JP5204388B2 - アルミニウム合金押出材からなるエネルギー吸収部材 - Google Patents
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従って、本発明は、ダブルスキン形材を面板に垂直に圧縮する場合に、上下の面板が互いに反対方向にずれるような変形を起こすのを防止するとともに、高いエネルギー吸収量が安定して得られるようにすることを目的とする。
前記アルミニウム合金押出材において、互いに逆方向に傾斜したリブが同数ずつ形成されていることが望ましい。
本発明に係るアルミニウム合金押出材において、一方の面板から他方の面板に向かって伸び、かつ先端が両面板の中間位置に留まる縦リブを、前記傾斜したリブと面板の接合部の中間位置に形成することができる。
まず、図14(a)に示すアルミニウム合金押出材1は、従来のトラス構造のダブルスキン形材であり、一対の互いに平行な平板状の面板2,3と、その面板を接続する複数個の傾斜リブ4と、両端の縦リブ5が一体的に形成され、傾斜したリブ4の隣接するもの同士が互いに逆方向に対称的に傾斜し、押出方向に垂直な断面において、いずれか一方の面板2又は3と隣接する傾斜リブ4,4の間に略三角形断面の中空部6が形成されている。傾斜リブ4は両端の面板2,3との交点にR(フィレット)が形成されているほかは均等な厚さを有し、平板状である。図14(b)に示すように、傾斜リブ4の断面の中心(厚みの中心)を通るラインL0は、直線である。
また、図15に示すアルミニウム合金押出材7は、従来の別の形態のダブルスキン形材を示すもので、同じく一対の互いに平行な平板状の面板2,3と、その面板を接続する複数個の傾斜リブ4と、両端の縦リブ5が一体的に形成され、傾斜したリブ4の隣接するもの同士が互いに逆方向に対称的に傾斜し、押出方向に垂直な断面において、両面板1,2と隣接する傾斜リブ4,4の間に台形断面の中空部6が形成されている。
なお、アルミニウム合金押出材11において縦リブ15は、該アルミニウム合金押出材11を面板12,13に垂直に圧縮変形させたとき(後述する実施例参照)、最初のピーク荷重を制御(縦リブ15があれば最初のピーク荷重が高くなる)するために形成されたもので、本発明において必須ではない。
図2に示すアルミニウム合金押出材17では、全ての傾斜リブ14が面板12,13との接合部(リブの両端)を起点にして全体的に円弧状に湾曲し、矢印に示すように上向き(面板12の側)又は下向き(面板13の側)に張り出し、かつ隣接する傾斜リブ14,14において張り出し方向は互いに逆向きとなっている。
図3に示すアルミニウム合金押出材18では、全ての傾斜リブ14が面板12,13との接合部(リブの両端)を起点にして全体として円弧状に湾曲し、矢印に示すように上向き(面板12の側)又は下向き(面板13の側)に張り出し、かつ領域A(左半分)において隣接する傾斜リブ14,14の張り出し方向は互いに逆向き、領域B(右半分)において全ての傾斜リブ14が上向き(面板12の側)となっている。領域Aの傾斜リブ14の張り出し形態はアルミニウム合金押出材11と同一、領域Bの傾斜リブ14の張り出し形態はアルミニウム合金押出材17と同一である。
なお、アルミニウム合金押出材11,17,18のように傾斜リブ14を張り出させるには、押出形状をそのようにしてもよいし、あるいは図14,15に示す断面形状に押し出した後、傾斜リブ14に変形を加えて張り出させてもよい。
図4に示すアルミニウム合金押出材19において、傾斜リブ14は中央部で屈曲してくの字形をなし、上向きに(面板12の側に)張り出している。傾斜リブ14の断面の中心(厚みの中心)を通るラインL2も屈曲し、上向きに(面板2の側に)張り出している。なお、図4においてポイント22,23は傾斜リブ14と面板12,13との接合部の中心であり、ラインLsはポイント22,23をつなぐ直線であり、ラインLsと比較することで、ラインL2が上向きに(面板2の側に)張り出していることが理解される。
図5に示すアルミニウム合金押出材20において、傾斜リブ14は中央部の面板13側に凹部24が形成された形で薄肉化され、これにより傾斜リブ14の断面の中心(厚みの中心)を通るラインL3が、中央部において上向きに(面板12の側に)張り出している。
図6に示すアルミニウム合金押出材21において、傾斜リブ14は中央部の面板12側に凸部25が形成された形で厚肉化され、これにより傾斜リブ14の断面の中心(厚みの中心)を通るラインL4が、中央部において上向きに(面板12の側に)張り出している。
なお、図1〜6に傾斜リブ14の種々の張り出し形態を示したが、傾斜リブ14の張り出し形態は、上記の例に限られない。いずれにしても傾斜したリブの断面の中心を通るラインがいずれかの面板の側に張り出していることにより、面板に垂直方向に圧縮荷重を掛けて押し潰したとき、圧壊の過程で傾斜リブ14がそれぞれ張り出した方向に折れ曲がり、所定の作用効果を奏することができる。
アルミニウム合金押出材26は、一対の互いに平行な平板状の面板12,13と、その面板を接続する複数個の傾斜リブ14と、両端の縦リブ15が一体的に形成され、傾斜リブ14は、全て上向きに(面板12の側に)張り出している。
これまでの例(アルミニウム合金押出材11等)では、隣接するもの同士が互いに逆方向に対称的に傾斜していたが、この例ではそこまでの規則性はない。ただし、互いに逆方向に傾斜した傾斜リブ14が同数(4つ)ずつ形成されている点は同じである。このように互いに逆方向に傾斜したリブを同数ずつ形成することにより、アルミニウム合金押出材を面板に垂直に圧縮変形させたとき(後述する実施例参照)、面板が左右にずれにくくなっている。
図9(b)に示すアルミニウム合金押出材29は参考例で、アルミニウム合金押出材7の断面形状を基本とし、傾斜リブ14がそれぞれ矢印に示すように上向きに(面板12の側に)張り出し、さらに面板13から他方の面板12に向かって垂直に伸びる縦リブ31が形成されている。この縦リブ31は、傾斜リブ14と面板12の接合部の中心(間隔の広い側の中心)に形成され、アルミニウム合金押出材29の厚さの中間の位置まで伸びている。
圧縮試験の変位−荷重線図を図11に、変位20mmまでのエネルギー吸収量を図12に、変位10mmでの供試材の外観図を図13に示す。その結果をまとめると次のようになる。
(2)図11に示されるように、パターンA,B,ABでは、変位10mm付近で荷重が増加し、変位12mmまでに第2のピークが認められ、そのピーク荷重は比較例の初期ピーク荷重とほぼ同等であった。図13に示すように、パターンA,B,ABでは全ての傾斜リブが湾曲させた方向に折れ曲がるとともに、折れ曲がった傾斜リブの一部が両面板に対し略垂直に向き、これにより見かけ上の縦リブが形成され、さらに荷重が上昇したものと考えられる。
(3)第2のピーク以降、パターンBはほぼ一定荷重を保持し、パターンA,ABは荷重がさらに上昇して変位21mm付近で第3のピークが認められた。図13に示すように、パターンA,ABでは見かけ上の縦リブの間隔が狭く、ここに見かけ上の三角形の中空部が形成されたことにより、さらに荷重が上昇したものと考えられる。
(4)変位20mmまでのエネルギー吸収量は、図12に示すように、パターンA,B,ABが比較例より高く、パターンA,ABでは約2倍であった。
また、種々の形態の変位−荷重線図を得ることができ、例えば所定の圧縮変形を与えることにより初期ピークより高い第2,第3のピーク荷重を得ることも可能であるから、押出方向の一部を必要に応じて予め圧縮変形させることにより、長さ方向に異なる耐圧強度で、しかも圧縮変形前より強度が低下しない部材を得ることができる。この特性は、例えばアルミニウム押出材から構成される自動車のフロアの製造に利用することができる。
2,3,12,13 面板
4,14 傾斜リブ
5,15,31 縦リブ
Ls,L1〜L4 リブの断面の中心を通るライン
Claims (7)
- 一対の互いに平行な面板の間にその面板を接続する複数個の傾斜したリブが一体的に形成され、前記傾斜したリブの隣接するもの同士が互いに逆方向に傾斜し、いずれか一方の面板と隣接する2個の傾斜したリブにより略三角形断面の中空部が複数個形成されたアルミニウム合金押出材において、前記傾斜したリブの断面の中心を通るラインがいずれかの面板の側に張り出していることを特徴とするアルミニウム合金押出材。
- 前記傾斜したリブが湾曲又は屈曲していずれかの面板の側に張り出していることを特徴とする請求項1に記載されたアルミニウム合金押出材。
- 前記傾斜したリブの中央部が薄肉化され、これにより前記傾斜したリブの断面の中心を通るラインがいずれかの面板の側に張り出していることを特徴とする請求項1に記載されたアルミニウム合金押出材。
- 前記傾斜したリブの断面の中心を通るラインが、全てのリブにおいて同じ面板の側に張り出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されたアルミニウム合金押出材。
- 前記傾斜したリブの断面の中心を通るラインが、隣接するリブにおいて互いに逆向きに張り出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されたアルミニウム合金押出材。
- 一方の面板から他方の面板に向かって垂直に伸び、かつ先端が両面板の中間位置に留まる縦リブが、前記傾斜したリブと面板の接合部の中間位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載されたアルミニウム合金押出材。
- 両面板を接続する縦リブが断面の両端に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載されたアルミニウム合金押出材。
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