現実的でない。
また、半導体集積回路内のアナログ信号処理回路のアナログ特性を試験するための機能としては、半導体集積回路へのアナログ入力信号波形と半導体集積回路からのアナログ出力波形を解析して、入力に対する出力の利得、入力波形に対する出力波形の位相差、FFT(高速フーリエ変換)演算による波形のスペクトラム解析からのSNR(SN比:信号対雑音比)、SFDR(スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ)、SINAD(信号対雑音+歪み比)、THD(全高調波歪み)等をアナログ回路の目的に応じて判定する必要がある。
この場合、アナログ・デジタル混載試験装置とDUT(デバイス・アンダー・テスト)との伝送路を短くすることが必要であるが、アナログ・デジタル混載試験装置や、プローバー等は通常大きな筐体を有しており、DUTとの間の伝送路を短縮することは困難である。伝送路が長い場合、たとえば1GHz近傍の波長では、伝送路の波長短縮率を考慮すれば、20cm程度で1周期分位相回転が起こる。また、μAオーダーの電流等、微小信号を扱う場合、伝送路は容量性負荷となり、この容量を充電するための検出時間が長くなり、TATが増大する。また、伝送路を介して雑音が乗るため、精密な試験が困難となる課題がある。
加えて、試験モジュールの価格は高価であり、アナログ・デジタル混載試験装置の価格は、通常のデジタル試験装置に比べ、多大な設備投資を必要とする。また、近年では被試験半導体装置の進化はきわめて短期間のうちに行われるようになってきている。そのため、設備投資を回収した程度のタイミングで試験モジュールの改定が必要となる場合もあり、コスト的に優位となるアナログ処理とデジタル処理とを混載した半導体集積回路の試験装置を低価格で開発・改造するための技術が求められている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかるアナログ処理機能を備えた被試験半導体集積回路を試験する半導体集積回路の試験装置であって、主試験装置と、前記主試験装置からの制御信号を受けて前記被試験半導体集積回路とアナログ信号を授受するインターフェースボードと、を備え、前記インターフェースボードは、前記被試験半導体集積回路に試験用アナログ信号を出力するアナログ信号発生装置と、前記試験用アナログ信号をアナログ・デジタル変換し第1デジタル信号として記憶する第1デジタル信号記憶装置と、前記試験用アナログ信号の供給を受けて前記被試験半導体集積回路から出力されたアナログ出力信号をアナログ・デジタル変換し第2デジタル信号として記憶する第2デジタル信号記憶装置と、前記第1デジタル信号と前記第2デジタル信号とを比較演算し良否判定結果を得る演算装置とからなる事を特徴とする。
これによれば、デジタル処理を主とする主試験装置と、アナログ処理を主とするインターフェースボードとを一つのアナログ・デジタル混載試験装置として扱うことが可能となる。インターフェースボードの仕様変更は、アナログ・デジタル混載試験装置の仕様変更と比べ容易であるため、多岐にわたる半導体集積回路のアナログ処理回路の試験をより容易に行うことができる。
加えて、インターフェースボードは、主試験装置と比べ、被試験半導体集積回路に近い位置に配置されている。そのため、伝送路により生じる高周波域での位相回転による遅れや、微小電圧・電流試験の試験時間の増大化や、伝送路からの雑音侵入を抑制することが可能となる。
また、インターフェースボードの開発・改良は、通例アナログ・デジタル混載試験装置の開発・改良と比べ低コストでの開発・改良が可能であり、コスト競争力を高く保つことが可能となる。
なお、主試験装置は一部にアナログ試験機能を備えたものを用いても良く、この場合には、アナログ試験の一部をこのアナログ試験機能を用いて良否判定の一要素としても良い。この場合には、インターフェースボードの開発・改良負荷を低減することが可能となる。
[適用例2]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験装置であって、前記インターフェースボードは、前記主試験装置から制御信号を受ける制御受信装置と、前記主試験装置に制御信号を出力する制御送信装置を備えることを特徴とする。
上記した適用例によれば、主試験装置からの制御信号はインターフェースボードに伝達される。そのため、主試験装置のプログラムを変更することで、インターフェースボードの制御を行うことが可能となり、プログラムを一元管理することが可能となる。
また、インターフェースボードからの割り込み信号を主試験装置に出力することが可能となる。そのため、インターフェースボードでの処理進行状態に合わせて制御を行うことが可能となり、待ち時間等の短縮が可能となる。
[適用例3]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験装置であって、前記主試験装置と前記インターフェースボードとは独立したクロックで動作することを特徴とする。
上記した適用例によれば、主試験装置とインターフェースボードとのクロックが独立に設定されていることから、インターフェースボードの開発・改造を、デジタル試験装置と独立して行うことができるため、容易にインターフェースボードの改良を行うことが可能となる。
[適用例4]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験装置であって、前記インターフェースボードは、前記良否判定結果を記憶し、前記主試験装置に出力する良否記憶装置をさらに備えることを特徴とする。
上記した適用例によれば、主試験装置とインターフェースボードとの同期を取ることなく良否判定結果をインターフェースボードから主試験装置に伝達できるため、主試験装置の動作プログラムを容易に作成することが可能となる。
[適用例5]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験装置であって、前記インターフェースボードは、ウェファー試験におけるプローブカードであることを特徴とする。
上記した適用例によれば、ウェハー状態で最も近くにある基板でアナログ処理を行うことが可能となり、伝送路により生じる高周波域での位相回転による遅れや、微小電圧・電流試験の試験時間の増大化や、伝送路からの雑音侵入を抑制することが可能となる。
[適用例6]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験装置であって、前記インターフェースボードは、パッケージ試験におけるフィクスチャーボードであることを特徴とする。
上記した適用例によれば、パッケージ化された状態で最も近くにある基板でアナログ処理を行うことが可能となり、伝送路により生じる高周波域での位相回転による遅れや、微小電圧・電流試験の試験時間の増大化や、伝送路からの雑音侵入を抑制することが可能となる。
[適用例7]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験装置であって、前記第1デジタル信号記憶装置が前記試験用アナログ信号を記憶する動作と、前記第2デジタル信号記憶装置が前記アナログ出力信号を記憶する動作と、の両動作を終えた状態を示す信号を前記主試験装置に出力するBUSY信号A線と、良否判定が終了したことを前記主試験装置に出力するBUSY信号B線と、を備えることを特徴とする。
上記した適用例によれば、2つのBUSY信号である、BUSY信号AとBUSY信号Bをインターフェースボードから主試験装置に返している。BUSY信号Aはアナログ処理のステータスを示しており、BUSY信号Bは、デジタル処理のステータスを示している。このようにアナログ処理とデジタル処理のステータスを分けて処理することで、アナログ信号を取得した後、デジタル信号の処理を待たずに主試験装置を動作させることが可能となり、インターフェースボードと主試験装置を同時に作動させることができる。
そのため、試験時間の短縮を行うことが可能となる。また、BUSY信号B線を介してインターフェースボードでの処理終了を受けることができるため、インターフェースボードと主試験装置の遅い方の終了信号を、主試験装置は得ることができるため、無駄なタイムラグを生じることなく試験可能な半導体集積回路の試験装置を提供することが可能となる。また、無駄なタイムラグをなくすことで、試験時間を短縮することが可能となり、一つあたりにかかる検査コストを下げることが可能となる。
[適用例8]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験装置であって、前記アナログ信号発生装置と前記第1デジタル信号記憶装置との間に、前記被試験半導体集積回路の良品と等価な動作を行うアナログ処理回路を備えることを特徴とする。
上記した適用例によれば、被試験半導体集積回路が変調等の、入力信号と異なる処理を受けた場合に、直接比較し得る信号を参照して被試験半導体集積回路の試験を行うことが可能となる。直接信号の比較を行うことで、より精密な波形や周波数分布の比較を行うことが可能となる。さらに、この場合、被試験半導体集積回路の良品と等価な動作を行う装置を通常のアナログ・デジタル混載試験装置内に納めることはきわめて困難であり、かつ多大なコストを必要とするのに対し、容易かつ低コストで良否判定を行うことが可能となる。
[適用例9]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験装置であって、前記アナログ処理回路は前記第1デジタル信号と、前記第2デジタル信号との位相差を前記インターフェースボード内で調整し得る位相調整回路であることを特徴とする。
上記した適用例によれば、被試験半導体集積回路の種類毎に若干の遅延特性を有するアナログ信号を扱う場合、第1デジタル信号と、第2デジタル信号の間にある遅延特性を局所的な設定を行うことで修正できる。第1デジタル信号と、第2デジタル信号との間にある遅延時間の再設定は、インターフェースボード内で修正することで、主試験装置のプログラムを変えずに良否判定を行うことができる。また、被試験半導体集積回路を駆動するバッファー回路と均質なバッファー回路を通しているため、第1デジタル信号と、第2デジタル信号とを比較する場合、バッファー回路から受ける歪や雑音の値を揃えられているため、容易に歪や雑音の影響を補正することが可能となる。
[適用例10]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験装置であって、前記被試験半導体集積回路は、前記アナログ信号発生装置に含まれる前記バッファー回路と、リレーを集積したリレーユニットを介して電気的に接続されることを特徴とする。
上記した適用例によれば、各被試験半導体集積回路は独立したバッファー回路を有している。そのため、隣接する被試験半導体集積回路等の寄生容量等の影響を遮蔽することが可能となる。また、リレーを介してバッファー回路をつなげているので、被試験半導体集積回路を切り替える場合等に発生するおそれがあるサージ電圧等の影響を避けて試験を行うことが可能となる。また、このリレーユニットを主試験装置からの割り込み要求により制御することで、主試験装置によるDC試験等のアナログ試験が実施可能となる。
[適用例11]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験装置であって、前記第1デジタル信号記憶装置はデジタルシグナルプロセッサー(DSP)と、前記DSPで処理された信号を記憶する第1信号記憶部を備え、前記第2デジタル信号記憶装置は、各々の前記第2デジタル信号記憶装置に対応してDSPと、前記DSPで処理された信号を記憶する第2信号記憶部を備えることを特徴とする。
上記した適用例によれば、各被試験半導体集積回路が出力したアナログ出力信号を、容易に処理可能なよう信号処理を行っておくことが可能となり、デジタル演算装置に掛かる負荷が低減し、高速処理を行うことが可能となる。
[適用例12]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験装置であって、前記アナログ信号発生装置を制御するサンプリングクロックと、前記第1デジタル信号記憶装置でのアナログ・デジタル変換を制御するサンプリングクロックと、前記第2デジタル信号記憶装置でアナログ・デジタル変換を制御するサンプリングクロックと、は互いに独立して与えられることを特徴とする。
上記した適用例によれば、第1アナログ信号と、第2アナログ信号の帯域が変わる場合等、個々の信号のサンプリングに必要なクロックを与えることで不要なサンプリングを抑え、少ないメモリー容量でアナログ信号を記憶することができる。典型的な例として、80MHz程度の高周波を高々20KHzの信号で変調する場合、アナログ信号発生装置と第1デジタル信号記憶装置は20KHzに対応しうるサンプリングタイミングを用い、第2デジタル信号記憶装置のみに80MHzに対応するサンプリングタイミングを用いることが可能となり、必要十分なサンプリングタイミングで信号処理を行うことが可能となる。
[適用例13]本適用例にかかる半導体集積回路の試験方法は、アナログ処理機能を備えた被試験半導体集積回路を試験する主試験装置とインターフェースボードによる半導体集積回路の試験方法であって、ステップAとして、前記インターフェースボードが主試験装置から制御信号を受けるステップ、ステップBとして、前記インターフェースボードが有するアナログ信号発生装置から前記被試験半導体集積回路に試験用アナログ信号を供給し且つ前記インターフェースボード内にて前記試験用アナログ信号をアナログ・デジタル変換し第1デジタル信号として記憶するステップ、ステップCとして、前記試験用アナログ信号の供給を受けて前記被試験半導体集積回路から出力されたアナログ信号を前記インターフェースボード内にてアナログ・デジタル変換し第2デジタル信号として記憶するステップ、ステップDとして、前記第1デジタル信号と前記第2デジタル信号とを前記インターフェースボード内にて比較演算し良否判定を行うステップ、ステップEとして、前記良否判定結果を前記主試験装置に出力するステップ、からなる事を特徴とする。
これによれば、主試験装置にインターフェースボードが行っている試験状況が送られる。第1デジタル信号の蓄積と第2デジタル信号の蓄積が共に終わったことを、主試験装置に出力することで、被試験半導体集積回路は電気的に開放されたことを主試験装置が検知することができる。そのため、主試験装置による被試験半導体集積回路の試験と、インターフェースボードでのデジタル演算装置による演算とを同時並行して行うことができ、試験に必要となる時間を短縮することが可能となる。
[適用例14]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験方法であって、前記ステップAの前に、ステップFとして、前記主試験装置から前記インターフェースボードにリセット信号を出力し、前記リセット信号を受けて、前記インターフェースボードにおける記憶内容の、少なくとも一部をリセットするステップを備えることを特徴とする。
上記した適用例によれば、試験開始前に、インターフェースボードにおける記憶内容の少なくとも一部をリセットしてから試験を行うため、履歴に左右されずに試験を行うことが可能となる。
[適用例15]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験方法であって、前記ステップFと前記ステップAとの間に、ステップGとして、前記主試験装置からリレーユニットにリレー制御信号を出力し、前記リレーユニットを閉じ、前記被試験半導体集積回路と前記インターフェースボードとを電気的に接続させるステップと、を備えることを特徴とする。
上記した適用例によれば、主試験装置からの信号を受けたインターフェースボードが情報処理を終え、電気的に安定した状態でリレーユニットが閉じられるため、被試験半導体集積回路に電気的な損傷を与えることなく試験を行うことが可能となる。
[適用例16]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験方法であって、前記ステップFと前記ステップGとの間に、ステップHとして、前記主試験装置から前記インターフェースボードに試験モード選択信号を出力し、前記インターフェースボードでの試験条件を選択するステップと、をさらに含むことを特徴とする。
上記した適用例によれば、主試験装置によって直接制御装置が備える試験パラメーターセットを呼び出すことができる。そのため、主試験装置による試験パラメーターセットの一元管理が可能となり、試験条件の設定をより効率的に行うことが可能となる。
[適用例17]上記した適用例にかかる半導体集積回路の試験方法であって、前記主試験装置から出力された制御信号に従い、前記インターフェースボードでアナログ信号をデジタル化し、アナログ信号に対応させたデジタル信号を前記主試験装置に対して返すことで、前記主試験装置にアナログ試験機能を付与することを特徴とする。
上記した適用例によれば、汎用性が低いアナログ処理機能の試験機能を、容易に対応可能なインターフェースボードに与え、アナログ処理を司るインターフェースボードとデジタル試験装置とをリンクさせた測定系として用いることで、デジタル試験装置を用いてアナログ処理機能を備える半導体集積回路を短いセットアップ時間で試験することが可能となる。また、セットアップ時間を短縮することで、一つあたりの検査に用いる減価償却に伴うコストの低減が可能となる。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態:半導体集積回路の試験装置の構成)
以下、本実施形態にかかる半導体集積回路の試験装置の構成について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態にかかる半導体集積回路の試験装置の構成を示すブロック図である。図1では、被試験半導体集積回路DUT_A,DUT_B,DUT_C,DUT_Dの4つを同時に接続させる場合のブロック図を例示しているが、4つという数に限定される必要はなく、1つでも5つ以上でも良い。本実施形態では、4つの場合を例示している。ここで、個別の動作ではなく、どれか一つを指す場合には、被試験半導体集積回路DUTとも記す。また、被試験半導体集積回路DUTを試験するためのプログラムとして、2種類の試験モード(試験モードA、試験モードB)を備える場合について例示しているが、これも2種類に限定する意図のものではない。
図2は、主試験装置としてのデジタル試験装置とインターフェースボードとの間の通信部分を説明するためのブロック図である。ここでは、主試験装置としてデジタル試験装置を用いた場合について説明しているが、これは、デジタル・アナログ混載試験装置を用いても良く、この場合後述するインターフェースボードの開発・改造にかかる負荷を低減することが可能となる。
半導体集積回路の試験装置100は、デジタル試験装置3、インターフェースボード1、制御装置としてのコンピューター13、を備えている。
デジタル試験装置3は、デジタル入力線4A,4B,4C,4D、デジタル出力線5A,5B,5C,5D,デジタル入出力バス6A,6B,6C,6D、アナログ入力信号線7A,7B,7C,7D、アナログ出力信号線8A,8B,8C,8D、リレーユニット駆動線16、リセット線51、試験開始線52、試験モードA線53、試験モードB線54、を備えており、これらの線は、インターフェースボード1に設けられた中継部10を介してデジタル試験装置3と接続されている。
インターフェースボード1は、アナログ信号発生装置65、第1デジタル信号記憶装置としてのデジタイザー25R、第2デジタル信号記憶装置としてのデジタイザー25A,25B,25C,25D、アナログ処理回路30、リレーを集積したリレーユニット15、論理制御回路70、BUSY信号A線55、BUSY信号B線56、DUT_A試験結果信号線57、DUT_B試験結果信号線58、DUT_C試験結果信号線59、DUT_D試験結果信号線60、バス線26、制御受信装置71、制御送信装置72、良否記憶装置46、中継部10を備えている。
ここで、インターフェースボード1は、被試験半導体集積回路DUTがウェハー状態の場合にはプローブカードの構成を取り、パッケージ状態の場合には、フィクスチャーボードの構成を取る。ここでプローブカードとは、被試験半導体集積回路DUTのボンディングパッドに探針を当て、被試験半導体集積回路DUTの動作状況を検出するための、探針付きのボード状のものを指し、被試験半導体集積回路DUTの電極と、デジタル試験装置3と接続するコネクターのような役割も有している。そしてフィクスチャーボードとは、パッケージ化された被試験半導体集積回路DUTの電極配列に対応した電極を接触させ、被試験半導体集積回路DUTの動作状況を検出するためのパッケージ状のものを指し、被試験半導体集積回路DUTの電極と、デジタル試験装置3と接続するコネクターのような役割も有している。デジタル試験装置3は、デジタル試験装置3が発生するメインクロックに従い同期が取られている。そして、インターフェースボード1は、デジタル試験装置3と独立したサブクロックにより同期が取られている。
デジタル試験装置3は、デジタル試験の実行と共に、試験に関するシーケンスを制御している。デジタル入力線4A,4B,4C,4D、は、被試験半導体集積回路DUT_A,DUT_B,DUT_C,DUT_Dに対して、試験用のデジタル信号を伝達する機能を有している。そして、デジタル出力線5A,5B,5C,5D、は、被試験半導体集積回路DUT_A,DUT_B,DUT_C,DUT_Dから、試験用のデジタル信号を受ける機能を有している。そして、デジタル入出力バス6A,6B,6C,6Dは、被試験半導体集積回路DUT_A,DUT_B,DUT_C,DUT_Dとデジタル試験装置3との間で、デジタル入力線4A,4B,4C,4D、デジタル出力線5A,5B,5C,5Dを通じて同期を取り、被試験半導体集積回路DUT_A,DUT_B,DUT_C,DUT_Dのデジタル部分の試験を行うべく、多量の信号を授受させている。前述したように、デジタル入力線4A,4B,4C,4D、デジタル出力線5A,5B,5C,5D、デジタル入出力バス6A,6B,6C,6Dは、インターフェースボード1が備える中継部10を経由してデジタル試験装置3と接続されている。なお、デジタル試験装置3が、アナログ試験装置を内蔵している場合には、このアナログ試験装置を併用して被試験半導体集積回路DUTを試験しても良く、この場合には、インターフェースボード1が備えるアナログ処理部分の構成要素を削減することが可能となる。
インターフェースボード1は、デジタル試験装置3により制御され、主にアナログ試験を行う。インターフェースボード1が備える制御受信装置71は、デジタル試験装置3からの制御信号を受信する。具体的には、リセット線51、試験開始線52、試験モードA線53、試験モードB線54に関する制御信号を受信している。
制御送信装置72は、インターフェースボード1からデジタル試験装置3にステータス信号を返している。具体的には、BUSY信号A線55、BUSY信号B線56を介してデジタル試験装置3にインターフェースボード1からステータス信号を返している。
アナログ信号発生装置65は、波形メモリー34、基準電圧発生装置35、デジタル・アナログ(DA)変換器33、ローパスフィルター(Low Pass Filter:LPF)32、バッファー回路31IN,31Rを備えている。
波形メモリー34は、被試験半導体集積回路DUTに加える入力信号と対応する波形データを記憶している。そして、波形メモリー34の波形データは、論理制御回路70中にある、試験プログラムメモリー43から受けている。DA変換器33は、波形メモリー34の波形データを受けてデジタル・アナログ変換を行う。基準電圧発生装置35は、DA変換器33の一ビットあたりの電圧を規定している。換言すれば、波形の形状がDA変換器33から提供され、波形の大きさが基準電圧発生装置35から提供される。LPF32は、DA変換器33の量子化ノイズ等を取り除くべく、DA変換器33が信号として出力する周波数帯を通過させ、それを超えた周波数の信号を遮断している。
バッファー回路31INは、被試験半導体集積回路DUTの入力容量や、インピーダンス等の影響を、LPF32と分離するために備えられている。バッファー回路31Rは、アナログ処理回路30の入力容量や、インピーダンス等の影響を、LPF32と分離するために備えられている。また、バッファー回路31INとバッファー回路31Rとの特性は、互いに揃えられていることが好適である。この場合、バッファー回路31INとバッファー回路31Rで生じる歪や雑音が揃えられる。そのため、被試験半導体集積回路DUTの良否判断を行う場合に、歪や雑音が揃えられることでその影響を排斥することが可能となり、より高い精度を持って良否判断を行うことが可能となる。
アナログ処理回路30は、ダウンコンバート、アッパーコンバート、IV変換回路、増幅回路、フィルター回路、ミキサー、整流回路等、被試験半導体集積回路DUTに合わせて構成されている。アナログ処理回路30としては、被試験半導体集積回路DUTの良品と等価な回路、または被試験半導体集積回路DUTの良品そのものを用いることが好適で、この場合、より精密にかつ容易に試験を行うことが可能となる。なお、その場合、特に高周波域の信号を扱う場合には、信号がベースバンド信号を含む複数の信号に分離される場合がある。その場合には、複数の信号に対処できるよう、複数の信号処理系を備えることが好適となる。図1では、一つの入力信号に対して一つの出力が得られる系について記載している。ここで、被試験半導体集積回路DUTや、被試験半導体集積回路DUTの良品と等価な回路が複数の入出力に対して対応している場合には、各々の端子数を増加させることが好適となる。
また、被試験半導体集積回路DUTの入力波形と出力波形とがほぼ相似形である場合には、アナログ処理回路30として、位相調整回路を用いることができる。位相調整回路を用いた場合には、インターフェースボード1上で、トリマー抵抗や、ディップスイッチ等を用いて遅延量が調整できるよう構成されていることが望ましい。この場合、位相調整を、プログラム等を用いて変更する場合と比べ、敏速に調整することが可能となる。また、プログラム中に組み込んで位相調整を行うことも可能であり、この場合、位相調整を多数のパターンに対応させることが可能となる。
また、アナログ処理回路30は、特に位相調整回路として用いる場合、バッファー回路31INによる遅延と、被試験半導体集積回路DUTによる遅延と、を合わせた遅延量が、バッファー回路31Rの遅延と対応させて、良否判定に与える影響が小さい場合には、省略可能である。また、LPF32が備える負荷駆動能力が十分高く、アナログ信号の乱れが良否判定に与える影響が小さい場合には、バッファー回路31INとバッファー回路31Rは省略可能である。また、DA変換器33のサンプリング間隔が、DA変換器33が信号として出力する周波数帯と比べて十分短い場合には、LPF32は省略可能である。この場合、DA変換器33が備える負荷駆動能力が十分高く、場合には、LPF32に加え、バッファー回路31INとバッファー回路31Rも省略可能である。
図5は、図1に示す分岐部75の枝にバッファー回路を与えた場合の構成を示す部分配線図である。このように、被試験半導体集積回路DUT毎にバッファー回路76A,76B,76C,76Dを与える構成も好適であり、被試験半導体集積回路DUT同士の入力容量やインダクタンス等の影響を切り離して試験することが可能となる。
デジタイザー25Rは、バッファー回路20R、アナログ・デジタル(AD)変換器21R、記憶装置22R、デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)装置23R、記憶装置24Rを備えている。そして、アナログ信号発生装置65が備える、バッファー回路31Rからの信号を、アナログ処理回路30を介してバッファー回路20Rで受けている。
バッファー回路20Rは、アナログ処理回路30の出力容量や、インピーダンス等の影響を、AD変換器21Rと分離するために備えられている。AD変換器21Rは、アナログ処理回路30から受けた信号をAD変換し、デジタル的に記憶可能な量へと変換する機能を有している。記憶装置22Rは、AD変換器21Rにより変換されたデジタル信号を記憶する機能を有している。DSP装置23Rは、記憶装置22Rが記憶したデジタル信号を、容易に比較できるよう前処理を行う機能を有している。記憶装置24Rは、DSP装置23Rにより前処理を行った信号を記憶し、バス線26を経由してデジタル演算装置44に出力する機能を有している。
デジタイザー25A,25B,25C,25Dは、それぞれ同様な構成を備えているので、デジタイザー25Aについてのみ詳細に説明する。デジタイザー25Aは、バッファー回路20A、AD変換器21A、記憶装置22A、DSP装置23A、記憶装置24Aを備えている。
バッファー回路20Aは、被試験半導体集積回路DUT_Aの出力容量や、インピーダンス等の影響を、AD変換器21Aと分離するために備えられている。AD変換器21Aは、被試験半導体集積回路DUT_Aから受けた信号をAD変換し、デジタル的に記憶可能な量へと変換する機能を有している。記憶装置22Aは、AD変換器21Aにより変換されたデジタル信号を記憶する機能を有している。DSP装置23Aは、記憶装置22Aが記憶したデジタル信号を、容易に比較できるよう前処理を行う機能を有している。
記憶装置24Aは、DSP装置23Aにより前処理を行った信号を記憶し、バス線26を経由してデジタル演算装置44に出力する機能を有している。ここで、被試験半導体集積回路DUTの負荷駆動能力が、たとえば直接AD変換器21Aを駆動しても、波形変形量が良否判定に与える影響が小さく、かつバッファー回路20Rの前段における駆動能力が高く、直接AD変換器21Rを駆動しても、波形変形量が良否判定に与える影響が小さい場合には、バッファー回路20Rと、バッファー回路20A,B,C,Dを省略することが可能である。
また、バッファー回路20Aとバッファー回路20Rとの特性は、互いに揃えられていることが好適である。この場合、バッファー回路20Aとバッファー回路20Rで生じる歪や雑音が揃えられる。そのため、被試験半導体集積回路DUTの良否判断を行う場合に、歪や雑音が揃えられることでその影響を排斥することが可能となり、より高い精度を持って良否判断を行うことが可能となる。
また、被試験半導体集積回路DUTのアナログ量試験に要する時間と比べ、デジタル信号処理に要する時間が短く、デジタル信号処理に要する時間が延びても試験時間に与える影響が小さい場合や、デジタル試験装置3での処理時間と比べ、デジタル信号処理に要する時間が短い場合等では、デジタイザー25A,25B,25C,25Dが備えるDSP装置23A,23B,23C,23Dと、記憶装置24A,24B,24C,24Dは省略可能である。
リレーユニット15は、インターフェースボード1に備えられている。リレーユニット15を構成するリレーの開閉は、デジタル試験装置3から与えられるリレーユニット駆動線16の信号により制御される。
また、リレーユニット15は、図6に示すように、デジタル試験装置3が備えるDC試験機能を用いる場合、デジタル試験装置3の割り込みにより制御を行い、リレーユニット15の切り替えを行い、デジタル試験装置3により試験を行うようにしても良い。
コンピューター13は、データバス12、データ要求出力線14が備えられている。コンピューター13は、データ要求出力線14を経由して、デジタル試験装置3からの命令を受けて、インターフェースボード1に波形メモリー34や、基準電圧発生装置35の電圧の設定を、データバス12を介して行っている。
論理制御回路70は、サンプリングクロックA発生装置40、サンプリングクロックR発生装置41、サンプリングクロックS発生装置42、試験プログラムメモリー43、デジタル演算装置44、カウンター45、良否記憶装置46、判定規格メモリー47を備えている。サンプリングクロックA発生装置40は、インターフェースボード1を制御しているサブクロックをもとにして、アナログ信号発生装置65へ与えるサンプリングクロックを発生させている。サンプリングクロックR発生装置41は、インターフェースボード1を制御しているサブクロックをもとにして、デジタイザー25Rへ与えるサンプリングクロックを発生させている。サンプリングクロックS発生装置42は、インターフェースボード1を制御しているサブクロックをもとにして、デジタイザー25A,25B,25C,25Dへ与えるサンプリングクロックを与えている。
アナログ信号発生装置65へ与えるサンプリングクロックと、デジタイザー25Rへ与えるサンプリングクロックと、デジタイザー25A,25B,25C,25Dへ与えるサンプリングクロックを独立に与えることで、被試験半導体集積回路DUTが、たとえば変調回路等、被試験半導体集積回路DUTに入力される周波数と、出力される周波数が異なる場合に、共に必要十分な精度を実現するサンプリングクロックを提供することが可能となる。
ここで、アナログ処理回路30に被試験半導体集積回路DUTの良品と等価な回路を用い、デジタイザー25Rとデジタイザー25A,25B,25C,25Dの信号がほぼ相似形の信号であるのに対し、アナログ信号発生装置65の信号の波形が他と異なる構成を用いた場合には、サンプリングクロックR発生装置41を省略し、サンプリングクロックS発生装置42からのサンプリングクロックを受けるようにしても良い。この場合、サンプリングクロックA発生装置40とサンプリングクロックS発生装置42のみを用いることでアナログ回路の簡略化を行うことが可能となる。
また、被試験半導体集積回路DUTがたとえばリニアアンプ等、周波数域での変調を伴わない回路を用いている場合には、サンプリングクロックA発生装置40とサンプリングクロックR発生装置41を省略し、アナログ信号発生装置65やデジタイザー25RへもサンプリングクロックS発生装置42からのサンプリングクロックを提供するようにしても良い。ここで、デジタイザー25A,25B,25C,25Dに共通のサンプリングクロックを出力することで、サンプリングクロックS発生装置42一つで複数のデジタイザー25A,25B,25C,25Dを制御できるため、サンプリングクロックS発生回路42を複数取り扱う必要がなくなり、アナログ回路の簡略化を行うことが可能となる。また、インターフェースボード1はフィクスチャーボードやプローブカードを含んでも良い。
試験プログラムメモリー43は、デジタル演算装置44が演算を行う際に、演算に伴う、たとえばアルゴリズムを含む情報をデジタル演算装置44に提供する機能を有している。判定規格メモリー47は、デジタル演算装置44に、正常値範囲を提供すべく正常値範囲を記憶している。カウンター45は、アナログ信号発生装置65に与えられたクロック数をカウントし、規定値になったところで、アナログ信号発生装置65の信号発生が終了したことをバス線26に出力する。デジタル演算装置44は、デジタイザー25Rから出力された信号と、デジタイザー25A,25B,25C,25Dから出力された信号とを比較演算し、判定規格メモリー47から受けた信号範囲内にあるか否かを試験する。
良否記憶装置46は、デジタル演算装置44からの良否信号を蓄え、要請が来た場合にデジタル試験装置3に対して、DUT_A試験結果信号線57、DUT_B試験結果信号線58、DUT_C試験結果信号線59、DUT_D試験結果信号線60を介して良否信号を伝達する。上記した構成を備えることで、デジタル試験装置3と、被試験半導体集積回路DUTの計測を行うべく、インターフェースボード1にアナログ試験機能を与えることで、敏速に、複数の種類の被試験半導体集積回路DUTに対応することが可能となるため、投資額を抑えて、商品としての被試験半導体集積回路DUTの切り替えに対して容易に対応できる。
また、インターフェースボード1にアナログ試験機能を実装できることから、被試験半導体集積回路DUTの近傍にアナログ試験回路を配置できる。そのため、ノイズや配線インピーダンス、寄生容量の影響を避け、高い精度での試験が可能となる。また、通常デジタル試験装置3の改造・開発には多大なコストがかかるが、インターフェースボード1の開発・改造にかかるコストは低い。さらに、デジタル試験装置3とインターフェースボード1とを非同期で動作させることで、インターフェースボード1の構成を簡略化することができる。そのため、開発・改造期間を短くでき、この意味からも、単位時間あたりの各被試験半導体集積回路DUTの試験を低コストに収めることが可能となる。
(第2の実施形態:半導体集積回路の試験装置の動作シーケンス)
以下、本実施形態にかかる半導体集積回路の試験装置の動作シーケンスについて図面を用いて説明する。図3は、半導体集積回路の試験装置を駆動させるための試験パターン記述例である。図4は、図3における試験パターン記述例を補足するためのステップを示す処理フロー図の一例である。図3において、”0”、”1”で表されているものは、デジタル試験装置3からインターフェースボード1に出力される信号を意味し、”L”、”H”、”X”で表されているものは、インターフェースボード1からデジタル試験装置3に出力される信号を意味している。なお、”X”は、”H”、”L”を問わない状態を示している。また、ハードウェア構成は図1、図2を参照して説明している。
まず、ステップ1(ステップFに対応)として、デジタル試験装置3は、リセット線51を介してインターフェースボード1に、リセット信号を出力する。リセット信号を受けたインターフェースボード1は、BUSY信号AとBUSY信号Bを初期化(たとえばLに落とす)する。そして、アナログ信号発生装置65、デジタイザー25R、デジタイザー25A,25B,25C,25D、論理制御回路70の記憶内容を初期化する。ここで、同様の被試験半導体集積回路DUTを連続して試験する場合には、記憶装置22R、記憶装置24R、記憶装置22A,22B,22C,22D、記憶装置24A,24B,24C,24D、カウンター45、良否記憶装置46の記憶について初期化するようにしても良い。この場合、後述するステップ2は省略可能となる。さらに、この場合、制御装置としてのコンピューター13、データ要求出力線14、データバス12を省略することも可能である。
次に、ステップ2(ステップHに対応)として、試験モードを設定する。デジタル試験装置3は、たとえばインターフェースボード1が試験モードAを選択するよう試験モードA線53を”1”にする。この信号を受けて、インターフェースボード1は、制御装置としてのコンピューター13にデータ要求出力線14を介して試験モードAに関するデータ要求信号を伝達する。コンピューター13はデータ要求信号を受けた後、データバス12を介して試験モードAに関するデータをインターフェースボード1に出力する。
データとしては、たとえば基準電圧発生装置35の電位や、波形メモリー34の波形信号、サンプリングクロックR発生装置41のサンプリングクロック周波数、サンプリングクロックS発生装置42のサンプリングクロック周波数、試験プログラムメモリー内の情報、デジタル演算装置44の演算条件の設定、DSP装置23Rの演算条件の設定、DSP装置23A,23B,23C,23Dの演算条件をインターフェースボード1に出力する。
次に、ステップ3(ステップGに対応)として、デジタル試験装置3からの出力を、リレーユニット駆動線16を介して、リレーユニット15に出力し、接続動作を行う。具体的には、被試験半導体集積回路DUT_Aとデジタイザー25A、被試験半導体集積回路DUT_Bとデジタイザー25B、被試験半導体集積回路DUT_Cとデジタイザー25C、被試験半導体集積回路DUT_Dとデジタイザー25Dを接続させる。
次に、ステップ4(ステップAに対応)として、デジタル試験装置3は、試験開始線52に、試験開始信号として、インターフェースボード1に”1”を出力する。インターフェースボード1は、試験を開始すると共に、アナログ試験を開始した信号として、BUSY信号A線55に、”H”を出力し、アナログ試験を開始したことをデジタル試験装置3に出力する。
次に、ステップ5(ステップBに対応)として、インターフェースボード1がアナログ試験を終了した時点で、アナログ試験が終了したことをデジタル試験装置3に出力すべく、インターフェースボード1はBUSY信号B線56に、”H”を出力し、アナログ試験を終了したことをデジタル試験装置3に出力する。
次に、ステップ6(ステップCに対応)として、インターフェースボード1はアナログ試験に続けて、AD変換器21Rや、AD変換器21A,21B,21C,21DによりAD変換されたデジタル信号を、DSP装置23A,23B,23C,23Dによる演算や、デジタル演算装置44による演算により良否判定を行う。この場合、DSP装置23RやDSP装置23A,23B,23C,23D、記憶装置24A,24B,24C,24Dを省略した構成を用いている場合にはAD変換器21A,21B,21C,21DによりAD変換されて、記憶装置22A,22B,22C,22Dに蓄積されたデジタル信号がデジタル演算装置44に出力される。同時に、デジタル試験装置3は被試験半導体集積回路DUTのデジタル機能試験等を行う。
このようにタイミング制御を行うことで、インターフェースボード1とデジタル試験装置3とで同時並列で処理することが可能となり、試験時間の短縮が可能となる。また、デジタル試験装置3が、アナログ試験装置を内蔵している場合には、このアナログ試験装置を併用して被試験半導体集積回路DUTを試験しても良く、この場合には、インターフェースボード1が備えるアナログ処理部分の構成要素を削減することが可能となる。
次に、ステップ7(ステップDに対応)として、インターフェースボード1での被試験半導体集積回路DUTの良否判定が終了し、インターフェースボード1がDUT_A試験結果信号線57、DUT_B試験結果信号線58、DUT_C試験結果信号線59、DUT_D試験結果信号線60に試験結果を出力した時点で、良否判定が終了したことをデジタル試験装置3に出力すべく、BUSY信号A線55に、”L”を出力し、デジタル試験を終了したことをデジタル試験装置3に出力する。デジタル試験装置3での試験が先に終わっていた場合には、BUSY信号A線55が”L”になった時点で次の試験に移る。デジタル試験装置3での試験が続いていた場合には、デジタル試験装置3での試験終了を待って次の試験に移る。図3では、被試験半導体集積回路DUT_Dが不良であった例について示している。
上記したように、BUSY信号B線56を設け、インターフェースボード1でのアナログ信号処理の終了をデジタル試験装置3に出力することで、インターフェースボード1とデジタル試験装置3とで同時並列で処理することが可能となる。即ち試験時間を短縮することが可能となる。
また、制御装置としてのコンピューター13、データ要求出力線14、データバス12を備えている場合には、アナログ信号発生装置65、デジタイザー25R、デジタイザー25A,25B,25C,25D、論理制御回路70、の処理条件の書き込み・読み出し等がコンピューター13のキーボードやマウスを介して行えるため、パラメーター変更を容易に行うことができる。