JP5205607B2 - レゾルバ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、レゾルバ構造に関し、特に、輪状ステータから軸方向に沿って立設された各磁極歯の先端歯部を輪状非磁性体金属で覆うことにより、レゾルバの磁気効率を向上させるための新規な改良に関する。
従来、用いられていたこの種の各磁極歯を輪状ステータから軸方向に沿って立設した構成のレゾルバとしては、社内製作のみで、特に出願等は行っていないため、特許文献等は開示していないが、実際に製作していた構成としては、図6及び図7に示される構造を挙げることができる。
すなわち、図6及び図7において符号1で示されるものは輪状ステータであり、この輪状ステータ1の中心開口2の内縁3からは、この輪状ステータ1と一体でかつ軸方向Aに沿って立設された複数の磁極歯4が所定角度間隔で配設されている。
前記各磁極歯4にはボビン5が貫挿され、このボビン5から突出する部分は前記磁極歯4の先端である先端歯部6が形成されている。
前記各ボビン5の外周には、ステータ巻線7が巻回して設けられていると共に、前記各先端歯部6に対応する内側には輪状ロータ8が回転自在に配設されている。
従って、前述の輪状ロータ8は、周知のように、巻線を有しないコアのみで形成されると共に、その外周8aが非真円状に凹凸状に形成され、輪状ステータ1の内縁3との間のギャップパーミアンスが可変となるnXの軸倍角を有するVR(バリアブルリラクタンス)型のレゾルバを構成している。
従来のレゾルバは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、各磁極歯の先端歯部が何ら覆われてなく露出していたため、各先端歯部間の磁束の洩れ、あるいは、クロストーク等の発生により、レゾルバの磁気効率を高めることが困難で、高出力電圧化に限界があった。
また、各先端歯部が露出しているため、このレゾルバを、ロボット、車輌、工作機等に装着した場合、これらの内部の各種電子機器等から洩れる磁束が、外乱として悪影響を与えることもあった。
本発明によるレゾルバ構造は、板状に形成された輪状ステータの中心開口の内縁から軸方向に沿うと共に、前記内縁の所定角度間隔毎に立設された複数の磁極歯と、前記各磁極歯に設けられたステータ巻線と、前記各磁極歯の内側又は外側に回転自在に配設された輪状ロータと、を備え、前記各磁極歯の先端歯部を、非磁性材からなる輪状非磁性体金属で覆うようにしたレゾルバ構造において、前記輪状非磁性体金属は、筒体で形成され、かつ、前記各先端歯部の内周面又は外周面のみに当接している構成である。
本発明によるレゾルバ構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、板状に形成された輪状ステータの中心開口の内縁から軸方向に沿うと共に、前記内縁の所定角度間隔毎に立設された複数の磁極歯と、前記各磁極歯に設けられたステータ巻線と、前記各磁極歯の内側又は外側に回転自在に配設された輪状ロータと、を備え、前記輪状非磁性体金属は、筒体で形成され、かつ、前記各先端歯部の内周面又は外周面のみに当接していることにより、筒体形状のみでも、レゾルバの磁気効率を向上させることができ、防振性及び出力電圧の向上を得ることができる。
本発明によるインナロータ型のレゾルバ構造を示す断面図である。 図1の輪状非磁性体金属を示す平面図である。 図1の要部の断面図である。 本発明によるアウタロータ型のレゾルバ構造を示す断面図である。 図4の要部の断面図である。 従来のレゾルバ構造を示す斜視図である。 図6の断面図である。
本発明は、輪状ステータから軸方向に沿って立設された各磁極歯の先端歯部をその内周面又は外周面のみに当接した輪状非磁性体金属で覆うことにより、レゾルバの磁気効率を向上させるようにしたレゾルバ構造を提供することを目的とする。
以下、図面と共に本発明によるレゾルバ構造の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。また、図6の構成は、輪状非磁性体金属の構成を除いてはインナロータ型の図1の構成とは同一であるため、図6の斜視図の構成を本発明の説明に援用するものとする。
図1において、符号1で示されるものは板状体からなり輪状に形成された輪状ステータであり、この輪状ステータ1の中心開口2の内縁3からは、軸方向Aに沿って一体に立設された複数の磁極歯4が設けられている。
前記各磁極歯4の先端には先端歯部6が延設して形成され、各磁極歯4は、図1及び図6で示されるように、前記内縁3の円周に沿って所定角度毎に複数個(本形態では、8個構成)設けられている。
前記各磁極歯4には、筒状をなすボビン5が貫挿して設けられ、この各ボビン5の外周にはステータ巻線7が巻回して設けられている。
前記各先端歯部6の内側には、輪状をなすと共に図6の構成と同じ構成の輪状ロータ8が回転自在に配設されてインナロータ型のレゾルバ(図6と同じ構成)が形成され、前記各先端歯部6の外周面6bのみには、全体形状が筒形をなす輪状非磁性体金属21(図2に平面状態を示す)が設けられている。
前記輪状非磁性体金属21の外縁の輪状端面22は前記ボビン5のボビン端面5aに当接して位置決めされている。
従って、図1の構成において、輪状ロータ8が回転すると、前記先端歯部6と輪状ロータ8との間のギャップパーミアンスが変化し、前記輪状ロータ8の回転に応じた回転検出信号であるレゾルバ信号が前記ステータ巻線7の出力巻線(図示せず)から出力される。尚、図1の構成では、筒状の前記輪状非磁性体金属21により、磁束の洩れ及び外部からの磁束の外乱を防止することができる。
次に、図4の構成は、前述の図1の構成の他の形態であるアウタロータ型の構成を示しており、図1と同一部分には同一符号を付しその説明は省略し、図1とは異なる部分についてのみ説明する。
すなわち、アウタロータ型であるため、前記輪状ロータ8に前記先端歯部6の外周側にて回転自在に配設され、前記輪状非磁性体金属21は前記先端歯部6の内周面6cに当接した状態で挿入され、従って、前記輪状非磁性体金属21により、前述の図1の構成と同様の作用効果を得ることができる。
尚、図5に示す構成は、図4の輪状非磁性体金属21のみを示したもので、この輪状非磁性体金属21は、筒体のみで形成され、前記先端歯部6の内周面6cに挿入されている。
従って、図4の構成においては、前記輪状非磁性体金属21が先端歯部6の内周面6cのみを覆うように構成されている。
本発明によるレゾルバ構造は、機械装置用に限らず、車載用にも適用できる。
1 輪状ステータ
2 中心開口
3 内縁
4 磁極歯
5 ボビン
5a ボビン端面
6 先端歯部
6b 外周面
6c 内周面
7 ステータ巻線
8 輪状ロータ
21 輪状非磁性体金属
22 輪状端面

Claims (1)

  1. 板状に形成された輪状ステータ(1)の中心開口(2)の内縁(3)から軸方向(A)に沿うと共に、前記内縁(3)の所定角度間隔毎に立設された複数の磁極歯(4)と、前記各磁極歯(4)に設けられたステータ巻線(7)と、前記各磁極歯(4)の内側又は外側に回転自在に配設された輪状ロータ(8)と、を備え、
    前記各磁極歯(4)の先端歯部(6)を、非磁性材からなる輪状非磁性体金属(21)で覆うようにしたレゾルバ構造において、前記輪状非磁性体金属(21)は、筒体で形成され、かつ、前記各先端歯部(6)の内周面(6c)又は外周面(6b)のみに当接していることを特徴とするレゾルバ構造。
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