JP6810551B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、吸収性物品に関する。
本出願人は、先に、吸収体の幅方向中央部における裏面シート側の面に凹部を有し、該凹部が吸収体の構成材料の坪量を他の部分より減らして形成されている吸収性物品を提案した(特許文献1)。また、本出願人は、吸収性コアの幅方向中央域に肌対向面側から突出した突出部を有し、吸収性コアの中央域の非肌当接面に縦溝が該縦溝の左右両側の隣接部分に比して吸収性コアの形成材料の坪量を減らして形成されている吸収性物品を提案した(特許文献2)。
特許文献1に記載の吸収性物品によれば、着用時に、吸収体の凹部によって、吸収体が着用者の肌に向かって曲面状に突出した形状に変形し易く、フィット性及び防漏性が向上する。また、特許文献2に記載の吸収性物品によれば、着用時に、吸収体の縦溝によって、突出部を有する吸収体が着用者の肌に向かって曲面状に突出した形状に変形し易く、フィット性が更に向上しつつ、防漏性が向上する。
特開2006−115996号公報 特開2014−104095号公報
本発明者らは、着用中の一般的な吸収性物品における吸収体が両脚で幅方向に押され、吸収体の幅方向中央部が凹状に変形し易く、吸収性物品と肌との間に隙間が生じ、体液が肌を伝って流れ易く、漏れの原因になることを見出した。このような漏れに対し、特許文献1に記載の吸収性物品を着用すれば、着用時に吸収体の裏面シート側の面の凹部を有する部分においては、着用者の肌に向かって曲面状に突出した形状に変形するので、横漏れは防止できるものの、凹部を有していないその前後方向では、変形が誘引され難いため、排泄部の前後では、着用者の身体との隙間が発生しやすく、特許文献1に記載の吸収性物品には、改善の余地があった。
また、特許文献2に記載の吸収性物品は、長手方向に沿う複数の縦溝を有するため、幅方向の可撓性に優れているが、特許文献2には、吸収性コアの幅方向中央域の突出部を、着用時に更に肌に向かって突出させる為の縦溝の位置に関して、具体的に記載されていない。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向と該縦方向に直交する横方向を備え、縦方向に長い吸収性コアを有し、着用者の液排泄部に対向配置される排泄部対向部を有する吸収性物品であって、前記吸収性コアは、横方向の中央部に位置する中央コア領域及び該中央コア領域から横方向両外方に位置する側方コア領域に区分され、該中央コア領域における前記排泄部対向部の肌対向面側に、該側方コア領域の肌対向面よりも肌側に突出する中高部を有しており、前記中央コア領域の非肌対向面側に、吸収性物品の横方向中心を通る縦方向に延びる仮想二等分線と重なる位置に配され、且つ縦方向に沿って延びる非肌側縦溝部を有しており、前記中央コア領域における前記非肌側縦溝部は、該非肌側縦溝部の横方向隣接部に比して前記吸収性コアの形成材料の坪量を減らして形成されている吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品によれば、着用中、吸収性物品と肌との間に隙間が生じ難く、フィット性が更に向上し、体液が肌を伝って流れ難く、防漏性が更に向上する。
図1は、本発明の経血吸収用の吸収性物品の好ましい一実施形態である生理用ナプキンを肌対向面側から視た平面図である。 図2は、図1のII−II線断面を模式的に示す断面図である。 図3は、図2に示す生理用ナプキンの吸収体を構成する吸収性コア及びコアラップシートを示す拡大断面図である。 図4(a)及び(b)は、図1に示す生理用ナプキンの吸収性コアの製造に好ましく使用される積繊ドラムの周方向に沿う断面を示す模式図であり、図4(a)は集積用凹部に吸収性コアの形成材料が堆積する前の状態、図4(b)は集積用凹部に吸収性コアの形成材料が堆積した状態を示す図である。 図5は、図1に示す生理用ナプキンを着用した状態を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の吸収性物品の他の実施形態の生理用ナプキンの備える吸収体を模式的に示す断面図である(図3相当図)。 図7は、比較例の生理用ナプキンの備える吸収体を模式的に示す断面図である(図3相当図)。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である生理用ナプキン1(以下、「ナプキン1」とも言う。)に基づき図面を参照して説明する。ナプキン1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと縦方向Xに直交する横方向Yを備え、縦方向Xに長い吸収性コア41を有し、着用者の膣口等の液排泄部に対向配置される排泄部対向部Bを有している。図1には、ナプキン1を肌対向面側から見た平面図が示されており、図2には、ナプキン1の断面図が示されている。また、図3には、ナプキン1の備える吸収体4の断面図が示されている。
本実施形態では、ナプキン1は、図1及び図2に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在され、吸収性コア41を備える吸収体4を具備する吸収性本体10を有している。吸収体4は、パルプ繊維を含む吸収性コア41と、吸収性コア41の肌対向面及び非肌対向面を被覆するコアラップシート42とを有している。
ナプキン1の吸収性本体10は、図1に示すように、着用時に着用者の膣口等の液排泄部に対向配置される排泄スポット部Pを有する排泄部対向部Bと、該排泄部対向部Bよりも着用者の腹側(前側)寄りに配される前方部Aと、該排泄部対向部Bよりも着用者の背側(後側)寄りに配される後方部Cとを有しており、前後方向に長い形状となっている。ナプキン1及び吸収性本体10は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、該縦方向Xに直交する横方向Yと、厚み方向Zとを有する。即ち、吸収性本体10は、前後方向である縦方向Xに、前方部A、排泄部対向部B及び後方部Cの順番で区分される。
排泄スポット部Pとは、ナプキン1等の吸収性物品の着用時に、着用者の液排泄部に対向配置され、経血が直接的に供給される部位であり、通常、前述した排泄部対向部Bの縦方向X及び幅方向Yの中央部に位置している。本実施形態のナプキン1で排泄スポット部Pは、ナプキン1を幅方向に等分する縦方向Xに延びる中央線に沿った長軸4cm、横方向Yに沿った短軸3cmを有する楕円形状となっている。また、排泄スポット部Pは、後述の着用者の肌側に突出する隆起部11とほぼ同一の位置となっている。
また、本明細書において、肌対向面は、ナプキン1又はその構成部材(例えば表面シート2)における、ナプキン1の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、ナプキン1又はその構成部材における、ナプキン1の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。また、縦方向Xは、ナプキン1及び吸収性本体10の長手方向に一致し、横方向Yは、ナプキン1及び吸収性本体10の幅方向(長手方向に直交する方向)に一致する。
本実施形態では、ナプキン1は、図1及び図2に示すように、吸収性本体10に加えて更に、吸収性本体10における排泄部対向部Bの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対のウイング部10W,10Wを有し、吸収性本体10における後方部Cの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対の後方フラップ部10F,10Fを有している。
尚、本発明の吸収性物品において、排泄部対向部Bとは、本実施形態のナプキン1のようにウイング部10Wを有する場合には、ナプキン1の縦方向Xにおける、一対の左右両側にウイング部10Wを有する領域であり、より詳細には、一方のウイング部10Wの縦方向Xに沿う付け根と他方のウイング部10Wの縦方向Xに沿う付け根とに挟まれた領域を意味する。また、ウイング部を有しない吸収性物品の場合には、吸収性物品が3つ折りの個装形態に折り畳まれた際に生じる、該吸収性物品を横方向Yに横断する2本の折曲線(図示せず)について、該吸収性物品の縦方向Xの前端から数えて第1折曲線と第2折曲線とに囲まれた領域を意味する。
本実施形態のナプキン1では、表面シート2は、図1及び図2に示すように、吸収体4の肌対向面の全域を被覆している。一方、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆し、更に表面シート2の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出して、後述する防漏カフ形成用シート7と共にサイドフラップ部10Sを形成している。表面シート2の肌対向面に固定された防漏カフ形成用シート7と裏面シート3とは、吸収体4の縦方向Xの両端縁からの延出部分において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。尚、表面シート2及び裏面シート3それぞれと吸収体4との間は接着剤によって接合されていてもよい。
ナプキン1では、防漏カフ形成用シート7は、図1及び図2に示すように、吸収性本体10の肌対向面に配された表面シート2の肌対向面における縦方向Xに沿う両側部に配され固定されている。好適には、防漏カフ形成用シート7は、平面視において吸収体4の縦方向Xに沿う左右両側部に重なるように、吸収性本体10の縦方向Xの全長に亘って配され固定されている。防漏カフ形成用シート7は、例えば、自由端部側を折り返し、折り返して形成された折り返し部分の内部に防漏カフ形成用弾性部材を配してもよい。このように防漏カフ形成用弾性部材を配すると、防漏カフ形成用弾性部材の収縮力により、折り返し部分が着用者の肌側に向かって起立する、防漏カフが形成されるようになる。このように防漏カフが形成されると、肌対向面に排泄された経血の横漏れを防止することができる。
ナプキン1では、サイドフラップ部10Sは、図1に示すように、排泄部対向部Bにおいて横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体10の縦方向Xに沿う左右両側に、一対のウイング部10W,10Wが延設されている。また、サイドフラップ部10Sは、図1に示すように、後方部Cにおいて横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体10の縦方向Xに沿う左右両側に、一対の後方フラップ部10F,10Fが延設されている。
ウイング部10Wは、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面側に折り返されて用いられるものである。ナプキン1では、ウイング部10Wは、図1に示すように、平面視において、下底(上底よりも長い辺)が、吸収性本体10の縦方向Xに沿う側部側に位置する略台形形状を有している。ウイング部10Wの非肌対向面には、該ウイング部10W(ナプキン1)をショーツ等の着衣(図示せず)に固定するウイング部粘着部(図示せず)が形成されており、このウイング部粘着部によって、使用時に、着衣のクロッチ部の非肌対向面(外面)側に折り返されたウイング部10Wを、該クロッチ部に粘着固定できるようになされている。また、吸収性本体10の非肌対向面にも、吸収性本体10を、ショーツ等の着衣に固定するための本体粘着部(図示せず)が形成されている。
後方フラップ部10Fは、着用時にショーツ等の着衣の肌対向面側に配されるものである。後方フラップ部10Fの非肌対向面には、該後方フラップ部10Fをショーツ等の着衣(図示せず)に固定する後方フラップ部粘着部(図示せず)が形成されており、この後方フラップ部粘着部によって、使用時に、着衣の肌対向面(内面)上に後方フラップ部10Fが粘着固定できるようになされている。
吸収性コア41は、パルプ繊維を含む繊維材料からなる繊維集合体から形成されている。吸収性コア41は、コアラップシート42によって被覆されており、ナプキン1では、肌対向面及び非肌対向面の両面を、コアラップシート42によって被覆されている。ナプキン1では、図2に示すように、1枚のコアラップシート42を用いて吸収性コア41の全体を被覆している。1枚のコアラップシート42は、吸収性コア41の縦方向Xの長さと同じ長さを有し、吸収性コア41の横方向Yの長さの2倍以上の長さを有している。そして、1枚のコアラップシート42の横方向Yの中央部を、吸収性コア41の肌対向面上に重ね、1枚のコアラップシート42の横方向Yの両端部分を吸収性コア41の非肌対向面側に折り返し、折り返した両端縁部分を重ね合わせる。このようにして、吸収性コア41の肌対向面及び非肌対向面の両面が、1枚のコアラップシート42で被覆されている。コアラップシート42は、吸収性コア41の形成材料の漏れ出しを防止したり、吸収性コア41の保形性を高めたりする目的で使用される。表面シート2と、吸収性コア41の肌対向面側を被覆するコアラップシート42との間、及び裏面シート3と吸収性コア41の非肌対向面側を被覆するコアラップシート42との間は、ドット、スパイラル、ストライプ等のパターン塗工された接着剤により互いに接合されていることが好ましい。
吸収性コア41には吸水性ポリマーが含有されていてもよい。吸収性コア41の有する高吸収性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の高吸収性ポリマーを用いる場合、その形状は球状、塊状、俵状又は不定形のいずれでもよい。高吸収性ポリマーとしては、一般に、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を用いることができる。その例としては、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリメタクリル酸及びその塩が挙げられる。ポリアクリル酸塩やポリメタクリル酸塩としては、ナトリウム塩を好ましく用いることができる。また、アクリル酸又はメタクリル酸にマレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はスチレンスルホン酸等のコモノマーを高吸収性ポリマーの性能を低下させない範囲で共重合させた共重合物も用いることができる。
吸収性コア41は、図1〜図3に示すように、横方向Yの中央部に位置する中央コア領域CT及び中央コア領域CTから横方向Y両外方に位置する側方コア領域ST,STに区分されている。ここで、ナプキン1において、中央コア領域CTとは、吸収性コア41を横方向Yに略三等分した際の中央領域のことであり、両側方コア領域ST,STとは、吸収性コア41を横方向Yに略三等分した際の中央領域を除く両側方領域のことを意味する。中央コア領域CT及び各側方コア領域STは、図1に示すように、吸収性コア41の縦方向Xの全長に亘って延びている。
吸収性コア41は、図1〜図3に示すように、中央コア領域CTにおける排泄部対向部Bの肌対向面側に、側方コア領域STの肌対向面ST1(図3参照)よりも肌側に突出する中高部43を有している。吸収性コア41が肌対向面側に中高部43を有していると、ナプキン1の吸収性本体10には、中高部43に対応して着用者の肌側に突出する隆起部11が形成されるようになる。ここで、側方コア領域STの肌対向面ST1は、図3に示すような縦方向X及び横方向Yからなる面方向に平行な無段に形成されている場合のみならず、複数段に形成されている場合も含んでおり、側方コア領域STの肌対向面ST1が複数段に形成されている場合の肌対向面ST1とは、吸収性コア41における最も非肌対向面側の面のことを意味する。
吸収性コア41の中高部43は、図3に示すように、側方コア領域STの肌対向面ST1から肌側に高さt43を有して突出している。ここで、高さt43とは、中高部43の厚みの内で最も厚い部分の厚みのことである。中高部43を含む中央コア領域CTにおける全厚t1に対する高さt43の割合((t43/t1)×100)は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、具体的には、好ましくは20%以上90%以下であり、より好ましくは30%以上80%以下である。中高部43の高さt43は、中央コア領域CTにおける全厚t1から側方コア領域STの厚みt2を差し引いた値と同じである。中央コア領域CTの全厚t1及び側方コア領域STの厚みt2は、以下のように測定する。
〔中央コア領域CTの全厚t1及び側方コア領域STの厚みt2の測定方法〕
吸収性コア41から、中高部43を含む中央コア領域CTの部位、及び肌対向面ST1を有する側方コア領域STの部位を切り出す。切り出した各部位の中心に、大きさ20mm×20mm、厚み3mmのアクリルプレートの中心が一致するようにアクリルプレートを置き、KEYENCE社製非接触式レーザー変位計(レーザーヘッドLK−G30、変位計LK−GD500)を用いて、各部位の厚みを測定する。なお、厚み測定時圧力は0.5g/cm2とする。
吸収性コア41の中高部43は、吸収性コア41の全幅W41に対する中高部43の幅W43(図1参照)の割合((W43/W41)×100)が、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下であり、具体的には、好ましくは20%以上80%以下であり、より好ましくは30%以上70%以下である。ここで、中高部43の幅W43とは、中高部43を平面視して、横方向Yの長さが最も長い部位での長さを意味する。また、吸収性コア41の全幅W41とは、吸収性コア41を平面視して、吸収性コア41の排泄部対向部Bにおける横方向Yの長さが最も長い部位での長さを意味する。
ナプキン1では、図1に示すように、吸収性コア41が前方部Aから後方部Cに亘って延在する縦方向Xに長い形状を有し、中高部43が吸収性コア41の縦方向Xに長い形状を有している。縦方向Xに長い中高部43は、ナプキン1の排泄部対向部Bから前方部Aの一部に亘るとともに、排泄部対向部Bから後方部Cの一部に亘って形成されている。吸収性コア41を平面視して、吸収性コア41の縦方向Xの全長L41に対する中高部43の縦方向Xの長さL43(図1参照)の割合((L43/L41)×100)は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下であり、具体的には、好ましくは20%以上80%以下であり、より好ましくは30%以上70%以下である。ここで、中高部43の長さL43とは、中高部43を平面視して、縦方向Xの長さが最も長い部位での長さを意味する。また、吸収性コア41の全長L41とは、吸収性コア41を平面視して、吸収性コア41の縦方向Xの長さが最も長い部位での長さを意味する。
ナプキン1では、図1及び図2に示すように、吸収性コア41における中央コア領域CTの非肌対向面側に、ナプキン1の横方向Y中心を通る縦方向Xに延びる仮想二等分線である縦中心線CLと重なる位置に配され、且つ縦方向Xに沿って延びる非肌側縦溝部5を有している。非肌側縦溝部5は、縦中心線CLと重なる位置に縦方向Xに沿って延びていれば、連続線状に形成されていてもよく、間欠的に配された非連続線状に形成されていてもよい。非肌側縦溝部5は、吸収性コア41の非肌対向面から肌対向面側に向かって形成されていれば、吸収性コア41を貫通していてもよいが、ナプキン1では、吸収性コア41の非肌対向面から肌対向面側に向かって凸に窪んで形成されている。非肌側縦溝部5を吸収性コア41の非肌対向面側から視て、非肌側縦溝部5は、吸収性コア41の肌対向面側に有底の形状となっている。また、非肌側縦溝部5は、吸収性コア41の縦方向Xの長さが、少なくとも排泄スポット部Pの縦方向Xの長さよりも長くなっていることが、排泄スポット部Pの縦方向X全域において、肌との間に隙間を生じ難くし、フィット性を向上させる観点より好ましい。より好ましい形態として、このような非肌側縦溝部5が、ナプキン1では、図1に示すように平面視して、縦中心線CLと重なる位置に吸収性コア41の縦方向Xの全長に亘って配されている。これにより、排泄スポット部Pの縦方向Xの前後部においても肌との密着性が向上し、体液が肌を伝って流れ難く、防漏性が更に向上する。
ナプキン1では、非肌側縦溝部5が、吸収性コア41の中央コア領域CTの非肌側に配されている。非肌側縦溝部5が配された部分の坪量は、該非肌側縦溝部の横方向隣接部に比して吸収性コア41の形成材料の坪量を減らして形成されている。横方向隣接部は非肌側縦溝部5を除く周辺部であり、非肌側縦溝部5が配された部分の坪量は、吸収性コア41の各側方コア領域STの坪量STwに比して坪量を減らして形成されていることがより好ましい。側方コア領域STの坪量STwに対する非肌側縦溝部5が配された部分の坪量5wの割合((5w/STw)×100)は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下であり、具体的には、好ましくは5%以上95%以下であり、より好ましくは10%以上90%以下である。側方コア領域STの坪量STwは、好ましくは50g/m2以上、より好ましくは100g/m2以上であり、また、好ましくは600g/m2以下、より好ましくは500g/m2以下であり、具体的には、好ましくは50g/m2以上600g/m2以下、より好ましくは100g/m2以上500g/m2以下である。また、中央コア領域CTにおける非肌側縦溝部5が配された部分の坪量5wは、好ましくは20g/m2以上、より好ましくは50g/m2以上であり、また、好ましくは400g/m2以下、より好ましくは300g/m2以下であり、具体的には、好ましくは20g/m2以上400g/m2以下、より好ましくは50g/m2以上300g/m2以下である。また、中高部43を有する中央コア領域CTの坪量、即ち、中央コア領域CTにおける非肌側縦溝部5が配された部分を除く部分の坪量は、側方コア領域STの坪量STwよりも大きく、好ましくは150g/m2以上、より好ましくは200g/m2以上であり、また、好ましくは1000g/m2以下、より好ましくは900g/m2以下であり、具体的には、好ましくは150g/m2以上1000g/m2以下、より好ましくは200g/m2以上900g/m2以下である。
ここで、側方コア領域STの坪量STwの坪量は、中高部43の縦方向Xに沿う両側縁を通るように吸収性コア41を切断して吸収性コア41を3つに分け、中高部43を含むカットサンプル以外の残りの2つのカットサンプルそれぞれの質量を、それぞれのカットサンプルの例えば肌対向面側の面の面積で除して得られた2つの値を平均して求める。また、吸収性コア41の中央コア領域CTにおける非肌側縦溝部5が配された部分の坪量5wは、非肌側縦溝部5の最大溝幅の位置を通るように、具体的にナプキン1では吸収性コア41の非肌対向面における非肌側縦溝部5の最大溝幅の位置を通るように、吸収性コア41における非肌側縦溝部5が配された部分を切り出し、その切り出したサンプルの質量を、その切り出したサンプルの例えば肌対向面側の面の面積で除して求める。また、中央コア領域CTにおける非肌側縦溝部5が配された部分を除く部分の坪量は、吸収性コア41の中央コア領域CTから、非肌側縦溝部5が配された部分の坪量5wを測定するために切り出したサンプルを除いたサンプルの質量を、そのサンプルの例えば肌対向面側の面の面積で除して求める。尚、各サンプルの質量は、電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。
ナプキン1では、吸収性コア41の非肌側縦溝部5は、その深さが、側方コア領域STの厚みよりも大きく形成されていることが好ましく、図3に示すように、吸収性コア41の非肌側縦溝部5は、その深さが、側方コア領域STの厚みよりも大きく、その頂部5tが、中高部43の内部にまで至っていることが、排泄スポット部Pにおける着用者の液排泄部との密着性において好ましい。さらに好適には、ナプキン1では、非肌側縦溝部5が、吸収性コア41の非肌対向面から肌対向面側に向かって、側方コア領域STの肌対向面ST1の位置を越えて、凸に窪んで形成されていることで、着用者の液排泄部との密着性がより高まる。図3に示すように、中高部43を含む中央コア領域CTにおける全厚t1に対する非肌側縦溝部5の深さdの割合((d/t1)×100)は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、具体的には、好ましくは5%以上90%以下であり、より好ましくは10%以上80%以下である。非肌側縦溝部5の深さdは、2.0mm以上であることが好ましく、3.0mm以上であることが更に好ましく、そして、20.0mm以下であることが好ましく、15.0mm以下であることが更に好ましく、具体的には、2.0mm以上20.0mm以下であることが好ましく、3.0mm以上15.0mm以下であることが更に好ましい。
また、ナプキン1では、吸収性コア41の非肌側縦溝部5は、図3に示すように断面視した際の横方向Yの長さに関し、吸収性コア41の中央コア領域CTの非肌対向面側の長さW5dが、中央コア領域CTの肌対向面側の長さW5uよりも長く形成されている。非肌側縦溝部5の非肌対向面側の長さW5dが非肌側縦溝部5の肌対向面側の長さW5uよりも長く形成されている場合、非肌側縦溝部5の横方向Yの長さ(幅)が、吸収性コア41における非肌側縦溝部5の頂部5t側から非肌側縦溝部5の非肌対向面側に向かって、段階的に長くなっていてもよく、漸次長くなっていてもよいが、ナプキン1では、漸次長くなっている。
ナプキン1では、吸収性コア41の全幅W41(図2参照)に対する非肌側縦溝部5の非肌対向面側の長さW5d(図3参照)の割合((W5d/W41)×100)が、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上であり、また、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下であり、具体的には、好ましくは1%以上30%以下であり、より好ましくは2%以上20%以下である。非肌側縦溝部5の非肌対向面側の長さW5dは、0.5mm以上であることが好ましく、1.0mm以上であることが更に好ましい。非肌対向面側の長さW5dが、上記範囲より小さいと、吸収性コア41が小さな曲率で曲がることが可能となり、肌対向面側に向って凸部を形成し難くなるため、柔軟で良好なフィット感が得られ難くなる。そして、20mm以下であることが好ましく、15mm以下であることが更に好ましい。非肌対向面側の長さW5dが、上記範囲より大きいと、吸収性コア41が、いびつに変形し易くなり、良好なフィット感や漏れ防止効果が得られにくくなる。具体的には、0.5mm以上20mm以下であることが好ましく、1.0mm以上15mm以下であることが更に好ましい。
ナプキン1では、吸収性コア41は、図1及び図2に示すように、肌対向面側に、幅方向において、中高部43を挟む位置において縦方向Xに延びる一対の肌側縦溝部62,62を有している。好適に、ナプキン1は、吸収性本体10の肌対向面(表面シート2の肌対向面)に、排泄スポットPを挟む位置において、表面シート2及び吸収体4が裏面シート3側に向かって一体的に凹陥されてなる線状の圧搾溝6を備えている。線状の圧搾溝6における「線状」とは、溝(凹陥部)の形状が平面視において直線に限られず、曲線を含んでいることを意味する。尚、各線は、連続線でも破線等のような不連続線でもよい。例えば、圧搾溝6は、不連続な多数の点エンボスのなす列から構成されていてもよい。圧搾溝6は、吸収性本体10の肌対向面側から加圧又は加熱及び加圧を伴うエンボス加工を施すことにより形成することができる。また、圧搾溝6は、その構成繊維が熱融着した状態となっていてもよい。圧搾溝6は、その密度が、圧搾溝6を除く他の部位の密度よりも高くなっている。従って、圧搾溝6は、吸収性コア41に形成されている非肌側縦溝部5とは異なる溝である。
ナプキン1では、図1に示すように平面視して、圧搾溝6は、前方部A及び後方部Cに、それぞれ横方向Yに延びる横圧搾溝61と、縦方向Xに沿う両側部それぞれに前方部Aから後方部Cに亘って縦方向Xに延びる縦圧搾溝とを有している。該縦圧搾溝が、ナプキン1では肌側縦溝部62となっている。縦圧搾溝である肌側縦溝部62は、ナプキン1では、縦中心線CLに対して左右対称形に一対の形態で配されている。ナプキン1では、一対の肌側縦溝部62は、両側方コア領域ST,STそれぞれの肌対向面ST1に配されて、中高部43を挟む位置に形成されているが、中高部43を挟む位置に形成されていれば、例えば、中高部43の縦方向Xに沿う中高部43の両側部上に形成されていてもよく、中央コア領域CTの縦方向Xに沿う中央コア領域CTの両側部上に形成されていてもよい。各肌側縦溝部62は、前方部Aから後方部Cに亘って縦方向Xに延びており、排泄部対向部Bにおいて横方向Y外方に向けて凸の曲線状を形成しながら縦方向Xに延びている。また、ナプキン1では、前方部A及び後方部Cの横圧搾溝61は、縦方向X外方に向けて凸の曲線状を形成しながら横方向Yに延びている。ナプキン1では、前方部Aの横圧搾溝61、一方の肌側縦溝部62、後方部Cの横圧搾溝61、及び他方の肌側縦溝部62が繋がってリング状の全周溝を形成している。このように形成された圧搾溝6は、表面シート2上を平面方向に流れる体液の拡散を抑制して、ナプキン1の周囲から液漏れを効果的に防止することができる。
非肌側縦溝部5の縦方向Xの全長L5は、肌側縦溝部62の縦方向Xの全長L6よりも長く形成されていることが好ましく、ナプキン1では、図1に示すように平面視して、非肌側縦溝部5が吸収性コア41の縦方向Xの全長に亘って延びて配されており、非肌側縦溝部5の縦方向Xの全長L5が、肌側縦溝部62の縦方向Xの全長L6よりも長く形成されている。
吸収性コア41は、中高部43を有する中央コア領域CTと各側方コア領域STとが一体に形成されている。ここで、「一体に成形されている」とは、別の工程で製造した部材どうしを接着剤や圧縮などの接合手段で結合したものとは異なり、同一の材料を用いて、一つの工程で一体的に形成されていることを意味する。したがって、中央コア領域CTと両側方コア領域ST,STとの境界部に、別に製造した2つの吸収性コアを並べて配置した場合に生じるコアどうしの隣接部や結合部が存在しない。また、ナプキン1では、吸収性コア41全体が一体成形されているので、中央コア領域CTに配された中高部43を形成する部分とそれよりも非肌対向面側に近い部分との間には、同様に、層どうしの隣接部や結合部が存在しない。吸収性コア41が、非肌側縦溝部5を起点に中高部43に対応する隆起部11が、身体形状に沿って凸状に変形した際でも、吸収性コア41の一部が壊れたり、剥がれることがなく、排泄スポット部Pや着用者の液排泄部の前後方向においても、全体として着用者にフィットするように変形することが可能となり、着用者の肌との間に隙間が生じ難くなる。更に、中高部43から吸収した液が、吸収性コア41の厚み方向にスムーズに拡散し、液が多量に供給された場合等においても、肌当接面に液が残りにくく、優れたドライ感や快適な着用感が得られる。このような構造の吸収性コアの製造方法については後で説明する。
上述したナプキン1の吸収性コア41は、図4(a)に示すように、外周面に集積用凹部141を備え、一方向Rに回転する積繊ドラム140と、該積繊ドラム140の外周面に、コア材料を飛散状態で供給するダクト(図示せず)を備えた積繊装置を用いて製造することができる。
集積用凹部141は、積繊ドラム140の外周面の周方向に一定の間隔で複数個形成されている。集積用凹部141の底面142は、メッシュプレート等からなり、吸引孔として機能する多数の細孔を有している。
また、図4(a)に示すように、集積用凹部141の底面142の一部には、中高部43を形成するための凹部143が形成されている。また、吸収性コア41に非肌側縦溝部5を形成するための溝部形成部材145が着脱可能に配置されている。溝部形成部材145は、非肌側縦溝部5に対応する位置に、集積用凹部141の上部に着脱可能に配置されており、例えば金属やプラスチック、セラミック等からなる。
例えば、積繊ドラムを備えた公知の積繊装置に着脱可能な溝部形成部材145を配置し、集積用凹部141の底面から吸引しつつ、ダクト内に、パルプ繊維等のコア材料を供給することによって、図4(b)に示すように、コア材料が集積用凹部141内に所定形状に堆積する。着脱可能な溝部形成部材145を取り外し、その堆積物400を、集積用凹部141から離型することで、吸収性コア41が得られる。吸収性コア41は、コアラップシート42で被覆する前又は被覆した後、一対のロール間に通すこと等により加圧し適度に圧縮させる。これにより、坪量及び密度が相対的に小さい非肌側縦溝部5となり、各凹部143底面上に堆積した部分が、坪量及び密度が相対的に大きい中高部43を有する部分となる。同様に、凹部143以外の部分においては、底面上に堆積した部分が、中高部43を有する部分よりは坪量及び密度が相対的に小さい周辺領域となる。吸収性コア41のコア材料に高吸収性ポリマーを用いる場合には、ダクトの途中に吸収性ポリマーの導入部を設けて繊維集合体に含有させる。
上述した本実施形態のナプキン1の各構成部材の形成材料について説明する。
表面シート2、裏面シート3としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来使用されている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。また、裏面シート3としては、透湿性の樹脂フィルム等を用いることができる。また、防漏カフ形成用シートとしては、耐水圧が高い撥水性の不織布、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド積層不織布等を用いることができる。
ナプキン1では、表面シート2と吸収体4との間、及び吸収体4と裏面シート3との間は、接着剤を塗布して固定されていることが好ましい。接着剤は、公知の手段、例えば、スロットコートガン、スパイラルスプレーガン、スプレーガン、或いはドットガンを用いて塗布することができ、ナプキン1では、スパイラルスプレーガンを用いてスパイラル状に塗布することが好ましい。塗布する接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤が好ましく用いられる。ホットメルト接着剤の塗布量は、1.5g/m2以上10g/m2以下であることが好ましい。
上述したナプキン1の作用効果と推定メカニズムについて説明する。
ナプキン1の着用者が、就寝時に身体を横向きにして脚をクロスさせた姿勢をとる等着用者の股間幅が狭くなる姿勢をとれば、ナプキン1の有する吸収体4が着用者の両脚で横方向Yに押されるようになる。ここで、ナプキン1は、吸収性コア41の中央コア領域CTにおける肌対向面側に突出する中高部43を有しており、中央コア領域CTの非肌対向面側において、縦中心線CLと重なる位置に縦方向Xに延びる、その横方向隣接部に比して相対的に形成材料の坪量の小さい非肌側縦溝部5を有している。ナプキン1では、非肌側縦溝部5は、吸収性コア41の縦方向Xの長さが、中高部43の縦方向Xの長さよりも長く形成されていることが好ましく、これにより、排泄スポット部Pの縦方向Xの長さよりも長くなり、その為、図5に示すように、排泄スポット部Pの全域において、非肌側縦溝部5を起点に中高部43に対応する隆起部11が突出し易く、更に、排泄スポット部Pだけではなく、その前後においてもナプキン1と着用者の肌との間に隙間が生じ難く、フィット性が更に向上し、体液が肌を伝って流れ難く、防漏性が向上する。
また、ナプキン1の非肌側縦溝部5は、図3に示すように断面視して、非肌対向面側の長さW5dが肌対向面側の長さW5uよりも長く形成されているので、非肌側縦溝部5を起点に中高部43に対応する隆起部11が更に突出し易く、フィット性が更に向上し、防漏性が更に向上する。
また、ナプキン1では、図3に示すように、吸収性コア41の非肌側縦溝部5は、その深さが、側方コア領域STの厚みよりも大きく形成されていることが、排泄スポット部Pにおける着用者の液排泄部との密着性の向上の点より好ましい。更にナプキン1では、非肌側縦溝部5が、吸収性コア41の非肌対向面から肌対向面側に向かって、その頂部5tが、側方コア領域STの肌対向面ST1の位置を越えて、中高部43の内部にまで至っており、その深さdが側方コア領域STの厚みよりも大きいことが好ましい。その為、図5に示すように、非肌側縦溝部5を起点に中高部43に対応する隆起部11が、液排泄部側に更に突出し易く、排泄スポット部Pにおける液排泄部との密着性においてフィット性が更に向上し、防漏性が更に向上する。
更に、ナプキン1では、このように形成された非肌側縦溝部5が、図1に示すように平面視して、吸収性コア41の縦方向Xの全長に亘って一本のみ配されていることより排泄スポット部Pおよび、排泄スポット部Pの着用者の液排出部の前後側においても、非肌側縦溝部5を起点に中高部43に対応する隆起部11が突出し、肌との密着性が向上し、体液が肌を伝って流れ難く、防漏性がより一層向上する。
また、ナプキン1では、吸収性コア41が、図1及び図2に示すように、肌対向面側に、中高部43を挟む位置において縦方向Xに延びる一対の肌側縦溝部62,62を有している。その為、ナプキン1の着用中に吸収体4が両脚で横方向Yに押されるようになると、一対の肌側縦溝部62,62を起点に、各肌側縦溝部62,62よりも横方向Y外方部分が横方向Y内方に押されると共に、非肌側縦溝部5を起点に中高部43に対応する隆起部11が着用者の肌側に更に突出し易く、更に、肌側溝を介して、ナプキンの両側部が着用者の肌側へ屈曲し、図5に示すようにナプキン1を断面視して、中央部が凸状に変形したW字状を描くように変形し易くなる。このようにナプキン1がW字状を描くように変形すると、ナプキン1と着用者の肌との間に隙間が生じ難く、フィット性が更に向上し、体液が肌を伝って流れ難く、防漏性が更に向上する。
また、ナプキン1では、図1に示すように平面視して、非肌側縦溝部5が吸収性コア41の縦方向Xの全長に亘って延びて配されており、非肌側縦溝部5の縦方向Xの全長L5が、肌側縦溝部62の縦方向Xの全長L6よりも長く形成されている。その為、ナプキン1の着用中に吸収体4が両脚で横方向Yに押されるようになると、ナプキン1がW字状を描くように更に変形し易く、フィット性が更に向上し、防漏性が更に向上する。
吸収性コア41は、中高部43する中央コア領域CTと両側方コア領域ST,STとが一体に形成されている。これにより、ナプキン1の着用中に吸収体4が着用者の両脚で横方向Yに押されるようになると、ナプキン1が、着用者の肌側に凸状に隆起するとともに、肌側溝を可撓軸として、ナプキン1の両側部が着用者の肌対向面側へ屈曲して全体としてほぼW字状を描くように更に変形し易く、フィット性が更に向上し、横漏れ等の防漏性が更に向上する。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明の吸収性物品は前記実施形態のナプキン1に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、ナプキン1では、図3に示すように、吸収性コア41の備える非肌側縦溝部5を断面視して、非肌側縦溝部5の非肌対向面側の長さW5dが非肌側縦溝部5の肌対向面側の長さW5uよりも長く、非肌側縦溝部5の頂部5t側から非肌側縦溝部5の非肌対向面側に向かって漸次長くなっているが、例えば図6に示すように、非肌側縦溝部5の非肌対向面側の長さW5dと非肌側縦溝部5の肌対向面側の長さW5uとが同じ長さであり、非肌側縦溝部5の頂部5t側から非肌側縦溝部5の非肌対向面側に向かって同じ溝幅で形成されていてもよい。図6に示す吸収体4については、前述したナプキン1と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、図3に示す吸収体4についての説明が適宜適用される。
また、ナプキン1では、図3に示すように、吸収性コア41の非肌側縦溝部5が、吸収性コア41の非肌対向面から肌対向面側に向かって、側方コア領域STの肌対向面ST1の位置を越えて、その頂部5tが中高部43の内部にまで至るまで凸に窪んで形成されているが、その頂部5tが中高部43の内部にまで至っていなくてもよく、吸収性コア41の非肌対向面から肌対向面側に向かって凸に窪んで形成されていればよい。
また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティーライナー(おりものシート)等であってもよい。
以下、本発明の吸収性物品を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
<実施例1>
図3に示す吸収性コア41及びコアラップシート42を備える吸収体4を有する図1及び図2に示す生理用ナプキン1と同様の基本構成を有する生理用ナプキンを作製し、これを実施例1のサンプルとした。表面シートとしては、坪量25g/m2のスパンボンド不織布を用いた。裏面シートとしては、坪量35g/m2の透湿性の樹脂フィルムを用いた。防漏カフ形成用シートとしては、坪量25g/m2のスパンボンド不織布を用いた。吸収体としては、吸収性コアは、パルプ繊維と吸水性ポリマーの混合積繊体として形成した。吸収性コアの平均坪量は、300g/m2であり、吸収性コアにおける高吸収性ポリマー(SAP)の含有量は6.5質量%であり、高吸収性ポリマーとして、日本触媒社製のアクアリックCAを用いた。また、実施例1のサンプルには、図1及び図2に示すように、肌対向面に線状の圧搾溝6を形成した。吸収性コアの非肌側縦溝部は、吸収性コアの非肌対向面から肌対向面側に向かって、側方コア領域STの肌対向面ST1の位置を越えて、その頂部5tが中高部の内部にまで至るまで凸に窪むように形成した。そして、非肌側縦溝部は、非肌対向面側の長さW5dが肌対向面側の長さW5uよりも長く、頂部5t側から非肌対向面側に向かって漸次長くなるように形成した。
実施例1のサンプルにおける吸収性コアの詳細は次の通りである。
吸収性コアの中央コア領域CTにおける全厚t1は、7.5mm、側方コア領域STの厚みt2は、4.3mm、中高部を含む中央コア領域CTにおける全厚t1に対する中高部の高さt43の割合((t43/t1)×100)は、43%であった。
吸収性コアの全幅W41は、80mm、中高部の幅W43は30mm、全幅W41に対する中高部の幅W43の割合((W43/W41)×100)は、38%であった。
吸収性コアの縦方向Xの全長L41は324mm、長さL43(図1参照)は、130mm、縦方向Xの全長L41に対する中高部の縦方向Xの長さL43(図1参照)の割合((L43/L41)×100)は、40%であった。
非肌側縦溝部5が配された部分の坪量5wは200g/m2、側方コア領域STの坪量STwは、230g/m2、側方コア領域STの坪量STwに対する非肌側縦溝部5が配された部分の坪量5wの割合((5w/STw)×100)は、87%であった。
中高部を含む中央コア領域CTにおける全厚t1に対する非肌側縦溝部の深さdの割合((d/t1)×100)は、67%であった。該深さは、5mmであった。
吸収性コアの全幅W41に対する非肌側縦溝部の非肌対向面側の長さW5dの割合((W5d/W41)×100)は、13%であった。該長さは、10mmであった。
<実施例2>
図3に示す吸収体4に替えて、図6に示す吸収体4を用いること以外は、実施例1で作成したサンプルと同様の基本構成を有する生理用ナプキンを作製し、これを実施例2のサンプルとした。図6に示す吸収体4では、非肌側縦溝部の非肌対向面側の長さW5dと肌対向面側の長さW5uとが同じ長さであり、非肌側縦溝部の頂部5t側から非肌対向面側に向かって同じ溝幅で形成されていた。
具体的には、吸収性コアの全幅W41に対する非肌側縦溝部の非肌対向面側の長さW5d(肌対向面側の長さW5u)の割合((W5d/W41)×100)は、2.5%であった。該長さW5d及び該長さW5uは、2mmであった。
<比較例1>
図3に示す吸収体4に替えて、図7に示す吸収体4Cを用いること以外は、実施例1で作成したサンプルと同様の基本構成を有する生理用ナプキンを作製し、これを比較例1のサンプルとした。図7に示す吸収体4Cについては、図3に示す吸収体4と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、図3に示す吸収体4についての説明が適宜適用される。図7に示す吸収体4Cは、吸収性コア41における中央コア領域CTの肌対向面側に、縦中心線CLと重なる位置に配され、且つ縦方向Xに沿って延びる縦溝部5Cを有していた。縦溝部5Cは、吸収性コア41の肌対向面から非肌対向面側に向かって窪んで形成されていた。図7に示す吸収体4Cでは、縦溝部5Cが吸収性コア41の肌対向面から非肌対向面側に向かって同じ溝幅で形成されていた。
具体的には、吸収性コアの全幅W41に対する縦溝部5Cの溝幅W5Cの割合((W5C/W41)×100)は、2.5%であった。該溝幅W5Cは、2mmであった。
〔評価〕
実施例1〜2のサンプル(生理用ナプキン)及び比較例1のサンプル(生理用ナプキン)について、縦方向および横方向の拡散距離、及び変形の状態を、それぞれ下記方法により測定した。それらの結果を下記表1に示す。
<縦方向および横方向の体液拡散距離の測定方法>
排泄点から液を注入できる駆動式の成人女性人体モデルを用い、該モデルを直立させた状態で評価対象のサンプルを装着させた後、該モデルを仰向けにした。次いで、該モデルの股間部を60mmから20mmへと圧縮し、さらに20mmか60mmへと解放するという一連の動作を10回繰り返した後、速度調整機能付き液体排出ポンプを用いて、排泄点より擬似血液を3分ごとに3.0g、合計12g注入した。該モデルからサンプルを取り外し、擬似血液の注入によってサンプルに生じた吸収性コアにおける排泄点からの縦方向および横方向の拡散距離を測定した。
<変形状態の評価方法>
上記縦方向および横方向の体液拡散距離の測定方法において、疑似血液の注入後の上記成人女性人体モデルから、実施例1〜2、比較例1のサンプルを取り外した際の該サンプルの幅方向の断面変形状態を観察した。
図1のII−II線断面において
A:サンプルの幅方向中央部が凸状に変形(サンプルがW字状に変形)
B:サンプルの幅方向中央部が凹状に変形
Figure 0006810551
表1に示すように、実施例1〜2の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比べ、安定的に吸収体がW字状に変形することがわかった。また、表1に示すように、実施例1〜2の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比べ、縦方向の体液拡散距離が短く、液が肌を伝わり広がってしまう、いわゆる液とびが発生していないことがわかった。これらのことから、実施例1〜2の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比べ、非肌側縦溝部を起点に中高部に対応する隆起部が凸状に隆起するとともに、肌側溝を可撓軸として、ナプキンの両側部が着用者の肌側へ屈曲、全体としてほぼW字状を描くように変形し易く、着用者の肌との間に隙間が生じ難く、フィット性が向上し、横漏れや肌を伝っての漏れ等に対する防漏性が向上することが期待できる。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
10 吸収性本体
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 吸収性コア
42 コアラップシート
43 中高部
5 非肌側縦溝部
5t 非肌側縦溝部の頂部
6 圧搾溝
61 横圧搾溝
62 肌側縦溝部(縦圧搾溝)
7 防漏カフ形成用シート
A 前方部
B 排泄部対向部
C 後方部

Claims (5)

  1. 着用者の前後方向に対応する縦方向と該縦方向に直交する横方向を備え、縦方向に長い吸収性コアを有し、着用者の液排泄部に対向配置される排泄部対向部を有する吸収性物品であって、
    前記吸収性コアは、横方向の中央部に位置する中央コア領域及び該中央コア領域から横方向両外方に位置する側方コア領域に区分され、
    該中央コア領域における前記排泄部対向部の肌対向面側に、該側方コア領域の肌対向面よりも肌側に突出する中高部を有しており、
    前記中央コア領域の非肌対向面側に、吸収性物品の横方向中心を通る縦方向に延びる仮想二等分線と重なる位置に配され、且つ縦方向に沿って延びる非肌側縦溝部を有しており、
    前記非肌側縦溝部が配された部分の坪量は、該非肌側縦溝部の横方向隣接部に比して前記吸収性コアの形成材料の坪量を減らして形成されており、
    前記非肌側縦溝部は、その深さが、前記側方コア領域の厚みよりも大きく、
    前記吸収性コアは、肌対向面側に、前記中高部を幅方向に挟む位置において縦方向に延びる一対の肌側縦溝部を有しており、
    前記非肌側縦溝部の縦方向の全長が、前記肌側縦溝部の縦方向の全長よりも長い吸収性物品。
  2. 前記非肌側縦溝部は、その縦方向の長さが、前記中高部の縦方向の長さよりも長く形成されている請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記非肌側縦溝部は、断面視した際の横方向の長さに関し、前記吸収性コアの前記中央コア領域の非肌側の長さが、該中央コア領域の肌対向面側の長さよりも長い請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記非肌側縦溝部は、前記吸収性コアの縦方向の全長に亘って配されている請求項1〜の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収性コアは、前記中高部を有する前記中央コア領域と各前記側方コア領域とが一体に形成されている請求項1〜の何れか1項に記載の吸収性物品。
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