JP5196755B2 - デバイス - Google Patents

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本発明は、螺旋型置換ポリアセチレンを用いたデバイスに関する。
現在、電子回路の集積化が進む中で有機半導体等の導電性有機物を用いた有機デバイスが注目を浴びている。有機デバイスは曲げることが可能であるといったメリットや、また溶液からのプロセスが可能になると安価にデバイス作製ができたり、大面積へのプロセスが可能となるといったメリットがある。
有機半導体はペンタセンのような低分子系の有機半導体とポリチオフェンなどの高分子系半導体がある。高分子系の半導体は特に溶液プロセスとの親和性がよいため大面積プロセス、低価格プロセス用の導電性材料として注目されている。しかし有機半導体を用いたデバイスはシリコン等の無機半導体に比較すると一般的に移動度が低いため、デバイスを構成したときの動作速度の向上が一つの課題となっている。また分子の屈曲部では欠陥が存在したり、伝導にホッピングが必要となったりするために電子やホール等の電荷を輸送する電荷輸送担体の移動が阻害されたりして移動度が下がる。
こうした中、置換螺旋型ポリアセチレンが導電性を有する材料として提案されている。
特許文献1では擬ヘキサゴナル構造を有し、二重結合に基づいたπ電子によるスーパー螺旋共役構造を有するポリアセチレンが開示されている。特許文献1には、ポリアセチレンは変色材料として使用できる他、電気伝導性が良いことから電子を供給する材料として利用できることが記載されている。
また、特許文献2では螺旋構造を有する置換型ポリアセチレンであって、刺激の付与により螺旋構造の密度が可逆的に変化し、吸光・発光スペクトルの特性が可逆的に変化するポリマーが開示されている。特許文献2には、置換型ポリアセチレンからなるポリマーは、導電性の変化を利用して有機半導体を構成し、EL素子、電界効果型トランジスタ等に応用できることが記載されている。
特開2004−115628号公報 特開2004−27182号公報
特許文献1及び特許文献2に開示された螺旋型置換ポリアセチレンは、導電性が得られることを示唆している。
しかしながら特許文献1及び2には螺旋型置換ポリアセチレンを用いた具体的なデバイスの構成については開示がない。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、螺旋型置換ポリアセチレンを用いた有機デバイスを提供するものである。特に、螺旋型置換ポリアセチレンを構成する分子の長さを一対の電極間の距離よりも大きくすることで、電極間の電子伝導の際、ポリアセチレン分子間のホッピングに依存する必要がなく、これにより電子の移動時間が減少し、デバイスの動作速度が向上する有機デバイスを提供するものである。
本発明により提供されるデバイスは、主鎖が周期的な螺旋構造を有する螺旋型置換ポリアセチレンと、前記螺旋型置換ポリアセチレンに電圧を印加または電流を供給するための離間した一対の電極とを備えたデバイスであって、前記螺旋型置換ポリアセチレンの分子の長さが前記一対の電極間の距離より大きいことを特徴とする。
本発明によれば、螺旋型置換ポリアセチレンを用いたデバイスを提供できる。また、螺旋型置換ポリアセチレンを構成する分子の長さを一対の電極間の距離よりも大きくすることで、電極間の電子伝導の際、ポリアセチレン分子間のホッピングに依存する必要がなく、これにより電子の移動時間が減少し、デバイスの動作速度が向上するデバイスを提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明により提供されるデバイスは、絶縁層に接して離間して配された一対の電極と、該一対の電極間を結ぶ主鎖が周期的な螺旋構造を有する螺旋型置換ポリアセチレンと、を備えたデバイスであって、前記螺旋型置換ポリアセチレンを構成する少なくとも1つの分子が、前記一対の電極間の距離以上の長さを有すると共に、該少なくとも1つ分子の形状が直線状をなし、前記一対の電極を結ぶ方向に、配置されていることを特徴とする。
本発明のデバイスは、螺旋型置換ポリアセチレンが重合体からなり、該螺旋型置換ポリアセチレンの重合体の平均分子の平均長さが前記一対の電極間の距離以上のものを包含する。
本発明のデバイスは、螺旋型置換ポリアセチレンが単一分子からなり、該螺旋型置換ポリアセチレンの単一分子の長さが前記一対の電極間の距離以上のものを包含する。
本発明のデバイスは、螺旋型置換ポリアセチレンの側鎖に非共役官能基を有するものを包含する。
また、本発明のデバイスは、螺旋型置換ポリアセチレンの側鎖に極性置換基を有するものを包含する。
また、本発明のデバイスは、一対の電極と、さらに制御電極を備えたものを包含する。
螺旋型置換ポリアセチレンはその立体規則的な構造、螺旋構造や自己組織的な構造から従来の無螺旋型置換ポリアセチレンとは異なる次世代の共役系高分子として期待されている。螺旋型置換ポリアセチレンは交互二重結合の主鎖は無螺旋型置換ポリアセチレンと同様の一次構造を持つが、水素原子よりも大きな置換基を有するため、主鎖は平面構造にならず、立体的に捻じれた構造を形成する。
本発明で使用する螺旋型置換ポリアセチレンの構造の一例を図1から図3に示す。図1に示すとおり主鎖108は交互二重結合が捻じれた螺旋構造を形成している。その螺旋構造は二重結合100,二重結合101,二重結合102の3ユニットでほぼ一回転する3/1螺旋に近い構造である(Macromol. Chem. Phys.、203,p.66−70(2002年))。この構造中では二重結合100から一巻きした二重結合103が5Å以下、より典型的には2Åから4Å程度の間隔でほぼ平行に並んでいる。同様に二重結合103と二重結合104、二重結合104と二重結合105も螺旋周期間隔で上下に並列している。図1において、106及び107は芳香環を示している。図2にはわかりやすくするために二重結合100から105を含んだ主鎖108をらせん状に記載してある。また図2では煩雑さをさけるために主鎖が1回転するごとに2つの側鎖がついているように記載されているが、実際の構造は図1のとおりおよそ1回転につき3つの側鎖がついている。図2において201と202は主鎖108に含まれる2つの炭素原子を示しており、この2つの炭素原子は主鎖の108の螺旋構造がおよそ1周期回ったところに位置しており、図示z方向に積層しているような構造を形成している。さらに図3には本発明で用いる螺旋型置換ポリアセチレン分子をz方向から見た構造を示す。また本発明で用いる螺旋型置換ポリアセチレンは長い距離に渡って上記周期構造が実現されている。その距離は典型的には5nmから10μmにわたり、その領域では分子全体の形状は図示z方向に直線状を呈する。
一般に立体規則的なポリアセチレン分子は螺旋構造を形成することが知られているが、その螺旋構造が長い距離にわたって周期構造をなすものではない。本発明によるデバイス構造で用いる螺旋型置換ポリアセチレンは、π電子軌道が重なる程度の距離の間隔、より具体的には5Å以下の周期間隔、より典型的には2Å以上4Å以下の周期間隔を有した螺旋構造を有する。しかも、その周期構造が長い距離、典型的には5nmから10μmにわたり形成されている。
一般に電子デバイスは電界効果トランジスタ(FET)やバイポーラトランジスタのようにソースとドレイン、またはエミッタとコレクタのように素子の両端に配置した電極から電流を注入する。またEL素子においても光を発する活性層に対して外部から電極を通して電流を注入する。このように電子デバイスの基本的な構造は電極とその間に配置される導電性部分から構成される。本発明で用いる螺旋型置換ポリアセチレンは剛直で直線状の構造をしているため、本螺旋型置換ポリアセチレンを電極間にはさまれた導電性部分に採用すれば、デバイスの動作速度の向上が図られる。
しかも本発明におけるデバイスにおいては電極間の距離と同じかそれよりも長い分子の長さを有する螺旋型置換ポリアセチレンを用いる。したがって、電極間の伝導で分子間のホッピングが生じないため、電極間の電荷輸送担体の移動時間が減少し、デバイス動作速度が向上する。
さらに、制御用の制御電極を配置して、螺旋型置換ポリアセチレン分子内で発現する機能を変調すると、高速な有機機能素子を実現できる。例えばこの置換ポリアセチレン内におけるキヤリア濃度、バンド構造、キャリア速度等を変調することによりスイッチング動作や増幅動作等を行う高速なトランジスタ素子を実現できる。
また本発明で用いる螺旋型置換ポリアセチレンは側鎖構造を制御することにより溶解性を制御できるため、可溶性の導電性高分子材料として用いることが出来る。本発明で用いる螺旋型置換ポリアセチレンは一分子で用いることもでき、複数分子が集まったバンドル構造や薄膜、結晶のようなバルク構造でも使用することができる。
特に電極間に一本の分子のみを配置した構造にすれば、1本の分子を用いた電子デバイス、いわゆる単分子デバイスを実現できる。単分子デバイスは一本の分子で動作するデバイスであり、デバイスの面積も小さく、消費電力も小さい。また一つ一つのデバイスが1分子なので、デバイス間のばらつきも少なくてすむ。
本発明において用いる螺旋型置換ポリアセチレンの長さは、螺旋型置換ポリアセチレンが重合体からなる場合は、該螺旋型置換ポリアセチレンの平均分子の平均長さである。また、螺旋型置換ポリアセチレンが単一分子からなる場合は、該螺旋型置換ポリアセチレンの単一分子の長さである。螺旋型置換ポリアセチレンの分子の長さの測定は、AFM(原子間力顕微鏡)により行われる。また、具体的な長さの値は、前記一対の電極間の距離より大きい値であり、例えば10nmから10μmである。
本発明に用いる螺旋型置換ポリアセチレンは、特に側鎖に芳香族環の存在が必須ではないが、芳香環を有するポリアセチレンでは、図1から図3に示すように、芳香環106と芳香環107は螺旋周期間隔で並列しており、同様に他の芳香環も主鎖方向であるz方向に対して上下方向に互いに螺旋周期間隔で並列しており、より導電性が向上する。この芳香環を窒素、酸素、硫黄原子等を含むヘテロ芳香環に置き換えても同様の効果が得られる。
以下、本発明で用いる螺旋型置換ポリアセチレンについて更に詳しく述べる。
螺旋型置換ポリアセチレンの構造としては式1に示すような構造が挙げられる。
式中X、Yは鎖状、環状の炭化水素、ヘテロ原子や金属原子を有する官能基からなる置換基を示す。nはXに結合している水素を置換する官能基の数を示し、nの値は1から20の整数である。
式中Xは、例えば置換、無置換の芳香環、ヘテロ芳香環、カルボニル結合、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、アミド結合、イミノ結合、ウレタン結合、リン酸結合、チオエーテル結合、スルフィニル基、スルホニル基、アミノ基,シリル基や任意の長さのアルキレンオキシド鎖、その他の環状もしくは鎖状の炭化水素等が挙げられる。Xは単一のYに置換されても良く、同一又は異なるYにより複数置換されても良い。
Xの具体例としてはフェニル基,チエニル基,ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、シクロへキシル基、カルボニル結合、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、アミド結合、イミノ結合、ウレタン結合、リン酸結合、チオエーテル結合、スルフィニル基、スルホニル基、アミノ基、シリル基、アミノ基、エチレンオキシド鎖、トリメチレンオキシド鎖、トリエチレンオキシド鎖、ヘキサメチレンオキシド鎖、テトラエチレンオキシド鎖、メチレン鎖、エチレン鎖,ヘキサメチレン鎖等が挙げられる。
また、式中Yは例えば上記Xで示した化学種の他にハロゲン、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、ビニル基、エチニル基等が挙げられる。また、Yは同様の化学種により置換されても良い。
Yの具体例としては、上記の他にメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基,s−ブチル基,t−ブチル基,2−メチルブチル基,n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、メチルトリメチレンオキシド基、メチルヘキサメチレンオキシド基、エチルテトラエチレンオキシド基、メチルスルフィド基、オクチルスルフィド基、フェニルジチオール基、シクロへキシル基、メチルエステル基、エチルエステル基、ブチルエステル基、アセチル基、メチルスルホキシド基、ジメチルアミノ基,アセトアミド基、トリメチルシリル基、トリメトキシシリル基、ジメチルオクチルシリル基、ニトロ基、シアノ基、ビニル基、エチニル基等が挙げられる。
螺旋型置換ポリアセチレンの大きさは、数平均重合度が50から100000の範囲である。
螺旋型置換ポリアセチレンの合成は、下記の式1Aで表されるアセチレン化合物を、遷移金属錯体を触媒として重合反応により得ることができる。
式中X、Yは鎖状、環状の炭化水素、ヘテロ原子や金属原子を有する官能基からなる置換基を示す。nはXに結合している水素を置換する官能基の数を示し、nの値は1から20の整数である。
遷移金属錯体の例としては、ロジウム(ノルボルナジエン)塩化物二量体([Rh(NBD)Cl]2)やロジウム(シクロオクタジエン)塩化物二量体([Rh(COD)Cl]2)等のロジウム化合物が挙げられ、特に[Rh(NBD)Cl]2が好ましい。(Macromol.Chem.Phys.,200、265−282(1999))助触媒としてアミンやリチウム化合物、燐化合物等が挙げられ、特にトリエチルアミンが好ましく用いられる。また、ロジウム錯体の二量体のみでなく、Rh[C(C65)=C(C652](NBD)((C653P)のような単量体を用いても良い。
溶媒としてはクロロホルムやテトラヒドロフラン、トルエンのような非極性溶媒だけでなく、エタノールやトリエチルアミン、ジメチルホルムアミド、水のような極性溶媒が挙げられる。特にクロロホルム、トルエン、エタノール、トリエチルアミンが好ましく用いられる。これらの溶媒は単独もしくは混合して用いることが出来る。
高次構造としてはバルク、薄膜等の構造が挙げられる。本発明で用いる螺旋型置換ポリアセチレン構造の生成は長い距離で螺旋間隔が定まっていることが必要であり、集合構造は必須ではない。
本発明のデバイスは、例えば、クロロホルム、トルエンのような有機溶剤に螺旋型置換ポリアセチレンを溶解させ、1.0×10-4重量%から2.0×10-2重量%程度の溶液を作成し、例えばシリコン基板上にパターニングした金,白金等の金属電極上に塗布することで基本的なデバイス構造を形成できる。
次に図1から図3に示した螺旋型置換ポリアセチレンの基本骨格は変えずに、側鎖の部分を変えた螺旋型置換ポリアセチレンの例を図4から図9を参照しながら説明する。
図4から図6に示したポリアセチレンは、側鎖に非共役官能基120を有していることが図1から図3に示したものとは異なっている。尚、図面に付記した番号で図1から図3で示された部位と同一の部位には同じ番号を付しているので、ここでの説明は省略する。図4から図6に示したポリアセチレンは、非共役官能基(例えば、アルキル基、ハロゲン原子)120を有することでアセチレン分子が直線性を有すると共に表面を絶縁性分子で被覆された構造をとり得る。
図5及び図6に示すポリアセチレンでは螺旋型分子の最外殻に非共役官能基120が存在することで、この部分が非導電性となり、中心部分が導電性を示す被覆導電性分子ワイヤを構成し得る。
非共役官能基は、ポリアセチレンの側鎖のいずれかの位置に導入されていれば良い。具体例としては、上述した式1におけるYに含まれていれば良い。Xが異なるYにより複数置換されている場合は、いずれかのYに非共役官能基が含まれていれば良い。非共役官能基としてはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン、メチレン鎖、アルキレンオキシド鎖または置換、無置換のシクロアルキル基、非共役へテロ環等が挙げられる。非共役置換基のより具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基,s−ブチル基,t−ブチル基,2−メチルブチル基,n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、ヘキサメチレン鎖、ペンタフルオロエチル基、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、トリオキシメチレン鎖、ヘキサオキシメチレン鎖、テトラオキシエチレン鎖、シクロヘキシル基が挙げられる。
次に側鎖に極性置換基を有するポリアセチレンの例を図7から図9を参照しながら説明する。ここで示すポリアセチレンは、側鎖に極性置換基Rを有していることがこれまで説明したポリアセチレンとは異なっている。尚、これらの図面の中で先に説明した部位については同一の番号を付しているので、同一部位についての説明は省略する。ポリアセチレンの側鎖に極性置換基(例えば、ニトロ基、シアノ基)を導入することにより、螺旋周期の側鎖間で双極子−双極子相互作用もしくは水素結合等の静電的相互作用が働き、螺旋構造の剛直性及び安定性が向上する。この作用により螺旋構造の欠陥が減少し、共役の範囲が広がるため、導電性が向上する効果がある。そして、極性置換基を有する螺旋型置換ポリアセチレンでは、図7に示すように極性官能基Rどうしが螺旋周期間隔で並列している。同様に他の官能基も主鎖方向に対して上下方向に互いに螺旋周期間隔で並列しているため、この構造中では螺旋周期の側鎖間で極性官能基の双極子に起因する静電的相互作用が働く。このように極性官能基の存在により螺旋構造の剛直性及び安定性の向上に寄与すると共に、螺旋周期間隔を制御する作用もある。ここで、極性官能基として、水素結合する水素結合性置換基(例えば、アミド基)を有する螺旋型置換ポリアセチレンの場合には、水素結合性官能基Rどうしは螺旋周期間隔で並列し、同様に他の官能基も主鎖方向に対して上下方向に並列している。そのため、この構造中では螺旋周期の側鎖間で水素結合性官能基に起因する水素結合が形成される。極性置換基は、上述した式1のX又はYのいずれかに含まれていれば良く、X及びYの両方に含まれていても良い。Xが異なるYにより複数置換されている場合は、いずれかのYに極性官能基が含まれていれば良い。極性官能基としてはハロゲン、ニトロ基、シアノ基又はカルボニル結合、エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、イミノ結合、ウレタン結合、リン酸結合、スルフィニル基、スルホニル基、アミノ基等が挙げられる。
次に本発明のデバイスの具体的な構成について、図面を参照しながら説明する。
図10は本発明の有機デバイスの一例を示す模式図である。図10において、401は基板、402は絶縁膜であり、403及び404は離間して配された一対の電極、405は螺旋型置換ポリアセチレンである。基板401に例えばハイドープのシリコン基板等の導電性の基板材料を用いることで、基板401を螺旋型置換ポリアセチレンに電圧を印加する制御電極として用いることもできる。402は絶縁膜で、制御電極としての基板401と螺旋型置換ポリアセチレン405の間を絶縁する。電極403、404は螺旋型置換ポリアセチレン405に電圧を印加したり、電流を注入する機能を担う。本発明では螺旋型置換ポリアセチレン405を構成する分子の長さが、電極403,403の間距離以上の長さを有するため、電子は電極403と404の間で分子間のホッピングが抑制される。これにより、電極403、404の間をキャリアが高速に走るためデバイスの動作速度の向上がはかられる。図10で螺旋型置換ポリアセチレン405の長さが電極403と404の間隔と同じでもよく、この場合は螺旋型置換ポリアセチレン405の両端が電極403と404の両者に接する配置となる。さらに、制御用電極を設けた場合には螺旋型置換ポリアセチレン分子内で発現する機能を変調するもので、高速な機能素子を実現できる。例えばこの螺旋型置換ポリアセチレン内におけるキヤリア濃度、バンド構造、キャリア速度等を変調することによりスイッチング動作や増幅動作等を行う高速なトランジスタ素子を実現できる。このようなデバイス構造において螺旋型置換ポリアセチレン分子の側鎖に適切な分子を用いることにより、様々な機能を発現する有機デバイスを形成することができる。
図11には螺旋型置換ポリアセチレン分子505を1分子のみ電極間に配置した場合のデバイス構造を示す。図11においては配置された螺旋型置換ポリアセチレン分子505の数が1分子であるという点が図10と異なっている。デバイスの消費電力を考えると分子の数が少ない方がよく、分子一本にすることにより消費電力が究極的に少なくなると同時に素子間の特性のばらつきを少なくすることができる。
以下、具体的に実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例1
本実施例はポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)を用いた有機デバイスの例である。
(モノマーの合成)
ヨードフェノール11.0g(50mmol)と水酸化ナトリウム6.0g(150mmol)をジメチルスルホキシド50mlに溶解し、臭化オクチル9.7g(50mmol)を添加し、室温で4時間攪拌して反応させた。これに200mlのクロロホルムを添加し、クロロホルムに生成物を抽出した後、クロロホルム層を蒸留水で洗浄した。その後、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、クロロホルムを留去して生成物Aを得た。得られた生成物Aは、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で精製し、収率99%で得られた。
上記生成物A16.6g(50mmol)を250mlのトリエチルアミンに溶解し、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)350mgとヨウ化銅2.4gとトリフェニルホスフィン650mgとテトラt−ブチルアンモニウム塩化物7.0gを添加した後、3−メチル−1−ブチン−3−オール10.5g(125mmol)を滴下し,加熱還流下で4時間反応させた。エバポレーターで溶剤を留去した後、200mlのクロロホルムを添加し、生成物を抽出した。クロロホルム層を希塩酸及び蒸留水で洗浄した後、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、クロロホルムを留去して生成物Bを得た。得られた生成物Bは、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)を用いて精製し、収率90%で得られた。
こうして得られた化合物B9.0g(31mmol)を100mlのエタノール、4.4g(78mmol)の水酸化カリウムの混合物へ添加し、乾留下で4時間反応させた。これに100mlのクロロホルムを添加し、クロロホルムに生成物を抽出した後、クロロホルム層を炭酸水素ナトリウム水溶液及び蒸留水で洗浄した。その後、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、クロロホルムを留去して生成物を得た。得られた生成物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で精製し、収率69%で下記式2の化合物(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)を得た。
上記のようにして得られた化合物の構造は1H−NMRスペクトルにより確認した。1H−NMRスペクトルの結果を以下に示し、1H−NMRチャートを図14に示す。
(図14の実験データの説明)
1H−NMR(TMS標準、CDCl3溶媒)
δ(ppm):0.9(triplet,3H −C 3 )、1.3(multiplet,8H −(C 2 4−CH3)、1.5(quintet,2H −O−(CH22−C 2 −)、1.8(quintet,2H −O−CH2−C 2 −)、3.0(singlet,1H −C≡C)、4.0(triplet,2H −O−C 2 −)、6.8(doublet,2H Phenyl)、7.4(doublet,2H Phenyl)
(モノマーからの重合)
試験管にロジウム(ノルボルナジエン)塩化物二量体6.0mg、トリエチルアミン110mgとエタノール3.3mlを入れ、上記の方法で合成した式2の化合物(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)0.3gとエタノール3.3mlの混合液をシリンジで注入することにより重合反応を開始させた。反応は20℃で2時間行った。沈澱したポリマーをメタノールで洗浄、濾過した後、真空乾燥し、収率90%で目的物を得た。得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は2.9×105であり、分子量分散(Mw/Mn)は2.0であった。得られたポリマーの構造は1H−NMRスペクトルにより確認した。重クロロホルム溶媒で測定した1H−NMRスペクトルの結果を以下に示し、1H−NMRチャートを図15に示す。
1H−NMR(TMS標準、CDCl3溶媒)
δ(ppm):0.9(broad,3H −O−(CH27−C 3 )、1.3(broad,8H −(C 2 4−CH3)、1.4(broad,2H −O−(CH22−C 2 −)、1.7(broad,2H −O−CH2−C 2 −)、3.7(broad,2H −O−C 2 −)、5.8(singlet,1H −C=C−)、6.5(broad,2H Phenyl)、6.6(broad,2H Phenyl)
(デバイスの作製)
得られたポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)を電極間に塗布してデバイスを作製する。
本実施例によるデバイス構成を図12に示す。
本実施例によるデバイスは表面に膜厚300nmの熱酸化膜802を有したハイドープのSi基板801に形成される。803と804は電子ビーム露光を用いたリソグラフィーにより形成したAu電極であり電極間の距離はおよそ50nmである。上記方法により得られたポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)1.0mgをクロロホルム1.0mlに溶解させ、1.0×10-3重量%の溶液を作成する。この溶液をシリコン基板上にパターニングした金電極上803及び804上にスピンコート法で塗布する。これにより薄膜状のポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)805を形成する。本実施例で用いるポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)805の平均長さはおよそ100nmであり、多数の分子が電極803と804の両方に接触することになり、電極803と804の間での分子間のホッピング伝導が抑制される。なお、ポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)805の長さはAFMにより測定できる。
本デバイスではSi基板801がゲート電極として動作し、ここへの電圧印加により電極803と804の間に流れる電流を制御する。
実施例2
実施例2は螺旋型置換ポリアセチレン分子一本を電極間に配置した例である。そのデバイス構成を図13に示す。本実施例では実施例1で用いたポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)の1分子だけ電極903と904の間に配置する。図13においてはこの1分子を905で示している。このように一分子だけを配置する方法としては、実施例1において示したポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)分子の電極間へのスピンコートによる塗布において濃度を薄くして塗布するといった方法や、AFMのプローブを用いて分子を並べたりするといった方法が挙げられる。
濃度を薄くして塗布する例としてはポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)0.001mgをクロロホルム1.0mlに溶解させ、1.0×10-5重量%の溶液を作成する。この溶液をシリコン基板上にパターニングした金電極アレイ上にスピンコート法で塗布することでポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)905が電極間にちょうど一つ配置したところを選択して、これをデバイスとして使用する。本実施例で用いたポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)の長さはおよそ100nmである。
実施例3
実施例1と同様に試験管にロジウム(ノルボルナジエン)塩化物二量体11.4mg、トリエチルアミン208mgとクロロホルム6.2mlを入れ、下記式3の化合物(2−エチニル−3−オクチルチオフェン)を0.5gとクロロホルム6.2mlの混合液をシリンジで注入することにより重合反応を開始させた。反応は30℃で2時間行った。沈澱したポリマーをメタノールで洗浄、濾過した後、真空乾燥し、収率71%で目的物を得た。得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は10.7×104であり、分子量分散(Mw/Mn)は4.0であった。
得られたポリ(2−エチニル−3−オクチルチオフェン)1.0mgをクロロホルム1.0mlに溶解させ、1.0x10−3重量%の溶液を作成する。この溶液をシリコン基板上にパターニングした金電極上にスピンコート法で塗布することでデバイス構造を作成する。
本実施例においても実施例1と同様なデバイス構造を実施例1と同様に作製できる。デバイス構造は図12に示したもの同様であるが、螺旋型置換ポリアセチレン805として、ポリ(2−エチニル−3−オクチルチオフェン)を用いている点が実施例1と異なる。本実施例で用いたポリ(2−エチニル−3−オクチルチオフェン)の平均長さはおよそ70nmである。
実施例4
本実施例はポリ(p−2−エチルヘキシルアミドフェニルアセチレン)を用いた有機デバイスの例である。
(モノマーの合成)
p−ヨード安息香酸10g(40.3mmol)とジメチルホルムアミド0.15mlをトルエン20mlに溶解し、塩化チオニル7.3g(61.3mmol)を添加し、室温で4時間攪拌して反応させた。この溶液を減圧加熱することにより塩化チオニルを除いた後、2−エチルヘキシルアミン11.6gとトルエン7.5mlの混合液を添加し、室温で4時間攪拌して反応させた。この溶液に100mlのクロロホルムを添加し,クロロホルムに生成物を抽出した後、クロロホルム層を蒸留水で洗浄した。その後、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、クロロホルムを留去して生成物を得た。得られた生成物は、カラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で生成し,収率94%で得られた。
上記生成物128mmolを200mlのトリエチルアミンに溶解し,ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)とヨウ化銅とトリフェニルホスフィン、テトラn−ブチルアンモニウム塩化物を添加した後、還流下で3時間反応させた。エバポレーターで溶剤を留去した後、100mlのクロロホルムを添加し、生成物を抽出した。クロロホルム層を希塩酸及び蒸留水で洗浄した後、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、クロロホルムを留去して生成物を得た。得られた生成物は、カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)で生成し,収率69%で得られた。
こうして得られた化合物27gを200mlのエタノール,4.2gの水酸化カリウムの混合物へ添加し、還流下で4時間反応させた。これに100mlのクロロホルムを添加し,クロロホルムに生成物を抽出した後,クロロホルム層を炭酸水素ナトリウム水溶液及び蒸留水で洗浄した。その後、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、クロロホルムを留去して生成物を得た。得られた生成物は、カラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で生成し,収率15%で式4の化合物(p−2−エチルヘキシルアミドフェニルアセチレン)を得た。得られたポリマーの構造は1H−NMRスペクトルにより確認した。重クロロホルム溶媒で測定した1H−NMRスペクトルの結果を以下に示し、1H−NMRチャートを図16に示す。
1H−NMR(TMS標準、CDCl3溶媒)
δ(ppm):0.9(triplet,3H −(CH23−C 3 )、1.0(triplet,3H >CH−CH2−C 3 )、1.3(broad,8H −C 2 −)、1.4(quintet,2H −C(O)NH−CH2−C<)、3.2(singlet,1H −C≡C)、3.4(triplet,2H −C(O)NH−C 2 −)、6.1(broad,1H −C(O)N−)、7.6(doublet,2H Phenyl)、7.7(doublet,2H Phenyl)
(モノマーからの重合)
試験管にロジウム(ノルボルナジエン)塩化物二量体13mg,トリエチルアミン160mgとクロロホルム4.8mlを入れ、上記の方法で合成した式4の化合物(p−2−エチルヘキシルアミドフェニルアセチレン)0.5gとクロロホルム4.8mlの混合液をシリンジで注入することにより重合反応を開始させた。反応は30℃で2時間行った。沈澱したポリマーをメタノールで洗浄、濾過した後、真空乾燥し、収率80%で目的物を得た。得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は1.33×105であり、分子量分散(Mw/Mn)は3.5であった。得られたポリマーの構造は1H−NMRスペクトルにより確認した。重クロロホルム溶媒で測定した1H−NMRスペクトルの結果を以下に示し、1H−NMRチャートを図17に示す。
1H−NMR(TMS標準、CDCl3溶媒)
δ(ppm):0.9(broad,6H −C 3 )、1.4(broad,8H −C 2 −)、1.8(broad,1H −C(O)NH−CH2−C<)、3.4(broad,2H −C(O)NH−C 2 −)、5.5(singlet,1H −C=C−)、6.2(broad,2H Phenyl)、6.8(broad,2H Phenyl)、8.8(broad,1H −C(O)N−)
(デバイスの作製)
得られたポリ(p−2−エチルヘキシルアミドフェニルアセチレン)を電極間に塗布してデバイスを作製する。得られたポリ(p−2−エチルヘキシルアミドフェニルアセチレン)を用いた以外、実施例1と同様にしてデバイスを作製した。本実施例で用いたポリ(p−2−エチルヘキシルアミドフェニルアセチレン)の平均長さはおよそ80nmである。
実施例5
実施例4で合成したポリ(p−2−エチルヘキシルアミドフェニルアセチレン)を用いた以外は実施例2と同様にして電極間に一本のポリアセチレン分子を配したデバイスを作製した。本実施例で用いたポリ(p−2−エチルヘキシルアミドフェニルアセチレン)の平均長さはおよそ80nmである。
実施例6
実施例4と同様に試験管にロジウム(ノルボルナジエン)塩化物二量体47mg、メタノール2.6mlを入れ、下記式5のエチルプロピオレート0.5gとメタノール2.5mlの混合液をシリンジで注入することにより重合反応を開始させた。反応は40℃で24時間行った。沈澱したポリマーをメタノールで洗浄、濾過した後、真空乾燥し、収率59%で目的物を得た。GPCにより評価したポリマーの数平均分子量(Mn)は4.2×104であり、分子量分散(Mw/Mn)は6.4であった。得られたポリマーの構造は1H−NMRスペクトルにより確認した。重クロロホルム溶媒で測定した1H−NMRスペクトルの結果を以下に示し、1H−NMRチャートを図18に示す。
1H−NMR(TMS標準、CDCl3溶媒)
δ(ppm):1.3(broad、3H −O−CH2−C 3 )、3.9から4.0(broad、2H −O−C 2 −CH3)、6.9(singlet、1H −C=C−)
得られたポリエチルプロピオレート1.0mgをクロロホルム1.0mlに溶解させ、1.0×10-3重量%の溶液を作成する。この溶液をシリコン基板上にパターニングした金電極上にスピンコート法で塗布することでデバイス構造を作成する。本実施例においても実施例4と同様なデバイスを作製できる。本実施例で用いたポリエチルプロピオレートの平均長さはおよそ80nmである。
本発明の有機デバイスは、螺旋型置換ポリアセチレンを構成する分子の長さを一対の電極間の距離よりも大きいので、電極間の電子伝導の際、ポリアセチレン分子間のホッピングに依存する必要がなく、電子の移動時間が減少し、デバイスの動作速度が向上する。そのために、本発明の有機デバイスは、スイッチング素子やトランジスタ素子に利用することができる。
本発明における螺旋型置換ポリアセチレンの構造を説明する説明図である。 本発明における螺旋型置換ポリアセチレンの構造を説明する説明図である。 本発明における螺旋型置換ポリアセチレンの構造を説明する説明図である。 本発明における螺旋型置換ポリアセチレンの構造を説明する説明図である。 本発明における螺旋型置換ポリアセチレンの構造を説明する説明図である。 本発明における螺旋型置換ポリアセチレンの構造を説明する説明図である。 本発明における螺旋型置換ポリアセチレンの構造を説明する説明図である。 本発明における螺旋型置換ポリアセチレンの構造を説明する説明図である。 本発明における螺旋型置換ポリアセチレンの構造を説明する説明図である。 本発明の有機デバイスの構造の一実施態様を示す概略図である。 本発明の有機デバイスの構造の他の実施態様を示す概略図である。 本発明の実施例1の有機デバイスのを示す概略図である。 本発明の実施例2の有機デバイスのを示す概略図である。 実施例1で得られたp−オクチルオキシフェニルアセチレンの1H−NMRスペクトルを示す図である。 実施例1で得られたポリ(p−オクチルオキシフェニルアセチレン)の1H−NMRスペクトルを示す図である。 実施例4で得られたp−2−エチルヘキシルアミドフェニルアセチレンの1H−NMRスペクトルを示す図である。 実施例4で得られたポリ(p−2−エチルヘキシルアミドフェニルアセチレン)の1H−NMRスペクトルを示す図である。 実施例6で得られたポリエチルプロピオレートの1H−NMRスペクトルを示す図である。
符号の説明
100、101、102、103、104、105 二重結合
106、107 芳香環
108 主鎖
120 非共役官能基
201、202 炭素原子
401 基板
402 絶縁膜
403、404 電極
405 螺旋型置換ポリアセチレン
501 基板
502 絶縁膜
503、504 電極
505 螺旋型置換ポリアセチレン分子
801 Si基板
802 熱酸化膜
803、804 電極
805 螺旋型置換ポリアセチレン
901 Si基板
902 熱酸化膜
903、904 電極
905 螺旋型置換ポリアセチレン分子

Claims (6)

  1. 絶縁層に接して離間して配された一対の電極と、該一対の電極間を結ぶ主鎖が周期的な螺旋構造を有する螺旋型置換ポリアセチレンと、を備えたデバイスであって、前記螺旋型置換ポリアセチレンを構成する少なくとも1つの分子が、前記一対の電極間の距離以上の長さを有すると共に、該少なくとも1つ分子の形状が直線状をなし、前記一対の電極を結ぶ方向に、配置されていることを特徴とするデバイス。
  2. 前記螺旋型置換ポリアセチレンの平均分子の平均長さが、前記一対の電極間の距離以上である請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記螺旋型置換ポリアセチレンが単一分子からなり、該単一分子の長さが、前記一対の電極間の距離以上である請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記螺旋型置換ポリアセチレンは側鎖に非共役官能基を有する請求項1乃至3のいずれかの項に記載のデバイス。
  5. 前記螺旋型置換ポリアセチレンは側鎖に極性置換基を有する請求項1乃至3のいずれかの項に記載のデバイス。
  6. 前記絶縁層に接して配された制御用電極をさらに備える電界効果型の請求項1乃至5のいずれかの項に記載のデバイス。
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