JP5206408B2 - 電気化学デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、特定の含フッ素エーテルを配合した低温で安定で、かつ難燃性に優れた電解液を備える電気化学デバイスに関する。
リチウム二次電池用の電解質塩溶解用溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどのカーボネート類が汎用されている。しかしこれらの炭化水素系カーボネート類は引火点が低く燃焼性が高いため、過充電や過加熱による発火・爆発の危険性があり、特にハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池では、安全確保の上で重要な課題となっている。
電解液の爆発防止の手段として、電解液に添加剤としてフルオロアルカン、リン酸エステル、リン化合物を配合することが提案されている(特開平11−233141号公報、特開平11−283669号公報、特開2002−280061号公報および特開平09−293533号公報)。
しかし、フルオロアルカンを添加する系では、フルオロアルカン自体が電解液成分として必須であるカーボネート類とほとんど相溶しないため層分離を起こしてしまい、電池性能が悪化してしまう。
また、リン酸エステルやリン化合物を添加する系では、電解液の燃焼性は抑えられるが、粘性が高くなり導電率が低下しやすくなったり、充放電サイクルによる劣化を惹き起こしやすくなったりする。
電解液としての性能を落とさずに不燃性や難燃性を高めるために、含フッ素エーテルを添加することも提案されている(特開平08−037024号公報、特開平09−097627号公報、特開平11−026015号公報、特開2000−294281号公報、特開2001−052737号公報および特開平11−307123号公報)。
特開平08−037024号公報には、含フッ素エーテルを加えた高容量でサイクル安定性に優れた二次電池用電解液が記載されており、含フッ素エーテルとして鎖状でも環状でもよいとされ、鎖状含フッ素エーテルの具体例として、一方のアルキル基として炭素数2以下のものが記載されている。
しかし、含フッ素エーテルの含有量は30体積%までであり、30体積%よりも多くなると、この系では放電容量が小さくなってしまうと記載されている。
特開平09−097627号公報には、電解質溶解用溶媒として環状カーボネートを使用せずともよい電解液を調製するべく、非環状カーボネートに加えて、R1−O−R2(R1は炭素数2以下のアルキル基またはハロゲン置換アルキル基;R2は炭素数2以上10以下のハロゲン置換アルキル基)で示される含フッ素エーテルを30体積%を超え90体積%以下で用いることを提案している。また、必須ではないが、環状カーボネートを好ましくは30体積%以下配合することにより初期の放電容量が向上することが示唆されている。
しかし、この系では、R1の炭素数が3以上となると電解質塩の溶解度が低くなるとされており、目的とする電池特性が得られない。
特開平11−026015号公報、特開2000−294281号公報および特開2001−052737号公報には、エーテル酸素を含む有機基が−CH2−O−である含フッ素エーテルを用いて他の溶媒との相溶性、酸化分解に対する安定性、不燃性などを改善することが提案されており、具体的にはHCF2CF2CH2OCF2CF2Hなどのエーテル酸素に結合した一方の有機基として炭素数2以下の含フッ素エーテルが記載されている。しかし、概して沸点が低く、また他の溶媒との相溶性が低いほか電解質塩溶解性が低いものであり、二次電池用電解液の溶媒としては、さらなる耐熱性や耐酸化性を目指す場合には必ずしも充分とはいえない。
特開平11−307123号公報には、Cm2m+1−O−Cn2n+1で示される含フッ素エーテルを鎖状のカーボネートと混合することにより、容量維持率や安全性に優れた電解液が提供できると記載されている。しかし、この混合溶媒系は電解質塩の溶解能が低く、優れた電解質塩であり汎用されているLiPF6やLiBF4を溶解することができず、電解質塩として金属腐食性のLiN(O2SCF32を用いざるをえなくなっている。また、粘度が高いためレート特性がわるい。
このように、不燃性や難燃性に優れ、かつ充分な電池特性(充放電サイクル特性、放電容量など)を有するリチウム二次電池用電解液は開発されていないのが現状である。
本発明は、こうした従来の問題点を解決しようとするものであり、低温でも相分離せず、また難燃性や耐熱性に優れ、電解質塩の溶解性が高く、放電容量が大きく、充放電サイクル特性に優れた電気化学デバイスを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、
(I)(A)式(1):
Rf1−O−Rf2
(式中、Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数3〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
(B)環状カーボネート、ならびに
(C)含フッ素エーテル(A)と環状カーボネート(B)の双方に相溶性の鎖状カーボネート
を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
(II)電解質塩を含み、
電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を30〜60体積%、環状カーボネート(B)を3〜40体積%および鎖状カーボネート(C)を10〜67体積%含む電解液を備える電気化学デバイスに関する。
式(1)で示される含フッ素エーテル(A)のフッ素含有率が55〜74質量%であり、式(1)中、Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数3または4の含フッ素アルキル基であることが、不燃性と相溶性のバランスが特によく、この炭素数であるとき、さらに沸点、レート特性(粘性)の点で有利であることから好ましい。
前記環状カーボネート(B)は、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネートであることが好ましい。
特に電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を40〜60体積%、環状カーボネート(B)を5〜25体積%および鎖状カーボネート(C)を15〜55体積%含む電解液は、電解質塩濃度が0.5モル/リットル以上で液として低温でも高温でも安定であり、それを備える電気化学デバイスの特性も優れたものである。
また、前記電気化学デバイスは、電池であることが好ましい。
また、本発明は、
(I)(A)式(1):
Rf1−O−Rf2
(式中、Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数3〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
(B)環状カーボネート、ならびに
(C)含フッ素エーテル(A)と環状カーボネート(B)の双方に相溶性の鎖状カーボネート
を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
(II)電解質塩
を含み、
電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を30〜60体積%、環状カーボネート(B)を3〜40体積%および鎖状カーボネート(C)を10〜67体積%含む電解液に関する。
また、本発明は、
(I)(A)式(1):
Rf1−O−Rf2
(式中、Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数3または4の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
(B)エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート、ならびに
(C)含フッ素エーテル(A)とエチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)の双方に相溶性の鎖状カーボネート
を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
(II)電解質塩
を含み、
電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を40〜60体積%、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)を3〜20体積%および鎖状カーボネート(C)を20〜57体積%含み、電解質塩(II)がLiPF6またはLiBF4であって、電解質塩濃度が0.8モル/リットル以上であるリチウム二次電池用電解液に関する。
特に電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を40〜60体積%、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)を3〜15体積%および鎖状カーボネート(C)を31〜57体積%含む電解液は、電解質塩濃度が1.0モル/リットル以上で液として低温でも高温でも安定であり、電池特性も優れたものである。
また、含フッ素エーテル(A)としては、沸点が90℃以上であるものが高温での安定性(耐熱性)に優れており、なかでもHCF2CF2CH2OCF2CFHCF3が沸点が100℃以上で、かつ他の溶媒との相溶性や電解質塩の溶解性が良好な点で特に優れている。
本発明の電解液は難燃性に優れているが、さらに不燃性(着火しない性質)を付与するために、リン酸エステル(D)、なかでも含フッ素アルキルリン酸エステルを電解質塩溶解用溶媒(I)中に3体積%以下、さらには1体積%以下添加してもよい。
さらに、本発明は、
(I)(A)式(1):
Rf1−O−Rf2
(式中、Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数3〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
(B)エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート、ならびに
(C)含フッ素エーテル(A)とエチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)の双方に相溶性の鎖状カーボネート
を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
(II)電解質塩を含み、
電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を30〜60体積%、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)を3〜40体積%および鎖状カーボネート(C)を10〜67体積%含み、電解質塩(II)がLiN(SO2CF32およびLiN(SO2252から選択される電解質塩(IIa)を少なくとも含み、かつ電解質塩(II)濃度が0.5モル/リットル以上であるリチウム二次電池用電解液に関する。
式(1)で示される含フッ素エーテル(A)のフッ素含有率が55質量%以上74質量%以下であり、式(1)において、Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数3または4の含フッ素アルキル基であることが、不燃性と相溶性のバランスが特によく、この炭素数であるとき、さらに沸点、レート特性(粘性)の点で有利であることから好ましい。
また、電解質塩(II)が、電解質塩(IIa)に加えてさらにLiPF6およびLiBF4から選択される電解質塩(IIb)を含み、この電解質塩(IIb)濃度が0.1モル/リットル以上であることが好ましい。
なかでも、電解質塩(IIa)濃度が0.4〜1.3モル/リットル、電解質塩(IIb)濃度が0.1〜0.5モル/リットルであり、電解質塩(IIb)濃度/(電解質塩(IIa)濃度+電解質塩(IIb)濃度)が0.1以上0.4以下であることが好ましい。とりわけ、電解質塩(IIb)はLiPF6であることがレート特性の点から好ましい。また、電解質塩(IIa)がLiN(SO2CF32の場合は、LiPF6と併用することが好ましい。またその場合、LiPF6濃度/(LiPF6+LiN(SO2CF32濃度)は0.2〜0.35であることがアルミ集電体腐食防止の点から好ましい。
特に電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を40〜60体積%、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)を5〜25体積%および鎖状カーボネート(C)を15〜55体積%含む電解液は、電解質塩濃度が0.5モル/リットル以上で液として低温でも高温でも安定であり、電池特性も優れたものである。
また、含フッ素エーテル(A)としては、沸点が80℃以上であるものが高温での安定性(耐熱性)に優れており、なかでもHCF2CF2CH2OCF2CFHCF3およびCF3CF2CH2OCF2CFHCF3から選択される沸点が100℃以上で、かつ他の溶媒との相溶性や電解質塩の溶解性が良好な点で特に優れている。
本発明の電解液は難燃性に優れているが、さらに不燃性(着火しない性質)を付与するために、リン酸エステル(D)、なかでも含フッ素アルキルリン酸エステルを電解質塩溶解用溶媒(I)中に10体積%以下、さらには5体積%以下添加してもよい。
なお、本明細書において、「難燃性」とは後述する難燃性試験において発火・破裂しない性質をいい、「不燃性」とは後述する着火試験において着火しない性質をいう。
本発明の電気化学デバイスは、特定組成の電解質塩溶解用溶媒(I)と電解質塩(II)を含む電解液を備える。
本発明の第一の態様では、本発明の電気化学デバイスは、特定組成の電解質塩溶解用溶媒(Ia)と電解質塩(IIa)を含む電解液(a)を備える。
まず電解質塩溶解用溶媒(Ia)について説明する。
(Aa)含フッ素エーテル:
式(1a):
Rf1a−O−Rf2a
(式中、Rf1aおよびRf2aは同じかまたは異なり、いずれも炭素数3または4の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテルである。
具体的には、Rf1aおよびRf2aが、HCF2CF2CH2−、CF3CF2CH2−、CF3CF2CH2CH2−、HCF2CF2CF2−、HCF2CF2CF2CF2−、HCF2CF2CH2CH2−、CF3CFHCF2−、CF3CFHCF2CH2−であるものなどがあげられる。
なかでも、Rf1aおよびRf2aとしては、末端がHCF2−またはCF3CFH−を含むものが分極性に優れ、沸点の高い(90℃以上、特に100℃以上)含フッ素エーテルを与えることができる。好適なものとしては、たとえばHCF2CF2CH2OCF2CFHCF3、HCF2CF2CH2OCH2CF2CF2H、CF3CFHCF2CH2OCF2CFHCF3などの1種または2種以上があげられ、特に高沸点、他の溶媒との相溶性や電解質塩の溶解性が良好な点で有利なことから、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(沸点106℃)が好ましい。
含フッ素エーテル(Aa)の配合量は、溶媒(Ia)全体に対する含有量として40〜60体積%である。多くなりすぎると電解質塩の溶解性が低下するほか、層分離を惹き起こすことがあり、また少なすぎると低温特性(低温安定性)が低下し、難燃性も低下することとなり、いずれも液体特性と電池特性のバランスが崩れる。好ましい上限は、他の溶媒との相溶性や電解質塩の溶解性が良好な点から55体積%であり、好ましい下限は低温特性の維持や難燃性の維持の観点から45体積%である。
なお、含フッ素エーテル(Aa)の50体積%以下を他の含フッ素エーテルで置き換えてもよい。他の含フッ素エーテルとしては、たとえば炭素数の合計が4〜5の鎖状含フッ素エーテルが好ましく、なかでも沸点が高いHCF2CF2CH2OCF2CF2H(沸点93℃)が好ましい。
(Ba)環状カーボネート:
環状カーボネート(Ba)としては、非フッ素系環状カーボネートと含フッ素環状カーボネートがあげられる。
非フッ素系環状カーボネートのなかでも、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネートは誘電率が高く、また電解質塩の溶解性に特に優れており、本発明の電解液に好ましい。また、黒鉛系材料を負極に用いる場合には、安定な被膜を負極に形成させることもできる。
環状カーボネート(Ba)の配合量は、溶媒(Ia)全体に対する含有量として、3〜20体積%である。本発明で用いる溶媒(Ia)の系において、環状カーボネート(Ba)が多くなりすぎると、冬季の外気温や冷凍庫の室温といった低温雰囲気下(たとえば−30℃〜−20℃)において、含フッ素エーテル(Aa)が層分離を起こしてしまう。この観点から、好ましい上限は15体積%、さらには9体積%である。一方、少なすぎると溶媒の電解質塩(IIa)の溶解性が低下し、所望の電解質濃度(0.8モル/リットル以上)が達成できない。
環状カーボネート(Ba)は鎖状カーボネート(Ca)と同じかまたは少ない量で配合することが好ましい。環状カーボネート(Ba)が鎖状カーボネート(Ca)より多くなると、溶媒間の相溶性が低下してしまう傾向がある。環状カーボネート(Ba)は鎖状カーボネート(Ca)と同じかまたは少ない量で配合すると、広い温度範囲で均一な電解液を形成でき、サイクル特性も向上する。
(Ca)含フッ素エーテル(Aa)と環状カーボネート(Ba)の双方に相溶性の鎖状カーボネート:
含フッ素エーテル(Aa)と環状カーボネート(Ba)は相溶性が低いため、これらだけでは均一な溶媒を形成しにくい。そこで、含フッ素エーテル(Aa)と環状カーボネート(Ba)の双方に相溶性の鎖状カーボネート(Ca)を配合する。
鎖状カーボネート(Ca)としては、たとえばジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートなどの炭化水素系鎖状カーボネート;CF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CF2CH2OCOOCH3、HCF2CF2CH2OCOOCH3などの含フッ素炭化水素系鎖状カーボネートなどの1種または2種以上があげられる。これらのうち沸点が高く、粘性が低く、かつ低温特性が良好なことから、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、CF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CF2CH2OCOOCH3、HCF2CF2CH2OCOOCH3が好ましく、特に低温特性が優れていることから、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましい。
鎖状カーボネート(Ca)の配合量は、具体的には、溶媒(Ia)全体に対する含有量として、20〜57体積%である。好ましくは、他の溶媒との相溶性や電解質塩の溶解性が良好な点から31〜57体積%である。
(Da)リン酸エステル
リン酸エステル(Da)は、不燃性(着火しない性質)を付与するために配合してもよい。配合量は、電解質塩溶解用溶媒(Ia)中に3体積%以下となる量で着火が防止できる。
リン酸エステル(Da)としては、含フッ素アルキルリン酸エステル、非フッ素系アルキルリン酸エステル、アリールリン酸エステルなどがあげられるが、含フッ素アルキルリン酸エステルが電解液の不燃化に寄与する程度が高く、少量で不燃効果をあげることから好ましい。
含フッ素アルキルリン酸エステルとしては、特開平11−233141号公報に記載された含フッ素ジアルキルリン酸エステル、特開平11−283669号公報に記載された環状のアルキルリン酸エステルのほか、式(D1a):
Figure 0005206408
(式中、Rf3a、Rf4aおよびRf5aは同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜3の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素トリアルキルリン酸エステル(D1a)があげられる。
含フッ素トリアルキルリン酸エステル(D1a)は、不燃性を与える能力が高く、また成分(Aa)〜(Ca)との相溶性も良好であることから、添加量を少なくすることができ、2体積%以下、さらには1体積%以下でも着火を防止することができる。
含フッ素トリアルキルリン酸エステル(D1a)としては、式(D1a)において、Rf3a、Rf4aおよびRf5aが同じかまたは異なり、いずれもCF3−、CF3CF2−、CF3CH2−、HCF2CF2−またはCF3CFHCF2−であるものが好ましく、特にRf3a、Rf4aおよびRf5aがいずれもCF3CF2−であるリン酸トリ2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、Rf3a、Rf4aおよびRf5aがいずれもHCF2CF2−であるリン酸トリ2,2,3,3−テトラフルオロプロピルが好ましい。
(Ea)その他の添加剤
本発明においては、成分(Aa)〜(Ca)、さらに要すれば成分(Da)の体積比率を崩さず、本発明の効果を損なわない範囲で、高誘電化添加剤やサイクル特性改善剤などの他の添加剤を配合してもよい。
高誘電化添加剤としては、たとえばプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、スルホラン、メチルスルホラン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセトニトリル、プロピオニトリルなどが例示できる。
過充電防止剤としては、たとえばヘキサフルオロベンゼン、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジクロロアニリン、トルエンなどが例示できる。
また、容量特性の改善、レート特性の改善には、HCF2COOCH3、HCF2COOC25、CF3COOCH3、CF3COOC25、C25COOCH3、HCF2CF2COOCH3などの含フッ素エステルが好ましい。
また、同様の効果を持つものとして、
式(Ea1):
Rf6aCOO-+
(式中、Rf6aは炭素数1〜8の含フッ素アルキル基、M+は1価の金属カチオンまたはNH4 +、好ましくはアルカリ金属カチオン)
で示される含フッ素カルボン酸塩や、
式(Ea2):
Rf7aSO3 -+
(式中、Rf7aは炭素数1〜8の含フッ素アルキル基、M+は1価の金属カチオンまたはNH4 +、好ましくはアルカリ金属カチオン)
で示される含フッ素スルホン酸塩などがあげられる。
式(Ea1)を満たす含フッ素カルボン酸塩としては、たとえば、H(CF24COO-Li+、C49COO-Li+、C511COO-Li+、C613COO-Li+、C715COO-Li+、C817COO-Li+などがあげられる。また、式(Ea2)を満たす含フッ素スルホン酸塩としては、たとえば、C49SO3 -Li+、C613SO3 -Li+、C817SO3 -Li+などがあげられる。
電解質塩溶解用溶媒(Ia)の調製は、成分(Aa)〜(Ca)、さらに要すれば成分(Da)、成分(Ea)を混合し均一に溶解させることにより行うことができる。
つぎに電解質塩(IIa)について説明する。本発明で電解液(a)に用いる電解質塩はリチウム二次電池などの電気化学デバイスに多く用いられているLiPF6またはLiBF4である。
二次電池としての実用的な性能を確保するためには電解質塩の濃度を0.8モル/リットル以上、さらには1.0モル/リットル以上にすることが要求されている。本発明で用いる電解質塩溶解用溶媒(Ia)は、LiPF6またはLiBF4の濃度をこれらの要求を満たす溶解能を有している。
つぎに本発明の第一の態様における電気化学デバイスが備える電解液(a)の好ましい処方を具体的に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(処方a)
(Ia)電解質塩溶解用溶媒
(Aa)含フッ素エーテル
種類:HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3
配合量:40〜60体積%(溶媒(Ia)中の量。以下同様)
(Ba)環状カーボネート
種類:エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート
配合量:3〜15体積%
(Ca)鎖状カーボネート
種類:ジエチルカーボネートまたはエチルメチルカーボネート
配合量:31〜57体積%
(Da)リン酸エステル
種類:含フッ素アルキルリン酸エステル
配合量:0〜3体積%
(IIa)電解質塩
種類:LiPF6またはLiBF4
濃度:0.8〜1.2モル/リットル
本発明の第二の態様では、本発明の電気化学デバイスは、特定組成の電解質塩溶解用溶媒(Ib)と電解質塩(IIb)を含む電解液(b)を備える。
まず電解質塩溶解用溶媒(Ib)について説明する。
(Ab)含フッ素エーテル:
式(1b):
Rf1b−O−Rf2b
(式中、Rf1bおよびRf2bは同じかまたは異なり、いずれも炭素数3〜6、好ましくは3または4の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテルである。
Rf1bおよびRf2bの炭素数が3よりも少ないと含フッ素エーテルの沸点が低くなりすぎ、また、炭素数が6を超えると、電解質塩の溶解性が低下し、他の溶媒との相溶性にも悪影響が出始め、また粘度が上昇するためレート特性が低減する。特に、炭素数が3または4のとき、沸点およびレート特性(粘性)の点で特に有利である。
また、Rf1bおよびRf2bはフッ素原子を含むため、この含フッ素エーテル(Ab)を含む電解液(b)は、不燃性が向上する。
さらに好ましくは、含フッ素エーテル(Ab)のフッ素含有率は、55質量%以上、さらには60質量%以上、特に65質量%以上が好ましく、上限は74質量%、さらには70質量%が好ましい。この範囲のフッ素含有量を有するとき、不燃性と相溶性のバランスに特に優れたものになる。フッ素含有率は、{(フッ素原子の個数×19)/分子量}×100(%)で算出した値である。
具体的には、Rf1bおよびRf2bが、HCF2CF2CH2−、CF3CF2CH2−、CF3CF2CH2CH2−、HCF2CF2CF2−、HCF2CF2CF2CF2−、HCF2CF2CH2CH2−、CF3CFHCF2−、CF3CFHCF2CH2−、HCF2CF2CF2CH2−、HCF2CF(CF3)CH2−であるものなどがあげられる。
なかでも、末端がHCF2−またはCF3CFH−を含むものが分極性に優れ、沸点の高い(90℃以上、特に100℃以上)含フッ素エーテルを与える。好適なものとしては、たとえばHCF2CF2CH2OCF2CFHCF3、HCF2CF2CH2OCH2CF2CF2H、CF3CFHCF2CH2OCF2CFHCF3、CF2CH2OCF2CFHCF3などの1種または2種以上があげられ、特に高沸点、他の溶媒との相溶性や電解質塩の溶解性が良好な点で有利なことから、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(沸点106℃)およびCF3CF2CH2OCF2CFHCF3(沸点82℃)が好ましい。
含フッ素エーテル(Ab)の配合量は、溶媒(Ib)全体に対する含有量として30〜60体積%、好ましくは40〜60体積%である。多くなりすぎると電解質塩の溶解性が低下するほか、相分離を引き起こすことがあり、また少なすぎると低温特性(低温安定性)が低下し、難燃性も低下することとなり、いずれも液体特性と電池特性のバランスが崩れる。好ましい上限は、他の溶媒との相溶性や電解質塩の溶解性が良好な点から55体積%であり、好ましい下限は低温特性の維持や難燃性の維持の観点から40体積%である。
なお、含フッ素エーテル(Ab)の50体積%以下を他の含フッ素エーテルで置き換えてもよい。他の含フッ素エーテルとしては、たとえば炭素数の合計が4〜5の鎖状含フッ素エーテルが好ましく、なかでも沸点が高いHCF2CF2CH2OCF2CF2H(沸点93℃)が好ましい。
(Bb)環状カーボネート:
環状カーボネート(Bb)としては、非フッ素系環状カーボネートと含フッ素環状カーボネートがあげられる。
非フッ素系環状カーボネートのなかでも、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネートは誘電率が高く、また電解質塩の溶解性に特に優れており、本発明の電解液に好ましい。また、黒鉛系材料を負極に用いる場合には、安定な被膜を負極に形成させることもできる。
環状カーボネート(Bb)の配合量は、溶媒(Ib)全体に対する含有量として、3〜40体積%である。本発明で用いる溶媒(Ib)の系において、環状カーボネート(B)が多くなりすぎると、冬季の外気温や冷凍庫の室温といった低温雰囲気下(たとえば−30℃〜−20℃)において、含フッ素エーテル(Ab)が相分離を起こしたり固化してしまう。この観点から、好ましい上限は30体積%、さらには25体積%である。一方、少なすぎると溶媒の電解質塩(IIb)の溶解性が低下し、所望の電解質濃度(0.8モル/リットル以上)が達成できない。下限は、好ましくは5体積%である。
環状カーボネート(Bb)は鎖状カーボネート(Cb)と同じかまたは少ない量で配合することがより好ましい。環状カーボネート(Bb)が鎖状カーボネート(Cb)より多くなると、溶媒間の相溶性が低下してしまう。環状カーボネート(Bb)は鎖状カーボネート(Cb)と同じかまたは少ない量で配合すると、広い温度範囲で均一な電解液を形成でき、サイクル特性も向上する。
(Cb)含フッ素エーテル(Ab)と環状カーボネート(Bb)の双方に相溶性の鎖状カーボネート:
含フッ素エーテル(Ab)と環状カーボネート(Bb)は相溶性が低いため、これらだけでは均一な溶媒を形成しにくい。そこで、含フッ素エーテル(Ab)と環状カーボネート(Bb)の双方に相溶性の鎖状カーボネート(Cb)を配合する。
鎖状カーボネート(Cb)としては、たとえばジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネートなどの炭化水素系鎖状カーボネート;CF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CF2CH2OCOOCH3などの含フッ素炭化水素系鎖状カーボネートなどの1種または2種以上があげられる。これらのうち沸点が高く、粘性が低く、かつ低温特性が良好なことから、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、CF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CF2CH2OCOOCH3が好ましく、特に低温特性が優れていることから、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましい。
具体的には、溶媒(Ib)全体に対する鎖状カーボネート(Cb)の含有量として、10〜67体積%である。好ましい下限は15体積%、さらには20体積%であり、好ましい上限は、57体積%、さらには55体積%である。好ましい範囲としては、他の溶媒との相溶性や電解質塩の溶解性が良好な点から、15〜55体積%である。
(Db)リン酸エステル
リン酸エステル(Db)は、不燃性(着火しない性質)を付与するために配合してもよい。配合量は、電解質塩溶解用溶媒(Ib)中に10体積%以下、好ましくは5体積%以下となる量で着火が防止できる。
リン酸エステル(Db)としては、含フッ素アルキルリン酸エステル、非フッ素系アルキルリン酸エステル、アリールリン酸エステルなどがあげられるが、含フッ素アルキルリン酸エステルが電解液の不燃化に寄与する程度が高く、少量で不燃効果をあげることから好ましい。
含フッ素アルキルリン酸エステルとしては、特開平11−233141号公報に記載された含フッ素ジアルキルリン酸エステル、特開平11−283669号公報に記載された環状のアルキルリン酸エステルのほか、式(D1b):
Figure 0005206408
(式中、Rf3b、Rf4bおよびRf5bは同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜3の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素トリアルキルリン酸エステル(D1b)があげられる。
含フッ素トリアルキルリン酸エステル(D1b)は、不燃性を与える能力が高く、また成分(Ab)〜(Cb)との相溶性も良好であることから、添加量を少なくすることができ、2体積%以下、さらには1体積%以下でも着火を防止することができる。
含フッ素トリアルキルリン酸エステル(D1b)としては、式(D1b)において、Rf3b、Rf4bおよびRf5bが同じかまたは異なり、いずれもCF3−、CF3CF2−、CF3CH2−、HCF2CF2−またはCF3CFHCF2−であるものが好ましく、特にRf3b、Rf4bおよびRf5bがいずれもCF3CF2−であるリン酸トリ2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、Rf3b、Rf4bおよびRf5bがいずれもHCF2CF2−であるリン酸トリ2,2,3,3−テトラフルオロプロピルが好ましい。
(Eb)その他の添加剤
本発明においては、成分(Ab)〜(Cb)、さらに要すれば成分(Db)の体積比率を崩さず、本発明の効果を損なわない範囲で、高誘電化添加剤、サイクル特性およびレート特性改善剤や過充電防止剤などの他の添加剤を配合してもよい。
高誘電化添加剤としては、たとえばプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、スルホラン、メチルスルホラン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセトニトリル、プロピオニトリルなどが例示できる。
過充電防止剤としては、たとえばヘキサフルオロベンゼン、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジクロロアニリン、トルエンなどが例示できる。
サイクル特性およびレート特性改善剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが例示できる。
また、容量特性の改善、レート特性の改善には、HCF2COOCH3、HCF2COOC25、CF3COOCH3、CF3COOC25、C25COOCH3、HCF2CF2COOCH3などの含フッ素エステルが好ましい。
また、同様の効果を持つものとして、
式(Eb1):
Rf6bCOO-+
(式中、Rf6bは炭素数1〜8の含フッ素アルキル基、M+は1価の金属カチオンまたはNH4 +、好ましくはアルカリ金属カチオン)
で示される含フッ素カルボン酸塩や、
式(Eb2):
Rf7bSO3 -+
(式中、Rf7bは炭素数1〜8の含フッ素アルキル基、M+は1価の金属カチオンまたはNH4 +、好ましくはアルカリ金属カチオン)
で示される含フッ素スルホン酸塩などがあげられる。
式(Eb1)を満たす含フッ素カルボン酸塩としては、たとえば、H(CF24COO-Li+、C49COO-Li+、C511COO-Li+、C613COO-Li+、C715COO-Li+、C817COO-Li+などがあげられる。また、式(Eb2)を満たす含フッ素スルホン酸塩としては、たとえば、C49SO3 -Li+、C613SO3 -Li+、C817SO3 -Li+などがあげられる。
電解質塩溶解用溶媒(Ib)の調製は、成分(Ab)〜(Cb)、さらに要すれば成分(Db)、成分(Eb)を混合し均一に溶解させることにより行うことができる。
つぎに電解質塩(IIb)について説明する。本発明で電解液(b)に用いる電解質塩(IIb)は、LiN(SO2CF32およびLiN(SO2252から選択される電解質塩(IIb−1)を少なくとも含んでいる。
本発明の電解液において、電解質塩(IIb)の濃度は0.5モル/リットル以上であり、好ましくは0.6モル/リットル以上、さらには0.8モル/リットル以上である。上限は、通常1.5モル/リットルである。
電解質(IIb−1)は、電解質塩の解離性、特に含フッ素エーテル(Ab)への溶解性の点で優れており、電解液(b)中の濃度は、0.4モル/リットル以上であり、好ましくは0.5モル/リットル以上、さらには0.6モル/リットル以上である。この電解質塩(IIb−1)を含有させることにより、電解液(b)のイオン伝導性を向上させることができる。上限は、通常1.3モル/リットルである。
本発明において、電解質(IIb−1)は単独で配合してもよいが、LiPF6およびLiBF4から選択される電解質塩(IIb−2)を併用するときは、さらにアルミニウム集電体やセル材金属への腐食防止という効果が得られる。併用する場合は、電解質塩(IIb−2)濃度は0.1モル/リットル以上、好ましくは0.15モル/リットル以上、さらには0.2モル/リットル以上である。
さらに併用する場合、電解質塩(IIb−1)濃度を0.4〜1.3モル/リットル、さらには0.5〜1.2モル/リットル、電解質塩(IIb−2)濃度を0.1〜0.5モル/リットル、さらには0.15〜0.4モル/リットルとし、電解質塩(IIb−2)濃度/(電解質塩(IIb−1)濃度+電解質塩(IIb−2)濃度)を0.1以上0.4以下、さらには0.15以上0.35以下とすることが、金属への腐食防止性に基づくサイクル特性、クーロン効率の改善効果、イオン伝導性に優れることから好ましい。
つぎに本発明の第二の態様における電気化学デバイスが備える電解液(b)の好ましい処方を具体的に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(処方b1)
(Ib)電解質塩溶解用溶媒
(Ab)含フッ素エーテル
種類:HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3またはCF3CF2CH2OCF2CFHCF3
配合量:30〜60体積%(溶媒(I)中の量。以下同様)
フッ素含有率:65〜70質量%
(Bb)環状カーボネート
エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート
配合量:3〜40体積%
(Cb)鎖状カーボネート
種類:ジエチルカーボネートまたはエチルメチルカーボネート
配合量:10〜67体積%
(Db)リン酸エステル
種類:含フッ素アルキルリン酸エステル
配合量:0〜10体積%
(IIb)電解質塩
電解質塩(IIb−1)
種類:LiN(SO2CF32またはLiN(SO2CF2CF32
濃度:0.5〜1.3モル/リットル
(処方b2)
(Ib)電解質塩溶解用溶媒
(Ab)含フッ素エーテル
種類:HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3またはCF3CF2CH2OCF2CFHCF3
配合量:30〜60体積%
フッ素含有率:65〜70質量%
(Bb)環状カーボネート
エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート
配合量:3〜40体積%
(Cb)鎖状カーボネート
種類:ジエチルカーボネートまたはエチルメチルカーボネート
配合量:10〜67体積%
(Db)リン酸エステル
種類:含フッ素アルキルリン酸エステル
配合量:0〜10体積%
(IIb)電解質塩
電解質塩(IIb−1)
種類:LiN(SO2CF32またはLiN(SO2CF2CF32
濃度:0.4〜1.3モル/リットル
電解質塩(IIb−2)
種類:LiPF6またはLiBF4
濃度:0.1〜0.5モル/リットル
(IIb−2)/{(IIb−1)+(IIb−2)}:0.1〜0.4
以上説明したような電解液(a)または電解液(b)を備える電気化学デバイスとしては、たとえば電解コンデンサー、電気二重層キャパシタ、イオンの電荷移動により充電/放電される電池、エレクトロルミネッセンスなどの固体表示素子、電流センサーやガスセンサーなどのセンサーなどがあげられる。
そのなかでも、正極、負極、セパレータおよび電解液(a)または電解液(b)を備えるリチウム二次電池が好適であり、特に、正極に使用する正極活物質が、コバルト系複合酸化物、ニッケル系複合酸化物、マンガン系複合酸化物、鉄系複合酸化物およびバナジウム系複合酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることがエネルギー密度の高く、高出力な二次電池となることから好ましい。
コバルト系複合酸化物としては、LiCoO2が例示され、ニッケル系複合酸化物としては、LiNiO2が例示され、マンガン系複合酸化物としては、LiMnO2が例示される。また、LiCoxNi1-x2(0<x<1)やLiCoxMn1-x2(0<x<1)、LiNixMn1-x2(0<x<1)、LiNixMn2-x4(0<x<2)、LiNi1-x-yCoxMny2(0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)で表されるCoNi、CoMn、NiMn、NiCoMnの複合酸化物でも良い。これらのリチウム含有複合酸化物は、Co、Ni、Mnなどの金属元素の一部が、Mg、Al、Zr、Ti、Crなどの1種以上の金属元素で置換されたものであってもよい。
また、鉄系複合酸化物としては、たとえばLiFeO2、LiFePO4が例示され、バナジウム系複合酸化物としては、たとえばV25が例示される。
正極活物質として、上記の複合酸化物のなかでも、容量を高くすることができる点から、ニッケル系複合酸化物またはコバルト系複合酸化物が好ましい。特に小型リチウム二次電池では、コバルト系複合酸化物を用いることはエネルギー密度が高い点と安全性の面から望ましい。
本発明において特にハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池に使用される場合は、高出力が要求されるため、正極活物質の粒子は二次粒子が主体となり、その二次粒子の平均粒子径が40μm以下で平均一次粒子径1μm以下の微粒子を0.5〜7.0体積%含有することが好ましい。
平均一次粒子径が1μm以下の微粒子を含有させることにより電解液との接触面積が大きくなり電極と電解液の間でのリチウムイオンの拡散をより早くすることができ出力性能を向上させることができる。
本発明で負極に使用する負極活物質は炭素材料があげられ、リチウムイオンを挿入可能な金属酸化物や金属窒化物などもあげられる。炭素材料としては天然黒鉛、人造黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、メソカーボンマイクロビーズ、炭素ファイバー、活性炭、ピッチ被覆黒鉛などがあげられ、リチウムイオンを挿入可能な金属酸化物としては、スズやケイ素を含む金属化合物、例えば酸化スズ、酸化ケイ素等があげられ金属窒化物としては、Li2.6Co0.4N等があげられる。
本発明に使用できるセパレータは特に制限はなく、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン2層フィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン3層フィルムなどがあげられる。
また、本発明で使用する電解液(a)および電解液(b)は、不燃性であることから、上記のハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池用の電解液として特に有用であるが、そのほか小型のリチウムイオン電池などの非水系電解液としても有用である。
つぎに、本発明の第一の態様について、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例で使用した各化合物は以下のとおりである。
成分(Aa)
(Aa):HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3
成分(Ba)
(Ba−1):エチレンカーボネート
(Ba−2):ビニレンカーボネート
成分(Ca)
(Ca):ジエチルカーボネート
成分(Da)
(Da):リン酸トリ2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル
電解質塩(IIa)
(IIa−1):LiPF6
(IIa−2):LiBF4
実施例1
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)を50/3/47体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を製造した。
実施例2
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)を50/10/40体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を製造した。
実施例3
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)を50/3/47体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiBF4(IIa−2)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を製造した。
実施例4
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)/リン酸トリ2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(Da)を50/3/45/2体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加えて25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を製造した。
実施例5
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)を60/5/35体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を製造した。
実施例6
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)を40/20/40体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を製造した。
実施例7
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)を40/15/45体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を製造した。
実施例8
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)を55/7/38体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を製造した。
実施例9
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/ビニレンカーボネート(Ba−2)/ジエチルカーボネート(Ca)を50/3/47体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を製造した。
実施例10
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/ビニレンカーボネート(Ba−2)/ジエチルカーボネート(Ca)を50/10/40体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を製造した。
比較例1
エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネートを10/90体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、比較用の電解液を製造した。
比較例2
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)を50/1/49体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、比較用の電解液を製造した。
比較例3
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)を70/10/20体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、比較用の電解液を製造した。
比較例4
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/ジエチルカーボネート(Ca)を50/50体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、比較用の電解液を製造した。
比較例5
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)を70/20/10体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、比較用の電解液を製造した。
比較例6
HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Aa)/エチレンカーボネート(Ba−1)/ジエチルカーボネート(Ca)を65/5/30体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIa−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、比較用の電解液を製造した。
試験例1(電解質塩の溶解性)
実施例1〜10および比較例1〜6でそれぞれ製造した電解液6mlを9ml容積のサンプル瓶に取り出し、25℃にて8時間静置して液の状態を目視で観察した。結果を表1に示す。
(評価基準)
○:均一溶液である。
△:電解質塩が析出する。
×:液が層分離する。
試験例2(低温安定性)
実施例1〜10および比較例1〜6でそれぞれ製造した電解液6mlを9ml容積のサンプル瓶に取り出し、−20℃の冷凍庫内に8時間静置した後の状態を目視で観察した。結果を表1に示す。
(評価基準)
○:均一溶液である。
△:電解質塩が析出する。
×:液が固化する。
Figure 0005206408
試験例3(イオン伝導率)
実施例1、2、4、5および比較例1、2、4でそれぞれ製造した電解液のイオン伝導率をつぎの方法で調べた。結果を表2に示す。
(試験方法)
交流4端子法にて、室温でイオン伝導率を測定した。インピーダンス測定装置は東陽テクニカ(株)製のSI1280Bを用い、周波数は104Hz〜101Hzの範囲で行った。
試験例4(充放電特性)
つぎの方法でコイン型リチウム二次電池を作製した。
(正極の作製)
LiCoO2とカーボンブラックとポリフッ化ビニリデン(呉羽化学(株)製。商品名KF−1000)を85/6/9(質量%比)で混合した正極活物質をN−メチル−2−ピロリドンに分散してスラリー状としたものを正極集電体(厚さ20μmのアルミニウム箔)上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5mmの円盤に打ち抜いて正極を作製した。
(負極の作製)
人造黒鉛粉末(テイムカル社製。商品名KS−44)に、蒸留水で分散させたスチレン−ブタジエンゴムを固形分で6質量%となるように加え、ディスパーザーで混合してスラリー状としたものを負極集電体((厚さ18μmのアルミニウム箔)上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5mmの円盤に打ち抜いて負極を作製した。
(セパレータの作製)
直径14mmのポリエチレン製のセパレータ(セルガード(株)製。商品名セルガード3501)に上記実施例または比較例で製造した電解液を含浸させてセパレータを作製した。
(コイン型リチウム二次電池の作製)
正極集電体を兼ねるステンレススチール製の缶体に上記正極を収容し、その上に上記セパレータを介して上記負極を載置し、この缶体と負極集電体を兼ねる封口板とを絶縁用ガスケットを介してかしめて密封し、コイン型リチウム二次電池を作製した。
(充放電試験)
つぎの充放電測定条件で50サイクル後の放電容量を測定した。評価は、比較例1の結果を100とした指数で行った。結果を表2に示す。
充放電電圧:2.5〜4.2V
充電:0.5C、4.2Vにて充電電流が1/10になるまで一定電圧を保持
放電:1C
試験例5(難燃性試験)
電解液の難燃性をつぎの方法で調べた。結果を表2に示す。
(サンプルの調製)
試験例4と同様にして作製した正極および負極をそれぞれ50mm×100mmの長方形に切り取り、これらでポリエチレン製のセパレータ(セルガード(株)製。商品名セルガード3501)を挟んで積層体とする。正極および負極に幅5mm長さ150mmのアルミニウム箔をリード線として溶接したのち、この積層体を上記実施例または比較例で製造した電解液に浸漬し、ついでラミネータで密封してラミネートセルを作製した。
(試験方法)
ラミネートセルについて、つぎの3種類の難燃性試験を行った。
[釘刺し試験]
4.3Vまでラミネートセルを充電したのち、直径3mmの釘をラミネートセルに貫通させて、ラミネートセルの発火・破裂の有無を調べた。評価は、発火(破裂)がない場合を○、発火(破裂)した場合を×とした。
[過充電試験]
10時間率でラミネートセルを24時間充電し、ラミネートセルの発火の有無を調べた。評価は、発火(破裂)がない場合を○、発火(破裂)した場合を×とした。
[短絡試験]
4.3Vまでラミネートセルを充電した後、正極と負極を銅線で短絡させ、ラミネートセルの発火の有無を調べた。評価は、発火(破裂)がない場合を○、発火(破裂)した場合を×とした。
Figure 0005206408
試験例6(着火試験)
実施例1、4および比較例1でそれぞれ製造した電解液の不燃性(着火しない性質)をつぎの方法で調べた。結果を表3に示す。
(サンプルの調製)
セルロース紙(幅15mm、長さ320mm、厚さ0.04mm)の短冊を上記実施例または比較例で製造した電解液に充分に浸漬したのち取り出し、サンプルとした。
(試験方法)
サンプルを金属製の台に固定し、サンプルの一端にライターの火を近づけ1秒間保持し、着火の有無を調べた。着火した場合は、サンプルが燃えた長さを測定した。試験は3回行い、平均値を採った。
Figure 0005206408
つぎに、本発明の第二の態様について、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例で使用した各化合物は以下のとおりである。
成分(Ab)
(Ab−1):HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3
(Ab−2):CF3CF2CH2OCF2CFHCF3
成分(Bb)
(Bb−1):エチレンカーボネート
(Bb−2):ビニレンカーボネート
成分(Cb)
(Cb−1):ジメチルカーボネート
(Cb−2):ジエチルカーボネート
(Cb−3):エチルメチルカーボネート
成分(Db)
(Db−1):リン酸トリ2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル
(Db−2):リン酸トリメチル
電解質塩(IIb−1)
(IIb−1−1):LiN(SO2252
(IIb−1−2):LiN(SO2CF32
電解質塩(IIb−2)
(IIb−2−1):LiPF6
(IIb−2−2):LiBF4
実施例11
成分(Ab)としてHCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(Ab−1)を、成分(Bb)としてエチレンカーボネート(Bb−1)を成分(Cb)としてジメチルカーボネート(Cb−1)を(Ab)/(Bb)/(Cb)が30/3/67体積%比となるように混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒に電解質(IIb−1)としてLiN(SO2252(IIb−1−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を製造した。
実施例12〜70
実施例11と同様にして、成分(Ab)、成分(Bb)、成分(Cb)、電解質塩(IIb−1)、さらには成分(Db)、電解質塩(IIb−2)として表4〜6に記載した各化合物を表4〜6に示す量で混合し、本発明の電解液を製造した。
比較例7
成分(Ab)を配合せずにエチレンカーボネート(Bb−1)/ジメチルカーボネート(Cb−1)を15/85体積%比で混合して、電解質塩溶解用溶媒を調製し、この電解質塩溶解用溶媒にLiPF6(IIb−2−1)を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、比較用の電解液を製造した。
比較例8〜14
実施例11と同様にして、成分(Ab)、成分(Bb)、成分(Cb)、電解質塩(IIb−1)、さらには成分(Db)、電解質塩(IIb−2)として表7に記載した各化合物を表7に示す量で混合し、比較用の電解液を製造した。
試験例7(電解質塩の溶解性)
実施例11〜70および比較例8〜14でそれぞれ製造した電解液6mlを9ml容積のサンプル瓶に取り出し、25℃にて8時間静置して液の状態を目視で観察した。結果を表4〜7に示す。
(評価基準)
○:均一溶液である。
△:電解質塩が析出する。
×:液が層分離する。
試験例8(低温安定性)
実施例11〜70および比較例8〜14でそれぞれ製造した電解液6mlを9ml容積のサンプル瓶に取り出し、−20℃の冷凍庫内に8時間静置した後の状態を目視で観察した。結果を表4〜7に示す。
(評価基準)
○:均一溶液である。
△:電解質塩が析出する。
×:液が固化する。
Figure 0005206408
Figure 0005206408
Figure 0005206408
Figure 0005206408
試験例9(イオン伝導率)
実施例11、13、18、19、23、24、28、33、38、39、43および比較例7、9でそれぞれ製造した電解液のイオン伝導率をつぎの方法で調べた。結果を表8および9に示す。
(試験方法)
交流4端子法にて、室温でイオン伝導率を測定した。インピーダンス測定装置は東陽テクニカ(株)製のSI1280Bを用い、周波数は104Hz〜101Hzの範囲で行った。
試験例10(充放電特性)
つぎの方法でコイン型リチウム二次電池を作製した。
(正極の作製)
LiCoO2とカーボンブラックとポリフッ化ビニリデン(呉羽化学(株)製。商品名KF−1000)を85/6/9(質量%比)で混合した正極活物質をN−メチル−2−ピロリドンに分散してスラリー状としたものを正極集電体(厚さ20μmのアルミニウム箔)上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5mmの円盤に打ち抜いて正極を作製した。
(負極の作製)
人造黒鉛粉末(テイムカル社製。商品名KS−44)に、蒸留水で分散させたスチレン−ブタジエンゴムを固形分で6質量%となるように加え、ディスパーザーで混合してスラリー状としたものを負極集電体((厚さ18μmのアルミニウム箔)上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5mmの円盤に打ち抜いて負極を作製した。
(セパレータの作製)
直径14mmのポリエチレン製のセパレータ(セルガード(株)製。商品名セルガード3501)に上記実施例または比較例で製造した電解液を含浸させてセパレータを作製した。
(コイン型リチウム二次電池の作製)
正極集電体を兼ねるステンレススチール製の缶体に上記正極を収容し、その上に上記セパレータを介して上記負極を載置し、この缶体と負極集電体を兼ねる封口板とを絶縁用ガスケットを介してかしめて密封し、コイン型リチウム二次電池を作製した。
(充放電試験)
つぎの充放電測定条件で50サイクル後の放電容量を測定した。評価は、実施例23の結果を100とした指数で行った。結果を表8および9に示す。
充放電電圧:2.5〜4.2V
充電:0.5C、4.2Vにて充電電流が1/10になるまで一定電圧を保持
放電:1C
試験例11(難燃性試験)
電解液の難燃性をつぎの方法で調べた。結果を表8および9に示す。
(サンプルの調製)
試験例10と同様にして作製した正極および負極をそれぞれ50mm×100mmの長方形に切り取り、これらでポリエチレン製のセパレータ(セルガード(株)製。商品名セルガード3501)を挟んで積層体とした。正極および負極に幅5mm長さ150mmのアルミニウム箔をリード線として溶接したのち、この積層体を上記実施例または比較例で製造した電解液に浸漬し、ついでラミネータで密封してラミネートセルを作製した。
(試験方法)
ラミネートセルについて、つぎの3種類の難燃性試験を行った。
[釘刺し試験]
4.3Vまでラミネートセルを充電したのち、直径3mmの釘をラミネートセルに貫通させて、ラミネートセルの発火・破裂の有無を調べた。評価は、発火(破裂)がない場合を○、発火(破裂)した場合を×とした。
[過充電試験]
10時間率でラミネートセルを24時間充電し、ラミネートセルの発火の有無を調べた。評価は、発火(破裂)がない場合を○、発火(破裂)した場合を×とした。
[短絡試験]
4.3Vまでラミネートセルを充電した後、正極と負極を銅線で短絡させ、ラミネートセルの発火の有無を調べた。評価は、発火(破裂)がない場合を○、発火(破裂)した場合を×とした。
Figure 0005206408
Figure 0005206408
試験例12(着火試験)
実施例43、58および比較例7でそれぞれ製造した電解液の不燃性(着火しない性質)をつぎの方法で調べた。結果を表10に示す。
(サンプルの調製)
セルロース紙(幅15mm、長さ320mm、厚さ0.04mm)の短冊を上記実施例または比較例で製造した電解液に充分に浸漬したのち取り出し、サンプルとした。
(試験方法)
サンプルを金属製の台に固定し、サンプルの一端にライターの火を近づけ1秒間保持し、着火の有無を調べた。着火した場合は、サンプルが燃えた長さを測定した。試験は3回行い、平均値を採った。
Figure 0005206408
試験例12(充放電特性)
試験例10と同様に正極、負極のスラリーを作製し、アルミニウム箔にブレードコーターにて50μm塗布した。これらの正極、負極にそれぞれリードをとりつけたのち、セパレータを介して対向させて巻き取ったものを、SUS304を材質とする外装缶に挿入、電解液を真空含浸したのちに封口し、直径18mm、高さ50mmの円筒型電池を作製した。安全性の差を明確にすべく、安全弁などの安全装置は付加しなかった。そして、つぎの充放電測定条件で50サイクル後の放電容量を測定した。評価は、比較例7の結果を100とした指数で行った。結果を表11に示す。
充放電電圧:2.5〜4.2V
充電:0.5C、4.2Vにて充電電流が1/10になるまで一定電圧を保持
放電:1C
試験例13(難燃性試験)
これらの円筒セルについて、つぎの釘刺し試験を行った。結果を表11に示す。
[釘刺し試験]
4.3Vまでラミネートセルを充電したのち、直径3mmの釘をラミネートセルに貫通させて、ラミネートセルの発火・破裂の有無を調べた。評価は、発火(破裂)がない場合を○、発火(破裂)した場合を×とした。
Figure 0005206408
本発明の電気化学デバイスによれば、低温でも相分離せず、また難燃性や耐熱性に優れ、電解質塩の溶解性が高く、放電容量が大きく、充放電サイクル特性に優れた電気化学デバイスを提供でき、安全で大型の電気化学デバイスの設計が容易になる。

Claims (22)

  1. (I)(A)式(1):
    Rf1−O−Rf2
    (式中、Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数3〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
    (B)環状カーボネート、ならびに
    (C)含フッ素エーテル(A)と環状カーボネート(B)の双方に相溶性の鎖状カーボネート
    を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
    (II)電解質塩
    を含み、
    電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を30〜60体積%、環状カーボネート(B)を3〜40体積%および鎖状カーボネート(C)を10〜67体積%含む電解液を備える電気化学デバイス。
  2. 式(1)で示される含フッ素エーテル(A)のフッ素含有率が55〜74質量%であり、式(1)中、Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数3または4の含フッ素アルキル基である請求の範囲第1項記載の電気化学デバイス。
  3. 環状カーボネート(B)が、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネートである請求の範囲第1項または第2項記載の電気化学デバイス。
  4. 電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を40〜60体積%、環状カーボネート(B)を5〜25体積%および鎖状カーボネート(C)を15〜55体積%含む請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の電気化学デバイス。
  5. 電池である請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の電気化学デバイス。
  6. (I)(A)式(1):
    Rf1−O−Rf2
    (式中、Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数3〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
    (B)環状カーボネート、ならびに
    (C)含フッ素エーテル(A)と環状カーボネート(B)の双方に相溶性の鎖状カーボネート
    を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
    (II)電解質塩
    を含み、
    電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を30〜60体積%、環状カーボネート(B)を3〜40体積%および鎖状カーボネート(C)を10〜67体積%含む電解液。
  7. (I)(A)式(1):
    Rf1a−O−Rf2a
    (式中、Rf1aおよびRf2aは同じかまたは異なり、いずれも炭素数3または4の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
    (B)エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート、ならびに
    (C)含フッ素エーテル(A)とエチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)の双方に相溶性の鎖状カーボネート
    を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
    (II)電解質塩
    を含み、
    電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を40〜60体積%、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)を3〜20体積%および鎖状カーボネート(C)を20〜57体積%含み、電解質塩(II)がLiPF6またはLiBF4であって、電解質塩濃度が0.8モル/リットル以上であるリチウム二次電池用電解液。
  8. 電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を40〜60体積%、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)を3〜15体積%および鎖状カーボネート(C)を31〜57体積%含み、電解質塩濃度が1.0モル/リットル以上である請求の範囲第7項記載のリチウム二次電池用電解液。
  9. 含フッ素エーテル(A)の沸点が90℃以上である請求の範囲第7項または第8項記載のリチウム二次電池用電解液。
  10. 含フッ素エーテル(A)が、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3である請求の範囲第7項〜第9項のいずれかに記載のリチウム二次電池用電解液。
  11. リン酸エステル(D)を電解質塩溶解用溶媒(I)中に3体積%以下含む請求の範囲第7項〜第10項のいずれかに記載のリチウム二次電池用電解液。
  12. リン酸エステル(D)が含フッ素アルキルリン酸エステルである請求の範囲第11項記載のリチウム二次電池用電解液。
  13. (I)(A)式(1):
    Rf1b−O−Rf2b
    (式中、Rf1bおよびRf2bは同じかまたは異なり、いずれも炭素数3〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
    (B)エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート、ならびに
    (C)含フッ素エーテル(A)とエチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)の双方に相溶性の鎖状カーボネート
    を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
    (II)電解質塩を含み、
    電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を30〜60体積%、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)を3〜40体積%および鎖状カーボネート(C)を10〜67体積%含み、電解質塩(II)がLiN(SO2CF32およびLiN(SO2252から選択される電解質塩(IIa)を少なくとも含み、かつ電解質塩(II)濃度が0.5モル/リットル以上であるリチウム二次電池用電解液。
  14. 式(1)で示される含フッ素エーテル(A)のフッ素含有率が55質量%以上74質量%以下であり、Rf1bおよびRf2bは同じかまたは異なり、いずれも炭素数3または4の含フッ素アルキル基である請求の範囲第13項記載のリチウム二次電池用電解液。
  15. さらに、LiPF6およびLiBF4から選択される電解質塩(IIb)を含み、電解質塩(IIb)濃度が0.1モル/リットル以上である請求の範囲第13項または第14項記載のリチウム二次電池用電解液。
  16. 電解質塩(IIa)濃度が0.4〜1.3モル/リットル、電解質塩(IIb)濃度が0.1〜0.5モル/リットルであり、電解質塩(IIb)濃度/(電解質塩(IIa)濃度+電解質塩(IIb)濃度)が0.1以上0.4以下である請求の範囲第15項記載のリチウム二次電池用電解液。
  17. 電解質塩(IIa)がLiN(SO2CF32である請求の範囲第16項記載のリチウム二次電池用電解液。
  18. 電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素エーテル(A)を40〜60体積%、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネート(B)を5〜25体積%および鎖状カーボネート(C)を15〜55体積%含む請求の範囲第13項〜第17項のいずれかに記載のリチウム二次電池用電解液。
  19. 含フッ素エーテル(A)の沸点が80℃以上である請求の範囲第13項〜第18項のいずれかに記載のリチウム二次電池用電解液。
  20. 含フッ素エーテル(A)が、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3およびCF3CF2CH2OCF2CFHCF3から選択される請求の範囲第13項〜第19項のいずれかに記載のリチウム二次電池用電解液。
  21. リン酸エステル(D)を電解質塩溶解用溶媒(I)中に10体積%以下含む請求の範囲第13項〜第20項のいずれかに記載のリチウム二次電池用電解液。
  22. リン酸エステル(D)が含フッ素アルキルリン酸エステルである請求の範囲第21項記載のリチウム二次電池用電解液。
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