JP5206608B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウォータポンプの正回転時にエンジン本体を構成するシリンダブロック及びシリンダヘッドの順に冷却水通路を通じて冷却水が循環する冷却水循環システムを備えるエンジンの制御装置に関する。
この種のエンジンの制御装置としては例えば特許文献1に記載のものがある。図4に、特許文献1に記載のものも含めて従来一般の制御装置の適用されるエンジンについてその冷却水循環システムの概略構成を示す。
同図に示すように、エンジン101は、シリンダブロック103及びシリンダヘッド104からなるエンジン本体2を備えている。また、エンジン101には、冷却水が循環する流路としての冷却水通路110が設けられている。冷却水通路110には、冷却水を吸引・吐出する機関駆動式のウォータポンプ111が設けられている。シリンダブロック103内部には冷却水通路110の一部をなすブロック側ウォータジャケット113が形成され、シリンダヘッド104内部には冷却水通路110の一部をなすヘッド側ウォータジャケット114が形成されている。
冷却水通路110において、ヘッド側ウォータジャケット114の下流側端部と、ブロック側ウォータジャケット113の上流側端部との間には、主通路115が接続されている。また、主通路115の途中には、冷却水を冷却するためのラジエータ116が設けられている。また、主通路115には、ラジエータ116よりも上流側部分と下流側部分とを接続してラジエータ116を迂回する迂回通路117が接続されている。また、主通路115と迂回通路117の下流側端部との接続部には、ウォータポンプ111の正回転時において各ウォータジャケット113,114に流通させる冷却水を、迂回通路117からのものとするか、或いはラジエータ116からのものとするかを切り替えるためサーモスタット118が設けられている。
こうした冷却水循環システムを備えるエンジン101において、冷間始動時のように冷却水の温度が低いときには、サーモスタット118を通じて、ラジエータ116からブロック側ウォータジャケット113への冷却水の流入を禁止し、迂回通路117からブロック側ウォータジャケット113への冷却水の流入を許容する。これにより、ラジエータ116において冷却された冷却水が各ウォータジャケット113,114へと流入することを禁止してエンジン本体102の暖機を促進するようにしている。尚、機関駆動式のウォータポンプは、エンジン101の出力軸に連結されていることから、エンジン101の運転中においては常に駆動状態となる。
また近年、機関駆動式のウォータポンプに代えて、電動式のウォータポンプを採用するエンジンが開発されるに至っている。こうした電動式のウォータポンプを備えるエンジンにおいては、エンジンの出力軸の回転とは独立してウォータポンプを作動させることができる。そこで、エンジン本体内部における冷却水の温度が所定の温度(例えば70℃)よりも低いときには、エンジン本体の暖機を促進するために、ウォータポンプを停止状態として、エンジン本体外部からブロック側ウォータジャケットへと低温の冷却水が流入することを規制することが考えられる。
特開2004―44507号公報
ところが、このように、エンジン本体内部における冷却水の温度が所定温度よりも低いときにはウォータポンプを停止状態とする一方、上記冷却水の温度が上記所定温度以上となることをもってウォータポンプを作動させることとすると、以下の問題が生じることとなる。すなわち、エンジン本体内部における冷却水の温度が上記所定温度以上となったとき、エンジン本体外部における冷却水の温度は未だ低温であることから、そうした低温の冷却水がシリンダブロック内部における冷却水通路のシリンダボア近傍に流入する結果、シリンダボアの急激な温度低下が生じるおそれがある。そのため、従来、シリンダボアの肉厚をある程度大きくする等の対策によって、シリンダボアの急激な温度低下に起因してシリンダボアの耐久性が低下することを抑制するようにしている。しかしながら、この場合、シリンダボアの重量増加、ひいてはエンジンの重量増加を招き、エンジンの燃費が悪化するといった新たな問題を回避することができない。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シリンダボアの重量を増加させることなく、シリンダボアの急激な温度低下に起因するシリンダボアの耐久性の低下を抑制して、エンジンの燃費を向上させることのできるエンジンの制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、ウォータポンプの正回転時にエンジン本体を構成するシリンダブロック及びシリンダヘッドの順に冷却水通路を通じて冷却水が循環する冷却水循環システムを備えるエンジンに適用されて、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が所定温度よりも低いときには前記ウォータポンプを停止状態とする一方、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となることをもって前記ウォータポンプを作動させるエンジンの制御装置であって、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となったとき、前記ウォータポンプを逆回転にて作動させて、前記エンジン本体外部の冷却水通路、前記シリンダヘッド及び前記シリンダブロックの順に冷却水を循環させ、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度よりも高い基準温度以上となったとき、前記ウォータポンプを正回転にて作動させることをその要旨としている。
(2)請求項2に記載の発明は、ウォータポンプの正回転時にエンジン本体を構成するシリンダブロック及びシリンダヘッドの順に冷却水通路を通じて冷却水が循環する冷却水循環システムを備えるエンジンに適用されて、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が所定温度よりも低いときには前記ウォータポンプを停止状態とする一方、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となることをもって前記ウォータポンプを作動させるエンジンの制御装置であって、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となったとき、前記ウォータポンプを逆回転にて作動させて、前記エンジン本体外部の冷却水通路、前記シリンダヘッド及び前記シリンダブロックの順に冷却水を循環させ、前記ウォータポンプを逆回転にて作動させてから基準時間が経過したとき、前記ウォータポンプを正回転にて作動させることをその要旨とする。
請求項1及び2の各構成によれば、エンジン本体内部における冷却水の温度が所定温度以上となってウォータポンプを作動させると、冷却水通路を通じてエンジンのシリンダヘッド及びシリンダブロックの順に冷却水が循環するようになる。このため、シリンダブロックに形成されるシリンダボアに対して、まずは、ウォータポンプが停止状態とされている間にシリンダヘッドにおいて既に加熱されて高温となっている冷却水が流入するようになる。これにより、ウォータポンプを正回転にて作動させる場合に比べて、シリンダボア近傍の冷却水通路に高温の冷却水を流入させることができ、シリンダボアの急激な温度低下の発生を抑制することができる。従って、シリンダボアの重量を増加させることなく、シリンダボアの急激な温度低下に起因するシリンダボアの耐久性の低下を抑制することができ、エンジンの燃費を向上させることができるようになる。
また、上記各構成によれば、ウォータポンプを逆回転にて作動させ続ける構成に比べて、シリンダボア近傍の冷却水通路に対してより低温の冷却水を流入させることができ、シリンダボアの温度が過度に上昇することを的確に抑制することができるようになる。
)請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置において、前記ウォータポンプは電動式のポンプであることをその要旨としている。
同構成によれば、ウォータポンプを逆回転にて作動させる構成を容易に実現することができるようになる。
)請求項に記載の発明は、請求項に記載のエンジンの制御装置において、前記ウォータポンプは正回転時に比べて逆回転時における冷却水の最小吐出流量が小さくなるものであり、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となって前記ウォータポンプを逆回転にて作動させるとき、同ウォータポンプによる吐出流量を正回転時における最小吐出流量よりも小さくすることをその要旨としている。
ウォータポンプを逆回転にて作動させることで、ウォータポンプが停止状態とされている間にシリンダヘッドにおいて既に加熱されて高温となっている冷却水の全てがシリンダボア近傍の冷却水通路から流出すると、その後においては、エンジン本体外部における未だ低温の冷却水がエンジン本体内部へと流入するようになる。そのため、ウォータポンプを逆回転にて作動させたとしても、ウォータポンプによる冷却水の吐出流量を比較的大きくした場合には、そうした低温の冷却水がシリンダヘッド内部の冷却水通路においてシリンダヘッドからの熱によって加熱される前にシリンダブロック内の冷却水通路のシリンダボア近傍に流入することとなり、シリンダボアの急激な温度低下に起因するシリンダボアの耐久性の低下を的確に抑制することができないおそれがある。
一方、電動式のポンプにおいて、正回転時に比べて逆回転時における冷却水の最小吐出流量が小さくなるものがある。
上記構成によれば、ウォータポンプを逆回転にて作動させるとき、ウォータポンプによる冷却水の吐出流量が小さくなる。これにより、エンジン本体外部からシリンダヘッド内部の冷却水通路に流入した未だ低温の冷却水が同通路に存在する期間、すなわちシリンダヘッドの熱によって加熱される期間を長くすることができる。従って、冷却水通路においてシリンダボア近傍に流入する冷却水の温度を高く維持することができ、シリンダボアの急激な温度低下に起因するシリンダボアの耐久性の低下を的確に抑制することができるようになる。
)請求項に記載の発明は、請求項に記載のエンジンの制御装置において、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となって前記ウォータポンプを逆回転にて作動させるとき、同ウォータポンプによる吐出流量を逆回転時における最小吐出流量とすることをその要旨としている。
同構成によれば、ウォータポンプを逆回転にて作動させるとき、ウォータポンプによる冷却水の吐出流量が最も小さくなる。これにより、エンジン本体外部からシリンダヘッド内部の冷却水通路に流入した未だ低温の冷却水が同通路に存在する期間、すなわちシリンダヘッドの熱によって加熱される期間を一層長くすることができる。従って、冷却水通路においてシリンダボア近傍に流入する冷却水の温度を一層高く維持することができ、シリンダボアの急激な温度低下に起因するシリンダボアの耐久性の低下をより的確に抑制することができるようになる。
本発明に係るエンジンの制御装置の一実施形態について、その冷却水循環システムの概略構成を示す模式図。 同実施形態におけるウォータポンプの作動制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の作用を説明するためのタイムチャートであって、シリンダボア近傍の温度の時間推移を示すタイムチャート。 従来のエンジンの制御装置について、その冷却水循環システムの概略構成を示す模式図。
以下、図1〜図3を参照して、本発明に係るエンジンの制御装置を車載エンジンの制御装置として具体化した一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る制御装置の適用されるエンジン1についてその冷却水循環システムの概略構成を示す。
同図に示すように、エンジン1は、シリンダブロック3及びシリンダヘッド4からなるエンジン本体2を備えている。また、エンジン1には、冷却水が循環する流路としての冷却水通路10が設けられている。シリンダブロック3内部には冷却水通路10の一部をなすブロック側ウォータジャケット13が形成され、シリンダヘッド4内部には冷却水通路10の一部をなすヘッド側ウォータジャケット14が形成されている。これらブロック側ウォータジャケット13とヘッド側ウォータジャケット14とは直列にて接続されている。また、冷却水通路10には、冷却水を吸引・吐出する電動式のウォータポンプ11が設けられている。ここで、ウォータポンプは、正逆回転可能なモータ及び同モータの出力軸に連結される羽根車(いずれも図示略)を備えており、同モータにより羽根車を正回転させると、冷却水通路10を通じてブロック側ウォータジャケット13及びヘッド側ウォータジャケット14の順に冷却水が流通するようになっている。またこれとは反対に、同モータにより羽根車を逆回転させると、冷却水通路10を通じてヘッド側ウォータジャケット14及びブロック側ウォータジャケット13の順に冷却水が流通するようになっている。また、ウォータポンプ11は正回転時に比べて逆回転時における冷却水の最小吐出流量が小さくなるものである。
以下においては、冷却水循環システムの構成を説明する便宜上、「上流側」、「下流側」とは、ウォータポンプ11を正回転させるときの冷却水の流れ方向に対する上流側、下流側を示すものとする。
冷却水通路10において、ヘッド側ウォータジャケット14の下流側端部と、ブロック側ウォータジャケット13の上流側端部との間には、主通路15が接続されている。また、主通路15の途中には、冷却水を冷却するためのラジエータ16が設けられている。また、主通路15には、ラジエータ16よりも上流側部分と下流側部分とを接続してラジエータ16を迂回する迂回通路17が接続されている。また、主通路15と迂回通路17の下流側端部との接続部には、ウォータポンプ11の正回転時において各ウォータジャケット13,14に流通させる冷却水を、迂回通路17からのものとするか、或いはラジエータ16からのものとするかを切り替えるためサーモスタット18が設けられている。
車両には、ウォータポンプ11の作動制御を含むエンジン1の各種制御を実行する電子制御装置20が搭載されている。電子制御装置20は、各種制御に係る各種演算処理を実行するCPU、各種制御に必要なプログラムやデータの記憶されるROM、CPUの演算結果が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置20の入力ポートには、シリンダヘッド4に設けられてヘッド側ウォータジャケット14の下流側端部における冷却水の温度(以下、「冷却水温」)THWを検出する水温センサ21や、エンジン1のイグニッションスイッチ22といった各種センサ等が接続されている。
さて、本実施形態においては、エンジン1の出力軸の回転とは独立してウォータポンプ11を作動させることができることから、冷却水温THWが所定温度(ここでは、70℃)よりも低いときには、エンジン本体2の暖機を促進するために、ウォータポンプ11を停止状態として、エンジン本体2外部からブロック側ウォータジャケット13へと低温の冷却水が流入することを規制することが考えられる。
ところが、このように、冷却水温THWが所定温度T1よりも低いときにはウォータポンプ11を停止状態とする一方、冷却水温THWが所定温度T1以上となることをもってウォータポンプ11を作動させることとすると、以下の問題が生じることとなる。すなわち、冷却水温THWが所定温度T1以上となったとき、エンジン本体2外部における冷却水の温度は未だ低温であることから、そうした低温の冷却水がブロック側ウォータジャケット13のシリンダボア近傍に流入する結果、シリンダボアの急激な温度低下が生じる。そのため、従来、シリンダボアの肉厚をある程度大きくする等の対策によって、シリンダボアの急激な温度低下に起因してシリンダボアの耐久性が低下することを抑制するようにしている。しかしながら、この場合、シリンダボアの重量増加、ひいてはエンジンの重量増加を招き、エンジンの燃費が悪化するといった新たな問題を回避することができない。
そこで、本実施形態では、エンジン本体2内部における冷却水温THWが所定温度T1以上となったとき、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させることで、ヘッド側ウォータジャケット14及びブロック側ウォータジャケット13の順に冷却水を循環させるようにしている。これにより、シリンダブロック3に形成されるシリンダボアに対して、まずは、ウォータポンプ11が停止状態とされている間にシリンダヘッド4において既に加熱されて高温となっている冷却水を流入させる。そしてこのことにより、ウォータポンプ11を正回転にて作動させる場合に比べて、ブロック側ウォータジャケット13のシリンダボア近傍に高温の冷却水を流入させて、シリンダボアの急激な温度低下の発生を抑制するようにしている。その結果、シリンダボアの重量を増加させることなく、シリンダボアの急激な温度低下に起因するシリンダボアの耐久性の低下を抑制して、エンジン1の燃費を向上させるようにしている。
ただし、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させることで、ウォータポンプ11が停止状態とされている間にシリンダヘッド4において既に加熱されて高温となっている冷却水の全てがブロック側ウォータジャケット13のシリンダボア近傍から流出すると、その後においては、エンジン本体2外部における未だ低温の冷却水がエンジン本体2内部へと流入するようになる。そのため、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させたとしても、ウォータポンプ11による冷却水の吐出流量を比較的大きくした場合には、そうした低温の冷却水がヘッド側ウォータジャケット14においてシリンダヘッド4からの熱によって加熱される前にブロック側ウォータジャケット13に流入することとなり、シリンダボアの急激な温度低下に起因するシリンダボアの耐久性の低下を的確に抑制することができないおそれがある。
そこで、本実施形態では、エンジン本体2内部における冷却水温THWが所定温度T1以上となってウォータポンプ11を逆回転にて作動させるとき、ウォータポンプ11による吐出流量を逆回転時における最小吐出流量とすることにより、ウォータポンプ11による冷却水の吐出流量を最も小さくしている。これにより、エンジン本体2外部からヘッド側ウォータジャケット14に流入した未だ低温の冷却水が同ウォータジャケット14に存在する期間、すなわちシリンダヘッドの熱によって加熱される期間を長くして、ブロック側ウォータジャケット13においてシリンダボア近傍に流入する冷却水の温度THWを高い状態に維持し、シリンダボアの急激な温度低下に起因するシリンダボアの耐久性の低下をより的確に抑制することができるようになる。
また、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させ続けると、シリンダボアの温度が過度に上昇することとなるため、本実施形態においては、エンジン本体2内部における冷却水温THWが所定温度T1よりも高い基準温度T2(ここでは、90℃)以上となったときには、ウォータポンプ11を正回転にて作動させるようにしている。これにより、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させ続ける場合に比べて、ブロック側ウォータジャケット13に対してより低温の冷却水を流入させることで、シリンダボアの温度が過度に上昇することを的確に抑制するようにしている。
次に、図2を参照して、本実施形態に係るウォータポンプ11の作動制御の処理手順について説明する。尚、図2は、ウォータポンプの作動制御の処理手順を示すフローチャートであり、エンジン1の運転中において所定期間毎に繰り返し実行される。
同図に示すように、この一連の処理ではまず、冷却水温THWが所定温度T1(ここでは、70℃)よりも低いか否かを判断する(ステップS101)。従って、冷間始動時のように冷却水温THWが所定温度T1よりも低いと判断する場合には(ステップS101:「YES」)、次に、ウォータポンプ11を停止状態として(ステップS102)、この一連の処理を一旦終了する。
一方、冷却水温THWが上昇して、冷却水温THWが所定温度T1以上であると判断する場合には(ステップS101:「NO」)、次に、冷却水温THWが所定温度T1よりも高い基準温度T2(ここでは、90℃)よりも低いか否かを判断する(ステップS103)。従って、冷却水温THWが上昇して所定温度T1以上となった直後のように冷却水温THWが基準温度T2よりも低いと判断する場合には(ステップS103:「YES」)、次に、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させる逆回転制御を実行して(ステップS104)、この一連の処理を一旦終了する。
一方、冷却水温THWが更に上昇して、冷却水温THWが基準温度T2以上であると判断する場合には(ステップS103:「NO」)、次に、ウォータポンプ11を正回転にて作動させる正回転制御を実行して(ステップS105)、この一連の処理を一旦終了する。
次に、図3のタイムチャートを参照して、冷間始動時におけるシリンダボア周りの温度の時間推移について説明する。尚、図3において、本実施形態のウォータポンプ11の作動制御が実行されたときの時間推移を実線にて示し、従来のウォータポンプ11の作動制御が実行されたときの時間推移を一点鎖線にて示す。
同図に示すように、時刻t1においてエンジン1が始動されると、このときの冷却水温THWが所定温度T1よりも低く、このことによってウォータポンプが停止状態とされることにより、シリンダボア周り温度が急激に上昇するようになる。そして、時刻t2において、冷却水温THWが所定温度T1となると、従来のウォータポンプ11の作動制御においては、ウォータポンプ11が正回転にて作動されるようになる。その結果、同図中に一点鎖線にて示すように、エンジン本体2外部における未だ低温の冷却水がブロック側ウォータジャケット13のシリンダボア近傍に流入するようになる結果、シリンダボア周りの温度が急激に低下するようになる。
一方、本実施形態のウォータポンプ11の作動制御においては、時刻t2において、ウォータポンプ11が逆回転にて作動されるようになる。その結果、同図中に実線にて示すように、シリンダブロック3に形成されるシリンダボアに対して、まずは、ウォータポンプ11が停止状態とされている間にシリンダヘッド4において既に加熱されて高温となっている冷却水が流入するようになる結果、シリンダボア周りの温度が緩やかに上昇するようになる。
以上説明した本実施形態に係るエンジンの制御装置によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)エンジン1は、ウォータポンプ11の正回転時にエンジン1のシリンダブロック3及びシリンダヘッド4の順に冷却水通路10を通じて冷却水が循環する冷却水循環システムを備えるものとした。また、電子制御装置20は、エンジン本体2内部における冷却水温THWが所定温度T1よりも低いときにはウォータポンプ11を停止状態とする一方、冷却水温THWが所定温度T1以上となることをもってウォータポンプ11を作動させるものとした。また、エンジン本体2内部における冷却水温THWが所定温度T1以上となったとき、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させるものとした。これにより、ヘッド側ウォータジャケット14及びブロック側ウォータジャケット13の順に冷却水が循環するようになり、シリンダブロック3に形成されるシリンダボアに対して、まずは、ウォータポンプ11が停止状態とされている間にシリンダヘッド4において既に加熱されて高温となっている冷却水が流入するようになる。その結果、ウォータポンプ11を正回転にて作動させる場合に比べて、ブロック側ウォータジャケット13のシリンダボア近傍に高温の冷却水を流入させることができ、シリンダボアの急激な温度低下の発生を抑制することができる。従って、シリンダボアの重量を増加させることなく、シリンダボアの急激な温度低下に起因するシリンダボアの耐久性の低下を抑制することができ、エンジン1の燃費を向上させることができるようになる。
(2)ウォータポンプ11は電動式のポンプであるものとした。これにより、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させる構成を容易に実現することができるようになる。
(3)ウォータポンプ11は正回転時に比べて逆回転時における冷却水の最小吐出流量が小さくなるものであり、エンジン本体2内部における冷却水温THWが所定温度T1以上となってウォータポンプ11を逆回転にて作動させるとき、同ウォータポンプ11による吐出流量を逆回転時における最小吐出流量とするものとした。
ウォータポンプ11を逆回転にて作動させることで、ウォータポンプ11が停止状態とされている間にシリンダヘッド4において既に加熱されて高温となっている冷却水の全てがブロック側ウォータジャケット13のシリンダボア近傍から流出すると、その後においては、エンジン本体2外部における未だ低温の冷却水がエンジン本体2内部へと流入するようになる。そのため、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させたとしても、ウォータポンプ11による冷却水の吐出流量を比較的大きくした場合には、そうした低温の冷却水がヘッド側ウォータジャケット14においてシリンダヘッド4からの熱によって加熱される前にブロック側ウォータジャケット13に流入することとなり、シリンダボアの急激な温度低下に起因するシリンダボアの耐久性の低下を的確に抑制することができないおそれがある。
一方、電動式のポンプにおいて、正回転時に比べて逆回転時における冷却水の最小吐出流量が小さくなるものがある。
上記実施形態によれば、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させるとき、ウォータポンプ11による冷却水の吐出流量が最も小さくなる。これにより、エンジン本体2外部からヘッド側ウォータジャケット14に流入した未だ低温の冷却水が同ウォータジャケット14に存在する期間、すなわちシリンダヘッド4の熱によって加熱される期間を長くすることができる。従って、ブロック側ウォータジャケット13においてシリンダボア近傍に流入する冷却水の温度THWを高く維持することができ、シリンダボアの急激な温度低下に起因するシリンダボアの耐久性の低下を的確に抑制することができるようになる。
(4)エンジン本体2内部における冷却水温THWが所定温度T1よりも高い基準温度T2(>T1)以上となったとき、ウォータポンプ11を正回転にて作動させるものとした。これにより、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させ続ける構成に比べて、ブロック側ウォータジャケット13に対してより低温の冷却水を流入させることができ、シリンダボアの温度が過度に上昇することを的確に抑制することができるようになる。
尚、本発明にかかるエンジンの制御装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、エンジン1を用いた実験結果に基づいて、所定温度T1を70℃として設定しているが、本発明に係る所定温度はこれに限られるものではなく、本発明の適用されるエンジン、より詳しくはエンジン本体の温度特性等に応じて同所定温度を、70℃よりも高い温度に設定してもよいし、70℃よりも低い温度に設定してもよい。
・上記実施形態では、エンジン1を用いた実験結果に基づいて、基準温度T2を90℃として設定しているが、本発明に係る基準温度はこれに限られるものではく、上記所定温度よりも高い温度であれば、本発明の適用されるエンジン、より詳しくはエンジン本体の温度特性等に応じて同基準温度を、90℃よりも高い温度に設定してもよいし、90℃よりも低い温度に設定してもよい。
・上記実施形態では、冷却水温THWが所定温度よりも高い基準温度以上となったとき、ウォータポンプ11を正回転にて作動させるようにしているが、ウォータポンプを逆回転から正回転に切り替える条件はこれに限られるものではい。他に例えば、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させてから基準時間が経過したときに、ウォータポンプ11を正回転にて作動させるようにしてもよい。この場合であっても、ウォータポンプ11を逆回転にて作動させ続ける場合に比べて、冷却水通路においてシリンダボア近傍に、より低温の冷却水を流入させることができ、シリンダボアの温度が過度に上昇することを的確に抑制することができるようになる。
・上記実施形態によるように、逆回転時におけるウォータポンプ11による吐出流量を最小吐出流量に設定することが望ましい。しかしながら、逆回転時におけるウォータポンプ11による吐出流量はこれに限られるものではなく、他に例えば、逆回転時における最小吐出流量よりは大きいが、正回転時における最小吐出流量よりも小さい値に設定すれば、逆回転時における冷却水の吐出流量を的確に小さく設定することができる。
・上記実施形態では、正回転時に比べて逆回転時における冷却水の最小吐出流量が小さくなるウォータポンプ11を採用しているが、本発明に係るウォータポンプはこれに限られるものではなく、正回転時と逆回転時とで最小吐出流量が等しくなるものであってもよい。
・上記実施形態によるように、ウォータポンプを電動式のポンプとすることが、ウォータポンプを逆回転にて作動させる構成を容易に実現する上では望ましい。しかしながら、本発明に係るウォータポンプは電動式のものに限られるものではなく、これを機械式のポンプによって実現することも可能である。ちなみに、この場合には、エンジン1の出力軸とポンプの出力軸との間における駆動力の伝達・遮断を切り替える機構、及びエンジン1の出力軸からの駆動力をポンプの出力軸に対して伝達する際の伝達方向を切り換える機構を備えるようにすればよい。
1、101…エンジン、2、102…エンジン本体、3、103…シリンダブロック、3a…シリンダボア、4,104…シリンダヘッド、10、110…冷却水通路、11,111…ウォータポンプ、13、113…ブロック側ウォータジャケット、14、114…ヘッド側ウォータジャケット、15、115…主通路、16、116…ラジエータ、17、117…迂回通路、18、118…サーモスタット、20…電子制御装置、21…水温センサ、22…イグニッションスイッチ。

Claims (5)

  1. ウォータポンプの正回転時にエンジン本体を構成するシリンダブロック及びシリンダヘッドの順に冷却水通路を通じて冷却水が循環する冷却水循環システムを備えるエンジンに適用されて、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が所定温度よりも低いときには前記ウォータポンプを停止状態とする一方、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となることをもって前記ウォータポンプを作動させるエンジンの制御装置であって、
    前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となったとき、前記ウォータポンプを逆回転にて作動させて、前記エンジン本体外部の冷却水通路、前記シリンダヘッド及び前記シリンダブロックの順に冷却水を循環させ、
    前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度よりも高い基準温度以上となったとき、前記ウォータポンプを正回転にて作動させる
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. ウォータポンプの正回転時にエンジン本体を構成するシリンダブロック及びシリンダヘッドの順に冷却水通路を通じて冷却水が循環する冷却水循環システムを備えるエンジンに適用されて、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が所定温度よりも低いときには前記ウォータポンプを停止状態とする一方、前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となることをもって前記ウォータポンプを作動させるエンジンの制御装置であって、
    前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となったとき、前記ウォータポンプを逆回転にて作動させて、前記エンジン本体外部の冷却水通路、前記シリンダヘッド及び前記シリンダブロックの順に冷却水を循環させ、
    前記ウォータポンプを逆回転にて作動させてから基準時間が経過したとき、前記ウォータポンプを正回転にて作動させる
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置において、
    前記ウォータポンプは電動式のポンプである
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  4. 請求項に記載のエンジンの制御装置において、
    前記ウォータポンプは正回転時に比べて逆回転時における冷却水の最小吐出流量が小さくなるものであり、
    前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となって前記ウォータポンプを逆回転にて作動させるとき、同ウォータポンプによる吐出流量を正回転時における最小吐出流量よりも小さくする
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  5. 請求項に記載のエンジンの制御装置において、
    前記エンジン本体内部における冷却水の温度が前記所定温度以上となって前記ウォータポンプを逆回転にて作動させるとき、同ウォータポンプによる吐出流量を逆回転時における最小吐出流量とする
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
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