以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
〔1〕景品払出システムの構成
図1は、遊技施設内に設けられた景品払出システムの構成を示している。
景品払出システムは、景品管理機(POS端末)102と、景品管理機102に接続された景品払出機103から構成されている。景品払出機103は、景品の払出しを行うものであり、景品カウンタに設置される。景品払出機103は、カセット単位で景品数を計数する計数機能や在庫管理機能も備えている。
景品管理機102は、景品払出機103を制御するものであり、景品カウンタに設置される。景品管理機102は、景品払出機103の在庫管理を行う機能や、景品払出機103の在庫管理データを表示したり、印字したりする機能を備えている。
景品払出機103で取り扱われる景品は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。図4(b)に示すように、この景品2は、一般的に、1〜3mm程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品2には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、200円、1000円、5000円といった金銭価値に応じた3つの種類が存在する。また、景品2は、その種類を識別するためのRFIDタグ等が内蔵されていたり、偽造等の不正を防止するための処理が施されていることもある。
遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体を、遊技施設内に設置された図示しない計数機に投入すると、投入された遊技媒体の計数が行われ、計数結果を表すバーコードが印字されたレシート(記録媒体)が計数機から発行される。なお、このようなレシートの代わりに、計数結果が磁気記録された磁気カード、計数結果が記録されたICチップを備えたICカード等の記録媒体を発行するようにしてもよい。また、遊技客所有の携帯型電話機に計数結果を保存させたり、遊技客所有の携帯型電話機から当該電話機を特定するためのIDを読み取り、読み取ったIDに関連して計数結果を景品管理機等に保存するようにしてもよい。
計数機によって発行されたレシートを遊技客が景品カウンタに持参すると、係員はそのレシートにバーコード記録されている計数結果(遊技媒体数)を景品管理機102に読み取らせる。景品管理機102は、読み取った計数結果に基づいて、払い出される景品の総数が少なくなるように、払い出すべき景品の景品種類毎の払出枚数を決定する。そして、決定した景品種類毎の払出枚数を含む景品払出コマンドを景品払出機103に送信する。景品払出機103は、景品管理機102から送られてきた景品払出コマンドにしたがって、景品を払い出す。係員は、景品払出機103から払い出された景品を遊技客に手渡す。遊技客は、受け取った景品を景品交換所に持参し、景品交換所にて景品に相当する価値で買い取ってもらう。
〔2〕景品払出機103の機構
〔2−1〕全体構成
図2は、景品払出機103を前側(係員が操作する側)から見た斜視図である。この図では、景品払出機103において係員側側面の扉5が開かれた状態が示されている。なお、図2では、上下前後左右の方向を指し示す矢印(方向矢印)が示されており、方向を特定するにあたって、この方向矢印を参照する(図1以降の各図においても同様)。ここで、左右方向と幅方向とは同義である。水平方向は、前後方向および左右方向を含んでいる。
景品の払い出しを受ける客は、景品払出機103の後側に位置し、係員(従業員)は、景品払出機103の前側に位置して接客を行う。
景品払出機103は、その外郭をなす略直方体形状のキャビネット3と、キャビネット3内に収納された複数の払出ユニット(景品収容体)4とを備えている。図2においては、1つの払出ユニットしか図示されていないが、実際には、このキャビネット3内には7つの払出ユニット4が幅方向に並んだ状態で収納される。キャビネット3内に収納された7つの払出ユニット4を、左側から順にそれぞれ、第1レーン、第2レーン、…、第7レーンの払出ユニットと呼ぶことにする。
複数の払出ユニット4は、幅方向に並んだ状態でキャビネット3内に収納される。キャビネット3には、扉5の開閉状態を検知するための扉開閉検知器308(図9参照)が取り付けられている。
各払出ユニット4には、複数(この例では4つ)の景品カセット11(図4参照)が収容される。景品カセット11には、景品2が積み重ねられた状態で収納される。この実施の形態では、1つの払出ユニット4内の複数のカセット11には、同じ種類の景品2が収納される。例えば、第1〜第3レーンの3つの払出ユニット4には、5000円の景品が収納され、第4〜第5レーンの2つの払出ユニット4には、5000円の景品が収納され、第6〜第7レーンの2つの払出ユニット4には、200円の景品が収納される。
キャビネット3の上面には、表示部6が設けられている。表示部6は、客用表示部311と係員用表示部312とを含んでいる(図5参照)。表示部6の横には、景品払出機103の動作を制御するために操作される複数の操作キーを含む操作部310が設けられている。
キャビネット3の上面において、各払出ユニット4の上方位置には、払出口7が形成されている。払出口7は、払出ユニット4の数に応じて複数形成されている。各払出口7は、キャビネット3の内部に連通している。また、各払出口7には、シャッタ8が設けられている。シャッタ8は、後述する送り出し機構によって前後にスライドされることによって、払出口7を開閉する。
〔2−2〕払出ユニット4
図3は、払出ユニット4の斜視図であって、図3(a)は、引出部20が閉位置にある状態を示し、図3(b)は、引出部20が開位置にある状態を示している。図4(a)は、カセット11の斜視図であり、図4(b)は、カセット11に景品2が目一杯収納された状態を示す。
図3(a)に示すように、各払出ユニット4は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。図3(b)に示すように、払出ユニット4は、その外郭をなすケーシング10と、ケーシング10に引き出し可能に設けられた引出部20と、引出部20に前後方向にスライド可能に設けられたキャリア12と、キャリア12に着脱自在に取り付けられる複数(この例では4つ)のカセット11とを備えている。
引出部20、カセット11およびキャリア12は、常態では、図3(a)に示すように、ケーシング10内に収納されている。キャリア12は、4つのカセット11を前後方向に並んだ状態で一体的に保持する。前後方向に並んだ4つのカセット11を、前から順に、カセット11A、カセット11B、カセット11C、カセット11Dと区別することがある。
ケーシング10の前壁には、上下方向に長手の開口21が形成されている。開口21は、ケーシング10内に連通している。
引出部20は、前板22と、後板23と、底板24とを一体的に備えている。前板22は、前側から見て上下方向に長手であり、ケーシング10の開口21をちょうど塞ぎ得る大きさを有している。後板23は、前板22から連続して後側へ延びている。底板24は、前板22の下端と後板23の下端とを繋いでいる。
そして、後板23は、ケーシング10の左側壁10Aの内面に設けられたレール(図示せず)によって、前後方向へスライド自在に支持されている。これにより、引出部20は、前後方向へスライド自在である。詳しくは、引出部20は、閉位置(図3(a)参照)と開位置(図3(b)参照)との間でスライドすることができる。図3(a)に示すように引出部20が閉位置にある場合には、前板22がケーシング10の開口21を前側から塞いでいる。この状態にある引出部20を前側へ所定量引き出すと、引出部20は、図3(b)に示す開位置に配置される。引出部20が開位置にある場合には、前板22が開口21の前方に位置して開口21を開き、かつ、後板23のほぼ全てが前側へ引き出されている。また、図2および図3には図示はされてないが、引出部20が閉位置にあるか、閉位置から解除されたかを検知する引出検知器が設けられている。第1〜第7レーンの払出ユニット4それぞれに設けられた引出検知器を、図9において、符号321〜327で表す。
図3(b)に示すように、キャリア12は、複数の仕切り17を一体的に備えている。これらの仕切り17は、上下方向に延びる板状であり、所定の間隔を隔てて、前後方向に沿って並んでいる。各カセット11は、隣り合う2つの仕切り17に挟持されることによって、キャリア12に保持される。キャリア12は、引出部20の後板23によって、前後方向へスライド自在に支持されている。ここで、後板23に対するキャリア12の相対位置に関し、最も前側に位置するときのキャリア12の位置を前位置といい(図5(b)参照)、最も後側に位置するときのキャリア12の位置を後位置という(図5(a)参照)。
また、図3(b)に示すように、キャリア12の下方には、キャリア12を前後にスライドさせるスライド機構9が設けられている。スライド機構9は、例えばスライド・モータ305(図9参照)によって駆動されるラックアンドピニオン機構等によって構成されており、引出部20の底板24に固定されている。
図4(a)に示すように、カセット11は、上下方向に長手であり、その平断面は、右側が切り欠かれた略コ字形状をなしている。カセット11の上面および底面は、開放されている。カセット11の右側面は、上述した略コ字形状をなすべく、上下方向における全ての範囲に亘って開放されており、このように開放された部分を開放部25という。開放部25は、カセット11において開放された上面および底面のいずれに対しても連続している。カセット11は、所定の種類の複数枚の景品2を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で最大でたとえば125枚収納することができる(図4(b)参照)。したがって、1つの払出ユニット4には、最大で500枚の景品2を収納することができる。なお、カセット11の下端から景品2が抜け落ちないようにするために、カセット11の下端には内方折返部26が形成されている。
〔2−3〕景品を払出すための機構
図5(a)および(b)は、景品払出機103の縦断面を模式的に示した図である。
景品払出機103には、収納された景品2を払い出すための機構として、カセット11に収納された景品2を上方ヘ持ち上げるためのリフト機構27と、リフト機構27により持ち上げられた景品2を払出口7側に繰り出すための繰出機構14と、繰出機構14により繰り出された景品2を払出口7の下方で保留するための保留部28と、保留部28に保留された景品2を払出口7へ向けて持ち上げるためのエレベータ機構29と、払出口7まで持ち上げられた景品2をキャビネット3の上面に押し出すための送出機構31とが設けられている。送出機構31は、上述したシャッタ8をスライドさせるための機構である。これらの各機構としては、例えば、上記特許文献1に開示された機構を用いることができる。
リフト機構27、繰出機構14、エレベータ機構29および送出機構31はそれぞれ、リフト・モータ301(図9参照)、繰出モータ302(図9参照)、エレベータ・モータ303(図9参照)および送出モータ304(図9参照)を含んでいる。
図5に示すように、リフト機構27は、ケーシング10内において、カセット11の並び方向(前後方向)に間隔を隔てて2つ設けられている。各リフト機構27は、カセット11内で景品2を載置して上昇するとともに、カセット11内より下方位置に退避可能なリフト13を備えている。リフト13は、ケーシング10に支持されており、ケーシング10内においてリフト・モータ301により昇降する。リフト13の待機位置は、ケーシング10の底壁の近くである(点線で示したリフト13を参照)。
また、ケーシング10内において、各リフト機構27の上方には、繰出機構14が配置されている。つまり、繰出機構14は、リフト機構27の数に応じて2つ設けられている。繰出機構14は、ケーシング10の上壁に隣接するように配置され、ケーシング10に支持されている。
各繰出機構14は、前後方向へスライド自在に支持された移動体18と、回転自在に支持された1対の繰出ローラ19とを含んでいる。移動体18と繰出ローラ19とは、繰出モータ302によって駆動される。移動体18の底面には、下向きに突出した爪18Aが一体的に設けられている。
ケーシング10の上壁において、2つの繰出機構14の間に位置する部分には、開口部15が形成されている。開口部15は、ケーシング10内に連通している。払出ユニット4がキャビネット3に納められている状態では、ケーシング10の開口部15は、キャビネット3において対応する払出口7に対して、下から対向している。
各繰出機構14では、前後方向において、繰出ローラ19が、移動体18よりも、開口部15に近い位置に配置されている。ここで、上述したように前後方向にスライド自在な移動体18の位置に関し、繰出ローラ19に最も近付いたときの移動体18の位置を進出位置といい、繰出ローラ19から最も離れたときの移動体18の位置を退避位置という。図5では、退避位置にある移動体18が示されており、退避位置が、移動体18の待機位置となる。
ケーシング10内において、開口部15の下方に保留部28が形成されている。保留部28には、上述したエレベータ機構29が設けられている。エレベータ機構29は、保留部28に保留した景品2を持ち上げるためのエレベータ16を含んでいる。エレベータ16は、ケーシング10に支持されており、ケーシング10内においてエレベータ・モータ303により昇降する。エレベータ16が待機位置にあるとき、エレベータ16の上面は、繰出機構14の繰出ローラ19よりも低い位置にある。
次に、この景品払出機103による景品2の払い出し動作について、1つの払出ユニット4(第1レーンの払出ユニット4)に着目して説明する。
まず、キャビネット3の扉5が開かれた後、図3(b)に示すように、払出ユニット4の引出部20が開位置まで引き出される。この際、引出検知器321によって引出部20が閉位置から解除されたことが検知される。そして、この状態で、同じ種類の景品2を目一杯収納した4つのカセット11(図4(b)参照)がキャリア12に対して上側から差し込まれ、キャリア12に保持される。その後、引出部20は、閉位置へ押し込まれ(図3(a)参照)、カセット11およびキャリア12を伴って、ケーシング10内に収納される。この際、引出検知器321によって引出部20が閉鎖されたことが検知される。このとき、キャリア12は後位置にあるものとする(図5(a)参照)。そして、扉5(図2参照)が閉じられると、景品払出機103による景品2の払い出しが可能となる。
このように引出部20が閉位置にあり、キャリア12が後位置にある場合、図5(a)に示すように、上述した2つのリフト13は、待機位置にある(図5(a)において点線で示したリフト13を参照)。詳しくは、これらのリフト13のうち、前側のリフト13の上方には、前から1番目のカセット11Aの底面が位置し、後側のリフト13の上方には、前から3番目のカセット11Cの底面が位置している。
この状態からキャリア12が前位置へ移動すると、図5(b)に示すように、4つのカセット11がリフト13に対して前側へ相対移動する。この場合、前側のリフト13の上方には、前から2番目のカセット11Bの底面が位置し、後側のリフト13の上方には、前から4番目のカセット11Dの底面が位置することになる(図5(b)において点線で示したリフト13を参照)。
キャリア12が後位置にある場合には、カセット11Aおよびカセット11Cのいずれか、または、両方から景品2を払い出すことができる(図5(a)参照)。キャリア12が前位置にある場合には、カセット11Bおよびカセット11Dのいずれか、または、両方から景品2を払い出すことができる(図5(b)参照)。どのカセット11から景品2を払い出すかは、任意に設定可能である。
次に、カセット11Aを例にとって、カセット11から景品2を払い出す手順について具体的に説明する。
まず、図5(a)に示すように、カセット11Aの下方に位置していたリフト13が、実線で示すように、カセット11Aの開放された底面からカセット11A内を通って上昇する。これにより、カセット11A内の景品全体が、このリフト13によって押し上げられる。
最上位にある景品2が繰出機構14まで押し上げられると、リフト13の上昇が停止し、繰出機構14が、最上位の景品2を繰り出す。具体的には、退避位置にある移動体18が進出位置まで移動する。カセット11Aの場合、移動体18は、進出位置へ向けて後方へ移動する。このとき、移動体18の爪18Aが最上位の景品2に引っ掛かり、この景品2を1対の繰出ローラ19の間へ搬送する。この後、移動体18は、すぐに退避位置に戻る。そして、この景品2は、回転する1対の繰出ローラ19によって、待機位置にあるエレベータ16(保留部28)側へ放出され、エレベータ16の上面に載置される。
そして、リフト13の上昇と繰出機構14による景品2の繰り出しとが、景品2毎に繰り返され、カセット11A内の景品2が、上から順に、エレベータ16上に積み重ねられて、保留部28に一時保留される。なお、景品2がエレベータ16上に良好に積み重ねられるように、エレベータ16は、待機位置から適宜下降する。具体的には、エレベータ16に景品2が1枚載置される毎に、エレベータ16が下降してもよいし、エレベータ16に所定枚数の景品2が積み重ねられてからエレベータ16が下降してもよい。
また、カセット11Aの景品2だけでなく、カセット11Cの景品2も、カセット11Aの場合と同様の手順で、エレベータ16に積み重ねられてもよい。カセット11Aおよびカセット11Cに景品2が無い場合には、キャリア12が後位置から前位置へ移動し(図5(b)参照)、カセット11Bおよびカセット11Dの景品2が、カセット11Aの場合と同様の手順で、エレベータ16に積み重ねられる。
図5(a)に示すように、払い出しに必要な枚数の景品2がエレベータ16に積み重ねられると、キャビネット3の上面において、対応するシャッタ8が、前側へ移動し、このエレベータ16の上方にある払出口7を開く。これに伴い、エレベータ16が、払出ユニット4の開口部15を介して、払出口7まで上昇する。そして、エレベータ16の上面がキャビネット3の上面と面一になるまでエレベータ16が上昇すると、シャッタ8が、払出口7を閉じようと後側へ移動し、そのときに、エレベータ16の上面に積み重ねられた景品2を、キャビネット3の上面に押し出す。これにより、景品2が客側(後側)へ払い出される。
〔2−4〕計数装置
図6は、図3(a)において内部が露出されるように払出ユニット4を部分的に切欠いた図である。図7は、払出ユニット4の内部の部分的な斜視図である。
各払出ユニット4には、カセット11に積層状態で収納された景品2の枚数をカセット11毎に数えるための計数装置30が備えられている。
図5に示すように、計数装置30は、各払出ユニット4において、前後方向に間隔を隔てて2つ設けられている。前側の計数装置30は、前側のリフト13と前後方向においてほぼ一致する位置に配置されており、後側の計数装置30は、後側のリフト13と前後方向においてほぼ一致する位置に配置されている。なお、図6では、後側の計数装置30のみ図示されている。
図7に示すように、計数装置30は、上下方向に沿ってスライド自在となるように、払出ユニット4のケーシング10の右側壁10Bの内面に支持されている。払出ユニット4には、各計数装置30に関連して、計数装置用モータ306が設けられている。計数装置用モータ306が駆動されることによってタイミングベルト等が駆動され、これにより、対応する計数装置30が上下方向にスライドする。つまり、計数装置用モータ306は、計数装置30を上下方向に相対変位させる機構であり、計数装置30を構成する一部となっている。
また、上述したようにリフト13の待機位置がケーシング10の底壁の近くであるのに対し(図7では待機位置にあるリフト13が示されている。)、待機位置にある計数装置30は、図7に示すように、ケーシング10の上壁の近くにあり、かつ、リフト13の上方にある。なお、計数装置30とリフト13とは左右方向に互いにずれた位置にあるので、計数装置30とリフト13とが動作中に互いに干渉することはない。
なお、対応するリフト13も、計数装置30と同様に、右側壁10Bの内面に支持されており、右側壁10Bには、リフト13を昇降させるためのリフト・モータ301が取り付けられている。リフト・モータ301が駆動されることによってタイミングベルト等が駆動され、これにより、リフト13が昇降する。
計数装置30は、ケーシング10に収容されたカセット11の右側に配置されている。そして、図6に示すように、計数装置30は、対応するカセット11の開放部25(図4参照)に対向している。
図5(b)では、カセット11を保持するキャリア12が前位置にある状態が示されており、この状態で、前側の計数装置30は、前から2番目のカセット11Bと前後方向において一致してこのカセット11Bの開放部25に対向可能であり、後側の計数装置30は、前から4番目のカセット11Dと前後方向において一致してこのカセット11Dの開放部25に対向可能である。
キャリア12が前位置から後位置へ移動すると、図5(a)に示すように、4つのカセット11が計数装置30に対して後側へ相対移動する。そのため、この状態では、前側の計数装置30は、前から1番目のカセット11Aと前後方向において一致してこのカセット11Aの開放部25に対向可能となり、後側の計数装置30は、前から3番目のカセット11Cと前後方向において一致してこのカセット11Cの開放部25に対向可能となる。
ここで、キャリア12が後位置にあるときのカセット11A〜11Dの前後方向位置を第1位置とし(図5(a)参照)、キャリア12が前位置にあるときのカセット11A〜11Dの前後方向位置を第2位置とする(図5(b)参照)。キャリア12が後位置と前位置との間で前後方向へスライドするのに応じて、カセット11A〜11Dは、一体となって、第1位置と第2位置との間で計数装置30に対して前後方向へ相対移動する。
計数装置用モータ306が駆動されると、計数装置30は、対応するカセット11の開放部25に対向しつつ、上下にスライドする。このとき、計数装置30は、カセット11において開放部25から露出されている景品2(図4(b)参照)の枚数を数える。具体的に、計数装置30は、カセット11A〜11Dが第1位置にあるときには(図5(a)参照)、カセット11AおよびCに収納された景品2の枚数を数え、カセット11A〜11Dが第2位置にあるときには(図5(b)参照)、残りのカセット11(つまりカセット11BおよびD)に収納された景品2の枚数を数える。そのため、計数装置30をカセット11の数に応じて増設しなくても、2つの計数装置30によって、4つ全てのカセット11に収納された景品2の枚数を数えることができる。そのため、部品点数の削減を図ることができる。そして、各計数装置30がカセット11毎に景品2の枚数を数えるので、どのカセット11に何枚の景品2が収納されているのかを把握することができる。
計数装置30の一例について説明する。
図8(a)は、計数装置30の斜視図である。図8(b)は、計数装置30が景品2の枚数を数える様子を説明するための図である。
計数装置30は、図8(a)に示すように、フレーム35と、フレーム35に回転自在に支持された前後1対の揃えローラ36(揃え機構)と、フレーム35に取り付けられた光電検出器307とを備えている。
前後1対の揃えローラ36は、フレーム35の左側面側(カセット11の開放部25に対向する面側)に配置されており、前後方向に伸びた軸を介してフレーム35に回転自在に支持されている。
光電検出器307は、揃えローラ36より上方において、フレーム35の左側面に取り付けられている。光電検出器307は、いわゆる反射型センサであり、図示しない発光素子と発光素子から発光された光のうち、検知物に当たって反射した光を受ける図示しない受光素子とを備えている。
計数装置30による計数動作について説明する。図8(b)を参照して、まず、計数装置30が、待機位置から下方へスライドする。ここで、カセット11に積層状態で収納された全ての景品2の右側面2Aをまとめて積層側面2Bという。計数装置30が下方へスライドする際、揃えローラ36が、カセット11に積み重ねられた景品2に対して、上側の景品2から順に、カセット11の開放部25を介して右側から接触する。これにより、景品2は、上側の景品2から順に、カセット11の左壁の内面へ押し付けられていく。このとき、光電検出器307は、積層側面2Bに対して、所定の間隔を隔てて右側から対向している。
そして、図8(b)に示すように、揃えローラ36が全ての景品2に接触し終えるまで計数装置30が下方へ移動すると、カセット11において上下に隣り合う景品2の右側縁は、揃えローラ36によって、上下方向に沿って直線状に並ぶように揃えられる。
その後、計数装置30は、待機位置へ向けて上方ヘスライドする。計数装置30の上方へのスライドに伴い、光電検出器307が、上述した景品2の積層側面2Bに対して所定の間隔を隔てて右側から対向した状態で上昇する。光電検出器307が上昇している過程において、光電検出器307の発光素子が、下側の景品2から順に、景品2の右側面2Aに向けて投光し、この景品2の右側面2Aで反射される反射光が光電検出器307の受光素子に受光される。上下に隣り合う景品2の右側面2Aの境界Xに発光素子からの光が当てられた場合、景品2の右側面2Aに光が当てられる場合と比べて、受光素子が受光する反射光量(受光量)が変化する。そのため、光電検出器307において、受光素子での受光量が変化する毎に、計数装置30は、景品2が1枚あるとカウントする。このようにして、計数装置30は、下側の景品2から順に1枚ずつ景品2をカウントして景品2の枚数を数え、待機位置に戻ったときには、カセット11内の全ての景品2の計数を完了する。
〔3〕景品払出機103の電気的構成
図9は、景品払出機103の電気的構成を示している。
景品払出機103は、景品払出制御、景品計数制御、景品在庫数の管理、景品管理機102との通信等を行う制御部300を備えている。制御部300には、リフト機構27に含まれているリフト・モータ301、繰出機構14に含まれている繰出モータ302、エレベータ機構29に含まれているエレベータ・モータ303、送出機構31に含まれている送出モータ304、スライド機構9に含まれているスライド・モータ305、計数装置用モータ306、光電検出器307、扉開閉検知器308、通信部309、操作部310、客用表示部311、係員用表示部312、時計部313、記憶部314、引出検知器321〜327等が接続されている。そして、制御部300には、景品の払出処理を実行させる払出制御部300aや、所定の条件が成立したときに景品計数処理を実行させる計数制御部300bが含まれる。
記憶部314には、各レーン(各払出ユニット4)毎に景品の種類を記憶したレーン別景品種類テーブルが設けられている。また、記憶部314には、景品払出機103内の景品在庫数に関する情報(在庫管理データ)が記憶される。在庫管理データの種類には、”カセット毎の景品在庫数”、”レーン毎(払出ユニット毎)の景品在庫数”および”景品種類毎の景品在庫数”がある。これらの在庫管理データは、景品を払い出したときや計数装置30を用いて在庫確認処理(図11のステップS2、S9の処理)を行ったときには、その都度新たに作成される。この実施の形態では、在庫管理データが新たに作成される毎に、作成された在庫管理データが、作成日時とともに記憶部314に追加記憶される。つまり、異なる複数のタイミングで作成された個々の在庫管理データは、景品在庫数の推移を表す履歴データとして記憶部314に保存される。
この実施の形態では、在庫確認処理(図11のステップS2、S9の処理)内で実行される景品計数処理を効率よく行うために、前回の在庫確認処理が終了した後に在庫数が変化した可能性のあるレーン(払出ユニット4)に対してのみ計数処理を行うようにしている。前回の在庫確認処理が終了した後に在庫数が変化した可能性のあるレーンを判定するために、景品管理機103の制御部300は、次のような情報を記憶部314に記憶する。
つまり、制御部300は、在庫確認処理(図11のステップS2、S9の処理)が行われる度に、その開始時刻および終了時刻を、在庫確認処理が行われた時刻として記憶部314に記憶する。また、景品払出処理(図11のステップS8の景品払出処理の他、在庫確認処理中に行われる景品払出処理(図13のステップS38,S43)も含まれる)が行われる度に、その開始時刻およびカセット別の払出枚数を、景品払出処理が行われた時刻および払出内容として記憶部314に記憶する。さらに、引出検知器321〜327に基づいて、各レーンの引出部20が閉位置から解除された時刻および開状態から閉じられた時刻を、各レーンの引出部20の開閉情報として記憶部314に記憶する。
〔4〕景品管理機102の電気的構成
図10は、景品管理機102の電気的構成を示している。
景品管理機102は、景品払出機103に対する景品払出制御、景品払出機103に対する計数制御、景品払出機103の景品在庫数の管理、景品払出機103との通信等を行う制御部200を備えている。制御部200には、通信部201、バーコード・リーダ202、印字部203、記憶部204、操作部205、客用表示部206、係員用表示部207等が接続されている。そして、制御部200には、景品払出機103に景品の払出処理を実行させる払出制御部200aや、景品払出機103に景品計数処理を実行させる計数制御部200bが含まれる。
記憶部204には、景品払出機103と同様に、景品払出機103内の景品在庫数に関する情報(在庫管理データ)が記憶される。在庫管理データの種類には、上述したように、”カセット毎の景品在庫数”、”レーン毎(払出ユニット毎)の景品在庫数”および”景品種類毎の景品在庫数”がある。
〔5〕景品払出機103および景品管理機102による処理
各景品払出機103の操作部310には、在庫確認キーが設けられている。同様に、景品管理機102の操作部205には、在庫確認キー、テンキー等が設けられている。
景品払出機103は、景品を払出すための”景品払出処理”、在庫を管理するための”在庫管理処理”等を行う。
景品管理機102は、”景品払出用制御処理”、”在庫管理用制御処理”等を行う。”景品払出制御処理”は、レシートにバーコード記録されている遊技媒体数を読み取ったときに実行される処理である。”在庫管理用制御処理”は、”景品払出用制御処理”を実行していない場合に、景品払出機103からの在庫管理データを受信した場合に実行される処理である。
なお、景品管理機102の制御部200は、操作部205上の在庫確認キーが操作されたときには、在庫確認コマンドを景品払出機103に送信する機能を備えている。また、景品管理機102は、景品払出機103の在庫管理データを、係員の操作に基づいて、印字部203を利用して印刷する機能を備えている。
〔5−1〕景品払出機103による処理
図11は、景品払出機103によって実行される処理の手順を示している。
電源が投入されると(ステップS1)、在庫管理のための在庫確認処理を行う(ステップS2)。在庫確認処理は、計数装置30を用いた景品計数処理を伴う処理である。在庫確認処理の詳細については、後述する。
ステップS2の在庫確認処理が終了すると、景品管理機102からの景品払出コマンドを受信したか否か(ステップS3)、景品払出機103の扉5が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否か(ステップS4)、タイマ予約設定によって設定された時刻(タイマ予約時刻)となったか否か(ステップS5)、在庫確認指令が入力されたか否か(ステップS6)、景品管理機102からの在庫確認コマンドを受信したか否か(ステップS7)を監視する。このような監視は、電源が遮断されるまで行われる。電源が遮断された場合には(ステップS10でYES)、処理を終了する。
上記ステップS3の景品管理機102からの景品払出コマンドは、景品管理機102によって、レシートにバーコード記録されている遊技媒体数が読み取られたことに起因して、景品管理機102から送信される。この景品払出コマンドには、払い出すべき景品の種類と枚数に関する情報が含まれる。上記ステップS4の扉5が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否かは、扉開閉検知器308の出力に基づいて判別される。上記ステップS5のタイマ予約設定は、在庫確認処理を行う時刻を予約設定できる機能であり、景品払出機103の操作部310を係員が操作することによって行われる。
上記ステップS6における在庫確認指令は、景品払出機103の操作部310上の在庫確認キーが操作されることによって入力される。上記ステップS7における在庫確認コマンドは、景品管理機102の操作部205上の在庫確認キーが操作されることに起因して、景品管理機102から送信される。
景品管理機102からの景品払出コマンドを受信したときには(ステップS3でYES)、景品払出処理を行う(ステップS8)。この景品払出処理は、従来とほぼ同様である。景品払出処理の詳細については後述する。ステップS8の景品払出処理が終了すると、ステップS4に移行する。
景品払出機103の扉5が開放状態から閉鎖されたことを検出したとき(ステップS4でYES)、現在時刻がタイマ予約時刻になったとき(ステップS5でYES)、在庫確認指令が入力されたとき(ステップS6でYES)、または景品管理機102からの在庫確認コマンドを受信したとき(ステップS7でYES)には、在庫確認処理を行う(ステップS9)。この在庫確認処理は、ステップS2の在庫確認処理と同じ処理であり、その詳細については後述する。ステップS9の在庫確認処理が終了すると、ステップS10に移行する。
ところで、開店準備時において、電源がオフの状態で入庫が行われた場合には、電源がオンになったときに上記ステップS2の在庫確認処理が行われるので、景品払出機103によって在庫数(入庫数)が確認される。開店準備時において、電源がオンの状態で入庫が行われた場合には、当該入庫作業が終了して扉5が開放状態から閉鎖されたときに、上記ステップS9の在庫確認処理が行われるので、景品払出機103によって在庫数(入庫数)が確認される。つまり、開店準備時において空の状態から各カセットに補充された景品数は、開店時までには自動的に計数されて取得される。
営業時間中に、追加入庫が行われた場合には、当該追加入庫作業が終了して扉5が開放状態から閉鎖されたときに、上記ステップS9の在庫確認処理が行われるので、追加入庫作業が終了した際には、景品払出機103によって追加入庫後の在庫数が確認される。
従来、閉店後に行われていた締上処理または営業時間中に係員の交代時に行われていた締上処理においては、係員が計数作業を手作業で行っていたが、本実施の形態では、労力削減および時間短縮のために、計数装置30によって自動的に計数を行うようにする。このため、本実施の形態では、従来の締上処理を行うべきタイミングにおいては、係員は、景品払出機103または景品管理機102の操作部310,205に設けられた在庫確認キーを操作して、在庫確認指令を入力するようにする。この結果、従来の締上処理を行うべきタイミングにおいては、上記ステップS6または上記ステップS7でYESとなり、上記ステップS9に移行するため、計数作業が自動的に行われる。
なお、従来の締上処理を行うべきタイミング以外の任意のタイミングにおいて、景品払出機103または景品管理機102に設けられた在庫確認キーを係員が操作することにより、在庫確認指令を入力したときや、係員が予め設定したタイマ予約時刻になったときも、上記ステップS9の在庫確認処理が行われるので、任意のタイミングまたは予め設定した予約時刻において、景品払出機103による在庫数確認が可能である。さらに、前回の在庫確認処理から、景品払出処理を行なった件数が所定数(たとえば、20)に達したタイミングで、在庫確認処理を行なうようにしてもよい。なお、在庫確認処理を行なうタイミングについては、本実施例に限らず、自由に設定することが可能である。
〔5−1−1〕景品払出処理
図12は、図11のステップS8で実行される景品払出処理の手順を示している。
景品払出処理においては、まず、景品管理機102から送られてきた景品種類毎の払出し枚数に基づいて、景品を払出すべき1または複数のカセットと、それらの各カセットからの払出し枚数を決定し、決定内容にしたがって景品を払い出す(ステップS21)。
この後、景品を払い出したカセット毎の払い出し枚数に基づいて、景品払出後における在庫管理データを作成して記憶させる(ステップS22)。つまり、景品払出後の”カセット別の在庫数”、”レーン別の在庫数”および”景品種類別の在庫数”を求めて、日時とともに記憶部314に記憶する。
次に、景品払出後における在庫管理データ(”カセット別の在庫数”、”レーン別の在庫数”および”景品種類別の在庫数”)を、景品管理機102に送信する(ステップS23)。ステップS23の処理が終了すると、図11のステップS4に戻る。
〔5−1−2〕在庫確認処理
図13は、図11のステップS2またはステップS9で実行される在庫確認処理の手順を示している。
上述したように、この実施の形態では、在庫確認処理において実行される景品計数処理を効率よく行うために、前回の在庫確認処理が終了した後に在庫数が変化した可能性のあるレーン(払出ユニット4)に対してのみ景品計数処理を行うようにしている。
払出ユニット4内のカセットに景品を補充したり、払出ユニット4内の景品詰まり等を修理する際には、その払出ユニット4の引出部20を引き出す必要がある。景品払出機103の制御部300は、引出検知器321〜327に基づいて、各レーンの引出部20の開閉情報を記憶部314に記憶している。このため、どのレーンの引出部20が何時引き出されたかを制御部300は確認することができる。
また、制御部300は、景品払出処理(図11のステップS8、図13のステップS38,S43)が行われた開始時刻およびカセット別の払出枚数を記憶部314に記憶している。このため、どのレーンから景品が何時払い出されたかを制御部300は確認することができる。さらに、制御部300は、在庫確認処理(図11のステップS2、S9の処理)の開始時刻および終了時刻を記憶部314に記憶している。そこで、この実施の形態では、図11のステップS2またはステップS9の在庫確認処理においては、前回の在庫確認処理が終了した後に、景品の払出処理が無く、かつ、引出部20の引出しも行われていないレーンについては、景品計数処理を省略することにより、景品計数処理の効率化を図っている。
在庫確認処理時においては、まず、景品計数処理を行うべきレーン(払出ユニット4)を決定する(ステップS31)。つまり、前回の在庫確認処理が終了した後に、景品の払出処理があったレーンおよび引出部20の引出しが行われているレーンを、景品計数処理を行うべきレーンとして決定する。ただし、今回の在庫確認処理が電源がオンされたことに起因して行われる在庫確認処理(図11のステップS2の在庫確認処理)である場合には、全てのレーンが、景品計数処理を行うべきレーンとして決定される。
そして、ステップS31で決定した景品計数処理を行うべきレーンに対する景品計数処理を開始する(ステップS32)。この景品計数処理は、払出ユニット4内に設けられた計数装置30を利用して自動的に行われる。
景品計数処理中において、景品管理機102からの景品払出コマンドを受信したか否かを監視する(ステップS33,S34)。景品管理機102からの景品払出コマンドを受信することなく、ステップS31で決定したレーンに対する景品計数処理が全て終了した場合には(ステップS34でYES)、在庫管理データを作成して記憶部314に記憶する(ステップS35)。つまり、景品計数処理を行ったレーンに対して景品計数処理によって得られた”カセット毎の景品在庫数”と、景品計数処理を行わなかったレーンに対して保持されている最新の”カセット毎の景品在庫数”に関する情報とに基づいて”レーン別の景品在庫数”を算出するとともに、算出した”レーン別の景品在庫数”と”レーン別景品種類テーブル”の内容とに基づいて”景品種類別の景品在庫数”を算出する。このようにして得られた”カセット毎の景品在庫数”、”レーン別の景品在庫数”および”景品種類別の景品在庫数”を日時とともに、景品在庫数の履歴データとして記憶部314に記憶させる。
次に、上記ステップS35で算出した在庫管理データ(”カセット別の在庫数”、”レーン別の在庫数”および”景品種類別の在庫数”)を、景品管理機102に送信する(ステップS36)。そして、今回の在庫確認処理を終了する。今回の在庫確認処理が図11のステップS2の在庫確認処理である場合には、上記ステップS36の処理の後、図11のステップS3に戻る。今回の在庫確認処理が図11のステップS9の在庫確認処理である場合には、上記ステップS36の処理の後、図11のステップS10に戻る。
ステップS31で決定したレーンに対する景品計数処理が全て終了する前に、景品管理機102からの景品払出コマンドを受信したときには(ステップS33でYES)、景品払出コマンドに含まれている景品種類別の払出枚数に基づいて、景品計数処理を行わないレーンのみを使用して、景品払出コマンドに対応した景品の払出しが行えるか否かを判別する(ステップS37)。
景品計数処理を行わないレーンのみを使用して、景品払出コマンドに対応した景品の払出しが行えると判別した場合には、景品計数処理を行わないレーンの範囲内において、景品を払い出すべきカセットおよびそのカセットからの景品払出枚数を決定して、景品払出処理を開始する(ステップS38)。この後、ステップS32で開始した景品計数処理およびステップS38で開始した景品払出処理の両方が終了するのを待機する(ステップS39)。
景品計数処理および景品払出処理の両方が終了すると(ステップS39でYES)、景品払出後の在庫管理データを作成して記憶部314に記憶する(ステップS40)。つまり、まず、景品計数処理を行わなかったレーンに対して保持されている最新の”カセット毎の景品在庫数”に関する情報と、上記ステップS38で決定した景品を払い出すべきカセットおよびそのカセットからの景品払出枚数に基づいて、景品計数処理を行わなかったレーンそれぞれに対して景品払出後の”カセット毎の景品在庫数”を算出する。そして、景品計数処理を行わなかったレーンに対して算出された景品払出後の”カセット毎の景品在庫数”と、景品計数処理を行ったレーンに対して景品計数処理によって得られた”カセット毎の景品在庫数”とに基づいて、景品払出後の”レーン別の景品在庫数”を算出する。また、算出した景品払出後の”レーン別の景品在庫数”と”レーン別景品種類テーブル”の内容とに基づいて景品払出後の”景品種類別の景品在庫数”を算出する。このようにして得られた景品払出後の”カセット毎の景品在庫数”、”レーン別の景品在庫数”および”景品種類別の景品在庫数”を日時とともに、景品在庫数の履歴データとして記憶部314に記憶させる。
次に、上記ステップS40で算出した景品払出後の在庫管理データ(”カセット別の在庫数”、”レーン別の在庫数”および”景品種類別の在庫数”)を、景品管理機102に送信する(ステップS41)。そして、今回の在庫確認処理を終了する。
上記ステップS37において、景品計数処理を行わないレーンのみを使用して、景品払出コマンドに対応した景品の払出しが行えないと判別した場合には、現在行われている景品計数処理を中断させる(ステップS42)。そして、景品を払い出すべきカセットおよび払出枚数を決定して、景品払出処理を開始する(ステップS43)。ステップS43で開始した景品払出処理が終了すると(ステップS44でYES)、景品計数処理を再開させるための処理を行う(ステップS45)。原則的には、上記ステップS42で中断させた景品計数処理を再開させる。つまり、景品計数処理が中断された各払出ユニット4内において景品計数処理が完了していないカセットに対して計数処理を行う。ただし、ステップS43で開始した景品払出処理によって景品が払出されたレーンについては、上記ステップS31で景品計数処理を行うべきと判別されたレーンであるか否かにかかわらず、改めて最初から景品計数処理を行う。したがって、この場合には、上記ステップS31で景品計数処理を行うべきと判別されたレーン以外のレーンに対しても景品計数処理が行われる可能性がある。
景品計数処理が終了すると(ステップS46でYES)、景品払出後の在庫管理データを作成して記憶部314に記憶する(ステップS47)。つまり、景品計数処理を行ったレーンに対して景品計数処理によって得られた”カセット毎の景品在庫数”と、景品計数処理を行わなかったレーンに対して保持されている最新の”カセット毎の景品在庫数”に関する情報とに基づいて、景品払出後の”レーン別の景品在庫数”を算出する。また、算出した景品払出後の”レーン別の景品在庫数”と”レーン別景品種類テーブル”の内容とに基づいて、景品払出後の”景品種類別の景品在庫数”を算出する。このようにして得られた景品払出後の”カセット毎の景品在庫数”、”レーン別の景品在庫数”および”景品種類別の景品在庫数”を日時とともに、景品在庫数の履歴データとして記憶部314に記憶させる。
次に、上記ステップS47で算出した景品払出後の在庫管理データ(”カセット別の在庫数”、”レーン別の在庫数”および”景品種類別の在庫数”)を、景品管理機102に送信する(ステップS48)。そして、今回の在庫確認処理を終了する。
〔5−2〕景品管理機102による処理
上述したように、景品管理機102は、”景品払出用制御処理”、”在庫管理用制御処理”等を行う。以下、これらの処理について説明する。
〔5−2−1〕景品払出用制御処理
図14は、景品払出用制御処理の手順を示している。
景品払出用制御処理は、レシートにバーコード記録されている遊技媒体数を読み取ったときに実行される。レシートに印字されているバーコードを読み取ることにより、遊技客が獲得した遊技媒体数を取得する(ステップS51)。この際、読み取った遊技媒体数が係員用表示部207に表示される。次に、取得した遊技媒体数に基づいて、景品種類毎の払出し枚数を決定する(ステップS52)。この際、決定した景品種類毎の払出し枚数が係員用表示部207に表示される。
決定した景品種類毎の払出し枚数を含む景品払出コマンドを景品払出機103に送信する(ステップS53)。景品払出機103は、在庫確認処理を実行していない場合に景品払出コマンドを受信したときには、図12のステップS21〜S23の処理を行う。景品払出機103は、在庫確認処理を実行している場合に景品払出コマンドを受信したときには、図13のステップS37、S38〜S41またはステップS37、S42〜S47の処理を行う。
上記ステップS53の処理が終了すると、景品払出機103から在庫管理データが送られてくるのを待機する(ステップS54)。景品払出機103からの在庫管理データを受信すると(ステップS54でYES)、受信した在庫管理データを日時とともに景品在庫数の履歴データとして記憶部204に記憶させる(ステップS55)。そして、今回の景品払出用制御処理を終了する。
〔5−2−2〕在庫管理用制御処理
図15は、在庫管理用制御処理の手順を示している。
在庫管理用制御処理は、景品払出用制御処理の実行中でない場合に、景品払出機103からの在庫管理データを受信した場合に実行される。つまり、図13のステップS36で景品払出機103から送信された在庫管理データを受信したときに、在庫管理用制御処理は実行される。
景品払出用制御処理の実行中でない場合において、景品払出機103からの在庫管理データを受信すると(ステップS61でYES)、受信した在庫管理データを日時とともに景品在庫数の履歴データとして記憶部204に記憶させる(ステップS62)。この際、受信した在庫管理データを係員用表示部207に表示するようにしてもよい。
〔6〕変形例
景品の形状はカード状に限定されない。計数機構、計数方法についても限定されない。景品に内蔵されるICを読み取る方式でもよい。
上記実施の形態では、景品払出機103は、景品が払い出されたカセットを認識できるとともに、引出検知器321〜327により景品が補充された可能性のあるレーン(払出ユニット4)を認識できるため、在庫確認処理においては、前回の在庫確認処理が終了した後に在庫数が変化した可能性のあるレーン(払出ユニット4)に対してのみ景品計数処理を行うようにしている。景品計数処理のさらなる効率化を図るために、カセット毎にそのカセットに景品が補充された可能性があることを検知するための検知手段を設けることにより、前回の在庫確認処理が終了した後に在庫数が変化した可能性のあるカセットに対してのみ景品計数処理を行うようにしてもよい。
景品払出機103の扉5の開閉検知に基づいて計数処理を実行しているが、扉5の開閉検知のみでなく、扉が開閉された間に、引出部20が引き出されたことも条件に加えるようにしてもよい。つまり、単に扉5が開閉されただけで計数処理を実行させるのではなく、扉5が開閉されかつその間に引出部20が引き出されたことが検知されている場合に、計数処理を実行させるようにしてもよい。
景品管理機102には1台の景品払出機10が接続されているが、景品管理機102に2台以上の景品払出機103を接続するようにしてもよい。つまり、景品管理機102は複数台の景品払出機103の制御および管理を行うようにしてもよい。また、遊技施設内に、複数台の景品管理機102を設け、そのうちの1台の景品管理機102が、他の景品管理機102と通信を行うことにより、各景品管理機102に接続されている全ての景品払出機103に関する在庫管理データを統括して管理するようにしてもよい。
上記実施例では、景品管理機102は、景品払出制御処理において、レシートから読み取った遊技媒体数に基づいて、景品種類毎の払出し枚数を決定し(図14のステップS52参照)、決定した景品種類毎の払出し枚数を含む景品払出しコマンドを景品払出機103に送信している(図14のステップS53参照)が、景品管理機102は、景品種類毎の払出し枚数を決定することなく、レシートから読み取った遊技媒体数またはレシートから読み取った遊技媒体数から求められる払出し価値を含む景品払出しコマンドを景品払出機103に送信するようにしてもよい。この場合には、景品払出機103は、景品払出しコマンドに含まれる遊技媒体数または払出し価値に基づいて、景品種類毎の払出し枚数を決定する。つまり、この場合には、景品払出機103側で、景品種類毎の払出し枚数を決定する。
本願発明は、さらに、特開2008−73169号公報(特許文献2)に開示されているような卓上タイプの景品払出機にも適用することができる。