JP4392937B2 - 生理用ナプキン - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィット性及び液漏れ防止性に優れた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
弾性部材を伸張させその収縮力によって吸収性物品の表面を凸型形状とし、着用者の身体へのフィット性を向上させようとする吸収性物品が提案されている。例えば、特表平9−507033号公報には、衛生ナプキンにおける吸収コアの非肌当接面側に、ナプキン幅方向に伸張させた状態の弾性部材を固定し、該弾性部材の収縮によりナプキンの表面を凸型形状とした技術が開示されている。このナプキンにおいては、吸収コアのみで凸型形状を形成している。着用者の動きに対して吸収コア自身が凸型形状を安定に保つ為には、吸収コアの剛性を高くすることが必要である。しかし、剛性が高過ぎてしまうと、着用者の身体への吸収コアの追随性が悪くなり、フィット性が低下してしまう。即ち、吸収コア自身で凸型形状を安定に保つことと、着用者の身体への追随性を向上させることは、相反する事象となる。
【0003】
特開平11−313851号公報には、吸液性コアの非肌当接面側に、該吸液性コアよりも高い曲げ剛性を有する裏打ちシートを配し、該裏打ちシートと弾性部材とを組み合わせて、吸収性物品の内部に逆V字型の空間を形成した生理用ナプキンが開示されている。前記裏打ちシートは、不織布、プラスチックフィルム、開孔プラスチックフィルム等のシート材料からなり、吸液性コアよりも剛性の高いものである。従って、該裏打ちシートを用いれば前記空間は形成可能となるが、これと同時に高い剛性はシートの柔軟性や可撓性を低下させる原因ともなる。その結果、着用者の排泄部とナプキンとの間に隙間が出来易くなったり、或いはナプキンの装着感が悪化し易くなってしまう。
【0004】
また、前記ナプキンは、その両側部に、弾性部材が取り付けられた防漏カフを有し、幅方向断面形状がW字形を呈している。しかし、該弾性部材は、防漏カフの自由端部にのみ取り付けられているので、着用者の動きによって防漏カフがナプキンの幅方向内方に伏倒してフィット性が低下し易くなる。その結果、液の受容領域が減少し、液漏れが起こり易くなる。
【0005】
従って、本発明は、着用者の動きに対し常に排泄部にフィットして液漏れを効果的に防止し得る吸収性物品を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、液透過性の表面層、液不透過性の裏面層及び該表面層と該裏面層との間に介在する液保持性の吸収層を有する生理用ナプキンにおいて、
前記吸収層と前記裏面層との間に折曲回復性を有する隆起部形成シートが配されており、
該隆起部形成シートは、熱可塑性樹脂からなる不織布から構成された同種又は異種の二枚のシートを含み、該隆起部形成シートは坪量が30〜500g/cm 2 であり、
折曲のための可撓軸が生理用ナプキンの長手方向に沿って複数形成されるように該隆起部形成シートにエンボス加工が施されて、前記二枚のシートが多数の密着部によって接合されていると共に該密着部の間に両者が離間した非密着部が存しており、
該隆起部形成シートの両側部が、幅方向に伸張された状態の隆起部形成弾性部材にそれぞれ固定され、該隆起部形成弾性部材の収縮状態において前記隆起部形成シートが前記表面層側に隆起して前記生理用ナプキンの幅方向略中央部に凸状の隆起部が形成されており、
また、前記生理用ナプキンの両側縁部に防漏部がそれぞれ形成されており、該防漏部は該生理用ナプキンの両側縁部から略上方に立ち上がった防漏壁と、該防漏壁に連設され且つ該生理用ナプキンの幅方向の外方に向かって略水平ないし斜め上方に延びる略平面状の防漏面とを有している生理用ナプキンを提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の一実施形態としての生理用ナプキンを、トップシート側から見た平面図が示されており、図2には、図1におけるII−II線断面図が示されている。
【0008】
図1に示す生理用ナプキン1は、縦長の形状をしており、液透過性の表面層を構成するトップシート2、液不透過性の裏面層を構成するバックシート3及びトップシート2とバックシート3との間に介在する液保持性の吸収層4を有している。バックシート4の外面には、ナプキン1を着用者の着衣に固定するための粘着剤層9,9が形成されている。以上の部材としては、従来のナプキンに用いられているものと同様のものを用いることができる。
【0009】
吸収層4とバックシート3との間には、矩形状の隆起部形成シート5が配されている。隆起部形成シート5は、ナプキン1の長手方向中央部よりも前方に偏倚した位置に配されている。隆起部形成シート5は、吸収層4の下面に当接しており、吸収層4の下面に間欠的に接合固定されている。隆起部形成シート5の下面における左右両側部は、同様に矩形状のシートからなる隆起部形成弾性部材6の上面における左右両側部に接合固定されている。隆起部形成弾性部材6の下面における左右両側部は、バックシート3の上面にそれぞれ接合固定されている。この接合位置は、隆起部形成シート5と隆起部形成弾性部材6との接合位置にほぼ対向している。隆起部形成弾性部材6は、その幅方向に伸張された状態で隆起部形成シート5に接合固定されている。また隆起部形成弾性部材6は、その自由状態(弛緩状態)でバックシート3と接合固定されている。更に、隆起部形成シート5と隆起部形成弾性部材6との接合位置において、これらの部材と共に吸収層4及びトップシート2が、一体的に接合固定されていると共に圧密化されている。そして、本実施形態のナプキン1においては、その自由状態(弛緩状態)において、隆起部形成弾性部材6が収縮した状態となっており、これによって隆起部形成シート5がトップシート2側に隆起する。その結果、ナプキン1の幅方向略中央部で且つ長手方向中央部よりも前方に偏倚した位置に、凸状の隆起部7が形成されている。
【0010】
隆起部7は、着用者の排泄部にフィットし得る形状であれば、その形状に特に制限はなく、例えば逆U字状及び逆V字状等の形状が挙げられる。
【0011】
隆起部形成シート5としては、隆起部7の凸状形状を安定的に保持し得るものが好ましく用いられる。例えば、熱可塑性樹脂からなる不織布や発泡体等が挙げられる。該不織布は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン等の合成樹脂からなる繊維、及びこれらの樹脂の二種の組み合わせからなる芯鞘型やサイド・バイ・サイド型の複合繊維等から構成される。また該発泡体は、ポリエチレン、酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリブタジエン等から構成される。
【0012】
隆起部形成シート5は、適度な剛性、折曲回復性及び柔軟性を有していることが好ましい。隆起部形成シート5にこのような特性を付与する方法としては、前述した樹脂から構成される不織布又は発泡体に、熱エンボス等を用いて部分的に熱圧縮成形を施せばよい。特に、折曲に対する可撓軸が隆起部形成シート5の長手方向に沿って形成されるように、前記熱圧縮成形を施すことが好ましい。
【0013】
前記熱圧縮成形のパターンとしては、図3(a)に示す直線状パターン、図3(b)に示す波線状パターン等が好ましく例示されるが、これらに限られるものではない。
【0014】
特に、図2に示すように、隆起部形成シート5が、同種又は異種の二枚のシート5a,5bから構成されており、両シート5a,5bが多数の密着部51によって接合されていると共に該密着部51の間に両者が離間した非密着部52が存するシートを用いることが、剛性、折曲回復性及び柔軟性が一層良好になる点から好ましい。このような隆起部形成シート5は、例えばスチールマッチエンボス加工によって製造できる。更に、図2に示す隆起部形成シート5において、両シート5a,5b間にこれらのシートと異種のシートが介在しており、密着部51においては三者が密着して圧密化状態となっており、非密着部52においては三者が非圧密化状態となっているシートを用いることも好ましい。
【0015】
適度な剛性、折曲回復性及び柔軟性を有する隆起部形成シート5としては、前述のものの他に、二次元状又は三次元状に捲縮した芯鞘型やサイド・バイ・サイド型の複合繊維をエアレイド法により堆積させて繊維ウエブを形成し、該繊維ウエブにおける構成繊維の交絡点を熱風によって融着させて形成されたサクションヒートボンド不織布も好ましく用いられる。このサクションヒートボンド不織布を構成する前記複合繊維は、5〜15mm程度の短繊維であることが好ましい。
【0016】
隆起部形成シート5は、その坪量が30〜500g/m2 、特に50〜300g/m2 であることが、隆起部7の凸状形状の保持、及び着用者の身体への隆起部7のフィット性向上の点から好ましい。また、隆起部形成シート5は、その厚みが490Pa(5gf/cm2 )荷重下において0.3〜5mm、特に0.5〜3mmであることが、隆起部7の安定形成、装着中のナプキン1の違和感防止、隆起部7の可撓性及び柔軟性の点で好ましい。
【0017】
隆起部形成シート5は、その曲げ剛性が2×10-3〜5×10-2gf・cm2 /cm、特に3×10-3〜2×10-2gf・cm2 /cmであることが、隆起部7の安定形成、装着中のナプキン1の違和感防止、隆起部7の可撓性及び柔軟性、並びに装着中のナプキン1の身体への追随性の点で好ましい。
【0018】
更に、隆起部形成シート5は、その折曲回復力が、1×10-3〜2.5×10-2gf・cm/cm、特に2×10-3〜2×10-2gf・cm/cmであることが、装着中に着用者の歩行等の動作に起因してナプキン1の幅方向から圧縮が加わった場合に身体への追随性が良好になる点、及び装着中のナプキン1の違和感を防止する点から好ましい。
【0019】
前記曲げ剛性及び前記折曲回復力は次のように測定される。測定にはカトーテック製のKES−FB2(商品名)を用いる。隆起部形成シート5を、吸収性物品の長手方向に相当する方向に長さ20mm、吸収性物品の幅方向に相当する方向に40mm切りだし、測定サンプルとする。測定サンプルの長手方向(20mm)の両サイドをチャックに固定し(チャック間距離約1cm)、曲率加速度(曲げ変形速度)0.5cm-1/secで、曲率2.5cm-1まで曲げ変形させた後、同じ速度で元の状態に回復させる。曲げ変形時における曲率0.5cm-1時の曲げモーメントM1及び曲率1.5cm-1時の曲げモーメントM2を求め、曲率0.5cm-1から曲率1.5cm-1まで変形するのに要する曲げモーメントを以下の式(1)から求め、この値を曲げ剛性とする。
曲げ剛性=M2−M1 (1)
折曲回復力は次のように測定される。曲げ剛性と同様の測定法にて、前記測定サンプルを曲率2.5cm-1まで曲げ変形させた後、元の状態に回復させる過程で曲率1.5cm-1まで回復した時の曲げ回復モーメントM3を求める。この値を折曲回復力とする。
【0020】
隆起部形成弾性部材6は、伸縮可能な材料から構成されている。該材料としては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、エチレンと1−オクテンとの共重合体等のエチレン−αオレフィン共重合体、エチレンとアクリル酸エチルとの共重合体等が挙げられる。
【0021】
隆起部形成弾性部材6は、前記材料から構成されたフィルム、不織布、織布等であり得る。また、前記材料から構成された複数本の糸状体又は狭幅の帯状体を、ナプキン1の幅方向と平行に所定間隔を置いて又は間隔を置かずに配列したものであってもよい。
【0022】
隆起部形成弾性部材6と隆起部形成シート5とは、両者の両側部の位置において互いに接合固定されており、その他の位置においては固定されていない。隆起部形成弾性部材6と隆起部形成シート5との固定間隔は、隆起部形成弾性部材6を伸張させたときの最大長さで15〜70mm、特に30〜60mmであることが、着用者の排泄部に適切にフィットするのに十分な高さの隆起部7が形成される点から好ましい。前記最大長さとは、隆起部形成シート5に、隆起形成弾性部材6を固定する間隔であり、隆起形成弾性部材6が収縮した状態での距離ではなく、隆起形成弾性部材6を伸張させて隆起部形成シート5に固定するときの固定間隔を意味している。
【0023】
隆起部形成弾性部材6と隆起部形成シート5との固定方法としては、ホットメルト接着剤を用いた接合のほか、超音波シールやヒートシールなどが挙げられる。
【0024】
特に好ましくは、後述する防漏溝を形成するのと同時に、トップシート2、吸収層4、隆起部形成シート5及び隆起部形成弾性部材6を、熱エンボス加工によって一体的に接合固定することが、製造工程の簡略化の点から好ましい。これと共に、図2に示すように、隆起部形成弾性部材6は、その下面側における左右両側部が、ホットメルト接着剤8,8によってバックシート3に接合固定されている。また、バックシート3の外面には前述の通り粘着剤層9,9が形成されている。粘着剤層9は、ナプキン1の長手方向に延びる帯状の形状をしており、二本形成されている。粘着剤層9,9は、隆起部の頂部が位置するナプキン1の幅方向の中央部には設けられていないことが好ましい。ナプキン1の幅方向の中央部における粘着剤層の形成されていない領域の幅、即ち粘着剤層9,9の幅方向内側縁同士の間隔は5〜40mm、特に10〜25mmであることが好ましい。隆起部形成弾性部材6の接合状態、及び粘着剤層9,9の形成パターンをこのようにすることによって、着用者の排泄部に適切にフィットするのに十分な高さの隆起部7が形成され、また着用時にも、着用者の動作時にも、隆起部7の追随性が良好となる。
【0025】
図1及び図2に示すように、ナプキン1のトップシート1側には、その構成部材の圧密化によって形成された、液体の吸収が可能な防漏溝10が形成されている。防漏溝10は、略半円状の前方溝10a、ナプキン1の長手方向に沿う中心線の方向に湾曲した形状の中央溝10b、及び細長の楕円形を短径部分で切断した形状の後方溝10cから構成されている。そして、これらの溝が連続して、隆起部7を周囲を全周に亘り取り囲んでおり、閉じた構造となっている。本明細書において「隆起部の周囲」とは、隆起部の周りの少なくとも一部分の領域を意味する。隆起部7の周囲に防漏溝10を形成することによって、仮に隆起部7における吸収層4が限界量以上の多量の吸収してしまい、隆起部7の表面を伝って液が流出したとしても、流出した該液は防漏溝10によって確実に吸収される。その結果、液漏れが極めて効果的に防止される。
【0026】
特に、図1に示すように、防漏溝10内に、高圧密化領域11と低圧密化領域12とが互いに交互に形成されていることで、防漏溝10内での液の吸収性能が向上する。
【0027】
防漏溝10の深さは、吸収層4の厚みにも関係するが、溝の上面部から低面部までの距離が1mm以上、特に2mm〜10mmであることが、隆起部7の表面を伝って流出した液の堰き止め効果の点から好ましい。同様の理由から、防漏溝10の幅は、1mm以上、特に1.5〜5mmであることが好ましい。
【0028】
防漏溝10は、前述の通り、トップシート2、吸収層4、隆起部形成シート5及び隆起部形成弾性部材6を、熱エンボス加工によって一体的に圧密化することで形成されることが好ましい。
【0029】
ナプキン1は、その隆起部7の位置における厚みT(図2参照)が、490Pa(5gf/cm2 )荷重下において5〜20mm、特に7〜15mmであることが好ましい(以下、この荷重下での厚みをT5 という)。490Pa加重下は、着用者が吸収性物品を装着し立った状態で動きのない時に吸収性物品にかかる荷重に相当し、このときの厚みT5 が前記範囲内となることで、着用者の排泄部に適切にフィットするのに十分な高さの隆起部7が形成される。
【0030】
またナプキン1は、その隆起部7の位置における厚みが4903Pa(50gf/cm2 )荷重下において3〜10mm、特に4〜8mmであることが好ましい(以下、この荷重下での厚みをT50という)。4903Pa荷重下は、着用者が座ったり走ったりした時に吸収性物品にかかる荷重に相当し、このときの厚みT50が前記範囲内となることで、T5 に関し前述した理由と同様に、着用者の排泄部に適切にフィットするのに十分な高さの隆起部7が形成される。
【0031】
更にナプキン1は、T5 とT50との比、即ち、T5 /T50の値が1.5〜4、特に2〜3.5であることが好ましい。T5 /T50の値は、ナプキン1の隆起部7における圧縮回復性の尺度になるものであり、T5 /T50の値が前記の範囲となることで、着用者の動きに起因する装着圧の変化に対するナプキン1の変形追従性が十分なものとなり、フィット性が十分に高くなる。
【0032】
5 及びT50は、ナプキン1の隆起部7の位置において、1cm×1cmの領域を対象として測定される。
【0033】
ナプキン1の両側縁部には、防漏部13がそれぞれ形成されている。防漏部13は、ナプキン1の両側縁部から略上方に立ち上がった防漏壁13aと、防漏壁13aに連設され且つナプキン1の幅方向の外方へ向かって略水平ないし斜め上方に延びる略平面上の防漏面13bとを有している。この防漏部13が形成されていることによって、仮に隆起部7における吸収層4が限界量以上の多量の吸収してしまい、隆起部7の表面を伝って液が流出したとしても、流出した該液は防漏壁13aによってそれ以上の流出が阻止される。その結果、液漏れが極めて効果的に防止される。しかも、防漏面13bは平面状なので、防漏面13bが着用者の鼠径部に面で接触する。これによって、液が一層漏れにくくなる。
【0034】
防漏壁13aと防漏面13bとの連設部13c及び防漏面13bの自由端部13dそれぞれには、前記吸収性物品の長手方向に延びる第1弾性部材14a及び第2弾性部材14bが伸張状態で配されている。第1弾性部材14aを配することによって、ナプキン1の長手方向に沿って防漏壁13aが上方に効果的に立ち上がるようになる。また第2弾性部材14bを配することによって、防漏面13bの平面形状が保たれると共に防漏壁13aをナプキン1の幅方向外方へ引っ張る力が働く。その結果、ナプキン1のトップシート2側における液の受容領域が拡大し、液漏れが効果的に防止される。第2弾性部材14bが配されていない場合、防漏壁13aがナプキン1の幅方向内方へ伏倒して液の受容領域が大幅に減少してしまう。
【0035】
防漏壁13a及び防漏面13bは、一枚の液不透過性シートを折り返した二枚重ねのシートから一体的に形成されている。そして、該シートの折り返し部が防漏面13bの自由端部13dとなり、該折り返し部の内部に第2弾性部材14bが配されている。また、該折り返し部よりも内方の位置に第1弾性部材14aが配されており、この位置が防漏壁13aと防漏面13bとの連設部13cとなっている。連設部13cから更に内方に位置する接合固定位置15おいて、前記シートは吸収層4の両側縁から外方に延出したトップシート2と接合固定されている。前記シートにおける前記接合固定位置15から連設部13cまでの領域が防漏壁13aを構成している。前記シートとしては、疎水性の繊維から構成された不織布や、不織布とフィルムとの積層シート等を用いることができる。
【0036】
防漏壁13a及び防漏面13bは、次のように形成される。先ず、前記シートを折り返して二枚重ねとし、該シートと、吸収層4の両側縁から外方に延出したトップシート2とを、ナプキン1の長手方向に沿って接合固定する。次いで、該シートにおける前記折り返し部を、ナプキン1の幅方向外方に向けた状態とし、この状態下に、該シートの長手方向前後端部を、ナプキン1の長手方向前後端部と接合固定する。これによって防漏壁13a及び防漏面13bがそれぞれ形成される。
【0037】
第1弾性部材14a及び第2弾性部材14bは、糸状体又は狭幅の帯状体からなり、その構成材料は、隆起部形成弾性部材6と同様とすることができる。連設部13c及び自由端部13bにそれぞれ配される第1弾性部材14a及び第2弾性部材14bは、一本でも良く、二本以上でも良い。特に、本実施形態のように、連設部13cと自由端部13bとの両方に弾性部材が配されると、防漏面13bの形態が安定に保たれ、また防漏壁13aをナプキン1の幅方向外方へ引っ張る力が一層働く。その結果、ナプキン1のトップシート2側における液の受容領域が、着用者の動きに対して一層安定に保たれる。
【0038】
自由端部13dに配された第2弾性部材14bにおける最も外方側に位置する弾性部材間の間隔W(図2参照)を、着用者のショーツにおける股下部の幅よりも大きくすると、ナプキン1の着用時に防漏面13bの一部がショーツの外側に位置することになる。その結果、ショーツの股下部の両側縁によって防漏面13bが着用者の鼠径部に密着し、液漏れが一層効果的に防止される。前記間隔Wは80〜120mm、特に85〜110mmであることが、液漏れの更に一層の防止の点から好ましい。
【0039】
図2に示すように、防漏壁13a及び防漏面13bを構成する前記シートは、前述した接合固定位置15からナプキン1の幅方向外方へ更に延出している。これによって、ナプキン1の両側縁からそれぞれ外方に延出するウイング部16,16が形成される。ウイング部16のバックシート3側の面には、ウイング部16を着用者の着衣へ固定するための粘着剤層17が形成されている。
【0040】
各ウイング部16は、ナプキン1における隆起部形成シート5が配された部位の側方に位置している。従って、ナプキン1の着用に際してウイング部16を折り返すと、防漏壁13aが、ナプキン1の幅方向外方へ向かって更に一層広がることになる。その結果、ナプキン1のトップシート2側における液の受容領域が一層拡大し、液漏れが一層効果的に防止される。
【0041】
本発明は、前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、防漏溝10が隆起部7の周囲に全周に亘り形成されているが、これに代えて例えば隆起部7の両側にのみ一対の防漏溝10を形成してもよい(即ち中央溝10bのみを形成してもよい)。
【0042】
また、防漏部13は、ナプキン1の長手方向の略全域に亘って形成されていても良く、或いは隆起部7の側方の位置にのみ形成されていても良い。
【0043】
また、前記実施形態においては、隆起部形成弾性部材6は、その自由状態(弛緩状態)でバックシート3と接合固定されていたが、これに代えて隆起部形成弾性部材6を伸張状態でバックシート3と接合固定してもよい。これによっても隆起部形成弾性部材6の収縮で隆起部形成シート5がトップシート2側に隆起して隆起部7が形成される。
【0044】
また、前記実施形態においては、ウイング部16は、防漏壁13a及び防漏面13bを構成するシートがナプキン1の幅方向外方へ延出することで形成されていたが、これに代えて、バックシート3をナプキン1の幅方向外方へ延出させて、延出したバックシート3と前記シートとを貼り合わせてウイング部を形成してもよい。
【0045】
また、防漏壁13a及び防漏面13b全体を、弾性を有する材料(シート)から構成してもよい。この場合には、該材料(シート)が、前述の第1弾性部材14a及び第2弾性部材14bの働きも兼ねる。
【0046】
また、防漏壁13a及び/又は防漏面13bには、着用者に対向する面側に、吸収層が形成されていてもよい。
【0047】
また、表面層としてのトップシート2及び吸収層4を、ナプキン1の幅方向外方へ延出させて、これらの材料から防漏壁13a及び/又は防漏面13bの一部又は全部を構成してもよい。
【0048】
また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンの他、おりものシート、失禁パッド等にも同様に適用できる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、着用者の動きに対し常に排泄部にフィットして液漏れを効果的に防止し得る吸収性物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の一実施形態としての生理用ナプキンを、トップシート側から見た平面図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】本発明に用いられる隆起部形成シートを示す模式図である。
【符号の説明】
1 生理用ナプキン
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収層
5 隆起部形成シート
6 隆起部形成弾性部材
7 隆起部
10 防漏溝
13 防漏部
13a 防漏壁
13b 防漏面
14a 第1弾性部材
14b 第2弾性部材

Claims (4)

  1. 液透過性の表面層、液不透過性の裏面層及び該表面層と該裏面層との間に介在する液保持性の吸収層を有する生理用ナプキンにおいて、
    前記吸収層と前記裏面層との間に折曲回復性を有する隆起部形成シートが配されており、
    該隆起部形成シートは、熱可塑性樹脂からなる不織布から構成された同種又は異種の二枚のシートを含み、該隆起部形成シートは坪量が30〜500g/cm 2 であり、
    折曲のための可撓軸が生理用ナプキンの長手方向に沿って複数形成されるように該隆起部形成シートにエンボス加工が施されて、前記二枚のシートが多数の密着部によって接合されていると共に該密着部の間に両者が離間した非密着部が存しており、
    該隆起部形成シートの両側部が、幅方向に伸張された状態の隆起部形成弾性部材にそれぞれ固定され、該隆起部形成弾性部材の収縮状態において前記隆起部形成シートが前記表面層側に隆起して前記生理用ナプキンの幅方向略中央部に凸状の隆起部が形成されており、
    また、前記生理用ナプキンの両側縁部に防漏部がそれぞれ形成されており、該防漏部は該生理用ナプキンの両側縁部から略上方に立ち上がった防漏壁と、該防漏壁に連設され且つ該生理用ナプキンの幅方向の外方に向かって略水平ないし斜め上方に延びる略平面状の防漏面とを有している生理用ナプキン
  2. 各防漏面の自由端部に配された弾性部材における最も外方側に位置する弾性部材間の間隔Wが80〜120mmである請求項1記載の生理用ナプキン
  3. 前記生理用ナプキンは、その前記隆起部の位置における厚みTが、490Pa荷重下において5〜20mmで且つ4903Pa荷重下において3〜10mmであり、490Pa荷重下における厚みと4903Pa荷重下における厚みとの比(前者/後者)が1.5〜4である請求項1又は2記載の生理用ナプキン
  4. 前記生理用ナプキンの両側縁からそれぞれ外方に延出するウイング部を有し、各ウイング部は、前記生理用ナプキンにおける前記隆起部形成シートが配された部位の側方に位置している請求項1〜3の何れかに記載の生理用ナプキン
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