JP5203885B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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また、防漏壁の着用者へのフィット性を高める為に、中空のループ形状の防漏壁を設けることもれている(引用文献1参照)。
しかし、従来の中空ループ形状の防漏壁は、柔軟である反面、着用中に着用者の体圧を受けて押し潰され易く、押し潰される程度が大きいと、良好な横漏れ防止性やフィット性が損なわれる場合がある。
他方、中空ループ形状の防漏壁を硬くして潰れにくくした場合には、肌触り等の装着感が悪化する。
しかし、その吸収性物品における立体ギャザーは、いずれも中空のループ形状の防漏壁を形成するものではなく、また、2組の立体ギャザー同士が互いの起立性を向上させるものでもない。
本実施形態の生理用ナプキン1は、図1に示すように、生理用ナプキン1の長手方向に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。従って、以下には、主として生理用ナプキン1の図1中右側の構成について詳述し、左側の構成については、適宜説明を省略する。右側の構成要素に対応する左側の構成要素には、符号にダッシュ(’)を付してある。
防漏壁6,6’それぞれは、伸縮性シート61(防漏壁形成用のシート材)が、吸収体4の肌当接面上に固定されて形成された上方固定端6aと、該伸縮性シート61が、該上方固定端6aより裏面シート3側に位置する部位に固定されて形成された下方固定端6bとを有しており、生理用ナプキン1の幅方向における防漏壁6,6’それぞれの外方に、各防漏壁6,6’の下半部に面接するように起立した支持壁7,7’(一方のみ図示)を有している。
生理用ナプキン1は、図2に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性又は撥水性の裏面シート3、及び該両シート間2,3に位置する吸収体4を有している。表面シート2、裏面シート3及び吸収体4は、積層一体化されて吸収性本体5を構成している。防漏壁6,6’それぞれは、吸収性本体5の長手方向の両側部5a,5a’に、伸縮性シート61を接合して形成されている。吸収体4は、下部吸収層42と、該下層吸収層42上に積層された小型の上部吸収層41とを有する。
生理用ナプキン1は、実質的に縦長の形状を有している。実質的に縦長の形状は、ウイング部を除いた部分が縦長であれば良い。
生理用ナプキン1は、その長手方向における中央部より前寄りの位置に一対のウイング部8,8’を有している。ウイング部8,8’それぞれの裏面には、該ウイング部8,8’を、ショーツのクロッチ部の非肌対向面に固定するための粘着部(図示せず)が形成されている。
排泄部領域Aは、吸収性物品(生理用ナプキン1)の幅方向中央部に、着用者の液排泄部(膣口)が対向配置される部位である。本実施形態の生理用ナプキン1のように、ウイング部8,8’を有する吸収性物品における排泄部領域Aは、通常、吸収性物品(生理用ナプキン1)の長手方向においてウイング部8,8’を有する領域である。
後方領域Bは、吸収性物品(生理用ナプキン1)の長手方向において、排泄部領域Aと後端部Dとの間に位置する部位である。本実施形態の生理用ナプキン1のように、ウイング部8,8’を有する吸収性物品における後方領域Bは、吸収性物品(生理用ナプキン1)の長手方向においてウイング部8,8’を有する領域Aに隣接してその後方に位置する長さ7cm程の領域である。
後方領域Bにおける伸縮性シート61は、図2に示すように、長手方向の一側縁部6d(側縁6cから所定幅の部分)が、図示しない接着剤を介して吸収体4の肌当接面側、より詳細には吸収体4の肌当接面側を被覆する表面シート2上に接合されている。上述した上方固定端6aは、伸縮性シート61における、吸収体4の肌当接面側に接合されている部分6dの端であり、防漏壁6の幅方向の一端である。
また、後方領域Bにおける伸縮性シート61は、図2に示すように、長手方向の他側縁部6f(側縁6eから所定幅の部分)が、図示しない接着剤を介して吸収体4の非肌当接面側に接合されている。上述した下方固定端6bは、伸縮性シート61における、吸収体4の肌当接面側及び/又は裏面シート3の肌当接面側に接合されている部分6fの端であり、防漏壁6の幅方向の他端である。伸縮性シート61の両側縁部6d,6fの固定方法としては、任意の接合手段を用いることができ、例えば、ヒートシール、超音波シール、高周波シール、これらと接着剤との組み合わせ等を用いることもできる。
支持壁7,7’それぞれは、支持壁形成用のシート材71を、裏面シート3における、吸収体4の側縁より外方に延出した延出部31に固定して形成されている。
支持壁形成用のシート材71は、裏面シート3の延出部31に接合されている非起立部分7aと、延出部31から離れて、防漏壁6,6’の外面に沿うように起立している起立部分7bとを有している。シート材71は、吸収性本体5及びナプキン1の長手方向と同方向に長い形状を有しており、実質的に非伸長性の2枚のシート72,73が、両者間に複数本の弾性部材74を伸長状態で挟んだ状態で、ホットメルト型接着剤等の接着剤を介して貼り合わされてなる。弾性部材74は、長手方向の一側縁7cから所定幅の部分に偏在しており、起立部分7bのみに配されている。2枚のシート72,73は、同形同大である。各シート材71に配された複数本の弾性部材74は、相互間に間隔を設けて配されており、複数本の弾性部材74に亘る部分が、防漏壁6,6’の外面に面接している。2枚のシート72,73は、一方又は双方が不織布からなることが好ましい。シート62,63の一方又は双方、2枚のシート72,73の一方又は双方を不織布以外の材料から形成する場合の該材料としては、樹脂フィルム、ポリウレタン製のシート等が挙げられる。2枚のシート72,73も、何れか一方又は両方が撥水性又は液不透過性であることが好ましい。
しかも、図4に示すように、着用者の肌Sからの圧力を受けて、防漏壁6,6’が大きく押し潰されても、防漏壁6,6’の下半部を、支持壁7,7’が面接して支持しているため、防漏壁6,6’の押し潰される程度が適度に抑制され、また、押し潰す力から開放されたときに、防漏壁6,6’が、図2に示すような元の状態に容易に復帰する。これにより、良好なフィット性が安定的に維持され、優れた漏れ防止性が得られる。また、支持壁7,7’も、上述したようなシート材71から構成することにより、着用者に違和感を与えることも防止することができる。
本実施形態の生理用ナプキン1においては、後方領域Bにおける防漏壁6,6’の外側に支持壁7,7’に設けてあるため、このような不都合を効果的に防止することができる。このように、少なくとも後方領域Bにおける防漏壁6,6’を、支持壁7,7’により支持させることが好ましい。
排泄部領域Aにも支持壁7,7’を設けることで、ナプキン1の長手方向における広い範囲において防漏壁のフィット性を向上させることができる。
排泄部領域Aと後方領域Bとで、いずれの起立基端7dが、吸収性物品の幅方向の外方に位置するかは、吸収体4の長手方向の側縁43(図3参照)から起立基端7dまでの距離L1の大小で判断する。排泄部領域Aにおける、吸収体側縁43と起立基端7dとの間の距離L1(図3参照)は、後方領域Bにおける、吸収体側縁と起立基端7dとの間の距離L1(図2参照)より2〜30mm、特に5〜15mmが大きいことが好ましい。尚、起立基端7dが、吸収体4の側縁43より中央線CL側に位置する場合には、前記距離L1はゼロとする。
また、防漏壁6,6’の下方固定端6bから支持壁7,7’の上端7cまでの高さH1は、該下方固定端6bから該防漏壁6,6’の上端6Sまでの高さH2の10〜50%、特に30〜40%であることが、防漏壁6,6’の潰れた状態からの回復性の向上及び防漏壁6,6’のナプキン幅方向内方への倒れ込み防止の点から好ましい。
上記表面シート2、上記裏面シート3及び上記吸収体4としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来用いられているもの等を、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、液透過性の不織布や、開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート3としては、樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。吸収体4としては、パルプ等の繊維材料の繊維集合体又はこれに高吸収性ポリマーを担持させたものからを、ティッシュペーパーや透水性の不織布等の被覆材で包んでなるもの等を用いることができる。
例えば、上述した生理用ナプキン1における防漏壁6,6’の下方固定端6bは、図2に示すように、伸縮性シート61の長手方向の一側縁部6fを、吸収体4と裏面シート3の間において吸収体4に固定して形成されていたが、図6に示すように、伸縮性シート61の長手方向の一側縁部6fを、ナプキン1の幅方向の外方に向かうように折り曲げた状態で、裏面シート3の延出部31等に固定して形成されていても良い。
また、防漏壁6,6’の下方固定端6bは、図7に示すように、伸縮性シート61の長手方向の一側縁部6fが、吸収体4上ではあるが、上方固定端6aよりも下方に位置する部位に固定されて形成されていても良い。また、防漏壁6,6’の下方固定端6bは、図8に示すように、伸縮性シート61の長手方向の一側縁部6fが、吸収体4の側面に固定されて形成されていても良い。
また、上述した生理用ナプキン1における上方固定端6aは、伸縮性シート61の長手方向の一側縁部6dを、吸収体4の肌当接面側の面を被覆する表面シート2上に接合して形成されていたが、これに代えて、該一側縁部6dを、吸収体4の肌当接面側の面に直接接合することもできる。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 吸収性本体
6,6’ 防漏壁
61 伸縮性シート
6a 上方固定端
6b 下方固定端
7,7’ 支持壁
8,8’ ウイング部
9,9’ 防漏溝
A 排泄部領域
B 後方領域
CL 生理用ナプキンの長手方向に延びる中心線
Claims (3)
- 表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に位置する吸収体を有する実質的に縦長の吸収性物品であって、
吸収性物品の長手方向の両側それぞれに中空ループ状の防漏壁を有し、該防漏壁は、防漏壁形成用のシート材が前記吸収体の肌当接面側に固定されて形成された上方固定端と、該シート材が該上方固定端より前記裏面シート側に位置する部位に固定されて形成された下方固定端とを有しており、
吸収性物品の幅方向における前記防漏壁それぞれの外方に、該各防漏壁の下半部に面接するように起立した支持壁を有しており、
前記支持壁が、排泄部領域、及び該排泄部領域と後端部との間に位置する後方領域に形成されており、前記排泄部領域における該支持壁の高さが、前記後方領域における該支持壁の高さより低い、吸収性物品。 - 前記防漏壁の前記下方固定端から前記支持壁の上端までの高さH1が、該下方固定端から該防漏壁の上端までの高さH2の10〜50%である、請求項1記載の吸収性物品。
- 前記支持壁は、前記防漏壁に沿って起立する起立部分と、屈曲部を介して該起立部分に連設され、前記裏面シートに接合された非起立部分とからなる、請求項1又は2記載の吸収性物品。
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