JP5200853B2 - 高周波電力増幅用電子部品 - Google Patents

高周波電力増幅用電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP5200853B2
JP5200853B2 JP2008274801A JP2008274801A JP5200853B2 JP 5200853 B2 JP5200853 B2 JP 5200853B2 JP 2008274801 A JP2008274801 A JP 2008274801A JP 2008274801 A JP2008274801 A JP 2008274801A JP 5200853 B2 JP5200853 B2 JP 5200853B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transistor
voltage
circuit
power
resistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008274801A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010103857A (ja
Inventor
恭一 高橋
和博 古塩
聡 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2008274801A priority Critical patent/JP5200853B2/ja
Priority to US12/565,993 priority patent/US7994860B2/en
Publication of JP2010103857A publication Critical patent/JP2010103857A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5200853B2 publication Critical patent/JP5200853B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03GCONTROL OF AMPLIFICATION
    • H03G3/00Gain control in amplifiers or frequency changers
    • H03G3/20Automatic control
    • H03G3/30Automatic control in amplifiers having semiconductor devices
    • H03G3/3036Automatic control in amplifiers having semiconductor devices in high-frequency amplifiers or in frequency-changers
    • H03G3/3042Automatic control in amplifiers having semiconductor devices in high-frequency amplifiers or in frequency-changers in modulators, frequency-changers, transmitters or power amplifiers
    • H03G3/3047Automatic control in amplifiers having semiconductor devices in high-frequency amplifiers or in frequency-changers in modulators, frequency-changers, transmitters or power amplifiers for intermittent signals, e.g. burst signals
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/30Modifications of amplifiers to reduce influence of variations of temperature or supply voltage or other physical parameters
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/189High-frequency amplifiers, e.g. radio frequency amplifiers
    • H03F3/19High-frequency amplifiers, e.g. radio frequency amplifiers with semiconductor devices only
    • H03F3/195High-frequency amplifiers, e.g. radio frequency amplifiers with semiconductor devices only in integrated circuits

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Amplifiers (AREA)

Description

本発明は、高周波電力増幅用電子部品に関し、特に、GSM系の携帯電話機等を代表に送信開始時のパワーの立ち上げ特性が要求される高周波電力増幅用電子部品に適用して有効な技術に関するものである。
携帯電話機等の無線通信装置の送信部には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect-Transistor)やGaAs−MESFET等のトランジスタを増幅素子とする高周波電力増幅回路(HPA:High Power Amplifier)を搭載した高周波電力増幅用電子部品(以下、RFパワーアンプモジュール)が組み込まれている。また、一般に、携帯電話機では、基地局から送られて来るパワーレベル指示情報に従って周囲環境に適応するように出力電力(送信パワー)を変えて通話を行ない、他の携帯電話機との間で混信を生じさせないようにシステムが構成されている。例えば、GSM(Global System for Mobile Communication)方式の携帯電話機では、RFパワーアンプモジュール内にAPC(Automatic Power Control)回路が搭載され、このAPC回路が、出力電力の検出信号とベースバンド回路からの出力レベル指示信号Vrampとを比較して、各増幅段のゲインの制御によって送信パワーを制御する。このようなRFパワーアンプモジュールに関しては、以下のような技術が知られている。
例えば、特許文献1の図2には、送信パワーを定めるバイアス制御電圧Vapcが、3段に従属接続された電力増幅用MOSトランジスタのそれぞれのゲートに対して抵抗分割を介して印加される高周波電力増幅回路が示されている。この高周波電力増幅回路は、更に、電力増幅用MOSトランジスタと同一構造のMOSトランジスタ(Q1)を備え、このMOSトランジスタ(Q1)に流れる電流を抵抗(R6)で電圧に変換してVapcに反映させる機能を備えている。これによると、電力増幅用MOSトランジスタのしきい値電圧の製造ばらつきが、MOSトランジスタ(Q1)によってモニタされると共にVapcに反映されるため、電力増幅用MOSトランジスタのバイアス電流のばらつきを補正可能になる。
また、例えば、特許文献2の図3には、送信パワーを定めるバイアス制御電圧Vapcに応じたバイアス電流が、カレントミラー回路(Qa3,Qb3)を介して増幅用トランジスタ(Qa3)に供給される高周波電力増幅用電子部品が示されている。この高周波電力増幅用電子部品は、更に、パワーの立ち上げに伴う低パワー時に増幅用トランジスタ(Qa3)に対して固定値のバイアス電流を供給するというプリチャージ機能を備えている。具体的には、増幅用トランジスタ(Qa3)に流れる電流(バイアス制御電圧Vapcに応じた電流)が電流検出回路224で検出され、その電圧変換値と参照電圧Vpreとが比較され、電圧変換値が小さい場合にはトランジスタ(Qe)を介してVapcが持ち上げられる。一方、電圧変換値が大きい場合にはQeがオフとなり、出力レベル指示信号Vrampと電力検出回路(221)からの検出信号(Vdet)に応じてVapcが生成される。これによると、ハードウェアによってプリチャージ機能が実現可能となり、パワーの立ち上げに伴うスペクトラム特性の向上を容易に実現できる。
特開2005−197859号公報 特開2006−238244号公報
例えば、GSMを代表とするGMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying)用携帯端末規格の一つとして、スイッチングスペクトラム特性が規定されている。このスイッチングスペクトラム特性を向上させるための技術として、例えば特許文献2に示されるように、RFパワーアンプモジュールの出力パワーを一旦低パワーレベル(通常0dBm以下であり代表的には−30〜−10dBmの範囲内)に設定してから立ち上げるプリチャージ機能が知られている。
図13は、本発明の前提として検討した高周波電力増幅用電子部品において、その概略的な構成例を示すブロック図である。図13に示す高周波電力増幅用電子部品は、例えば、特許文献2と同様な構成となっており、高周波入力信号RFinを増幅して高周波出力信号Poutを生成するパワーアンプ回路HPAと、そのゲイン制御を行う自動パワー制御回路APCによって構成される。APCは、電力制御ループPWC_LPとプリチャージループPRE_LPを含んでいる。PWC_LPでは、Poutの出力電力が電力検出器(カプラ)CPLによって検出され、それが電力/電流変換回路PICおよびI/V変換整流回路IVCRを介して検出電圧信号Vdetとして出力される。そして、ベースバンド回路(図示せず)からの出力レベル指示信号VrampとこのVdetとがエラーアンプブロックEA_BLKで比較され、その結果に応じてバイアス制御電圧Vapcの制御が行われる。なお、このVapcは、HPA内で、図示しない増幅用トランジスタのバイアス電圧やバイアス電流に変換され、これによって出力電力が制御される。
一方、プリチャージループPRE_LPでは、電流生成回路CGENがVapcの大きさに比例した電流信号を生成し、それがI/V変換回路IVCによって電圧信号Vmoniに変換される。そして、このVmoniと参照電圧Vpreとがアンプ回路AMP2で比較され、その結果に応じてプリチャージ用トランジスタQpeを介してVapcの制御が行われる。ここで、Vpreは、Poutのパワーレベルを例えば−30〜−10dBmの範囲内に設定するための電圧値を持ち、VmoniがVpreよりも小さい場合には、Qpeを介してVapcが所定の固定レベルに持ち上げられ、VmoniがVpreよりも大きい場合には、Qpeがオフとなり、電力制御ループPWC_LPによってVapcの制御が行われる。パワーレベルが例えば−30〜−10dBmといった低パワーレベル(プリチャージレベル)の範囲では、電力検出器CPLによる電力検出が困難であるため、このように電流生成回路CGENを用いてプリチャージレベルのループ制御を行っている。
このような構成においては、プリチャージレベルが前述したような設定範囲から外れるとスイッチングスペクトラム特性が低下するため、可能な限りばらつきが少ないプリチャージレベルを生成する技術が求められる。しかしながら、本発明者等の検討により、例えば次のような要因によりプリチャージレベルのばらつきが発生し、前述したような設定範囲に対するマージンを確保できなくなることが判明した。図14は、本発明の前提として検討した高周波電力増幅用電子部品において、そのプリチャージレベルのばらつき要因を模式的に示すものであり、(a)は電流制御型を用いた場合の説明図、(b)は電圧制御型を用いた場合の説明図である。図13に示したようなプリチャージ機能は、概念的には、図14(a),(b)に示すように、低パワーレベルにおいて、出力レベル指示信号Vrampを固定値V’preとするものである。また、図14(a),(b)に示すように、増幅用トランジスタのしきい値電圧Vthがばらつくと、Vrampに対するPoutの立ち上がり開始時点がずれることになる。
(1)例えば、特許文献2に示されるように、カレントミラー回路による電流制御によってパワーアンプ回路のゲイン制御を行う構成(以下、電流制御型と称す)を用いると、増幅用トランジスタにおけるしきい値電圧の製造ばらつきの影響を低減できるが、パワー制御スロープが大きいため、結果的にプリチャージレベルのばらつきを低減できない。すなわち、図14(a)に示すように、仮にVthばらつきが小さくても、パワー制御スロープ(ΔPout/ΔVramp)が大きいと、固定値V’preに対して、プリチャージレベルがPpre_H〜Ppre_Lの範囲で大きくばらついてしまう。また、電流制御型を用いた場合、低パワーレベル時にミラー電流が小さくなり、これに伴い応答遅延時間が増大する恐れもある。
(2)例えば、特許文献1に示されるように、増幅用トランジスタのゲートに抵抗分割を介してバイアス電圧を印加することでパワーアンプ回路のゲイン制御を行う構成(以下、電圧制御型と称す)を用いると、パワー制御スロープは小さくできるが、しきい値電圧の製造ばらつきの影響が大きくなり、結果的にプリチャージレベルのばらつきを低減できない。すなわち、図14(b)に示すように、仮にパワー制御スロープが小さくても、しきい値電圧Vthのばらつきが大きいと、固定値V’preに対して、プリチャージレベルがPpre_H〜Ppre_Lの範囲で大きくばらついてしまう。なお、電圧制御型を用いた場合、電圧駆動であるため低パワーレベル時の応答遅延時間を小さくできる利点が得られる。
そこで、例えば特許文献1のように、電圧制御型を用いると共に、しきい値電圧Vthのばらつきを補正する回路を設けることが考えられる。しかしながら、特許文献1に示される補正回路では、抵抗(特許文献1の図2のR6)の製造ばらつきが生じた場合にしきい値電圧Vthの高精度な補正が困難となる恐れがある。さらに、特許文献1の技術は、プリチャージレベルのばらつきを補正する目的ではなく、パワー全域に渡って補正する目的となっているが、中〜高レベルのパワー領域では、出力電力を実際に検出してAPC制御を行っているため、通常、Vthばらつきはさほど大きな問題とはならない。したがって、前述したようなプリチャージレベルのばらつきを考慮しない限りは、増幅段の全段に電流制御型の構成を用いる方が望ましいと考えられる。
本発明は、このようなことを鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能な高周波電力増幅用電子部品を提供することにある。本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本実施の形態による高周波電力増幅用電子部品は、バイアス制御信号(Vapc)に応じたバイアス電圧が印加され、高周波信号の増幅動作を行う第1トランジスタと、Vapcを制御する電力制御ループならびにプリチャージ回路に加えて、第1トランジスタのプロセス変動(例えばしきい値電圧変動)を補償する補正回路を有するものとなっている。電力制御ループは、第1トランジスタの出力電力を検出し、それと外部からの出力レベル指示信号(Vramp)とを比較してVapcを制御する。プリチャージ回路は、出力電力の値が十分に電力検出できないほど小さくなる範囲(例えば0dBm以下)で、出力電力が固定値となるようにVapcを制御する。補正回路は、第1トランジスタと同一のプロセス仕様からなるモニタ用トランジスタを含み、第1トランジスタと同様にモニタ用トランジスタにも発生したプロセス変動に伴う電気的特性の変化を検出し、この検出信号に基づいてバイアス電圧を補正する。
このような構成を用いると、プリチャージ回路によって固定される出力電力(プリチャージレベル)のばらつきを低減することが可能になり、これに伴い、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能となる。すなわち、第1トランジスタのゲインをバイアス電圧によって制御する構成(電圧制御型の構成)を用いることで、そのパワー制御スロープを小さくし、加えて電圧制御型のデメリットとなるしきい値電圧変動に伴う影響を補正回路で補償することで、前述した効果が得られる。
また、本実施の形態による高周波電力増幅用電子部品は、従属接続された複数段の増幅部を備え、最終段の増幅部に前述したような電圧制御型の構成および補正回路を適用し、初段の増幅部に電流制御型の構成を適用したものとなっている。電流制御型の構成では、増幅用トランジスタに、これとカレントミラー回路を構成する制御用トランジスタが接続され、この制御用トランジスタの電流を制御することで増幅用トランジスタのバイアス電流が制御される。このように、少なくとも初段の増幅部に電流制御型の構成を適用し、最終段の増幅部にしきい値電圧補正が行われた電圧制御型の構成を適用することで、前述したような効果に加えて、更に、低レベル〜高レベルの全パワー領域において、安定したパワー特性(すなわち出力レベル指示信号(Vramp)に対して高精度なパワー調整)が実現可能になる。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、プリチャージレベルの安定化が図れ、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能になる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による高周波電力増幅用電子部品において、その主要部の構成例を示す回路図である。図1に示す高周波電力増幅用電子部品は、1段分の増幅用NMOSトランジスタQ5と、バイアス制御電圧Vapcに基づいてQ5のバイアス電圧を制御するアンプ回路AMP1および抵抗R1〜R6,R8を備え、加えて、しきい値電圧補正回路VTHCPS1を備えていることが特徴となっている。
Vapcは、接地電源電圧GNDに向けて順に直列接続されたR1およびR2によって抵抗分割され、その分割された電圧がAMP1の(+)入力に印加される。AMP1の出力は、GNDに向けて順に直列接続されたR3およびR4によって抵抗分割され、その分割された電圧がAMP1の(−)入力に帰還される。また、AMP1の出力は、GNDに向けて順に直列接続されたR8、R5およびR6によって抵抗分割され、R5とR6の接続ノードからのバイアス電圧VgがQ5のゲートに印加される。Q5のゲートには、高周波入力信号RFinが入力され、その増幅信号となる高周波出力信号PoutがQ5のドレインから出力される。
VTHCPS1は、NMOSトランジスタQ16,Q17と、抵抗R7と、定電圧回路Vbr(例えば1.2V)によって構成される。Q16およびQ17は、ゲートが共通に接続され、ソースがGNDに接続され、Q16のゲートとドレインが共通接続されることでカレントミラー回路を構成する。R7は、一端がQ16のドレインに接続され、他端がVbrに接続される。ここで、Q16は、Q5と同一プロセス仕様(トランジスタサイズは問わない)のトランジスタとなっており、Q16およびQ5は、特に限定はされないが、例えばLDMOS(Laterally Diffused MOS)トランジスタである。Vbrは、温度ばらつきや製造ばらつき等に伴う電圧変動が生じ難い回路であり、代表的にはバンドギャップ回路等である。
このような構成を用いると、例えば、Q5のしきい値電圧Vthが製造ばらつきによってΔVth低下した場合、Q16のしきい値電圧もΔVth低下する。そうすると、Q16のソース・ドレイン間に流れる電流が増加し、それがQ17に転写されて、R8に流れる電流が増加する。その結果、R8とR5の接続ノードの電圧が低下すると共にVgも低下するため、Q5のΔVthを補償することが可能になる。Q5のVthがΔVth上昇した場合も、その逆の動作によってΔVthを補償できる。
より詳細には、Vgは、Q16のゲート・ソース間電圧をVGSとし、R2/R1=R4/R3に設定すると、式(1)によって与えられる。
Figure 0005200853
式(1)より、Q5およびQ16のしきい値電圧の変動に伴ってVGSが変動し、Vgに補正電圧が加わることが判る。ここで、その変動分の絶対値成分を高精度に反映させるためには、式(1)の第3項が式(2)に示す条件となるようにR5〜R8の値を設定することが望ましい。
Figure 0005200853
また、式(1)の第3項は、VGSに対してR5〜R8を含む分数を乗算する項となっている。したがって、仮に、R5〜R8のそれぞれが製造ばらつきに伴いΔR(%)ばらついた場合(例えばR5がR5・(1+ΔR)となる)、第3項の分数は、その分子と分母に(1+ΔR)が生じて打ち消されるため、抵抗の製造ばらつきの影響も低減することが可能となる。一方、例えば、特許文献1の構成例を用いた場合は、抵抗のばらつきΔR(%)がそのまま補正電圧のばらつきに影響することになる。
以上、図1に示したように、増幅用トランジスタのゲートに抵抗分割を介してバイアス電圧を印加する電圧制御型の構成を用い、加えてしきい値電圧補正回路VTHCPS1を備えることで、増幅用トランジスタのしきい値電圧Vthの製造ばらつきに伴うプリチャージレベルの変動を低減することが可能となる。すなわち、前述した図14(b)を参照して、パワー制御スロープを小さくできると共に、そのVthばらつきを小さくできるため、Ppre_H〜Ppre_Lの幅を狭くすることができる。これにより、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能となる。また、図1のしきい値電圧補正回路VTHCPS1は、しきい値電圧のばらつきを検出して、それに基づく定常電流(静的な電流)を、R8とR5の接続ノードに並列に流し込むような構成となっているため、通常の高周波信号の増幅動作に対して、ノイズ等の悪影響を及ぼすことはなく、更に、ゲイン制御の応答時間に遅延を生じさせるようなこともない。仮に、補正回路が、ゲイン制御を行う際の信号経路に直列に挿入されるような構成の場合には、応答時間が遅延する恐れがある。
図2は、本発明の実施の形態1による高周波電力増幅用電子部品において、図1の構成例を適用した全体構成例を示す回路図である。図2に示す高周波電力増幅用電子部品は、1.8GHz帯を用いるDCS(Digital Cellular System)方式の高周波入力信号DCS_INを増幅して、高周波出力信号DCS_OUTを生成する第1パワーアンプ回路部と、900MHz帯を用いるGSM方式の高周波入力信号GSM_INを増幅して、高周波出力信号GSM_OUTを生成する第2パワーアンプ回路部とを備えたマルチバンド対応の電子部品となっている。この電子部品は、更に、出力レベル指示信号Vrampに応じて、第1パワーアンプ回路部または第2パワーアンプ回路部のゲインをループ制御する自動パワー制御回路部(APC回路部)を備えている。
高周波入力信号(高周波入力端子)DCS_INは、順に従属接続された3段構成の増幅部1stPA(DCS)〜3rdPA(DCS)を介して高周波出力信号(高周波出力端子)DCS_OUTに結合される。1stPA(DCS)および2ndPA(DCS)では、カレントミラー回路を含む電流制御型の構成によってゲイン制御が行われ、3rdPA(DCS)では、図1に示したようなしきい値電圧の補償を含む電圧制御型の構成によってゲイン制御が行われる。1stPA(DCS)は、増幅用NMOSトランジスタQ2aと、ゲートがQ2aのゲートと抵抗R12aを介して接続され、ゲートとドレインが共通接続されたバイアス用のNMOSトランジスタQ1aによって構成される。Q1aには、電流生成回路CGENより所定の電流が供給され、これに応じてQ2aのバイアス電流が設定される。Q2aのゲートにはDCS_INが直流カット用の容量C1を介して入力され、Q2aは、伝送線路MSL1を負荷として増幅動作を行い、ドレインより出力を行う。R12aは、Q1aのゲートに向けた高周波信号を減衰させるために設けられる。
2ndPA(DCS)は、増幅用のNMOSトランジスタQ4aと、ゲートがQ4aのゲートと抵抗R13aを介して接続され、ゲートとドレインが共通接続されたバイアス用のNMOSトランジスタQ3aによって構成される。Q3aには、CGENより所定の電流が供給され、これに応じてQ4aのバイアス電流が設定される。Q4aのゲートには1stPA(DCS)からの出力信号が直流カット用の容量C2を介して入力され、Q4aは、伝送線路MSL2を負荷として増幅動作を行い、ドレインより出力を行う。R13aは、Q3aのゲートに向けた高周波信号を減衰させるために設けられる。
3rdPA(DCS)は、図1と同様に、増幅用のNMOSトランジスタQ5aと、アンプ回路AMP1aと、抵抗R3a〜R6a,R8aによって構成され、R5aとR8aの接続ノードには、しきい値電圧補正回路VTHCPS1が接続されている。AMP1aの(+)入力には、図1と同様に、バイアス制御電圧Vapcを抵抗R1,R2によって抵抗分割した電圧が印加される。Q5aのゲートには2ndPA(DCS)からの出力信号が直流カット用の容量C3を介して入力され、Q5aは、伝送線路MSL3を負荷として増幅動作を行い、ドレインより出力を行う。また、Q5aのドレイン出力は、例えば主線路、副線路および副線路の一端に接続された抵抗R21によって構成されるカプラCPL1の主線路と、直流カット用の容量C4を介してDCS_OUTに結合される。
CPL1の副線路には、Q5aのドレインの出力電力に応じた電力が誘起され、この電力が直流カット用のコンデンサC5を介して電力検出回路PDETに入力される。PDETは、この入力電力の大きさに応じた検出電圧信号Vdetを生成し、エラーアンプブロックEA_BLKに出力する。EA_BLKは、ベースバンド回路(図示せず)からの出力レベル指示信号VrampとこのVdetとを比較し、その結果に応じてバイアス制御電圧Vapcを生成する。電流生成回路CGENには、このVapcをR1およびR2によって抵抗分割した電圧が入力され、CGENは、Vapcの大きさに応じた電流を生成し、その電流を前述した1stPA(DCS)および2ndPA(DCS)のQ1aおよびQ3aに供給する。
CGENは、更に、Vapcの大きさに応じた電流を生成し、それをプリチャージブロックPRE_BLKにも出力する。PRE_BLKは、CGENからの電流を抵抗R22によって電圧に変換し、この電圧とバンドギャップ回路BGRからの参照電圧とをアンプ回路AMP2によって比較する。AMP2は、その比較結果に応じて、プリチャージ用トランジスタQpeを駆動し、Qpeを介してVapcを制御する。なお、このCGENとPRE_BLKは、前述した図13におけるプリチャージループPRE_LPを構成し、カプラCPL1と電力検出回路PDETとエラーアンプブロックEA_BLKは、図13における電力制御ループPWC_LPを構成する。このPRE_LPやPWC_LPのより詳細な構成例は、例えば、前述した特許文献2に記載されている。
また、高周波入力信号(高周波入力端子)GSM_INは、順に従属接続された3段構成の増幅部1stPA(GSM)〜3rdPA(GSM)を介して高周波出力信号(高周波出力端子)GSM_OUTに結合される。1stPA(GSM)および2ndPA(GSM)では、カレントミラー回路を含む電流制御型の構成によってゲイン制御が行われ、3rdPA(GSM)では、図1に示したようなしきい値電圧の補償を含む電圧制御型の構成によってゲイン制御が行われる。これらの回路の詳細に関しては、前述したDCS方式用の各回路と同様であるため詳細な説明は省略し、主にDCS方式とGSM方式の切り換え部分に着目して以下に説明を行う。
前述した電力制御ループPWC_LPやプリチャージループPRE_LPは、DCS方式とGSM方式で共通に用いられる。ここで、電力検出回路PDETや電流生成回路CGENは、DCS方式かGSM方式かを選択する際にベースバンド回路(図示せず)から出力されるバンド選択信号Vbandに応じて、自身の動作を切り換えることができる。PDETは、DCS方式が選択された場合、前述したカプラCPL1からの入力電力を検出し、GSM方式が選択された場合、3rdPA(GSM)の出力に接続されたカプラCPL2からの入力電力を検出する。CGENは、DCS方式かGSM方式かに応じて、1stPA(DCS)および2ndPA(DCS)に電流を供給するか、1stPA(GSM)および2ndPA(GSM)に電流を供給するかを選択する。
しきい値電圧補正回路VTHCPS1は、図1におけるしきい値電圧モニタ用のNMOSトランジスタQ16のゲートに、2個の電流転写用のNMOSトランジスタQ17a,Q17bが接続されたような構成となっている。3rdPA(DCS)内の増幅用NMOSトランジスタQ5aのしきい値電圧変動は、Q17aのドレイン電流によって補償され、3rdPA(GSM)内の増幅用NMOSトランジスタQ5bのしきい値電圧変動は、Q17bのドレイン電流によって補償される。なお、この場合、3rdPA(DCS)内のQ5aと3rdPA(GSM)内のQ5bは、Q16と共に同一プロセス仕様とし、Q16は、このQ5aとQ5bのしきい値電圧変動を共通で検出することになる。
以上、図2に示したように、最終段以外の増幅段(ここでは1stPA,2ndPA)に電流制御型の構成を用い、最終段(ここでは3rdPA)に電圧制御型の構成を用いると共にそのしきい値電圧の補正を行うことで、プリチャージレベルを含めて低パワー領域から高パワー領域に渡って安定した出力電力を生成可能になる。
すなわち、APC回路によるループ制御(図13の電力制御ループPWC_LP)が機能している限り、パワー安定性(出力レベル指示信号Vrampに対する精度等)の面からは、電流制御型の構成の方が電圧制御型の構成よりも優れている。したがって、本来、全段に電流制御型の構成を用いることが望ましいが、そうすると、プリチャージレベルのようにAPC回路によるループ制御が機能しない領域(つまりカプラによる電力検出が困難な領域)において、図14(a)に示したように電流制御型のパワー制御スロープの大きさが影響し、安定したプリチャージレベルが得られなくなる。そこで、最終段に電圧制御型の構成を適用することでパワー制御スロープを小さくし、なおかつ、電圧制御型のデメリットとなるしきい値電圧変動の影響を補償することで、プリチャージレベルの安定化が図れる。
ただし、電圧制御型の構成を用いると、プリチャージレベルの安定性は確保できるが、デメリットとしてパワー安定性が低下する可能性が懸念される。これに関しては、最終段のみに電圧制御型の構成を用いているため、さほど問題とはならない。すなわち、通常、低パワー領域や中パワー領域でのパワー安定性は1段目および2段目が主に影響を及ぼし、高パワー領域でのパワー安定性は3段目が主に影響を及ぼすことになる。これらのパワー領域の中でも特に高パワー領域では、APC回路によるループ制御が十分に機能するためパワー安定性の問題が殆ど生じない。したがって、この高パワー領域に影響を及ぼす最終段のみに電圧制御型を適用することで、結果的に低パワー領域から高パワー領域に渡ってパワー安定性が得られ、なおかつ、しきい値電圧変動の補償によってプリチャージレベルの安定性も得られることになる。
図3(a)は、図2の高周波電力増幅用電子部品の特性の一例を示すものであり、図3(b)は、その比較対象として図2からしきい値電圧補正回路VTHCPS1を省いた場合の特性の一例を示すものである。図3(a),(b)のそれぞれにおいて、左側には出力レベル指示信号Vrampに対する出力電力Poutの特性が示され、右側には、出力電力Poutに対するパワーバリエーション(すなわち環境変動(電源電圧、入力電力、温度、周波数)に対して出力電力がどの程度変動するか)が示されている。また、ここでは、図2におけるGSM方式の回路部を用いた検証結果を示している。
図3(a)に示すように、図2の構成例を用いることで、しきい値電圧の変動(ここでは±0.15V)に関わらず安定したプリチャージレベルを生成できることが判る。ここでは、プリチャージレベルの目標範囲を−35dBm〜−5dBmとし、この目標範囲に対して十分にマージンを確保できている。さらに、図3(a)に示すように、図2の構成例を用いることで、しきい値電圧の変動(ここでは±0.15V)に関わらず良好なパワーバリエーション特性も得られることが判る。このパワーバリエーションの許容範囲は、例えばGSM規格等に定められており、この許容範囲を反映した目標範囲に対して十分にマージンを確保できている。一方、図3(b)に示すように、しきい値電圧補正回路VTHCPS1を省いた場合には、プリチャージレベルおよびパワーバリエーション共にばらつきが大きくなり、目標範囲を満たせないか或いは目標範囲に対してマージンが大きく低下している。
図4は、本発明の実施の形態1による高周波電力増幅用電子部品において、それを含んだ無線通信システムの全体構成例を示すブロックである。図4に示す無線通信システムは、例えば、携帯電話機であり、ベースバンド処理部BB_BLK、高周波処理部RF_BLK、アンテナANT、スピーカーSPKおよびマイクMICなどを備えている。RF_BLKには、RFパワーアンプモジュールPA_MDと呼ばれる電子部品が含まれ、ここに本実施の形態による高周波電力増幅用電子部品が適用される。
PA_MDは、例えば、パワーアンプチップPA_CP、カプラCPL、ロウパスフィルタLPF、およびアンテナスイッチANT_SWなどが1つの配線基板上に搭載された構成となっている。PA_CPは、1つの半導体チップによって実現され、例えば図2に示したような、マルチバンド対応のパワーアンプ回路HPAや自動パワー制御回路APCが形成されたものとなっている。カプラCPLは、図2のCPL1,CPL2に該当し、例えばLPFと共に配線基板上の伝送線路を利用して形成される。ANT_SWは、例えば、1つの半導体チップによって実現される。
図4において、アンテナANTが受信した受信信号Rxは、ANT_SWにて周波数帯域毎に分波された後、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタを介して高周波信号処理チップRF_CPに入力される。RF_CPは、この入力信号をロウノイズアンプ(LNA)を用いて増幅し、ミキサ回路等を用いてダウンコンバートや復調を行った信号をBB_BLKに出力する。BB_BLKは、この信号を処理し、例えば、スピーカーSPKを介して音声を出力する。
一方、マイクMICから入力された音声信号は、BB_BLKによる信号処理を経てRF_CPに出力される。RF_CPは、ミキサ回路等を用いてこの信号のアップコンバートや変調を行い、PA_CPに出力を行う。PA_CPは、送信に必要な電力増幅を行う。この際、自動パワー制御回路APCは、カプラCPL等で検出したPA_CPの送信信号をRF検波した後、基地局情報に従ってBB_BLKにて生成された出力レベル指示信号Vrampと比較し、その誤差信号をHPAに反映させてパワーコントロールを行う。所定のレベルに達した信号は、LPFにて不要な高調波成分が除去された後、ANT_SWを介してANTに伝送され、送信信号Txとして送信される。
以上、本実施の形態1による高周波電力増幅用電子部品を用いることで、代表的には、プリチャージレベルの安定化が図れ、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能になる。なお、図2では、3段構成を例とする複数段の増幅部からなる構成例を示したが、必ずしも複数段に限らず、場合によっては電圧制御型の1段構成の増幅部にも適用可能である。ただし、1段構成ではパワーレンジが限られるため、現実的には複数段を用いる方が望ましい。複数段を用いる場合は、必ずしも3段構成に限らず、それ以上でも以下でもよい。ただし、この場合、図2の説明から判るように、少なくとも初段に電流制御型を適用し、最終段に電圧制御型を適用すると共にしきい値電圧補正回路を加えることが望ましい。また、図2では、GSM方式とDCS方式からなるマルチバンド対応の構成例を示したが、勿論、シングルバンド対応であっても、トリプルバンド対応等であってもよい。また、通信方式もGSM方式やDCS方式に限らず、例えばW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式などであってもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、実施の形態1で示したしきい値電圧補正回路の変形例について説明する。図5は、本発明の実施の形態2による高周波電力増幅用電子部品において、その主要部の構成例を示す回路図である。図5に示す高周波電力増幅用電子部品は、1段分の増幅用NMOSトランジスタQ5と、バイアス制御電圧Vapcに基づいてQ5のバイアス電圧を制御するアンプ回路AMP1および抵抗R1〜R6,R8を備え、加えて、しきい値電圧補正回路VTHCPS2を備えていることが特徴となっている。
Vapcは、接地電源電圧GNDに向けて順に直列接続されたR1およびR2によって抵抗分割され、その分割された電圧がAMP1の(+)入力に印加される。AMP1の出力は、GNDに向けて順に直列接続されたR3、R4およびR8によって抵抗分割され、R3とR4の接続ノードがAMP1の(−)入力に帰還される。また、AMP1の出力は、GNDに向けて順に直列接続されたR5およびR6によって抵抗分割され、R5とR6の接続ノードからのバイアス電圧VgがQ5のゲートに印加される。Q5のゲートには、高周波入力信号RFinが入力され、その増幅信号となる高周波出力信号PoutがQ5のドレインから出力される。
VTHCPS2は、NMOSトランジスタQ16,Q17と、PMOSトランジスタQ12,Q14と、抵抗R7と、定電圧回路Vbr,VREGによって構成される。Q16とQ17は、ゲートが共通に接続され、ソースがGNDに接続され、Q16のゲートとドレインが共通接続されることでカレントミラー回路を構成する。R7は、一端がQ16のドレインに接続され、他端が定電圧回路Vbrに接続される。Q12とQ14は、ゲートが共通に接続され、ソースが定電圧回路VREGに接続され、Q12のゲートとドレインが共通接続されることでカレントミラー回路を構成する。Q12のドレインは、Q17のドレインに接続され、Q14のドレインは、R4とR8の接続ノードに接続される。
ここで、Q16は、Q5と同一プロセス仕様(トランジスタサイズは問わない)のトランジスタとなっており、Q16およびQ5は、特に限定はされないが、例えばLDMOSトランジスタである。VbrやVREGは、温度ばらつきや製造ばらつき等に伴う電圧変動が生じ難い回路であり、代表的にはバンドギャップ回路や、これを利用して電圧生成を行う電源レギュレータ回路である。ここで、定電圧回路の発生電圧は、Vbr<VREGであり、特に限定はされないが、例えばVbr=1.2V、VREG=2.75Vなどである。なお、VREGは、例えば、外部に設けた安定化電源等であってもよい。
このような構成を用いると、例えば、Q5のしきい値電圧Vthが製造ばらつきによってΔVth低下した場合、Q16のしきい値電圧もΔVth低下する。そうすると、Q16のソース・ドレイン間に流れる電流が増加し、それがQ17、Q12およびQ14に転写されて、R8に流れる電流が増加する。そうすると、R8とR4の接続ノードの電圧が上昇するが、R3とR4の接続ノードの電圧は固定であるためR4に流れる電流が減少し、AMP1の出力電圧が低下する。その結果、Vgも低下するため、Q5のΔVthを補償することが可能になる。Q5のVthがΔVth上昇した場合も、その逆の動作によってΔVthを補償できる。
より詳細には、Vgは、Q16のゲート・ソース間電圧をVGSとし、R2/R1=(R4+R8)/R3に設定すると、式(3)によって与えられる。
Figure 0005200853
式(3)より、Q5およびQ16のしきい値電圧の変動に伴ってVGSが変動し、Vgに補正電圧が加わることが判る。ここで、その変動分の絶対値を高精度に反映させるためには、式(3)の第3項が式(4)に示す条件となるようにR3〜R8の値を設定することが望ましい。
Figure 0005200853
また、式(3)の第3項は、VGSに対してR3〜R8を含む分数を乗算する項となっている。したがって、仮に、R3〜R8のそれぞれが製造ばらつきに伴いΔR(%)ばらついた場合(例えばR3がR3・(1+ΔR)となる)、第3項の分数は、その分子と分母に(1+ΔR)が生じて打ち消されるため、抵抗の製造ばらつきの影響も低減することが可能となる。一方、例えば、特許文献1の構成例を用いた場合は、抵抗のばらつきΔR(%)がそのまま補正電圧のばらつきに影響することになる。
以上、図5に示したように、増幅用トランジスタのゲートに抵抗分割を介してバイアス電圧を印加する電圧制御型の構成を用い、加えてしきい値電圧補正回路VTHCPS2を備えることで、図1の場合と同様に、プリチャージレベルの変動を低減でき、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能となる。また、図1の場合と同様に、通常の高周波増幅動作に対してノイズや応答遅延といった悪影響を及ぼすことはない。さらに、図5のしきい値電圧補正回路VTHCPS2は、図1のしきい値電圧補正回路VTHCPS1と比較して、回路の素子数は増加するが、その接続先がR4とR8の接続ノードであるため、高周波入力信号RFinの影響を受け難い構成となっている。したがって、RFinの振幅が大きくなる例えば中・高パワー領域において、安定したしきい値電圧の補正が実現可能となる。なお、中・高パワー領域では、しきい値電圧の影響はAPC回路の制御によってある程度低減されるが、図5の構成例を用いることで、この影響をより低減できる。
図6は、本発明の実施の形態2による高周波電力増幅用電子部品において、図5の構成例を適用した全体構成例を示す回路図である。図6に示す高周波電力増幅用電子部品は、図2の構成例と同様に、DCS方式用の第1パワーアンプ回路部と、GSM方式用の第2パワーアンプ回路部と、出力レベル指示信号Vrampに応じて、第1パワーアンプ回路部または第2パワーアンプ回路部のゲインをループ制御する自動パワー制御回路部(APC回路部)を備えている。図2の構成例との違いは、第1パワーアンプ回路部および第2パワーアンプ回路部における3段目の増幅部3rdPA(DCS),3rdPA(GSM)に図5の構成例を適用し、これに伴い、図5のしきい値電圧補正回路VTHCPS2を適用したことである。これ以外の構成に関しては、図2と同様であるため詳細な説明は省略する。
3rdPA(DCS)は、図5と同様に、増幅用のNMOSトランジスタQ5aと、アンプ回路AMP1aと、抵抗R3a〜R6a,R8aによって構成され、R4aとR8aの接続ノードには、しきい値電圧補正回路VTHCPS2が接続されている。AMP1aの(+)入力には、図5と同様に、バイアス制御電圧Vapcを抵抗R1,R2によって抵抗分割した電圧が印加される。Q5aのゲートには2ndPA(DCS)からの出力信号が直流カット用の容量C3を介して入力され、Q5aは、伝送線路MSL3を負荷として増幅動作を行い、ドレインより出力を行う。なお、3rdPA(GSM)も、この3rdPA(DCS)と同様の構成となっている。
また、しきい値電圧補正回路VTHCPS2は、図5に示したPMOSトランジスタQ12のゲートに、2個の電流転写用のPMOSトランジスタQ14a,Q14bが接続されたような構成となっている。3rdPA(DCS)内の増幅用NMOSトランジスタQ5aのしきい値電圧変動は、Q14aのドレイン電流によって補償され、3rdPA(GSM)内の増幅用NMOSトランジスタQ5bのしきい値電圧変動は、Q14bのドレイン電流によって補償される。また、ここでは、バンドギャップ回路BGR内にバンドギャップ電圧を利用して所定の電圧を生成する電源レギュレータ回路も含まれるものとし、図5の定電圧回路Vbr,VREGは、このBGRによって実現される構成となっている。
以上、本実施の形態2による高周波電力増幅用電子部品を用いることで、前述した実施の形態1と同様の効果が得られ、代表的には、プリチャージレベルの安定化が図れ、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能になる。また、実施の形態1の場合と比較し、例えば、中・高パワー領域において、より高精度なしきい値電圧の補正が実現可能になる。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、実施の形態2で示したしきい値電圧補正回路の変形例について説明する。図7は、本発明の実施の形態3による高周波電力増幅用電子部品において、その主要部の構成例を示す回路図である。図7に示す高周波電力増幅用電子部品は、1段分の増幅用NMOSトランジスタQ5と、バイアス制御電圧Vapcに基づいてQ5のバイアス電圧を制御するアンプ回路AMP1および抵抗R1〜R6,R8を備え、加えて、しきい値電圧補正回路VTHCPS3を備えていることが特徴となっている。
Vapcは、接地電源電圧GNDに向けて順に直列接続されたR1およびR2によって抵抗分割され、その分割された電圧がAMP1の(+)入力に印加される。AMP1の出力は、GNDに向けて順に直列接続されたR3、R4およびR8によって抵抗分割され、R3とR4の接続ノードがAMP1の(−)入力に帰還される。また、AMP1の出力は、GNDに向けて順に直列接続されたR5およびR6によって抵抗分割され、R5とR6の接続ノードからのバイアス電圧VgがQ5のゲートに印加される。Q5のゲートには、高周波入力信号RFinが入力され、その増幅信号となる高周波出力信号PoutがQ5のドレインから出力される。
VTHCPS3は、NMOSトランジスタQ16,Q17と、PMOSトランジスタQ12,Q14と、抵抗R7,R29,R30と、定電圧回路VREG(例えば2.75Vなど)によって構成される。Q16とQ17は、ゲートが共通に接続され、ソースがGNDに接続される。Q16のドレインは、GNDに向けて順に直列接続されたR30およびR29によって抵抗分割され、R30とR29の接続ノードがQ16のゲートに接続される。R7は、一端がQ16のドレインに接続され、他端が定電圧回路VREGに接続される。Q12とQ14は、ゲートが共通接続され、ソースがVREGに接続され、Q12のゲートとドレインが共通接続されることでカレントミラー回路を構成する。Q12のドレインは、Q17のドレインに接続され、Q14のドレインは、R4とR8の接続ノードに接続される。
ここで、Q16は、Q5と同一プロセス仕様(トランジスタサイズは問わない)のトランジスタとなっており、Q16およびQ5は、特に限定はされないが、例えばLDMOSトランジスタである。VREGは、温度ばらつきや製造ばらつき等に伴う電圧変動が生じ難い回路であり、代表的にはバンドギャップ回路や、これを利用して電圧生成を行う電源レギュレータ回路である。また、VREGは、例えば、外部に設けた安定化電源等であってもよい。
この図7の構成例は、前述した図5の構成例と比較して、R7の他端がVREGに接続されたことと、R29およびR30が備わったことが異なっている。このように、1つの電源(VREG)によって構成することで、より回路構成が簡素化される。さらに、R29およびR30を備えることで、しきい値電圧の変動成分に対して、幅広い範囲で重み付けを行って補正を行うことが可能となる。すなわち、Vgは、Q16のゲート・ソース間電圧をVGSとし、R2/R1=(R4+R8)/R3に設定すると、式(5)によって与えられる。
Figure 0005200853
式(5)より、Q5およびQ16のしきい値電圧の変動に伴ってVGSが変動し、Vgに補正電圧が加わることが判る。ここで、その変動分の絶対値を高精度に反映させるためには、式(5)の第3項が式(6)に示す条件となるようにR3〜R8およびR29,R30の値を設定することが望ましい。
Figure 0005200853
すなわち、前述した図5の構成例の場合、現実的には、式(4)の左辺が取りうる範囲はある程度限られており、必ずしも式(4)を満たす解が得られるとは限らない。そこで、R29およびR30を追加することで、式(6)の左辺が取りうる範囲が広がるため、式(6)を満たす解(またはより近い解)が得られ易くなり、より高精度なしきい値電圧の補正が実現可能になる。
また、式(5)の第3項は、VGSに対してR3〜R8,R29,R30を含む分数を乗算する項となっている。したがって、仮に、R3〜R8,R29,R30のそれぞれが製造ばらつきに伴いΔR(%)ばらついた場合(例えばR3がR3・(1+ΔR)となる)、第3項の分数は、その分子と分母に(1+ΔR)が生じて打ち消されるため、抵抗の製造ばらつきの影響も低減することが可能となる。一方、例えば、特許文献1の構成例を用いた場合は、抵抗のばらつきΔR(%)がそのまま補正電圧のばらつきに影響することになる。
以上、図7に示したように、増幅用トランジスタのゲートに抵抗分割を介してバイアス電圧を印加する電圧制御型の構成を用い、加えてしきい値電圧補正回路VTHCPS3を備えることで、図1の場合と同様に、プリチャージレベルの変動を低減でき、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能となる。また、図1の場合と同様に、通常の高周波増幅動作に対してノイズや応答遅延といった悪影響を及ぼすことはない。さらに、図7のしきい値電圧補正回路VTHCPS3は、図5の場合と同様に、その接続先がR4とR8の接続ノードであるため、例えば中・高パワー領域において、安定したしきい値電圧の補正が実現可能となる。加えて、図5の場合と比較して、しきい値電圧変動に対する重み付けの調整幅が広がるため、より高精度な補正が実現可能になる。
図8は、本発明の実施の形態3による高周波電力増幅用電子部品において、図7の構成例を適用した全体構成例を示す回路図である。図8に示す高周波電力増幅用電子部品は、図6の構成例と同様に、DCS方式用の第1パワーアンプ回路部と、GSM方式用の第2パワーアンプ回路部と、出力レベル指示信号Vrampに応じて、第1パワーアンプ回路部または第2パワーアンプ回路部のゲインをループ制御する自動パワー制御回路部(APC回路部)を備えている。図6の構成例との違いは、第1パワーアンプ回路部および第2パワーアンプ回路部における3段目の増幅部3rdPA(DCS),3rdPA(GSM)に図7の構成例を適用し、これに伴い、図7のしきい値電圧補正回路VTHCPS3を適用したことである。すなわち、図8の構成例は、図6の構成例と比較して、しきい値電圧補正回路VTHCPS3内の構成のみが異なる。それ以外の構成に関しては、図6と同様であるため詳細な説明は省略する。
しきい値電圧補正回路VTHCPS3は、図7に示したPMOSトランジスタQ12のゲートに、2個の電流転写用のPMOSトランジスタQ14a,Q14bが接続されたような構成となっている。3rdPA(DCS)内の増幅用NMOSトランジスタQ5aのしきい値電圧変動は、Q14aのドレイン電流によって補償され、3rdPA(GSM)内の増幅用NMOSトランジスタQ5bのしきい値電圧変動は、Q14bのドレイン電流によって補償される。更に、Q16のドレインとGNDの間には、図7に示したように、抵抗R30,R29が接続されている。また、ここでは、バンドギャップ回路BGR内にバンドギャップ電圧(例えば1.2V等)を利用して所定の電圧(例えば2.75V等)を生成する電源レギュレータ回路も含まれるものとし、図7の定電圧回路VREGは、このBGRによって実現される構成となっている。
図9(a)は、図8の高周波電力増幅用電子部品の特性の一例を示すものであり、図9(b)は、その比較対象として図8からしきい値電圧補正回路VTHCPS3を省いた場合の特性の一例を示すものである。図9(a),(b)のそれぞれにおいて、左側にはバイス制御電圧Vapcに対する出力電流Id3の特性が示され、右側には、Vapcに対する出力電力の特性が示されている。また、ここでは、図8におけるGSM方式の回路部を用いた検証結果を示している。
図9(a)の左側に示すように、図8の構成例を用いることで、しきい値電圧の変動(ここでは±0.15V)に関わらず、Vapcがある一定の値からId3が流れ始めていることが判る。一方、図9(b)の左側においては、しきい値電圧の変動に応じて、Id3が流れ始めるVapcの値にばらつきが生じている。また、図9(a)の右側に示すように、図8の構成例を用いることで、しきい値電圧の変動(ここでは±0.15V)に関わらず、Vapcが低い領域での出力電力(すなわちプリチャージレベル)がほぼ一定となっていることが判る。一方、図9(b)の右側においては、しきい値電圧の変動に応じて、プリチャージレベルにばらつきが生じている。
以上、本実施の形態3による高周波電力増幅用電子部品を用いることで、前述した実施の形態1と同様の効果が得られ、代表的には、プリチャージレベルの安定化が図れ、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能になる。また、実施の形態2の場合と同様に、例えば、中・高パワー領域において、より高精度なしきい値電圧の補正が実現可能になる。さらに、実施の形態2の場合以上に高精度なしきい値電圧の補正が実現可能になる。
(実施の形態4)
本実施の形態4では、図1に示した構成例を複数段の増幅部の全てに適用した場合の構成例について説明する。図10は、本発明の実施の形態4による高周波電力増幅用電子部品において、その構成例を示す回路図である。図10に示す高周波電力増幅用電子部品は、図2の構成例と同様に、DCS方式用の第1パワーアンプ回路部と、GSM方式用の第2パワーアンプ回路部と、出力レベル指示信号Vrampに応じて、第1パワーアンプ回路部または第2パワーアンプ回路部のゲインをループ制御する自動パワー制御回路部(APC回路部)を備えている。
図10の構成例と図2の構成例との違いは、第1パワーアンプ回路部および第2パワーアンプ回路部における1段目〜3段目の増幅部1stPA(DCS)〜3rdPA(DCS),1stPA(GSM)〜3rdPA(GSM)に図1の構成例を適用し、図1のVTHCPS1を拡張したしきい値電圧補正回路VTHCPS1aを設けたことにある。更に、バンド選択信号Vbandに応じて選択動作を行うスイッチSW1,SW2を設けたことにある。これ以外の構成に関しては、図2と同様であるため詳細な説明は省略する。
1stPA(DCS)は、図1と同様に、増幅用のNMOSトランジスタQ5e、アンプ回路AMP1e、抵抗R3e〜R6e,R8eによって構成される。同様にして、2ndPA(DCS)は、増幅用のNMOSトランジスタQ5c、アンプ回路AMP1c、抵抗R3c〜R6c,R8cによって構成され、3rdPA(DCS)は、増幅用のNMOSトランジスタQ5a、アンプ回路AMP1a、抵抗R3a〜R6a,R8aによって構成される。高周波入力信号DCS_INは、容量C1を介してQ5eのゲートに入力され、Q5eのドレイン出力が、容量C2を介してQ5cのゲートに入力され、Q5cのドレイン出力が、容量C3を介してQ5aのゲートに入力され、Q5aのドレイン出力が、カプラCPL1および容量C4を介して高周波出力信号DCS_OUTに結合される。1stPA(GSM)〜3rdPA(GSM)も、これらと同様に構成され、高周波入力信号GSM_INを各段で増幅し、高周波出力信号GSM_OUTを生成する。
しきい値電圧補正回路VTHCPS1aは、第1パワーアンプ回路部内の増幅用NMOSトランジスタQ5a,Q5c,Q5eのしきい値電圧変動を検出するNMOSトランジスタQ16aと、第2パワーアンプ回路部内の増幅用NMOSトランジスタQ5b,Q5d,Q5fのしきい値電圧変動を検出するNMOSトランジスタQ16bを備えている。Q16aのゲートには、3個の電流転写用のNMOSトランジスタQ17a,Q17c,Q17eが接続され、Q5a,Q5c,Q5eのしきい値電圧変動は、それぞれ、Q17a,Q17c,Q17eのドレイン電流によって補償される。また、Q16bのゲートには、3個の電流転写用のNMOSトランジスタQ17b,Q17d,Q17fが接続され、Q5b,Q5d,Q5fのしきい値電圧変動は、それぞれ、Q17b,Q17d,Q17fのドレイン電流によって補償される。
なお、この場合、Q5a,Q5c,Q5eとQ16aが共に同一プロセス仕様とし、Q5b,Q5d,Q5fとQ16bが共に同一プロセス仕様とする。また、SW1は、Vbandに応じて、バンドギャップ回路BGRからの電圧をQ16aに接続された抵抗R7aに印加するか、Q16bに接続された抵抗R7bに印加するかを選択する。SW2は、Vbandに応じて、バイアス制御電圧Vapcを抵抗R1,R2で分圧した電圧をDCS側(AMP1a,AMP1c,AMP1e)に供給するか、GSM側(AMP1b,AMP1d,AMP1f)に供給するかを選択する。
以上、本実施の形態4による高周波電力増幅用電子部品を用いることで、前述した実施の形態1とほぼ同様の効果が得られ、代表的には、プリチャージレベルの安定化が図れ、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能になる。また、図2の構成例と比較すると、特に低・中パワー領域において、パワー安定性(出力レベル指示信号Vrampに対する精度等)が若干低下する恐れがあるが、全段が電圧制御型の構成であるため、各段のゲート容量の充放電時間を短縮でき、パワー制御の応答遅延時間が短縮可能になる。ただし、図2の構成例では、電流制御型の構成を、比較的トランジスタサイズが小さくなる1段目と2段目に適用しているので、実用上、応答遅延時間はさほど問題とはならない。
(実施の形態5)
本実施の形態5では、図5に示した構成例を複数段の増幅部の全てに適用した場合の構成例について説明する。図11は、本発明の実施の形態5による高周波電力増幅用電子部品において、その構成例を示す回路図である。図11に示す高周波電力増幅用電子部品は、図6の構成例と同様に、DCS方式用の第1パワーアンプ回路部と、GSM方式用の第2パワーアンプ回路部と、出力レベル指示信号Vrampに応じて、第1パワーアンプ回路部または第2パワーアンプ回路部のゲインをループ制御する自動パワー制御回路部(APC回路部)を備えている。
図11の構成例と図6の構成例との違いは、第1パワーアンプ回路部および第2パワーアンプ回路部における1段目〜3段目の増幅部1stPA(DCS)〜3rdPA(DCS),1stPA(GSM)〜3rdPA(GSM)に図5の構成例を適用し、図5のVTHCPS2を拡張したしきい値電圧補正回路VTHCPS2aを設けたことにある。更に、バンド選択信号Vbandに応じて選択動作を行うスイッチSW1,SW2を設けたことにある。これ以外の構成に関しては、図6と同様であるため詳細な説明は省略する。
1stPA(DCS)は、図5と同様に、増幅用のNMOSトランジスタQ5e、アンプ回路AMP1e、抵抗R3e〜R6e,R8eによって構成される。同様にして、2ndPA(DCS)は、増幅用のNMOSトランジスタQ5c、アンプ回路AMP1c、抵抗R3c〜R6c,R8cによって構成され、3rdPA(DCS)は、増幅用のNMOSトランジスタQ5a、アンプ回路AMP1a、抵抗R3a〜R6a,R8aによって構成される。高周波入力信号DCS_INは、容量C1を介してQ5eのゲートに入力され、Q5eのドレイン出力が、容量C2を介してQ5cのゲートに入力され、Q5cのドレイン出力が、容量C3を介してQ5aのゲートに入力され、Q5aのドレイン出力が、カプラCPL1および容量C4を介して高周波出力信号DCS_OUTに結合される。1stPA(GSM)〜3rdPA(GSM)も、これらと同様に構成され、高周波入力信号GSM_INを各段で増幅し、高周波出力信号GSM_OUTを生成する。
しきい値電圧補正回路VTHCPS2aは、第1パワーアンプ回路部内の増幅用NMOSトランジスタQ5a,Q5c,Q5eのしきい値電圧変動を検出するNMOSトランジスタQ16aと、第2パワーアンプ回路部内の増幅用NMOSトランジスタQ5b,Q5d,Q5fのしきい値電圧変動を検出するNMOSトランジスタQ16bを備えている。Q16aの電流は、NMOSトランジスタQ17aに転写され、この電流がPMOSトランジスタQ12aにも流れる。Q12aのゲートには、3個の電流転写用のPMOSトランジスタQ14a,Q14c,Q14eが接続され、Q5a,Q5c,Q5eのしきい値電圧変動は、それぞれ、Q14a,Q14c,Q14eのドレイン電流によって補償される。また、Q16bの電流は、NMOSトランジスタQ17bに転写され、この電流がPMOSトランジスタQ12bにも流れる。Q12bのゲートには、3個の電流転写用のPMOSトランジスタQ14b,Q14d,Q14fが接続され、Q5b,Q5d,Q5fのしきい値電圧変動は、それぞれ、Q14b,Q14d,Q14fのドレイン電流によって補償される。
なお、この場合、Q5a,Q5c,Q5eとQ16aが共に同一プロセス仕様とし、Q5b,Q5d,Q5fとQ16bが共に同一プロセス仕様とする。また、SW1は、Vbandに応じて、バンドギャップ回路BGRからの電圧をQ16aに接続された抵抗R7aに印加するか、Q16bに接続された抵抗R7bに印加するかを選択する。SW2は、Vbandに応じて、バイアス制御電圧Vapcを抵抗R1,R2で分圧した電圧をDCS側(AMP1a,AMP1c,AMP1e)に供給するか、GSM側(AMP1b,AMP1d,AMP1f)に供給するかを選択する。
以上、本実施の形態5による高周波電力増幅用電子部品を用いることで、前述した実施の形態2とほぼ同様の効果が得られ、代表的には、プリチャージレベルの安定化が図れ、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能になる。また、図6の構成例と比較すると、特に低・中パワー領域において、パワー安定性(出力レベル指示信号Vrampに対する精度等)が若干低下する恐れがあるが、全段が電圧制御型の構成であるため、各段のゲート容量の充放電時間を短縮でき、パワー制御の応答遅延時間が短縮可能になる。ただし、図6の構成例では、電流制御型の構成を、比較的トランジスタサイズが小さくなる1段目と2段目に適用しているので、実用上、応答遅延時間はさほど問題とはならない。
(実施の形態6)
本実施の形態6では、図7に示した構成例を複数段の増幅部の全てに適用した場合の構成例について説明する。図12は、本発明の実施の形態6による高周波電力増幅用電子部品において、その構成例を示す回路図である。図12に示す高周波電力増幅用電子部品は、図8の構成例と同様に、DCS方式用の第1パワーアンプ回路部と、GSM方式用の第2パワーアンプ回路部と、出力レベル指示信号Vrampに応じて、第1パワーアンプ回路部または第2パワーアンプ回路部のゲインをループ制御する自動パワー制御回路部(APC回路部)を備えている。
図12の構成例と図8の構成例との違いは、第1パワーアンプ回路部および第2パワーアンプ回路部における1段目〜3段目の増幅部1stPA(DCS)〜3rdPA(DCS),1stPA(GSM)〜3rdPA(GSM)に図7の構成例を適用し、図7のVTHCPS3を拡張したしきい値電圧補正回路VTHCPS3aを設けたことにある。更に、バンド選択信号Vbandに応じて選択動作を行うスイッチSW1,SW2を設けたことにある。これ以外の構成に関しては、図8と同様であるため詳細な説明は省略する。
1stPA(DCS)は、図7と同様に、増幅用のNMOSトランジスタQ5e、アンプ回路AMP1e、抵抗R3e〜R6e,R8eによって構成される。同様にして、2ndPA(DCS)は、増幅用のNMOSトランジスタQ5c、アンプ回路AMP1c、抵抗R3c〜R6c,R8cによって構成され、3rdPA(DCS)は、増幅用のNMOSトランジスタQ5a、アンプ回路AMP1a、抵抗R3a〜R6a,R8aによって構成される。高周波入力信号DCS_INは、容量C1を介してQ5eのゲートに入力され、Q5eのドレイン出力が、容量C2を介してQ5cのゲートに入力され、Q5cのドレイン出力が、容量C3を介してQ5aのゲートに入力され、Q5aのドレイン出力が、カプラCPL1および容量C4を介して高周波出力信号DCS_OUTに結合される。1stPA(GSM)〜3rdPA(GSM)も、これらと同様に構成され、高周波入力信号GSM_INを各段で増幅し、高周波出力信号GSM_OUTを生成する。
しきい値電圧補正回路VTHCPS3aは、第1パワーアンプ回路部内の増幅用NMOSトランジスタQ5a,Q5c,Q5eのしきい値電圧変動を検出するNMOSトランジスタQ16aと、第2パワーアンプ回路部内の増幅用NMOSトランジスタQ5b,Q5d,Q5fのしきい値電圧変動を検出するNMOSトランジスタQ16bを備えている。Q16aの電流は、NMOSトランジスタQ17aに転写され、この電流がPMOSトランジスタQ12aにも流れる。Q12aのゲートには、3個の電流転写用のPMOSトランジスタQ14a,Q14c,Q14eが接続され、Q5a,Q5c,Q5eのしきい値電圧変動は、それぞれ、Q14a,Q14c,Q14eのドレイン電流によって補償される。また、Q16bの電流は、NMOSトランジスタQ17bに転写され、この電流がPMOSトランジスタQ12bにも流れる。Q12bのゲートには、3個の電流転写用のPMOSトランジスタQ14b,Q14d,Q14fが接続され、Q5b,Q5d,Q5fのしきい値電圧変動は、それぞれ、Q14b,Q14d,Q14fのドレイン電流によって補償される。
なお、この場合、Q5a,Q5c,Q5eとQ16aが共に同一プロセス仕様とし、Q5b,Q5d,Q5fとQ16bが共に同一プロセス仕様とする。また、SW1は、Vbandに応じて、バンドギャップ回路BGRからの電圧をQ16aに接続された抵抗R7aやQ12a等に印加するか、Q16bに接続された抵抗R7bやQ12b等に印加するかを選択する。SW2は、Vbandに応じて、バイアス制御電圧Vapcを抵抗R1,R2で分圧した電圧をDCS側(AMP1a,AMP1c,AMP1e)に供給するか、GSM側(AMP1b,AMP1d,AMP1f)に供給するかを選択する。
以上、本実施の形態6による高周波電力増幅用電子部品を用いることで、前述した実施の形態3とほぼ同様の効果が得られ、代表的には、プリチャージレベルの安定化が図れ、スイッチングスペクトラム特性の向上が実現可能になる。また、図8の構成例と比較すると、特に低・中パワー領域において、パワー安定性(出力レベル指示信号Vrampに対する精度等)が若干低下する恐れがあるが、全段が電圧制御型の構成であるため、各段のゲート容量の充放電時間を短縮でき、パワー制御の応答遅延時間が短縮可能になる。ただし、図8の構成例では、電流制御型の構成を、比較的トランジスタサイズが小さくなる1段目と2段目に適用しているので、実用上、応答遅延時間はさほど問題とはならない。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、これまでの各実施の形態においては、増幅用トランジスタおよびそのしきい値電圧変動のモニタ用トランジスタとしてMOSトランジスタを用いたが、必ずしもMOSトランジスタに限らず、例えばバイポーラトランジスタ等に代替えすることも可能である。この場合、増幅用バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧VBEの製造ばらつき変動を、それと同一プロセス仕様で形成されたバイポーラトランジスタでモニタすることになる。また、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタは、勿論、MIS(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタに代替え可能であることは言うまでもない。
本実施の形態による高周波電力増幅用電子部品は、GSM方式を代表に、送信開始時のパワーの立ち上げ特性が要求される携帯電話機のパワーアンプモジュールに適用して特に有益な技術であり、これに限らず、無線通信システムに用いられるパワーアンプモジュール全般に対して広く適用可能である。
本発明の実施の形態1による高周波電力増幅用電子部品において、その主要部の構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態1による高周波電力増幅用電子部品において、図1の構成例を適用した全体構成例を示す回路図である。 (a)は、図2の高周波電力増幅用電子部品の特性の一例を示すものであり、(b)は、その比較対象として図2からしきい値電圧補正回路を省いた場合の特性の一例を示すものである。 本発明の実施の形態1による高周波電力増幅用電子部品において、それを含んだ無線通信システムの全体構成例を示すブロックである。 本発明の実施の形態2による高周波電力増幅用電子部品において、その主要部の構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態2による高周波電力増幅用電子部品において、図5の構成例を適用した全体構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態3による高周波電力増幅用電子部品において、その主要部の構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態3による高周波電力増幅用電子部品において、図7の構成例を適用した全体構成例を示す回路図である。 (a)は、図8の高周波電力増幅用電子部品の特性の一例を示すものであり、(b)は、その比較対象として図8からしきい値電圧補正回路を省いた場合の特性の一例を示すものである。 本発明の実施の形態4による高周波電力増幅用電子部品において、その構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態5による高周波電力増幅用電子部品において、その構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態6による高周波電力増幅用電子部品において、その構成例を示す回路図である。 本発明の前提として検討した高周波電力増幅用電子部品において、その概略的な構成例を示すブロック図である。 本発明の前提として検討した高周波電力増幅用電子部品において、そのプリチャージレベルのばらつき要因を模式的に示すものであり、(a)は電流制御型を用いた場合の説明図、(b)は電圧制御型を用いた場合の説明図である。
符号の説明
1stPA,2ndPA,3rdPA 増幅部
AMP アンプ回路
ANT アンテナ
ANT_SW アンテナスイッチ
APC 自動パワー制御回路
BB_BLK ベースバンド処理部
BGR バンドギャップ回路
C 容量
CGEN 電流生成回路
CPL カプラ
DCS_IN,GSM_IN,RFin 高周波入力信号
DCS_OUT,GSM_OUT,Pout 高周波出力信号
EA_BLK エラーアンプブロック
HPA パワーアンプ回路
IVC I/V変換回路
IVCR I/V変換整流回路
LPF ロウパスフィルタ
MIC マイク
MSL 伝送線路
PA_MD RFパワーアンプモジュール
PDET 電力検出回路
PIC 電力/電流変換回路
PRE_BLK プリチャージブロック
PRE_LP プリチャージループ
PWC_LP 電力制御ループ
Q トランジスタ
R 抵抗
RF_BLK 高周波処理部
RF_CP パワーアンプチップ
Rx 受信信号
SAW SAWフィルタ
SPK スピーカー
SW スイッチ
Tx 送信信号
VTHCPS しきい値電圧補正回路
Vapc バイアス制御電圧
Vband バンド選択信号
Vbr,VREG 定電圧回路
Vramp 出力レベル指示信号

Claims (9)

  1. 高周波入力信号をバイアス制御信号に応じたゲインで増幅して高周波出力信号を生成する第1トランジスタと、
    前記高周波出力信号の出力電力を検出する電力検出回路と、
    前記電力検出回路の検出結果と、前記出力電力の値を外部から設定するための出力レベル指示信号とを比較して前記バイアス制御信号を制御するエラーアンプ回路と、
    前記出力電力の値が前記電力検出回路で十分に検出できないほど小さくなる範囲で、前記出力電力が固定値となるように前記バイアス制御信号を制御するプリチャージ回路と、
    前記第1トランジスタに前記バイアス制御信号に応じたバイアス電圧を印加する電圧制御部と、
    前記第1トランジスタと同一のプロセス仕様からなるモニタ用トランジスタを含み、前記第1トランジスタと同様に前記モニタ用トランジスタにも発生したプロセス変動に伴う電気的特性の変化を検出し、この検出信号に基づいて前記バイアス電圧を補正する補正回路とを有し、
    前記電圧制御部は、
    負帰還構成によって前記バイアス制御信号の電圧に比例する電圧を出力するアンプ回路と、
    前記アンプ回路の出力ノードから順に直列接続される第1抵抗、第2抵抗および第3抵抗とを備え、
    前記バイアス電圧は、前記第2抵抗と前記第3抵抗の接続ノードから生成され、
    前記補正回路は、しきい値電圧の変動に基づいて変動する前記モニタ用トランジスタの電流を前記第1抵抗と前記第2抵抗の接続ノードに流し込む構成となっていることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  2. 請求項記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記補正回路は、
    前記モニタ用トランジスタと、
    前記モニタ用トランジスタとカレントミラー回路を構成する電流転写用トランジスタと、
    前記モニタ用トランジスタのドレインに一端が接続された第4抵抗と、
    前記第4抵抗の他端に接続された定電圧回路とを備え、
    前記電流転写用トランジスタのドレインが前記第1抵抗と前記第2抵抗の接続ノードに接続されていることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  3. 高周波入力信号をバイアス制御信号に応じたゲインで増幅して高周波出力信号を生成する第1トランジスタと、
    前記高周波出力信号の出力電力を検出する電力検出回路と、
    前記電力検出回路の検出結果と、前記出力電力の値を外部から設定するための出力レベル指示信号とを比較して前記バイアス制御信号を制御するエラーアンプ回路と、
    前記出力電力の値が前記電力検出回路で十分に検出できないほど小さくなる範囲で、前記出力電力が固定値となるように前記バイアス制御信号を制御するプリチャージ回路と、
    前記第1トランジスタに前記バイアス制御信号に応じたバイアス電圧を印加する電圧制御部と、
    前記第1トランジスタと同一のプロセス仕様からなるモニタ用トランジスタを含み、前記第1トランジスタと同様に前記モニタ用トランジスタにも発生したプロセス変動に伴う電気的特性の変化を検出し、この検出信号に基づいて前記バイアス電圧を補正する補正回路とを有し、
    前記電圧制御部は、
    出力ノードの電圧を複数の分割用抵抗による抵抗分割を介して負帰還し、前記バイアス制御信号の電圧に比例する電圧を出力するアンプ回路と、
    前記アンプ回路の出力ノードから順に直列接続される第5抵抗および第6抵抗とを備え、
    前記バイアス電圧は、前記第5抵抗と前記第6抵抗の接続ノードから生成され、
    前記補正回路は、しきい値電圧の変動に基づいて変動する前記モニタ用トランジスタの電流を前記複数の分割用抵抗間のいずれかの接続ノードに流し込む構成となっていることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  4. 請求項記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記補正回路は、
    前記モニタ用トランジスタと、
    前記モニタ用トランジスタと第1カレントミラー回路を構成する電流転写用トランジスタと、
    前記電流転写用トランジスタのドレイン電流を、電流の向きを変えて出力する第2カレントミラー回路と、
    前記モニタ用トランジスタのドレインに一端が接続された第7抵抗と、
    前記第7抵抗の他端に接続された定電圧回路とを備え、
    前記第2カレントミラー回路からの出力電流が、前記複数の分割用抵抗間のいずれかの接続ノードに流し込まれる構成となっていることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  5. 請求項記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記補正回路は、さらに、
    前記モニタ用トランジスタのドレインとゲート間に接続される第8抵抗と、
    前記モニタ用トランジスタのゲートとソース間に接続される第9抵抗とを有することを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  6. 複数段に従属接続され、初段に入力された高周波入力信号をバイアス制御信号に応じたゲインで増幅し、最終段より高周波出力信号を生成する複数段の増幅回路と、
    前記最終段の増幅回路に含まれ、増幅動作を行う第1トランジスタと、
    前記第1トランジスタに前記バイアス制御信号に応じたバイアス電圧を印加するバイアス電圧制御部と、
    前記初段の増幅回路に含まれ、増幅動作を行う第2トランジスタと、
    前記第2トランジスタに前記バイアス制御信号に応じたバイアス電流をカレントミラー回路によって供給するバイアス電流制御部と、
    前記高周波出力信号の出力電力を検出する電力検出回路と、
    前記電力検出回路の検出結果と、前記出力電力の値を外部から設定するための出力レベル指示信号とを比較して前記バイアス制御信号を制御するエラーアンプ回路と、
    前記出力電力の値が前記電力検出回路で十分に検出できないほど小さくなる範囲で、前記出力電力が固定値となるように前記バイアス制御信号を制御するプリチャージ回路と、
    前記第1トランジスタと同一のプロセス仕様からなるモニタ用トランジスタを含み、前記第1トランジスタと同様に前記モニタ用トランジスタにも発生したプロセス変動に伴う電気的特性の変化を検出し、この検出信号に基づいて前記第1トランジスタの前記バイアス電圧を補正する補正回路とを有することを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  7. 請求項記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記第1トランジスタおよび前記モニタ用トランジスタは、MISトランジスタであり、
    前記プロセス変動は、しきい値電圧の変動であることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  8. 請求項記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記バイアス電圧制御部は、
    負帰還構成によって前記バイアス制御信号の電圧に比例する電圧を出力するアンプ回路と、
    前記アンプ回路の出力ノードから順に直列接続される第1抵抗、第2抵抗および第3抵抗とを備え、
    前記バイアス電圧は、前記第2抵抗と前記第3抵抗の接続ノードから生成され、
    前記補正回路は、前記しきい値電圧の変動に基づいて変動する前記モニタ用トランジスタの電流を前記第1抵抗と前記第2抵抗の接続ノードに流し込む構成となっていることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  9. 請求項記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記バイアス電圧制御部は、
    出力ノードの電圧を複数の分割用抵抗による抵抗分割を介して負帰還し、前記バイアス制御信号の電圧に比例する電圧を出力するアンプ回路と、
    前記アンプ回路の出力ノードから順に直列接続される第5抵抗および第6抵抗とを備え、
    前記バイアス電圧は、前記第5抵抗と前記第6抵抗の接続ノードから生成され、
    前記補正回路は、前記しきい値電圧の変動に基づいて変動する前記モニタ用トランジスタの電流を前記複数の分割用抵抗間のいずれかの接続ノードに流し込む構成となっていることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
JP2008274801A 2008-10-24 2008-10-24 高周波電力増幅用電子部品 Active JP5200853B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008274801A JP5200853B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 高周波電力増幅用電子部品
US12/565,993 US7994860B2 (en) 2008-10-24 2009-09-24 Electronic component for high frequency power amplification

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008274801A JP5200853B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 高周波電力増幅用電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010103857A JP2010103857A (ja) 2010-05-06
JP5200853B2 true JP5200853B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=42116887

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008274801A Active JP5200853B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 高周波電力増幅用電子部品

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7994860B2 (ja)
JP (1) JP5200853B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11245373B2 (en) 2019-09-13 2022-02-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Amplifier circuitry and method of amplification

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9294038B2 (en) * 2013-04-29 2016-03-22 Nokia Solutions And Networks Oy Power amplifier transistor characteristic stabilization during bias switching
US9595933B2 (en) * 2013-12-30 2017-03-14 Lansus Technologies Inc. Power amplifier device and circuits
US9800094B2 (en) * 2014-05-14 2017-10-24 The Penn State Research Foundation Low power nanoelectronics
JP6288607B2 (ja) * 2014-05-22 2018-03-07 株式会社村田製作所 電力増幅モジュール

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3798198B2 (ja) * 1999-09-29 2006-07-19 株式会社ルネサステクノロジ 高周波電力増幅モジュールおよび無線通信装置
JP2005197859A (ja) 2004-01-05 2005-07-21 Renesas Technology Corp 高周波電力増幅回路
JP4488309B2 (ja) * 2005-02-28 2010-06-23 株式会社ルネサステクノロジ 高周波電力増幅用電子部品
JP2006270670A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Renesas Technology Corp 高周波電力増幅回路および高周波電力増幅用電子部品
JP4632882B2 (ja) * 2005-07-05 2011-02-16 ルネサスエレクトロニクス株式会社 高周波電力増幅器および無線通信装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11245373B2 (en) 2019-09-13 2022-02-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Amplifier circuitry and method of amplification

Also Published As

Publication number Publication date
US7994860B2 (en) 2011-08-09
US20100102887A1 (en) 2010-04-29
JP2010103857A (ja) 2010-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7595694B2 (en) Electronics parts for high frequency power amplifier
JP4683468B2 (ja) 高周波電力増幅回路
US7738845B2 (en) Electronic parts for high frequency power amplifier and wireless communication device
US7123094B2 (en) High frequency power amplifier circuit and radio communication system
US7193471B2 (en) High frequency power amplifier circuit and radio communication system
US7049892B2 (en) High frequency power amplifier circuit device
US8810285B2 (en) Semiconductor integrated circuit apparatus and radio-frequency power amplifier module
WO2013094415A1 (ja) 半導体集積回路装置および高周波電力増幅器モジュール
TW548894B (en) High frequency power amplifying method and wireless communication apparatus
JP2005518684A (ja) 電力増幅器の制御
JP5200853B2 (ja) 高周波電力増幅用電子部品
US20040212432A1 (en) Semiconductor integrated circuit for high frequency power amplifier, electronic component for high frequency power amplifier, and radio communication system
JP5758795B2 (ja) 無線通信装置
US7397304B2 (en) Auto gain control circuit
JP2006270670A (ja) 高周波電力増幅回路および高周波電力増幅用電子部品
JP2007019784A (ja) 高周波電力増幅器および動作電圧制御回路
JP2005020383A (ja) 高周波電力増幅回路および無線通信システム
US11489493B2 (en) Current control circuit and power amplifier circuit
EP3425796A1 (en) Amplifier
JP2005217557A (ja) 高周波電力増幅回路
JP2005260581A (ja) 高効率広ダイナミックレンジ増幅回路
JP2005217562A (ja) 高周波電力増幅回路
JP2006191332A (ja) 高周波電力増幅回路
US20240072731A1 (en) Over temperature protection with soft shutdown for power amplifier
JP2005073210A (ja) 高周波電力増幅回路

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100528

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110912

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20120323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5200853

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3