WO2017094409A1 - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

吸収性物品において吸収体の肌対向面側に配されている表面シート(2)は、第1シート(20)と第2シート(21)との積層体を含み、両シート(20,21)のと、第1シート(20)が着用者の肌側に向かって突出する凸部(23)とをそれぞれ複数有し、且つ下記[1]~[4]を全て満たすものである。[1]凸部23の高さが0.5mm以上10mm以下。[2]表面シート(2)から縦10mm、横15mmの平面視長方形形状の領域を任意に選択した任意領域に存する接合部22の総数が10個以上30個以下。[3]前記任意領域の全面積に対する、該任意領域に存する接合部22の総面積の割合が12%以上35%以下。[4]せん断強度が21N以上70N以下。

Description

吸収性物品
 本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
 吸収性物品は通常、パルプや吸水性ポリマー等を含む吸収体と、該吸収体の肌対向面側に配された表面シートとを備えているところ、着用者の肌と最も接触するのは表面シートであることから、表面シートは吸収性物品の着用感に大きな影響を及ぼす構成部材の1つである。従来、吸収性物品用の表面シートとして、着用者の肌側に向けられる肌対向面に、エンボス加工等の押圧処理により凹凸形状を形成したものが知られている。また、表面シートの肌対向面に凹凸形状を形成することで、着用者の肌との間に空間を形成して、排泄された尿や経血から生じる湿気を放散させる技術も知られている。例えば特許文献1には、第1不織布と第2不織布とが部分的に熱融着されて接合部が形成され、第1不織布が、該接合部に囲まれた非接合部において第2不織布から離れる方向に突出して、内部が中空の凸部を多数形成している立体シートが記載されている。また特許文献1には、液漏れ防止性の向上の観点から、前記凸部の高さは1~10mmが好ましい旨記載されている。
 また特許文献2には、疎水性の多孔性表面シート、不透液性の裏面シート及び両シート間に配置された吸収体を具備する吸収性物品において、該多孔性表面シートと吸収体との間に親水性シートを介在配置すると共に、該多孔性表面シートと該親水性シートとの一部又は全面を複数のエンボスによって接合することが記載されており、特許文献2の図面によれば、斯かる複数のエンボスは平面視円形状のものが散点状に形成されている。また特許文献2には、特許文献2記載の吸収性物品における着用者の排泄部に対向配置される部位では、エンボス面積率を7%以上にすることが、尿等の排泄液の吸収速度の向上の観点から好ましい旨も記載されている。
特開2004-174234号公報 特開2004-49697号公報
 特許文献1に記載の如き立体形状を有する表面シート、即ち、2枚の不織布が複数の接合部で互いに接合され、非接合部において凸部が形成された表面シートは、吸収性物品の着用者の肌への摩擦が少なく風合いが良好という特長を有しているが、これらの特性についてはより高いレベルが要望されているのが実情である。しかしながら、そうした要望に応えるべく肌当たりや風合い等の改良を目的として、凸部の形状等を種々変更すると、凸部と着用者の肌との摩擦の係り具合に変化が生じる。その結果として、前記接合部を起点として、該接合部で互いに接合されている2枚の不織布の剥がれが生じ、その結果、表面シートを構成する肌側の不織布が浮き上がり、浮き上がった不織布が着用者の肌と張り付くなどし、吸収性物品の着用感の低下に繋がるおそれがある。柔軟性と浮き防止性との両立が実現された表面シートは未だ提供されていない。
 本発明は、吸収体と該吸収体の肌対向面側に配された表面シートとを備え、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品を提供するものである。前記表面シートが、第1シートと第2シートとの積層体を含み、該積層体において両シートが部分的に接合されて複数の接合部が形成され、該第1シートが、該接合部以外の部位において該第2シートから離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出する複数の凸部を形成しており、且つ下記(1)~(4)を全て満たすものである。
(1)前記凸部の高さが0.5mm以上10mm以下
(2)前記表面シートから縦10mm、横15mmの平面視長方形形状の領域を任意に選択した任意領域に存する前記接合部の総数が10個以上30個以下
(3)前記任意領域の全面積に対する、該任意領域に存する前記接合部の総面積の割合が12%以上35%以下
(4)せん断強度が21N以上70N以下
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつの肌対向面即ち表面シート側を模式的に示す平面図であり、各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた展開状態における平面図である。 図2は、図1のI-I線断面を模式的に示す横断面図である。 図3は、図1に示すおむつに配されている表面シートの肌対向面側の一部を模式的に示す斜視図である。 図4は、図1に示すおむつに配されている表面シートの肌対向面の一部を模式的に示す平面図である。 図5(a)は、図4のVy-Vy線断面を模式的に示す横断面図、図5(b)は、図4のVx-Vx線断面を模式的に示す縦断面図である。 図6は、本発明の表面シートの他の実施形態における肌対向面の一部を模式的に示す平面図(図4相当図)である。 図7は、図6のVy-Vy線断面を模式的に示す横断面図である。
 本発明は、着用者の肌と接する表面シートが柔軟で且つ着用中に浮き上がりにくい吸収性物品を提供することに関するものである。
 以下、本発明の吸収性物品をその好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。図1及び図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつ1が示されている。おむつ1は、着用時に着用者の腹側に配される腹側部1F及び背側に配される背側部1Rとそれらの間に位置する股下部1Mとを有すると共に、腹側部1Fから股下部1Mを介して背側部1Rに延び、着用者の前後方向に相当する縦方向Xと、これに直交する横方向Yとを有する。股下部1Mは、おむつ1の着用時に着用者のペニス等の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有しており、該排泄部対向部は通常、おむつ1の縦方向Xの中央部又はその近傍に位置している。
 おむつ1は、図1及び図2に示すように、吸収体4と、該吸収体4の肌対向面側に配され、着用時に着用者の肌と接触し得る液透過性の表面シート2と、該吸収体4の非肌対向面側に配された液不透過性ないし撥水性の裏面シート3とを具備し、図1に示す如き平面視において、股下部1Mに位置する縦方向Xの中央部が内方に括れ且つ一方向即ち縦方向Xに長い、縦長の砂時計状をなしている。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、両シート2,3間に介在配置された吸収体4よりも大きな寸法を有している。裏面シート3は表面シート2よりも大きな寸法を有し、吸収体4の周縁から外方に延出し、図1に示す如き展開且つ伸張状態のおむつ1の外形を形成している。裏面シート3としては、この種の吸収性物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
 本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば表面シート2)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
 吸収体4は、図1に示す如き平面視において縦方向Xに長い形状をなし、腹側部1Fから背側部1Rにわたって延在している。吸収体4は、吸収性材料を含む液保持性の吸収性コア40と、該吸収性コア40の肌対向面及び非肌対向面を被覆するコアラップシート41とを含んで構成されている。吸収性コア40とコアラップシート41との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されている。
 吸収性コア40は単層構造であり、図1に示す如き平面視において、長手方向即ち縦方向Xの中央部が内方に括れた砂時計状をなしている。吸収性コア40は吸収性材料を含むコア形成材料が積繊されてなる。吸収性材料としては、この種の吸収性コアの形成材料として通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、木材パルプ、親水化剤により処理された合繊繊維等の親水性繊維や吸水性ポリマー粒子が挙げられる。即ち、吸収性コア40は、親水性繊維の積繊体、あるいは該積繊体に吸水性ポリマー粒子を担持させたものであり得る。
 コアラップシート41としては、透水性のシート材を用いることができ、例えば、紙、不織布等を用いることができる。本実施形態のおむつ1においては、コアラップシート41は、吸収性コア40の横方向Yの長さの2倍以上3倍以下の幅を有する1枚の連続したコアラップシート41であり、この1枚のコアラップシート41は、図2に示すように、吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の下方に巻き下げられて、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆している。尚、コアラップシート41の形態はこれに限定されず、例えば、吸収性コア40の肌対向面を被覆する肌側コアラップシートと、吸収性コア40の非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシートとを含み、且つ両シートがそれぞれ別体のシートであっても良い。
 また、おむつ1の表面シート2側における縦方向Xに沿う左右両側には、それぞれサイドシート5が配されている。サイドシート5は、縦方向Xに沿う内側縁部と、該内側縁部よりも横方向Yの外方に位置して縦方向Xに沿う外側縁部とを有し、図1に示す如き平面視において、該内側縁部は吸収体4と重なり、該外側縁部は、図2に示すように、吸収体4の縦方向Xに沿う側縁から横方向Yの外方に延出し裏面シート3と接合されている。着用者の脚周りに配される左右のレッグ部におけるサイドシート5と裏面シート3との間には、糸状の弾性部材50が縦方向Xに沿って伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1の着用時におけるレッグ部には、弾性部材50の収縮により一対のレッグギャザーが形成される。また、サイドシート5の内側縁部には、糸状の弾性部材51が縦方向Xに沿って伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1の着用時には弾性部材51の収縮により少なくとも股下部1Mにおいて、サイドシート5は裏面シート3との接合部を起点として該内側縁部側が着用者の肌側に向かって起立し、防漏カフを形成する。この防漏カフは、尿等の排泄液の横方向Yの外方への流出いわゆる横漏れを防止し得る。表面シート2、裏面シート3、吸収体4、サイドシート5及び弾性部材50,51は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により互いに接合されている。
 おむつ1はいわゆる展開型の使い捨ておむつであり、図1に示すように、おむつ1の背側部1Rの縦方向Xに沿う両側縁部には、一対のファスニングテープ6,6が設けられている。ファスニングテープ6には、機械的面ファスナーのオス部材からなる図示しない止着部が取り付けられている。また、おむつ1の腹側部1Fの非肌対向面には、機械的面ファスナーのメス部材からなる被止着領域7が形成されている。被止着領域7は、腹側部1Fの非肌対向面を形成する裏面シート3の非肌対向面に、機械的面ファスナーのメス部材を公知の接合手段、例えば接着剤やヒートシール等で接合固定して形成されており、ファスニングテープ6の前記止着部を着脱自在に止着可能になされている。
 以下、表面シート2について詳細に説明する。図3~図5には、表面シート2の一部が拡大して示されている。表面シート2は、第1シート20と第2シート21との積層体を含み、該積層体において両シート20,21がエンボス加工により部分的に接合されて複数の接合部22が形成され、第1シート20が、接合部22以外の部位において第2シート21から離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出する複数の凸部23を形成している。
 つまり、表面シート2は、着用者の肌に近い側に位置する第1シート20と、着用者の肌から遠い側に位置する第2シート21とを有し、両シート20,21が、部分的に形成された多数の接合部22によって厚さ方向に一体化されており、第1シート20における、複数の接合部22どうし間に位置する部分が凸状に隆起して、肌対向面側の凸部23を形成している。表面シート2は、非肌対向面(吸収体4との対向面)が略平坦であり、肌対向面に起伏の大きな凹凸が形成されている。両シート20,21を接合し、接合部22を形成するエンボス加工としては、熱を伴うか又は伴わないエンボス加工、超音波エンボス加工等の公知のエンボス加工を利用することができる。
 表面シート2は、シートの面内に、第1方向X及びこれと直交する第2方向Yを有しており、おむつ1に組み込まれた状態においては、第1方向Xが、おむつ1の長手方向でもある縦方向Xに一致し、第2方向Yが、おむつ1の幅方向でもある横方向Yに一致する。
 また一般に、表面シート2の第1方向Xは、第1シート20及び第2シート21の原反の繰り出し方向、並びに表面シート2の製造時における搬送方向(MD)と一致する場合が多い。また一般に、第1シート20及び第2シート21が例えば不織布である場合には、表面シート2の第1方向Xは、不織布を構成する繊維の主たる繊維配向方向と一致する場合が多い。
 本実施形態において表面シート2には、接合部22として、平面視正方形形状の第1接合部22Aと、平面視長方形形状の第2接合部22Bとがそれぞれ複数形成されている。第2接合部22Bは、第1接合部22Aに比して面積が大きく、その長手方向が第1方向Xに一致している。接合部22(22A,22B)においては、第1シート20と第2シート21とがエンボス加工により一体的に加圧されているため、エンボス加工が施されていない他の部位に比して高密度化しており、好ましくは、両シート20,21の一方又は両方の構成樹脂の溶融及びその後の固化により両シート20,21間が熱融着している。
 本実施形態においては、第1接合部22A及び第2接合部22Bは千鳥状に形成されている。即ち表面シート2においては、図4に示すように、複数の第1接合部22Aが横方向Yに所定間隔を置いて直線的に列状に配置されてなる接合部列と、複数の第2接合部22Bが横方向Yに所定間隔を置いて直線的に列状に配置されてなる接合部列とが、縦方向Xに交互に配置されており、且つ横方向Yにおいて、隣在する該接合部列どうしで互いに第1接合部22Aと第2接合部22Bとがずれている。
 また、本実施形態において表面シート2には、凸部23として、平面視円形状の第1凸部23Aと、平面視楕円形状の第2凸部23Bとが形成されており、第2凸部23Bの長軸方向は第2方向Yに一致している。第2凸部23Bは、第1凸部23Aに比して面積が大きい。両凸部23A,23Bは、それぞれ、複数の接合部22(凹部)に囲まれた領域内に形成されており、それ故、「エンボス領域内凸部」とも言える凸部であり、第1方向X及び第2方向Yの何れの方向での断面においても頂部を有する形状を有している。本実施形態においては図5に示すように、第2凸部23Bは中空であり、また、図示していないが第1凸部23Aも中空であるが、凸部23の形状はこれに限定されず、両凸部23A,23Bは中空構造ではなく、内部に表面シート2の形成材料が充填された中実構造でも良い。
 第2凸部23Bは、第1凸部23Aに比して高さH(図5参照)が高く、表面シート2における全ての凸部23A,23Bのうちで高さが最大である。本明細書において「凸部の高さ」は、凸部23(23A,23B)において第1シート20が第2シート21から最も離れる方向に突出している部位における、第1シート20の肌対向面と第2シート21の非肌対向面との離間距離、即ち該部位の見掛け厚みである。尚、図5では第2凸部23Bのみを図示し、第1凸部23Aを図示していないが、第1凸部23Aの高さについても同様である。第1凸部23Aの高さに対する第2凸部23Bの高さの比率は、即ち、後者/前者は、好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.3以上、そして、好ましくは5.0以下、さらに好ましくは2.0以下である。
 本実施形態においては、第1凸部23Aは、その複数個が、横方向Yに所定間隔を置いて直線的に列状に配置されて凸部列を構成している。また、第2凸部23Bも、その複数個が、横方向Yに所定間隔を置いて直線的に列状に配置されて凸部列を構成している。そして、複数の第1凸部23Aによる凸部列と、複数の第2凸部23Bによる凸部列とが、縦方向Xに交互に配されており、2個の第1凸部23A,23Aと1個の第2凸部23Bとが、横方向Yにおいて同位置に形成されている。
 本実施形態においては、複数の接合部22(22A,22B)は、図4に示すように平面視散点状に形成されている。即ち、複数の接合部22は、表面シート2の全域にわたって複数が散点状に規則的に分散配置されており、それによって複数の凸部23(23A,23B)は、それぞれ、複数の接合部22によって囲まれ、各凸部23を囲んでいる複数の接合部22は、当該凸部23の周囲に間欠的に配置されている。凸部23の突出を一層顕著なものとする観点からは、凸部23は3つ以上の接合部22によって囲まれていることが好ましく、その場合、凸部23は、複数の接合部22によって囲まれた領域の略中央部に頂部を有していることが好ましい。本実施形態においては、平面視円形状の第1凸部23Aは、縦方向Xに沿って配された2個の第1接合部22Aと横方向Yに沿って配された2個の第2接合部22Bとの合計4個の接合部22に囲まれており、また、平面視楕円形状の第2凸部23Bは、6個の第1接合部22Aに囲まれている。
 接合部22(22A,22B)はエンボス加工によって表面シート2の形成材料が圧密化されているため、周辺部に比して高密度で剛性が高く硬い部位であるところ、そのような比較的硬い複数の接合部22が、図4に示す如く平面視散点状に形成されていることにより、各凸部23(23A,23A)の全周囲にわたって接合部22による硬い部位が連続することがなく、そのため、凸部23の柔軟性が一層向上すると共に、凸部23の形状の自由度が高まる。これに対し、例えば、複数の接合部22がそれぞれ平面視線状をなし且つそれら平面視線状の接合部22が互いに交差することによって格子状をなしている形態では、その接合部22による格子の目の位置に凸部23が配されるため、凸部23の全周囲にわたって平面視線状の接合部22による硬い部位が連続することになり、そのため、凸部23の柔軟性や形状自由度の点で、接合部22が平面視散点状に形成されている形態に劣る。
 本実施形態の表面シート2の主たる特徴の1つとして、下記(1)~(4)を全て満たす点が挙げられる。下記(1)~(4)は、柔軟で使用中に浮き上がりにくく、おむつ1の如き吸収性物品の着用感を大幅に向上し得る表面シートを得るための必須構成要件である。特に、下記(1)及び(2)を採用し、比較的寸法の大きな凸部と比較的少ない数の接合部(被エンボス加工部)とを組み合わせることによって、凸部の変形のしやすさ、柔軟性を確保する共に、下記(3)及び(4)を採用し、表面シートに存する接合部の割合及び表面シートのせん断強度をそれぞれ特定範囲に設定することによっても柔軟性を確保し、さらに表面シートの浮きを抑制し得る。
(1)凸部23の高さH(図5参照)が0.5mm以上10mm以下
(2)表面シート2から縦10mm、横15mmの平面視長方形形状の領域を任意に選択した場合、その任意領域に存する接合部22の総数(第1接合部22Aの総数と第2接合部22Bとの総数との合計値)が10個以上30個以下
(3)前記任意領域の全面積に対する、該任意領域に存する接合部22の総面積(第1接合部22Aの総面積と第2接合部22Bとの総面積との合計値)の割合(以下、「接合部面積率」ともいう)が12%以上35%以下
(4)せん断強度が21N以上70N以下
 前記(1)は、主として、表面シート2の変形のしやすさ、柔軟性を向上させることを目的として採用されたものである。表面シート2において凸部23の高さHが0.5mm以上において、斯かる目的を達成可能となり、凸部23の高さHが10mm以下である場合に、凸部23が肌にまとわりつきにくくなり、不快感につながるおそれが減少する。凸部23の高さHは、好ましくは0.6mm以上、そして、好ましくは5mm以下である。凸部23の高さHは、次のようにして測定される。
<凸部の高さの測定方法>
 測定対象の表面シートの厚み方向に沿う断面を顕微鏡で観察しつつ該表面シートが有する凸部の高さを測定する。より具体的には、キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX-1000を用い、測定対象の表面シートにおける凸部及びその周辺部が十分に視野に入り測定できる大きさ(10~100倍)に拡大し、その測定視野に入った凸部の高さ、即ち図5に示す凸部23(第2凸部23B)の高さHに相当する高さ、つまり、「凸部23において表面シートを構成する2枚のシート20,21が互いに最も離れる方向に突出している部位における、第1シート20の肌対向面と第2シート21の非肌対向面との離間距離(該部位の見掛け厚み)」を測定する。
 前記(2)は、主として、凸部23(23A,23B)の形状の自由度を高め、表面シート2の使用時に凸部23が着用者の肌と触れることによって変形しやすくすることを目的として採用されたものであり、前記(1)と併せて、比較的寸法の大きな凸部23を比較的少ない数の接合部22で形成することが可能となる。表面シート2において前記任意領域に存する接合部22の総数が10個未満では、使用中に表面シート2(第1シート20)の浮き上がりが起こりやすくなるおそれがあり、該総数が30個を超えると、表面シート2の柔軟性が低下するおそれがある。前記任意領域に存する接合部22の総数は、好ましくは15個以上、さらに好ましくは20個以上、そして、好ましくは28個以下、さらに好ましくは25個以下である。
 前記(3)は、主として、接合部22(22A,22B)における第1シート20の剥がれ(毛羽抜け)、及びそれに起因する表面シート2の浮きを防止することを目的として採用されたものである。表面シート2において接合部面積率が12%以上において、斯かる目的を達成可能となり、また、接合部面積率を35%以下にすることにより、表面シート2の柔軟性を高くすることができる。接合部面積率は、好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上、そして、好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下である。
 前記(4)は、主として前記(3)と同様の目的で採用されたものである。表面シート2のせん断強度が21N以上において、斯かる目的を達成可能となり、また、せん断強度を70N以下にすることにより、表面シート2の柔軟性を高くすることができる。せん断強度は、好ましくは23N以上、さらに好ましくは24N以上、ことさら好ましくは26.5N以上、そして、好ましくは40N以下、さらに好ましくは30N以下、ことさら好ましくは28N以下である。一般に、表面シート2のせん断強度は、接合部22の配置パターン、接合部22の接合強度、表面シート2の構成繊維の種類等の影響を受けることから、これらを適宜調整することで、表面シート2のせん断強度を前記特定範囲に調整することが可能である。せん断強度は、次のようにして測定される。
<表面シートのせん断強度の測定方法>
 測定対象の表面シートから、縦方向長さ50mm及び横方向長さ30mmの平面視矩形形状を切り出して試験片とする。次に、試験片と同形状・同寸法の粘着テープ(日東電工(株)製、商品名「No.500」)をPETフィルム((株)スター商事、商品名「スターOHPフィルム」)に重ね合わせて積層体(A)を作製し、その積層体(A)上の粘着テープ側へ試験片の非凸部側を重ね合わせて積層体(B)を得、1kgのローラーを積層体(B)上にて5往復させ、積層体(B)における粘着テープと試験片とを圧着させる。また被着片として、試験片全体を被覆可能な形状・寸法のメカニカルファスナーのオス部材(スリーエム(株)製、商品名「1600PPI」)を用意し、積層体(B)上の試験片の凸部側を、該被着片上のフック材を介して1.5kPa荷重にて圧着させて測定サンプルを得る。この測定サンプルを、引張試験機((株)島津製作所製オートグラフAG-X)のチャック間(チャック間距離150mm)に装着し、測定サンプルの180度剥離を行う。この180度剥離は、測定サンプルの縦方向一端における積層体(B)と他端における被着片とを、それぞれ引張試験機のチャックに挟んで、180度反対方向に引っ張ることで行う。引張速度は 300mm/分とし、その際の引張荷重の最大値を記録する。測定箇所は、おむつ長手方向;腹、背側×おむつ短手方向;左、右、中央の計6ヶ所を一枚のおむつから試験片として抽出し、合計3枚のおむつを測定し、それらの平均値を、測定対象の表面シートのせん断強度(単位:N)とする。
 本実施形態のおむつ1においては、表面シート2は前記(1)~(4)に加えてさらに、次の特徴を備えている。即ち、表面シート2においては前述した通り、表面シート2における全ての凸部23A,23Bのうちで高さが最も高いのは第2凸部23Bであるところ、この最大凸部である第2凸部23Bにおいては、図5に示すように、第2凸部23Bの外周面に沿った横方向(第2方向)Yの長さ23Lyが、第2凸部23Bの外周面に沿った縦方向(第1方向)Xの長さ23Lxに比して長い。おむつ1の着用時において着用者とおむつ1との間に生じる摩擦は主に縦方向Xでの摩擦であるところ、斯かる構成により、おむつ1の着用中において第2凸部23B(最大凸部)が一層変形しやすくなり、それによって表面シート2の柔軟性を一層高めることが可能となる。
 斯かる作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、第2凸部23B(最大凸部)において、その外周面に沿った縦方向長さ23Lxに対する横方向長さ23Lyの比率、即ち、横方向長さ23Ly/縦方向長さ23Lxは、好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.2以上、そして、好ましくは5.0以下、さらに好ましくは3.0以下である。
 第2凸部23B(最大凸部)の外周面に沿った縦方向長さ23Lxは、好ましくは1.5mm以上、さらに好ましくは2.0mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは6mm以下である。
 第2凸部23B(最大凸部)の外周面に沿った横方向長さ23Lyは、好ましくは2.0mm以上、さらに好ましくは2.5mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは6mm以下である。
 凸部23の外周面に沿った長さは、次のようにして測定される。
<凸部の外周面に沿った長さの測定方法>
 測定対象の表面シートの厚み方向に沿う断面を顕微鏡で観察しつつ該表面シートが有する凸部の外周面に沿った長さを測定する。より具体的には、キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX-1000を用い、測定対象の表面シートにおける凸部及びその周辺部が十分に視野に入り測定できる大きさ(10~100倍)に拡大し、その測定視野に入った凸部の外周面に沿った所定方向長さ、即ち図5に示す凸部23(第2凸部23B)の縦方向長さ23Lxに相当する長さ、又は凸部23の横方向長さLyに相当する長さを測定する。ここで、「凸部の外周面に沿った縦方向長さ」とは、図5(b)に示すように、第2シート21における、凸部23を縦方向Xに挟むように配置された2個の接合部22,22間に位置する部位を基準として、該基準から離れる方向に突出している部位における凸部23の外周距離である。また、「凸部の外周面に沿った横方向長さ」とは、図5(a)に示すように、第2シート21における、凸部23を横方向Yに挟むように配置された2個の接合部22,22間に位置する部位を基準として、該基準から離れる方向に突出している部位における凸部23の外周距離である。
 表面シート2の形成材料について説明すると、表面シート2を構成する第1シート20及び第2シート21は、シート材料から構成されている。シート材料としては、例えば不織布、織布及び編み地等の繊維シートや、フィルム等を用いることができ、肌触り等の観点から繊維シートを用いることが好ましく、特に不織布を用いることが好ましい。第1シート20と第2シート21とは、それらを構成するシート材料の種類が同じでも良く、あるいは異なっていても良いが、両シート20,21の接合部22の接合強度をより一層強固にする観点から、同じ種類のシートであることが好ましい。
 両シート20,21を構成する不織布としては、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、レジンボンド不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。これらの不織布を2種以上組み合わせた積層体や、これらの不織布とフィルム等とを組み合わせた積層体を用いることもできる。これらのなかでも、エアスルー不織布又はスパンボンド不織布を用いることが好ましい。特におむつ1の着用状態において着用者の肌に対向する側に位置するシートである第1シート20は、エアスルー不織布からなることが好ましい。不織布の坪量は、好ましくは10g/m2以上、さらに好ましくは10g/m2以上、そして、好ましくは100g/m2以下、さらに好ましくは30g/m2以下である。
 両シート20,21を構成する不織布の構成繊維としては、各種の熱可塑性樹脂からなる繊維(熱融着繊維)を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱融着性繊維は、短繊維でも長繊維でも良く、親水性でも撥水性でも良い。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、両シート20,21は、組成的に互いに同一であっても良く、異なっていても良い。ここで、組成的に同一とは、両者の形成材料及びその含有量が同一であることを意味し、各部の寸法、平面視形状等の外観的要素の異同は問わない。
 両シート20,21を構成する不織布の好ましい一例として、2種以上の樹脂からなる熱融着性複合繊維の1種又は2種以上を構成繊維として含む不織布が挙げられる。斯かる不織布としては、例えば、2種の芯鞘型熱融着性複合繊維を含む不織布が挙げられる。この2種の芯鞘型熱融着性複合繊維の相違点は、1)鞘成分の樹脂の種類が互いに相違している点であるか、又は2)芯成分及び鞘成分の樹脂の種類は互いに同じであるが、芯成分と鞘成分との樹脂の容積比が互いに相違している点であることが好ましい。
 また、表面シート2には、構成繊維である熱融着性複合繊維(好ましくは芯鞘型熱融着性複合繊維)どうしの交点が多数形成され、それら多数の交点の少なくとも一部において、該熱融着性複合繊維どうしが熱融着していることが好ましい。表面シート2に、そのような熱融着性複合繊維どうしの熱融着点が多数形成されていることにより、その熱融着点の数や熱融着点における繊維間の融着強度のコントロールを通じて、表面シート2の柔軟性等の諸特性をコントロールすることが可能となり、表面シート2の柔軟性等の特性をより一層向上させ得る。
 そしてこのように、表面シート2に熱融着性複合繊維どうしの熱融着点が多数形成されるようにする観点から、表面シート2には構成繊維として、2種以上の熱融着性複合繊維が含まれていることが好ましい。特に、表面シート2を構成する第1シート20及び第2シート21が、カード機により得たウェブにエアスルー方式等の熱風処理を施し、その熱風処理により構成繊維どうしの交点を熱融着させることによって得られる不織布である場合において、両シート20,21の構成繊維として2種以上の熱融着性複合繊維を用いた場合には、構成繊維間での融着のしやすさが構成繊維の組み合わせによって相違するため、構成繊維(熱融着性複合繊維)どうしの熱融着点の数や熱融着点における繊維間の融着強度をコントロールすることが一層容易になり、表面シート2の柔軟性の一層向上に繋がり得る。熱融着性複合繊維(好ましくは芯鞘型熱融着性複合繊維)は、表面シート2を構成する両シート20,21の何れか一方又は両方に含有することができるが、少なくとも、着用者の肌に相対的に近い側に位置し柔軟性が重要視される第1シート20に含有されていることが好ましい。
 両シート20,21は、熱融着性繊維として、捲縮が発現した潜在捲縮性の熱融着性繊維を含んでいても良い。潜在捲縮性の熱融着性繊維としては、例えば、収縮率の異なる2種の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維等が挙げられる。収縮率の異なる2種の熱可塑性ポリマー材料の好ましい一例としては、例えば、エチレン-プロピレンランダム共重合体(EP)とポリプロピレン(PP)との組み合わせが挙げられる。
 以上のような構成の表面シート2は、例えば特開2015-112343号公報に記載の複合シートの製造方法に準じて製造することができる。具体的には例えば、帯状の第1シート20を、周面が互いに噛み合い形状となっている第1ロールと第2ロールとの間に供給して、第1シート20を凹凸形状に変形させた後、第1シート20を第1ロールの周面部に沿わせて噛み合い部分から移動させた後、第2シート21を第1シート20に重ね合わせるように供給して両シート20,21を、第1ロールにおける凸部とヒートロールとの間で加熱下に挟圧して部分的に接合させ、その際、第1シート20の中央部と側部とで、第1ロール及び第2ロールの凹凸形状、及び第1ロールとヒートロールで形成する接合部のパターンを異ならせることにより得られる。第1ロールと第2ロールとの噛み合い部に噛み込ませて第1シート20を凹凸形状に変形させる際には、第1シート20をロール内部方向に向けて吸引して、第1シート20の凹凸形状への変形を促進させることが好ましい。
 図6には、本発明の表面シートの他の実施形態である表面シート2Aが示されている。尚、図6に示す表面シート2Aについては、前述した表面シート2(図3~図5参照)と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。表面シート2Aについて特に説明しない構成部分は、表面シート2についての説明が適宜適用される。
 図6に示すように、表面シート2Aにおいては、第2方向Y即ちおむつ1に組み込まれた場合における横方向Yに延在し、横方向Yに連続して接合部22を有しない非エンボス領域Nと、横方向Yに延在し、接合部22が規則的なパターンで形成されたエンボス領域Eとが、第1方向X即ちおむつ1に組み込まれた場合における縦方向Xに交互に形成されている。
 エンボス領域Eには、積層された第1シート20及び第2シート21が、エンボス加工により部分的に接合されて形成された接合部22(凹部)として、平面視正方形形状の第1接合部22Aと、平面視長方形形状の第2接合部22Bとがそれぞれ複数形成されていると共に、これらの接合部22A,22Bに囲まれた複数の領域内それぞれに、凸部23として、平面視円形状の中空のエンボス領域内凸部23Aが形成されている。複数のエンボス領域内凸部23Aは非連続に形成されており、その複数個が、横方向Yに所定間隔を置いて直線的に列状に配置されて凸部列を構成している。このような表面シート2Aにおけるエンボス領域Eの構成は、表面シート2における、複数の第1凸部23Aによる横方向Yに延びる凸部列及び該凸部列の近傍の接合部22A,22Bの配置部位の構成(図4等参照)と実質的に同じである。
 一方、非エンボス領域Nには、凸部23として、横方向Yに連続して延びる連続凸部23Cが形成されている。連続凸部23Cは、図6及び図7に示すように、複数の小凸部24A,24Bが互いに連結されて形成されている。本明細書において「凸部が連結されている」とは、隣り合う2個の凸部(小凸部)が、接合部22によって隔てられておらず、一方の凸部の一部が他方の凸部の一部をなし、且つ他方の凸部の一部が一方の凸部の一部をなしていることをいう。
 本実施形態において連続凸部23Cは、図7に示すように、高さの異なる2種類の小凸部24A,24Bが横方向Yに交互に連結されて形成されている。小凸部24Aは相対的に高さが高く、小凸部24Bは相対的に高さが低い。従って、連続凸部23Cの高さは、前記「凸部の高さ」の定義に従って小凸部24Aの高さ、即ち、小凸部24Aにおいて第1シート20が第2シート21から最も離れる方向に突出している部位における、両シート20,21の離間距離である。両凸部24A,24Bは、何れも平面視において略円形状をなし、また、縦方向X及び横方向Yの何れの方向での断面においても頂部を有する形状を有している。また、連続凸部23Cは中空であり、その中空部230は、連続凸部23Cの横方向Yの略全長にわたって連続して延びている。連続凸部23Cは、表面シート2Aの横方向Yの全長にわたって連続していても良く、あるいは、複数の連続凸部23Cが横方向Yに所定間隔を置いて直線的に列状に配置されていても良く、後者の場合は、横方向Yに隣在する連続凸部23C,23C間に接合部22が存する。
 以上、本発明について説明したが、本発明は前述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、吸収性コア40から着用者の肌側への排泄液の移行(いわゆる液戻り)を防止する目的で、表面シート2と吸収体4(コアラップシート41)との間に、サブレイヤーなどとも呼ばれる液透過性の体液逆流防止層を介在配置しても良い。また、接合部22の平面視形状は、図4及び図6に示す如き四角形形状であるが、接合部22の平面視形状はこれに制限されず、円形、三角形、六角形等の多角形、楕円形、十字形等の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。接合部22の形成パターンも図4に示す如き千鳥状配置に限定されず、適宜変更可能である。
 本発明の吸収性物品は、前記実施形態の如き展開型の使い捨ておむつに制限されず、人体から排出される体液(尿、経血、軟便、汗等)の吸収に用いられる物品を広く包含し、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、生理用ショーツ等も包含される。前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>
 吸収体と該吸収体の肌対向面側に配された表面シートとを備え、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品であって、
 前記表面シートが、第1シートと第2シートとの積層体を含み、該積層体において両シートが部分的に接合されて複数の接合部が形成され、該第1シートが、該接合部以外の部位において該第2シートから離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出する複数の凸部を形成しており、且つ下記(1)~(4)を全て満たすものである吸収性物品。
(1)前記凸部の高さが0.5mm以上10mm以下
(2)前記表面シートから縦10mm、横15mmの平面視長方形形状の領域を任意に選択した任意領域に存する前記接合部の総数が10個以上30個以下
(3)前記任意領域の全面積に対する、該任意領域に存する前記接合部の総面積の割合が12%以上35%以下
(4)せん断強度が21N以上70N以下
<2>
 前記表面シートにおいて複数の前記接合部は平面視散点状に形成されている前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
 複数の前記接合部は、前記表面シートの全域にわたって複数が散点状に規則的に分散配置されており、それによって前記複数の凸部は、それぞれ、複数の該接合部によって囲まれ、各該凸部を囲んでいる複数の該接合部は、当該凸部の周囲に間欠的に配置されている前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
 前記凸部は3つ以上の複数の前記接合部によって囲まれており、該凸部は、該複数の接合部によって囲まれた領域の略中央部に頂部を有している前記<2>又は<3>に記載の吸収性物品。
<5>
 前記凸部の高さが0.6mm以上5mm以下である前記<1>~<4>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<6>
 前記任意領域に存する前記接合部の総数が、好ましくは15個以上、さらに好ましくは20個以上、そして、好ましくは28個以下、さらに好ましくは25個以下である前記<1>~<5>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<7>
 前記任意領域の全面積に対する、該任意領域に存する前記接合部の総面積の割合が、好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上、そして、好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下である前記<1>~<6>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<8>
 前記せん断強度が、好ましくは23N以上、さらに好ましくは24N以上、ことさら好ましくは26.5N以上、そして、好ましくは40N以下、さらに好ましくは30N以下、ことさら好ましくは28N以下である前記<1>~<7>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<9>
 前記表面シートは2種以上の樹脂からなる熱融着性複合繊維を構成繊維として含み、該表面シートには該熱融着性複合繊維どうしの交点が多数形成されており、それら多数の交点の少なくとも一部において、該熱融着性複合繊維どうしが熱融着している前記<1>~<8>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<10>
 前記表面シートには、前記接合部として、平面視正方形形状の第1接合部と、平面視長方形形状の第2接合部とがそれぞれ複数形成されている前記<1>~<9>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<11>
 前記第2接合部は、前記第1接合部に比して面積が大きく、該第2接合部の長手方向が縦方向に一致している前記<10>に記載の吸収性物品。
<12>
 前記表面シートにおいては、複数の前記第1接合部が横方向に所定間隔を置いて直線的に列状に配置されてなる接合部列と、複数の前記第2接合部が横方向に所定間隔を置いて直線的に列状に配置されてなる接合部列とが、縦方向に交互に配置されており、且つ横方向において、隣在する該接合部列どうしで互いに該第1接合部と該第2接合部とがずれている前記<10>又は<11>に記載の吸収性物品。
<13>
 前記表面シートには、前記凸部として、平面視円形状の第1凸部と、平面視楕円形状の第2凸部とが形成されており、該第2凸部の長軸方向は横方向に一致し、該第2凸部は、該第1凸部に比して面積が大きい前記<10>~<12>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<14>
 前記第2凸部は、前記第1凸部に比して高さが高く、前記表面シートにおける全ての前記凸部のうちで高さが最大である前記<13>に記載の吸収性物品。
<15>
 前記第1凸部の高さに対する前記第2凸部の高さの比率はが、後者/前者として、好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.3以上、そして、好ましくは5.0以下、さらに好ましくは2.0以下である前記<13>又は<14>に記載の吸収性物品。
<16>
 前記第1凸部及び前記第2凸部は、それぞれその複数個が、横方向に所定間隔を置いて直線的に列状に配置されて凸部列を構成しており、その複数の第1凸部による凸部列と、複数の第2凸部による凸部列とが、縦方向に交互に配され、且つ該凸部列を構成する2個の第1凸部と1個の第2凸部とが、横方向において同位置に形成されている前記<13>~<15>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<17>
 前記第1凸部は、縦方向に沿って配された2個の前記第1接合部と横方向に沿って配された2個の前記第2接合部との合計4個の前記接合部に囲まれており、また、前記第2凸部、6個の前記第1接合部に囲まれている前記<13>~<16>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<18>
 前記表面シートにおける全ての前記凸部のうちで高さが最大の最大凸部においては、該最大凸部の外周面に沿った横方向長さが、該最大凸部の外周面に沿った縦方向長さに比して長い前記<1>~<17>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<19>
 前記最大凸部において、その外周面に沿った縦方向長さに対する横方向長さの比率が、後者/前者として、好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.2以上、そして、好ましくは5.0以下、さらに好ましくは3.0以下である前記<18>に記載の吸収性物品。
<20>
 前記最大凸部の外周面に沿った縦方向長さが、好ましくは1.5mm以上、さらに好ましくは2.0mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは6mm以下である前記<18>又は<19>に記載の吸収性物品。
<21>
 前記最大凸部の外周面に沿った横方向長さが、好ましくは2.0mm以上、さらに好ましくは2.5mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは6mm以下である前記<18>~<20>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<22>
 前記吸収体又はその主体をなす吸収性コアは単層構造であり、平面視において縦方向の中央部が内方に括れた砂時計状をなしている前記<1>~<21>の何れか一項に記載の吸収性物品。
 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1~3〕
 図1及び図2に示す展開型使い捨ておむつ1と同様の基本構成を有する使い捨ておむつを作製した。表面シートとして下記方法により製造した表面シートを用いた。裏面シートとして、坪量20g/m2の透湿性フィルムを用いた。吸収体として、坪量210g/m2のパルプ繊維の積繊体に吸水性ポリマー(CAW101:日本触媒(株)製)を坪量190g/m2保持させた吸収性コアを用い、該吸収性コアの全面を坪量14g/m2の吸収紙からなるコアラップシートで覆ったものを、吸収体として使用した。吸収体の大きさは、長手方向(縦方向)360mm、幅方向(横方向)110mmであった。
<実施例で使用した表面シートの製造方法>
 第1シート及び第2シートの2枚のシートを用い、前述した特開2015-112343号公報に記載の複合シートの製造方法に準じて、両シートをエンボス加工により接合一体化して表面シートを作製した。両シートの接合部(凸部)の形成パターンは、下記表1に示す通り各実施例で互いに異なる。第1シート即ち相対的に着用者の肌から近い側のシートは、エアスルー不織布(坪量18g/m2)から構成し、第2シート即ち相対的に着用者の肌から遠い側のシートも、エアスルー不織布(坪量18g/m2)から構成した。第1シートを構成するエアスルー不織布は、上層(相対的に着用者の肌から近い層)及び下層(相対的に着用者の肌から遠い層)の2層構造からなり、該上層は、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの芯鞘型複合繊維(樹脂質量比5/5、2.3dtex、芯鞘直径比1.57)からなり、該下層は、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートの芯鞘型複合繊維(樹脂質量比5/5、2.3dtex、芯鞘直径比1.57)と、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートの芯鞘型複合繊維(樹脂質量比2/8、2.2dtex、芯鞘直径比1.42)との質量比70:30の混綿からなる。また、第2シートを構成するエアスルー不織布は、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの芯鞘型複合繊維(樹脂質量比5/5、2.3dtex)からなる。
 実施例1及び2で使用した表面シートは、何れも表面シート2Aに類似した接合部(凸部)の形成パターン(図6参照)を有している。即ち、実施例1及び2で使用した表面シートにおいては、横方向に延びる非エンボス領域とエンボス領域とが縦方向Xに交互に形成され、該エンボス領域に、複数の接合部に囲まれた領域が複数形成され、その複数の接合部に囲まれた領域内に、非連続の中空のエンボス領域内凸部が形成され、また、該非エンボス領域に、複数の小凸部が互いに連結されて形成された連続凸部が、表面シートの横方向の全長にわたって連続して延びている。
 一方、実施例3で使用した表面シートは、表面シート2に類似した接合部(凸部)の形成パターン(図4参照)を有している。即ち、実施例3で使用した表面シートにおいては、凸部として連続凸部は存在せず、複数の接合部に囲まれた領域内に形成された非連続の中空のエンボス領域内凸部のみが存在し、複数の該エンボス領域内凸部が、表面シートの肌対向面の全域にわたって散点状に規則的に分散配置されており、該エンボス領域内凸部を囲んでいる複数の接合部は、該エンボス領域内凸部の周囲に間欠的に配置されている。
〔比較例1及び2〕
 市販の使い捨ておむつ(大王製紙(株)製、商品名「Goo.n」2015年製)を比較例1のサンプルとした。
 また、市販の使い捨ておむつ(王子製紙(株)製、商品名「Genki!」2015年製)を比較例2のサンプルとした。
〔評価試験〕
 各実施例及び比較例の表面シートについて、前記方法によりせん断強度を測定すると共に、下記方法によりMMD値(摩擦係数の平均偏差)及び微小圧縮値をそれぞれ測定した。
 MMD値は、測定対象物である表面シートの肌対向面の表面粗さの指標となるもので、MMD値が小さいほど、着用者の肌との摩擦が少なく高評価となる。また、微小圧縮値は、その値が小さいほど、測定対象物である表面シートが柔らかいことを示す。従って、MMD値及び微小圧縮値の両測定値から、評価対象の表面シートの柔軟性、延いてはその表面シートが組み込まれた吸収性物品の着用感を評価し得る。
<MMD値の測定方法>
 市販の測定機器(カトーテック株式会社製、KES-FB4表面試験機)を用い、測定対象の表面シートの肌対向面(凹凸面)について、SENS:2×5、荷重50gf/cm2の条件にて、使い捨ておむつの縦方向(着用者の前後方向に相当する方向)におけるMMD値を測定した。MMD値は、測定対象物の表面粗さの指標となるもので、MMD値が小さいほど、着用者の肌との摩擦が少なく高評価となる。
<微小圧縮値の測定方法>
 市販の測定機器(カトーテック株式会社製、KES-FB3圧縮試験機)を用い、評価対象の表面シートの微小圧縮値を測定した。測定条件は、圧縮速度0.02mm/s、圧縮荷重10gf/cm2、測定距離0.8mmとした。微小圧縮値は、その値が小さいほど、測定対象物が柔らかいことを示す。
<表面シートの浮きの評価方法>
 評価対象の表面シートから平面視四角形形状部分を切り出して試験片とし、その試験片の凸部側を評価面として、評価面が外面となるように、試験片を評価用プレートの平坦な上面に載置し、試験片の四辺をガムテープでプレートに固定して、試験片の非凸部側の全域をプレート上面に密着させた。この密着状態において試験片はプレートから浮いていない。スポンジ(モルトプレーンMF-30)を巻き付けた摩擦板を試験片上にセットした。スポンジの荷重は240gであった。正回転3回、逆回転3回を1セットとして摩擦板を試験片上で回転させた。これを15セット行った。1回転は3秒の速度とした。15セットの回転操作の終了後、試験片のプレート上面からの浮きの度合いを目視観察し、試験片の一部でも浮きが確認できた場合は、「浮き発生」とする。
 再度、前記と同様に、同じ表面シートから別の試験片をサンプリングし、その別の試験片について浮きが発生するか否かを評価する。
 以上の操作を複数回繰り返し、下記式により表面材浮き発生率を算出し、該発生率が0%の場合をA(表面シートの浮きが見られない。最高評価。)、5%未満の場合をB、5%以上20%以下の場合をC、21%以上50%以下の場合をD、51%以下の場合をEとした。
 表面材浮き発生率=(表面材浮き発生面積÷1枚のおむつを形成している表面シート全面積)×100
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示す通り、各実施例の展開型使い捨ておむつは何れも、表面シートが前記(1)~(4)を全て満たし、そのため、表面シートの浮きの評価結果がB以上、即ち表面材浮き発生率が5%未満であり、着用中に表面シートが浮き上がりにくいことがわかる。また、各実施例のおむつは何れも、表面シートのMMD値及び微小圧縮値が十分に小さいことから、表面シートが柔軟で且つ着用者の肌との摩擦が少なく、着用感に優れることがわかる。特に実施例1のおむつは、他の実施例に比して評価結果が優れることから、前記(1)~(4)で規定する数値範囲に関しては、実施例1で採用されている数値を含むより狭い範囲が特に好ましいことがわかる。
 比較例1のおむつは、前記(2)及び(3)を満たすものの、前記(1)及び(4)を満たしておらず、これに起因して表面シートの浮きの評価に関し、各実施例に比して低評価となった。また比較例2のおむつは、前記(1)~(4)の全てを満たしていないため、表面シートの浮きの評価に関し、比較例1よりもさらに低評価となった。
 本発明によれば、着用者の肌と接する表面シートが柔軟で且つ着用中に浮き上がりにくい吸収性物品が提供される。

Claims (22)

  1.  吸収体と該吸収体の肌対向面側に配された表面シートとを備え、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品であって、
     前記表面シートが、第1シートと第2シートとの積層体を含み、該積層体において両シートが部分的に接合されて複数の接合部が形成され、該第1シートが、該接合部以外の部位において該第2シートから離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出する複数の凸部を形成しており、且つ下記(1)~(4)を全て満たすものである吸収性物品。
    (1)前記凸部の高さが0.5mm以上10mm以下
    (2)前記表面シートから縦10mm、横15mmの平面視長方形形状の領域を任意に選択した任意領域に存する前記接合部の総数が10個以上30個以下
    (3)前記任意領域の全面積に対する、該任意領域に存する前記接合部の総面積の割合が12%以上35%以下
    (4)せん断強度が21N以上70N以下
  2.  前記表面シートにおいて複数の前記接合部は平面視散点状に形成されている請求項1に記載の吸収性物品。
  3.  複数の前記接合部は、前記表面シートの全域にわたって複数が散点状に規則的に分散配置されており、それによって前記複数の凸部は、それぞれ、複数の該接合部によって囲まれ、各該凸部を囲んでいる複数の該接合部は、当該凸部の周囲に間欠的に配置されている請求項2に記載の吸収性物品。
  4.  前記凸部は3つ以上の複数の前記接合部によって囲まれており、該凸部は、該複数の接合部によって囲まれた領域の略中央部に頂部を有している請求項2又は3に記載の吸収性物品。
  5.  前記凸部の高さが0.6mm以上5mm以下である請求項1~4の何れか一項に記載の吸収性物品。
  6.  前記任意領域に存する前記接合部の総数が、15個以上28個以下である請求項1~5の何れか一項に記載の吸収性物品。
  7.  前記任意領域の全面積に対する、該任意領域に存する前記接合部の総面積の割合が、15%以上30%以下である請求項1~6の何れか一項に記載の吸収性物品。
  8.  前記せん断強度が、23N以上40N以下である請求項1~7の何れか一項に記載の吸収性物品。
  9.  前記表面シートは2種以上の樹脂からなる熱融着性複合繊維を構成繊維として含み、該表面シートには該熱融着性複合繊維どうしの交点が多数形成されており、それら多数の交点の少なくとも一部において、該熱融着性複合繊維どうしが熱融着している請求項1~8の何れか一項に記載の吸収性物品。
  10.  前記表面シートには、前記接合部として、平面視正方形形状の第1接合部と、平面視長方形形状の第2接合部とがそれぞれ複数形成されている請求項1~9の何れか一項に記載の吸収性物品。
  11.  前記第2接合部は、前記第1接合部に比して面積が大きく、該第2接合部の長手方向が縦方向に一致している請求項10に記載の吸収性物品。
  12.  前記表面シートにおいては、複数の前記第1接合部が横方向に所定間隔を置いて直線的に列状に配置されてなる接合部列と、複数の前記第2接合部が横方向に所定間隔を置いて直線的に列状に配置されてなる接合部列とが、縦方向に交互に配置されており、且つ横方向において、隣在する該接合部列どうしで互いに該第1接合部と該第2接合部とがずれている請求項10又は11に記載の吸収性物品。
  13.  前記表面シートには、前記凸部として、平面視円形状の第1凸部と、平面視楕円形状の第2凸部とが形成されており、該第2凸部の長軸方向は横方向に一致し、該第2凸部は、該第1凸部に比して面積が大きい請求項10~12の何れか一項に記載の吸収性物品。
  14.  前記第2凸部は、前記第1凸部に比して高さが高く、前記表面シートにおける全ての前記凸部のうちで高さが最大である請求項13に記載の吸収性物品。
  15.  前記第1凸部の高さに対する前記第2凸部の高さの比率が、後者/前者として、1.1以上5.0以下である請求項13又は14に記載の吸収性物品。
  16.  前記第1凸部及び前記第2凸部は、それぞれその複数個が、横方向に所定間隔を置いて直線的に列状に配置されて凸部列を構成しており、その複数の第1凸部による凸部列と、複数の第2凸部による凸部列とが、縦方向に交互に配され、且つ該凸部列を構成する2個の第1凸部と1個の第2凸部とが、横方向において同位置に形成されている請求項13~15の何れか一項に記載の吸収性物品。
  17.  前記第1凸部は、縦方向に沿って配された2個の前記第1接合部と横方向に沿って配された2個の前記第2接合部との合計4個の前記接合部に囲まれており、また、前記第2凸部、6個の前記第1接合部に囲まれている請求項13~16の何れか一項に記載の吸収性物品。
  18.  前記表面シートにおける全ての前記凸部のうちで高さが最大の最大凸部においては、該最大凸部の外周面に沿った横方向長さが、該最大凸部の外周面に沿った縦方向長さに比して長い請求項1~17の何れか一項に記載の吸収性物品。
  19.  前記最大凸部において、その外周面に沿った縦方向長さに対する横方向長さの比率が、後者/前者として、1.1以上5.0以下である請求項18に記載の吸収性物品。
  20.  前記最大凸部の外周面に沿った縦方向長さが、1.5mm以上10mm以下である請求項18又は19に記載の吸収性物品。
  21.  前記最大凸部の外周面に沿った横方向長さが、2.0mm以上10mm以下である請求項18~20の何れか一項に記載の吸収性物品。
  22.  前記吸収体又はその主体をなす吸収性コアは単層構造であり、平面視において縦方向の中央部が内方に括れた砂時計状をなしている請求項1~21の何れか一項に記載の吸収性物品。
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