以下、本発明の実施の形態の情報端末装置について、図面を用いて説明する。本発明の実施の形態では、受信した無線信号に基づいて利用環境が車室内外のいずれであるかを判断し、それに応じて動作モードを切り換える情報端末装置について説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1の情報端末装置のブロック図である。
図1において、101は情報端末装置であり、通信手段102、車室内外判断手段103、制御手段104、ナビゲーション処理手段105、入力手段106、スピーカ107から構成される。
通信手段102は外部機器と通信を行う。通信方式は、例えば、無線LAN(IEEE802.11a,11b,11g,11n)、Bluetoothなどに対応する。なお、図1中には図示していないが、通信手段には無線通信を行うためのアンテナが接続されており、無線通信の電波を受信する。アンテナは広帯域に対応したものや複数の帯域に対応したものであれば1本で構成可能であるが、各通信方式毎に異なるアンテナを用いるなど、複数のアンテナによって構成されてもよい。また、送信用アンテナと受信用アンテナを共用で利用する構成であっても、それぞれ個別のアンテナを利用する構成であっても本発明の実施の形態1の情報端末装置101は実現可能である。
車室内外判断手段103は、受信した無線電波を基に情報端末装置101が車室内で利用されているのか、車室外で利用されているのかを判断する。
制御手段104は車室内外判断手段103の判断結果に基づき、アプリケーション機器であるナビゲーション等について車室内用の動作と車室外用動作に切り換える制御を行う。
ナビゲーション処理手段105はナビゲーションに関する処理を行う。GPS(Global Positioning System:図示せず)やジャイロセンサの信号と、例えば、HDD(Hard Disc Drive)に保存されている地図情報を用いて算出した現在位置情報をモニタに表示したり、設定された目的地までのルートを探索し、地図や案内音声を用いてルート案内を行ったりする。
入力手段106は、例えば、タッチパネルモニタにおけるタッチセンサであり、ユーザより入力された操作コマンドを制御手段104へ送信する。なお、入力手段106を音声入力用マイクとして、ユーザは音声認識によって情報端末装置101を操作してもよいし、あるいは入力手段106をリモコンとして情報端末装置101に内蔵しない構成としてもよい。
スピーカ107は音声を出力する。例えば、ナビゲーションにおけるルート案内の案内音声であったり、あるいは楽曲オーディオの再生音声を出力する。なお、音声は増幅器を経由して外部スピーカから音声を出力する構成としてもよい。
図2は情報端末装置101におけるナビゲーション動作モード設定処理のフロー図である。ここで動作モードとは、車室内で情報端末装置101を利用している場合は車モード、車室外で情報端末装置101を利用している場合は歩行者モードとして設定される。なお、車モードと歩行者モードにおけるナビゲーション動作の差異については後述する。以下、図2についてナビゲーション動作モード設定処理の詳細動作を説明する。
まず、ナビゲーションのアプリケーションが起動し、ナビゲーションを開始する(ステップS201)。実際には、ステップS201の前に情報端末装置101の電源をONにするという動作があるが、図2のフロー図では省略する。ナビゲーションの開始は情報端末装置101の電源ON後に自動的に行われるものとするが、自動ではなく、ユーザがメニューから選択するなどしてナビゲーションを開始してもよい。ここでナビゲーション処理はナビゲーション処理手段105において実行される。
次に、情報端末装置101を利用している環境が車室内なのか否かを判断する(ステップS202)。ステップS202において、車室内で利用していると判断された場合はステップS203へ遷移する。ステップS202において、車室内で利用していない、すなわち、車室外で利用していると判断された場合はステップS204へ遷移する。ステップ
S202における処理は車室内外判断手段103によって行われる。処理の詳細は後述する。
なお、「車室内で利用しているか否か」と表現しているが、実際には「車室内で利用している」と表現しているのは「車モードで動作すべきである」ということを意味している。「車室内で利用していない」、すなわち、「車室外で利用している」と表現しているのは、「歩行者モードで動作すべきである」ということを意味している。つまり、例えば、「車室外で利用している」と判断された場合であっても、実際の場所としては情報端末装置101は車室内で利用されている場合もある。
ステップS202において車室内で利用していると判断された場合は、ナビゲーション処理を車モードに設定し(ステップS203)、そしてステップS205へ遷移する。このステップS203の処理は、制御手段104が車室内外判断手段103からの通知を基に、ナビゲーション処理手段105へ指示することによって行われる。なお、ステップS203の処理を行う以前に既に車モードで動作している場合はステップS203において処理を行う必要はないため、そのままステップS205へ遷移すればよい。
ステップS202において車室内で利用していない、すなわち、車室外で利用していると判断された場合は、ナビゲーション処理を歩行者モードに設定し(ステップS204)、そしてステップS205へ遷移する。このステップS204の処理は、制御手段104が車室内外判断手段103からの通知を基に、ナビゲーション処理手段105へ指示することによって行われる。なお、ステップS204の処理を行う以前に既に歩行者モードで動作している場合はステップS204において処理を行う必要はないため、そのままステップS205へ遷移すればよい。
ここで車モードと歩行者モードの差異について説明する。ナビゲーション処理において、ユーザが車で移動している場合と歩行者で移動している場合は、いくつか処理を変更すべき点がある。以下にその代表的な機能を述べる。
まず、表示させる地図の尺度がある。車での移動は基本的に歩行者より速度が速いため、地図の尺度は広範囲に表示した方がユーザにとって便利である。逆に歩行者の場合はより詳細、すなわち狭い範囲で表示した方がユーザにとって便利である。
また、車しか通れない道路であったり、逆に歩行者しか通れない道路がある。つまり、同じ目的地であっても、車で移動している場合と歩行して移動する場合ではルートが異なってくる可能性がある。よって、車モードの場合は車で移動できる道路において最適なルートを、歩行者モードの場合は歩行者が移動できる道路において最適なルートを案内するように切り換えることによりユーザにとって利便性が向上する。
また、情報端末装置101にVICS(Vehicle Information and Communication System)受信機能が内蔵されているとする。VICSは、VICSセンターからリアルタイムに送信される道路の渋滞情報や駐車場の混雑状況などをナビゲーション装置等に表示させるサービスである。このVICSセンターから送信される情報は基本的に車を利用するユーザのための情報であるため、歩行者にとっては有益な情報ではない。そこで、車モードのときはVICS受信をONに、歩行者モードのときはVICS受信をOFFにする。このようにすることで、例えば、VICS受信の処理を専用のIC(Integrated Circuit:図1中に図示せず)で実現している場合などは、VICS受信をOFFにすることで、VICSを利用する必要のない歩行者モード時の消費電力を下げることができる。
なお、ナビゲーション処理における車モードと歩行者モードの差異について、地図の尺度と目的地までのルート案内、および、VICS受信機能のON/OFFについて述べたがこれに限られたものではなく、他のナビゲーション処理に関する機能についても同様に実現することが可能である。
ステップS205では、ナビゲーション処理を終了するか否かを判断する。ステップS205にてナビゲーション処理を終了する場合はナビゲーション動作モード設定処理を終了する。ステップS205にてナビゲーション処理を終了しない、すなわち、ナビゲーション処理を継続する場合はステップS202へ遷移し、上記動作を繰り返す。ここでナビゲーション処理の終了はユーザが手動で設定する。具体的には入力手段106からの入力信号(ナビゲーション終了要求)を制御手段104が受信し、ナビゲーション処理手段105へ指示することによって行われる。なお、例えば、ある目的地へのルート案内が完了した時点でナビゲーション処理手段105が自動的にナビゲーション処理を終了するなど、他の方法でナビゲーション処理を終了してもよい。
なお、図2を用いて説明したナビゲーション動作モード設定処理は絶えず連続して実行される必要はない。例えば、処理の実行を一定時間毎に行ってもよい。もちろん、連続的に実行してもよくシステムのリソースに合わせて任意の時間を設定すればよい。
次に、ステップS202において、車室内外判断手段103にて処理される車室内外判断処理のフロー図を図3に示す。以下、図3を用いて車室内外判断処理の詳細の動作を説明する。
まず、無線電波の受信があるか否かを判断する(ステップS301)。無線電波の受信処理は通信手段102が行う。ここで、例えば、5秒間無線電波の受信がない場合は「無線電波受信なし」と判断してステップS306へ遷移する。5秒経過するまでに無線電波を受信したらステップS302へ遷移する。なお、無線電波の待ち時間を5秒間としたがこれに限られたものではなく、任意の時間を設定することが可能である。
ステップS301にて無線電波を受信した場合は、受信した無線電波が車載機器からの専用信号であるか否かを判断する(ステップS302)。このステップS302の処理は車室内外判断手段103が行う。専用信号である場合はステップS307へ遷移する。受信した無線電波が専用信号以外である場合はステップS303へ遷移する。
ここで専用信号とは、車室内に設置された車載機器と情報端末装置101が通信できる場合に、「利用環境が車室内である」ことを車載機器が情報端末装置101に知らせるための信号である。つまり、車載機器は情報端末装置101と接続できるだけではなく、専用信号の送信も行う。本発明の実施の形態1においては、車載機器と情報端末装置101は無線LANのIEEE802.11b/gにおけるアドホックモードにて通信するものとし、専用信号は車載機器から定期的、例えば1秒毎に、情報端末装置101へ送信するものとする。ここで専用信号の送信間隔は1秒としたが、これに限られたものではない。ステップS301における無線電波の待ち時間より短い値であればよい。逆に、専用信号の送信間隔を任意の時間に設定したい場合は、ステップS301の無線電波の待ち時間をそれ以上の時間に設定すればよい。
なお、情報端末装置101と車載機器は無線LANのアドホックモードで通信するとしたが、無線アクセスポイントを経由して機器同士が通信を行うインフラストラクチャーモードにおいても実現可能である。また、無線LANのIEEE802.11b/gとしたがIEEE802.11aやIEEE802.11nなどの他の無線LAN方式でもよい。あるいは、無線LAN以外の無線通信方式でもよい。更に、無線通信ではなく、有線通
信としてもよい。
車室内外判断手段103が、ステップS302で受信した無線電波が車載機器からの専用信号でないと判断した場合、次にBluetoothの信号であるか否かを判断する(ステップS303)。このBluetooth信号とは、情報端末装置101が車載機器から直接受信するBluetooth信号ではなく、車載機器と携帯電話などとの間で送受信を行っているBluetooth信号を検知したBluetooth信号である。受信した無線電波がBluetooth信号である場合はステップS304へ遷移し、それ以外である場合はステップS306へ遷移する。
ステップS303でBluetooth信号であると判断した場合は、その信号が車載機器と携帯電話等との間で行っているBluetooth通信に利用されているパケットデータであるかを判断する(ステップS304)。ただし、情報端末装置101が車載機器とBluetooth接続されていて、その間の通信で送受信されるパケットデータは該当しない。車載機器と携帯電話等との間で行っているBluetooth通信に利用されているパケットデータである場合はステップS305へ、そうでない場合はステップS306へ遷移する。
ここでBluetoothのパケット構成について簡単に説明する。図4はBluetoothのパケットフォーマットを表している。Bluetoothのパケットはアクセスコード401、パケットヘッダ402、ペイロード403から構成される。アクセスコード401はBluetoothのピコネットの状態を表したり、通信するピコネットを特定するために用いられる。ここでピコネットとはBluetooth機器で一時的に形成されるネットワークのことである。パケットヘッダ402は通信リンクを制御するための様々なパラメータを含んでいる。ペイロード403は実際にBluetooth機器間で送受信されるユーザデータや制御データである。
アクセスコード401には3種類のコードが定義されている。1つ目はチャネルアクセスコード(Channel Access Code:CAC)と呼ばれるもので、ピコネットに属しているBluetooth機器、すなわち、リンクを確立している状態のBluetooth機器が、通信相手のBluetooth機器に送信するパケットに用いられるコードである。2つ目は問い合わせアクセスコード(Inquiry Access Code:IAC)と呼ばれるもの、3つ目は呼び出しアクセスコード(Device Access Code:DAC)と呼ばれるものである。IACとDACはリンクを確立する手続き中のBluetooth機器が送信するパケットである。つまり、アクセスコード401がCACである場合は、Bluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータであると判断することができる。よってステップS304での処理は、具体的にはアクセスコードがCACであるか否かを判断することとする。
ここではアクセスコード401にてBluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータか否かを判断するとしたが、情報端末装置101があるピコネットに接続している場合であっても、パケットヘッダ内に含まれる情報から自機器である情報端末装置以外のBlutooth機器間(車載機器と携帯電話など)の通信で利用されているパケットデータか否かを判断する。
なお、アクセスコード401でなくパケットタイプで判断するなど、他の方法でBluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータであるか否かを判断してもよい。また、ステップS303の処理とステップS304の処理をひとつの処理として動作させることも可能である。
ステップS304にて、受信した無線電波がBluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータであると判断された場合は、同じアクセスコード401であるパケットデータを一定時間、例えば5秒間、受信するか否かを確認する(ステップS305)。5秒間、Bluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータを受信している場合はステップS307へ、そうでない場合はステップS306へ遷移する。
ステップS301において無線電波の受信がないと判断された場合、ステップS303において受信した無線電波がBluetoothの信号でないと判断された場合、ステップS304において受信した無線電波がBluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータでないと判断された場合、および、ステップS305において5秒間、Bluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータを受信していないと判断された場合は、“車室外で利用している”と判断し(ステップS306)、車室内外判断処理を終了する。
ステップS302において受信した無線電波が車載機器からの専用信号であると判断された場合、および、ステップS305にて5秒間、Bluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータを受信していると判断された場合は、“車室内で利用している”と判断し(ステップS307)、車室内外判断処理を終了する。
ステップS305の処理について、図5を用いて詳細に説明する。図5はステップS305にて行われるパケットデータ受信判断処理の動作を示したフロー図である。
まず、情報端末装置101がBluetoothのパケットデータを受信する(ステップS304)とそのパケットデータ内のアクセスコード401を読み出し、保存する(ステップS501)。ここで保存先は例えば、内蔵されたRAM(Random Access Memory)であるとする。
次に、2つの内部タイマー(タイマー1およびタイマー2とする)をリセットして、スタートさせる。(ステップS502)ここでタイマー1はステップS305において判定に使われる一定時間、すなわち、本発明の実施形態1では5秒を測定するタイマーである。タイマー2は、例えば、1.5秒を測定するタイマーであるとする。
次に、ステップS304で受信したBluetoothのパケットデータの次のBluetoothのパケットデータを受信したか否かを判断する(ステップS503)。ここで次のBluetoothパケットデータを受信した場合はステップS504へ遷移し、受信していない場合はステップS507へ遷移する。次のBluetoothのパケットデータ受信の待ち時間は、例えば、1秒とする。なお、この待ち時間は1秒でなくてもよく、タイマー2の測定する時間より短い時間であれば任意の時間を設定することができる。
ステップS504では、ステップS503で受信したBluetoothのパケットデータのアクセスコード401を読み出し、ステップS501にて保存したアクセスコード401と同じであるか否かを判断する。同じアクセスコード401である場合はステップS505へ遷移する。異なるアクセスコード401である場合はステップS507へ遷移する。
ステップS505ではタイマー1の値が5秒を超えているか否かを判断する。5秒を超えている場合は、ステップS305における判断を“YES”、すなわち、パケットデータを受信していると判断して(ステップS506)、処理を終了する。5秒を超えていない場合はタイマー2をリセット後、再スタートさせる(ステップS509)。そして、ス
テップS503へ遷移し、上述した動作を繰り返す。
ステップS503にて、ステップS304で受信したパケットデータの次のパケットデータを受信していないと判断された場合、および、ステップS504で異なるアクセスコード401のパケットデータを受信したと判断された場合は、タイマー2の値が1.5秒を超えているか否かを判断する(ステップS507)。1.5秒を超えている場合は、ステップS305における判断を“NO”、すなわち、パケットデータを受信していないと判断して(ステップS508)、処理を終了する。1.5秒を超えていない場合はステップS503へ戻り、上述した動作を繰り返す。
Bluetoothのパケットデータは、例えば、ハンズフリー通話やオーディオストリーミングといったアプリケーションが実行されている場合は連続してデータ受信が行われる。この場合のBluetoothのパケットデータの受信の例(パターン1)を図6に示す。
601(右上がり対角線)はステップS304の処理にて受信したBluetoothのパケットデータであり、パケットデータ601のアクセスコード401はCACである。602(網掛け)はパケットデータ601と同じアクセスコード401を持つBluetoothのパケットデータである。同じアクセスコード401であるということは、すなわち、パケットデータ601が送受信されたピコネットと同じピコネットで送受信を行っているBluetoothのパケットデータであるということである。図6に示すとおり、Bluetooth機器間でアプリケーションが実行されている場合は同じアクセスコード401のパケットデータを連続して受信する。この場合はステップS305において、「5秒間、Bluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータを受信している」と判断される。なお、図6におけるパケットデータの受信間隔は一例であり、これに限られたものではなく、アプリケーションに依存して決まるものである。したがって、受信するパケット数も図6に示したものの限りではない。
図7は、Bluetooth機器(例えば、車載機器と携帯電話)間でリンクが確立しているが、アプリケーションが実行されていない場合、情報端末装置101のパケットデータ受信の例(パターン2)である。この場合は図6の時のようにパケットデータ602を短い時間間隔で連続して受信することはないが、ある一定時間間隔毎にパケットデータ702を受信する。このパケットデータ702は互いの接続状態を確認するためのデータなどである。図7中では、例えば、約1秒毎にBluetooth機器から送信されることとしている。このように実際のアプリケーションが実行されていない状態であっても、リンクが確立されている状態であれば、パケットデータ702を受信することができる。そして、この場合もパケットデータ702を受信する間隔は1.5秒より短いためステップS305において、「5秒間、Bluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータを受信している」と判断される。なお、図7におけるパケットデータ702の受信間隔は一例であり、これに限られたものではない。
図8は、ステップS305のパケットデータ受信判断処理において、処理開始時はBluetooth機器間でアプリケーションが実行されていたが、処理中にアプリケーションが終了した場合のパケットデータ受信の例(パターン3)である。パケットを受信する間隔についてはパターン1(図6)あるいはパターン2(図7)の場合と同様であるため詳細の説明は割愛する。パケットデータ受信判断処理中にパケットデータを受信する時間間隔が変化するが、最大の時間間隔は1.5秒より短いため、ステップS305において、「5秒間、Bluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータを受信している」と判断される。
図8のパケットデータ受信のパターン3とは逆に、パケットデータ受信処理開始時はアプリケーションが未実行な状態で、処理中にアプリケーションの実行が始まった場合も同様に、ステップS305において、「5秒間、Bluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータを受信している」と判断される。
図9は、パケットデータ受信処理中にパケットデータ902の受信が停止してしまった場合のパケットデータ受信の例(パターン4)である。この場合、最後のパケットデータ902を受信するまではパケットデータ902を受信する時間間隔が1.5秒より短いが、タイマー1が5秒に達する前にタイマー2が1.5秒を越えてしまうことになる。よって、パケットデータ受信判断処理のステップS507にてタイマー2の値が1.5秒を超えて、ステップS305における判断を“NO”とする(ステップS508)ことになる。
図10は、パケットデータ受信処理において、処理の途中でアクセスコード401の異なるパケットデータを受信する場合のパケットデータ受信の例(パターン5)である。図10中、1003はアクセスコード401はCACであるが、パケットデータ1001やパケットデータ1002とは異なるアクセスコード401のパケットデータである(右下がり対角線)。図10に示すとおり、パケット受信の時間間隔は1.5秒より短くなっているがパケットデータ1001はアクセスコード401が異なるため、パケットデータ受信判断処理のS504において、“異なるアクセスコード401である”と判断され、ステップS505ではなくステップS507へ遷移することになる。パケットデータ受信判断処理においてタイマー2はステップS509に遷移しない限りリセットされないため、いずれS507においてタイマー2の値が1.5秒を超え、ステップS305における判断は“NO”となる。ただし、パケットデータ1003をこの後も受信し続ける場合は、再度パケットデータ受信判断処理が行われたときにステップS305にて“YES”と判定されることになる。
以上、図6〜10を用いてパケットデータ受信のパターンについて説明したが、パケットデータ受信判断処理のステップS305において“YES”となるもの、すなわち、車室内外判断処理のステップS307に遷移できるものは、パターン1,2,3となる。
実際の車室内で利用されているBluetoothのパケットデータを受信する場合、例えば、ハンズフリー通話している場合はパターン1に、そうでない場合は、パターン2になる。オーディオストリーミングについても同様で、利用してる場合はパターン1になり、ストリーミング再生を停止している場合はパターン2となる。また、ハンズフリー通話、オーディオストリーミングいずれの場合であっても、停止時からアプリケーションを実行した場合はパターン3になる可能性がある。
車室内でBluetoothを利用するユーザは、車両に乗車し、車載機器の起動後にBluetooth対応の携帯電話やオーディオプレーヤを車載機器へ接続させる。すなわち、Bluetoothのリンクを確立されてから運転を開始する。運転中にBluetoothの接続操作をすることは運転の妨げとなる。また、リンクが確立していない状態で電話を受信した場合はハンズフリー通話を行うことができない。したがって、ユーザは基本的には運転を開始する前にBluetoothのリンクを確立させていると判断できる。そして、下車する際には車載機器の電源がOFFされるため、そのタイミングでBluetoothのリンクは切断される。
Bluetooth通信は微弱な電波を使っているが、車室内は通信距離が短いため安定してBluetooth通信を利用できる環境である。したがって、パターン4やパターン5になることはないと判断できる。
一方、車室外でBluetoothのパケットデータを受信することを考える。上述したとおりBluetoothは微弱な電波を利用しているため、Bluetooth機器との通信距離が短くならないとその電波を受信することはない。ハンズフリー通話は基本的に車室外で利用されることはなく、電波を受信するとすればオーディオストリーミング(プレーヤとヘッドセット間をBluetoothで接続しているものなど)の場合である。この場合、利用している人に近づかなければBluetoothのパケットデータを受信することはできない。更に、5秒間その状態を維持しなければ、パターン1〜3となることはなく、特にナビゲーションを実施しているユーザは移動していることが予想されるため、その可能性はないと考えられる。
ハンズフリー通話、オーディオストリーミング以外にBluetoothが用いられるアプリケーションでは、例えば、パソコンの周辺機器がある。パソコン本体とマウスやキーボードをBluetooth接続するというものである。それ以外にもゲーム機器本体とコントローラをBluetooth接続するといったものもある。しかし、いずれの場合もナビゲーションを実施するような環境で利用されるものではない。
また、Bluetoothに対応した携帯電話においては、設定によってはBluetoothの信号を常に送信している場合がある。これは接続する機器を探索している状態であり、この場合に送信されるBluetoothのパケットデータはアクセスコード401がCACでないパケットデータである。よって、仮に、情報端末装置101を持っているユーザの携帯電話が上記のような設定になっている場合は、Bluetoothのパケットデータを受信し続けるが、パターン1〜3に判断されることはない。
上記の説明より、車室外で受信するBluetoothのパケットデータの受信パターンはパターン4やパターン5になると判断できる。例えば、Bluetoothのオーディオストリーミングを利用しているユーザとすれ違う場合などはパターン4になると考えられる。更に、Bluetoothのオーディオストリーミングを利用しているユーザが周辺に複数いた場合などはパターン5になる。
以上、説明したとおり本発明の実施形態1では、情報端末装置に対応した車載機器を搭載している車両では専用信号を受信することにより、対応した車載機器を搭載していない場合は、Bluetooth機器(例えば、車載機器と携帯電話)間の通信に利用されているパケットデータを受信することにより、ナビゲーション処理を車モードに自動的に設定する情報端末装置を実現することができる。逆に車モード以外の場合は歩行者モードとして動作し、情報端末装置の利用環境に応じたナビゲーションを実施することでユーザの利便性向上させることができる。
自分が所有する車両では、自分が所有する情報端末装置に対応した車載機器を設置することができるが、他者が所有する車両やレンタルした車両では、自分が所有する情報端末装置に対応した車載機器が設置されているとは限らない。本発明の実施形態1における情報端末装置では、このように、自分が所有する車両だけでなく、他者が所有する車両やレンタルした車両であってもBluetoothの接続に対応した車載機器を設置していれば車モードと歩行者モードを適切に切り換えることができる。言うまでもなく、自分が所有する車両であっても、自分が所有する情報端末装置に対応する車載機器でなくてもBluetooth接続に対応していれば、車載機器と携帯電話などのBluetooth通信のBluetooth信号を利用すれば、車モードと歩行者モードを適切に切り換えることができる。
なお、情報端末装置101の構成を図1に示したが、これに限られたものではない。各
ブロックがバス接続される構成であっても実現可能である。また、図1においては各ブロックにおける構成を示したが、実際にはソフトウェア処理等で実現できるため、マイコンなどで複数のブロックの処理を担うようにハードウェアを構成してもよい。
また、車室内外判断処理にて用いられる専用信号は車載機器から送信されるものとしたが、これは、例えば、車載機器と情報端末装置101間で無線通信のリンクが確立されたら自動的に送信されるものとする。あるいは、無線通信のリンクが確立後、情報端末装置101から専用信号要求のコマンドを送信し、専用信号要求コマンドを受信した車載機器からの応答信号を専用信号として利用するとしても実現可能である。
また、専用信号は車載機器から連続的に送信されるものとしたが、これに限られたものではない。情報端末装置101が車載機器と無線通信のリンクを確立したとき、すなわち、ユーザが車両に乗車して車の運転を始めるときに専用信号(車モード設定指示)を送信し、車載機器の電源をOFFするとき、すなわち、ユーザが運転を終了して車両を下車するときに専用信号(歩行者モード設定指示)を送信するとしてもよい。
また、図5を用いて説明したパケットデータ受信判断処理で、タイマー2は1.5秒を測定するタイマーとしたが、実際には図6や図7におけるパケットデータ602、7の受信間隔の時間より長い時間であれば任意に設定することが可能である。言い換えれば、図6におけるパケットデータの受信パターンにおいて、「5秒間、Bluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータを受信している」と判断できるようにタイマーの測定時間を設定すればよい。
また、図5を用いて説明したパケットデータ受信判断処理でタイマー1は5秒を測定するタイマーとしたが、実際にはタイマー2で測定する時間よりも長い時間であれば任意に設定することが可能である。
また、タイマー1およびタイマー2は時間を測定するものとして記載したが、動作クロックに応じてカウントアップするカウンターでも同様のシステムを実現することができる。この場合は動作クロックの周波数に応じて、条件判定に用いるカウンタ値を設定すればよい。
また、Bluetoothのパケットデータの受信において、図9の受信パターン4および図10の受信パターン5の場合は情報端末装置101を車室外で利用していると判断するとしたがこれに限られたものではない。パターン4およびパターン5はあくまでも例であり、他の受信パターンであっても車室内外判断処理において車室外で利用と判断される場合はその判断に従えばよい。逆に、図6の受信パターン1および図7の受信パターン2、図8の受信パターン3以外の受信パターンであっても車室内外判断処理において車室内利用と判断される場合はその判断に従えばよい。
また、本発明の実施の形態1では、情報端末装置101が車載機器からの専用信号もしくはBluetooth機器間の通信に利用されているパケットデータを受信した場合に車モードに設定するとしたが、これに限られたことではない。例えば、キーレスエントリーシステムの電波を用いて車モードと歩行者モードを設定するとしてもよい。キーレスエントリーシステムとは、鍵本体から送信される電波を車両が認識することでドアの開錠・施錠を行うシステムである。鍵には、例えば、開錠ボタンと施錠ボタンがあり、ユーザはボタンを押すことでドアの開錠・施錠を行えるため、車両に鍵を挿入するという動作を不要にすることができる。鍵から送信される電波を受信し、開錠の際は車モードに、施錠の際は歩行者モードに情報端末装置101のナビゲーション処理を設定すればよい。
あるいは、スマートエントリーシステムの電波を用いて車モードと歩行者モードを設定するとしてもよい。スマートエントリーシステムとは、車両に鍵を挿入しないでよいという点はキーレスエントリーシステムと同様である。スマートエントリーシステムは更に鍵本体の開錠・施錠ボタンを押す必要もなく、ユーザの利便性を向上させたシステムである。ユーザは車両のドアノブ付近などに用意されている専用ボタンを押すだけでよい。専用ボタンを押された車両はコマンドを送信する。鍵本体は常に受信待機状態にあり、車両からのコマンドを受信すると今度は車両に向けてコマンドを送信する。そして車両と鍵で認証処理が行われ、認証ができた場合はドアの開錠・施錠を実施するというものである。このスマートエントリーシステムにおける車両と鍵の間で行われる無線通信の電波を利用して情報端末装置101のナビゲーション処理を車モードと歩行者モードのいずれかに設定するとしてもよい。
あるいは、DSRC(Dedicated Short Range Communication)のように、運転中の車両でしか受信しないような無線電波を用いて情報端末装置101のナビゲーション処理を車モードに設定するとしてもよい。ただし、DSRCの無線電波の場合は、車モードから歩行者モードへの切換は困難なため、この場合はユーザが手動でモードを切り換えるようにすればよい。
あるいは、情報端末装置101がパイロット信号を送信し、その反射波を受信することで車室内であると判断して情報端末装置101のナビゲーション処理を車モードに設定するとしてもよい。送信したパイロット信号は反射・回折・減衰など様々な状態を経て情報端末装置101へ戻ってくる。ここで車室内環境は基本的に金属で覆われた閉空間であり、反射波の到達時間があるしきい値より短い場合、かつ、受信電力があるしきい値より大きい場合は車室内と判断することができる。
更に、情報端末装置101を利用している環境が車室内であるか、車室外であるかの判断、すなわち、車モードと歩行者モードの設定をすべてユーザの手動で設定するとしてもよい。
また、本発明の実施の形態1では情報端末装置101においてナビゲーション処理が行われている際に車室内外判断処理の判断に基づいて動作モードを設定するとしたが、情報端末装置101が起動している状態で、ナビゲーション処理が行われていない場合であっても、車室内外判断処理を実施することは可能である。この場合は、車モードと歩行者モードのいずれに設定するかを状態として保持しておき、ナビゲーション処理を開始する時点で保持されている動作モードに設定すればよい。
また、本発明の実施の形態1では車室内外判断処理の判断に応じて、ナビゲーション処理を車モードと歩行者モードのいずれかに設定するとしたが、動作モードの切り換えを促して実際の動作モード設定はユーザの操作によって行われるとしてもよい。この場合は、例えば、情報端末装置101の出力画面に「車モードから歩行者モードに切り換えますか?」、あるいは、「歩行者モードから車モードに切り換えますか?」などのメッセージを表示し、ユーザが入力手段106を経て「YES」、あるいは、「NO」を選択するようにすればよい。このようにすることで、ユーザは動作モードの切り換わるタイミングを知ることができる。
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2における情報端末装置について、図面を参照しながら説明する。
図11は、実施形態2の情報端末装置のブロック図である。
図11において、1101は情報端末装置であり、通信手段102、車室内外判断手段103、制御手段104、入力手段106、表示制御手段1108、表示手段1109から構成される。
通信手段102、車室内外判断手段103、制御手段104、入力手段106は本発明の実施形態1において説明したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
表示制御手段1108は、制御手段104の指示に応じて表示手段1109の表示動作を車モードあるいは歩行者モードに設定する。具体的には、例えば、表示手段1109が液晶モニタであるとして、動作モードに応じてバックライトの輝度の制御を行うものとする。
車室内は車室外と比較すると暗くなる。特に夜の車室内は室内灯を点灯させない限りは外界の明かりが届かないため暗くなってしまう。したがって、バックライトの輝度を下げても周囲が暗いため、ユーザはモニタの表示を見ることができる。一方、車室外は昼間はいうまでもなく周囲が明るい環境である。一方、夜は、街灯のない山奥などは暗くなるが、例えば、情報端末装置1101でナビゲーション機能を利用する場合などは、基本的には市街地などであり、街灯が多い環境である。よって夜であっても車室内と比較すれば周囲は明るい。
そこで、表示制御手段1108は車モードでは表示手段1109のバックライトの輝度を下げ、歩行者モードでは表示手段1109のバックライトの輝度を上げる処理を行うものとする。
なお、表示手段1109は液晶モニタであるとしたが、これに限られたものではなく、他のデバイスによって実現されるモニタであってもよい。また、情報端末装置1101においては、入力手段106と表示手段1109は別々のブロックとして記載したが、例えば、入力手段106がタッチセンサである場合は入力手段106と表示手段1109を合わせて、タッチパネルモニタとしてもよい。
図12は情報端末装置1101における表示動作モード設定処理のフロー図である。以下、その動作について説明する。
まず、ステップS1201で表示手段1109に画像表示動作が開始される。実際には、情報端末装置1101に電源が投入されると表示手段1109には自動的に画面が表示されるものとする。
次に、情報端末装置1101を利用している環境が車室内なのか否かを判断する(ステップS202)。なお、このステップS1202は本発明の実施形態1のナビゲーション動作モード設定処理における処理と同様である。したがって、詳細には図3で説明した車室内外判断処理、図5で説明したパケットデータ受信判断処理も同様に実行される。ステップS1202において、車室内で利用していると判断された場合はステップS1203へ遷移する。ステップS1202において、車室内で利用していない、すなわち、車室外で利用していると判断された場合はステップS1204へ遷移する。
ステップS1202において車室内で利用していると判断された場合は、表示動作を車モードに設定し(ステップS1203)、そしてステップS1205へ遷移する。このステップS1203の処理は、制御手段104が車室内外判断手段103からの通知を基に、表示制御手段1108へ指示することによって行われる。そして、表示制御手段110
8の指示により表示手段1109のバックライトの輝度が暗く設定される。なお、ステップS1203の処理を行う以前に既に車モードで動作している場合はステップS1203において処理を行う必要はないため、そのままステップS1205へ遷移すればよい。
ステップS1202において車室内で利用していない、すなわち、車室外で利用していると判断された場合は、表示動作を歩行者モードに設定し(ステップS1204)、そしてステップS1205へ遷移する。このステップS1204の処理は、制御手段104が車室内外判断手段103からの通知を基に、表示制御手段1108へ指示することによって行われる。そして、表示制御手段1108の指示により表示手段1109のバックライトの輝度が明るく設定される。なお、ステップS1204の処理を行う以前に既に歩行者モードで動作している場合はステップS1204において処理を行う必要はないため、そのままステップS1205へ遷移すればよい。
ステップS1205では、画像表示動作を終了するか否かを判断する。ステップS1205にて画像表示動作を終了する場合は表示動作モード設定処理を終了する。ステップS1205にて画像表示動作を終了しない、すなわち、画像表示動作を継続する場合はステップS202へ遷移し、上記動作を繰り返す。ここで画像表示動作の終了はユーザが手動で設定するとする。具体的には入力手段106からの入力信号(画像表示動作終了要求、実際には情報端末装置1101の電源OFF要求であってもよい)を制御手段104が受信し、表示制御手段1108へ指示することによって行われる。そして、表示制御手段1108の指示により表示手段1109の画像表示を停止する。なお、例えば、情報端末装置1101がタイマー機能を有するとして、電源をOFFにする時刻を設定しておき、その時刻になったら自動的に電源をOFFする、すなわち、画像表示動作を終了するなど、他の方法で画像表示動作を終了するとしてもよい。
なお、図12を用いて説明した表示動作モード設定処理は絶えず連続して実行される必要はない。例えば、処理の実行を一定時間毎に行うなどしてもよい。もちろん、連続的に実行してもよく、システムのリソースに合わせて任意の時間を設定すればよい。
以上で説明したとおり、本発明の実施形態2では、利用している環境に応じて、表示動作を車モードと歩行者モードで自動的に切り換えて設定する情報端末装置を実現することができる。情報端末装置を車室内で利用している場合は車モードとして表示手段の液晶バックライトの輝度を暗く設定し、車室外で利用している場合は歩行者モードとして表示手段の液晶バックライトの輝度を明るく設定する。このように、ユーザの利用環境に応じて表示画面の視認性を向上させることができる。
なお、表示手段の液晶バックライトの輝度の設定値について、具体的な数値を述べていないが、車モードと歩行者モードで相対的に車モード時の輝度が歩行者モードの輝度より暗ければ上述した効果を得ることができる。
また、本発明の実施形態2においては、表示制御手段1108は車モードにおいては表示手段1109の液晶バックライトの輝度を暗く、歩行者モードにおいては表示手段1109の液晶バックライトの輝度を明るく設定するとしたがこれに限られたものではない。例えば、情報端末装置1101に電気的に制御可能な偏光フィルタを設け、車モードの場合は表示手段1109の視野角を広く、歩行者モードの場合は表示手段1109の視野角を狭くすることとする。車モードで用いる場合は、情報端末装置1101を車室内で利用しているため、例えば、ダッシュボードの中央に設置するなど、ユーザは情報端末装置1101を正面以外から見ることが予想される。したがって、表示手段1109の視野角は広いほうが視認性を向上させることができる。一方、歩行者モードの場合は、屋外で利用していることが予想され、この場合、ユーザは情報端末装置1101を正面から見ること
ができるため、視野角は狭くても視認性を低下させることはない。
更に、車モードの場合、すなわち、車室内で情報端末装置1101を利用している場合は同乗者がいても基本的には家族や知人であるため表示されている画面を見られてもよい。しかし歩行者モードの場合、すなわち、車室外で情報端末装置1101を利用している場合は、他人から画面を盗み見される可能性もあるため、視野角を狭くすることにより秘匿性を向上させる効果を得ることができる。
また、表示手段1109の液晶バックライトの輝度を情報端末装置1101を利用している環境によって制御するとして説明したが、これに限られたものではない。例えば、時刻に応じて昼夜を判断し、その結果も考慮して輝度を制御するとしてもよい。
図13を用いて、昼夜判断を考慮した場合の輝度設定について説明する。図13は表示手段1109の液晶バックライトの輝度設定を表した表である。図13において、行方向が情報端末装置1101を車室内で利用しているか、車室外で利用しているかを場合分けしており、この判断は本発明の実施形態2で説明した処理と同様の方法で判断するとする。列方向が昼であるか、夜であるかを場合分けしており、例えば、時刻が6時から18時である場合は昼、そうでない場合は夜であると判断する。なお、時刻による昼夜の判断はこれに限られたものではなく、地域、季節などによって判断に用いる時刻を変更するとしてもよい。
例えば、情報端末装置1101を車室内で利用、且つ、昼である場合の表示手段1109の液晶バックライトの輝度を標準値とする。情報端末装置1101を車室外で利用、且つ、昼である場合は表示手段1109の液晶バックライトの輝度を標準値より明るく設定する。情報端末装置1101を車室内で利用、且つ、夜である場合はバックライトの輝度を標準値より暗く設定する。そして、情報端末装置1101を車室外で利用、且つ、夜である場合は表示手段1109の液晶バックライトの輝度を標準値に設定する。このように設定することにより、情報端末装置1101の利用環境による表示手段1109の液晶バックライトの輝度の関係は本発明の実施の形態2で説明したとおりであり、車室外で利用する場合が車室内で利用する場合より明るくなる。一方、情報端末装置1101を利用している時刻による表示手段1109の液晶バックライトの輝度の関係は、昼に利用している場合のほうが夜に利用している場合より明るくなる。これは言うまでもなく、昼の方が夜よりも周囲が明るいためである。
以上のように、昼夜の判断を考慮して表示手段1109の液晶バックライトの輝度を制御することにより、ユーザの視認性を向上させる効果を更に確実に得ることができるようになる。なお、図13において、設定される輝度は標準値、標準値より暗い、標準値より明るいの3段階であったがこれに限られたものではない。4段階としてもよく、更に、時刻による判断を昼と夜だけでなく更に詳細に場合分けして行ってもよい。
また、昼夜の判断を考慮して、例えば、ナビゲーションの表示を昼用画像と夜用画像に切り換えるものがある。昼用画像は画面内の背景や地図を輝度の高い色で表示し、夜用画像は画面内の背景や地図を輝度の低い色で表示する。このようにすることで、上述した輝度制御と同等に視認性を向上させる効果を得ることができる。なお、昼用画像は輝度の高い色、夜用画像は輝度の低い色で表示するとしているが、輝度に限らず昼用画像と夜用画像で表示を切り換えるものであれば同様の効果を得ることができる。
この昼用画像と夜用画像の切り換えにおいても、情報端末装置1101を車室内で利用しているのか、車室外で利用しているのかの判断と、昼夜の判断を考慮して実施することができる。例えば、情報端末装置1101を車室内で利用、且つ、昼である場合は昼用画
像を表示する。情報端末装置1101を車室外で利用、且つ、昼である場合も昼用画像を表示する。情報端末装置1101を車室内で利用、且つ、夜である場合は夜用画像を表示する。そして、車室外で利用、且つ、夜である場合は、実際には周辺が明るいため、夜にも関わらず昼用画像を表示する。このようにすることで、ユーザの視認性を向上させる効果を更に確実に得ることができるようになる。
(実施形態3)
以下、本発明の実施形態3における情報端末装置について、図面を参照しながら説明する。
図14は、実施形態3の情報端末装置のブロック図である。
図14において、1401は情報端末装置であり、通信手段102、車室内外判断手段103、制御手段104、表示制御手段1408、タッチパネルモニタ1409、タッチセンサ制御手段1410から構成される。
通信手段102、車室内外判断手段103、制御手段104は本発明の実施形態1において説明したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
表示制御手段1408は、制御手段104の指示に応じてタッチパネルモニタ1409の表示動作を車モードと歩行者モードに設定する。
タッチパネルモニタ1409は、情報端末装置1101における入力手段106と表示手段1109を一体化したものである。表示制御手段1408の指示に応じて様々な画像を表示するだけでなく、ユーザからの入力データを制御手段104へ伝える。
タッチセンサ制御手段1410はタッチパネルモニタ1409に含まれるタッチセンサの感度を制御する。具体的には、車モードの場合は、車の振動により細かい操作が困難になるため、タッチセンサの感度を低く設定して誤操作を起こさないようにする。逆に歩行者モードの場合は、細かい操作が可能であるため、タッチセンサの感度を高く設定する。
図15は情報端末装置1401におけるタッチパネル動作モード設定処理のフロー図である。以下、その動作について説明する。
まず、ステップS1501でタッチパネルモニタ1409においてタッチパネル動作が開始される。ここでタッチパネル動作の開始とは、タッチパネルモニタ1409に何らかの画像が表示され、タッチセンサによってユーザが操作可能な状態になることとする。実際には、情報端末装置1401に電源が投入されるとタッチパネルモニタ1409には自動的に画面が表示され、ユーザはタッチセンサを介して入力が可能になるるものとする。
次に、情報端末装置1401を利用している環境が車室内なのか否かを判断する(ステップS1502)。なお、このステップS1502は本発明の実施形態1のナビゲーション動作モード設定処理における処理と同様である。したがって、詳細には図3で説明した車室内外判断処理、図5で説明したパケットデータ受信判断処理も同様に実行される。ステップS1502において、車室内で利用していると判断された場合はステップS1503へ遷移する。ステップS1502において、車室内で利用していない、すなわち、車室外で利用していると判断された場合はステップS1504へ遷移する。
ステップS1502において車室内で利用していると判断された場合は、タッチパネル動作を車モードに設定し(ステップS1503)、そしてステップS1505へ遷移する。このステップS1503の処理は、制御手段104が車室内外判断手段103からの通
知を基に、表示制御手段1408およびタッチセンサ制御手段1410へ指示することによって行われる。そして、表示制御手段1408の指示によりタッチパネルモニタ1409の表示動作を車モードに設定する。また、タッチセンサ制御手段1410の指示によりタッチパネルモニタ1409のタッチセンサ感度を低く設定する。なお、ステップS1503の処理を行う以前に既に車モードで動作している場合はステップS1503において処理を行う必要はないため、そのままステップS1505へ遷移すればよい。
ステップS1502において車室内で利用していない、すなわち、車室外で利用していると判断された場合は、タッチパネル動作を歩行者モードに設定し(ステップS1504)、そしてステップS1505へ遷移する。このステップS1504の処理は、制御手段104が車室内外判断手段103からの通知を基に、表示制御手段1408およびタッチセンサ制御手段1410へ指示することによって行われる。そして、表示制御手段1408の指示によりタッチパネルモニタ1409の表示動作を歩行者モードに設定する。また、タッチセンサ制御手段1410の指示によりタッチパネルモニタ1409のタッチセンサ感度を高く設定する。なお、ステップS1504の処理を行う以前に既に歩行者モードで動作している場合はステップS1504において処理を行う必要はないため、そのままステップS1505へ遷移すればよい。
ステップS1505では、タッチパネル動作を終了するか否かを判断する。ステップS1505にてタッチパネル動作を終了する場合はタッチパネル動作モード設定処理を終了する。ステップS1505にてタッチパネル動作を終了しない、すなわち、タッチパネル動作を継続する場合はステップS1502へ遷移し、上記動作を繰り返す。ここでタッチパネル動作の終了はユーザが手動で設定するとする。具体的にはタッチパネルモニタ1409からの入力信号(タッチパネル動作終了要求、実際には情報端末装置1401の電源OFF要求であってもよい)を制御手段104が受信し、表示制御手段1408およびタッチセンサ制御手段1410へ指示することによって行われる。そして、表示制御手段1408の指示によりタッチパネルモニタ1409の画像表示を停止する。更に、タッチセンサ制御手段1410の指示によりタッチセンサを利用できないようにする。なお、例えば、情報端末装置1401がアラーム機能を有するとして、電源をOFFにする時刻を設定しておき、その時刻になったら自動的に電源をOFFする、すなわち、タッチパネル動作を終了するなど、他の方法でタッチパネル動作を終了するとしてもよい。
なお、図15を用いて説明したタッチパネル動作モード設定処理は絶えず連続して実行される必要はない。例えば、処理の実行を一定時間毎に行うなどしてもよい。もちろん、連続的に実行してもよく、システムのリソースに合わせて任意の時間を設定すればよい。
ここで、表示制御手段1408によって設定されるタッチパネルモニタ1409の表示動作について説明する。
図16は歩行者モードにおけるタッチパネルモニタ1409の表示画面の例である。図16中、1401は情報端末装置の外観の一例である。ここではメニュー画面が表示されている。1602は歩行者モードにおけるメニューボタンであり、メニューA〜Hまでの8つのメニューボタンが表示されており、ユーザはタッチセンサを用いて利用したいメニューのメニューボタン1602の位置に触れるとそのメニューが実行される。
図17、図18は車モードにおけるタッチパネルモニタ1409の表示画面である。ここでは図16と同様のメニュー画面を車モードとして表示した場合の例である。1702は車モードにおけるメニューボタンである。メニューA〜Dは図17に、メニューE〜Hは図18に示している。歩行者モードにおけるメニューボタン1602と比較して、メニューボタン1702はボタンのサイズおよび表示文字を大きくしている。そのため、画面
には入りきらないため、図17、図18のように2画面に分けて表示されるようになっている。図17の画面でボタン1703を押すと図18の画面へ、図18の画面でボタン1803を押すと図17の画面へ遷移する。
車モードの場合は運転中のため、振動等で画面が見にくくなってしまう。そこで、車モードの場合はボタンサイズや文字サイズを大きくすることにより視認性が低下するのを防ぐことができる。また、小さなメニューボタンであると誤って隣のメニューボタンが押されてしまう恐れがある。そこで、メニューボタンおよびボタンの間隔を大きくすることにより誤操作を防ぐことができる。
以上、説明したとおり本発明の実施形態3では、利用している環境に応じてタッチパネル動作を車モードと歩行者モードで自動的に切り換えて設定する情報端末装置を実現することができる。情報端末装置を車室内で利用している場合は、車モードとしてタッチセンサの感度を下げるように設定し、更に、表示される文字やボタンおよびボタン間隔を大きくする。車室外で利用している場合は、歩行者モードとしてタッチセンサの感度を上げるように設定し、更に、表示される文字やボタンおよびボタン間隔を小さくする。こうすることにより、ユーザの利用環境に応じて利便性を向上させることができる。
なお、タッチパネル動作として、タッチパネルモニタのタッチセンサの感度と表示動作を制御するように説明したが、いずれか一方について制御する場合でもユーザの利便性向上の効果を得ることができる。
また、タッチセンサの感度について具体的な数値等は記載しなかったが、車モードの場合は歩行者モードの場合と比較して相対的に感度を低くすれば上述した効果を得ることができる。同様に歩行者モードの場合は車モードの場合と比較して相対的に感度を高くすれば誤操作を防ぐ効果を得ることができる。
また、表示動作について図16〜18を用いて説明したが、表示されたメニューボタンの数やサイズはこれに限られたことではない。車モードの場合は歩行者モードの場合と比較して、相対的に文字やボタンおよびボタン間隔の少なくとも一つを大きくするようにすれば上述した効果を得ることができる。同様に歩行者モードの場合は車モードの場合と比較して、相対的に文字やボタンおよびボタン間隔の少なくとも一つを小さくすれば視認性の低下を防ぐ効果および誤操作を防ぐ効果を得ることができる。
また、車モードと歩行者モードの場合でボタンサイズは同じでタッチセンサの反応する領域を変更することでも上述した効果を得ることができる。図19を用いて説明する。図19は情報端末装置1401においてメニューが表示された画面の一例である。1902はメニューボタンである。また歩行者モードの場合はメニューボタン1902の表示されているエリアがタッチセンサの反応するエリアである。1904は車モードにおけるタッチセンサの反応するエリアである。エリア1904は実際にタッチパネルモニタ1409上には表示されないものとする。メニューボタン1902のエリアでなくても1904のエリアが押された場合はエリア1904内に含まれるメニューボタン1902を押した場合と同様の動作をする。このようにすることで、メニューボタンの表示はそのままで、車の振動でユーザが押す位置がメニューボタン1902のエリアを外側にずれた場合であっても、情報端末装置1401はユーザの意図するメニューを実行することができる。
また、タッチパネル動作の制御は車モードと歩行者モードのいずれであるかの判断によって行うとしたがこれに限られたことではない。例えば、情報端末装置1401の傾きを検知して制御を行うとしても上述した効果を得ることができる。例えば、車室内のクレードルに情報端末装置1401を設置されている場合、すなわち、情報端末装置1401を
垂直にして利用する場合はタッチパネルの操作を行いにくいため、情報端末装置1401を水平にして利用する場合と比較してタッチセンサの感度を下げる。逆に情報端末装置1401を水平にして利用する場合は情報端末装置1401を垂直にして利用する場合と比較してタッチセンサの感度を上げる。このようにすることで、誤操作を防ぐ効果を得ることができる。なお、情報端末装置1401が垂直であるか水平であるかは地面に対してある一定角度をしきい値として3Dセンサで判断するようにすればよい。
(実施形態4)
以下、本発明の実施形態4における情報端末装置について、図面を参照しながら説明する。
図20は、実施形態4の情報端末装置のブロック図である。
図20において、2001は情報端末装置であり、通信手段102、車室内外判断手段103、制御手段104、入力手段106、スピーカ2007、音声出力制御手段2011から構成される。
通信手段102、車室内外判断手段103、制御手段104、入力手段106は本発明の実施形態1において説明したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
スピーカ2007は音声出力制御手段2011の指示に応じて音声を出力する。ここで、出力される音声は、例えば、ナビゲーションの案内音声であるとする。音声出力制御手段2011は制御手段104の指示に応じて、スピーカ2007から出力される音声の音量を制御する。
車室内は基本的に閉ざされた空間であり、よほどの大音量でない限りは車室外に音が漏れることはない。また、車室内では設置されている車載機器を用いてオーディオ再生やラジオ放送で音楽等を聴いている場合もあり、情報端末装置2001からの音声出力が音楽の音量にかき消されないようにしなければならない。更に、ユーザが車を運転中は情報端末装置2001の画面を注視することは運転の妨げとなるため、案内音声は車室内では重要な情報である。よって、情報端末装置2001から出力される音声(実際にはスピーカ2007から出力される音声)はユーザが聞き漏らさないためにも音量を大きく設定しなければならない。
一方、車室外では周囲に他人がいる場合があり、情報端末装置2001の出力する音が他人に対しては迷惑になってしまう。また、車室外で情報端末装置2001を利用する場合は車を運転する場合と異なり、いつでも画面からの情報を得ることができるため、案内音声がなくても、例えば、同様の内容を表すメッセージを画面に表示するなどしてユーザに情報を伝えることは可能である。
以上の理由により、音声出力御手段2011は車モードではスピーカ2007の音声出力の音量を上げ、歩行者モードではスピーカ2007の音声出力の音量を下げる処理を行うものとする。
図21は情報端末装置2001における音声出力動作モード設定処理のフロー図である。以下、その動作について説明する。
まず、ステップS2101で音声出力動作を開始する。ここで音声出力動作の開始とは、出力すべき音声データが存在する場合にスピーカ2007から音声を出力できる状態になることとする。つまり、出力すべき音声データが存在しない場合は、音声出力動作が開始されている状態であっても音声はスピーカ2007から出力されない。実際には、情報
端末装置2001に電源が投入されると自動的にスピーカ2007からは音声出力が可能な状態になるものとする。
次に、情報端末装置2001を利用している環境が車室内なのか否かを判断する(ステップS202)。なお、このステップS2102は本発明の実施形態1のナビゲーション動作モード設定処理における処理と同様である。したがって、詳細には図3で説明した車室内外判断処理、図5で説明したパケットデータ受信判断処理も同様に実行される。ステップS2102において、車室内で利用していると判断された場合はステップS2103へ遷移する。ステップS2102において、車室内で利用していない、すなわち、車室外で利用していると判断された場合はステップS2104へ遷移する。
ステップS2102において車室内で利用していると判断された場合は、音声出力動作を車モードに設定し(ステップS2103)、そしてステップS2105へ遷移する。このステップS2103の処理は、制御手段104が車室内外判断手段103からの通知を基に、音声出力制御手段2011へ指示することによって行われる。そして、音声出力制御手段2011の指示によりスピーカ2007の音声出力動作を車モードに設定する。なお、ステップS2103の処理を行う以前に既に車モードで動作している場合はステップS2103において処理を行う必要はないため、そのままステップS2105へ遷移すればよい。
ステップS2102において車室内で利用していない、すなわち、車室外で利用していると判断された場合は、音声出力動作を歩行者モードに設定し(ステップS2104)、そしてステップS2105へ遷移する。このステップS2104の処理は、制御手段104が車室内外判断手段103からの通知を基に、音声出力制御手段2011へ指示することによって行われる。そして、音声出力制御手段2011の指示によりスピーカ2007の音声出力動作を歩行者モードに設定する。なお、ステップS2104の処理を行う以前に既に歩行者モードで動作している場合はステップS2104において処理を行う必要はないため、そのままステップS2105へ遷移すればよい。
ステップS2105では、音声出力動作を終了するか否かを判断する。ステップS2105にて音声出力動作を終了する場合は音声出力動作モード設定処理を終了する。ステップS2105にて音声出力動作を終了しない、すなわち、音声出力動作を継続する場合はステップS2102へ遷移し、上記動作を繰り返す。ここで音声出力動作の終了はユーザが手動で設定するとする。具体的には入力手段106からの入力信号(音声出力終了要求、実際には情報端末装置1401の電源OFF要求であってもよい)を制御手段104が受信し、音声出力制御手段2011へ指示することによって行われる。そして、音声出力制御手段2011の指示によりスピーカ2007の音声出力を停止する。なお、例えば、情報端末装置2001がアラーム機能を有するとして、電源をOFFにする時刻を設定しておき、その時刻になったら自動的に電源をOFFする、すなわち、音声出力動作を終了するなど、他の方法で音声出力動作を終了するとしてもよい。
なお、図21を用いて説明した音声出力動作モード設定処理は絶えず連続して実行される必要はない。例えば、処理の実行を一定時間毎に行うなどしてもよい。もちろん、連続的に実行してもよくシステムのリソースに合わせて任意の時間を設定すればよい。
以上で説明したとおり、本発明の実施形態4では、利用している環境に応じて、音声出力動作を車モードと歩行者モードで自動的に切り換えて設定する情報端末装置を実現することができる。情報端末装置を車室内で利用している場合は車モードとしてスピーカの音声出力の音量を大きく設定し、車室外で利用している場合は歩行者モードとしてスピーカの音声出力の音量を小さく設定する。このように、ユーザの利用環境に応じて、車室内で
は案内音声などを聞き取りやすくし、また、車室外では他人の迷惑にならないように情報端末装置を利用することができる。
なお、スピーカ2007の音声出力の音量の設定値について、具体的な数値を述べていないが、車モードと歩行者モードで相対的に車モード時の音量が歩行者モードの音量より大きければよい。また、情報端末装置2001を車室外で利用する場合は、スピーカ2007の音声出力の音量を小さくするとしたが、音量を0、すなわち、無音に設定してもよい。
また、本発明の実施形態4においては、スピーカ2007から出力される音声はナビゲーションの案内音声としたがこれに限られたものではない。例えば、情報端末装置2001で再生される音楽やテレビ・ラジオ放送の楽曲音などでもよい。あるいは、ユーザが操作した場合のビープ音(反応音)であってもよい。
また、本発明の実施形態4においては、情報端末装置2001を利用している環境が車室内か否かでスピーカ2007の出力音声の音量を制御するとしたが、これに限られたものではない。車室内で利用している場合は、例えば、Bluetoothなどの無線通信を用いて車載機器へ音声データを送信し、車両に設置された車載スピーカから出力するとしてもよい。このようにすることでユーザは情報端末装置2007から出力される音声をより聞き取りやすくすることができる。