JP3798198B2 - 高周波電力増幅モジュールおよび無線通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の半導体増幅素子を従属接続した多段構成の高周波電力増幅モジュール(可変電力増幅器)と、この高周波電力増幅モジュールを組み込んだ無線通信装置に係わり、特に、コントロール電圧による出力パワーの制御性を向上させる技術に適用して有効な技術に関する。
【0002】
すなわち、高周波電力増幅モジュールの出力パワーを可変とする際に電力消費の大幅な増加なしに、ゲートバイアスにより相互コンダクタンスを変化させる方式の高周波電力増幅モジュールにおいて、出力パワーのコントロール電圧による制御性を向上させるために用いられる、ゲートバイアスすなわちドレイン電流の制御をするゲートバイアス制御回路を具備する高周波電力増幅モジュールに関する。
【0003】
【従来の技術】
自動車電話,携帯電話機等の移動体通信機(無線通信装置)においては、その送信側出力段に高周波電力増幅モジュール(高周波電力増幅回路)が組み込まれている。この高周波電力増幅モジュールの出力(送信パワー)はAPC(Automatic Power Control)回路によって自動制御される構成になっている。
【0004】
例えば、半導体増幅素子としてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect-Transistor )を複数従属接続させた高周波電力増幅モジュールにおいては、ゲートにバイアスされる正電圧(nチャネルMOSFETの場合)によって出力コントロールが容易に行えるため、取り扱い上便利であり、従来から広く使われている。
【0005】
特開平7−94975号公報には、MOSFETを初段,中段,終段と従属接続させた3段構成の高周波HICモジュール(高周波電力増幅モジュール)が開示されている。
【0006】
この高周波HICモジュールは、「第1のバイアス回路は、複数段のMOSFETのうちの所定のMOSFETのゲートを出力コントロール電圧に基づいてバイアスする構成にし、前記所定のMOSFET以外の残りのMOSFETのゲートを固定電源に基づいてバイアスする第2のバイアス回路と、前記固定電源と前記第2のバイアス回路との経路を前記出力コントロール電圧に応じてスイッチングするスイッチ手段とを設けたもの」である。これにより、出力の制御性を高め、かつ効率の向上を図っている。
また、各バイアス回路はいずれも3個の抵抗と一つのキャパシタで構成されている。
【0007】
しかしながら、上記文献には、コントロール電圧Vapcに基づいて変化するゲートバイアスを、出力パワーに応じて制御する技術については記載されていない。
【0008】
また、通常、コントロール電圧Vapcに応じて変化するゲートバイアスの設定は、例えば出力パワーが大きい時に所望の高効率となるように、バイアス回路を構成する抵抗の値で決定される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の高周波HICモジュールは、各段のMOSFETのゲートに適当な電圧を印加することで、相互コンダクタンスを変化させており、出力パワーを可変とする際、出力パワーや効率に悪影響を及ぼすことなく小さな回路構成を可能とし、有効なものである。
【0010】
一方、ゲートバイアスはコントロール電圧に対して一定の割合で変化するため、高周波電力増幅モジュールの出力パワーの変動に応じて、コントロール電圧に対する各段のバイアスを制御できず、出力パワーのコントロール性が悪く、利用上不便であった。つまり、モジュールとして良好な特性の得られるバイアスとするだけで、コントロール電圧Vapcに対して出力パワーが急峻に変化するのを防げていなかった。
【0011】
上記文献には、出力コントロール電圧Vapcと出力Poとの相関を示す図が開示されている。図16は、本発明者によって追試験して得た上記同様のコントロール電圧Vapcに対する出力パワーPoutの特性図である。
【0012】
この特性図で分かるように、コントロール電圧の一部分(1.1V〜1.5V)で出力パワーの立ち上がりが急峻となっており、出力をコントロールするには利用上問題があることがわかる。
【0013】
この立ち上がりが急峻な領域は、最後に動作(オン)する増幅用MOSFETに印加されるゲート電圧がしきい値電圧Vthの近くのときであり、このゲート電圧の領域では、MOSFETの利得が大きく変化し、同時に、インピーダンスの変化も大きく、整合回路の不整合損失も大きく変化するためである。
【0014】
更に、近年のデバイス性能向上により相互コンダクタンスgmが向上するに伴い、ゲートバイアスに対する各段に使用されるMOSFETの利得変動は大きくなり、出力パワー変動はより急峻となる傾向にあり、一層出力の制御性が悪くなる。
【0015】
尚、上記出力の低制御性の問題は、MOSFETに限定されるものでなく、制御端子に印加する制御バイアスによって利得が可変となる他の半導体増幅素子においても共通の問題である。
【0016】
本発明の目的は、出力の制御性に優れた高周波電力増幅モジュールを提供することにある。
本発明の他の目的は、出力の制御性に優れた無線通信装置を提供することにある。
本発明の上記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0018】
半導体増幅素子としてMOSFETを用いる高周波電力増幅モジュール(パワーモジュール)において、無線通信装置本体のパワーコントロール信号をもとに生成されるコントロール電圧Vapc に応じたゲート電圧が、増幅用各段MOSFETのしきい値電圧Vth付近の領域で、コントロール電圧Vapc に対する出力パワー変動が小さくなるバイアス手段を備える構成にすることによって、出力パワーの制御性(コントロール性)を考慮した取り扱いが便利なパワーモジュールとした。
【0019】
すなわち、出力端子から出力される出力パワーPout のコントロールを、バイアス供給端子に供給されるコントロール電圧Vapc の分割により生成されるゲート電圧の制御により行うパワーモジュールであって、Vapc に対する制御端子に供給されるゲート電圧Vgの変化を、ゲート電圧Vgが各MOSFETのしきい値電圧Vthより低い領域では大きく、Vth近傍では小さく、更にVth近傍からVapc 電圧の高い領域では、所望の特性が得られるゲート電圧になるように設定する手段を、ゲートバイアス回路に設けてパワーモジュールを構成する。
【0020】
上記バイアス回路を多段のパワーモジュールに適用する場合、コントロール電圧が上記ゲートバイアス回路を介して各MOSFETの最適なゲートバイアスとなり、Vapc に対する各段MOSFETがオンとなるタイミングも、各段のゲートバイアスのVapc に対する変動に応じて設定される。
【0021】
次に、多段パワーモジュールのバイアス手段として、特に、各段のMOSFETがオンとなるタイミングに関して、コントロール電圧に対する各段のゲート電圧の変化を示した図12を用いて説明する。
【0022】
図12は、3個のMOSFETを順次従属接続した3段パワーモジュールに適用した場合の初段ゲート電圧Vg1,中段ゲート電圧Vg2,終段ゲート電圧Vg3のコントロール電圧Vapc に対する変化状態を示したグラフである。このグラフで示すような特性のバイアス回路を有するパワーモジュールでは、コントロール電圧Vapc の上昇に対し、ゲート電圧の増加が小さい初段MOSFET(Q1)を最後にオフからオンとする。その時、コントロール電圧は、最後にオンとなる初段MOSFETのゲート電圧の変動が小さい領域とし、他のMOSFETは、Vapc に対して利得変動が小さいゲートバイアスに設定する。また、最後にオンとなる初段MOSFETより先に、他のMOSFETをオンにして安定動作状態にしておくことで、パワーモジュールの出力パワーが、オフ状態から徐々に増加するようにする。
【0023】
以上の手段の有るバイアス回路を備えたパワーモジュールでは、Vthより低い領域ではVapc に対するゲート電圧の変化が大きく、パワーモジュールの出力パワーをVapc 電圧の低い領域からコントロールできるため、Vapc による出力パワーの可変範囲を広くできる。
【0024】
また、Vth近傍の領域では、ゲート電圧の変化を少なく設定しているため、Vapc に対する出力パワーの変動を小さくできる。
【0025】
また、Vth近傍より高い電圧の領域では、所望の高周波特性に基づいて、バイアスが設定できるため、上記出力パワーの制御性向上によりパワーモジュールの性能が低下するようなことはない。
【0026】
また、各段のMOSFETがオンとなるタイミングを設定できるため、図12に例示されるように、最後にオンとなる初段MOSFETより先に他のMOSFETをオンとし、モジュールのオフ状態から徐々に出力パワーが上昇するために、非常に低い出力パワーでのコントロール性が向上する。
【0027】
更に、最後のMOSFET(Q1)がオンとなる時に、他のMOSFETは利得変動の少ない領域に設定し、出力パワーの変動は、最後にオンとなる初段のMOSFETのゲート電圧で主に調整するため、出力パワーの急峻な立ち上がりが緩和される。
【0028】
以上、本発明によれば、ゲート電圧に対して利得、インピーダンスが大きく変化するVth近傍の領域で、ゲート電圧の変動を少なくしているため、出力パワーの急峻な立ち上がりを抑え、コントロール性を向上することがきる。また、本構成にしたところで、高出力、高効率が同時に実現できるゲート電圧は設定できるため、特性が劣化するようなことはない。また、ゲート電圧の制御により、出力をコントロールしているため、パワーモジュールの出力パワー、効率が低下するようなことはない。このように、パワーモジュールの高出力パワー、高効率を維持しながら、出力パワーのコントロール性が良好となり、取り扱いが便利となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0030】
(実施形態1)
図1乃至図4は本発明の一実施形態(実施形態1)である高周波電力増幅モジュールおよびその高周波電力増幅モジュールを組み込んだ無線通信装置に係わる図である。
【0031】
図2は無線通信装置の一部の機能構成を示すブロック図である。高周波電力増幅モジュール(パワーモジュール)13は、図2に示すように、外部端子として、入力端子1,出力端子2,コントロール端子(バイアス供給端子)3,第1電圧端子4,第2電圧端子5を有している。高周波電力増幅モジュール13を構成する高周波電力増幅器(HPA)14には入力端子1から入力電力Pinが入力され、高周波電力増幅器14の出力電力Pout は出力端子2に出力される。
【0032】
コントロール端子3に供給されるコントロール電圧Vapc はゲートバイアス回路(GBC)22を介して高周波電力増幅器14に供給されて出力電力Pout がコントロールされる。第1電圧端子4の電源電圧Vddはドレインバイアス回路(DBC)23を介して高周波電力増幅器14に供給される。上記ゲートバイアス回路22およびドレインバイアス回路23は抵抗とトランジスタとで構成されている。また、高周波電力増幅器14を構成する半導体増幅素子としてはシリコン半導体によるMOSFETを用いており、コントロール用端子3はゲートバイアス回路22を介して、各MOSFETのゲートに接続されている。
【0033】
また、パワーモジュール13の入力端子1には、高周波信号源(RFS)21から高周波信号が供給される。パワーモジュール13の出力端子2から出力される出力電力Pout はフィルタ(FIL)16を通ってアンテナ(ANT)17から電波として空中に放射される。
【0034】
出力端子2から出力される出力電力Pout はカプラ(CP)15によって検出される。カプラ15で検出された出力信号は検波器18を通して送信電力制御回路19に送り込まれる。送信電力制御回路19では基準電圧Vref と比較され、APC(Automatic Power Contorol)が働いてコントロール端子(バイアス供給端子)3にコントロール電圧Vapc が印加される。
【0035】
このような構成において、高周波電力増幅器14の出力端子2から出た信号(Pout )はカプラ15,フィルタ16を通ってアンテナ17から発信される。また、カプラ15で検出された出力信号は検波器18を通して送信電力制御回路19に送り込まれ、基準電圧Vref と比較され、APCが働いてコントロール端子3にコントロール電圧Vapc が印加される。
【0036】
本実施形態ではこのコントロール電圧Vapc を非線形に変化できるように調整されたゲートバイアス回路22を介してゲートにバイアスすることで、出力パワーをコントロールする。
【0037】
すなわち、コントロール端子3にコントロール電圧Vapc が印加されると、ゲートバイアス回路22を構成する抵抗やトランジスタにより、上記出力コントロール電圧に応じてコントロール電圧が分圧され、高周波電力増幅器14を構成するMOSFETのゲートに印加される。このゲート電圧は、ゲートバイアス回路を構成する抵抗やトランジスタにより調整でき、コントロール電圧に対する出力パワーの変動が大きいMOSFETのVth近傍において、コントロール電圧に対して変動が少なくなるように設計する。
【0038】
このようにコントロール電圧に対して、ゲート電圧を任意に設定することで、従来のように、出力コントロール電圧の上昇に伴って、出力パワーが急激に増加するようなゲートバイアスの印加を避けられるため、制御性が向上する。
【0039】
つまり、本実施形態に係る電力増幅モジュールにおいては、ゲートバイアス回路22でコントロール電圧に対するゲート電圧を出力パワーに応じて調整できるため、出力コントロール電圧の狭い範囲で、出力パワーをコントロールする必要は無くすことができる。
【0040】
以上の効果は、上述のフィードバックを利用した構成に限定されるものでなく、コントロール電圧を外部制御回路CNT_Oより送る構成においても同様な効果が得られる。
【0041】
以下、コントロール電圧に応じてゲート電圧を調整して分圧するゲートバイアス回路、すなわちゲートバイアス回路について説明する。
【0042】
図3は本実施形態1におけるバイアス回路を示し、図1は同バイアス回路とその特性を示す図である。特性図は、コントロール電圧Vapcとドレイン電圧Vdとの相関を示すグラフと、コントロール電圧Vapcとゲート電圧Vgとの相関を示すグラフである。
【0043】
本実施形態1のゲートバイアス回路は、2段階変化の非線形特性を示すバイアス回路であり、コントロール端子3にその一端が接続された第1の抵抗25と、第1の抵抗25の他端に接続された第2の抵抗26と、第2の抵抗26に対してダイオード接続され他端が接地されたトランジスタ24と、第1の抵抗25と第2の抵抗26との接続部分と半導体増幅素子の制御端子27との間に接続された高周波信号カット用の抵抗28とによって構成されている。
【0044】
トランジスタ24のしきい値電圧Vthは高周波電力増幅器14に使われている半導体増幅素子のしきい値電圧Vthと同じかまたは近接した低い値になっている。これは、ゲートバイアス回路に用いるMOSFETが、小さいゲート幅Wgで実現できる効果がある。
【0045】
本実施形態1では、コントロール電圧Vapcに対するゲート電圧Vgの変化を、非線形に調整するのにNチャネル型のMOSFET24を使用している。MOSFET24のソースは接地されており、ドレイン端には第1の抵抗25の一端が接続されており、第1の抵抗25の他端にはMOSFET24のゲートと、一端をコントロール用端子3に接続した第2の抵抗26と、一端を増幅用MOSFETのゲートバイアス印加用端子27に接続した抵抗28が接続されている。
【0046】
ここで第1の抵抗25および第2の抵抗26はコントロール電圧を分割するために使用され、抵抗28は高周波信号成分のカットのためであり、増幅用MOSFETから高周波信号成分がMOSFET24を介して漏洩し、高周波特性が劣化するのを防ぐために使用されている。また、コントロール用端子3には外部制御回路より正電圧が供給される。各抵抗はチップもしくは半導体製造技術によるプリント抵抗で構成され、プリント抵抗では、MOSFET24と1チップ化、更に、増幅用MOSFETと同じ半導体プロセス技術が適用でき、MMIC(Microwave Monolithic IC)化が可能である。
【0047】
次に、本実施形態1のバイアス回路の動作について説明する。
ここで、MOSFET24のドレイン−ソース間抵抗は、上記MOSFET24のゲート電圧により制御され、コントロール電圧の上昇に伴うゲート電圧の増加において、Vth近傍より近似的に開放の状態から短絡の状態に変化する。
【0048】
図1は、本実施形態のバイアス回路の一例として、コントロール電圧に対するゲートバイアス印加用端子電圧(ゲート電圧)Vg と上記MOSFET24のドレイン端の電圧Vdについて略して示した図である。
【0049】
図1のように、コントロール電圧の上昇に伴いMOSFET24のドレイン端の電圧Vd は、MOSFET24のゲート電圧がVth近傍まではMOSFET24がオフのため上昇し、それ以降は下降し、再びほぼ0電位まで低下する。そのため、ゲートバイアス印加用端子電圧Vg は、Vth近傍まではコントロール電圧とほぼ同じ電圧が出力され、Vth近傍の領域では、ドレイン端電圧Vd の低下を利用することで、Vth近傍での変化が少ない電圧が出力され、更に高いゲートバイアス印加用端子電圧Vg の領域では、MOSFET24がオン状態なため、主に抵抗25,26の分圧比で決定される電圧が出力される。
【0050】
以上のように、コントロール電圧に対するゲートバイアス印加用端子電圧の変化が、コントロール電圧の値により異なり、その変化量から、動作領域が3つの領域に大きく分けられ、上記各領域は、コントロール電圧に対するゲートバイアス印加用端子電圧の変化が、ゲートバイアス印加用端子電圧がMOSFET24のVth近傍までは急峻であり、Vth近傍の領域は変化が少なく、更に高いゲートバイアス印加用端子電圧の領域では高く、2段階変化の非線形制御となっている。その各領域のコントロール電圧に対するゲートバイアス印加用端子電圧の変化量の設定は、MOSFET24のゲート幅、ゲート長、Vth等のパラメータと抵抗25,26を調整することにより可能である。
【0051】
例えば、本バイアス回路が適用されるパワーモジュールに使用される増幅用MOSFETのVthが0.8Vで、このパワーモジュールのRF特性として、効率と出力パワーのバランスがとれた所望の性能を得るには、バイアス電圧を1.2Vとする必要がある場合、所望の性能を損なわず、コントロール電圧による制御性を向上させるには、図4のような特性を示すゲートバイアス回路となる。図4は、コントロール電圧Vapcに対するゲート電圧Vgを示した図である。図のように、ゲートバイアス印加用端子電圧の変動を0.8V近傍で少なくして、出力パワーの急峻な変化を防ぎ、所望の特性が得られるゲートバイアス印加用端子電圧1.2Vを、コントロール電圧の制御範囲内で設定する。ここで、使用するMOSFET24のVthは、増幅用MOSFETと同じ0.8Vにできるため、同一半導体プロセス技術を用いることが可能である。これにより、抵抗25,26,28を含めて同一チップにでき、歩留まり向上、チップ取得数向上に役立ち、製造コスト低減に効果がある。
【0052】
尚、半導体増幅素子としてMOSFETの代わりにGaAsとAlGaAsのような異なる材質の接合を利用したヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)を用いるとき、バイアス回路にも同様にMOSFET24の代わりにHBTを利用でき、抵抗についても上記MOSFETを用いる場合と同様な部材が適用できる。
【0053】
以上のように、上記実施形態のバイアス回路では、コントロール電圧に対するゲート電圧の変化を、出力パワーの変動に応じて制御しているため、出力パワーの急峻な変化が緩和され、出力パワーの制御性が向上する。
【0054】
また、高出力,高効率といった所望の特性が得られる最適なバイアスを設定可能なため、その特性を劣化させることはない。
【0055】
従って、本実施形態1の高周波電力増幅モジュールを組み込んだ無線通信装置は、出力パワーの制御性が良好であることから、基地局から指示される送信電力情報に高精度に適用でき、最も望ましい出力によって通話を行うことができる。これにより、内蔵する電池の長寿命化が達成できる。
【0056】
尚、上記ダイオード接続のトランジスタに変えてダイオードを使用しても上記実施形態同様の効果が得られる。
【0057】
(実施形態2)
図5は本発明の他の実施形態(実施形態2)に係わる高周波電力増幅モジュールの一部を示す図である。本実施形態2は高周波電力増幅モジュールを3段(初段,中段,終段)構成の高周波電力増幅モジュールとし、この多段構成の高周波電力増幅モジュールに上記実施形態1のバイアス回路を組み込んだ例である。
【0058】
本実施形態の高周波電力増幅モジュールにおけるバイアス回路は、上記実施形態1のバイアス回路において、コントロール用端子3と接続される第2の抵抗26の一端と直列に、段数に応じて適当な値の抵抗を直列接続挿入し、各接続点にゲートバイアス印加用端子を追加することができる。例えば、3段パワーモジュールに適用する場合、図5に示すように、上記第2の抵抗26のコントロール用端子側に抵抗29,30を直列に接続し、その接続点より各バイアスを得る。上記各接続点はそれぞれ中段または終段のMOSFETの制御端子10,11に接続される。
【0059】
多段構成の高周波電力増幅モジュールに上記実施形態1のバイアス回路を適用した場合においても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0060】
(実施形態3)
図6および図7は本発明の他の実施形態(実施形態3)である高周波電力増幅モジュールにおけるバイアス回路に係わる図である。上記実施形態1および実施形態2はゲートバイアスを2段階変化の非線形制御としているが、制御方法は2段階変化の非線形制御に限定されるものではない。本実施形態3では、1段階変化の非線形特性を示すバイアス回路について説明する。
【0061】
本実施形態3のバイアス回路は上記実施形態1のバイアス回路において、MOSFET24のゲートを直接ドレインに接続した構成となり、図1におけるRFカット用の抵抗28は設けられていない構成になっている(図6参照)。
【0062】
図7は図6のバイアス回路におけるコントロール電圧に対するゲートバイアス印加用端子電圧(ゲート電圧)VgとMOSFET24のゲート端の電圧Vg24について略して示す。
【0063】
コントロール電圧の上昇に伴いMOSFET24のゲート端の電圧Vg24は、Vth近傍まではMOSFET24がオフのため上昇し、それ以降は、ほぼ飽和の状態となる。そのため、ゲートバイアス印加用端子電圧Vgは、Vth近傍まではコントロール電圧とほぼ同じ電圧が出力され、Vth近傍の領域では、Vth近傍での変化が少ない電圧が出力され、更に高いゲートバイアス印加用端子電圧Vgの領域では、MOSFET24がオン状態なため、主に抵抗25,26の分圧比で決定される電圧が出力される。
【0064】
以上のように、コントロール電圧に対するゲートバイアス印加用端子電圧の変化が、コントロール電圧の値により異なり、その変化量から、動作領域が2つの領域に大きく分けられ、上記各領域は、コントロール電圧に対するゲートバイアス印加用端子電圧の変化が、ゲートバイアス印加用端子電圧がMOSFET24のVth近傍までは急峻であり、Vth近傍の領域は変化が少なく、1段階変化の非線形制御となっている。その各領域のコントロール電圧に対するゲートバイアス印加用端子電圧の変化量の設定は、MOSFET24のゲート幅、ゲート長、Vth等のパラメータと抵抗25,26を調整することにより可能である。
【0065】
本構成においても、コントロール電圧による出力パワーの制御範囲が広くできるため、出力パワーの急峻な変化を緩和でき、コントロール性を向上できる。
【0066】
尚、本構成では、図1における高周波信号成分カット用の抵抗は必要なく、上記バイアス回路の実施形態と同様に1チップ化、多段化ができる。また、MOSFET24の代わりにダイオード等のダイオード特性を有する部材を使用することができ、上記2段階変化のバイアス回路の実施形態と同様にGaAsとAlGaAsのような異なる材質の接合を利用したヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)を用いることもできる。
【0067】
(実施形態4)
図8乃至図10は本発明の他の実施形態(実施形態4)である3段構成の高周波電力増幅モジュールに係わる図である。本実施形態4では初段半導体増幅素子,中段半導体増幅素子,終段半導体増幅素子と3段増幅構成の高周波電力増幅モジュール(パワーモジュール)に適用した例について説明する。
【0068】
図8は、本実施形態4の3段増幅のパワーモジュールの回路ブロック図である。このパワーモジュールは、入力端子1と出力端子2との間に3個の半導体増幅素子(トランジスタ)Q1,Q2,Q3をそれぞれ整合回路MC1,MC2,MC3,MC4を介して従属接続した構成になっている。トランジスタはNチャネル型のMOSFETからなっている。各トランジスタQ1,Q2,Q3のドレイン端子はマイクロストリップライン6,7,8を介して第1電圧端子4(電源電圧Vdd)に接続されている。また、トランジスタQ1,Q2間のマイクロストリップライン6,7間には容量C1が設けられるとともに、トランジスタQ2,Q3間のマイクロストリップライン7,8間には容量C2が設けられている。また、各トランジスタQ1,Q2,Q3の制御端子は外部制御回路よりコントロール電圧Vapc が供給されるコントロール端子3にゲートバイアス回路(GBC)22を介して接続されている。
【0069】
ここで、通常トランジスタQ1,Q2,Q3のバイアスは、終段,中段,初段の順に動作(オン)する形態をとるため、初段がオンとなるときに出力パワーの変動が大きい。
【0070】
したがって、ゲートバイアス回路をパワーモジュールに適用する場合の実施形態の形態として、初段MOSFETのバイアスを上記実施形態の2段階変化もしくは1段階変化の非線形バイアスとする。初段MOSFETのバイアスを2段階変化もしくは1段階変化の非線形バイアスとすることで、出力パワーの変動が大きいVth近傍のゲート電圧変動を少なくでき、出力パワーの急峻な変化を抑制できる。特に、2段階変化の非線形バイアスでは、初段がオンとなるときに、中段,終段は出力パワー変動の少ないゲート電圧の領域のため、効果が大きい。バイアス回路のMOSFETのVthと、増幅用MOSFETのVthとの関係は、同じであるか、近接した値とするため、バイアス用MOSFETを増幅用MOSFETと同一半導体プロセス技術で形成できるため、ばらつき低減ができ、同一チップ化も可能である。
【0071】
図9には2段階変化の非線形バイアスを適用した場合を例示する。図において、MOSFETQ1,24、抵抗25,26,28を同一チップ31化することにより、ばらつきを抑制できる。
【0072】
トランジスタQ2,Q3の制御端子とコントロール端子3との間には分圧回路を形成する抵抗35〜38が設けられている。
【0073】
本実施形態4の高周波電力増幅モジュールでは、図10に示すような特性を示す。同図はコントロール電圧Vapc に対するゲート電圧Vg の変化を示すグラフであり、例えば0.8VがトランジスタQ1,Q2,Q3のしきい値電圧Vthである。
【0074】
トランジスタQ2,Q3は線形特性を示すが、トランジスタQ1は非線形特性を示し、かつ2段階変化をする。しきい値電圧Vthおよびそれ以下の領域ではゲート電圧Vgの変化率が小さいため、ゲート電圧Vgの制御性、すなわち、出力パワーPout の制御性が良くなる。また、初段トランジスタが最後に動作するとともに、この動作時には他のトランジスタQ2,Q3の動作は安定していることから、安定した増幅が行えるようになる。
【0075】
(実施形態5)
図11および図12は本発明の他の実施形態(実施形態5)である3段構成の高周波電力増幅モジュールに係わる図である。本実施形態5は、初段MOSFETのバイアスを2段階変化の非線形バイアスとし、中段MOSFETのバイアスを1段階変化の非線形バイアスとし、終段のMOSFETのバイアスを2段階変化の非線形バイアスとするものである。
【0076】
図11に示すように、本実施形態5の回路構成は上記実施形態4の回路構成において、ゲートバイアス回路(GBC)22の構成が異なる以外は他は同じである。
【0077】
本実施形態5においては、トランジスタQ1の制御端子にはバイアス回路としてMOSFET24a,第1の抵抗25a,第2の抵抗26a,高周波信号成分カット用の抵抗28を接続して非線形特性が2段階変化する構成としてある。なお、第2の抵抗26aの一端は抵抗29を介してコントロール端子3が接続される構造になっている。
【0078】
また、トランジスタQ2の制御端子にはバイアス回路としてMOSFET24b,第1の抵抗25b,第2の抵抗26bを接続し、高周波信号成分カット用の抵抗を設けない非線形特性が1段階変化する構成としてある。
【0079】
また、トランジスタQ3の制御端子は上記トランジスタQ1のバイアス回路において、第2の抵抗26aと抵抗29との接続部分に接続する構造となり、非線形特性が2段階変化する構成となっている。
【0080】
本実施形態5の高周波電力増幅モジュールの特性、すなわち、コントロール電圧Vapcとゲート電圧Vgとの相関は図12に示すグラフのようになる。
【0081】
各MOSFETがオンとなるタイミングとしては、終段、中段を初段より先にオンとなるように設定し、出力段用バイアスは、コントロール電圧の上昇に出力パワーが追従するように2段階変化に設計される。バイアス回路各段MOSFETのVthと、増幅用各段MOSFETのVthとの関係は、少なくとも初段は同じであるか近接した低い値とする。
【0082】
本実施形態5のパワーモジュールでは、初段MOSFETがオンとなる前に、終段、中段MOSFETがオンとなり、終段,中段には利得の得られるバイアスが印加されるため、初段がオンする前の低コントロール電圧領域で、出力パワーが急峻に変化するのを緩和できる。
【0083】
また、初段MOSFETがオンとなるコントロール電圧の領域では、初段のゲートバイアスはVth近傍で変動を小さく、その時の中段,終段のゲートバイアスは、利得変動の少ない領域にバイアスされるため、この領域の出力パワーの変動も少なくできる。
【0084】
更に、高出力時に所望の特性が得られるバイアスが、各段のMOSFETに対して印加できるため、コントロール性の向上で特性が損なわれることはない。
【0085】
更にまた、大きな出力パワーを必要とするコントロール電圧の高い領域では、終段MOSFET用のバイアス回路を2段階変化の非線形バイアスにしているため、コントロール電圧の増加に対して、出力パワーが飽和するのを防ぐことができる。
【0086】
尚、バイアス回路に用いるMOSFETを増幅用MOSFETと同一半導体プロセス技術で形成できるため、ばらつき低減が図れ、上記実施形態と同様に同一チップ化もできる。
【0087】
(実施形態6)
図13および図14は本発明の他の実施形態(実施形態6)である3段構成の高周波電力増幅モジュールに係わる図であり、図13は回路図、図14はコントロール電圧とゲート電圧の相関を示すグラフである。
【0088】
本実施形態6は、図13に示すように、全てのMOSFET(トランジスタQ1,Q2,Q3)のバイアスを2段階変化の非線形バイアスとした構成である。初段MOSFETQ1,MOSFET24および抵抗25,26,28,29,30を同一チップ31で形成してある。また、各MOSFET(Q1,Q2,Q3)がオンとなるタイミングとしては、終段,中段を初段より先にオンとなるように設定し、出力段用バイアスは、コントロール電圧の上昇に出力パワーが追従するように2段階変化に設計される。バイアス回路に用いるMOSFETは各段共通にでき、そのVthを増幅用各段MOSFETのVthと同じであるか近接した低い値とする。
【0089】
本実施形態6のバイアスされたパワーモジュールは、図14のグラフで示すように、初段MOSFETがオンとなる前に、終段,中段MOSFETがオンとなっており、初段MOSFETがオンとなるコントロール電圧の領域では、初段のゲートバイアスはVth近傍で変動を小さく、その時の中段,終段のゲートバイアスは、利得変動の少ない領域にバイアスされるため、この領域の出力パワーの変動も少なくできる。
【0090】
更に、高出力時に所望の特性が得られるバイアスが、各段のMOSFETに対して印加できるため、コントロール性の向上で特性が損なわれることはない。
【0091】
更にまた、大きな出力パワーを必要とするコントロール電圧の高い領域では、終段MOSFET用のバイアス回路を2段階変化の非線形バイアスにしているため、コントロール電圧の増加に対して、出力パワーが飽和するのを防ぐことができる。
【0092】
尚、バイアス回路に用いるMOSFETを増幅用MOSFETと同一半導体プロセス技術で形成できるため、ばらつき低減が図れ、同一チップ化ができる。
【0093】
(実施形態7)
図15は本発明の他の実施形態(実施形態7)である3段構成の高周波電力増幅モジュールのバイアス回路によるコントロール電圧に対するゲート電圧の相関を示すグラフである。
本実施形態7の高周波電力増幅モジュールにおけるバイアス回路は、上記実施形態2で示す図5のバイアス回路において、抵抗25を設けないバイアス回路構成にしたものである。この場合、図15に示すように全てのトランジスタQ1,Q2,Q3は1段階変化の非線形特性を示すようになる。そこで、終段,中段を初段より先にオンとなるように設定しておけば、上記各実施形態の場合のバイアス回路と同様に出力パワーPout の制御性を高めることができる。
【0094】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない、たとえば、上記実施形態ではシリコンによって形成されたMOSFETやGaAsとAlGaAsのような異なる材質の接合を利用したヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)による高周波電力増幅モジュールについて本発明を適用した例について説明したが、他のトランジスタを用いた高周波電力増幅モジュールにも同様に適用でき同様の効果を得ることができる。例えばシリコンによって形成された他の構造からなるMISFET(Metal-Insulator Semiconductor-FET)、GaAsによって形成されたMESFET(Metal-Semiconductor-FET)、化合物半導体によって形成されたHEMT(High Electron Mobility Transistor)、SiとGeによって形成されるトランジスタ等を用いた高周波電力増幅モジュールやその高周波電力増幅モジュールを組み込んだ無線通信装置にも適用できる。
【0095】
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野である移動体通信機(携帯電話機)に適用した場合について説明したが、それに限定されるものではない。
本発明は少なくとも無線通信装置には適用できる。
【0096】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0097】
(1)本発明によれば、パワーモジュールの出力パワーを、外部制御回路から出るコントロール電圧に基づいてバイアスされる、消費電力の少ないゲート電圧による制御を行う場合において、高出力,高効率といった所望の特性となるバイアスをバイアス回路により発生するとともに、コントロール電圧に対するゲート電圧の変化を、パワーモジュールに用いるMOSFETのVthより低いゲート電圧の領域では多くし、上記Vth近傍では少なくし、更に、高出力が必要な場合には、高いゲート電圧の領域で多くする。このように、コントロール電圧に対するゲート電圧の変化が、非線形性を有するバイアス回路を、パワーモジュールに設けることで、パワーモジュールの所望の特性を損なうことなく、コントロール電圧に対して出力パワーが急峻に変化するのを防ぎ、出力パワーのコントロール性が向上できる。従って、パワーモジュールが利用上便利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施形態1)である高周波電力増幅モジュールにおけるバイアス回路とその特性を示すグラフである。
【図2】本実施形態1の無線通信装置の一部の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態1の高周波電力増幅モジュールにおけるバイアス回路図である。
【図4】本実施形態1の高周波電力増幅モジュールにおける具体的なバイアス回路における特性を示すグラフ等である。
【図5】本発明の他の実施形態(実施形態2)である3段構成の高周波電力増幅モジュールに組み込まれるバイアス回路図である。
【図6】本発明の他の実施形態(実施形態3)である高周波電力増幅モジュールにおけるバイアス回路図である。
【図7】本実施形態3のバイアス回路とその特性を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態(実施形態4)である3段構成の高周波電力増幅モジュールを示すブロック図である。
【図9】本実施形態4の高周波電力増幅モジュールを示す回路図である。
【図10】本実施形態4の高周波電力増幅モジュールのバイアス回路によるコントロール電圧に対するゲート電圧の相関を示すグラフである。
【図11】本発明の他の実施形態(実施形態5)である3段構成の高周波電力増幅モジュールを示す回路図である。
【図12】本実施形態5の高周波電力増幅モジュールのバイアス回路によるコントロール電圧に対するゲート電圧の相関を示すグラフである。
【図13】本発明の他の実施形態(実施形態6)である3段構成の高周波電力増幅モジュールを示す回路図である。
【図14】本実施形態6の高周波電力増幅モジュールのバイアス回路によるコントロール電圧に対するゲート電圧の相関を示すグラフである。
【図15】本発明の他の実施形態(実施形態7)である3段構成の高周波電力増幅モジュールのバイアス回路によるコントロール電圧に対するゲート電圧の相関を示すグラフである。
【図16】本発明者の追試験によって得られたコントロール電圧に対する出力電力の相関を示すグラフである。
【符号の説明】
1…入力端子、2…出力端子、3…コントロール端子(バイアス供給端子)、4…第1電圧端子、5…第2電圧端子、6,7,8…マイクロストリップライン、13…高周波電力増幅モジュール(パワーモジュール)、14…高周波電力増幅器(HPA)、15…カプラ(CP)、16…フィルタ(FIL)、17…アンテナ(ANT)、18…検波器(DET)、19…送信電力制御回路(CNT)、21…高周波信号源(RFS)、22…ゲートバイアス回路(GBC)、23…ドレインバイアス回路(DBC)、24,24a,24b…トランジスタ(Nチャネル型MOSFET)、25,25a,25b…第1の抵抗、26,26a,26b…第2の抵抗、27…制御端子、28〜30…抵抗、31…チップ31、35〜38…抵抗。
Claims (8)
- 入力端子と、
出力端子と、
コントロール端子と、
上記入力端子に接続された制御端子と、上記入力端子に供給された信号に応じた出力信号を出力する第1端子とを有する第1の半導体増幅素子と、
制御端子と、第1端子と、第2端子とを有し、上記第1の半導体増幅素子の第1端子と上記出力端子との間に設けられ、上記出力信号に応じた信号を出力する第2の半導体増幅素子と、
上記コントロール端子に接続され、上記コントロール端子に供給されるコントロール電圧に対して、特性が非線形となるように生成されているバイアスを上記第1の半導体増幅素子の制御端子に供給するバイアス回路とを有し、
上記第2の半導体増幅素子が動作した後上記第1の半導体増幅素子が動作するようにされ、
上記出力信号の出力電力は、上記コントロール電圧に応じて決定されていることを特徴とする高周波電力増幅モジュール。 - 上記コントロール端子に接続され、上記コントロール端子に供給されるコントロール電圧に対して特性が非線形となるように生成されているバイアスを上記第2の半導体増幅素子の制御端子に供給するバイアス回路を有することを特徴とする請求項1に記載の高周波電力増幅モジュール。
- 上記第1の半導体増幅素子の制御端子に供給される上記バイアスの特性が、上記コントロール電圧の変化に対して2段階に変化する非線形を示し、上記第2の半導体増幅素子の制御端子に供給されるバイアスの特性が、上記コントロール電圧の変化に対して1段階に変化または2段階に変化する非線形を示すことを特徴とする請求項2に記載の高周波電力増幅モジュール。
- 入力端子と、
出力端子と、
コントロール端子と、
上記入力端子からの信号を受ける制御端子と、上記入力端子からの信号に応じた信号を出力する第1端子とを有する第1の半導体増幅素子と、
上記第1の半導体増幅素子の第1端子から出力された信号に応じた信号を受ける制御端子と、上記出力端子に接続され、上記信号に従った信号を出力する第1端子とを有する第2の半導体増幅素子と、
上記コントロール端子に接続され、上記コントロール端子に供給されるコントロール電圧に対して特性が非線形となるように生成されているバイアスを上記第1の半導体増幅素子の制御端子に供給するバイアス回路と、
上記第1の半導体増幅素子と上記第2の半導体増幅素子との間に従属接続された、前段の半導体増幅素子の第1端子に接続された制御端子および後段の半導体増幅素子の制御端子に接続された第1端子とを有する少なくとも1つの第3の半導体増幅素子とを具備し、
上記半導体増幅素子が、初段半導体増幅素子,中段半導体増幅素子および終段半導体増幅素子から形成された3段構成の増幅回路を構成し、
上記初段半導体増幅素子および上記終段半導体増幅素子に接続されるバイアス回路により供給されるバイアスの特性が、上記コントロール電圧の変化に対して2段階に変化する非線形であり、
上記中段半導体増幅素子に接続されるバイアス回路によって供給されるバイアスの特性が、上記コントロール電圧の変化に対して1段階に変化する非線形であることを特徴とする高周波電力増幅モジュール。 - 送信側出力段に高周波電力増幅モジュールを有する無線通信装置であって、
入力端子と、
出力端子と、
コントロール端子と、
上記入力端子に接続された制御端子と、上記入力端子に供給された信号に応じた出力信号を出力する第1端子とを有する第1の半導体増幅素子と、
制御端子と、第1端子と、第2端子とを有し、上記第1の半導体増幅素子の第1端子と上記出力端子との間に設けられ、上記出力信号に応じた信号を出力する第2の半導体増幅素子と、
上記コントロール端子に接続され、上記コントロール端子に供給されるコントロール電圧に対して、特性が非線形となるように生成されているバイアスを上記第1の半導体増幅素子の制御端子に供給するバイアス回路とを有し、
上記第2の半導体増幅素子が動作した後上記第1の半導体増幅素子が動作するようにされ、
上記出力信号の出力電力は、上記コントロール電圧に応じて決定されている上記高周波電力増幅モジュールを有することを特徴とする無線通信装置。 - 上記コントロール端子に接続され、上記コントロール端子に供給されるコントロール電圧に対して特性が非線形のバイアスを上記第2の半導体増幅素子の制御端子に供給するバイアス回路を有することを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
- 上記第1の半導体増幅素子の制御端子に供給される前記バイアスの特性が、上記コントロール電圧の変化に対して2段階に変化する非線形であり、上記第2の半導体増幅素子の制御端子に供給されるバイアスの特性が、上記コントロール電圧の変化に対して1段階に変化または2段階に変化する非線形であることを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
- 半導体増幅素子の従属接続によって形成される初段半導体増幅素子,中段半導体増幅素子,終段半導体増幅素子による3段構成の増幅回路と、
上記各半導体増幅素子の制御端子にコントロール電圧に対して特性が非線形のバイアスを供給するバイアス回路とを有し、
上記初段半導体増幅素子および終段半導体増幅素子に接続されるバイアス回路によって供給されるバイアスの特性が、上記コントロール電圧の変化に対して2段階に変化する非線形であり、
上記中段半導体増幅素子に接続されるバイアス回路によって供給されるバイアスの特性が、上記コントロール電圧の変化に対して1段階に変化する非線形であることを特徴とする無線通信装置。
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