JP5052868B2 - 吸収性物品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収性物品及びその製造方法に関する。特に、密着性及び防漏性に優れた吸収性物品及びその製造方法に関する。
従来より、経血等の排泄物を吸収させるための吸収性物品として、例えば、生理用ナプキン、パンティライナー、尿取りパッド等が使用されている。これらの吸収性物品は、経血等を吸収し保持する吸収体と、吸収性物品の肌当接面に配置される液透過性の表面シートと、吸収性物品の着衣当接面に配置される液不透過性の裏面シートと、を有し、例えば、下着に接着させた状態で着用される。
ところで、上記のような吸収性物品は、着用者の排泄部からの排泄物を確実に捕捉するために吸収体の吸収部を排泄部に密着させて使用することが望まれている。例えば、吸収性物品は、その使用時において、着用者の排泄部と吸収性物品との間に隙間が生じると、吸収性物品の表面シートに零れた排泄物が表面シートに沿って流れることにより、吸収性物品の側方や臀部方向への漏れが発生し、下着や着衣を汚してしまうおそれがあるためである。
特に、生理用ナプキンのように下着に固定して着用した場合においては、この状態で体を動かすと、下着と排泄部との間に相対的な位置ずれが生じ易くなり、この位置ずれが横漏れの原因となることがある。また、例えば、生理用ナプキンは、通常、下着と共に着用者の大腿部の間に挟まれた状態にあるため、着用者の大腿部から横方向の圧縮力を受けて圧縮変形する。これにより、吸収体の変形状態によっては着用者の排泄部と生理用ナプキンとの間に隙間が形成され、上記のように下着や着衣を汚してしまうおそれがあった。
これに対し、表面シートと吸収体とを連続的に圧搾処理することにより一対の圧搾溝を形成し、各圧搾溝を生理用ナプキンの長手方向にそれぞれ設けることにより、吸収体の捩れから生じる排泄物等の横漏れを防止させた生理用ナプキンが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された生理用ナプキンは、例えば、生理用ナプキンの幅方向における略中心部に設けられるコア部を挟むようにして一対の圧搾溝を配している。この圧搾溝は、相対的に密度の高い圧搾部と密度の低い圧搾部とが連続してなり、生理用ナプキンの肌当接面側に溝状に形成されている。これにより、着用者の大腿部から横方向の圧縮力を受けて吸収体の略中央部分において捩れが生じても、この捩れが周縁部まで延びるのを防止することが可能になる。このようにして、経血等がこの捩れに沿って流れ出し、周縁部から横漏れすることを防止するというものである。
また、肌当接面側からエンボス加工し、着用者の肌当接面側に屈曲するように形成される第1可撓軸と、着衣当接面側からエンボス加工し、着衣当接面側に屈曲するように形成された第2可撓軸とを設けることにより、吸収体を肌当接面側へ変形させて密着性を向上させた吸収性物品が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に開示された吸収性物品は、吸収性物品の肌当接面側及び着衣当接面側のそれぞれに第1及び第2可撓軸を設ける。これにより、着用者の大腿部から横方向の圧縮力を受けた場合においても、吸収体が肌当接面側及び着衣当接面側のそれぞれに曲がり易くなるため、所望の形態に変形し易くなるというものである。
特開平09−108262号公報 特開平10−99372号公報
しかしながら、特許文献1に開示された生理用ナプキンは、例えば、圧搾溝がコア部の厚さ方向における略中央部からコア部の裏面までの間に配置されている。したがって、着用者の大腿部から幅方向に圧縮力が加えられた場合に圧搾溝からコア部へと伝わる力は、吸収体の厚さ方向における肌当接面側から着衣当接面側の様々な方向に拡散していた。これにより、コア部が様々な方向に折れ曲るおそれがあり、常に安定した変形形態を得ることができないという問題があった。
また、特許文献2に開示された吸収性物品は、厚さ方向において、第1可撓軸が吸収体の着衣当接面側よりも肌当接面側に形成されているため、着用者の大腿部から幅方向に圧縮力が加えられた場合に第1可撓軸から伝わる力は、吸収性物品の厚さ方向における肌当接面側及び着衣当接面側等、様々な方向に拡散していた。さらに、第2可撓軸の肌当接面側にも溝が形成されているため、第2可撓軸の着衣当接面側においても着衣当接面側方向に力が働き、肌当接面側への安定した変形を得ることができないおそれがあった。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、安定した変形形態を確保することにより、肌への密着性を向上させ、体液等の漏れを軽減することができる吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、吸収性物品に所定の圧搾溝を設け、この圧搾溝の着衣当接面側の面をコア部の着衣当接面側の面よりも着衣当接面側に突出させることにより、吸収体を効果的に変形させることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下のような吸収性物品を提供する。
(1) 幅方向と該幅方向に垂直な長手方向とを有し、肌当接面に配置され少なくとも一部が液透過性の表面シートと、着衣当接面に配置され液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体と、を備える縦長状の吸収性物品であって、前記吸収体の前記肌当接面側には、圧搾溝が形成され、前記圧搾溝は、前記吸収体を前記幅方向中央域に配置されるコア部と、前記コア部における前記幅方向両側に配置されるサイド部とに区画し、前記圧搾溝における前記着衣当接面側の面は、前記吸収性物品の厚さ方向において前記コア部の前記着衣当接面側における面よりも前記着衣当接面側に突出する突出部を形成する吸収性物品。
(2) 前記圧搾溝における底部は、前記厚さ方向において前記コア部の前記着衣当接面側における面よりも下方にある(1)に記載の吸収性物品。
なお、ここでいう下方とは、吸収性物品の肌当接面側から着衣当接面側に向かう方向をいう。
(3) 前記圧搾溝は、前記底部に連続し前記肌当接面側に立ち上がるように形成される壁部を有し、前記壁部は、前記厚さ方向の中央領域における吸収体の密度が、該壁部の他の領域における吸収体の密度よりも低い(1)又は(2)に記載の吸収性物品。
(4) 前記圧搾溝における、前記吸収体と前記裏面シートとは、その全部又は一部が接合される(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品。
(5) 前記裏面シートには、前記着衣当接面側における前記突出部に対応する位置に粘着部が配置される(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品。
(6) 前記コア部は、前記肌当接面側に突出する凸状に変形可能である(1)から(5)のいずれかに記載の吸収性物品。
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の吸収性物品の製造装置であって、前記吸収体を圧搾することにより、前記着衣当接面側に突出する前記圧搾溝を形成する圧搾溝形成手段を備え、該圧搾溝形成手段は、表面に所定パターンに形成された凸部を有する上型ロール部と、表面に前記凸部が嵌合可能なパターンが形成された下型ロール部と、を有し、少なくとも前記吸収体を圧搾することで、前記圧搾溝を形成する吸収性物品の製造装置。
(8) (1)から(6)のいずれかに記載の吸収性物品の製造方法であって、前記吸収体を圧搾することにより、前記着衣当接面側に突出する前記圧搾溝を形成する圧搾溝形成工程を備え、該圧搾溝形成工程は、表面に所定パターンに形成された凸部を有する上型ロール部と、表面に前記凸部が嵌合可能なパターンが形成された下型ロール部と、を有し、少なくとも前記吸収体を圧搾することで、前記圧搾溝を形成する吸収性物品の製造方法。
本発明によれば、肌への密着性を向上させ、体液等の漏れを軽減することが可能な吸収性物品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲は、これに限定されるものではない。
また、本発明に係る吸収性物品は、身体から排泄される経血、尿、おりものなどを吸収することを目的として身体の股間部に着用されるものであるが、以下の実施形態では、女性の膣口から排泄される経血を吸収することを主な目的とする生理用ナプキンを例として説明する。また吸収性物品の2つの表面のうち排泄部に向けられる一方側を肌当接面とし、反対側の他方側をその外側に着衣が着用されるか否かに拘らず着衣当接面とする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る生理用ナプキンの平面図である。図2は、図1の底面図である。図3(A)は、図1のX―X断面を示す図である。図3(B)は、図3(A)の部分拡大図である。図4(A)及び(B)は、第1実施形態に係る生理用ナプキンの変形状態を示す図である。図5は、第1実施形態に係る生理用ナプキンの変形例を示す図である。図6(A)から(H)は、圧搾溝の底部の他の形態を示す図である。図7(A)及び(B)は、圧搾溝の他の形態を示す図である。図8(A)から(C)は、圧搾溝の配置に係る他の形態を示す図である。図9(A)及び(B)は、圧搾溝とずれ止めの関係を示す図である。
図10は、サイドフラップを設けた生理用ナプキンの断面を示す図である。図11(A)から(C)は、吸収体の裏面と裏面シートの接合を示す図である。図12は、本発明の第2実施形態に係る生理用ナプキンを説明するための部分断面拡大図である。図13(A)から(C)は、第2実施形態に係る生理用ナプキンの変形状態を示す図である。図14は、本発明の第2実施形態に係る生理用ナプキンの他の形態を示す部分断面拡大図である。図15(A)から(C)は、本発明の第3実施形態に係る生理用ナプキンを説明するための断面を示す図である。図16(A)から(C)は、本発明の第4実施形態に係る生理用ナプキンを説明するため図である。図17は、本発明の第5実施形態に係る生理用ナプキンの平面図である。図18(A)及び(B)は、図17の生理用ナプキンを説明するための断面図である。
図19は、第5実施形態に係る生理用ナプキンの変形状態を示す断面図である。図20は、第6実施形態に係る生理用ナプキンを示す平面図である。図21(A)及び(B)は、第7実施形態に係る生理用ナプキンの断面を示す図である。図22は、エンボス装置のエンボスロールを示す図である。図23(A)及び(B)は、エンボス装置の各エンボスパターンを示す図である。図24は、生理用ナプキンの噛み込み状態を示す図である。図25(A)から(D)は、第1実施形態に係る生理用ナプキンの上エンボス装置を示す図である。図26は、第1実施形態に係る生理用ナプキンの下エンボス装置を示す図である。図27は、第1実施形態に係る生理用ナプキンのエンボス装置の噛み合わせ部分を示す図である。図28(A)から(C)は、第2実施形態に係る生理用ナプキンの上エンボス装置を示す図である。図29(A)及び(B)は、第2実施形態に係る生理用ナプキンの下エンボス装置を示す図である。
図30は、第2実施形態に係る生理用ナプキンのエンボス装置の噛み合わせ部分を示す図である。図31(A)及び(B)は、第5実施形態に係る生理用ナプキンの上及び下エンボス装置を示す図である。図32は、第6実施形態に係る生理用ナプキンの上エンボス装置を示す図である。図33は、第6実施形態に係る生理用ナプキンの下エンボス装置を示す図である。図34は、噛み込み位置を示す図である。図35(A)から(C)は、エンボスの歯の形状を説明する図である。図36(A)から(C)は、エンボスの歯の形状を説明する図である。
[1]第1実施形態
本発明の第1実施形態における生理用ナプキン1により、本発明の吸収性物品における全体構造について説明する。
[1.1]全般
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る吸収性物品である生理用ナプキン1は、略縦長に形成されている。生理用ナプキン1の長手方向における長さは、例えば、150mmから500mm、好ましくは180mmから290mmを例示できる。この例示した長さを有する生理用ナプキン1は、例えば、通常時に使用する場合(例えば、昼用として)において好適に使用することができる。
また、図3及び図4に示すように、生理用ナプキン1は、着用者の肌当接面側に設けられ、表面層を構成する液透過性の表面シート2と、着用者の着衣当接面側に設けられ、裏面層を構成する液不透過性の裏面シート3と、ティッシュ7に包まれ、吸収層を構成する液保持性の吸収体4と、を備える。裏面シート3の着衣当接面側には粘着部8が設けられており、この粘着部8において生理用ナプキン1は着用者の下着等と係止される。なお、第1実施形態においては、生理用ナプキン1は、表面シート2と吸収体4との間に配置される液透過性の中間シート5と、表面層の一部を構成するサイドシート6と、生理用ナプキン1の幅方向に延在するサイドフラップW1、W2と、を備える。サイドフラップW1、W2には、粘着部9が設けられており、サイドフラップW1、W2を折り返して下着に接合させて使用する。
さらに、生理用ナプキン1は、表面シート2の肌当接面側から裏面シート4に向かって凹状に形成される圧搾溝11を備え、この圧搾溝11により吸収体4はコア部40とサイド部41とに区画される。また、圧搾溝11は、吸収体4の着衣当接面側において、着衣当接面側に突出する突出部15を備える。突出部15を挟む両側には、着衣当接面側から肌当接面側に向かって凹状に形成される空間部16が設けられている。
[1.2]表面シート等
表面シート2は、使用時に着用者の身体側に配置されると共に排泄部に当接される。表面シート2は、全面が液透過性であってもよく、一部が液透過性であってもよい。また、一枚のシート部材で構成してもよく、複数のシート部材を接合して構成してもよい。本実施形態においては、表面シート2は、生理用ナプキン1の幅方向における略中央部に液透過領域を備え、幅方向における端部側が液不透過性のサイドシート6で覆われている。
中間シート5は、表面シート2を透過した排泄物を吸収体4に透過させると共に、使用時におけるクッションとしても機能する。吸収体4は、ティッシュ7に包まれており、生理用ナプキン1の幅方向における略中央部に略楕円形のコア部40を備える。コア部40は、圧搾溝11により囲まれる領域である。コア部40の幅方向における両側には、サイド部41が形成される。コア部40とサイド部41とは、圧搾溝11によって区画される。裏面シート3は、液不透過性のシート部材を用いることにより、吸収体4において保持される排泄物等が着用者の着衣当接面側に漏れるのを防止する。
[1.3]圧搾溝
圧搾溝11は、コア部40を挟むように生理用ナプキン1の長手方向に向かって延びるように設けられる。具体的には、図3(A)及び(B)に示すように、圧搾溝11は、高圧搾による凹部12と、低圧搾による凸部13と、を備え、高圧搾及び低圧搾のそれぞれを連続して圧搾することにより形成される。例えば、凹部12は、幅2mm、長さ1mmの略方形に形成され、凸部13は、幅2mm、長さ2mm、高さ1mmの略立方形に形成されている。ここで、凹部12及び凸部13における幅とは、幅方向における距離をいい、長さとは、長手方向における距離をいう。また、凸部13における高さとは、厚さ方向における距離をいう。圧搾溝11は、このように形成された凹部12と凸部13が連続して形成されている。
圧搾溝11は、吸収体4の着衣当接面側において、コア部40の着衣当接面側である裏面42よりも着衣当接面側に突出する突出部15を備える。突出部15を挟む両側には、着衣当接面側から肌当接面側に向かって凹状に形成される空間部16が設けられている。
本実施形態において空間部16は、突出部15を挟むようにその両側に形成され、吸収体4の着衣当接面側において、着衣当接面側から肌当接面側に向かって凹状になるように形成されている。空間部16の頂部は、例えば、コア部40の裏面42よりも2mm、肌当接面側に設けられるように形成される。言い換えると、圧搾溝11の底部に形成されている凹部12と空間部16の頂部との吸収体4の厚さ方向における高さの差が2mmとなるように形成される。好ましくは、圧搾溝11の底部に形成されている凹部12と空間部16の頂部との吸収体4の厚さ方向における高さの差は、0.5mmから10mmの範囲が例示できる。凹部12と空間部16の頂部との吸収体4の厚さ方向における高さの差が、0.5mmから10mmの範囲であれば、コア部40の着衣当接面側に形成される空間部16に突出部15がより入り込みやすくなるためである。
なお、本実施形態においては、空間部16は、突出部15を挟むようにその両側に設けられているが、例えば、少なくとも一対の圧搾溝11の間であって、かつ着衣当接面側において一対の空間部16のみを有する様態であってもよい。これにより、突出部15が一対の空間部16側に折れ曲がることが可能となるためである。言い換えると、一対の空間部16を基点として、突出部15が生理用ナプキン1の幅方向中央部側へ傾倒するように作用させることが可能になるためである。なお、一対の空間部16は、長手方向における中心線Lよりも一対の圧搾溝11側に近い位置に配置されることが好ましい。これにより、安定した変形形態を確保することが可能となり、肌への密着性を向上させることが可能となるためである。
突出部15は、コア部40の裏面42よりも着衣当接面側に突出するように形成される。例えば、圧搾溝11の底部に形成されている凹部12が、コア部40の裏面42よりも1mm、着衣当接面側に設けられるように形成される。言い換えると、圧搾溝11の凹部12と、コア部40の裏面42との厚さ方向における高さの差が1mmとなるように形成される。好ましくは、圧搾溝11の凹部12とコア部40の裏面42との厚さ方向における高さの差は、0.5mmから10mmの範囲が例示できる。コア部40の裏面42との厚さ方向における高さの差が0.5mmから10mmの範囲であれば、コア部40の着衣当接面側に形成される空間部16に突出部15がより入り込みやすくなるためである。また、圧搾溝11の凸部13とコア部40の裏面42との厚さ方向における高さの差を2mmとしてもよい。
なお、空間部16は、例えば図14に示すように、コア部40側のみに設けられていてもよい。突出部15がコア部40の裏面42側に設けられる空間部16に変形移動可能であればよいためである。
圧搾溝11は、後述するエンボス装置による噛み合わせによって形成される一対の壁部14を備える。壁部14は、例えば、表面シート2及び吸収体4を生理用ナプキン1の厚さ方向に圧搾するときに、生理用ナプキン1の厚さ方向の略中央において引張応力が強く生じ、この引張応力により吸収体4が引き伸ばされ、形成される。そして、吸収体4が引き伸ばされた壁部14は、その略中央において低密度に形成される。この低密度部分は、コア部40が排泄物を吸収した場合に、高密度部分から伝わる排泄物の拡散を抑制することを可能とする。
圧搾溝11は、例えば、表面シート2及び吸収体4を肌当接面側及び着衣当接面側のそれぞれから連続的に圧搾することにより形成したが、本発明においてはこれに限られない。吸収体4のみを肌当接面側及び着衣当接面側のそれぞれから連続的に圧搾することにより、圧搾溝11を形成してもよい(図5参照)。吸収体4のみに圧搾溝11を形成した場合には、圧搾により表面シート2が吸収体4を押さえつけることがなくなるため、吸収体4が変形し易くなる。また、中間シート5及び吸収体4を肌当接面側及び着衣当接面側のそれぞれから連続的に圧搾することにより、圧搾溝11を形成してもよい。例えば、合成樹脂繊維等により形成された中間シート5と吸収体4とを肌当接面側及び着衣当接面側のそれぞれから連続的に圧搾した場合には、圧搾溝11が着衣当接面側に突出した形状を保持し易くなる。
圧搾溝11は、例えば、底部において、高圧搾による凹部12と低圧搾による凸部13と、がそれぞれ交互に連続的に形成されるが、本発明においてはこれに限られない。図6(A)に示すように、圧搾溝11は、低圧搾又は高圧搾のみにより圧搾し、凹凸がなく、一定の高さの形状を構成するようにしてもよい。また、図6(B)に示すように、圧搾溝11は、凹凸部12、13を連続的に形成せず、所定間隔において形成してもよい。また、エンボスパターンの組み合わせを変更したものを使用してもよい。また、図6(C)に示すように、圧搾溝11は、幅方向における溝幅の全体に凹部12を設けるのではなく、溝幅の一部に凹部12を設けてもよい。また、図6(D)に示すように、圧搾溝11は、幅方向における溝幅の全体に凸部13を設けるのではなく、溝幅の一部に凸部13を設けてもよい。また、図6(E)に示すように、圧搾溝11は、の長手方向における凹部12の長さがそれぞれ異なるように設けてもよい。また、図6(F)に示すように、圧搾溝11は、の幅方向の長さに差異を設け、それぞれの幅方向の長さの異なる凹部12を設けてもよい。さらに、図6(G)及び図6(H)に示すように、凹部12又は凸部13の形状を略円柱形にし、ドット状に構成してもよい。
また、図7(A)に示すように、圧搾溝11は、凹部12に開口17を設けてもよい。この開口17を設けることにより、表面シート2から伝ってきた排泄物をコア部40の下層である着衣当接面側に設けられる裏面シート3に落とし込むことが可能になる。排泄物を裏面シート3に落とし込むことで、表面シート2を含む表面層において排泄物の拡散を抑制することが可能になる。また、図7(B)に示すように、側壁部14に開口18を設けてもよい。この場合においても、同様に、表面シート2から伝ってきた排泄物をコア部40の下層である着衣当接面側に設けられる裏面シート3に落とし込むことが可能になる。なお、開口18は、圧搾時において、側壁部が分断されない程度の大きさであることが好ましい。
図8(A)に示すように、圧搾溝11は、コア部40を囲むように略楕円形に形成されてもよい。この場合、長手方向と幅方向における長さの比は、適宜変更することが可能である。言い換えると、略楕円形の扁平率を適宜変更してもよい。また、図8(B)に示すように、図8(A)における略楕円形の圧搾溝11に加え、その略中心部において、着衣当接面側に突出し、長手方向に延びる少なくとも1以上の圧搾溝11を設けてもよい。また、図8(C)に示すように、着衣当接面側に突出し、長手方向に延びる圧搾溝11を複数本設けてもよい。
また、本実施形態においては、圧搾溝11の裏面にある突出部15に該当する位置のすべてに粘着部8が設けられているが、本発明においてはこれに限らない。少なくとも突出部15の一部に該当する位置において粘着部8が設けられていればよい。
本実施形態においては、裏面シート3において、ずれ止め用の粘着部8を圧搾溝11の着衣当接面側に配置することにより、コア部40の肌当接面側への凸状に変形することを妨げないものとしたが、本発明においてはこれに限らない。例えば、図11(A)に示すように、裏面シート3の着衣当接面側において、粘着部8を生理用ナプキン1の長手方向における中心を含む状態で設けてもよい。これにより、例えば、図11(B)に示すように、突出部15は、吸収体4と裏面シート3とを接合するホットメルト8aによって常にコア部40よりも着衣当接面側へ配置することができると共に、コア部40と接合されている下着70ごとコア部40を凸状に変形させることが可能となる。
また、図11(C)に示すように、吸収体4と裏面シート3とのホットメルト8aは、コア部40の裏面42が裏面シート3から離間可能に接合されていてもよい。具体的には、少なくとも、圧搾溝11の裏面と裏面シート3とが接合されていればよい。これにより、着用者の大腿部から幅方向に圧縮力が加わった場合に、裏面シート3とコア部40の裏面42とが離間して所定の空間28を形成させることができ、突出部15が空間28に潜り込むことにより、コア部40の安定した変形が可能になる。
このように、生理用ナプキン1は、圧搾溝11を設けることにより、コア部40が肌当接面側に安定した凸状の変形を可能とする。例えば、着用者の大腿部から圧縮力が加わった場合には、図4(A)に示す矢印方向に、圧縮力が加わる。このとき、圧縮力は、圧搾溝11を通じてコア部40に伝えられる。ここで、突出部15は、図4(B)に示すように、圧搾溝11がコア部40の裏面42よりも着衣当接面側に設けられているため、コア部40の裏面42側に変形移動する。具体的には、突出部15は、突出部15と隣接するコア部40の裏面42との間に形成された空間部16に潜り込むように移動する。潜り込むように移動した突出部15は、コア部40の裏面42側からコア部40を押し上げるようにさらに圧縮力を伝える。これにより、コア部40は、肌当接面側に突出するように変形し、着用者の排泄部に密着する。
また、生理用ナプキン1は、図9(A)に示すように、圧搾溝11の着衣当接面側、すなわち、突出部15において、下着70と固定されることにより、例えば、圧搾溝11はコア部40よりも着衣当接面側に位置することができるため、コア部40は安定した凸形状の変形を可能とする(図9(B)参照)。
また、生理用ナプキン1は、図10に示すように、このサイドフラップW1、W2を下着70の着衣当接面側に折り込んで接着させることにより、例えば、着用者の大腿部から幅方向に圧縮力が加わった場合に、サイド部41の厚さ方向への動きが規制されるため、突出部15が空間部16へ潜り込むことが容易になり、安定した変形が可能になる。
[2]第2実施形態
図12から図14を用いて、第2実施形態における生理用ナプキン1Aを説明する。図12においては、本発明の特徴を理解し易くするために生理用ナプキン1Aの圧搾溝11の部分拡大図のみを図示する。図12に示すように、第2実施形態の生理用ナプキン1Aは、圧搾溝11の凹部12がコア部40の裏面42よりも肌当接面側に設けられたものである。このように、圧搾溝11の凹部12がコア部40の裏面42よりも肌当接面側に設けられた場合においても、図13(A)に示すように、着用者の大腿部から幅方向に圧縮力が加わった場合に、突出部15が空間部16に入り込むことが可能となる。これにより、コア部40を肌当接面側に突出させることが可能になる(図13(B)、(C)参照)。なお、好ましくは、圧搾溝11の底部と、コア部40の裏面42との厚さ方向における高さの差が0.5mmから10mmであることが好ましい。
[3]第3実施形態
図15(A)から(C)を用いて、第3実施形態における生理用ナプキン1Bを説明する。図15においては、本発明の特徴を理解し易くするために生理用ナプキン1Bの圧搾溝11の部分拡大図のみを図示する。図15(A)に示すように、第3実施形態の生理用ナプキン1Bは、圧搾溝11の壁部14に所定の角度θを付したものである。図15(B)に示すように、コア部40及びサイド部41のそれぞれを肌当接面側から着衣当接面側に所定の圧力を加え、裏面シート3に貼り合わせることにより、壁部14及びコア部40の裏面42側であって空間部16近傍の角度を変えることが可能になる。すなわち、厚さ方向の空間部16近傍における裏面42との角度において所定の角度を持たせることにより、空間部16をより広く取ることが可能になる(図15(C)参照)。これにより、突出部15をより容易に空間部16へと導くことが可能になる。
[4]第4実施形態
図16を用いて、第4実施形態における生理用ナプキン1Cを説明する。図16においては、本発明の特徴を理解し易くするために生理用ナプキン1Cの断面図、中間シート5の斜視図及びティッシュ7の部分拡大図のみを図示する。
第4実施形態における生理用ナプキン1Cは、図16(A)に示すように、表面シート2に凹凸の賦型を形成する。これにより、表面シート2の幅方向における伸張量が確保され、表面シート2は、容易に幅方向に伸張することが可能になる。また、図16(B)に示すように、中間シート5には、生理用ナプキン1Cの長手方向に延びる開孔部51が設けられる。開孔部51を設けることにより、例えば、生理用ナプキン1Cの幅方向に対して引っ張り応力が発生した場合に、開孔部51が開孔する。これにより、中間シート5は、開孔部51の開孔量だけ幅方向に伸張することが可能になる。また、図16(A)及び(C)に示すように、吸収体4を包むティッシュ7は、折り返し部71を備えてもよい。この折り返し部71により、凸変形時に必要とする延びしろが付与される。これにより、吸収体4は、延びしろの分だけ幅方向に伸張することが可能になる。
また、全てのシート部材に上記のような伸張手段を用いなくてもよい。最も肌当接面側に配置されるシート部材が伸びる距離が長くなることを考慮すると、少なくとも肌当接面側の表面層側に設けられることが好ましい。また、加工するだけでなく、シート自体がコイル状の捲縮繊維、ウレタン等の伸張可能な繊維、又はシートの融着点を減少させて幅方向に延び易くしたものを用いてもよい。また、繊維配向を長手方向に強めることで幅方向への引っ張り強度を減少させ伸張性をもたせたものでもよく、開孔部を設けることで幅方向への伸張性をもたせてもよい。さらに、シートを加工することや、シート自体が伸びなくても、表面シート2と吸収体4との間等に所定の空間部を設けるように配置してもよい。これにより、吸収体4等が変形するための変形空間が形成されるために上記と同様に容易に変形を促すことが可能となるためである。
[5]第5実施形態
図17から図19を用いて、第5実施形態における生理用ナプキン1Dを説明する。図17に示すように、生理用ナプキン1Dは、長手方向における後方側に長い生理用ナプキンであり、具体的には尾てい骨まで覆うような後方側に長い生理用ナプキンである。
図18(A)及び(B)に示すように、この生理用ナプキン1Dは、後方部にも圧搾溝11である第2圧搾溝11aを設けている。生理用ナプキン1Dは、後方部において臀部の圧力を利用することにより、排泄部の場合と同様に後方部を凸型に変形させることが可能となる。これにより、排泄物が夜等の就寝時に臀部から身体を伝い漏れるのを第2圧搾溝11aを用いてコア部40を凸状に変形させ、生理用ナプキン1Dと身体とを密着させることができる。
また、第5実施形態における生理用ナプキン1Dは、弾性部材(図示せず)と防漏シート90により形成される防漏壁91を配置している。防漏シート90は、生理用ナプキン1Dにおける幅方向に延びて表面シート2の一部であるサイドシートを構成することができる。
防漏シート90は、表面シート2の肌当接面側であって、吸収体4の幅方向における側端部近傍に形成され、身体に装着した状態において防漏壁91を形成するように配置される。防漏シート90は、主に、排泄部から排泄された経血等の排泄物であって、表面シート2の肌当接面側を流れる排泄物の漏れを防止する。
従来の生理用ナプキンは、着用者の大腿部方向からの圧力によってコア部40が着衣当接面側に変形した場合、防漏壁91が生理用ナプキンの内側によってしまい、排泄物等が投下可能な面積が減り、横漏れ等を起こし易くなっていた。しかしながら、本実施形態においては、例えば、図19に示すように、安定してコア部40が肌当接面側に凸状に変形するために、防漏壁91が略中央部に寄った場合であっても、コア部40の凸状部分が防漏壁91の内側への進入を阻止するため、コア部40は、一定の透過面積を保つことが可能となる
[6]第6実施形態
図20を用いて、第6実施形態における生理用ナプキン1Eを説明する。図20に示すように、生理用ナプキン1Eは、長手方向における中心線Lを横断するように幅方向においても圧搾溝11を形成したものである。図20に示すように、この生理用ナプキン1Eは、幅方向において、横断圧搾溝10a、10b、10c、10dが形成されるため、肌当接面側に形成される横断圧搾溝10a、10b、10c、10dに係る圧搾溝11を大きくとることが可能になる。これにより、前方や後方へ表面シート2を伝い流れてくる体液等の排泄物を横断圧搾溝10a、10b、10c、10dの圧搾溝11で受け止め、体液等の漏れを防止することができる。また、幅方向への剛性を維持し易くなるため、捩れ等の防止となる。
[7]第7実施形態
図21を用いて、第7実施形態における生理用ナプキン1Fを説明する。図21(A)に示すように、第7実施形態における生理用ナプキン1Fは、コア部40の略中央部において、生理用ナプキン1Fの長手方向に伸びる折曲誘導部95を形成したものである。折曲誘導部95は、コア部40の着衣当接面側においてコア部40の着衣当接面側に溝を形成したものであり、コア部40を肌当接面側に凸状に折曲変形させるためのものである。なお、折曲誘導部95は、コア部40を肌当接面側に凸状に折り曲げ可能であればよく、例えば、コア部40の略中央部の目付を薄くすることにより、コア部40を肌当接面側に凸状に折り曲げ可能とさせてもよい。また、例えば、コア部40の着衣当接面側に長手方向に伸びる単数若しくは複数の開孔部を形成することにより、折り曲げ可能としてもよい。
ここで、折曲誘導部95の形成方法としては、例えば、着衣当接面側から肌当接面側に向けてエンボス等をかみ合わせることにより形成することができる。この場合、折曲誘導部95は、圧搾溝11を形成する場合と同様に、肌当接面側に突出する折曲誘導部95を形成し、コア部40を肌当接面側に凸状に折曲変形させるものとしてもよい。これにより、コア部40を容易に肌当接側に凸状に変形させることが可能になる。
[8]各構成物
以下に、各構成物について説明する。
[8.1]表面シート
表面シート2は、表面シート2の全部又は一部を構成する液透過性のシートを用いることができる。表面シート2に用いられる材料としては、例えば、表面シート2の全部又は一部を構成する液透過性域と同様の多数の液透過孔が形成された樹脂フィルム、多数の網目を有するネット状シート、液透過性の不織布、又は織布などが例示できる。樹脂フィルムやネット状シートとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などで形成されたものを用いることができる。また、不織布としては、例えば、レーヨンなどのセルロース繊維、合成樹脂繊維などから形成されたスパンレース不織布、前記合成樹脂繊維で形成されたエアスルー不織布などを用いることができる。内部に繊維間の空隙が形成されたエアースルー不織布の繊維構成としては、例えば、親水性繊維と疎水性繊維との合成繊維を用いることができる。
なお、表面シート2は、液の引き込み性を考慮して、表面シート2の一部にその周囲よりも密度が高いものを配置する疎密勾配や、表面シート2自体に疎と密の勾配を持たせたもの、また、親水性に差を持たせたようなものを付与することが好ましい。
親水性繊維としては、例えば、中空構造を持つ繊維であり、繊維の内層がポリエチレンテレフタレートであり、繊維の外層が高密度のポリエチレンである繊維が例示できる。親水性繊維は、天然セルロース繊維、例えばコットンやレーヨンなどが挙げられる。
また、疎水性繊維としては、芯鞘構造を持つ繊維であり、芯部がポリエチレンテレフタレートにより中充されたもので、鞘が高密度のポリエチレンなどの繊維が例示できる。なお、疎水性繊維としては、液体の入り込み性やリウエットバック等を考慮して、親水剤や撥水剤等を練り込んだり、コーティングしてもよい。また、コロナ処理やプラズマ処理により親水性を付加してもよい。
また、表面シート2は、白濁化させるために、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラーが含有されていてもよい。芯鞘構造を持つ繊維の場合においては、芯のみに含有してもよく、鞘に含有してもよい。好ましくは、芯のみに含有されることが好ましい。酸化チタンは、芯部にのみ含まれていた方が白色度を呈する箇所に偏りが生じ難いためである。
なお、本実施形態においては、表面シート2の繊維構成として、熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレートと高密度ポリエチレンとの複合タイプの繊維を用いて形成したが、本発明においてはこれに限らず、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリプロピレン、変性ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂で構成し、各樹脂を単独、若しくは複合した繊維を用いてもよい。
また、肌に残るような少量な経血や汗などをも吸収するために、パルプ、化学パルプ、レーヨン、アセテート、天然コットンなどのセルロース系の親水性繊維が含まれていてもよい。なお、セルロース系繊維は、一度吸収した液体を排出しにくいため、中間シート5に混入するか、若しくは、表面シート2が複数層からなり最表層以外の層に混入するほうがよい。
また、本実施形態においては、繊度が2.6dtexである繊維と、2.2dtexである繊維と、を複合して形成した不織布を用いたが、本発明においてはこれに限らない。例えば、繊度が0.1から8.9dtexの範囲であるものを単独、若しくは複合した繊維を用いてもよい。好ましくは、繊度が1.1dtexから5.6dtexであることが好ましい。
また、本実施形態においては、繊維形状として、同心芯鞘構造を採用しているが、本発明においてはこれに限らない。例えば、偏心芯鞘構造、サイドバイサイド構造、扁平繊維、Y型、C型などの異形型を用いてもよい。また、これに、水流や熱、エンボスなどの物理的負荷により分割する繊維が含まれるものであってもよい。なお、肌当接面側に使用する繊維、いわゆる表面シート2としては、熱融着によって繊維の毛羽立ちを防ぎながらふんわりとした嵩を維持するためには、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘がポリエチレンの芯鞘構造が好ましい。
また、構成要素としては、繊維の種類が単一であってもよく、3種以上の複数の繊維を混合してもよい。吸収体を凸状に変形させるためには、固定部間の肌当接面側の距離と着衣当接面側の距離の差ができことより、吸収層の上方に位置する表面シート2及び中間シート5は、捲縮繊維や繊維間の融着点を少なくしたようなシートで幅方向に拡幅し易いものを用いることが好ましい。
なお、本実施形態においては、目付が30g/mのものを用いたが、本発明においてはこれに限らない。例えば、目付が5g/mから80g/mの範囲のものを用いてもよい。好ましくは、目付が20g/mから60g/mであるものを用いることができる。目付が5g/m以上であると、十分なシート強度が得ることができるためである。また、目付が80g/m以下であるとシートの剛性が強くなりすぎず、上方に隆起させることも容易となるためである。
表面シート2の製造方法としては、カード法により積層されたシートをスルーエアー法により作成されたシートを用いたが、本発明においてはこれに限られるものではない。エアレード法、スパンボンド法による積層でもよく、スパンレース法、ポイントボンド、ニードルパンチ等でシート化したものを用いてもよい。より好ましくは肌触りや液の通過性を考えるとスルーエアー法によるものがよい。
[8.2]中間シート
中間シート5は、表面シート2と吸収体4との間に配置され、吸収体4の支持体としての役割を果たすと共に、吸収体4に柔軟性と形態安定性とを付与をする液透過性シートである。中間シート5に用いられる材料としては、表面シート2の全部又は一部を構成する液透過性域と同様の多数の液透過孔が形成された樹脂フィルム、多数の網目を有するネット状シート、液透過性の不織布、又は織布などが例示できる。樹脂フィルムやネット状シートとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などで形成されたものを用いることができる。また、不織布としては、例えば、レーヨンなどのセルロース繊維、合成樹脂繊維などから形成されたスパンレース不織布、前記合成樹脂繊維で形成されたエアスルー不織布などを用いることができる。なお、中間シート5は、液の引き込み性を考慮して、中間シート5の一部にその周囲よりも密度が高いものを配置する疎密勾配や、中間シート5自体に疎と密の勾配を持たせたもの、また、親水性に差を持たせたようなものを付与することが好ましい。
[8.3]吸収体
吸収体4に使用される材料としては、針葉樹クラフトパルプを粉砕したものに、高吸収ポリマーを10%ブレンドしたものをティッシュで包んだものを使用したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、粉砕したパルプに熱融着性の合成繊維をブレンドしたものや、エアレード、パルプ等のシート状のもの、また、コットンやレーヨン、パルプ等からなるスパンレース不織布やそれらを混合したものを用いてもよい。また、弾性のあるウレタンやセルローススポンジ等を使用してもよい。なお、上記に挙げたもの、又はこの組み合わせによるものに限定されず、本発明においては、通常吸収体として使用されるものであればよい。
[8.4]裏面シート
裏面シート3は、吸収体4に吸収された排泄物が外へ漏れ出すのを防止できる材料が使用される。また、透湿性素材とすることにより、装着時のムレを低減させることができ、装着時における不快感を低減させることが可能となる。このような材料として、本実施形態における裏面シート3は、液不透過性のポリエチレン(PE)シートを使用したが、本発明においてはこれに限られない。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、EVA樹脂のうち、1種又は2種以上を組み合わせて得られる樹脂フィルム、この樹脂フィルムにフィラー等を添加し延伸して微細な孔を形成して透湿性を付加したもの、又は樹脂と紙のラミネート材、不織布と樹脂フィルムが積層されたシートを用いてもよい。好ましくは、疎水性の不織布、不透水性のプラスティックフィルム、不織布と不透水性プラスティックフィルムとのラミネートシート部等を用いることができる。また、耐水性の高いメルトブローン不織布を強度の強いスパンボンド不織布で挟んだSMS不織布でもよい。
[8.5]粘着体
ズレ止め用粘着部8及び粘着部9における粘着体は、ゴム系ホットメルトを使用したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、オレフィン系ホットメルト、メカニカルファスナー、スチレンゴム系のすべり止め剤、等を用いてもよい。
[9]製造装置
本発明に係る生理用ナプキン1は、例えば、図22から図24に示す一対のエンボスロール101、102を備えるエンボス装置100を用いて形成される。図22に示すように、エンボス装置100は、上エンボスロール101と下エンボスロール102とを備える。この上及び下エンボスロール101、102のそれぞれは、所定の回転数において回転する。生理用ナプキン1は、上エンボスロール101と下エンボスロール102との間を所定の圧力及び熱を加えた状態で通過させることにより、本実施形態における圧搾溝11を形成する。
なお、通常は、肌触りのことを考慮して、図22に示すように、表面シート2側から凸状部を有する上エンボスロール101を押圧し、裏面シート3側から凹状部を有する下エンボスロール102を押圧して、圧搾溝11を形成するようにする。この圧搾溝11を形成するためには、加熱及び加圧状態で圧着処理することが好ましく、例えば、上エンボスロール101の温度を95度(368.15K)、圧力を25kgm/s(N)にした状態で圧着処理することができる。
図23(A)に示すように、上エンボスロール101は、所定形状の凸状に形成された上エンボスパターン103を有する。また、図23(B)に示すように、下エンボスロール102は、所定形状の凹状に形成された下エンボスパターン104を有する。図24に示すように、エンボスパターン103、104のそれぞれを生理用ナプキン1に噛み合せることにより、本実施形態に係る圧搾溝11が形成される。具体的には、上エンボスロール101のエンボス歯111と下エンボスロール102の噛み合せ凹部112とを、エンボス歯111を肌当接面側から、噛み合せ凹部112を着衣当接面側から互いに厚さ方向から噛み合せることにより、圧搾溝11は、形成される。
次に、圧搾溝11を形成するエンボスパターンについて説明する。
図25から図27に、前記第1実施形態に係るエンボスロール101、102のエンボスパターン103、104を示す。図25は、上エンボスロール101のエンボスパターン103を示し、図26は、上エンボスロール101のエンボスパターン103に対応した下エンボスロール102のエンボスパターン104を示す。具体的には、図25(A)から(C)に示すように、第1実施形態に係る上エンボスロール101のエンボスパターン103は、エンボス歯110と高エンボス歯111とを備える。高エンボス歯111は、長手方向の略中央部に形成される略楕円形状の両側部に設けられる。
ここで、図25(D)に、高エンボス歯111及びエンボス歯110の部分拡大図を示す。図25(D)に示すように、高エンボス歯111及びエンボス歯110は、凸部111A(110A)と、凹部111B(110B)とが連続してなる凹凸状に形成されている。そして、この凸部111A(110A)により圧搾溝11における高圧搾である凹部12が形成され、凹部111B(110B)により低圧搾である凸部13が形成される。なお、本実施形態においては、高エンボス歯111及びエンボス歯110として、凸部111A(110A)と、凹部111B(110B)とが連続してなる凹凸状に形成したものを使用したが、本発明においてはこれに限らず、凹凸のない、均一の高さのものを用いてもよい。
また、図26に示すように、下エンボスロール102のエンボスパターン104は、上エンボスロール101の高エンボス歯111と噛み合せが可能なように凹状に形成されている。具体的には、図27に示すように、噛み合せ凹部112の凹状部に高エンボス歯111の突出部分が嵌合可能に形成されている。
図28から図30に第2実施形態に係るエンボスロール101、102のエンボスパターン103a、104aを示す。図28は、上エンボスロール101のエンボスパターン103aを示し、図29は、下エンボスロール102のエンボスパターン104aを示す。ここで、第2実施形態に係るエンボスパターン103aは、第1実施形態に係るエンボスパターン103に類似するため、第1実施形態に係るエンボスパターン103との相違点を説明する。第2実施形態に係るエンボスパターン103aは、すべての歯が同じエンボス歯110aによって形成されている。また、図29(A)及び(B)に示すように、下エンボスロール102のエンボスパターン104aは、上エンボスロール101のエンボス歯110aと噛み合せが可能なように噛み合せ部の両側部においてエンボス歯110aに対して突出した形状を取ることにより、略コの字状のエンボス歯112aが形成されている。これにより、図30に示すような噛み合わせが可能となる。なお、第2実施形態においては、略コの字状のエンボス歯112aは、凹凸のない、均一の高さのものが一連に伸びるものを用いたが、本発明においてはこれに限らず、その一部若しくは全部に歯の高さが異なる、いわゆる凹部と凸部とが連続的に設けられる形状のものを用いてもよい。すなわち、略コの字状のエンボス歯112aが連続的でなく、間欠に突出しているものであってもよい。このように、略コの字状のエンボス歯112aの一部若しくは全部に凹部を設けることにより、圧搾溝11における突出部15の形状が維持され易くなる。
次に、図31に第5実施形態に係るエンボスロール101、102のエンボスパターン103b、104bを示す。第5実施形態に係るエンボスパターン103b、104bは、長手方向における前方及び後方のそれぞれに噛み合せ部が形成されている。図31(A)は、上エンボスロール101のエンボスパターン103bを示し、図31(B)は、下エンボスロール102のエンボスパターン104bを示す。具体的には、図31(A)は、略楕円形状に形成された圧搾溝11の近傍に、長手方向に伸張する前方及び後方のそれぞれに設けられた一対の第2圧搾溝11aを形成するためのエンボス歯111bが設けられている。また、図31(B)は、上記エンボス歯111bと対応した第2実施形態の噛み合せ凹部112aと類似する噛み合せ凹部112bが設けられている。噛み合せ凹部112bは、噛み合せ凹部112aと同様にエンボス歯111bに対し、突出した形状を取ることによる略コの字状に形成されている。
次に、図32及び図33に第6実施形態に係るエンボスロール101、102のエンボスパターン103c、104cを示す。第6実施形態に係るエンボスパターン103c、104cは、長手方向に加え、幅方向においても複数の噛み合せ部が形成されている。図32は、上エンボスロール101のエンボスパターン103cを示し、図33は、下エンボスロール102のエンボスパターン104cを示す。具体的には、図32に示すように、エンボスパターン103cは、第2実施形態に係るエンボスパターンに類似し、すべての歯が同じ高エンボス歯111cによって形成されている。また、図33に示すように、エンボスパターン104cは、上記エンボス歯111cと対応した噛み合せ凹部112cが設けられている。この噛み合せ凹部112cは、噛み合せ凹部112aと同様に高エンボス歯111cに対し、突出した形状を取ることによる略コの字状に形成されている。
ここで、図27に示すように、本発明に係る第1実施形態においては、例えば、上エンボスロール101の凸部ピッチAが37mm、上エンボスロール101と下エンボスロール102との噛み合せ部の間隔Bが0.75mm、圧搾溝11を下方に突出させるための噛み合せ深さCが3.0mm、下エンボスロール102の圧搾溝11に対面する側壁部角度Dが90°、上エンボスロール101底面から下エンボスロール102底面までの距離Eが12mm、のエンボスロール101、102を用いることができる。
また、図30に示すように、本発明に係る第2実施形態は、例えば、上エンボスロール101の凸部ピッチAが37mm、上エンボスロール101と下エンボスロール102との噛み合せ部の間隔Bが0.75mm、圧搾溝11を下方に突出させるための噛み合せ深さCが3.0mm、下エンボスロール102の圧搾溝11に対面する側壁部角度Dが80°、上エンボスロール101底面から下エンボスロール102底面までの距離Eが12mm、のエンボスロール101、102を用いることができる。
上エンボスロール101の凸部ピッチAは、コア部40が凸状に変形するためには、20mmから60mmの範囲が好ましく、30mmから50mmの範囲が好ましい。凸部ピッチAが25mm以下であると、例えば、圧搾溝11からコア部40の中心までの距離が短すぎて凸状に変形させるのに大きな力が必要となり、変形が難しいためである。また、凸部ピッチAが50mm以上であると、例えば、圧搾溝11の距離が長すぎてしまい、変形中に圧搾溝11内で坐屈してしまうおそれがあるためである。
上エンボスロール101と下エンボスロール102との噛み合せ部の間隔Bは、0.3mmから10mmの範囲が好ましい。より好ましくは、0.5mmから5.0mmの範囲が好ましい。噛み合わせ部の間隔Bが0.3mm以下であると、例えば、吸収体4の目付が大きくなった場合にうまく噛み合いにくくなってしまうためである。また、噛み合せ部の間隔Bが10mm以上であると、例えば、吸収体4の目付が低い場合に、圧搾溝11を突出させるための型をつけることができなくなってしまうためである。
圧搾溝11を下方に突出させるための噛み合せ深さCは、1mmから10mmの範囲が好ましい。より好ましくは、2mmから6mmの範囲が好ましい。噛み合せ深さCが1mm以下であると、例えば、噛み合せ凹部112を十分に形成できずに変形がうまくいかないためである。また、噛み合せ深さCが10mm以上であると、例えば、噛み込む部分の吸収体4を引き伸ばしすぎて吸収体4が裂けてしまい、圧搾溝11とコア部40が分離した形になってしまうためである。
下エンボスロール102の圧搾溝11に対面する側壁部角度Dは、30°から120°の範囲が好ましい。より好ましくは、45°から100°の範囲が好ましい。側壁部角度Dが30°以下であると、例えば、圧搾溝11の着衣当接面側への突出形成がうまくいかないためである。また、側壁部角度Dが120°以上であると、例えば、噛み込ませた後に噛み込み部分に圧搾溝11がとられてしまい、噛み合わせた金属プレート(或いは金属ロール)から容易に引き剥がすことができず、連続生産に支障をきたすためである。
上エンボスロール101底面から下エンボスロール102底面までの距離Eに関しては、5mmから30mmの範囲が好ましいい。より好ましくは、8mmから15mmの範囲が好ましい。
また、第1実施形態のように、上エンボスロール101に対応するようにした下エンボスロール102にくぼみを入れたものや、第2実施形態のように、上エンボスロール101に下エンボスロール102が噛み合うように凸状にしたものを挙げたが、本発明においてはこれに限られるものではない。下エンボスロール102が凹凸のないフラット状の面を形成しており、上エンボスロール101と噛み合わせた際に凹部となるような材料を用いた製造装置を使用し、同様の形態を実現することができるものであってもよい。例えば、紙や硬質ゴムのような圧縮時に高さの変動が行われる材料を用いてもよい。
また、圧搾溝11を形成するための噛み合せ凹部112及びエンボス歯110、111は、圧搾溝11を形成する場所によって異なってもよい。例えば、図34に噛み合せ凹部112及びエンボス歯110、111の配置を示す。図34に示すように、噛み合せ凹部112及びエンボス歯110、111は、A部、B部、C部により、使用する形状が異なる。
A部においては、例えば、図35(A)又は図36(A)に示すような形状の噛み合せ凹部112及びエンボス歯110、111が好ましい。また、B部においては、A部と異なり、最も大腿部からの圧力を受け易く、排泄部の近傍に位置するため、確実に着衣当接面側へ突出させる必要がある。したがって、周辺領域よりも噛み込みを強くし、延伸する距離を大きくする必要があり、例えば、図35(B)又は図36(B)に示すような形状の噛み合せ凹部112及びエンボス歯110、111が好ましい。
さらに、C部においては、幅方向に延びる突出部を形成するために、エンボスロール102の噛み込み部分の略コの字部分に吸収体4が詰まりやすい。したがって、噛み合わせた後で吸収体4が抜けやすいように噛み合せ凹部112のエンボス歯110、111に接する側に傾斜を持たせる必要があり、例えば、図35(C)又は図36(C)に示すような形状の噛み合せ凹部112が好まれる。また、幅方向に延びるエンボスであるために、図35(C)又は図36(C)に示すように、エンボス歯111の角に傾斜を持たせることでシートの切れを軽減している。
ここで、図35(A)、(B)及び(C)に示すエンボス歯110、111と図36(A)、(B)及び(C)に示すエンボス歯110、111とは、対応する噛み合せ凹部112の高さが異なる。具体的には、図35(A)、(B)及び(C)に示す噛み合せ凹部112は、高さが2mmのものを使用している。また、図36(A)、(B)及び(C)に示す噛み合せ凹部112は、高さが1mmのものを使用している。
さらに具体的には、図35(A)については、噛み合せ凹部112における一方と他方の凸部ピッチが4.6mm、凸部高さが2mm、外側傾斜角が30°、トップ形状が0.6mm、エンボス歯110、111との噛み合せ間隔Bが1.5mmである。また、図35(B)については、噛み合せ凹部112における一方と他方の凸部ピッチが3.0mm、凸部高さが2mm、外側傾斜角が30°、トップ形状が0.6mm、エンボス歯110、111との噛み合せ間隔Bが0.7mmである。さらに、図35(C)については、噛み合せ凹部112における一方と他方の凸部ピッチが8.0mm、凸部高さが2mm、外側傾斜角が各30°、トップ形状が0.7mm、エンボス歯110、111との噛み合せ間隔Bが2.0mmである。
[10]製造方法
次に、本発明に係る生理用ナプキン1の製造方法について説明する。本発明に係る生理用ナプキン1の製造方法は、厚さ方向に圧搾することにより、着衣当接面側に突出する圧搾溝11を形成する圧搾溝形成工程を備える。圧搾溝形成工程は、表面に所定パターンに形成された凸部を有する上型ロール部と、表面に前記所定パターンに形成された凸部が嵌合可能な凹部が形成された下型ロール部と、を有する。そして、少なくとも吸収体を含む吸収性物品材料を厚さ方向に圧搾することで、生理用ナプキンを形成する。
本発明に係る生理用ナプキン1は、凸部を有する上型ロール部と下型ロール部との間を所定の圧力及び熱を加えた状態で生理用ナプキン1を通過させることにより、圧搾溝を形成する。通過時においては、厚さ方向において、少なくとも吸収体を含む吸収性物品材料が圧搾される。圧搾は、連続的でもよく、又は所定間隔により圧搾されたものでもよい。なお、本製造方法においては、製造装置における記載を援用することができる。
本発明における製造方法が製造する対象は、幅方向と該幅方向に垂直な長手方向とを有し、肌当接面に配置され少なくとも一部が液透過性の表面シート2と、着衣当接面に配置され液不透過性の裏面シート3と、前記表面シート2と前記裏面シート3との間に配置される吸収体4と、を備える縦長状の略縦長状の生理用ナプキン1である。そして、吸収体の前記肌当接面側には、圧搾溝が形成され、圧搾溝は、吸収体を幅方向中央域に配置されるコア部と、コア部における幅方向両側に配置されるサイド部とに区画し、圧搾溝における着衣当接面側の面は、吸収性物品の厚さ方向においてコア部の着衣当接面側における面よりも着衣当接面側に突出する突出部を形成する生理用ナプキンである。
本発明の第1実施形態に係る生理用ナプキンの平面図である。 図1の底面図である。 図1を説明するためのX―X断面を示す説明図である。 第1実施形態に係る生理用ナプキンの変形状態を示す図である。 第1実施形態に係る生理用ナプキンの変形例を説明するための説明図である。 圧搾溝の底部の他の形態を示す図である。 圧搾溝の他の形態を示す図である。 圧搾溝の配置に係る他の形態を示す図である。 圧搾溝とずれ止めの関係を示す図である。 サイドフラップを設けた生理用ナプキンの断面を示す図である。 吸収体の裏面と裏面シートの接合を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る生理用ナプキンの部分断面拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る生理用ナプキンの変形状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る生理用ナプキンの他の形態を示す部分断面拡大図である。 本発明の第3実施形態に係る生理用ナプキンを説明するための断面を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る生理用ナプキンを説明するための断面を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る生理用ナプキンの平面図である。 図17の生理用ナプキンを説明するための断面を示す図である。 第5実施形態に係る生理用ナプキンの変形状態を示す図である。 第6実施形態に係る生理用ナプキンを示す図である。 第7実施形態に係る生理用ナプキンの断面を示す図である。 エンボスロールを示す図である。 エンボス装置の各エンボスパターンを示す図である。 生理用ナプキンを噛み込む状態を示す図である。 第1実施形態に係る生理用ナプキンの上エンボス装置を示す図である。 第1実施形態に係る生理用ナプキンの下エンボス装置を示す図である。 第1実施形態に係る生理用ナプキンのエンボス装置の噛み合わせ部分を示す図である。 第2実施形態に係る生理用ナプキンの上エンボス装置を示す図である。 第2実施形態に係る生理用ナプキンの下エンボス装置を示す図である。 第2実施形態に係る生理用ナプキンのエンボス装置の噛み合わせ部分を示す図である。 第5実施形態に係る生理用ナプキンの上及び下エンボス装置を示す図である。 第6実施形態に係る生理用ナプキンの上エンボス装置を示す図である。 第6実施形態に係る生理用ナプキンの下エンボス装置を示す図である。 噛み込み位置を示す図である。 エンボスの歯の形状を説明する図である。 エンボスの歯の形状を説明する図である。
符号の説明
1 生理用ナプキン
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 中間シート
6 サイドシート
7 ティッシュ
11 圧搾溝
15 突出部
40 コア部
41 サイド部

Claims (9)

  1. 幅方向と該幅方向に垂直な長手方向とを有し、
    肌当接面に配置され少なくとも一部が液透過性の表面シートと、着衣当接面に配置され液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体と、を備える縦長状の吸収性物品であって、
    前記吸収体の前記肌当接面側には、前記吸収体の前記幅方向の中央域に配置されるコア部と、該コア部における前記幅方向の両側に配置されるサイド部とに前記吸収体を区画する圧搾溝が形成され
    記圧搾溝における前記着衣当接面側の面は、前記吸収性物品の厚さ方向において前記コア部の前記着衣当接面側における面よりも前記着衣当接面側に突出する突出部形成され、
    前記吸収性物品の前記幅方向の中央域には、前記コア部と前記裏面シートとが接合された接合部が形成され、
    該接合部における前記幅方向の両外側には、それぞれ前記圧搾溝の前記コア部側との間において前記吸収体と前記裏面シートとが離間した空間部が形成されている吸収性物品。
  2. 前記圧搾溝における底部は、前記厚さ方向において前記コア部の前記着衣当接面側における面よりも下方にある請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記圧搾溝は、前記底部に連続し前記肌当接面側に立ち上がるように形成される壁部を有し、
    前記壁部は、前記厚さ方向の中央領域における吸収体の密度が、該壁部の他の領域における吸収体の密度よりも低い請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記圧搾溝における、前記吸収体と前記裏面シートとは、その全部又は一部が接合される請求項1から3のいずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記裏面シートには、前記着衣当接面側における前記突出部に対応する位置に粘着部が配置される請求項1から4のいずれかに記載の吸収性物品。
  6. 前記コア部は、前記肌当接面側に突出する凸状に変形可能である請求項1から5のいずれかに記載の吸収性物品。
  7. 前記空間部は、さらに前記圧搾溝の前記サイド部側に設けられ、前記突出部を挟むように該突出部の両側に配置される請求項1〜6のいずれかに記載の吸収性物品。
  8. 請求項1からのいずれかに記載の吸収性物品の製造装置であって、
    前記吸収体を圧搾することにより、前記着衣当接面側に突出する前記突出部を備える前記圧搾溝を形成する圧搾溝形成手段を備え、
    該圧搾溝形成手段は、表面に所定パターンに形成された凸部を有する上型ロール部と、表面に前記凸部が嵌合可能なパターンが形成された下型ロール部と、を有し、
    少なくとも前記吸収体を圧搾することで、前記圧搾溝を形成する吸収性物品の製造装置。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の吸収性物品の製造方法であって、
    前記吸収体を圧搾することにより、前記着衣当接面側に突出する前記突出部を備える前記圧搾溝を形成する圧搾溝形成工程を備え、
    該圧搾溝形成工程は、表面に所定パターンに形成された凸部を有する上型ロール部と、表面に前記凸部が嵌合可能なパターンが形成された下型ロール部と、を有し、
    少なくとも前記吸収体を圧搾することで、前記圧搾溝を形成する吸収性物品の製造方法。
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