JP5209831B2 - 消毒方法 - Google Patents

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Description

(技術分野)
本発明は、消毒の分野に関する。
(発明の背景)
例えば、皮膚、加圧滅菌不可の医療機器、病棟、手術室、壁、手摺り、空調用ダクト等の表面の消毒は、依然として感染コントロールに関し、最も問題となる領域の1つである。
消毒方法の大部分は、消毒する表面と液体消毒薬を直接接触させることによるものである。これらの方法では、確実に被処理表面の全領域を消毒薬で覆うために多量の液体消毒薬を必要とする。普通、消毒薬は、液体または噴霧の何れかで付着される。一般に、使用される消毒薬の量は、表面に存在する微生物を殺すために要求される量よりも100乃至100,000倍多い。例えば、10-5(0.00001)gのヨウ素なら、10分間で、105cfu/cm2の汚染レベルで、1m2の表面領域上の全細菌を殺すのに十分であるが(エス・エス・ブロック(Block,S.S.)著「ディスインフェクション・ステラライゼイション・アンド・プリザベイション(Disinfection,Sterilisation and Preservation)」第3版183頁)、推奨される消毒薬量では、ヨウ素0.1乃至0.2g(10,000倍のレベル)を含有することになるだろう。このように高い使用量は、コスト、職業上の安全、環境への影響に関係する一連の問題を生じる。
表面と液体消毒薬を接触させる従来の方法に関係するもう1つの問題は、ヒトの毒性の問題である。安全かつ都合良く人間が扱うことができる消毒液使用法では、通常、活性消毒剤が低濃度で存在していることを必要としており、その結果、所要レベルの消毒を達成するには容認できないほど接触時間が長くなる。
例えば、2%のグルタルアルデヒドを含有する一般に利用される消毒薬水溶液では、完全死滅を達成するために約6乃至10時間のソーキング時間を要求する。
更に別の問題は、液体消毒薬を壁、手摺り、空調用ダクト、およびある種の大型医療機器のような共用表面に付着する時に発生する可能性がある。記述した上記表面を消毒薬の一様な層で覆う際の実践上の困難の他に、表面には、普通、細菌の生息場所になり得る微小な割れ目、裂け目、および小孔がある。大抵の液体消毒薬の表面張力は比較的に高いので、このような領域は浸透が行われず、延長された消毒サイクルの後でも、依然として汚染されたままである。
その問題に対する解決策の1つは、気相状態の消毒薬を使用することであり、これによって、割れ目、裂け目、および小孔に到達させる問題に対処する。小粒径ガス状消毒薬は別の問題を生じており、活性殺菌薬品の濃度を極めて高くする必要があるか、あるいは必要な化学薬品が有毒で取り扱うには危険である。気相状態の消毒薬を使用する幾つかの方法が開発されている。大抵の共有地では、エチレンオキシドおよびその類似体、またはホルムアルデヒドの何れかを利用している。両化合物とも、極めて有毒であり、主要な発癌物質として確認されている。加えて、上記気体を用いた滅菌では、処理室の中の圧力および湿度を綿密にコントロールすることを要求し、これには、複雑で高価な装置が必要とされる。従って、それらの使用は、病院および重要な医療機器に限定されており、慎重な管理を必要とする。
別の試みが、種々のプラズマ消毒方法で使用されている。これらの方法では、基本的には乾燥した条件下での消毒は、殺菌剤として種々の活性遊離基およびイオンを使用して行われる。これらは、プラズマ形成条件下で、(前駆物質としての)従来の消毒薬から形成することができる。プラズマ装置のコストおよび複雑さに加えて、これらの方法は、例えば、内視鏡およびその他の器具で使用される数多くの構成材料の劣化を結果的に生じることになり易い。自明であるが、プラズマ法は、大型装置および大きな表面に使用することはできない。
特に難しい領域は、歯科および義歯学の分野にある。
本発明は、その分野における用途に特に言及してここで説明するが、その用途に限定されるわけではないことは理解されるであろう。
歯科現場の人間は、患者の血液および唾液中の多種多様な病原菌に晒される。これらの病原菌は、例えば、感冒、肺炎、結核、疱疹、ウイルス性肝炎、およびHIVといった伝染病を引き起こす可能性がある。
患者の口から引き出された汚染された歯の印象が、歯科模型を作るために使用される場合、特定の問題が起きる。これらの状況では、印象材からの微生物は、模型へ移される。この汚染された模型は、今度は、補綴装置を製作するために模型を成形する際に使用される軽石パンおよび研磨用ホイールを汚染する。この成形手順では、次に、潜在的に有害な感染性の塵埃の雰囲気を生成する。共用の軽石パンおよび研磨用ホイールを用いた義歯の研磨は、患者間での交差汚染につながる可能性がある。
印象および模型の消毒は、義歯学の分野において伝染病が移ることを防ぐ方法として推奨されてきた。最も一般的に使用される印象材は、アルギナートを基剤としたものである。アルギナートは、水溶液に浸すと膨張し易く、その結果、その後に得られる成型精度が低下し、最終的には、不適切な補綴装置を生じる結果になる。
アルギナートのバルク液体中への浸漬を克服するために、多数の研究者は、手動スプレイポンプで発生させる噴霧化した消毒薬を使用することを推奨する。
スプレー噴霧化した消毒薬を使用する場合、印象と接触する液体量は、浸漬状態になる場合に比べてかなり少なくなり、従って、起こり得る液体吸収は減少する。しかし、歯の印象の形状は複雑であり、一様な被覆率を達成するためには、様々な角度からの噴霧が必要になる。従って、供給されてアルギナートと接触した消毒薬の量は、更に膨張することによって、アルギナートを変形するのに十分なものになるが、それでも一様な表面被覆率を確実にするには不十分である。
多数の研究により、まさに一様でない表面をコーティングするために噴霧として使用される場合、登録された消毒薬の有効性は低いことが示された。例えばブラッドレイ・シュヴァルツ・ウェスタホルム(Westerholm, Bradley, Scchwartz)による「不可逆性親水コロイドの印象に関する種々の噴霧消毒の有効性(Efficacy of Various Spray Disinfectants on Irreversible Hydrocolloid Impressions)」 (Int.J Prosthodont 1992; 5: 47-54)を参照されたい。アルギナート印象上に噴霧する場合、5.25%の次亜塩素酸ナトリウムと2%のグルタルアルデヒドは、黄色ブドウ球菌およびチモテ菌(M. phlei)の細菌個体群(bacterial population)で、わずかlog3乃至log4の減少を達成するにすぎない。大きな有効性があると期待されるこれらの液体は、増殖性の枯草菌を播種した印象上に噴霧した場合、細菌の病原菌数をわずかlog2しか減少させない。種々の噴霧法の深刻な不都合は、霧状化した液体消毒薬による眼や粘膜に対し激しい刺激を与える可能性である。
超音波放射を使用する液体霧状化方法は、薬剤、消毒薬を霧状化し、人間の組織に湿気を与える従来技術で言及されていた。例えば、米国特許第4,679,551号では、末期症状の患者の口腔に湿気を与えるための低周波超音波噴霧器の使用が開示されている。イグサ(Igusa)等の米国特許第5,449,502号では、消毒溶液を霧状化し、手の消毒に十分な量の溶液を供給できる30乃至80kHzで振動する超音波トランスデューサの使用について記述している。国際特許出願公開第97−17933号では、米国特許第5,076,266号に記述されているスプレイガンを利用する低周波(20乃至200kHz、好適には20乃至40kHz)超音波放射により生成された噴霧を使用して、人間の組織上に液体を噴霧する方法を開示している。しかし、低周波での霧状化では、主に、5乃至10マイクロメートル範囲の直径の粒子を生成する。これは、機械的噴霧技術の適用により得られるのと同じ次数か、あるいはそれよりも大きい。その結果、処理対象面上に蓄積する液体量は、かなりの量になる。この液体量は、アルギナートの歯の印象のような湿度に敏感な材料の許容できない寸法変形を引き起こすほど十分なものになる。
低周波(例えば、40KHz)の超音波の放射は、固体表面から細菌を定量的に移す手段(例えば、AOAC分析法991.47(AOAC Method of AnalysisNo. 991.47))として認識されており、従って、それ自体が殺菌性のものではない。
米国特許第4,298,068号では、滅菌用薬剤を加熱して霧状化する食品容器の滅菌装置を開示している。超音波は、ミストを発生させるためにオプションで使用することができる。30乃至100KHz、および1.0乃至2.0MHzの周波数が開示されている。これらは共に、50乃至80℃で2.0乃至5.0ミクロンの液滴を生成すると記述されている。この方法は、細菌汚染の減少を実現可能であるが、許容可能コストでの滅菌は実現することができない。
米国特許第4,366,125号では、過酸化物処理の下流において、シートに対するUV放射と組み合わせて処理用ミストを発生させる超音波の組合せを利用して、過酸化水素を用いてシート材の滅菌を行う装置を開示している。その超音波は、1乃至2MHzであり、ほとんどが直径約10ミクロンである液滴を生成する。意義深いことに、過酸化物を用いる処理の前のUV滅菌は、効果がなかった。また、過酸化物中で処理する材料の浸漬の代わりに使用することで、超音波で発生させたミストを使用することと同様の効果もある。この方法には、UVラインに対し、実質的に資本金および維持費を必要とする不都合があり、UVの陰になるであろう内側面を有する非シート材を処理するには適用し難いものである。
米国特許第4,680,163号では、超音波を用いて滅菌用薬剤のミストを発生させて、コロナ放電の手段により液滴を電気的に帯電させることによって、非導電性容器を滅菌する方法を開示している。帯電した液滴は、電場の影響を受けて、容器の壁に堆積する。超音波周波数は、(1.75MHzだけを例示したが)1乃至5MHzである。直径10ミクロン未満、好適には、2乃至4ミクロン範囲にあるミスト液滴が発生した。容器は、高電圧電極で包囲する必要がある。コロナ放電では、過酸化物を分解して酸素原子を形成すると言われている。この方法では、使用される高電圧(20乃至50kV)によって、感電死またはオゾン中毒の危険から安全性の心配が増大し、また、得られる滅菌の程度は所望に満たないという不都合を免れない。その上、この方法は、処理を行う表面を高電圧電極で包囲する必要がある点を考慮すると限定された適用範囲のものとなる。
超音波を使用する方法は、皮膚、中空の医療機器、病院の表面等に適したものではない。
本発明の目的は、従来の不都合の1つ以上を克服または改善すること、あるいは、少なくとも、それに代わる有用なものを提供することである。
(発明の概要)
第1態様によれば、本発明は、1.5MHzより上になるように選択した周波数の超音波エネルギーを、少なくとも1つの界面活性剤と組み合わせた消毒薬を含む液体調合物に印加して、噴霧化された消毒薬生成物を生成するステップを特徴とする消毒方法にある。
好適には、超音波エネルギーの周波数および(界面活性剤を含む)液体消毒薬の調合は、微小液滴の90%が0.8乃至2.0マイクロメートルの直径になるように選択する。
本出願人は、消毒薬を表面活性剤と組み合わせて、1.5MHzよりも高い周波数で超音波ネブライザを用いて霧状化すると、同じ周波数で界面活性剤が無い状態で得られる粒径に比べ、噴霧化された生成物の粒径の減少を達成することが可能であり、浸漬に比べ、あるいは低周波で噴霧化された噴霧を含む同じまたは同様の消毒薬の噴霧に比べて、著しく改善された消毒が達成されることを見出した。理論で束縛することを所望しないが、このような改善は、選択した周波数の超音波放射による消毒薬の活性化の結果であり、粒径を小さくしただけの結果ではないと信じられる。
活性化された殺菌剤化合物を含有する霧状消毒薬の液滴は、好都合なことに、微小液滴の冷たい(好適には、40℃未満)ミストとして、消毒する表面上へ供給される。
供給される消毒薬の量、消毒薬ミストの濃度、および凝縮条件は、混合される界面活性剤の量および種類の選択、液滴のサイズ、通気条件、および消毒薬が消毒する表面と接触する期間を変更することによって調整する。
好適には、噴霧化時間および超音波周波数は、噴霧化生成物に晒された対象物の消毒について所定のレベルを提供することができる消毒薬調合物に配慮した組合せで選択される。
消毒する表面は、例えば、皮膚、医療機器、病棟、手術室、壁、手摺り、空調用ダクト、歯科および医療用人工補綴物および皮膚および開放創でよいが、上記の表面に限定されるものではない。
本発明は、密閉されたスペースの中にある体積の消毒にも関係する。
本発明の第2態様によれば、微小液滴のサイズ、および活性化に対する影響の受け易さは、界面活性剤または界面活性剤システムの添加により変えられる。ここで定義する「界面活性剤」は、何らかの表面活性作用物質であり、つまり、単独または他の物質と組み合わせた何らかの調合物が、消毒薬の表面張力を減少させるように作用するのである。表面張力が減少した結果、消毒薬調合物の蒸気圧が増大することがある。好適な界面活性剤では、アルコール、エトキシル化したアルコール、湿潤剤、およびその他表面活性作用物質を含む。
好適には、本発明において使用するために選択した消毒薬は、高周波超音波により活性化し得る化合物である。本発明で有用な消毒薬は、高周波超音波放射に晒されるとそれらのパフォーマンスを改善する化合物すなわち、例えば、ペルオキシ化合物(例えば、過酸化水素、過酢酸、過硫酸塩、過炭酸塩)、ハロゲン溶液、ハロゲン化合物、およびハロゲン化合物の溶液(例えば、次亜塩素酸ナトリウム、およびポビドンヨード)を基本要素とする化合物を含むが、それに限定されるわけではなく、フェノール化合物および溶液状態のハロゲン化フェノール化合物(例えば、トリクロサン)は、超音波放射を活かしていることが見出されている。
第3態様によれば、本発明は、噴霧化が、密閉された消毒処理室に存在するかあるいは同消毒処理室と連通する噴霧化処理室で行われるように、密閉された消毒処理室内で消毒を実施することにある。
第4態様によれば、本発明は、1つ以上の中和剤、例えば、ペルオキシ化合物に対するペルオキシダーゼ酵素、またはハロゲンを基本要素とする消毒薬に対するチオ硫酸ナトリウム等を噴霧化して、滅菌サイクルの完了後、全ての活性殺菌剤を分解するステップを更に含む第1および第2態様による方法にある。
第5態様によれば、本発明は、所定お対象物を確実に適切に消毒できるように消毒薬調合物に配慮して、噴霧化時間および超音波周波数の組合せを選択することにある。好適には、噴霧化時間および超音波周波数は、消毒が最小限の液体で行われ、かつ、消毒される対象物が素早くかつ容易に乾燥するように選択される。これは、風乾、吹き付け乾燥、もしくは真空によるか、またはこれらの組合せにより達成することが可能であり、それによって、最小時間、環境温度で、対象物の所定レベルの滅菌および乾燥を達成することができる。
第6態様によれば、本発明は、本発明の方法の1つにより作製された噴霧化処理室内の消毒される体積にある。
また、本発明は、少なくとも1種類の界面活性剤を含む液体消毒薬調合物を噴霧化して微小液滴を形成し、その液滴を表面に接触させて、超音波エネルギーを表面および微小液滴の少なくとも1つに印加するステップを特徴とする消毒方法にもある。
本発明は、大部分が直径2ミクロン未満の粒径を有する液滴のミストにあり、本発明の方法により使用する界面活性剤と組み合わせた消毒薬を含む。
文脈上、明らかに他の意味に解すべき場合を除き、説明および特許請求の範囲の全体にわたって、「含み成る(comprise)」、「特徴とする(comprising)」等の言葉は、排他的なまたは網羅的な意味と反対の包含的、つまり「〜を含むが、これに限定されない」という意味で解釈すべきものとする。
(発明実施の最良の形態)
ここで、本発明は、好適な実施態様を参照しつつ実例で説明する。
超音波および音響振動は、エーロゾルを生成することが知られている。超音波を用いて液体を霧状化する機構は、液体/空気界面近くでのキャビテーションバブルの微小噴出から成り、バブルが壊れることで液体が散乱される。ポンプで空気を送り込むことによるか、またはベルヌーイ効果によるかの何れかにより発生させた空気流を使用して、液滴のミストを液体バルクから分離して、対象物上へ向けて送出することができる。
本発明は、過酸化水素を基本要素とする消毒に関する用途を特に参照して説明されるが、それらの消毒に限定されるものではないことは理解されるであろう。
一般に使用される消毒薬の殺菌作用の現れ方は、それの分子自体によるのではないが、例えば、ペルオキシ化合物の場合のヒドロキシル基、または次亜塩素酸塩を基本要素とする消毒薬の場合の次亜塩素酸等、更に強力な誘導体の生成が原因となっていると信じられている。これらの遊離基は、通常、紫外線または赤外線の放射または金属イオンの触媒作用の結果として生じる。
過酸化水素蒸気滅菌剤が従来使用されている。これらの滅菌剤には、一連の欠点があり、その中には、蒸気発生のために高温を必要とすることがある。蒸発および殺菌剤粒子の生成のためには、高い温度が必要である。ヒドロキシル基濃度は、調合物中の過酸化水素濃度および温度に正比例し、最も高い実用的温度および濃度が使用される。
本発明では、高周波超音波エネルギーが、消毒薬溶液の霧状化および殺菌性面で活性なヒドロキシル基の生成の両方に対し利用される。少なくとも1種類の界面活性剤の存在は、粒径の著しい減少、および消毒薬作用の著しい増大をもたらし、温度およびバルク液体中の殺菌剤濃度を増大せずに、殺菌剤添加物の必要濃度の達成が可能になることが見出されている。
1種類以上の界面活性剤の存在するところでの超音波による霧状化および活性化の組合せにより、従来技術の主要な欠点を克服する。消毒する対象物上に供給された消毒剤蒸気の量は、バルク液体およびスプレイ式消毒方法に対し必要とされるよりも非常に少なくなる。霧状化したミストの大部分の2.0マイクロメートル未満(好適には、0.8乃至2.0マイクロメートル)の粒径は、潜在的に微生物の棲息場所になる可能性がある最も小さな割れ目および小孔のサイズと同程度である。
音波処理中およびその後に生じる凝縮された消毒剤層は、敏感な微生物を全て撲滅するのに十分な量の活性殺菌剤を含有する。
消毒された対象物上に残された過酸化水素の場合における低濃度の消毒薬は、無害な水および酸素を形成して迅速に分解する。残りの過酸化物を処理後に分解する必要がある場合、少量のペルオキシダーゼ酵素およびその他好適な中和剤が対象物上で霧状化されることがあり得る。
他の消毒薬の場合、少量が表面上に残っていると、放置されるか、中和されるか、あるいは必要に応じて洗い流されることがある。
1.2MHzの超音波に晒されると、水は、4乃至5マイクロメートルのマスメジアン空気動力学的直径(MMAD)を有する粒子を生成する(ティアス・ビロショウ・シャルー(Charuau, Tierce, Birocheau)著「サブミクロンサイズ粒子を生成するための液滴の超音波発生(The Ultrasonic Generation of Droplets for the production of Submicron Size Particles)」(J AerosolSci.V.25,Suppl.1,PPS233-S234, 1994))。より低い周波数では、粒子は大きくなり、より高い周波数ではMMADは減少する。2.5MHzでは、MMADは、1.9マイクロメートルになる。更に周波数を高くすると、エネルギー密度が増大し、従って、噴霧化された液体の温度が上昇する結果となる。本発明者は、エーロゾルの粒径を0.8乃至1.0マイクロメートルまで更に減少させることは、温度を著しく上昇させずに、少量の適切な界面活性剤を添加することにより表面張力を減少させることで達成することができる、ということを見出した。
泡を抑制するために非水溶性界面活性剤を添加した水溶性界面活性剤の混合物は、本発明の実施態様の1つにおいて有効であることが見出されている。
好適な界面活性剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸塩とエトキシル化したアルコール(例えば、Teric 12A3)の混合物、またはエオトキシル化したアルコールのみ、もしくはアルコールとエチレンオキシドおよび酸化プロピレンのブロック共重合体単独か、あるいは上記界面活性剤の混合物の部分として含む。熟練した読者ならば、上記界面活性剤が、本発明の部分として適用し得る種類の非限定的実施例としてのみ含まれていることを理解するだろう。
密閉系内で噴霧化された液滴に2分間晒した後、表面上に凝縮された液体の量は、低周波超音波に関して30g/m2程度であることが見出された。本発明の主題である高周波数範囲の超音波が使用される場合には、凝縮レベルは、同一密閉系内で、3g/m2まで減少することが見出された。
本発明の実質的利点は、表面上に形成される少量の凝縮液に関係する。高い蒸気圧を有する物質から成る消毒薬中に封入することは乾燥時間を短くするための利点となる。例えば、水に比して蒸気圧が高いアルコール、水に比して蒸気圧が高いエーテル、水に比して蒸気圧が高い炭化水素、水に比して蒸気圧が高いエステル、およびその他水に比して蒸気圧が高い有機物質または蒸気圧が高いそのような物質の混合物では、実質的に乾燥に必要な時間が短くなっている。
本プロセスで利用される消毒薬が比較的高い蒸気圧を有する場合(例えば、過酸化水素水)でも、この成分は、空気乾燥により容易に除去することができる。相対湿度50乃至60%、温度22℃では、表面積100乃至150cmの対象物に関わる空気の乾燥は、10乃至15分で行われる。しかし、暖かく乾燥した空気が、対象物表面の全体にわたって吹き付けられると、乾燥時間は、0.5乃至3分まで短くなる。従って、微生物で汚染された器具から始まり、乾燥した消毒済み器具で終わる高速、常温消毒サイクルを、廉価で迅速かつ簡単に、達成することができる。
このような装置の用途は、潜在的に極めて広く、病院、診療所、歯科医院、動物診療所、食品加工者、ファーストフード店、美容室、理髪店、入れ墨屋等がある。
図面を参照すると、図1では、本発明における使用に適する消毒装置の実施態様が示してある。消毒する物品は、密閉された処理室2の中に置かれる。処理室の蓋1は、この目的のために脱着可能である。消毒薬は、超音波噴霧化処理室3の中に置かれて、超音波トランスデューサ4を用いて噴霧化された。ネブライザ取入れ口5は、処理室の外側から必要な空気を供給する。噴霧化処理室3で生成された噴霧化された消毒薬は、吐出し口6を通って消毒処理室1に入る。好適には、吐出し口6は、音波処理の方向に対しある角度に配置され、それによって、飛沫同伴がある場合、大きな液滴の飛沫同伴を最小にするチューブを含み成る。
図2では、本発明における使用に適する消毒装置の好適な実施態様が示してある。消毒する物品は、脱着可能な蓋1の手段を用いて、密閉された処理室2の中に置かれる。消毒薬は、超音波噴霧化処理室3の中に置かれて、超音波トランスデューサ4を用いて噴霧化された。ネブライザ取入れ口5は、処理室の内側から必要な空気を供給する。
図3では、図2による装置の適応形態が示してある。超音波トランスデューサ4が処理室の外側に位置するが、ネブライザ取入れ口5は、やはり密閉された処理室2内から必要な空気を供給する。
図2および3で示した構成、および類似構成の利点は、それらが、完全密閉系が提供することである。噴霧化の前後両方で消毒薬は、密閉系内にあり、消毒薬が人間の健康および安全に影響する非密閉系より優れた重要な利点を提供する
図2および3の実施態様において、トランスデューサが付勢されると、密閉された消毒処理室1の内側の噴霧化用処理室3からの噴霧化された消毒薬は、ネブライザ吐出し口6を通って直接処理室1に入る。その結果、滅菌処理室1における噴霧化された消毒薬の濃度は、上昇し、シールドされた処理室1から取入れ口5に入る空気は、上昇した濃度の噴霧化された消毒薬を担持しており、この消毒薬はこのようにリサイクルされる。
本発明の実施態様をここで例示する。
(実施例1)
有効性のデータは、以下の消毒薬に関して得られた。
A.6%w/w 過酸化水素(pH=3)、94%w/w 水
B.6%w/w 過酸化水素+15%w/w n−プロパノール+0.3%w/w イルガサン(Irgasan) DP300+0.02%w/w PVPK15+0.5%w/w STPP(pH=7)+2%w/w LAS+2%w/w テリック(Teric)12A3
C.蒸留水で1:50で希釈した5%w/w ペルオキシ酢酸
D.蒸留水中、2%w/w グルコン酸クロルヘキシジン+15%w/w n−プロパノール
試験手順
(装置)
ネブライザの操作原理は、他で(例えば、1936年Trans.Farady Soc.v.32,p1532でケー・ソルナー(K.Sollner)により)説明されている。超音波ネブライザの主な要素は、高周波発生器、ピエゾセラミックトランスデューサ、および噴霧化する溶液用の貯蔵器である。微細なエーロゾルの生成では、共鳴周波数を印加することによって、トランスデューサに機械的に振動させることを必要とする。高周波振動は、溶液の表面に近い部分に集中させて、「超音波源泉」を作り出す。一旦、エネルギーがある一定の閾値を超えると、液滴は、細かく割れて、空気の流れにより貯蔵器外へ強制排出される。
凹形ガラスで覆われたトランスデューサを有するMousson 1超音波ネブライザ(現在製造休止、同様のネブライザは、ドイツのOtto Schill GmbH&Co.,K.Medizintechnik社により製造されている)を使用して、検討中の種々の消毒薬を霧状化した。ネブライザは、2.64MHzで動作させた。噴霧化レートは、約1mL/分である。噴霧化された液体消毒薬は、気密状態にシールドした1.5Lのベッセル(図1)の中へ2分間、ポンプで送り込んだ。通常、ベッセル内の消毒薬蒸気圧は、30乃至40秒以内に、ネブライザの噴霧室内と同じ値に達する。噴霧化レートは、圧力差によって決まり、蒸気供給レートは、30乃至40秒後に著しく減少して、凝縮された蒸気を補うのに丁度十分なものになった。サイクル中に噴霧化された消毒薬の合計量は、1mL足らずであった。
播種したキャリヤは、噴霧化用ホーンの極近くに置いた。
(播種材料:)
増殖性の緑膿菌(ATCC(米国の菌株保存機関)15442)、ミコバクテリウムテラ(Mycobacterium terrae)(ATCC15755)、大腸菌(ATCC8739)、および黄色ブドウ球菌(S.aureus)の播種材料は、一晩培養してから調製し、約108乃至109cfu/mL含有させた。
乾燥、非増殖性のクロストリジウムスポロゲヌス(Clostridium sporogenous)(ATCC3584)、および枯草菌(B.subtilis)(ATCC19659)胞子の播種材料は、AOAC966.04で説明された方法で調製した。
各キャリヤには、約0.02mLの播種材料を播種して、106乃至107cfu毎キャリヤの汚染レベルが得られるようにした。
(キャリヤ)
播種材料の20マイクロリットルは、滅菌済み(180Cのオーブンで3時間)の10×20mmガラスプレート上に置き、36℃のインキュベータ内で40分間乾燥した。滅菌済みの(180℃で3時間)ガラスペニシリンダは、10分間播種材料中に浸して、次に、40分間、36℃のインキュベータ内に入れる。
アルギナート薄片は、120℃で1時間滅菌したファストセットのアルギナート粉末(Palgat Plus Quick, ESPE)から調製した。アルギナートは、製造メーカー推奨の水/粉末比を使用して30秒間手練りして、乾燥用の滅菌済みのトレイ上に載せた。3分間安定させた後、炎に当てて滅菌した円刃刀を用いて、20×10×1mm薄片に切り分けた。それらの薄片は、滅菌済みのペトリ皿の上に無菌で置き、播種材料中に浸した円刃刀を薄片上へ押し付けることで汚染させる。細心の注意を払って、スライドおよびペトリ皿表面の播種を回避した。
滅菌済みのシリコーン薄片は、製造メーカーにより推奨された混合手段を使用して親水性ビニルポリシロキサン印象材(Heavy Body, Normal Setting, ADA Spec. 19, Elite H−D by Zhermack)から調製して、滅菌済みのトレイ上に載せた。5分間セットした後、印象材は、滅菌済みの円刃刀を用いて20×10×1mm薄片に切り分けた。それらの薄片は、3分間1%のぺルオキシ酢酸の中に浸すことにより滅菌し、滅菌済みの水で洗ってから、5分間UV光の下で乾燥した。それらの薄片は、滅菌済みのペトリ皿の上に無菌で置き、播種材料中に浸した円刃刀を薄片上に押し付けることで汚染させた。
播種されたキャリヤと共にペトリ皿は、消毒ベッセルの中へ置いた。次に、ベッセルは、噴霧化された液体が絶対にベッセルから漏出しないように、蓋でしっかりと覆った。消毒サイクルは、2分の噴霧化と、およびその後4分間放置して蒸気の凝縮を可能にすることとから成る。
蓋を開けた直後に、各キャリヤは、消毒薬非活性化物質(Tween 80)を含有する殺菌した栄養物培養液と一緒に無菌で試験管内に置いた。バクトレシーン(Bacto Letheen)培養液は、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、および大腸菌に対して使用し、Bacto Middlebrook 7H9は、M. terraeのために、ならびにバクトフルイッドチオグリコレート培地(Bacto FluidThioglicolate Media)は胞子のために使用した。対照として、播種されるキャリヤは、消毒剤の代わりに、噴霧化して滅菌済みの蒸留水を用いて処理した。
基本的に、この実験は、AOACの滅菌薬の試験方法をモデルとした。試験管内で増殖無しということは、試験有機体の100%死滅が達成されたことを示す。これは、ADAにより要求される細菌個体群(bacteria population)におけるlog5の減少よりも、著しく厳しい要件になる。この方法は、消毒技術の有効性を明示する最も確かな方法として選択した。
(結果)
「試験無し」 試験せず
「合格」 10個のレプリカ中少なくとも10までについて、試験した有機体の完全殺菌が達成されて、生き残りは皆無であった。
「増殖」 生存試験有機体を担持していたキャリヤの数。
Figure 0005209831
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(実施例2)
密閉系(図2)を使用してアルギナート歯の印象に対する消毒薬の有効性を評価する。
試験手順は、米国特許第5,624、636号で説明されている手順からとったものである。患者の上顎および下顎の歯、ならびに軟組織の滅菌済みのモデルは、殺菌済みの水の中に10乃至10cfu/mLを含有する菌液を用いて汚染させた。ファストセットアルギナートの歯の印象(Palgat PlusQuick, ESPE)は、製造メーカー推奨の水/粉末比を使用して30秒間手練りし、滅菌したプラスチックトレイ上に載せた。
印象は、汚染されたモデルから作られ、これらにより、3分間のベンチセットが可能になり、この時間の後、モデルは除去した。生存可能細菌を移すために、上顎の顎骨の第12および第13歯(UL4およびUL5)、ならびに下顎の顎骨の第30および第29歯(LL4およびLL5)がある印象の部分は、滅菌済みの円刃刀を用いて切り離して、10mLの滅菌済みのトリプトンソーヤ培養液の中に置き、40KHz超音波バスの中で2分間、超音波を当てて分解し、トリプトンソーヤ寒天上に置き、48時間、空気接触させて培養した。消毒後、上顎の顎骨の第4および第5歯(URおよびUR5)、ならびに下顎の顎骨の第28および第28歯(LR4およびLR5)がある印象の部分は、切り離して、生存可能細菌を前に説明したように、トリプトンソーヤ培養液の中に移した。上顎および下顎の印象は、同じサイクルで扱った。細菌の生き残りを表にした結果は、2つの印象の細菌個体群間の平均である。
Figure 0005209831
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(実施例3)
音波処理済み、および音波処理無しの過酸化水素溶液の殺菌の有効性を比較するために、以下の実験を行った。緑膿菌および増殖性枯草菌の0.1mL播種材料を、ガラスプレートの面積20×15mmに亘って一様に広げて、40分間乾燥し、次に、0.05mLの4%過酸化水素を用いて、2分間処理した。残っている微生物は、実施例1で説明したように、トリプトンソーヤ培養液の中へ移して、培養基で培養した。同じ汚染されたプレートは、同じ4%過酸化水素溶液の噴霧化されたミストを用いて、15秒間処理し、次に、1分45秒間放置した。各プレート上に凝縮された過酸化水素の合計量は、0.01mLより下であった(すなわち、引用の実験より少なくとも10倍少なかった)。結果は、以下の通りであった。バルク溶液を用いた実験では、観察された生き残りレベルは、4×10cfu/mLであり、噴霧化した過酸化水素では、全細菌を死滅させて、トリプトンソーヤ培養液のあるペトリ皿上または試験管内の何れでも、生き残りは検出されなかった。
(実施例4)
1%次亜塩素酸塩消毒溶液を使用して、実施例2で説明した同じモデルから作られた下顎の歯の印象を消毒した。3通りの異なるモードの消毒薬供給量を比較した。
1.微細スプレイハンドポンプ(AC Colmack Ltd)を用いて霧状化した。消毒薬は、印象上に噴霧して、10分間放置した。
2.3分間、40KHzマイクロミスト超音波アトマイザ(Misonix Inc)を用いて霧状化し、次に、もう8分間放置した。合計接触時間は、10分である。
3.3分間、2.64MHzMousson超音波ネブライザを用いて霧状化し、次に、7分間、噴霧化処理室(密閉系)内に放置した。合計接触時間は、10分である。
結果は以下の通りである。
Figure 0005209831
混合物が2.6MHzで噴霧化された時の方が、他の方法を用いるよりも、高い死滅レベルが達成されることを理解することができる。また、使用される消毒薬量も著しく低くなる。
(実施例5)
界面活性剤含有および含有無しの音波処理を受けた消毒薬の殺菌の有効性は、以下のとおり比較した。
水溶液:
CL: 0.5%茨亜塩素酸ナトリウム
CLA: 0.5%次亜塩素酸ナトリウム+0.5%LAS
CLN: 0.5%次亜塩素酸ナトリウム+0.5%PEG6200(BASF)
HP: 1%過酸化水素
HPA: 1%過酸化水素+0.5%LAS
HPN: 1%過酸化水素+0.5%PEG6200
HPE: 1%過酸化水素+5%エタノール
上記水溶液を閉じられた処理室において(Musson−1 2.64MHz超音波ネブライザを使用して)、ガラスプレート上に、緑膿菌(P.aeroginosa)(10cfu/mL)および増殖期枯草菌の乾燥した播種材料を、凝縮された噴霧剤で一様に覆われるまで噴霧化した。次に、ガラスプレートは、生き残りの微生物を定量するために、実施例1で説明したように、トリプトンソーヤ培養液の中へ移した。凝縮された消毒薬の合計量は化学天秤を使用して重さを量り、プレートを噴霧剤で一様に覆うのに要した時間を記録した。
結果は次のとおりである。
Figure 0005209831
従って、表面張力を減少させた噴霧化された消毒薬では、殺菌特性が著しく良好なものになっている。表面張力を変更した消毒薬(CLA、CLN、HPA、HPN、HPE)の液滴の90%以上は、MMADが2.0ミクロンより小さいが、表面張力を変更しなかった消毒薬(HPおよびCL)のMMADは、2.5乃至5ミクロンであった。
本発明は、特定の実施例を参照して説明したが、本明細書を読むことによって、当業界において熟練した者は、本発明が、ここで開示した概念の範囲から逸脱することなく、他の形態で実施し得るものであることを十分に理解するであろう。

Claims (16)

  1. 1.5MHzより上の周波数の超音波エネルギーを、消毒薬と界面活性剤とを含む、水溶液である液体調合物に印加して、霧状液滴を生成することと、
    前記霧状液滴を、消毒される晒された表面と接触させて消毒を行うことと、
    を含む消毒方法であって、
    噴霧化される前記調合物が
    過酸化水素、過酢酸、過硫酸塩、過炭酸塩、及び、それらの混合物から成るグループから選択される消毒薬と
    エトキシル化アルコール、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、並びに、アルコールとエチレンオキシドおよび酸化プロピレンのブロック共重合体から成るグループから選択される少なくとも1つの界面活性剤であって、液滴の90%が0.8〜2.0マイクロメートルマスメジアン空気動力学的直径を有する前記霧状液滴を生成するよう前記調合物の表面張力を変えるために十分な量の前記少なくとも1つの界面活性剤と
    を含む水溶液である、消毒方法。
  2. 前記超音波エネルギーが、噴霧化室で前記液体調合物に印加される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記超音波エネルギーが、噴霧化持続期間の間、組み合わせて選択された超音波周波数で印加されて、前記霧状液滴に晒された対象物の消毒を行う、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記超音波周波数が、2MHzよりも上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記消毒が40℃より下で行われる、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
  6. 前記界面活性剤がエトキシル化アルコールである、請求項1〜5の何れか1項に記載の消毒方法。
  7. 密閉された消毒処理室に存在するかあるいは同処理室と連通する密閉された超音波処理室内で超音波の印加により、前記液体調合物の噴霧化を行う、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. 前記霧状液滴が、消毒処理室内で生成する、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
  9. 前記消毒される物品が、吹き付け乾燥される、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
  10. 前記液体調合物が、水に比して蒸気圧が高い少なくとも1つの液体物質を含む、請求項1〜9の何れか1項に記載の方法
  11. 蒸気圧が高い前記少なくとも1つの液体物質が、乾燥時間を短くできるように選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 蒸気圧が高い前記少なくとも1つの液体物質が、アルコールエーテル炭化水素、及び、エステルから成るグループから選択される、請求項10に記載の方法。
  13. 前記消毒ステップに続いて、中和剤を用いて前記消毒薬を中和するステップを更に含む、請求項1〜12の何れか1項に記載の方法。
  14. 前記中和剤が、噴霧化された形態で用いられる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記中和剤が、ペルオキシダーゼ酵素またはチオ硫酸ナトリウムである、請求項13に記載の方法。
  16. 消毒する物品が歯の印象形態である、請求項1〜15の何れか1項に記載の方法。
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