JP5203347B2 - 弾性波デバイス及び電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギー閉じ込め現象を利用した弾性波デバイスに係り、特に当該弾性波デバイスを小型化する技術に関する。
携帯端末などの小型高周波通信機の周波数制御や周波数選択に際し、エネルギー閉じ込め型の共振子を用いた発振器やフィルタを採用しているものがある(以下、これらの発振器やフィルタを総称して弾性波デバイスという)。
エネルギー閉じ込め型の弾性波デバイスは、水晶などの圧電体内に厚み振動のエネルギーを閉じ込めることにより発生する共振を利用して必要な周波数応答を得ている。この種の弾性波デバイスで利用される厚み振動は、その圧電体の遮断周波数(カットオフ周波数)の近傍の高周波数側の周波数にて振動することから、例えば板状の圧電体の上面及び下面の中央部に励振用の電極を設け、この電極の質量付加効果によって当該電極を設けた領域の厚み振動の共振周波数を低下させて周辺部の厚み振動の遮断周波数よりも低くすることにより当該電極を設けた領域内への厚み振動エネルギーの閉じ込めを実現している。
ここで圧電体の遮断周波数は圧電体の厚さに反比例することから、エネルギー閉じ込めによって得られる振動(エネルギー閉じ込めモードという)の共振周波数を高周波化するためには圧電体を薄くする必要があり、携帯端末の小型化、多機能化などと相俟って、弾性波デバイスは急速に小型化している。
ところが共振周波数を高くするために圧電体を薄くしていくと、電極もエネルギー閉じ込めに適したものとなるよう薄くする必要があり、電極を薄化すると導電性が足りなくなって弾性波デバイス全体の挿入損失が大きくなってしまうおそれがある。
しかしながら通常、金属などから構成される電極は酸化や腐食などにより経時的に質量が変化するおそれが高く、エネルギー閉じ込めが行われる領域(以下、エネルギー閉じ込め部という)に直接電極を設ける弾性波デバイスでは、電極の質量変化の影響を受けて共振周波数が変化してしまうといった問題がある。
そこでこうした電極質量の経年変化の影響を抑えるため、共振を発生させる領域に電極を設けない各種の弾性波デバイスが提案されている。例えば特許文献1には、板状の圧電体の左右両端に励振用の電極を設け、これら左右両端の領域に挟まれた中央の領域には電極を設けずに共振周波数を決定する領域とし、これら左右両端の領域と中央の領域との間に溝状の切り込みを設けて各領域を弾性的に適度に分離した共振子が記載されている。また特許文献2及び非特許文献1には板状の圧電基板の左右両端の領域に励振用の電極を設け、これらの領域に挟まれた中央の領域には電極を設けず、当該電極を設けていない領域の厚さを両端の領域よりも厚くしてこれらの領域の共振周波数をほぼ同一にして各領域を互いに音響的に結合可能にした圧電振動子が記載されている。
この他、非特許文献2、非特許文献3には板状の圧電体の中央部に無電極で周囲よりも厚く形成されたメサと呼ばれる領域を設け、このメサの周囲に形成された溝内に励振用の電極を形成して、この電極及び当該電極で囲まれたメサ内で発生するエネルギー閉じ込め現象を利用して共振を得るタイプの共振子が記載されている。
これら特許文献1、特許文献2、非特許文献1〜非特許文献3に記載の共振子(圧電振動子)は、電極を設けた励振用の領域とは別に電極を設けていない中央側の領域を設けることにより、電極にて発生する経年変化の影響を当該中央側の領域に及びにくくして共振子や圧電振動子(弾性波デバイス)全体としての経年的な周波数安定性を高めている。
なお特許文献3には、振動子をなす振動波伝播媒質の電極を設けた両端の領域の厚さを薄くする一方、これらの領域に挟まれ電極を設けていない中央の領域の厚さを厚くし、さらにこの中央の領域の長さが所定の条件を満たすように調節することにより、一方側の電極にて励振した複数の高調波の中から所望の高調波振動のみを取り出す技術が記載されている。このように特許文献3に記載の振動子は、電極のない中央の領域を設けている目的が共振周波数の安定化とは異なっている。
特公昭43−15538号公報:第2頁左欄第12行目〜第23行目、第2a図 特開2000−91878号公報:請求項1、第0024段落〜第0025段落、図4 特公昭50−19024号公報:第173頁第2欄第16行目〜第30行目、第2図(b)
"IMPROVEMENT OF FREQUENCY DRIFT OF AT-CUT RESONATORS USING AN UNELECTRODED RESONANT REGION", IEEE International Frequency Control Symposium and PDA Exhibition, 2001, p.624, Fig.1(b), Fig.7 "STRAIGHT CRESTED WAVE ANALYSIS OF QUARTZ MEMS RING ELECTRODED MESA RESONATORS", IEEE ULTRASONICS SYMPOSIUM, 2002, P.999, Fig.2 "3-D MODELING OF HIGH-Q QUARTZ RESONATORS FOR VHF-UHF APPLICATIONS", Proceedings of the 2003 IEEE International Frequency Control Symposium and PDA Exhibition Jointly with 17th European Frequency and Time Forum, 2003, p.824, Fig.2
上述の特許文献1、特許文献2、非特許文献1〜非特許文献3に記載の各弾性波デバイスは電極の質量の経年変化に基づく共振周波数への影響を抑制するため、共振を得る中央の領域に電極を設けない構造となっている。しかしながらこれらの弾性波デバイスは電極を設けた領域で発生した振動モードと同じモードの振動を用いて共振を発生させるいわゆる複合共振子(複合振動子)型の弾性波デバイスとなっているため、電極の質量変化による振動モードの周波数変化が電極を設けていない領域にて得られる共振周波数に与える影響を完全に除去することはできない。
特に高周波の共振を得るために弾性波デバイスの圧電体を薄くすると、わずかな質量変化であっても質量付加効果の変化率が大きくなってしまうため、電極を設けた領域で励振される振動モードの周波数変化も大きくなり、結果として共振周波数も大きく変化してしまう。このため上述の各特許文献、非特許文献に記載の従来法では共振周波数を十分に安定させることができず、依然として電極質量の経年変化は弾性波デバイスの更なる高周波化、小型化にあたっての大きな障害となっている。
本発明は、このような事情に基づいて行われたものであり、その目的は、小型で経年による周波数変動が少ない弾性波デバイス及びこの弾性波デバイスを用いた電子機器を提供することにある。
本発明に係わる弾性波デバイスは、弾性体材料からなる弾性波導波路に設けられた第1の伝播モード部と、
前記弾性波導波路に設けられ、前記第1の伝播モード部から伝播してきたゼロ次の伝播モードの弾性波である第1の弾性波に含まれる特定の周波数成分によってエネルギー閉じ込めモードの弾性波である第2の弾性波が励振されるエネルギー閉じ込めモード部と、
このエネルギー閉じ込めモード部の周囲の領域に設けられ、前記第2の弾性波より高い周波数の遮断周波数を持つ遮断部と、
前記第1の弾性波の伝播する方向に沿って、前記遮断部を挟んでエネルギー閉じ込めモード部と隣り合う位置に設けられ、当該遮断部を介してリークした前記第2の弾性波をゼロ次の伝播モードの弾性波である第3の弾性波にモード変換して伝播させる第2の伝播モード部と、を備えたことを特徴とする。
ここで前記ゼロ次の伝播モードの弾性波は、ゼロ次のSH波であることが好ましく、前記遮断部は、前記弾性体材料の厚さが前記エネルギー閉じ込めモード部よりも薄くなっていることにより、前記第2の弾性波の周波数よりも高い周波数の遮断周波数を持つように形成するとよい。また前記弾性波導波路は、前記遮断部の外方の領域の弾性体材料の厚さが当該遮断部よりも厚く形成されており、この外方の領域は前記ゼロ次の伝播モードの弾性波の伝播方向に沿って、前記遮断部に向けて弾性体材料の厚さが連続的に薄くなるテーパー部を備えていることがさらに好ましい。
前記エネルギー閉じ込めモード部は、平板形状や片面凸レンズ形状に形成することが好適であり、前記エネルギー閉じ込めモード部は、平面形状を四角以上の多角形または円形または楕円形に形成するとよい。
また前記弾性波デバイスは各々前記遮断部にて周囲を囲まれた2以上のエネルギー閉じ込めモード部を備え、これらのエネルギー閉じ込めモード部は、各エネルギー閉じ込めモード部内に励振される第2の弾性波が互いに結合可能なように、前記ゼロ次の伝播モードの弾性波の伝播方向に互いに隣り合うように設けられていることにより多重モードフィルタとして構成してもよい。
そして前記弾性体材料は、圧電体であり、前記第1の伝播モード部に前記第1の弾性波を励振させる第1の電極を設け、前記第2の伝播モード部に前記第3の弾性波を取り出す第2の電極を設けてもよいし、前記第1の弾性波は第1の伝播モード部にレーザー光を照射することにより励振され、前記第3の弾性波は、レーザー式の振動計により検出されるようにしてもよい。また前記第1の伝播モード部が第2の伝播モード部を共用するように構成してもよい。さらにまた、前記第2の弾性波は、高次のエネルギー閉じ込めモードの弾性波であってもよく、前記エネルギー閉じ込めモード部の表面には、感知対象物を吸着するための吸着層を形成してもよい。
また、本発明に係る電子部品は、上述の各弾性波デバイスを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、ゼロ次の伝播モードの弾性波を第1の弾性波として弾性波導波路内に伝播させ、周囲を遮断部で囲まれたエネルギー閉じ込めモード部内にてこの第1の弾性波に含まれる特定の周波数成分からエネルギー閉じ込めモードである第2の弾性波を励振させることにより、エネルギー閉じ込めモード部に電極を設けることなく共振応答を得ることができる。このため、当該部では電極の質量変化による周波数特性の変化が発生しないことから、更なる小型化が容易で、且つ経年による周波数変動の少ない弾性波デバイスを得ることができる。
実施の形態に係る弾性波共振子を上面側及び下面側から見た斜視図である。 前記弾性波共振子の縦断側面図である。 前記弾性波共振子にエネルギー閉じ込めモードの弾性波が励振される様子を示す模式図である。 前記弾性波共振子内をSH波が伝播する様子を示す模式図である。 前記弾性波共振子が示すと予想される周波数特性図である。 前記弾性波共振子の製造工程を示す説明図である。 エネルギー閉じ込めモード部の断面形状を片面凸レンズ形状とした弾性波共振子の縦断側面図である。 凹部にテーパーを設けていない弾性波共振子の縦断側面図である。 凹部内にエネルギー閉じ込めモード部の段差を形成した弾性波共振子の縦断側面図である。 凹部形状の他の例を示す斜視図である。 エネルギー閉じ込めモード部の平面形状の他の例を示す平面図である。 前記平面形状のさらに他の例を示す平面図である。 前記平面形状のこの他の例を示す平面図である。 エネルギー閉じ込めモード部の片側にのみ弾性波導波路を設けた弾性波共振子を示す斜視図である。 実施の形態に係る多重モードフィルタの構成例を示す縦断側面図である。 高次の厚みすべり振動を利用した弾性波共振子の側面図である。 実施の形態に係るマイクロバランスの構成例を示す側面図である。
以下、図1、図2を参照しながら本実施の形態に係る弾性波デバイスの一例である弾性波共振子1の構成について説明する。図1(a)、図1(b)の斜視図並びに、図2の縦断側面図(図1に示したA-A'の位置における縦断面を示している)に示すように、弾性波共振子1は小片状に加工された弾性体材料である圧電体10の両端に電極41、42、51、52を設けて伝播モードの弾性波を伝播させる弾性波導波路とし、この弾性波導波路上の例えば中央部に、エネルギー閉じ込めモードの弾性波を励振させるためのエネルギー閉じ込めモード部2を設けた構成となっている。ここで、図1などには、矩形形状の電極41、42、51、52を図示しているが、電極形状はこの例に限定されるものではない。実際には矩形形状の電極を採用すると不要振動が多くなるおそれがあるため、不要振動の少ない電極形状とすることが望ましいが、本実施の形態においては便宜上、矩形形状の電極41、42、51、52を示してある。
圧電体10は例えばATカットの水晶片であり、図1(a)、図1(b)に示したA-A’方向(伝播モードの弾性波が伝播する方向に相当し、以下、長手方向という)の長さが例えば数百μm〜数mm程度、A-A’方向に直交する方向(以下、幅方向という)の長さが例えば長手方向の長さの1/3〜半分程度、厚さ(図2に「h」と記してある)が例えば数十μm〜数百μmに加工されている。
図2中に示したA-A’方向のA側の一端に設けられている電極41、42は、入力された周波数信号を電気-機械変換して、圧電体10内に伝播モードの弾性波を励振する役割を果たす。各電極41、42は例えば矩形状にパターニングされたアルミニウムやクロムなどの導電性の薄膜であり、互いに対向するように圧電体10の上面側及び下面側に設けられている。例えば本例では上面側の電極41が周波数信号の入力端となっており、下面側の電極42は接地されている。
一方、A’側の他端に設けられた電極51、52は、圧電体10内を伝播してきた弾性波を機械-電気変換し、周波数信号として取り出す役割を果たしている。これら電極51、52は既述の電極41、42とほぼ同様に構成されており、本例では上面側の電極51が周波数信号の出力端、下面側の電極52が接地端となっている。
電極41に周波数信号を入力すると、圧電体10内には種々のモードの弾性波が励振されるが、本実施の形態では圧電体10(弾性波導波路)内を出力側の電極51、52へ向けて伝播する伝播モードの弾性波、その中でも特にゼロ次のSHモードの弾性波(SH波)を利用して共振を得る構成となっている。以下、その詳細な構成について説明する。
エネルギー閉じ込めモード部2及び遮断部3は、圧電体10内を伝播してきたゼロ次のSH波の一部をモード変換してエネルギー閉じ込めモードの弾性波を励振する役割を果たす。エネルギー閉じ込めモード部2はエネルギー閉じ込めモードの弾性波が励振される領域であり、遮断部3はこの弾性波をエネルギー閉じ込めモード部2内に閉じ込めておくための領域である。
エネルギー閉じ込めモード部2は、予め設計した共振周波数にてエネルギー閉じ込めモードの弾性波を励振可能な厚さ「h」に加工された圧電体10(弾性波導波路)内の一領域であり、本例では入力側の電極41、42と出力側の電極51、52との間のほぼ中央位置に設けられている。エネルギー閉じ込めモード部2は、例えば上面側から見た平面形状が正方形となっており、その1辺の長さが例えば数百μm程度となるように形成されている。エネルギー閉じ込めモード部2は例えば正方形の対向する2辺がSH波の進行方向と平行になるように(言い替えると、正方形の残る2辺に対して1次のSH波が垂直に入力するように)配置されている。
エネルギー閉じ込めモード部2の上面は、図1(a)、図2に示すように圧電体10の他の領域の上面から段丘状(メサ状)に突出するように形成されており、その下面は図1(b)、図2に示すように圧電体10の他の領域の下面よりも内側に窪んだ凹部11内に形成されている。この段丘状に突出した領域の上面から凹部11の下面に亘る圧電体10内の直方体部分がエネルギー閉じ込めモード部2に相当する。
遮断部3は、上述のエネルギー閉じ込めモード部2を取り囲むように形成された圧電体10(弾性波導波路)内の一領域である。その上面側は既述のエネルギー閉じ込めモード部2以外の領域と面一となっている一方、下面側は凹部11内に形成されたエネルギー閉じ込めモード部2の下面と面一になっていて、この上面から下面に亘る圧電体10内の角環形状部分が遮断部3に相当している。
図1(a)に示すようにエネルギー閉じ込めモード部2及び遮断部3が圧電体10のほぼ中央位置に設けられていることにより、エネルギー閉じ込めモード部2及び遮断部3から見てSH波の伝播方向上流側の圧電体10の領域が第1の伝播モード部4に相当し、同じく下流側の領域が第2の伝播モード部5に相当している。
ここで背景技術において説明したように、従来のエネルギー閉じ込め型の共振子は、電極の質量付加効果を利用して電極を設けた領域においてエネルギー閉じ込めを実現していた。これに対して本実施の形態に係るエネルギー閉じ込めモード部2及び遮断部3では、例えば図2に示すようにエネルギー閉じ込めモード部2の厚さ「h」の方が遮断部3の厚さ「h」よりも厚くなるように各領域を形成することにより、エネルギー閉じ込めモード部2における厚み振動の共振周波数を遮断部3での遮断周波数よりも低くしてエネルギー閉じ込めモード部2内におけるエネルギー閉じ込めを実現している点に大きな特徴を有している。
図1、図2などの各図においてはエネルギー閉じ込めモード部2が圧電体10の上面から段丘状に突出している様子を分かり易くするために、エネルギー閉じ込めモード部2、遮断部3の大きさを誇張して記載してあるが、例えば共振周波数がおよそ100MHzの弾性波共振子1においては、エネルギー閉じ込めモード部2や遮断部3の領域における圧電体10の厚さ「h、h」は十数μm程度、またエネルギー閉じ込めモード部2と遮断部3との厚さの差、即ち段丘状に突出した部分の高さは例えば十数nm程度と極めて小型のデバイスとなっている。またギガヘルツといったさらに高周波の共振周波数では、エネルギー閉じ込めモード部2や遮断部3の厚さ「h、h」や段丘の高さはさらに小さくなる。
エネルギー閉じ込めモード部2や遮断部3のサイズを決定する設計方法の一例を説明すると、図3に示すように各々厚さ「h、h」のエネルギー閉じ込めモード部2、遮断部3に波長がn/2(nは整数)の厚み振動波の定在波が立ったとすると、エネルギー閉じ込めモード部2における遮断角周波数「ω」とその厚さ「h」との関係は下記(1)式で表され、エネルギー閉じ込めモード部2内に形成される定在波の角周波数「ω」とその波数との関係は下記(2)式で表すことができる。
Figure 0005203347
は厚み方向に伝播する平面波の速度である。
Figure 0005203347
βは圧電材料や伝播モードによって定まる定数である。
また、遮断部3における遮断周角波数「ω」とその厚さ「h」との関係は下記(3)式で表され、遮断部3内に形成される定在波の角周波数「ω」とその波数との関係は下記(4)式で表すことができる。
Figure 0005203347
Figure 0005203347
jは虚数である。
このとき図3に模式的に示すように、エネルギー閉じ込めモード部2内にエネルギー閉じ込めモードであるSモード(対称モード)の厚み振動波が励振されると、その共振角周波数ωはω<ω<ωの範囲にある。このときエネルギー閉じ込めモード部2内と遮断部3内に夫々励振される厚み振動波の変位uを表す近似式を立て、その変位及び当該変位のx方向の傾きがエネルギー閉じ込めモード部2と遮断部3との境界において連続的であるとの条件を満たすとすると、上記(2)式、(4)式にて特定される波数k、kには下記(5)式の関係が成り立つ。
Figure 0005203347
Lは長手方向(A-A’方向)におけるエネルギー閉じ込めモード部2の長さである。
以上より、(1)式〜(4)式において、(5)式の条件を満たす定在波の角周波数「ω」が共振角周波数「ω」に相当することとなる。
以上に説明した関係から圧電体10を構成する圧電材料を選択し、弾性波共振子1の共振周波数「ω」を設定して、この共振周波数を得られるエネルギー閉じ込めモード部2の厚さ「h」や長さ「L」、遮断部3の厚さ「h」を(1)式〜(5)式より例えばトライアルアンドエラーによって求めることにより、エネルギー閉じ込めモード部2や遮断部3のサイズを決定することができる。なお、上述の設計法はエネルギー閉じ込めモード部2や遮断部3のサイズの求め方の一例を概略的に示したものであり、本実施の形態に係る弾性波共振子1は当該法により設計されたものに限定されるものではない。例えばシミュレータなどを用いて、設計上の共振周波数「ω」にてエネルギー閉じ込めモードの共振を得られる条件を探索し、エネルギー閉じ込めモード部2や遮断部3のサイズを決定してもよいことは勿論である。またこのとき有限要素法などの任意形状の周波数特性が計算できる構造シミュレータを利用すれば簡単に設計することができる。
以上に説明したように、本実施の形態に係る弾性波共振子1においてエネルギー閉じ込めモードの共振を得るためのエネルギー閉じ込めモード部2や遮断部3は極めて小型で薄く構成することができる。
ここで凹部11内にエネルギー閉じ込めモード部2や遮断部3を形成するにあたって、第1の伝播モード部4や第2の伝播モード部5からエネルギー閉じ込めモード部2や遮断部3に向けて急激に、例えばステップ状に圧電体10の厚さを変化させると、当該部にて第1の伝播モード部4内を伝播してきたSH波の大部分が反射されてしまってエネルギー閉じ込めモード部2に到達しにくくなり、エネルギー閉じ込めモード部2においてエネルギー閉じ込めモードを発生させる効率が悪くなってしまうおそれがある。そこで本実施の形態に係る弾性波共振子1では第1の伝播モード部4及び第2の伝播モード部5の下面側に、各伝播部4、5側からエネルギー閉じ込めモード部2、遮断部3へ向けて傾斜するテーパー部43、53を設け、反射を抑えつつ効率的にSH波を伝播させることができるようになっている。
以上に説明した構成を備えた弾性波共振子1の作用について説明すると、今、入力側の電極41に周波数信号を入力すると当該周波数信号は圧電体10にて電気-機械変換されて種々のモードの弾性波を励振し、これらの中には圧電体10内を伝播するゼロ次のSH波が含まれている。
図4に模式的に示すように、SH波はx方向の変位を持ち、圧電体10の上面及び下面にて反射を繰り返しながら図中のx方向(長手方向、A-A’方向)に伝播する伝播モードの弾性波である。SH波のうち、モード次数がゼロ次のSH波は、x方向(厚さ方向)の変位分布(振幅分布)が一様であり、また遮断周波数が存在しないため、圧電体10の厚さをどのように変化させても遮断されることなく伝播することができる。
このため、入力側の電極41、42にて励振されたゼロ次のSH波(以下、第1の弾性波という)は、入力される周波数信号の周波数を変化させてもすべての周波数において第1の伝播モード部4→第1の伝播モード部4のテーパー部43→遮断部3→エネルギー閉じ込めモード部2→遮断部3→第2の伝播モード部5のテーパー部53→第2の伝播モード部5と、圧電体10内を伝播することができる。この結果、出力側の電極51、52では、機械-電気変換により入力された周波数に対応する周波数信号が取り出される。
このように第1の伝播モード部4を伝播する第1の弾性波がエネルギー閉じ込めモード部2にてエネルギー閉じ込めモードの弾性波を励振可能な周波数成分を含んでいる場合には、エネルギー閉じ込めモード部2内にて第1の弾性波の一部がエネルギー閉じ込めモードの弾性波(以下、第2の弾性波という)にモード変換され、図3に模式的に示したように共振が発生する。
エネルギー閉じ込めモード部2内に励振された第2の弾性波に対して、エネルギー閉じ込めモード部2の周囲に形成されている遮断部3は当該第2の弾性波よりも高い周波数の遮断周波数を持っているので、第2の弾性波が持つエネルギーはエネルギー閉じ込めモード部2内に閉じ込められた状態となる。しかし、この遮断部3では第2の弾性波の振動エネルギーは矩形関数的にオン/オフのオフの状態となるわけではなく、図3に示すように指数関数的に減衰する。
このため、第2の弾性波の一部の振動エネルギーは遮断部3を介して外側の領域にリークし、新たな伝播モードの弾性波に変換される。そして、この新たな弾性波にもゼロ次のSH波(以下、第3の弾性波という)が含まれており、この第3の弾性波が第1の弾性波と共に第2の伝播モード部5を伝播し、出力側の電極51、53へと到達する。
ここで共振によりエネルギー閉じ込めモード部2内に励振される第2の弾性波は、大きな振動エネルギーを持っているので、遮断部3にて指数関数的に減衰するといっても第3の弾性波は第1の弾性波と比較して大きな振動エネルギーを持っている。このため、本実施の形態に係る弾性波共振子1は、図5に示すように共振周波数「f」にてアドミタンスが最大となる周波数特性示すものと予想され、この周波数特性を利用して周波数制御や周波数選択を行うことができる。
次に本実施の形態に係る弾性波共振子1の製作方法の一例について図6を参照しながら説明しておくと、初めに例えば弾性波共振子1の底面からエネルギー閉じ込めモード部2の段丘状の上面までの高さに形成された圧電体10の表面にレジスト60を塗布し(図6(a))、当該レジスト60をエネルギー閉じ込めモード部2の平面形状にパターニングする(図6(b))。そして、圧電体10の表面を例えばドライエッチングなどの異方性エッチングを利用して削って、エネルギー閉じ込めモード部2の段丘状の突出部を形成する(図6(c))。
次いで今度は圧電体10の上面側と下面側の双方にレジスト60を塗布し(図6(d))、下面側のレジスト60のみをパターニングして凹部11を形成する部分を露出させる(図6(e))。この後、圧電体10に対して例えばフッ酸やバッファードフッ酸を用いた等方性エッチングを行い、エネルギー閉じ込めモード部2及び遮断部3となる部分を形成すると共に、結晶軸方向によるエッチング速度の異方性を利用して凹部11内にテーパー面を形成する(図6(f))。そして、例えばリフトオフなどの手法により電極41、42、51、52を形成し、既述の構成を備えた弾性波共振子1を得る。
本実施の形態に係る弾性波共振子1によれば以下の効果がある。ゼロ次の伝播モードの第1の弾性波を圧電体10内に伝播させ、周囲を遮断部3で囲まれたエネルギー閉じ込めモード部2内にてこの第1の弾性波に含まれる特定の周波数成分からエネルギー閉じ込めモードである第2の弾性波を励振させることにより、エネルギー閉じ込めモード部に電極を設けることなく共振応答を得ることができる。このため、当該部では電極の質量変化による周波数特性の変化が発生しないことから、更なる小型化が容易で、且つ経年による周波数変動の少ない弾性波デバイスを得ることができる。
ここで弾性波共振子1には周波数信号の入力側、出力側に各々電極41、42、51、52が設けられているが、これらの電極41、42、51、52が酸化、あるいは腐食してその質量が変化したとしても、圧電体10内に励振される第1の弾性波(ゼロ次のSH波)は殆ど影響を受けない。そして、共振が発生するエネルギー閉じ込めモード部2及び遮断部3は電極41、42、51、52から全く独立して設けられており、これらの質量変化の影響を受けないので共振周波数が経年的に変化することなく安定した周波数特性を示す。
エネルギー閉じ込めモード部2の断面形状は図2や図3などに示したように矩形形状に形成する場合に限定されず、例えば図7の弾性波共振子1aに示すようにエネルギー閉じ込めモード部2を片面凸レンズ(プラノコンベックス)形状としてもよい。図3に示したように例えばSモードのエネルギー閉じ込めモードは釣鐘型の変位分布を呈するので、エネルギー閉じ込めモード部2をこの変位分布に合わせた形状とすることにより、効率的にエネルギー閉じ込めモードの弾性波(第2の弾性波)を励振することができる。この場合には、CCD(Charge Coupled Device)の撮像素子を形成する要領で片面凸レンズ形状を形成するとよい。また、エネルギー閉じ込めモード部2は片面凸レンズ形状に限らず、両面凸レンズ(バイコンベックス)形状としてもよいことは勿論である。
また凹部11は、テーパー部を備えている場合に限定されず、図8の弾性波共振子1bに示すように、エネルギー閉じ込めモード部2及び遮断部3を形成した部分でステップ的に圧電体10の厚さを変化させてもよい。既述のようにテーパー部は反射を抑えて効率よくSH波をエネルギー閉じ込めモード部2が設けられている領域へと伝播させる役割を備えているが、図8に示すように弾性波共振子1bを構成する場合であっても、入力側から伝播してきたSH波の一部だけでも反射されずにエネルギー閉じ込めモード部2へと伝播することができれば、エネルギー閉じ込めモード部2内においてエネルギー閉じ込めモードの弾性波(第2の弾性波)を励振することは可能である。
このほか、エネルギー閉じ込めモード部2の段丘状に突出した部分は図9の弾性波共振子1cに示すように凹部11内に設けてもよい。そして凹部11は、図10の弾性波共振子1dに示すように、エネルギー閉じ込めモード部2及び遮断部3が設けられている領域の圧電体10の底面側全体を横断するように形成してもよい。
エネルギー閉じ込めモード部2の平面形状も正方形や長方形などの四角形に限定されるものではなく図11の弾性波共振子1eのように五角形以上の多角形や、円形(図12の弾性波共振子1f)、楕円形(図13の弾性波共振子1g)であってもよい。多角形の場合には、既述の四角形や六角形などのように、エネルギー閉じ込めモード部2を上面側から見て180°回転させた場合にも各辺が同じ配置となるような場合がエネルギー閉じ込めモードの弾性波を励振する効率がよい。ただし、エネルギー閉じ込めモード部2の平面形状を三角形などの奇数の辺を有する多角形とする場合を除外するものでもない。またこれらの場合に、例えば図12、図13の弾性波共振子1f、1gに示すように、電極41、42、51、52の平面形状を円弧状に形成し、平面形状が円形、楕円形に形成されたエネルギー閉じ込めモード部2対してゼロ次のSH波(第1の弾性波)がほぼ垂直に入射されるように構成してもよい。
また図1等に示した実施の形態では、エネルギー閉じ込めモード部2及び遮断部3を挟んで第1の伝播モード部4、第2の伝播モード部5を形成し、各々の伝播部4、5の両端に入力用、出力用の電極41、42、51、52を設けた例を示したが、第1の伝播モード部4にて第2の伝播モード部を共用する構成としてもよい。この場合には、図14(a)、図14(b)に示す弾性波共振子1hの如く、第1の伝播モード部4側の上面、下面に設けられた一方側の電極41を周波数信号の入力用の電極41とし、他方側の電極42を周波数信号の出力用の電極42とするとよく、弾性波共振子1hをさらに小型化することができる。
図15には、上述の原理により発振したエネルギー閉じ込めモードの弾性波を利用して多重モードフィルタ7を構成した例を示している。エネルギー閉じ込めモード部2においては、周囲を遮断部3で囲まれた複数個、例えば3個のエネルギー閉じ込めモード部2a、2b、2cを長手方向に互いに隣り合うように設けると共に、各エネルギー閉じ込めモード部2a、2b、2c内で励振されるエネルギー閉じ込めモード(第2の弾性波)がモード結合を生じる程度の距離にこれらのエネルギー閉じ込めモード部2a、2b、2cの間隔が調整されている。この結果、エネルギー閉じ込めモード部2a、2b、2c内に励振される結合モード(例えば対称モードと反対称モード)の共振周波数差を利用して帯域フィルタを構成することができる。多重モードフィルタ7上に設けるエネルギー閉じ込めモード部2の数は3個の場合に限られず、例えば2個であってもよい。
また図1等に示した弾性波共振子1は周波数信号の入出力用の電極41、42、51、52を備えた例を示したが、本発明に係る弾性波デバイスは必ずしもこれらの電極41、42、51、52を備えていなくてもよい。例えば挿し込み式のカートリッジに電極部を設け、電極部を備えていない本発明に係る弾性波デバイス(例えば図1に示した弾性波共子1から電極41、42、51、52を取り去ったもの)をこのカートリッジに接続することにより、発振回路などを構成する場合も本発明の技術的範囲に含まれている。
また第1の伝播モード部4及び第2の伝播モード部5は遮断部3よりも厚く形成される場合に限定されない。例えば遮断部3の厚さ「h」に形成された圧電体10に段丘状に突出したエネルギー閉じ込めモード部2を設けてもよい。この場合には、例えば閉じ込めモード部2の周囲に遮断部3に相当する間隔を空けて電極41、42、51、52を設けることにより、入力側の電極41、42で励振されたゼロ次のSH波(第1の弾性波)を、遮断部3を介してエネルギー閉じ込めモード部2に伝播させ、これによりエネルギー閉じ込めモードの弾性波(第2の弾性波)を励振させることができる。そして、このエネルギー閉じ込めモード部2から遮断部3を介してリークし、再び伝播モードに変換された弾性波(第3の弾性波)を出力側の電極で51、52にて周波数信号として取り出すことにより、上述の実施の形態と同様の作用、効果を得ることができる。本例の場合には、電極41、42を設けた領域が第1の伝播モード部に相当し、電極51、52を設けた領域が第2の伝播モード部に相当する。
以上に説明した各弾性波共振子1、1a〜1hは例えば周知のコルピッツ回路内に組み込まれることにより、発振器として利用され、また多重モードフィルタ7はそれ単体で帯域フィルタの働きを有する電子部品として利用される。
また圧電体10の圧電材料は水晶に限定されるものではなく、例えばタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ランガサイトなどであってもよい。
このほか、弾性波導波路を構成する弾性体材料は水晶などの圧電体を採用する場合に限定されず、例えば耐食性を備えた金属材料であるチタンやステンレスなどの非圧電体を採用する場合も本発明の技術的範囲に含まれる。この場合には第1の伝播モード部4に例えばレーザー光をパルス照射したり、光強度変調されたレーザー光を照射したりすることなどにより当該第1の伝播モード部4にゼロ次のSH波からなる第1の弾性波を励振することができる。また上述のように弾性波導波路を非圧電体材料にて構成した場合には、エネルギー閉じ込めモード部2からリークして第2の伝播モード部5を伝播する第3の弾性波は、当該第2の伝播モード部5に例えばレーザー光を照射するドップラー式の振動計などにより検出することができる。これらレーザー光の照射方法は、特定の手法に限定されないが、例えば光ファイバーを介して行ってもよい。また、これらレーザー光による第1の弾性波の励振、レーザー式の振動計による第3の弾性波の検出は、弾性波導波路を構成する弾性体材料が圧電体である場合にも適用できる。
さらにまた本発明の弾性波共振子1にて利用可能なエネルギー閉じ込めモードは、図3に例示したように弾性波共振子1の厚み方向の変位が長手方向の分布を持つ厚み縦振動のエネルギー閉じ込めモードを利用する場合に限られない。例えば弾性波共振子1の長手方向に変位を持つ厚みすべり振動や、幅方向に変位を持つ厚みねじれ振動のエネルギー閉じ込めモードを利用してもよい。例えば図16は、厚みすべり振動のエネルギー閉じ込めモードを利用した弾性波共振子1jを模式的に示した例であるが、この図に示すようにエネルギー閉じ込めモードの次数についても最低次数のモード(図16の右端に示した例では基本モードと記載してある)を利用する場合に限られず、より高次のエネルギー閉じ込めモードを利用してもよい。特に既述のレーザー光照射など、励振電極を用いない遠隔励振を採用する場合には、奇数次モード(基本モード、3次モード、…)に限られず、偶数次モード(2次モード、…)のエネルギー閉じ込めモードを励振させることも可能であり、これら偶数次モードもより高次の第2の弾性波に含まれる。
高次のエネルギー閉じ込めモードを励振可能なエネルギー閉じ込めモード部2を設計する手法については、エネルギー閉じ込めモード部2や遮断部3の厚さ「h、h」や当該部2の長さ「L」、材料の選択やその結晶方向などを適宜変化させながらシミュレーションを行い、目的とする種類、及び次数のエネルギー閉じ込めモードが励振される条件を探索する場合などが考えられる。
ところで励振用の電極41、42、51、52を用いる場合には、圧電体10と電極41、42、51、52との電気-機械結合係数はエネルギー閉じ込めモードの次数の2乗に逆比例して減少するため、高次のエネルギー閉じ込めモードを利用する上での障害となる。これに対して遠隔励振を利用すれば、電気-機械結合係数の減少といった問題を排除して高次のエネルギー閉じ込めモードを利用することができるという利点がある。
また厚みすべり振動を利用する場合、エネルギー閉じ込めモード部2の厚さ「h」は、エネルギー閉じ込めモードの次数が高くなるほど厚くなるので、例えば最低次数のモードを利用する場合に比べて弾性波共振子1の製作や取り扱いが容易になる。さらにこのようにエネルギー閉じ込めモード部2を厚くできることにより、エネルギー閉じ込めモード部2の体積Vと、上下両面の表面積Sとの比「V/S」を大きく取ることができる。例えば経年劣化しやすい非圧電体材料にて弾性波導波路を構成した場合などであっても「V/S」の値を大きくすることによって経年劣化による体積変化などに伴うエネルギー閉じ込めモードの共振周波数の変化を抑制することができる。これらに加えて、遠隔励振を利用すると、圧電体10に電極41、42、51、52を設ける際の加工時の熱ひずみや電極41、42、51、52自体の経年劣化も避けることができる。また本発明の弾性波共振子で利用可能な高次のエネルギー閉じ込めモードは、図16に例示した厚みすべり振動の例に限られず、厚み縦振動や厚みねじれ振動における高次のエネルギー閉じ込めモードを利用してもよいことは勿論である。
次に図17に、本実施の形態の弾性波導波路100(圧電体でもよいし非圧電体でもよい)を用いてマイクロバランス8を構成した例を示す。マイクロバランスは、水晶振動子への感知対象物の吸着に起因する固有振動数の変化を検出して感知対象物の吸着量を特定するQCM(Quartz Crystal Microbalance)などが知られているが、本例に係るマイクロバランス8は、エネルギー閉じ込めモードの共振周波数の変化を利用して感知対象物の吸着量を特定する。図17に示したマイクロバランス8は、例えば図9に示した弾性波共振子1cと同様に、エネルギー閉じ込めモード部2の段丘状の突出部分が凹部11内に設けられている。これにより、当該突出部分とは反対側の面には、第1の伝播モード部4から第2の伝播モード部5にかけて凹凸のない平坦な面が形成される。
そしてこの平坦な面のエネルギー閉じ込めモード部2に相当する領域には、感知対象物82を吸着するための吸着層81が設けられている。例えば血液あるいは血清中の特定の抗原などを感知対象物82として感知する場合には、吸着層81には当該感知対象物82と選択的に反応して結合する抗体などが用いられる。そしてこの吸着層81に感知対象物82が吸着すると、質量付加効果によってエネルギー閉じ込めモード部2の厚さが、振動しやすさの観点から見かけ上増大し、その結果、当該エネルギー閉じ込めモード部2の遮断周波数が低下することになる。この遮断周波数の低下にバランスしてエネルギー閉じ込めモードの共振周波数も低下するので、当該共振周波数の低下量と、感知対象物82の吸着量との対応関係に基づいて吸着層81に吸着した感知対象物82の量を特定することができる。
図17に示したマイクロバランス8の例において、例えばレーザー光などによる遠隔励振を利用すると、弾性波導波路100の表面に励振用の電極41、42、51、52を設ける必要がないことから、腐食性のガスや液体の計測も可能となる。また電極41、42、51、52を設けない場合には、凹凸のない平坦な面に吸着層81を設けることができるので、例えばマイクロ流路内を流れる試料を計測する場合などにおいても流路の圧力損失を増大させにくく、流路設計に際して高い自由度を確保できる。さらに吸着層81の設けられている面が平坦であると、当該面の洗浄も容易となり、マイクロバランス8の繰り返し使用にも適している。このとき例えば当該マイクロバランス8の凹部11側の面を、水などが入り込まない水密の封じ切り構造としておくことにより、洗浄時の取り扱いがさらに容易となる。
以上図17を用いてマイクロバランス8の構成例を説明したが、例えばエネルギー閉じ込めモード部2の突出部分側に吸着層81を設けたり、図1、図7、図8などに示した他の弾性波共振子1、1a、1bと同様に構成されたマイクロバランス8を用いたりするなどしてもよく、また弾性波導波路100を圧電体10にて構成し、電極41、42、51、52を設けて励振を行ってもよいことは勿論である。
1、1a〜1j
弾性波共振子
10 圧電体
11 凹部
2、2a〜2c
閉じ込めモード部
3 遮断部
4 第1の伝播モード部
41、42 電極
43 テーパー部
5 第2の伝播モード部
51、52 電極
53 テーパー部
60 レジスト
7 多重モードフィルタ
8 マイクロバランス

Claims (14)

  1. 弾性体材料からなる弾性波導波路に設けられた第1の伝播モード部と、
    前記弾性波導波路に設けられ、前記第1の伝播モード部から伝播してきたゼロ次の伝播モードの弾性波である第1の弾性波に含まれる特定の周波数成分によってエネルギー閉じ込めモードの弾性波である第2の弾性波が励振されるエネルギー閉じ込めモード部と、
    このエネルギー閉じ込めモード部の周囲の領域に設けられ、前記第2の弾性波より高い周波数の遮断周波数を持つ遮断部と、
    前記第1の弾性波の伝播する方向に沿って、前記遮断部を挟んでエネルギー閉じ込めモード部と隣り合う位置に設けられ、当該遮断部を介してリークした前記第2の弾性波をゼロ次の伝播モードの弾性波である第3の弾性波にモード変換して伝播させる第2の伝播モード部と、を備えたことを特徴とする弾性波デバイス。
  2. 前記ゼロ次の伝播モードの弾性波は、ゼロ次のSH波であることを特徴とする請求項1に記載の弾性波デバイス。
  3. 前記遮断部は、前記弾性体材料の厚さが前記エネルギー閉じ込めモード部よりも薄くなっていることにより、前記第2の弾性波の周波数よりも高い周波数の遮断周波数を持つように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性波デバイス。
  4. 前記弾性波導波路は、前記遮断部の外方の領域の弾性体材料の厚さが当該遮断部よりも厚く形成されており、この外方の領域は前記ゼロ次の伝播モードの弾性波の伝播方向に沿って、前記遮断部に向けて弾性体材料の厚さが連続的に薄くなるテーパー部を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の弾性波デバイス。
  5. 前記エネルギー閉じ込めモード部は、平板形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の弾性波デバイス。
  6. 前記エネルギー閉じ込めモード部は、片面凸レンズ形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の弾性波デバイス。
  7. 前記エネルギー閉じ込めモード部は、平面形状が四角以上の多角形または円形または楕円形に形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の弾性波デバイス。
  8. 前記弾性波デバイスは各々前記遮断部にて周囲を囲まれた2以上のエネルギー閉じ込めモード部を備え、これらのエネルギー閉じ込めモード部は、各エネルギー閉じ込めモード部内に励振される第2の弾性波が互いに結合可能なように、前記ゼロ次の伝播モードの弾性波の伝播方向に互いに隣り合うように設けられていることにより多重モードフィルタを構成していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の弾性波デバイス。
  9. 前記弾性体材料は、圧電体であり、前記第1の弾性波を励振させる第1の電極を前記第1の伝播モード部に設け、前記第3の弾性波を取り出す第2の電極を前記第2の伝播モード部に設けたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載の弾性波デバイス。
  10. 前記第1の弾性波は第1の伝播モード部にレーザー光を照射することにより励振され、前記第3の弾性波は、レーザー式の振動計により検出されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載の弾性波デバイス。
  11. 前記第1の伝播モード部は第2の伝播モード部を共用していることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一つに記載の弾性波デバイス。
  12. 前記第2の弾性波は、高次のエネルギー閉じ込めモードの弾性波であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一つに記載の弾性波デバイス。
  13. 前記エネルギー閉じ込めモード部の表面には、感知対象物を吸着するための吸着層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一つに記載の弾性波デバイス。
  14. 請求項1ないし13のいずれか一つに記載の弾性波デバイスを備えたことを特徴とする電子部品。
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