JP5211395B2 - 環状フェノール硫化物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属イオンの補足能を利用した金属補足剤や固定化剤、イオンや分子の認識能を利用した光センサー、イオンセンサー、基質特異性センサー、分離膜材料およびそれらの中間体、電荷制御剤、触媒などとして有用な環状フェノール硫化物の製造方法に関する。
環状フェノール硫化物の製造方法にはフェノール化合物と単体硫黄およびアルカリ金属試薬を原料に用い加熱反応によって合成する方法(例えば、特許文献1〜2および非特許文献1参照)がある。これらの方法は一つの反応操作で目的物が得られる簡便かつ安価な原料を用いる実用的な製造方法であるが、生成物の分布が環状4量体[一般式(2)においてm=4]に偏る傾向がある。しかも、より大環状の生成物[一般式(2)においてm=5〜9]を得る場合は、環状4量体の回収は度外視されており、全体的な収率まで考慮されていない。精製においてもカラムクロマトグラフを必須としている。また、鎖状のフェノール硫化物と単体硫黄およびアルカリ金属試薬を原料に用い加熱反応により合成する方法(例えば、特許文献3〜6参照)がある。これらの方法は、より大環状の生成物[一般式(2)においてm=5〜9]を多く製造することはできるが、環状4量体の収量が少なくなる。また、フェノール化合物から鎖状のフェノール硫化物を製造する工程と、鎖状のフェノール硫化物を環化させて環状フェノール硫化物を製造する工程の2工程に分かれており工業的には不向きである。
特開平9−227553号公報 特開2002−193963号公報 特開平10−081680号公報 特開平11−049770号公報 特開2000−273096号公報 特開2002−255961号公報 H.Kumagai et al.,Tetrahedron Lett.(1997)、38、3971-3972
本発明の目的は、環状フェノール硫化物の製造方法において、安価な原材料から1工程で、環状4量体の収量低下を起こすことなく、生成する環状フェノール硫化物の混合物から単一成分を簡便に分離・精製し、より大環状の生成物を多く製造する方法を提供することである。
本発明者らはこれらの課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、一般式(1)で表されるフェノール化合物を原料として、1工程の反応で、一般式(2)で表される環状フェノール硫化物を高収率かつ簡便に製造する方法を見出した。さらに、反応で得られた一般式(2)で表される環状フェノール硫化物の混合物から複雑な精製を行うことなく、単一成分を分離・精製する方法を見出し、本発明を完成させた。
Figure 0005211395
(1)
(式中、R1は炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。)
Figure 0005211395
(2)
(式中、R1は炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、mは4ないし9の整数である。)
すなわち、本発明は一般式(1)で表されるフェノール化合物と所定量の単体硫黄および所定量のアルカリ金属試薬を原料として溶媒中で加熱し、反応することを特徴とする一般式(2)で表される環状フェノール硫化物の製造方法である。
また、前記製造方法で得られた環状フェノール硫化物の混合物から、低級アルコールを晶析溶媒として用いて環状4量体を分離した後、種々の有機溶媒を晶析溶媒として用いて、より大環状の環状フェノール硫化物[一般式(2)においてm=5〜9]を個々に分離・精製する環状フェノール硫化物の製造方法である。
本発明の環状フェノール硫化物の製造方法によれば、より大環状の環状フェノール硫化物[一般式(2)においてm=5〜9]の収量を多く製造するために、環状4量体の収量を低下させることなく、かつ1工程で2種以上の生成物を製造するという簡便さを維持しながら、一般式(2)で表される環状フェノール硫化物を高収率かつ簡便に製造することができる。
また、本発明の環状フェノール硫化物の製造方法は、一般式(2)で表される環状フェノール硫化物から、複数の溶媒を組み合わせて行う複雑な再結晶や多量の溶媒を使用するなどの製造コストが増加するカラムクロマトグラフを用いることなく、種々の有機溶媒を晶析溶媒として用いることによる簡便な晶析操作によって、一般式(2)においてmが4〜9の単一成分を個々に分離・精製することができる。
本発明の原料である一般式(1)で表されるフェノール化合物における炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基(R1)としては、具体的に次のような基をあげることができる。メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、2−メチルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,4−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基。
次に、本発明の環状フェノール硫化物の製造方法について説明する。本発明の環状フェノール硫化物の製造方法において、環化反応は溶媒の存在下実施することが好ましく、溶媒の好適な使用量は、原料である一般式(1)で表されるフェノール化合物1モル当たり0.1〜1L、より好ましくは0.3〜0.6Lである。溶媒の種類には、飽和脂肪族エーテル、芳香族エーテル、飽和脂肪族チオエーテル、芳香族チオエーテル、飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素が挙げられ、芳香族エーテル、芳香族チオエーテルおよび芳香族炭化水素が好ましく、特にジフェニルエーテルが好ましい。
本発明において、一般式(1)で表されるフェノール化合物と単体硫黄の仕込みモル比は、フェノール化合物1モルに対し、単体硫黄が1.7〜2.5モル当量が好ましく、特に1.9〜2.1モル当量が好ましい。
本発明において、環化反応に用いられるアルカリ金属試薬としては、アルカリ金属単体、水素化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、アルカリ金属アルコキシドなど種々のものが用いられるが、水酸化アルカリ金属が好ましい。水酸化アルカリ金属の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどがあげられる。特に、水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属試薬の使用量は、一般式(1)で表されるフェノール化合物1モルに対し、0.25〜0.75モル当量が好ましく、特に0.4〜0.6モル当量が好ましい。
本発明において、環化反応は不活性ガス雰囲気下、さらには不活性ガスを反応系に通気しながら行うことが好ましい。不活性ガスの例としては窒素、ヘリウム、アルゴンがあげられるが、本発明を実施するにあたり特に種類は限定されない。
本発明においては、環化反応時に生成する水および硫化水素を除去しつつ製造を行う。生成する水および硫化水素は、不活性ガスを系内に通気するか、溶媒が沸騰しない範囲内での微減圧吸引で系外へ除去し、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性水溶液やエタノールアミンなどのアミン溶液への吸収、または、活性炭、モレキュラーシーブ、酸化鉄、酸化亜鉛などへの吸着で連続的に捕捉する。
本発明において、環化反応は反応温度を3段階に分けて昇温することが好ましい。1段階で最終的な反応温度まで昇温しても目的物を得ることはできるが、収率の低下を招くので3段階に分けて昇温することが望ましい。すなわち、まず120〜140℃の反応温度まで昇温を行い(1段階目)、この反応温度で0.5時間以上保持する。ここで反応時間の上限に制限はないが、製造コストの増大につながるため0.5〜8時間が望ましい。続いて160〜180℃の反応温度まで昇温を行い(2段階目)、この反応温度で0.5時間以上保持する。ここでも反応時間の上限に制限はないが、製造コストの増大につながるため0.5〜8時間が望ましい。最後に210℃以上の反応温度まで昇温を行う(3段階目)。ここでの反応温度は200℃以上であれば環状4量体は生成するが、より大環状の環状フェノール硫化物[一般式(2)においてm=5〜9]の生成量を増やすためには210℃以上の反応温度まで昇温することが望ましい。ここでの反応温度の上限は設定しないが、製造コストの増大につながるため240℃以下が望ましい。また反応時間は、設定した反応温度と原料であるフェノール化合物の種類によって変化するが、1〜30時間に設定するのが望ましい。
前記環化反応の反応混合物に鉱酸の水溶液を加えて本発明の反応生成物が得られる。用いられる鉱酸には硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、硼酸などがあげられるが、本発明を実施するにあたり特に種類は限定しない。鉱酸の量は、一般式(1)で表されるフェノール化合物1モルに対し、0.5〜3.0モル当量用いるのが好ましい。
前記反応生成物から通常の分離手段によって、例えばカラムクロマトグラフ、再結晶法など、またはこれらの組み合わせなどによって分離・精製できるが、次に示す方法を用いることで、より効率的、簡便に環状4量体とより大環状の環状フェノール硫化物[一般式(2)においてm=5〜9]とを分離・精製することができる。
すなわち、低級アルコールを晶析溶媒として用いて環状4量体を分離した後、種々の有機溶媒を晶析溶媒として用いて、より大環状の環状フェノール硫化物[一般式(2)においてm=5〜9]を個々に分離・精製する方法である。本発明に用いる低級アルコールとは、炭素原子数1〜4の直鎖もしくは分岐したアルコールであり、具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノールがあげられる。メタノール、エタノール、2−プロパノールが好ましいが、特にメタノールが好ましい。晶析溶媒として用いられる低級アルコールの仕込み量は、前記反応に使用した溶媒量の0.2〜5倍重量用いるのが好ましく、特に0.5〜1.5倍重量用いるのが好ましい。特に、反応混合物100重量部当り低級アルコールを100〜300重量部用いるのが好ましい。また、晶析温度は20〜80℃が好ましく、特に40〜60℃が好ましい。
本発明において、前記環化反応終了後の反応生成物に鉱酸の水溶液を加えた後に低級アルコールを添加して環状4量体を晶析させてもよいが、低級アルコールを添加した後に鉱酸の水溶液を加えて、環状4量体を晶析させてもよい。
本発明において、低級アルコールを用いて晶析させた環状4量体を分離するときの温度は任意の温度でよいが、30℃以上で行うのが好ましく、特に40〜60℃で行うのが好ましい。環状4量体の分離は、通常の分離手段によって、例えば減圧ろ過、加圧ろ過、遠心分離、フィルタープレスなどによって行うことができる。また分離した環状4量体をより高純度にするため、前記低級アルコールもしくは水を用いた洗浄操作を行ってもよい。
本発明において、環状4量体を分離した分離液を冷却すると有機溶媒層が固化する。冷却温度は、用いた一般式(1)で表されるフェノール化合物または用いた低級アルコールの種類により異なるが、0〜25℃が好ましい。分離液固化後の固化物を分離する温度は、任意に設定した温度で構わないが、本発明の効果を最大に発揮するためには、30℃未満で行うのが好ましく、−10〜20℃で行うのがさらに好ましい。固化物の分離は、通常の分離手段によって、例えば減圧ろ過、加圧ろ過、遠心分離、フィルタープレスなどによって行うことができる。
本発明において、分離した前記固化物に種々の有機溶媒を晶析溶媒として添加して、より大環状の環状フェノール硫化物[一般式(2)においてm=5〜9]を個々に分離・精製することができる。用いる晶析溶媒の種類、仕込み量、晶析温度などは、目的とする環状フェノール硫化物の種類によって種々選択する。
また分離した環状フェノール硫化物をより高純度にするため、前記低級アルコールもしくは水を用いた洗浄操作を行ってもよい。
本発明において、分離した前記固化物に晶析溶媒として添加する有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどがあげられるが、目的とする環状フェノール硫化物の溶解度が乏しい溶媒であれば特に限定されない。
以下、実施例をもって本発明を説明するが、これらは本発明をなんら制限するものではない。本発明の環状フェノール硫化物の純度、組成比などは高速液体クロマトグラフ(以後、HPLCと略称する)によって分析を行った。HPLCの測定条件は以下のとおりである。装置:株式会社島津製作所製LC−6A、カラム:野村化学株式会社製Develosil ODS−HG−5(内径4.6、カラム長250mm)、カラム温度:40℃、移動相:テトラヒドロフラン/アセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸=450/400/150/2(v/v/v/v)、流速:1.0ml/分、注入量:1μL、サンプル濃度:1000ppm
実施例1
攪拌機、冷却管、温度計およびガス導入管を備えた500mlの4つ口フラスコに、4−tert−ブチルフェノール45.1g、単体硫黄19.2g(対4−tert−ブチルフェノールモル比:2倍モル)および水酸化ナトリウム6.0g(対4−tert−ブチルフェノールモル比:0.5倍モル)を入れ、ここにジフェニルエーテル102gを加えて窒素気流中攪拌しながら、130℃まで昇温し、130℃で1時間反応させた。さらに170℃まで昇温し、170℃で1時間反応させた。最後に230℃まで昇温し、230℃で12時間反応させた。この間、生成する水および硫化水素を反応器に窒素を通じて系外へ押し出し、水酸化ナトリウム水溶液に接触させ吸収させることで除去しながら反応を行った。反応混合物を室温まで冷却し、3モル/Lの硫酸水溶液40mlを加えて中和した後、トルエン25mlおよびn−ヘキサン70mlを加えて結晶を析出させた。粗晶をろ過し、アセトン80ml、水80mlで2回、アセトン80mlで洗浄した。得られた粗晶(収量41.9g)をHPLCで分析した結果、一般式(2)においてR1がtert−ブチルであり、mが4である環状4量体がピーク面積比93.8%、一般式(2)においてR1がtert−ブチルであり、mが8である環状8量体がピーク面積比5.2%を示す混合物であることが分かった。
実施例2
実施例1の条件で同様に環化反応および硫酸水溶液による中和を行い、得られた中和後の反応混合物にメタノール79.1gを添加した後に55℃に加温し、1時間撹拌して一般式(2)においてR1がtert−ブチルであり、mが4である環状4量体の粗晶を晶析させた。粗晶を減圧ろ過して得られた粗晶をメタノール80gで洗浄し、さらに水80gで洗浄した。得られた環状4量体は40.2gであり、4−tert−ブチルフェノール基準の収率は74.4%と高収率であった。HPLCによる分析の結果、純度はピーク面積比98.2%であった。
得られた環状4量体の構造はIR測定によって同定した。IR(ヌジョール)cm-1:3243、1475、1407、1393、1267、1246、886、823、740。
続いて、前記した環状4量体を減圧ろ過した後のろ液を撹拌しながら5℃に冷却して固化させた。固化物を5℃でろ過し、得られた固化物を10℃の冷水100mlを使って2回洗浄した。固化物にn−ヘキサン60g加え、不溶物として残った一般式(2)においてR1がtert−ブチルであり、mが8である環状8量体をろ過によって取り出した。得られた環状8量体は1.3gであり、4−tert−ブチルフェノール基準の収率は4.7%と高収率であった。HPLCによる分析の結果、純度はピーク面積比93.9%であった。
得られた環状8量体の構造はIR測定によって同定した。IR(ヌジョール)cm-1:3328、1475、1391、1277、1244、887、819、750。
実施例3
単体硫黄を対4−tert−ブチルフェノールモル比で2.5倍モル使用した以外は、実施例1と同様にして、環状フェノール硫化物を製造した。その結果、環状4量体がピーク面積比95.1%、環状8量体がピーク面積比4.1%の混合物が得られた。
実施例4
水酸化ナトリウムを対4−tert−ブチルフェノールモル比で0.25倍モル使用した以外は、実施例1と同様にして、環状フェノール硫化物を製造した。その結果、環状4量体がピーク面積比96.1%、環状8量体がピーク面積比3.0%の混合物が得られた。
実施例5
水酸化ナトリウムを対4−tert−ブチルフェノールモル比で0.75倍モル使用した以外は、実施例1と同様にして、環状フェノール硫化物を製造した。その結果、環状4量体がピーク面積比94.4%、環状8量体がピーク面積比2.7%の混合物が得られた。
比較例1
水酸化ナトリウムのフェノールに対するモル比を1.0とした以外は実施例1と同様にして行った。生成物をHPLCで分析した結果、一般式(2)においてR1がtert−ブチルであり、mが4である環状4量体は全体のピーク面積に対してピーク面積比93.1%であり、一般式(2)においてR1がtert−ブチルであり、mが8である環状8量体は痕跡程度であった。
比較例2
前記環化反応における最終反応温度を200℃とした以外は実施例1と同様にして行った。生成物をHPLCで分析した結果、一般式(2)においてR1がtert−ブチルであり、mが4である環状4量体がピーク面積比97.7%であり、一般式(2)においてR1がtert−ブチルであり、mが8である環状8量体は痕跡程度であった。
比較例3
実施例2のメタノールをn−ヘキサンに変えた以外は実施例2と同様にして行った。前記一般式(2)においてR1がtert−ブチルであり、mが4である環状4量体をろ過したろ液を5℃に冷却しても、固化せず一般式(2)においてR1がtert−ブチルであり、mが8である環状8量体を取り出すことはできなかった。
比較例4
実施例1と同様にして環化反応および硫酸水溶液による中和を行い、得られた中和後の反応混合物からカラムクロマトグラフ(担体:シリカゲル1.1kg)によって一般式(2)においてR1がtert−ブチルであり、mが8である環状8量体を取り出した。得られた環状8量体は0.72gであり、4−tert−ブチルフェノール基準の収率は2.6%と低収率であった。また、前記カラムクロマトグラフによる精製工程には15.5Lと大量の展開溶媒(トルエン/クロロホルム)を必要とした。
比較例5
単体硫黄を対4−tert−ブチルフェノールモル比で1.5倍モル使用した以外は、実施例1と同様にして、環状フェノール硫化物を製造した。その結果、環状4量体がピーク面積比96.9%、環状8量体がピーク面積比1.6%の混合物が得られた。
本発明の方法によれば、一般式(1)で表されるフェノール化合物を原料として、1工程の反応で、一般式(2)で表される環状フェノール硫化物を高収率かつ簡便に製造することが可能になる。さらに、反応で得られた一般式(2)で表される環状フェノール硫化物の混合物から複雑な精製を行うことなく、簡便に単一成分を分離・精製することが可能になる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0005211395
    (1)
    (式中、R1は炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。)で表されるフェノール化合物を原料として、1工程の反応で、該フェノール化合物1モルに対し、1.7〜2.5モル当量の単体硫黄及び0.25〜0.75モル当量のアルカリ金属試薬を反応させて、下記一般式(2)
    Figure 0005211395
    (2)
    (式中、R1は炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、mは4ないし9の整数である。)で表されるm=4の環状フェノール硫化物とm=5〜9の少なくとも1種類の環状フェノール硫化物との混合物を得ることを含む環状フェノール硫化物の製造方法であって、120〜140℃の反応温度まで昇温し、この反応温度で0.5時間以上保持し、続いて160〜180℃の反応温度まで昇温し、この反応温度で0.5時間以上保持し、その後、210℃以上の反応温度まで昇温する温度条件下で反応を行うことを特徴とする環状フェノール硫化物の製造方法
  2. 該フェノール化合物1モルに対し、0.4〜0.6モル当量のアルカリ金属試薬を反応させる請求項1記載の方法。
  3. 前記したアルカリ金属試薬が水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 下記一般式(1)
    Figure 0005211395
    (1)
    (式中、R1は炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。)で表されるフェノール化合物を原料として、1工程の反応で、該フェノール化合物1モルに対し、1.7〜2.5モル当量の単体硫黄及び0.25〜0.75モル当量のアルカリ金属試薬を反応させて、下記一般式(2)
    Figure 0005211395
    (2)
    (式中、R1は炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、mは4ないし9の整数である。)で表されるm=4の環状フェノール硫化物とm=5〜9の少なくとも1種類の環状フェノール硫化物との混合物を構成する個々の環状フェノール硫化物を得ることを含む環状フェノール硫化物の製造方法であって、120〜140℃の反応温度まで昇温し、この反応温度で0.5時間以上保持し、続いて160〜180℃の反応温度まで昇温し、この反応温度で0.5時間以上保持し、その後、210℃以上の反応温度まで昇温する温度条件下で反応を行い、
    前記一般式(1)で表されるフェノール化合物と単体硫黄およびアルカリ金属試薬を反応させて得られる混合物から、低級アルコールを晶析溶媒として用いて環状4量体[前記一般式(2)においてm=4]を分離した後、有機溶媒を晶析溶媒として用いて、より大環状の環状フェノール硫化物[前記一般式(2)においてm=5〜9]を個々に分離する工程を有することを特徴とする環状フェノール硫化物の製造方法
  5. 反応混合物100重量部当り低級アルコールを100〜300重量部用いる請求項4記載の方法。
  6. 前記した低級アルコールがメタノールであることを特徴とする請求項4又は5記載の方法。
  7. 晶析を20〜80℃で行なう請求項4〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 該フェノール化合物1モルに対し、0.4〜0.6モル当量のアルカリ金属試薬を反応させる請求項4〜7のいずれか1項記載の方法。
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