JP5207251B2 - 有機光電変換膜及びこれを含む電子素子 - Google Patents

有機光電変換膜及びこれを含む電子素子 Download PDF

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Description

本発明は、塗布法により形成できる有機光電変換膜及びこれを含む電子素子に関する。
有機物を用いた光電変換素子(有機光電変換素子)は、1986年のC. W. Tangの素子が約1%の効率を示したことから関心が高まり(非特許文献1参照)、その後も光電変換効率は年々改善されている。
しかしながら、有機光電変換素子は、例えばシリコン系太陽電池に代表される無機光電変換素子に比べて光電変換効率が低いという問題を有している。この問題は、有機光電変換材料のキャリヤ移動度が小さいことに起因しており、有機光電変換膜中での光吸収に続く電荷分離過程で発生したキャリヤ(正孔と電子)の多くが電極に到達するまでに再結合等で消失してしまうため、十分な信号レベルの信号電流として読み出すことができないという問題があった。
この問題を解決するために、光照射によって発生した正孔と電子を再結合させずに空間的に分離する技術が提案されており、代表例としては、フラーレン誘導体と導電性ポリマーを混合したバルクヘテロジャンクション構造を有する有機光電変換膜や有機太陽電池が挙げられる。
この有機光電変換膜や有機太陽電池では、フラーレン誘導体は電子受容性材料(アクセプター)として機能し、導電性ポリマーは電子供与性材料(ドナー)として機能する。
そして、この有機光電変換膜や有機太陽電池では、ナノサイズのフラーレン誘導体が導電性ポリマーの膜内に全体に亘って均一に分散しているため、エキシトンが電荷分離を起こすドナー・アクセプター接合部が膜全体に分散していることになる。
これにより、導電性ポリマー中のエキシトンの移動距離が短くても、エキシトンの移動距離内に必ずドナー・アクセプター接合部が存在することになるため、エキシトンを効率よくキャリヤに変換することができる。
ドナー・アクセプター接合部で電荷分離を起こした後は、フラーレン誘導体、導電性ポリマー、及び電極等のエネルギー準位に従い、電子は、フラーレン誘導体へ移動し、フラーレン誘導体間をホッピング伝導して負極電極に到達する。一方、正孔は、主に導電性ポリマー中のπ共役結合鎖中を伝導して、正極電極に達する。
以上により、フラーレン誘導体と導電性ポリマーを混合したバルクヘテロジャンクション構造を有する有機光電変換膜や有機太陽電池において、光エネルギーが電気エネルギーとして取り出される(例えば、特許文献1乃至3参照)。
Applied Physics Letters、第48巻、1986年、p.183−185 特開2007−173636号公報 特開2005−203659号公報 米国特許第5,454,880号明細書
ここで、上述のような有機光電変換膜や有機太陽電池において、電子の輸送ルートであるフラーレン誘導体や正孔の輸送ルートである導電性ポリマーが電荷分離領域から正極電極及び負極電極まで形成されているか否かは、膜内におけるドナー材料とアクセプター材料の混合具合に依存するため、電子の輸送ルート及び正孔の輸送ルートの安定的な確保は困難であった。
また、例えば、特開2004−103939号公報に記載されているように、ドナー材料とアクセプター材料を直立型超格子の構造にすることで電子及び正孔の輸送ルートを確保することが知られている。
しかしながら、ドナー材料とアクセプター材料で構成する直立型超格子は、非常に微細な面積のものしか作製することができず、光電変換膜や太陽電池のように大面積化が求められる電子素子に利用することは困難であった。
ところで、このような大面積化に対応する有機膜の成膜手法の一つとして塗布法がある。
塗布法は、有機材料を溶媒に溶かした溶液を基板等に塗布することによって成膜するプロセスであるため、薄膜の大面積化に有利であるばかりでなく、製造コストの削減、製造プロセスの簡略化等が期待できる。
しかしながら、塗布法で成膜した有機膜の膜内には溶媒が残留する。有機エレクトロルミネッセンスで用いられる有機膜では、残留溶媒が発光特性の劣化を招くため、溶媒を除去している。このため、除去しやすい低沸点の溶媒を用いた成膜処理や、成膜後に溶媒を蒸発するために、溶媒の沸点を超える温度で行う加熱処理等が行われていた。
また、有機光電変換膜を作製する場合においても、膜中の残留溶媒が発生電荷の再結合を促進するため、溶媒除去を行うことが通例となっている。例えば、特開2001−196663号公報記載の薄膜では、長時間にわたる真空乾燥が必要であり、製造工程の簡略化は実現されていなかった。
そこで、本発明は、塗布法により容易に作製でき、大面積化が可能で光電変換効率の高い有機光電変換膜及びこれを含む電子素子を提供することを目的とする。
本発明の一局面の有機光電変換膜は、電子供与性の第1有機材料と電子受容性の第2有機材料とを有機溶媒に溶解させて塗布する塗布処理により形成される有機光電変換膜において、前記第1有機材料はポリフルオレン誘導体であり、前記第2有機材料はシロール誘導体であり、かつ、前記有機溶媒を膜内に含む。
また、前記塗布処理の後に行う熱処理を前記有機溶媒の沸点以下の温度で行うことにより形成されてもよい。
本発明の一局面の電子素子は、前記いずれかの有機光電変換膜を含む。
本発明によれば、塗布法により容易に作製でき、大面積化が可能で光電変換効率の高い有機光電変換膜及びこれを含む電子素子を提供できるという特有の効果が得られる。
実施の形態の有機光電変換膜を含む光電変換素子を示す断面図である。 本実施の形態の有機光電変換膜30を用いた撮像素子の断面構造を示す図である。
以下、本発明の有機光電変換膜及びこれを含む電子素子を適用した実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態の有機光電変換膜を含む光電変換素子を示す断面図である。
本実施の形態の有機光電変換膜を含む光電変換素子1は、基板10、透明電極20、有機光電変換膜30、及び対向電極40を積層した構造を有する電子素子である。
基板10は、本実施の形態の光電変換素子1の光入射側の基板であり、例えば、ソーダライムガラス等のガラス基板であればよい。図1において、基板10を下側に示すのは、本実施の形態の光電変換素子1を作製する際に、基板10の上に、透明電極20、有機光電変換膜30、及び対向電極40を順次積層するからである。なお、図1では、基板10の下側の面が光入射面10Aとなる。
透明電極20は、有機光電変換膜30に電圧を印加し、有機光電変換膜30内で発生したキャリヤを取り出すための一対の電極のうち、光入射側に位置する電極であり、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)膜、酸化インジウム膜、又は酸化スズ膜等を用いることができる。この透明電極20の膜厚は、例えば、10nm〜200nm程度に設定すればよい。また、この透明電極20は、例えば、スパッタリング法によって基板10の上に形成することができる。
有機光電変換膜30は、本実施の形態の有機光電変換膜であり、ドナー性有機材料31とアクセプター性有機材料32を含む。
ドナー性有機材料31は、電子を供与する有機材料(電子供与性有機材料)であり、本実施の形態では、ポリフルオレン誘導体を用いる。
アクセプター性有機材料32は、電子を受容する有機材料(電子受容性有機材料)であり、本実施の形態では、シロール誘導体を用いる。
ドナー性有機材料31及びアクセプター性有機材料32は、有機溶媒に溶解した溶液の状態で塗布法(塗布処理)によって透明電極20の上に形成される。有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸ブチル、モノクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸2ーエトキシエチル、酢酸エチルカルビトール、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、ジオキサン等を用いることができる。ただし、ここに挙げる有機溶媒は、飽くまで一例であり、本実施の形態のドナー性有機材料31及びアクセプター性有機材料32を溶解できる有機溶媒であれば、ここに示す有機溶媒以外のものであってもよい。
なお、ドナー性有機材料31及びアクセプター性有機材料32には、上述の有機溶媒に可溶にするために、種々の官能基を付加することができる。
また、有機光電変換膜30の成膜は、種々の塗布法(塗布処理)によって実現可能であり、例えば、スピンコート法、バーコート法、キャスト法、ディップ法等を適宜用いることができる。
ここで、有機溶媒に対する有機光電変換材料(ドナー性有機材料31及びアクセプター性有機材料32)の混合比は、例えば、0.1重量パーセント(wt%)から30重量パーセント(wt%)程度が望ましい。なお、ドナー性有機材料とアクセプター性有機材料との混合比については後述する。
有機光電変換膜30の膜厚は、例えば、10nm〜1000nmの範囲であることが望ましく、さらには50nm〜500nmの範囲がより望ましい。
対向電極40は、有機光電変換膜30に電圧を印加し、有機光電変換膜30内で発生したキャリヤを取り出すための一対の電極のうち、光入射方向における奥側に位置し、透明電極20に対向して配置される電極である。
この対向電極40は、透明電極20と同様に、ITO膜、酸化インジウム膜、又は酸化スズ膜等で構成される透明電極用の材料で作製されてもよいし、その他の電極材料で作製されてもよい。
その他の電極材料としては、例えば、アルミニウム、バナジウム、金、銀、白金、鉄、コバルト、炭素、ニッケル、タングステン、パラジウム、マグネシウム、カルシウム、スズ、鉛、チタン、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン等の金属及びこれらの合金が挙げられる。
対向電極40の膜厚は、例えば、50nm〜200nm程度でよいが、光の透過性を得たい場合には、材料に応じて、20nm〜100nm程度に薄くすれば、半透明電極を形成することが可能である。
この対向電極40は、例えば、スパッタリング法によって有機光電変換膜30の上に形成することができる。
なお、対向電極40を有機光電変換膜30の上に形成する際に、有機光電変換膜30へのダメージを軽減するバッファ層として、有機光電変換膜30の上に例えば数nm程度のフッ化リチウム(LiF)膜等を蒸着してから対向電極40を形成してもよい。
図2は、本実施の形態の有機光電変換膜30を用いた撮像素子の断面構造を示す図である。
本実施の形態の撮像素子2は、図1に示す基板10、透明電極20、有機光電変換膜30、及び対向電極40を含む電子素子であり、例えば、64画素×64画素の画素数を有する。図2に示す断面構造は、2画素分に相当する。
信号読出回路100に含まれる画素電極41、42は、図1に示す対向電極40を画素電極として用いたものであり、実際には、画素電極41、42と同一の画素電極が平面視でマトリクス状に64×64個配列されている。なお、1画素のサイズは、例えば、100μm×100μmであり、画素電極41、42はITO製の透明電極である。
各画素電極41、42には、信号読出回路100に含まれるアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a−Si TFT(Thin Film Transistor))41A、42Aが接続されている。a−SiTFT41A、42Aのドレイン又はソースのうちの一方は、画素電極41、42に接続され、他方は信号読出回路100を介して外部の出力回路に接続されている。
また、透明電極20には、外部電源3が接続されており、この外部電源3によって透明電極20と画素電極41、42との間にバイアス電圧が印加される。
有機光電変換膜30は、実際には、図1に示すようにドナー性有機材料31及びアクセプター性有機材料32で構成されるが、図2では、キャリヤを図示するために、ドナー性有機材料31及びアクセプター性有機材料32の図示を省略する。
ここで、有機光電変換膜30のうち、画素電極41が存在する領域に図中上方向から光入射面10Aを介して光が入射すると、画素電極41と透明電極20に挟まれた部分の有機光電変換膜30内には電子正孔対が発生する。
上述のように、外部電源3によって透明電極20と画素電極41との間にはバイアス電圧が印加されているため、画素電極41の近傍には、有機光電変換膜30内で発生した電子正孔対のうち、正孔30hが蓄積される。
なお、図2には、説明の便宜上、有機光電変換膜30内で発生した電子正孔対のうちの正孔30hのみを示すが、有機光電変換膜30に発生した電子は、透明電極20の側に移動する。これにより、信号読出回路100で撮像信号を得ることができる。
また、これは、画素電極42と透明電極20に挟まれた部分の有機光電変換膜30内に光が入射した場合も同様である。
なお、ここでは、撮像素子の信号読出回路100がa−SiTFT41A、42Aを含む形態について説明したが、信号読出回路100は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)又はCCD(Charge Coupled Device)等を含む回路であってもよい。
また、ここでは、有機光電変換膜30を用いた電子素子の一例として撮像素子について説明したが、有機光電変換膜30で発生した起電力を利用する太陽電池、又は、光照射によって有機光電変換膜30に発生した光電流を用いる光センサなどの電子素子を構成することもできる。
次に、本実施の形態の有機光電変換膜30を含む光電変換素子を実際に作製した実施例1乃至3及び比較例について説明する。
(実施例1)
基板10としてソーダライムガラス(20mm×20mm×0.7mm)を用い、基板10の片側表面にスパッタリング法により、厚み150nm、シート抵抗15Ω・cmのITO膜を透明電極20として形成した。
次に、透明電極20の表面に、ドナー性有機材料31としてPoly(dioctylfluorenyl-co-benzo-thiadiazole)(F8BT)をクロロホルムに1wt%の割合で希釈した溶液を窒素雰囲気中で滴下して、スピンコート法で塗布し、さらにホットプレート上で30分間熱処理を行うことにより、膜厚200nmの有機光電変換膜30を形成した。この実施例1の有機光電変換膜30は、アクセプター性有機材料32を含まない。
なお、熱処理の温度条件は、20℃、40℃、70℃、100℃の4条件を用いた。
最後に、有機光電変換膜30の上に抵抗加熱の真空蒸着法によりバッファ層としてのLiF(1nm)膜と対向電極40としてのAl(100nm)膜とを順次積層して実施例1の光電変換素子を得た。
この実施例1の光電変換素子について、中心波長470nmの青色LEDを照射して外部量子効率を求めた結果を実施例2、3及び比較例の結果とともに表1に示す。なお、この外部量子効率は、実施例1の光電変換素子の有機光電変換膜30に、1.4×10V/mの電界を印加して得た値である。
(実施例2)
基板10としてソーダライムガラス(20mm×20mm×0.7mm)を用い、基板10の片側表面にスパッタリング法により、厚み150nm、シート抵抗15Ω・cmのITO膜を透明電極20として形成した。
次に、この透明電極20の表面に、ドナー性有機材料31としてのF8BTと、アクセプター性有機材料32としての1,1-dimethyl-2,3,4,5-tetraphenylsilole(DMTPS)とをクロロホルムに1wt%の割合で希釈した溶液を窒素雰囲気中で滴下して、スピンコート法で塗布し、さらにホットプレート上で30分間熱処理を行うことにより、膜厚200nmの有機光電変換膜30を形成した。
ここで、F8BTとDMTPSの混合比は、重量比で1:0.2とした。
また、熱処理の温度条件は、20℃、40℃、70℃、100℃の4条件を用いた。
最後に、有機光電変換膜30の上に抵抗加熱の真空蒸着法によりバッファ層としてのLiF(1nm)膜と対向電極40としてのAl(100nm)膜とを順次積層して実施例2の光電変換素子を得た。
この実施例2の光電変換素子について、中心波長470nmの青色LEDを照射して外部量子効率を求めた結果を実施例1、3及び比較例の結果とともに表1に示す。なお、この外部量子効率は、実施例2の光電変換素子の有機光電変換膜30に、1.4×10V/mの電界を印加して得た値である。
(実施例3)
基板10としてソーダライムガラス(20mm×20mm×0.7mm)を用い、基板10の片側表面にスパッタリング法により、厚み150nm、シート抵抗15Ω・cmのITO膜を透明電極20として形成した。
次に、この透明電極20の表面に、ドナー性有機材料31としてのF8BTと、アクセプター性有機材料32としてのDMTPSとをクロロホルムに1wt%の割合で希釈した溶液を窒素雰囲気中で滴下して、スピンコート法で塗布し、さらにホットプレート上で30分間熱処理を行うことにより、膜厚200nmの有機光電変換膜30を形成した。
ここで、F8BTとDMTPSの混合比は、重量比で1:1とした。
また、熱処理の温度条件は、20℃、40℃、70℃、100℃の4条件を用いた。
最後に、有機光電変換膜30の上に抵抗加熱の真空蒸着法によりバッファ層としてのLiF(1nm)膜と対向電極40としてのAl(100nm)膜とを順次積層して実施例3の光電変換素子を得た。
この実施例3の光電変換素子について、中心波長470nmの青色LEDを照射して外部量子効率を求めた結果を実施例1、2及び比較例の結果とともに表1に示す。なお、この外部量子効率は、実施例3の光電変換素子の有機光電変換膜30に、1.4×10V/mの電界を印加して得た値である。
(比較例)
基板10としてソーダライムガラス(20mm×20mm×0.7mm)を用い、基板10の片側表面にスパッタリング法により、厚み150nm、シート抵抗15Ω・cmのITO膜を透明電極20として形成した。
次に、この透明電極20の表面に、ドナー性有機材料31としてのPoly(methylphenylsilane)(PMPS)と、アクセプター性有機材料32としてのCoumarin6(C6)とをクロロホルムに1wt%の割合で希釈した溶液を窒素雰囲気中で滴下して、スピンコート法で塗布し、さらにホットプレート上で30分間熱処理を行うことにより、膜厚220nmの有機光電変換膜30を形成した。
ここで、PMPSとC6の混合比は、重量比で1:0.05とした。
また、熱処理の温度条件は、20℃、40℃、70℃、100℃の4条件を用いた。
最後に、有機光電変換膜30の上に抵抗加熱の真空蒸着法によりバッファ層としてのLiF(1nm)膜と対向電極40としてのAl(100nm)膜とを順次積層して比較例の光電変換素子を得た。
この比較例の光電変換素子について、中心波長470nmの青色LEDを照射して外部量子効率を求めた結果を実施例1乃至3の結果とともに表1に示す。なお、この外部量子効率は、比較例の光電変換素子の有機光電変換膜30に、1.4×10V/mの電界を印加して得た値である。
Figure 0005207251
この表1に示すように、実施例1乃至3の光電変換素子で得られた外部量子効率(%)は、いずれも比較例の値を大きく上回った。
実施例1乃至3の光電変換素子の中では、実施例2の外部量子効率が一番高く、次いで実施例1、実施例3の順番となった。
実施例1乃至3のすべてにおいて、熱処理の温度に対しては、20℃や40℃といった低い温度の方が外部量子効率の高い光電変換素子が得られることが分かった。熱処理温度が70℃でも良好な外部量子効率が得られるが、20℃や40℃に比べると値に若干の低下が見られた。また、100℃で得られた光電変換素子は、70℃で得られた光電変換素子よりもさらに外部量子効率が低下する結果となった。
一方、比較例の光電変換素子では、温度によらずに全体的に外部量子効率は低いが、100℃で熱処理を行った場合が一番良好な値を示した。
今回は、有機溶媒としてクロロホルムを用いた。クロロホルムの沸点は62℃である。
比較例の光電変換素子において、熱処理温度が20℃や40℃よりも70℃の方が外部量子効率が良く、100℃で最良となったのは、ドナー性有機材料31としてPMPSを用い、アクセプター性有機材料32としてC6を用いたので、クロロホルムを蒸発させた光電変換素子の方が良好な有機光電変換膜30が作製されたためと考えられる。
これに対して、実施例1乃至3の光電変換素子では、20℃や40℃といった低温で作製された方が良好な外部量子効率が得られたため、クロロホルムが蒸発せずに残留している方が(有機光電変換膜30内に有機溶媒を含む方が)、電子の輸送ルート及び正孔の輸送ルートが確保されるものと思われる。すなわち、残留溶媒のイオン電導効果により、膜内で発生したキャリヤの移動が促進され、外部量子効率が増大することが判明した。これは、比較例の光電変換素子のように、高温で熱処理を行った方が良好な光電変換素子が得られることとは逆の傾向である。
以上より、熱処理は、有機溶媒が有機光電変換膜30内に残留可能な温度条件で行うと、外部量子効率が増大されることが分かった。有機溶媒は、有機光電変換膜30内でドナー性有機材料31とアクセプター性有機材料32と混合されるため、残留可能な温度は沸点よりも少し高い温度になると思われるが、沸点以下の温度条件で熱処理を行うことは、より好ましいと言える。
このため、上述の実施例のように、有機溶媒としてクロロホルムを用いる場合は、クロロホルムの沸点(62℃)よりも低い温度で行うことがより好ましい温度条件である。
なお、以上で説明した熱処理は、20℃程度の比較的低い温度で行うことも可能であるが、「熱処理」という文言は、ドナー性有機材料31とアクセプター性有機材料32を有機溶媒に溶解させた溶液を塗布した後に、予め設定された温度条件下に放置する処理をいう。このため、「熱処理」は、加熱、減熱、あるいは室温等の環境温度に保持する処理のすべてを含む意味である。
このように、ドナー性有機材料31としてのF8BTと、アクセプター性有機材料32としてのDMTPSとを有機溶媒に溶解して塗布法によって作製した有機光電変換膜30は、容易に作製でき、光電変換効率が高いことが分かった。また、塗布法(塗布処理)で作製できることから、直立型超格子構造とは異なり、大面積化が可能である。さらに、室温程度の低温で作製できるため、製造工程の大幅な簡略化を図ることができる。
なお、今回の結果では、実施例2の外部量子効率が最良であり、実施例2では、F8BTとDMTPSの混合比は、重量比で1:0.2であった。また、DMTPS(アクセプター性有機材料32)を混入しなかった実施例1の方がF8BTとDMTPSの混合比を重量比で1:1とした実施例3よりも良好な外部量子効率を示したため、F8BTとDMTPSの混合比の最良値は、重量比で1:1よりも1:0.2寄りにあると思われる。
以上のように、本実施の形態によれば、電子供与性の有機材料としてポリフルオレン誘導体を用いるとともに、電子受容性の有機材料としてシロール誘導体を用いて、比較的低温で塗布法(塗布処理)によって作製することにより、高効率の有機光電変換膜を提供することができる。この有機光電変換膜は塗布法で容易に作製できるため、大面積化にも対応することが可能であり、撮像素子、太陽電池、光センサ等の様々な電子素子に適用することができる。また、有機溶媒の沸点よりも低い程度の低温で良好な有機光電変換膜30を作製できるので、加熱処理を省くこともでき、製造工程の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の有機光電変換膜及びこれを含む電子素子について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
1 光電変換素子
2 撮像素子
10 基板
10A 光入射面
20 透明電極
30 有機光電変換膜
31 ドナー性有機材料
32 アクセプター性有機材料
40 対向電極
41、42 画素電極
41A、42A a−SiTFT
100 信号読出回路

Claims (3)

  1. 電子供与性の第1有機材料と電子受容性の第2有機材料とを有機溶媒に溶解させて塗布する塗布処理により形成される有機光電変換膜において、
    前記第1有機材料はポリフルオレン誘導体であり、前記第2有機材料はシロール誘導体であり、かつ、前記有機溶媒を膜内に含む、有機光電変換膜。
  2. 前記塗布処理の後に行う熱処理を前記有機溶媒の沸点以下の温度で行うことにより形成される、請求項1に記載の有機光電変換膜。
  3. 請求項1又は2記載の有機光電変換膜を含む電子素子。
JP2009056910A 2009-03-10 2009-03-10 有機光電変換膜及びこれを含む電子素子 Expired - Fee Related JP5207251B2 (ja)

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