JP5195269B2 - 一方向クラッチ及びその製造方法 - Google Patents

一方向クラッチ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5195269B2
JP5195269B2 JP2008269942A JP2008269942A JP5195269B2 JP 5195269 B2 JP5195269 B2 JP 5195269B2 JP 2008269942 A JP2008269942 A JP 2008269942A JP 2008269942 A JP2008269942 A JP 2008269942A JP 5195269 B2 JP5195269 B2 JP 5195269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter side
way clutch
side member
outer diameter
cage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008269942A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010054042A (ja
JP2010054042A5 (ja
Inventor
貴久 中田
一登 小林
毅 伊藤
徹也 児玉
裕之 伊藤
隆 藤岡
幹史 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2008269942A priority Critical patent/JP5195269B2/ja
Publication of JP2010054042A publication Critical patent/JP2010054042A/ja
Publication of JP2010054042A5 publication Critical patent/JP2010054042A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5195269B2 publication Critical patent/JP5195269B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

この発明は、自動二輪車等のスタータモータ式始動装置や各種機械の動力伝達装置に組み込まれる、一方向クラッチ及びその製造方法の改良に関する。特に本発明は、一方向クラッチを構成する外径側部材の製造を、容易且つ精度良く行える構造及び製造方法、更には、この様な構造を有する一方向クラッチを、上述の様な各種装置に組み付ける作業を容易に行える構造及び製造方法を実現するものである。
自動二輪車等のスタータモータ式始動装置等に一方向クラッチを組み込む事が、例えば、特許文献1〜9に記載されている様に、従来から行われている。このうちの特許文献1には、図59に示す様な、自動二輪車のエンジンと始動装置との間の動力伝達構造が記載されている。セルモータ1の回転軸2の回転は、歯車伝達機構3及び一方向クラッチ4を介してクランクシャフト5に伝達される。そして、このクランクシャフト5の回転によりエンジンのピストン6が駆動され、エンジンが始動する。上記一方向クラッチ4は、上記セルモータ1の始動により、上記歯車機構3を構成する大歯車7に固定した出力軸8が回転した場合に、この出力軸8の回転を上記クランクシャフト5に伝達する。一方、エンジン始動後は、これら出力軸8とクランクシャフト5との間で動力の伝達を行わない。
上述の様に作用する一方向クラッチの具体的な構造に就いて説明する。図60〜61は、上記各特許文献のうちの特許文献2に記載されたもので、一方向クラッチの従来構造の第1例を示している。一方向クラッチ4aは、外輪9と、内径側部材10と、複数のローラ11、11と、これら各ローラ11、11と同数のばね12、12と、カバー13とから構成される。このうちの外輪9は、例えば、上述のクランクシャフト5に接続されるもので、内周面の円周方向複数個所に、それぞれが径方向外方に凹んだ凹入部14、14を形成している。又、上記内径側部材10は、例えば、上述の出力軸8に接続されるもので、上記外輪9の内径側に配置される。又、上記各ローラ11、11及びばね12、12は、上記各凹入部14、14内にそれぞれ配置される。従って、上記従来構造の第1例の場合、これら各凹入部14、14がポケットに相当する。又、上記カバー13は、上記各ローラ11、11及びばね12、12が、上記各凹入部14、14から脱落しない様に、これら各凹入部14、14を覆うものである。
又、上記各凹入部14、14の奥面を、それぞれカム面15、15としている。そして、これら各カム面15、15と上記内径側部材10の外周面との間隔を、円周方向一方(図60、61の反時計方向)に向かう程小さくしている。上記各ばね12、12は、上記各凹入部14、14の、上記間隔が大きくなる側の円周方向片側面に一端を当接させた状態で、上記各ローラ11、11を上記間隔が小さくなる方向に押圧している。即ち、上記各凹入部14、14の円周方向片側面を、それぞれ、上記各ばね12、12の弾性力を支承可能な受部としている。
上述の様に構成される一方向クラッチ4aは、次の様に作動する。即ち、内径側部材10が上記外輪9に対し、図60、61の反時計方向に相対回転する傾向となった場合、上記各ローラ11、11が、上記内径側部材10の外周面と上記各カム面15、15との間の間隔が小さい部分に食い込む。この結果、上記内径側部材10と上記外輪9とがロック状態となり、これら内径側部材10と外輪9との間で動力が伝達される。これに対して、この内径側部材10が上記外輪9に対し、図60、61の時計方向に相対回転する傾向となった場合、上記各ローラ11、11が、上記間隔が大きい部分に向けて変位する傾向となる。この結果、上記内径側部材10と上記外輪9とがオーバーラン状態となり、これら内径側部材10と外輪9との間で動力の伝達が行われなくなる。
一方、図62は、特許文献5に記載された、一方向クラッチの従来構造の第2例を示している。この従来構造の第2例の場合、外輪9aを板金製としている。即ち、この外輪9aを構成する、図示しない円輪部の外周縁の円周方向複数個所を折り曲げて部分円筒部36、36とし、これら各部分円筒部36、36の中間部をそれぞれ径方向内方に屈曲させる事により、カム面15a、15aを形成している。又、各ローラ11、11及びばね12a、12aを保持する為の保持器16を、上記外輪9aの内径側に配置している。又、この保持器16の円周方向複数個所に、上記各ローラ11、11を配置する為のポケット17、17を形成している。又、これら各ポケット17、17毎にそれぞれ円周方向に亙って形成した有底溝18、18内の奥部に、上記各ばね12a、12aをそれぞれ配置している。そして、これら各ばね12a、12aにより、上記各有底溝18、18の開口寄り部分に挿通した押圧棒19、19を介して、上記各ローラ11、11に弾性力を付与している。この様な図62に示した構造の場合、上記各ばね12a、12aの弾性力を支承する受部は、上記各有底溝18、18の底面である。
又、上記外輪9aと上記保持器16とは、ねじ20、20により結合している。即ち、この外輪9aを構成する上記円輪部と、上記保持器16の上記各ポケット17、17から外れた部分とを上記ねじ20、20により結合している。上述の様な一方向クラッチ4bは、次の様に作動する。即ち、上記保持器16の内径側に配置される内径側部材10aが、上記外輪9aに対し、図62の時計方向に相対回転する傾向となった場合に、上記内径側部材10aと上記外輪9aとの間で動力が伝達される。これに対して、この内径側部材10aが、上記外輪9aに対し、図62の反時計方向に相対回転する傾向となった場合に、上記内径側部材10aと外輪9aとの間で動力の伝達が行われなくなる。
上述の様に構成される、一方向クラッチの従来構造の第1、2例の場合、次の様な理由により、一方向クラッチの製造コストが嵩む。先ず、図60〜61に示した従来構造の第1例の場合、金属製の円筒部材に打ち抜き加工を施して、外輪9に凹入部14、14を形成している。この様な従来構造の第1例の場合、凹入部14、14にローラ11、11及びばね12、12を配置する為、これら各凹入部14、14の深さが大きい。この為、1回の工程でこれら各凹入部14、14を打ち抜き加工により形成する場合、成形時の応力が大きくなり、これら各凹入部14、14を精度良く形成する事が難しい。又、これら各凹入部14、14を打ち抜きにより形成している為、これら各凹入部14、14の奥面に設けるカム面15、15に破断面が生じる。この為、これら各カム面15、15の加工精度を確保しにくい。
これに対して、上記各凹入部14、14及び各カム面15、15を精度良く形成する為には、これら各凹入部14、14の打ち抜きの工程を複数回に分けて行ったり、打ち抜き後のカム面15、15の仕上げ加工を十分に行う必要がある等、製造コストが嵩む。一方、図62に示した従来構造の第2例の場合、保持器16に、ポケット17、17に加えて有底溝18、18を形成する必要があり、やはり、製造コストが嵩む。
又、上記従来構造の第2例の場合、外輪9aを構成する円輪部の外周縁複数個所を折り曲げた各部分円筒部36、36の中間部を屈曲させる事により、カム面15aを形成する為、このカム面15aを形成した部分の強度及び剛性は低い。この為、各ローラ11、11からこのカム面15aに大きな力が作用した場合に、このカム面15aを形成した部分が径方向外方に変形して、内径側部材10aから外輪9aに対して動力の伝達が十分に行われない可能性がある。即ち、一方向クラッチ4bによる動力伝達を行う場合(即ち、ロック状態の場合)、上記各ローラ11、11が、上記カム面15aと上記内径側部材10aの外周面との間の間隔が狭い部分に向けて変位する傾向となる。この場合、上記各ローラ11、11から上記カム面15aと上記内径側部材10aの外周面とに対し、互いに離れる方向の力が作用する。従って、上記カム面15aを形成した部分の強度及び剛性が低い場合、上記各ローラ11、11から作用する力により、このカム面15aを形成した部分が径方向外方に変形し易い。そして、変形した場合には、上記内径側部材10aの回転が、上記各ローラ11、11を介して上記外輪9aに伝達されにくくなる(即ち、動力の伝達が行われにくくなる)。
特開2004−346951号公報 特開2003−172377号公報 特公平6−65899号公報 特公平5−82487号公報 特許第2656313号公報 特開平2−89824号公報 特許第2749855号公報 特公平5−31687号公報 特開昭60−26822号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、外径側部材のカム面を形成した部分の強度を十分に確保すると共に、この外径側部材の製造を容易且つ精度良く行え、更には、この様な構造を有する一方向クラッチを、各種装置に組み付ける作業を容易に行え、一方向クラッチの製造コストを低くできる構造及び製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明の一方向クラッチ及びその製造方法のうち、請求項1に記載した一方向クラッチは、外径側部材と、複数(例えば、3個以上)のローラと、複数(例えば、3個以上)の弾性部材と、保持器とを備える。
このうちの外径側部材は、金属製の円筒(円環)部材の内周面を塑性変形させる事により、内周面に、円周方向に亙る凹凸であるカム面を形成している。
又、上記各ローラは、このカム面と、上記外径側部材の内側に配置される内径側部材の外周面との間の、円周方向複数個所(例えば、3個所以上)に配置される。
又、上記各弾性部材は、上記各ローラを、上記カム面と上記内径側部材の外周面との間隔が狭くなる方向にそれぞれ押圧する。この様な弾性部材として、例えば、弾性を有する金属製或は合成樹脂製の、板材或は線材を曲げ形成したばねや、ゴム等が挙げられる。
又、上記保持器は、上記外径側部材と結合した状態で、この外径側部材と上記内径側部材との間に配置されるもので、略円輪状(通常の円輪状の部材以外に、例えば、円輪状の部分から円周方向の何れかの部分に突部や凹部が形成されている様な部材を含む概念)の平板部と、複数の突部とを備える。これら各突部は、この平板部の片側面の円周方向複数個所に、それぞれが上記平板部と一体に突設され、円周方向片側面を、それぞれ、上記各弾性部材の弾性力を支承可能な受部としている。又、上記各突部同士の間部分を、上記各ローラ及び各弾性部材を収納する為のポケットとしている。
更に、上記外径側部材は、内周面に上記カム面を有する円筒部と、この円筒部の軸方向一端部から径方向内方に突出した内向鍔部とを一体に形成したものである。
そして、上記保持器の各ポケット内に上記各ローラ及び上記各弾性部材を収納すると共に、上記外径側部材と上記保持器とを結合した状態で、これら各ローラ及び各弾性部材を、上記内向鍔部とこの保持器の平板部との間に配置している。
又、上述の請求項1に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した発明の様に、保持器として、合成樹脂の射出成形により、或は、例えば、アルミニウム合金等の金属材料の型成形(ダイキャスト成形、鋳造)により形成されたものを使用する。
又、より好ましくは、請求項8に記載した発明の様に、保持器を構成する各突部の円周方向他側面で、各ローラの中心よりもこの保持器の径方向に関し内方部分に、各ポケット内に向けて突出する突片を形成する。
そして、これら各ポケット内に上記各ローラ及び各弾性部材を配置し、これら各弾性部材の弾性力によりこれら各ローラを上記各突部の円周方向他側面に押し付けた状態で、これら各ローラの外周面と上記各突片とを係合させる。
これにより、これら各ローラが径方向内方に脱落する事を防止する。
又、より好ましくは、請求項9に記載した発明の様に、保持器を構成する各突部の円周方向片側面の一部に、各ローラに向けて突出する突片を、それぞれ形成する。これら各突片の円周方向に関する突出量は、これら各ローラと各突片との係合に基づき、各弾性部材が押し潰され切らない(弾性変形の余地が残る)程度、確保する。
この場合に好ましくは、請求項10に記載した発明の様に、各突片を、各ローラの中心よりも径方向内方部分に形成する。そして、これら各突片の先端部と、この先端部と円周方向に対向する各突部の円周方向他側面との間隔を、上記各ローラの外径よりも小さくする。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項11に記載した発明の様に、外径側部材の円筒部の内周面と内向鍔部の保持器を配置する側の片側面との連続部に、全周に亙って溝(逃げ溝)を形成する。又、この溝と上記内向鍔部の片側面とを角部がない様に(滑らかに)連続させる。
又、より好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、外径側部材の内周面に、保持器の各突部を締め代を有する状態で嵌合する事により、これら外径側部材と保持器とを結合する。
この場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、各突部の径方向中間部に円周方向に亙ってスリットを設ける。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、外径側部材の内向鍔部の内周縁に、保持器の各突部の端面から突出した突起部を締め代を有する状態で嵌合する事により、これら外径側部材と保持器とを結合する。
或は、請求項6に記載した発明の様に、外径側部材の内向鍔部の内周縁部に、保持器の各突部の端面から突出した爪部を係合する事により、これら外径側部材と保持器とを結合する。
又、上述の各発明を実施する場合に好ましくは、請求項12に記載した発明の様に、保持器の平板部の円周方向複数個所で各突部から外れた位置に、この平板部を貫通する透孔を、それぞれ形成する。
この場合に好ましくは、請求項13に記載した発明の様に、各透孔を、円周方向に長い長孔とする。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項14に記載した発明の様に、外径側部材の内向鍔部の内周縁部と内径側部材の外周面との間に、各ローラが存在する空間内に潤滑油が流通可能な隙間を設ける。
又、請求項15に記載した一方向クラッチの製造方法は、上述の様な一方向クラッチの製造方法である。
この製造方法では、先ず、内径が外径側部材のカム面の内接円の直径よりも小さい金属製の円筒部材の外周面を拘束した状態で、この円筒部材の内径寄り部分にパンチを、軸方向に押し込む。そして、この円筒部材の内周面に上記外径側部材のカム面を形成する。これと共に、この際に生じた余肉をこの円筒部材の軸方向一端側に移動させる事により、この円筒部材の一端部に、上記カム面よりも径方向内方に突出した素内向鍔部を形成する。
その後、この素内向鍔部の内径寄り部分を除去して、上記外径側部材の内向鍔部とする。
この様な本発明の一方向クラッチの製造方法を実施する場合に、例えば請求項16に記載した発明の様に、造るべき外径側部材の円筒部の外周面を、軸方向に関して直径が変化しない円筒面とする。そして、円筒部材の軸方向両端面のうち、上記パンチの押し込み側の端面のうちでこのパンチにより押圧される部分の周囲部分を抑え部材で抑え付ける事により、上記円筒部材の軸方向の厚さが変化しない状態とする。そして、この円筒部材の内径寄り部分にパンチを押し込む。
又、請求項17に記載した一方向クラッチの製造方法は、先ず、外径側部材と保持器との間に、各ローラ及び各弾性部材を組み込んだ状態で、結合部材によりこれら外径側部材と保持器とを不離に結合して、一方向クラッチ組立体とする。
そして、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に、上記結合部材を外す。
又、上述の請求項17に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項18に記載した発明の様に、結合部材として、側板部と、この側板部の片側面から突出した少なくとも2個の腕部と、これら各腕部の先端部にそれぞれ設けた鉤部とを備えたものを使用する。
そして、上記側板部を、外径側部材と保持器との何れか一方の部材の側面に当接させると共に、上記各腕部をこれら両部材の外径側或は内径側に配置し、上記各鉤部を他方の部材の側面に係合する。
これにより、これら両部材を不離に結合する。
又、上述の請求項18に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項19に記載した発明の様に、結合部材の各腕部のうち、少なくとも1個の腕部を、外径側部材及び保持器の内径側に配置する。
そして、この腕部が、これら両部材内に配置されるローラと干渉しない位置に配置される様に、上記結合部材の円周方向に関する位置決めを行う。
上述の請求項19に記載した製造方法の発明を適用する、具体的な構造としては、例えば、請求項20に記載した発明の様に、結合部材の側板部を、外径側部材の側面に当接するものとする。
又、この側板部に各腕部と同じ方向に突出する位置決め突部を設ける。
そして、上記外径側部材の側面に軸方向に形成した、例えば、装置に組み付ける為にボルトを螺合したり挿通する、ねじ孔或は通孔に、上記位置決め突部を挿入する事により、上記結合部材の円周方向に関する位置決めを行う。
又、請求項21に記載した一方向クラッチの製造方法は、先ず、保持器の各突部のうちの少なくとも2個の突部の先端面に、それぞれ弾性突出部を突出形成し、これら各弾性突出部の基端寄り部分に係合爪を、それぞれ設ける。
又、上記保持器を外径側部材に組み付ける際に、上記各弾性突出部を弾性変形させつつ上記外径側部材の内向鍔部の内周縁を通過させ、通過後に、上記各係合爪をこの内向鍔部の側面の径方向内端部に係合させる。
これにより、上記外径側部材と保持器とを不離に結合して一方向クラッチ組立体とする。
そして、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に、上記各弾性突出部を除去する。
又、請求項22に記載した一方向クラッチの製造方法は、先ず、保持器の各突部のうちの少なくとも2個の突部の先端面に、それぞれ弾性突出部を突出形成する。
又、上記保持器を外径側部材に組み付ける際に、これら各弾性突出部を弾性変形させつつ この外径側部材の内向鍔部の内周縁を通過させ、通過後に、上記各弾性突出部の基端部をこの内向鍔部の内周面に弾性的に当接させる。
これにより、上記外径側部材と保持器とを不離に結合して一方向クラッチ組立体とし、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に上記各弾性突出部を除去する。
上述の様に構成する本発明の一方向クラッチ及びその製造方法によれば、外径側部材のカム面を形成した部分の強度を十分に確保すると共に、この外径側部材の製造を容易且つ精度良く行え、一方向クラッチの製造コストを低くできる。
即ち、本発明の場合、金属製の円筒部材の内周面を塑性変形させる事によりカム面を形成し、上記外径側部材としている為、このカム面を形成した部分の強度を十分に確保できる。この結果、例えば、このカム面に各ローラから力が作用しても、このカム面を形成した部分が変形する事を防止して、動力の伝達を十分に行える。
特に、本発明の場合、内向鍔部を、上記カム面を有する円筒部と一体に形成している為、外径側部材の強度が向上し、このカム面を形成した部分をより変形しにくくできる。又、各ローラ及び各弾性部材を、上記内向鍔部と保持器の円輪部との間に配置している為、別途、カバー等を設ける事なく、上記各ローラ及び各弾性部材が、上記保持器の各ポケットから脱落する事を防止できる。
又、本発明の場合、保持器に各ローラ及び各弾性部材を配置するポケットを形成している為、上記外径側部材にこの様なポケットを設ける必要がない。従って、この外径側部材の内周面の凹凸(径方向外方への凹入量)を小さくできる。この為、この外径側部材の素材である円筒(円環)部材の内周面を塑性変形させる加工を容易に行える。又、この様に、円筒部材の内周面を塑性変形させる事によりカム面を形成している為、打ち抜きで形成した場合の様な破断面が生じる事がない。この為、このカム面の仕上げ加工が必要ないか、仕上げ加工を行うにしても僅かで済む。この結果、上記外径側部材の製造を容易且つ精度良く行える。
一方、上記保持器は、上記各弾性部材の弾性力を支承できれば良く、上記各ローラから大きな力が作用する事はない。この為、上記保持器は、上記外径側部材に比べて強度を高くする必要がなく、例えば、請求項7に記載した発明の様に、合成樹脂の射出成形により、或は、アルミニウム合金の如き軽合金等の金属材料を鋳造等の型成形する事等により容易に形成できる。尚、本発明の場合、各突部の円周方向片側面を、それぞれ、上記各弾性部材の弾性力を支承可能な受部としており、弾性部材を配置する為の有底溝を設けていない為、上記保持器の製造コストを低くできる。
この様に外径側部材及び保持器を容易に得られる為、一方向クラッチの製造コストを低くできる。
又、請求項8に記載した発明によれば、各弾性部材の弾性力により各ローラを各突部の円周方向他側面に押し付けて、これら各ローラの外周面と各突片とを係合させる為、
一方、請求項10に記載した発明によれば、各突片と各突部の円周方向他側面の間隔が各ローラの外径よりも小さい為、
それぞれ、外径側部材及び保持器の内径側に内径側部材を配置する前に、各ポケット内から各ローラ及び各弾性部材が脱落する事を防止できる。この為、上記内径側部材の組み付けが容易になる。
又、請求項9に記載した発明によれば、一方向クラッチのオーバーラン時に、各ローラが各弾性部材を押し付ける方向に移動するが、この際、これら各ローラの移動量が各突部に設けた突片により規制される。この為、上記各弾性部材が、これら各ローラに押される事により過度に弾性変形する事を防止して、これら各弾性部材が早期にへたったり、破損する事を防止できる。
又、請求項11に記載した発明によれば、外径側部材の円筒部の内周面と内向鍔部の片側面との連続部に溝を設けている為、各ローラの端縁部が局所的に当接してエッヂロードが生じる事を防止でき、一方向クラッチの長寿命化を図れる。
又、上記溝と上記内向鍔部の片側面とを角部がない様に連続させている為、上記外径側部材をパンチ等の工具により塑性変形させて形成する場合に、上記溝を形成する為にこの工具に設けた突起部に発生する応力を抑える事ができる。この結果、上記外径側部材の成形性を向上させられる共に、工具の耐久寿命を向上させられる。
又、請求項3〜6に記載した発明によれば、外径側部材と保持器との間に、各ローラ及び各弾性部材を組み込んだ状態で、これら外径側部材と保持器とを不離に結合でき、これら各部材をユニット化できる。従って、製品を納入するまでの間にこれら各部材が分離する事を防止できると共に、内径側部材への組み付けも容易になる。又、上記各部材をユニット化する為に、特別なアタッチメント(結合部材)が必要なく、コストが増加する事はない。
尚、請求項4に記載した発明の様に、各突部にスリットを設ければ、これら各突部を保持器内に締め代を有する状態で嵌合する際に、これら各突部を撓み易くでき、この嵌合作業が容易になる。
又、請求項12に記載した発明によれば、各ポケット内に各透孔を通じて潤滑油を流通させ易くなる。
又、請求項13に記載した発明によれば、上記各透孔を円周方向に長く形成している為、これら各透孔の径方向の寸法を小さくしてもこれら各透孔の面積を確保できる。この様に各透孔の径方向寸法を小さくできれば、保持器の径方向寸法も小さくできる。言い換えれば、潤滑油の流通に必要な各透孔の面積を確保する為に、保持器の径方向寸法を大きくする必要はない。
又、請求項14に記載した発明によれば、外径側部材に内向鍔部が存在しても、この内向鍔部と内径側部材との間の隙間を通じて、各ポケット内に潤滑油を流通させ易くなる。
又、請求項15に記載した製造方法によれば、上述の様な構造を有する一方向クラッチの外径側部材を容易且つ精度良く得られる。即ち、この外径側部材を構成する円筒部は、内周面にカム面を形成するだけで、各ローラ及び各ばねを収納するポケットを設ける必要がない。この為、上記円筒部の内周面に形成するのは、これら各ポケットと比べて凹凸の大きさ(径方向外方への凹入量)が小さいカム面のみである。従って、上記外径側部材の成形時の応力を小さくでき、1回のパンチの押し込みにより、上記カム面を精度良く形成できる。又、このカム面の形成と同時に素内向鍔部も形成でき、その後、この素内向鍔部の内径寄り部分を除去するだけで内向鍔部を得られる。従って、請求項15に記載した製造方法の場合、外径側部材を形成する為の加工工数を少なくでき、製造コストを低く抑えられる。
又、請求項17〜22に記載した製造方法によれば、外径側部材と保持器との間に、各ローラ及び各弾性部材を組み込んだ状態で、これら外径側部材と保持器とを不離に結合でき、これら各部材をユニット化できる。従って、製品を納入するまでの間にこれら各部材が分離する事を防止できると共に、内径側部材への組み付けも容易になる。
尚、請求項19、20に記載した発明の場合、結合部材の少なくとも1個の腕部を外径側部材及び保持器の内径側に配置している代りに、この腕部の円周方向に関する位置を規制して、この腕部が各ローラと干渉する事を防止している。この結果、ユニット化の際に、各ローラや各弾性部材が、破損したり所定の位置からずれたりする事を防止できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜10は、請求項1、2、7、15、16に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の一方向クラッチ4cは、外径側部材である外輪9bと、複数のローラ11、11と、弾性部材である複数のばね12b、12bと、保持器16aとを備える。このうちの外輪9bは、図4、5に示す様に、内周面に円周方向に亙る凹凸であるカム面15bを有する円筒部21と、この円筒部21の軸方向一端部{図2、図4(B)の右端部}から径方向内方に突出した内向鍔部22とから成る。又、上記円筒部21と上記内向鍔部22とは、一体に形成されている。尚、本例の場合、この内向鍔部22は、全周に亙って形成しているが、例えば、後述する各ローラ11、11及び各ばね12b、12bを配置している個所と、ねじ28、28により結合する個所とに対応した部分に、間欠的に形成しても良い。
又、上記円筒部21の内周面の円周方向複数個所(本例の場合は3個所)に、径方向外方に凹んだ凹部25、25を形成している。又、これら各凹部25、25は、それぞれの深さ(径方向外方への凹入量)を、円周方向一方{図1、4(A)、10(A)の反時計方向}に向かう程深くしている。これにより、上記円筒部21の内周面を上記カム面15bとしている。従って、上記外輪9bの内径側に内径側部材10bを配置した状態で、上記カム面15bとこの内径側部材10bの外周面との間隔が、円周方向一方に向かう程大きくなる。この様なカム面15bは、後述する、軸受鋼等の金属製の円筒部材(円環部材)31{図8、9(A)}の内周面に、塑性加工を施す事により形成している。尚、カム面15bは、図6に示す様に、円筒部21の内周面の円周方向複数個所を、径方向内方に突出させる事により形成しても良い。
又、上記各ローラ11、11は、上記カム面15bと、上記外輪9bの内側に配置される上記内径側部材10bの外周面との間の、円周方向複数個所(本例の場合は3個所)に配置される。又、上記各ばね12b、12bは、上記各ローラ11、11と同数配置され、これら各ローラ11、11を、上記カム面15bと上記内径側部材10bの外周面との間隔が狭くなる方向に、それぞれ押圧する。
又、上記保持器16aは、上記外輪9bと内径側部材10bとの間に配置されるもので、合成樹脂或はアルミニウム合金等の、軸受鋼等の硬質金属に比べて、強度は低いが加工し易い材料製である。この様な保持器16aは、図7に示す様に、特許請求の範囲に記載した平板部に相当する円輪部23と、この円輪部23の片側面{図2の右側面、図7(B)の左側面}の円周方向複数個所に突設された突部24、24とから成る。又、これら各突部24、24同士の間部分を、上記各ローラ11、11及び各ばね12b、12bを収納する為のポケット17a、17aとしている。又、上記各突部24、24の円周方向片側面{図1の時計方向側の側面、図7(A)の反時計方向側の側面}に、上記各ばね12b、12bの基端部を保持する為の保持部26、26を形成している。そして、これら各保持部26、26の円周方向側面のうちの内径寄り部分を除く部分を、それぞれ、上記各ばね12b、12bの弾性力を支承可能な受部27、27としている。
従って、上記各ポケット17a、17a内に上記各ばね12b、12bを配置する場合には、これら各ばね12b、12bの基端部を上記各受部27、27に当接させる。そして、上記各ポケット17a、17a内に上記各ローラ11、11及び各ばね12b、12bを配置した状態で、これら各ばね12b、12bによりこれら各ローラ11、11を、上記各突部24、24の円周方向他側面{図1の反時計方向側の側面、図7(A)の時計方向側の側面}に向けて押圧する。この様に構成される保持器16aは、例えば、合成樹脂を射出成形する事により、或は、アルミニウム合金のダイキャスト成形等により形成する。
又、本例の場合、前記外輪9bと上記保持器16aとを、ねじ28、28により結合している。この為に、この保持器16aの各突部24、24の円周方向中間部にねじ孔29、29を、上記外輪9bの内向鍔部22の円周方向複数個所で、これら各ねじ孔29、29に対応する位置に、テーパ孔である通孔30、30を、それぞれ形成している。上記外輪9bと保持器16aとを結合する場合には、図3に示す様に、上記保持器16aのポケット17a、17a内に、上記各ローラ11、11及び各ばね12b、12bを配置しつつ、上記外輪9bと上記保持器16aとを重ね合わせる。この状態で、上記各ねじ孔29、29と上記各通孔30、30とを整合させる。そして、上記各ねじ28、28を、これら各通孔30、30を挿通しつつ上記各ねじ孔29、29に螺合し更に締め付ける。この結果、上記外輪9bと保持器16aとが、内部に上記各ローラ11、11及び各ばね12b、12bを配置した状態で結合される。
又、本例の場合、上記外輪9bと保持器16aとを結合した状態で、上記各ローラ11、11及び各ばね12b、12bが、上記外輪9bの内向鍔部22と上記保持器16aの円輪部23との間に配置される。言い換えれば、上記各ローラ11、11及び各ばね12b、12bを配置する、前記各ポケット17a、17aの軸方向{図2、4(B)、7(B)の左右方向}両側を、上記内向鍔部22と上記円輪部23とにより覆っている。
上述の様に構成される本例の一方向クラッチ4cの場合、前述の図60〜62に記載した従来構造の第1、2例の場合と同様に、内径側部材10bが上記外輪9bに対し、図1の時計方向に相対回転する傾向となった場合、上記各ローラ11、11が、上記内径側部材10bの外周面とカム面15bとの間隔が小さい部分に食い込む。この結果、上記内径側部材10bと上記外輪9bとがロック状態となり、これら内径側部材10bと外輪9bとの間で動力が伝達される。これに対して、この内径側部材10bが上記外輪9bに対し、図1の反時計方向に相対回転する傾向となった場合には、上記各ローラ11、11が、上記間隔が大きい部分に向けて変位する傾向となる。この結果、上記内径側部材10bと上記外輪9bとがオーバーラン状態となり、これら内径側部材10bと外輪9bとの間で動力の伝達が行われなくなる。
上述の様に構成され作用する本例の一方向クラッチ4cの製造方法に就いて、図8〜10により説明する。
先ず、図8に示す様な、内径が上記外輪9bのカム面15bの内接円の直径よりも小さい金属製の円筒部材31を、図9(A)に示す様に、台座32上に載置した状態で、外周面をダイ33により拘束する。この状態で、図9(B)に示す様に、上記円筒部材31の内径寄り部分にパンチ34を、軸方向に押し込む。このパンチ34の外周面は、上記外輪9bの円筒部21の内周面に見合った(断面の輪郭が同じで凹凸が逆となった)形状を有する。この為、上記パンチ34の押し込みにより、上記円筒部材31の内周面に、上記外輪9bのカム面15bが形成される。又、本例の場合、この様なパンチ34の押し込みにより生じた円筒部材31の内径寄りの余肉部分を、上記円筒部材31の一端側(図9の下端側)に移動させる。
上述の様な余肉部分を円筒部材31の一端部に移動させる事により、この円筒部材31の一端部が、上記カム面15bよりも径方向内方に突出し、この円筒部材31の一端部に素内向鍔部35が形成される。即ち、上記円筒部材31の外周面は、上記ダイ33により拘束されている為、上記パンチ34の押し込みにより、図10(B)に示す様に、上記円筒部材31の内径寄りの余肉(破線で示した斜格子部分)が、この円筒部材31の一端部(梨子地部分)に流れる。この結果、この円筒部材31の一端部が径方向内方に突出し、上記素内向鍔部35が形成される。尚、本例の場合、上記円筒部材31の他端面(図9の上端面)を、図示しない抑え部材により抑え付ける等して、上記パンチ34の押し込みにより上記円筒部材31の軸方向(図9の上下方向)の厚さが変化しない様にしている。この為、この円筒部材31の厚さは、加工後の外輪9bの厚さと同じとしている。
上述の様なパンチ34による加工の後、図9(C)に示す様に、上記素内向鍔部35の内径寄り部分を、別のパンチ34aにより打ち抜いて除去する。このパンチ34aの外径は、前記外輪9bの内向鍔部22の内径と同じとしている。この為、上記素内向鍔部35を上記パンチ34aにより打ち抜く事により、所定の内径を有する上記内向鍔部22が形成される。この様に得られた外輪9bを、前述の図3に示した様に、各ローラ11、11及び各ばね12b、12bを内部に配置した状態で、保持器16aと結合し、一方向クラッチ4cとする。
上述の様に構成する本例の一方向クラッチ4c及びその製造方法によれば、外輪9bのカム面15bを形成した部分の強度を十分に確保すると共に、この外輪9bの製造を容易且つ精度良く行え、上記一方向クラッチ4cの製造コストを低くできる。
即ち、本例の場合、金属製の円筒部材31の内周面を塑性変形させる事によりカム面15bを形成し、上記外輪9bとしている。この為、前述の図62に示した従来構造の第2例の様な、部分円筒部36、36の中間部を屈曲させてカム面15aを形成した構造と比べて、カム面15bを形成した部分の強度及び剛性を十分に確保できる。又、本例の場合、内向鍔部22を上記カム面15bを有する円筒部21と一体に形成している為、上記外輪9bの強度及び剛性が向上し、このカム面15bを形成した部分を、より変形しにくくできる。この結果、内径側部材10bから上記外輪9bに動力が伝達される際に、各ローラ11、11から上記カム面15bに力が作用しても、このカム面15bを形成した部分が径方向外方に変形する事を防止して、一方向クラッチ4cによる動力の伝達を十分に行える。
又、本例の場合、前記保持器16aに上記各ローラ11、11及び各ばね12b、12bを配置するポケット17a、17aを形成している為、上記外輪9bにこの様なポケットを設ける必要がない。従って、この外輪9bの円筒部21の内周面には上記カム面15bを形成するだけで良く、この円筒部21の内周面の凹凸を小さくできる。言い換えれば、この円筒部21の内周面に形成するのは、上記各ポケット17a、17aと比べて凹凸の大きさが小さい(円周方向に関して内径の変化量が少ない)凹部25、25から構成されるカム面15bのみである。従って、上記外輪9bの成形時の応力を小さくでき、1回のパンチの押し込みにより、上記カム面15bを、容易且つ精度良く形成できる。
又、本例の場合、円筒部材31の内周面を塑性変形させる事により上記カム面15bを形成している為、カム面を打ち抜きで形成した、前述の図60〜61に示した従来構造の第1例の場合の様な破断面が生じる事がない。この為、上記カム面15bの仕上げ加工が必要ないか、仕上げ加工を行うにしても僅かで済む。又、本例の場合、上記カム面15bの形成と同時に素内向鍔部35も形成でき、その後、この素内向鍔部35の内径寄り部分を除去するだけで内向鍔部22を得られる。従って、本例の場合、上記外輪9bを形成する為の加工工数を少なくできる。この結果、上記外輪9bの製造を、低コストで、容易且つ精度良く行える。
一方、前記保持器16aは、前記各ばね12b、12bの弾性力を支承できれば良く、前記各ローラ11、11から大きな力が作用する事がない。この為、上記保持器16aは、上記外輪9bに比べ強度を高くする必要がなく、例えば、合成樹脂やアルミニウム合金を型成形する事等により容易に形成できる。尚、本例の場合、各突部24、24の円周方向片側面を、それぞれ、上記各ばね12b、12bの弾性力を支承可能な受部27、27としている。即ち、前述の図62に示した従来構造の第2例の様に、ばね12a、12aを配置する為の有底溝18、18を設けていない。この為、上記保持器16aの製造コストを低くできる。
本例の場合、上述の様に外輪9bを、この様に保持器16aを、それぞれ容易に得られる為、一方向クラッチ4cの製造コストを低く抑えられる。
又、本例の場合、上記外輪9bに内向鍔部22を一体に形成し、上記各ローラ11、11及び各ばね12b、12bを、この内向鍔部22と上記保持器16aの円輪部23との間に配置している。この為、前述の図60、61に示した従来構造の第1例の様に、別途、カバー等を設ける事なく、上記各ローラ11、11及び各ばね12b、12bが、上記保持器16aの各ポケット17a、17aから脱落する事を防止できる。
[実施の形態の第2例]
図11〜18は、請求項1、2、7〜9、12〜16に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述の第1例の構造は、各ローラ11、11を3個組み込んだ構造に就いて説明したが、本例は、各ローラ11、11を6個組み込んだ構造である。従って、外輪9cの内周面に形成する凹部25a、25a、保持器16bの各突部24a、24a及び各ポケット17b、17b、更には、各ばね12c、12cの数も6個ずつとしている。この為に、上記外輪9cの内周面の形状、及び、上記保持器16bの形状を、上述の第1例の構造と異ならせている。又、本例の各図の構造は、上述の第1例の図1の構造と円周方向に関して逆方向としている。従って、本例の場合、内径側部材10cが上記外輪9cに対し、図11の時計方向に相対回転する傾向となった場合にオーバーラン状態となり、図11の反時計方向に相対回転する傾向となった場合にロック状態となる。
本例の場合、上記外輪9cを構成する円筒部21aの内周面(カム面15c)の形状は、図17(A)に示す様に、軸方向から見た場合に略六角形としている。そして、この六角形の各頂点及びその周辺部分を、上記各凹部25a、25aとしている。即ち、これら各頂点及びその周辺部分を、それぞれ各頂点に向かう程、それぞれの深さ(径方向外方への凹入量)を深くしている。又、この深くなる程度は、上記各頂点よりも円周方向片側{図11、14、16(A)の反時計側、図13、17(A)、18の時計側}で緩やかに、各頂点よりも円周方向他側{図11、14、16(A)の時計側、図13、17(A)、18の反時計側}で急としている。又、円周方向に隣り合う、円周方向に関し深くなる程度が異なる部分同士を、互いに滑らかに連続させている。そして、円周方向に関し深くなる程度が緩やかな部分に、次述する保持器16bのポケット17b、17bを、この深くなる程度が急な部分に、同じく各突部24a、24aを、それぞれ配置している。
又、本例の場合、上記保持器16bの各突部24a、24aを、特許請求の範囲に記載した平板部に相当する、略円輪状の円輪部23aの片側面に、それぞれ突設している。上記各突部24a、24aは、両周面の円周方向中間部を凹ませて、除肉部37、37を形成している。これら各除肉部37、37は、上記保持器16bを応力解析した結果、応力の低い部分を除去したものである。従って、本例の場合、上記各除肉部37、37の存在により、上記保持器16bの強度を低下させる事なく、上記保持器16bの軽量化及び材料費の低減を図れる。尚、図示の例の場合、上記保持器16bを構成する円輪部23aの内周縁部で、上記各突部24a、24aの内周面側に形成した除肉部37、37と整合する部分に、これら各除肉部37、37と同様の切り欠きを形成している。
又、上記保持器16bを構成する各突部24a、24aの円周方向他側面を、前記各ローラ11、11の外周面の湾曲方向と同方向に湾曲させている。そして、これら円周方向他側面の径方向両端部を、各ポケット17b、17b内に向けて突出させている。本例の場合、これら各突出した部分を、それぞれ突片38、38としている。そして、図14に示す様に、これら各ポケット17b、17b内に前記各ローラ11、11及び各ばね12c、12cを配置し、これら各ばね12c、12cの弾性力によりこれら各ローラ11、11を上記各突部24a、24aの円周方向他側面に押し付けた状態で、これら各ローラ11、11を上記各突片38、38により挟持している。
特に、この状態で、上記各ローラ11、11の外径aよりも、上記各ばね12c、12cと上記各ローラ11、11との当接部と、上記各突片38、38のうち、径方向内側の突片38、38の先端との距離bが、小さくなる様にしている(a>b)。これにより、上記保持器16bの内径側に内径側部材10cを配置する以前に、上記各ローラ11、11が、上記各ポケット17b、17bから、径方向内方に脱落する事を防止している。この結果、上記内径側部材10cの、外輪9c及び保持器16bへの組み付けが容易になる。又、本例の場合、上記各突部24a、24aのうち、径方向外側の突片38、38と上記各ローラ11、11の外周面との係合により、これら各ローラ11、11が径方向外方に脱落する事も防止できる。従って、上記保持器16bの各ポケット17b、17b内に、上記各ローラ11、11及び各ばね12c、12cを配置した状態で、この保持器16bを上記外輪9cに組み付ける作業も容易になる。
又、本例の場合も、外輪9cを構成する円筒部21aの軸方向一端部(図12、15の左端部)から径方向内方に向けて、内向鍔部22aを一体的に突出形成している。従って、上記保持器16bの各ポケット17b、17b内に各ローラ11、11及び各ばね12c、12cを収納すると共に、上記外輪9cと上記保持器16bとを結合した状態で、上記各ローラ11、11及び各ばね12c、12cが、上記内向鍔部22aと上記保持器16bの円輪部23aとの間に配置される。
本例の場合、上述の様に、外輪9cと保持器16bとを結合する為に、この保持器16bを構成する円輪部23aの外周縁の円周方向複数個所(図示の例の場合は3個所)に、それぞれ径方向外方に突出する突出部39、39を設けている。そして、これら各突出部39、39にそれぞれ通孔40、40を形成している。これに対して、上記外輪9cを構成する円筒部21aの円周方向複数個所で、この外輪9cと上記保持器16bとを組み合わせた状態で、上記各通孔40、40と整合する位置に、ねじ孔41、41を形成している。そして、上記各通孔40、40を挿通したねじを、これら各ねじ孔41、41に螺合し、更に締め付ける事により、上記外輪9cと上記保持器16bとを結合する。
又、本例の場合、上記保持器16bの円輪部23aの円周方向複数個所で、前記各突部24a、24aから外れた位置(即ち、各ポケット17b、17bと整合する位置)に、上記円輪部23aを貫通する透孔42、42を、それぞれ形成している。これら各透孔42、42は、円周方向に長い長孔としている。本例の場合、これら各透孔42、42を通じて、上記各ポケット17b、17b内に潤滑油を流通させる。又、本例の場合、図11に示す様に、前記内向鍔部22aと前記内径側部材10cとの間に、全周に亙って隙間45が存在する。即ち、この内向鍔部22aの内径をこの内径側部材10cの外径よりも十分に大きくしている。この為、上記隙間45の存在によっても、上記潤滑油をより流通させ易くなる。尚、本例の場合、上記各透孔42、42を円周方向に長く形成している為、これら各透孔42、42の径方向の寸法を小さくしてもこれら各透孔42、42の面積を確保できる。この様に各透孔42、42の径方向寸法を小さくできれば、上記保持器16bの径方向寸法も小さくできる。
又、本例の場合、図15に詳示する様に、上記外輪9cの円筒部21aの内周面と内向鍔部22aの片側面との連続部に、全周に亙って溝43を形成している。この為、前記各ローラ11、11の端縁部が局所的に当接してエッヂロードが生じる事を防止でき、一方向クラッチ4dの長寿命化を図れる。
上述の様に構成される本例の場合も、外輪9cを前述の実施の形態の第1例と同様に製造できる。即ち、前記図9(A)(B)に示した場合と同様に、円筒部材31に所定の塑性加工を施し、図18に示す様な中間素材44を得る。そして、前記図9(C)に示した場合と同様に、パンチ34aにより素内向鍔部35aの内径寄り部分を打ち抜いて、図17に示す様な外輪9cを得る。
尚、図19に示す様に、溝43と内向鍔部22aの片側面とは、角部がない様に、滑らかな曲面により連続させる事が好ましい。即ち、本例の様に、円筒部21aの内周面と上記内向鍔部22aの片側面との連続部に上記溝43を設ける場合、上述した様に、円筒部材31の内径側を塑性変形させる為のパンチの先端面周縁部に、全周に亙って突起部を設ける必要がある。上述の図15に示した様に、溝43と内向鍔部22aとが滑らかに連続していない(連続部の曲率半径が極端に小さい)場合、パンチとして、先端部に設けた突起部とこの突起部の内側部分との間が滑らかに連続していない(尖っている)ものを使用する。この場合、パンチによる加工時に、上記突起部に応力が集中し、この突起部がこのパンチの破損の起因となる可能性がある。これに対して、上記図19に示した様に、溝43と内向鍔部22aとが滑らかに連続している場合、パンチの先端面に設けた突起部と、この突起部の内側部分との間も滑らかにできる為、加工時にこの突起部に発生する応力を抑える事ができる。この結果、上記外径側部材の成形性を向上させられる共に、工具の耐久寿命を向上させられる。その他の構造及び作用は、上記第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図20〜23は、請求項1、2、7〜11、12〜16に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合、上述の第2例の構造に加えて、保持器16cを構成する各突部24b、24bの円周方向片側面(図20〜23の反時計側の側面)に、各ローラ11、11に向けて、前述した各実施の形態に比べて大きく突出する第二の突片46、46を、それぞれ形成している。これら各第二の突片46、46は、保持器16cの径方向内端部に形成されている。そして、これら各第二の突片46、46の先端部と、これら各先端部と円周方向に対向する各突部24b、24bの円周方向他側面(図20〜23の時計側の側面)に形成した径方向内側の突片38、38との間隔Aを、上記各ローラ11、11の外径Dよりも小さくしている(A<D)。更に、上記各第二の突片46、46の円周方向突出量を、各ばね12c、12cを縮め切った場合の長さよりも十分に大きくしている。そして、上記各ローラ11、11が、それぞれの転動面を上記各第二の突片46、46の先端縁に突き当たるまで、上記各ばね12c、12c側に変位させた状態でも、これら各ばね12c、12cが縮み切らない様にしている。
この様に構成される本例の場合、図21〜22に示す様に、一方向クラッチのオーバーラン時に、各ローラ11、11が各ばね12c、12cを押し付ける方向に移動した場合に、これら各ローラ11、11の移動量が上記各第二の突片46、46により規制される。この為、上記各ばね12c、12cが、上記各ローラ11、11に押される事により過度に(それ以上縮まらない状態にまで)弾性変形する事を防止して、これら各ばね12c、12cが早期にへたったり、破損する事を防止できる。
又、上記各第二の突片46、46と上記各突片38、38との間隔Aが上記各ローラ11、11の外径Dよりも小さい為、図23に示す様に、外輪9c及び上記保持器16cの内径側に内径側部材10cを配置する前に、各ポケット17b、17b内から上記各ローラ11、11及び各ばね12c、12cが脱落する事を防止できる。この為、上記内径側部材10cの組み付けが容易になる。又、本例の場合、上述の第2例の様に、各ばね12c、12cにより各ローラ11、11を各突部24b、24bの円周方向他側面に押し付けなくても、これら各ローラ11、11の脱落防止を図れる。その他の構造及び作用は、上述の第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図24〜28は、請求項1〜4、7、8、11、14〜16に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合も、前述の第2例と同様に、外輪9cを構成する円筒部21aの内周面(カム面15c)の形状を、軸方向から見た場合に略六角形としている。そして、この六角形の各頂点及びその周辺部分を、凹部25a、25aとしている。但し、本例の場合、前述の第2例と異なり、外輪9cと保持器16dとをねじにより結合していない。その代わりに本例の場合には、上記外輪9cと保持器16dとの間に、各ローラ11、11及び各ばね12c、12cを組み込んだ状態で、上記円筒部21aの内周面のうち、これら各凹部25a、25aの間部分47、47に、上記保持器16dを構成する突部24c、24cを、締め代を有する状態で嵌合している。
即ち、上記各間部分47、47のうち、中心軸に関し対称となる位置(180度反対位置)に存在する間部分47、47同士の間隔よりも、上記各突部24c、24cのうち、中心軸に関し対称となる位置(180度反対位置)に存在する突部24c、24cの径方向外側面同士の自由状態での間隔を大きくしている。そして、これら各突部24c、24cの径方向外側面同士の間隔を弾性的に縮めた状態で、これら各突部24c、24cを上記各間部分47、47同士の間に嵌合している。この結果、これら各突部24c、24cの径方向外側面がこれら各間部分47、47に弾性的に当接し、上記保持器16dと上記外輪9cとが不離に結合される。
尚、本例の場合、上記各間部分47、47及び各突部24c、24cの数が6個である為、それぞれ中心軸に関し対称となる組み合わせは3組ある。本例の場合、上記各間部分47、47と上記各突部24c、24cとを、総ての組み合わせで、上述の様な締め代を有する関係としているが、この様な締め代を有する組み合わせは、少なくとも1組あれば良い。又、締め代を有する突部24c、24cの数が奇数である場合には、これら各突部24c、24cを円周方向に関し3個所以上に、少なくとも直径方向両側に分けて(片半周に集中させずに)配置する。何れにしても、これら各突部24c、24cのうちの何れか2個以上の突部24c、24cを、締め代を有する状態で上記各間部分47、47に嵌合し、上記保持器16dと外輪9cとが不離に結合されれば良い。
又、本例の場合、上記各突部24c、24cにそれぞれ、上記保持器16cの円周方向に亙ってスリット48、48を形成している。そして、上記各突部24c、24cを上記各間部分47、47に対し締め代を有する状態で嵌合する際に、これら各突部24c、24cが径方向に撓み易くしている。これにより、上記保持器16dの上記外輪9cに対する組み付けを容易に行えると共に、上記各突部24c、24cと上記各間部分47、47との締め代を確保し易くなる。尚、図29に示す様に、各突部24c、24cの各スリット48、48を省略しても良い。この場合、これら各突部24c、24cを外輪9cに、多少、嵌合しにくくなるが、その分、嵌合強度を大きくできる。
又、本例の場合、図26、28に示す様に、上記保持器16dを構成する略円輪状の円輪部23bの外周縁の形状を、十二角形としている。即ち、この円輪部23bの外周縁のうち、円周方向に関して6個所に配置される上記各突部24c、24cに整合する部分を直線形とすると共に、これら各突部24c、24cの間部分を、円弧ではなく直線で連続させている。尚、上記各間部分47、47の形状も、上記各突部24c、24cの径方向外側面の形状に合わせて、ほぼ平坦となる様にしている。この様な保持器16dを上記外輪9cに組み付けた状態では、図26に示す様に、上記各突部24c、24cの間部分がこの外輪9cの各凹部25a、25a部分に整合する。そして、上記円輪部23bの上記各突部24c、24c同士の間部分と、上記各凹部25a、25aとの間部分にそれぞれ、径方向の隙間45a、45aが設けられる。一方、これに対して、前述の第2例と異なり、上記円輪部23bには、透孔42、42を設けていない。本例の場合、上記各隙間45a、45aが、上記第2例の透孔42、42と同様の機能を有する事になる。
上述の様に構成される本例の場合、外輪9cと保持器16dとの間に、各ローラ11、11及び各ばね12c、12cを組み込んだ状態で、これら両部材9c、16dを不離に結合でき、これら各部材9c、16d、11、12cをユニット化できる。従って、製品を納入するまでの間にこれら各部材が分離する事を防止できると共に、内径側部材10cへの組み付けも容易になる。又、上記各部材をユニット化する為に、特別なアタッチメント(結合部材)が必要なく、コストが増加する事はない。尚、上記保持器16dを、合成樹脂を射出成形する事により、或は、アルミニウム合金のダイキャスト成形により形成すれば、上述の様な突部24c、24cを有する保持器16dを容易に得られる。その他の構造及び作用は、各突部24c、24cに除肉部38、38を形成していない点を除いて、前述の第2例と同様である。
[実施の形態の第5例]
図30〜31は、請求項1、2、5、7、8、11、14〜16に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合、上述の第4例と異なり、外輪9cの内向鍔部22aの内周縁に、保持器16eの各突部24d、24dの端面から突出した突起部49、49を、締め代を有する状態で嵌合している。そして、上記外輪9cと上記保持器16eとを結合している。即ち、上記各突起部49、49の自由状態での外接円の直径を、上記内向鍔部22aの内径よりも僅かに大きくしている。上記外輪9cと上記保持器16eとを結合する際には、上記各突起部49、49を、外接円の直径が小さくなる方向に弾性変形させつつ、上記内向鍔部22aの内周縁に嵌合する。そして、上記各突起部49、49をこの内向鍔部22aの内周縁に弾性的に当接させて、上記外輪9cと保持器16eとを不離に結合している。尚、上記各突起部49、49のうちの何れか2個以上の突起部49、49を、締め代を有する状態で上記内向鍔部22aの内周面に嵌合し、上記保持器16eと外輪9cとが不離に結合されれば良いが、締め代を有する突起部49、49は、円周方向に関して等間隔となる3個所以上位置に設ける事が好ましい。その他の構造及び作用は、上述の第4例と同様である。
[実施の形態の第6例]
図32〜33は、請求項1、2、6〜8、11、14〜16に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合、外輪9cの内向鍔部22aの内周縁部に、保持器16fの各突部24e、24eの端面から突出した爪部50、50を係合する事により、上記外輪9cと上記保持器16fとを結合している。これら各爪部50、50は、上記各突部24e、24eの先端面の径方向内端部から軸方向に突出する様に形成されており、先端部を外径側に曲げ形成している。又、先端部外径寄り部分に傾斜面を形成して、上記各爪部50、50が上記内向鍔部22aの内周縁部との係合により弾性変形する際の案内としている。
上記各爪部50、50の先端部は、上記内向鍔部22aの内周縁部を通過する際に、径方向内方に弾性変形する。そして、上記各爪部50、50の先端部が上記内周縁部を超えると、これら各爪部50、50の先端部が弾性的に復元し、上記内向鍔部22aの内周縁部に係合する。この結果、上記保持器16fと上記外輪9cとが不離に結合される。尚、上記各爪部50、50は、少なくとも1個所、好ましくは、円周方向に離隔した位置に、2個所以上設ければ良い。その他の構造及び作用は、前述の第4例と同様である。
[実施の形態の第7例]
図34〜39は、請求項1、2、7、8、11、14〜18に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合、上述の第4〜6例と異なり、保持器16gの突部24f、24fを利用せず、その代りに、外輪9cとこの保持器16gとを、結合部材51により結合している。この結合部材51は、円輪状の側板部52と、この側板部52の外周縁部複数個所(図示の例では4個所)から径方向外方に突出し、更に、先端寄り部分を軸方向に関して片側に曲げ形成した腕部53、53と、これら各腕部53、53の先端部を径方向内方に突出させる事により設けた鉤部54、54とを備える。これら各腕部53、53は、上記側板部52、52の円周方向に関し等間隔に配置されている。尚、これら各腕部53、53は、円周方向に離隔した位置に、少なくとも2個所設ければ良い。
上記結合部材51により上記外輪9cと保持器16gとを結合する場合に、各ローラ11、11及び各ばね12c、12cをこれら外輪9cと保持器16gとの一方に組み込んだ状態で、或いは、これら各ローラ11、11及び各ばね12c、12cをこれら外輪9cと保持器16gとの間に組み込みつつ、これら外輪9cと保持器16gとを組み合わせる。次いで、上記結合部材51を上記外輪9cの内向鍔部22aと反対側から組み付ける。この際、この結合部材51の各腕部53、53の先端部を外径側に弾性的に変形させつつ、上記外輪9cの外周面を通過させる。この作業に伴って、上記各腕部53、53の先端部に設けた上記各鉤部54、54が上記外輪9cの外周面を超えると、これら各腕部53、53が弾性的に復元して、これら各鉤部54、54が上記外輪9cの内向鍔部22a側の側面に係合する。これと共に、上記結合部材51の側板部52が、上記保持器16gの円輪部23bの側面に当接する。これにより、上記外輪9cと保持器16gとを不離に結合し、図37〜38に示す様に、一方向クラッチ組立体55とする。上記結合部材51は、この一方向クラッチ組立体55を、内径側部材10cに組み付ける際、或は、組み付けた後に外す。その他の構造及び作用は、結合部材51が必要な点以外は、前述の第4例と同様である。
[実施の形態の第8例]
図40〜42は、請求項1、2、7、8、11、14〜20に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合、結合部材51aの各腕部53a、53aを、側板部52aの内周縁側の2個所位置に設けている。これら各腕部53a、53aは、側板部52aの中心軸に関して対称位置(180度反対側位置)に設けられている。又、これら各腕部53a、53aは、この側板部52aの内径側端部側面から、軸方向に突出する様に設けており、それぞれの先端部に、径方向外方に突出する状態で設けた鉤部54a、54aを除く部分の外接円の直径は、外輪9cの内向鍔部22a、及び、保持器16gの円輪部23bの内径よりも僅かに小さくしている。一方、上記各鉤部54a、54aの自由状態での外接円の直径は、上記内向鍔部22a及び円輪部23bの内径よりも少し大きくしている。本例の場合、この様に構成される結合部材51aを、図42に示す様に、上記内向鍔部22a側から結合している。
又、本例の場合、上記各腕部53a、53aが、上記外輪9cと上記保持器16gとの間に配置されるローラ11、11と干渉しない位置に配置される様に、上記結合部材51aの円周方向に関する位置決めを行っている。尚、上記外輪9cと上記保持器16gとを上記結合部材51aにより結合した状態では、上記側板部52aを、上記外輪9cの内向鍔部22a側の側面に当接させる。又、この外輪9cの側面には、軸方向に貫通する通孔56、56を、円周方向に関し等間隔に6個所設けている。これら各通孔56、56は、上記外輪9cを動力伝達装置等に組み付ける為のボルトを挿通するものである。そして、上記円周方向に関する位置決めを図る為に、上記側板部52aの上記各通孔56、56と整合する位置(6個所)に、上記各腕部53a、53aと同じ方向に突出する位置決め突部57、57を設けている。そして、上記結合部材51aにより上記外輪9cと保持器16gとを結合する際に、上記各位置決め突部57、57を上記各通孔56、56に挿通している。この構成により、上記結合部材51aの上記外輪9cに対する円周方向の位置を規制する。尚、上記各位置決め突部57、57は、少なくとも1個所に設けていれば良い。
上記外輪9cの各ローラ11、11が配置される位置と、上記各通孔56、56の位置との関係、及び、上記結合部材51aの各腕部53a、53aの位置と、上記各位置決め突部57、57の位置との関係を、それぞれ適切に規制すれば、上記各腕部53a、53aの上記各ローラ11、11に対する円周方向位置を、適切に規制できる。本例の場合、上記結合部材51aにより上記外輪9cと保持器16gとを結合した際に、上記各腕部53a、53aが、この保持器16gの突部24f、24fのうちの何れかの突部24f、24fと整合する様にしている。この結果、上記結合部材51aを組み付けて、上記外輪9cと保持器16gとをユニット化する際に、上記各ローラ11、11や各ばね12c、12cが、上記各腕部53a、53aと干渉して、破損したり所定の位置からずれたりする事を防止できる。
何れにしても、上記各腕部53a、53aの先端部が、弾性変形しつつ、上記外輪9cの内向鍔部22aの内周縁及び上記何れかの突部24f、24fを通過し、上記各先端部に形成した鉤部54a、54aが、上記保持器16gの円輪部23bの内周縁部に係合する。これにより、この保持器16gと上記外輪9cとが結合され、図40〜41に示す様な、一方向クラッチ組立体55aを得る。尚、上記結合部材51aの組み付け方向は、図43に示す様に、外輪9cの内向鍔部22aと反対側からとしても良い。この場合、各腕部53a、53aの先端部に形成した鉤部54a、54aは、上記内向鍔部22aの内周縁部に係合すると共に、側板部52aの内径寄り部分が、保持器16gの円輪部23b(図41参照)の側面に当接する。その他の構造及び作用は、前述の第7例と同様である。
[実施の形態の第9例]
図44〜46は、やはり、請求項1、2、7、8、11、14〜20に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例の場合、結合部材51bは、側板部52bと、この側板部52bの径方向両端部からそれぞれ同じ方向に折り曲げ形成した1対の腕部53b、53bとを備える。又、上記側板部52bの側面には、これら両腕部53b、53bと同方向に突出した位置決め突部57aを設けている。
上記結合部材51bにより、外輪9cと保持器16gとを結合する場合には、上記両腕部53b、53bによりこれら外輪9c及び保持器16gを径方向両側から挟持する様に、上記結合部材51bを配置する。そして、上記側板部52bの側面をこの外輪9cの片側面に当接させると共に、上記両腕部53b、53bの先端部に形成した鉤部54b、54bを、上記外輪9cの他側面の外周縁部及び上記保持器16gの円輪部23bの内周縁部に、それぞれ係合する。又、この際、上記位置決め突部57aを上記外輪9cに形成した何れかの通孔56に挿入し、上記結合部材51bの円周方向の位置決めを図る。そして、上記両腕部53b、53bのうち、径方向内側の腕部53bが各ローラ11、11と干渉しない様にする。これにより、上記外輪9cとこの保持器16gとを結合し、図44〜45に示す様な、一方向クラッチ組立体55bを得る。尚、本例の場合、上記結合部材51bは、円周方向1個所に配置しているが、複数個所に配しても良い。又、この結合部材51bの組み付け方向は、上述の場合と逆でも良い。その他の構造及び作用は、上述の第8例と同様である。
[実施の形態の第10例]
図47〜54は、請求項1、2、7、8、11、14〜16、21に対応する、本発明の実施の形態の第10例を示している。本例の場合、保持器16hの各突部24f、24fのうち、2個の突部24f、24fの先端面に、それぞれ弾性突出部58、58を、上記保持器16hの射出成形時に、突出形成している。これら各弾性突出部58、58の基端寄り部分には、図53に詳示する様な外径側に突出した係合爪59、59を、それぞれ設けている。又、上記各弾性突出部58、58のうち、上記各突部24f、24fの先端面との接続部60、60は、他の部分に比べて薄くし、後述する様に、これら各接続部60、60で上記各弾性突出部58、58と上記各突部24f、24fの先端面とを分離し易くしている。又、上記各弾性突出部58、58の、上記各係合爪59、59を除く部分の外接円の直径は、外輪9cの内向鍔部22aの内径よりも小さくしている。これに対して、上記各係合爪59、59の自由状態での外接円の直径は、上記内向鍔部22aの内径よりも大きくしている。
又、上記各弾性突出部58、58の先端部には、外径が上記内向鍔部22aの内径よりも小さい、リング部61を設けている。言い換えれば、このリング部61の円周方向2個所と上記2個の突部24f、24fの先端面との間に、上記各弾性突出部58、58を掛け渡している。そして、これら各弾性突出部58、58の径方向に関する剛性を確保すると共に、これら各弾性突出部58、58を分離する際に掴み易くしている。又、上記各弾性突出部58、58は、上記リング部61の中心軸に関し対称(180度反対位置)に配置されている。これにより、次述する、保持器16hの外輪9cへの組み付け時に、上記リング部61が弾性変形し易くしている。
この様に各弾性突出部58、58を設けた保持器16hを、外輪9cに組み付ける場合には、上記リング部61をこの外輪9cの内向鍔部22aと反対側から挿入し、このリング部61及び上記各弾性突出部58、58をこの内向鍔部22aを通過させる。この際、上記各弾性突出部58、58の基端部に設けた係合爪59、59が、弾性変形しつつ、上記内向鍔部22aの内周縁部を通過する。この際、上記リング部61が(各係合爪59、59の間部分を短径とする)楕円形に弾性変形して、上記各係合爪59、59の外接円の直径を弾性的に小さくする。そして、これら各係合爪59、59が、この内向鍔部22aの内周縁部を超えた状態で弾性的に復元し、図49に詳示する様に、この内向鍔部22aの内周縁部に係合する。
この結果、各ローラ11、11及び各ばね12c、12cを組み込んだ状態で、上記保持器16hの突部24f、24fが上記外輪9c内に配置されると共に、上記内向鍔部22aがこれら各突部24f、24fと上記各係合爪59、59とにより挟持される。そして、これら保持器16hと外輪9cとが不離に結合され、図51に示す様な、一方向クラッチ組立体55cを得る。尚、上記各弾性突出部58、58は、少なくとも円周方向に離隔した位置に2個所以上に設ければ良い。
本例の場合、上記一方向クラッチ組立体55cを内径側部材10cに組み付ける際、或は、組み付けた後に、図54に示す様に、上記各弾性突出部58、58を上記保持器16hから分離する。この際、これら各弾性突出部58、58の基端部に設けた接続部60、60で、上記各突部24f、24fの先端面と分離する。上述した様に、これら各接続部60、60は、上記各弾性突出部58、58の他の部分に比べて薄くしている為、これら各接続部60、60で、これら各弾性突出部58、58と上記各突部24f、24fの先端面とを分離し易い。その他の構造及び作用は、図32〜33に示した第6例と同様である。
[実施の形態の第11例]
図55〜58は、請求項1、2、7、8、11、14〜16、22に対応する、本発明の実施の形態の第11例を示している。本例の場合、保持器16iを外輪9cに組み付ける場合に、各弾性突出部58a、58aの基端部を、この外輪9cの内向鍔部22aの内周面に弾性的に当接させる。即ち、上記各弾性突出部58a、58aの基端部の自由状態での外接円の直径を、上記内向鍔部22aの内径よりも大きくしている。そして、上記各弾性突出部58a、58aをこの内向鍔部22aを通過させた状態で、これら各弾性突出部58a、58aの基端部をこの内向鍔部22aに圧入する。これにより、上記保持器16iと外輪9cとを不離に結合する。又、本例の場合も、上記各弾性突出部58a、58aの基端部で上記保持器16iの各突部24f、24fの先端面との接続部60a、60aを、他の部分よりも弱くして、内径側部材10cに組み付ける際、或は、組み付けた後に、上記各弾性突出部58a、58aを上記各突部24f、24fから分離し易くしている。その他の構造及び作用は、上述の第10例と同様である。
上述の各例は、適宜、組み合わせて適用しても良い。又、これら各例では、それぞれローラ11、11が3個或は6個の構造に就いて説明したが、これら各ローラ11、11の数を適宜設定できる事は言うまでもない。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 内径側部材、各ローラ及び各ばねを省略して示す、図1のイ−イ断面図。 本発明の実施の形態の第1例を示す分解斜視図。 (A)は外輪の平面図、(B)は(A)のロ−ロ断面図。 外輪の斜視図。 外輪の別例を示す斜視図。 保持器の正面図及び側面図。 (A)は円筒部材の正面図、(B)は(A)のハ−ハ断面図。 外輪の加工工程を示す断面図。 素内向鍔部の内径寄り部分を除去する前の状態を示す、(A)は正面図、(B)は(A)のニ−ニ断面図で、加工の際の余肉の移動を模式的に示した図。 本発明の実施の形態の第2例を、一部を切断して内向鍔部側から見た図。 同じく、一部を切断して図11の右方から見た図。 同じく、保持器側から見た図。 内径側部材を組み込む以前の図11の右上部に相当する図。 図12の上部拡大図。 保持器のみを取り出して、(A)は図11と同方向から見た図、(B)は斜視図、(C)は(B)と反対側から見た斜視図。 外輪のみを取り出して、(A)は図13と同方向から見た図、(B)は斜視図、(C)は(B)と反対側から見た斜視図。 素内向鍔部の内径寄り部分を除去する前の状態を、図13と同方向から見た図。 外輪の内周面と内向鍔部との間の溝の別例を示す、図15のホ部をローラを省略して示す図。 本発明の実施の形態の第3例のロック状態を、一部を切断して内向鍔部側から見た図。 同じく、オーバラン状態を示す、図20と同様の図。 図21のヘ部拡大図。 内径側部材が存在しない状態を示す、図20と同様の図。 本発明の実施の形態の第4例を、一部を切断して示す内向鍔部側から見た図。 同じく、一部を切断して図24の右方から見た図。 同じく、保持器側から見た図。 図24の右上部拡大図。 保持器のみを取り出して示す斜視図。 保持器の別例を示す図27と同様の図。 本発明の実施の形態の第5例を、一部を切断して示す内向鍔部側から見た図。 図30の上部拡大図。 本発明の実施の形態の第6例を、内向鍔部側から見た斜視図。 保持器のみを取り出して示す斜視図。 本発明の実施の形態の第7例を、一部を切断して示す内向鍔部側から見た図。 同じく、一部を切断して図34の右方から見た図。 同じく、保持器側から見た図。 内径側部材に組み付ける以前の一方向クラッチ組立体を、内向鍔部側から見た斜視図。 同じく、保持器側から見た斜視図。 結合部材のみを取り出して示す斜視図。 本発明の実施の形態の第8例を示す斜視図。 同じく、図40の反対側から見た斜視図。 結合部材の組み付け状態を示す斜視図。 結合部材の組み付け状態の別例を示す斜視図。 本発明の実施の形態の第9例を示す斜視図。 同じく、図44の反対側から見た斜視図。 結合部材のみを取り出して示す斜視図。 本発明の実施の形態の第10例を、一部を切断して示す内向鍔部側から見た図。 図47の右方から見た図。 図48のト部拡大図。 第10例を保持器側から見た図。 同じく、内向鍔部側から見た斜視図。 保持器のみを取り出して示す斜視図。 保持器の突部と弾性突出部の接続部を、図52の左側から見た拡大図。 各弾性突出部を分離する状態を示す斜視図。 本発明の実施の形態の第11例を示す斜視図。 保持器のみを取り出して示す斜視図。 保持器の突部と弾性突出部の接続部を、径方向から見た拡大図。 各弾性突出部を分離する状態を示す斜視図。 本発明の対象となる一方向クラッチを組み込む、スタータモータ式始動装置の1例を示す模式図。 一方向クラッチの従来構造の第1例を示す断面図。 図60のチ部拡大図。 一方向クラッチの従来構造の第2例を示す断面図。
1 セルモータ
2 回転軸
3 歯車伝達機構
4、4a、4b、4c、4d 一方向クラッチ
5 クランクシャフト
6 ピストン
7 大歯車
8 出力軸
9、9a、9b、9c 外輪
10、10a、10b、10c 内径側部材
11 ローラ
12、12a、12b、12c ばね
13 カバー
14 凹入部
15、15a、15b、15c カム面
16、16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i 保持器
17、17a、17b ポケット
18 有底溝
19 押圧棒
20 ねじ
21、21a 円筒部
22、22a 内向鍔部
23、23a、23b 円輪部
24、24a、24b、24c、24d、24e、24f 突部
25、25a 凹部
26 保持部
27 受部
28 ねじ
29 ねじ孔
30 通孔
31 円筒部材
32 台座
33 ダイ
34、34a パンチ
35、35a 素内向鍔部
36 部分円筒部
37 除肉部
38 突片
39 突出部
40 通孔
41 ねじ孔
42 透孔
43 溝
44 中間素材
45、45a 隙間
46 第二の突片
47 間部分
48 スリット
49 突起部
50 爪部
51、51a、51b 結合部材
52、52a、52b 側板部
53、53a、53b 腕部
54、54a、54b 鉤部
55、55a、55b、55c 一方向クラッチ組立体
56 通孔
57、57a 位置決め突部
58、58a 弾性突出部
59 係合爪
60、60a 接続部
61 リング部

Claims (22)

  1. 金属製の円筒部材の内周面を塑性変形させる事により、内周面に円周方向に亙る凹凸であるカム面を形成した外径側部材と、このカム面とこの外径側部材の内側に配置される内径側部材の外周面との間の円周方向複数個所に配置された複数のローラと、これら各ローラを、上記カム面と上記内径側部材の外周面との間隔が狭くなる方向にそれぞれ押圧する複数の弾性部材と、上記外径側部材と結合した状態で、この外径側部材と上記内径側部材との間に配置され、略円輪状の平板部と、この平板部の片側面の円周方向複数個所に突設され、円周方向片側面を、それぞれ、上記各弾性部材の弾性力を支承可能な受部とした、それぞれが上記平板部と一体に設けられた複数の突部とを備え、これら各突部同士の間部分を、上記各ローラ及び各弾性部材を収納する為のポケットとした保持器とを備え、上記外径側部材は、内周面に上記カム面を有する円筒部と、この円筒部の軸方向一端部から径方向内方に突出した内向鍔部とを一体に形成したものであり、上記保持器の各ポケット内に上記各ローラ及び上記各弾性部材を収納すると共に、上記外径側部材と上記保持器とを結合した状態で、これら各ローラ及び各弾性部材が、上記内向鍔部とこの保持器の平板部との間に配置されている一方向クラッチ。
  2. 円筒部の外周面が、軸方向に関して直径が変化しない円筒面である、請求項1に記載した一方向クラッチ。
  3. 外径側部材の内周面に保持器の各突部を締め代を有する状態で嵌合する事により、これら外径側部材と保持器とを結合した、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
  4. 各突部の径方向中間部に円周方向に亙ってスリットを設けた、請求項3に記載した一方向クラッチ。
  5. 外径側部材の内向鍔部の内周縁に、保持器の各突部の端面から突出した突起部を締め代を有する状態で嵌合する事により、これら外径側部材と保持器とを結合した、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
  6. 外径側部材の内向鍔部の内周縁部に、保持器の各突部の端面から突出した爪部を係合する事により、これら外径側部材と保持器とを結合した、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
  7. 保持器が、合成樹脂の射出成形により、或は、金属材料の型成形により形成されたものである、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
  8. 保持器を構成する各突部の円周方向他側面で、各ローラの中心よりも径方向内方部分に、各ポケット内に向けて突出する突片を形成し、これら各ポケット内に上記各ローラ及び各弾性部材を配置し、これら各弾性部材の弾性力によりこれら各ローラを上記各突部の円周方向他側面に押し付けた状態で、これら各ローラの外周面と上記各突片とを係合させる事により、これら各ローラが径方向内方に脱落する事を防止した、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
  9. 保持器を構成する各突部の円周方向片側面の一部に、各ローラに向けて突出する突片をそれぞれ形成した、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
  10. 各突片が各ローラの中心よりも径方向内方部分に形成されており、これら各突片の先端部と、この先端部と円周方向に対向する各突部の円周方向他側面との間隔が、上記各ローラの外径よりも小さい、請求項9に記載した一方向クラッチ。
  11. 外径側部材の円筒部の内周面と内向鍔部の保持器を配置する側の片側面との連続部に、全周に亙って溝を形成しており、この溝と上記内向鍔部の片側面とを角部がない様に連続させている、請求項1〜10のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
  12. 保持器の平板部の円周方向複数個所で各突部から外れた位置に、この平板部を貫通する透孔をそれぞれ形成した、請求項1〜11のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
  13. 各透孔が、円周方向に長い長孔である、請求項12に記載した一方向クラッチ。
  14. 外径側部材の内向鍔部の内周縁部と内径側部材の外周面との間に、各ポケット内に潤滑油が流通可能な隙間を設けている、請求項1〜13のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
  15. 請求項1〜14のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチの製造方法であって、内径が外径側部材のカム面の内接円の直径よりも小さい金属製の円筒部材の外周面を拘束した状態で、この円筒部材の内径寄り部分にパンチを押し込み、この円筒部材の内周面に上記外径側部材のカム面を形成すると共に、この際に生じた余肉をこの円筒部材の軸方向一端側に移動させる事により、この円筒部材の一端部に、上記カム面よりも径方向内方に突出した素内向鍔部を形成し、その後、この素内向鍔部の内径寄り部分を除去して、上記外径側部材の内向鍔部とする、一方向クラッチの製造方法。
  16. 造るべき外径側部材の円筒部の外周面が、軸方向に関して直径が変化しない円筒面であり、円筒部材の軸方向両端面のうち、パンチの押し込み側の端面のうちでこのパンチにより押圧される部分の周囲部分を抑え部材で抑え付ける事により、上記円筒部材の軸方向の厚さが変化しない状態として、この円筒部材の内径寄り部分にパンチを押し込む、請求項15に記載した一方向クラッチの製造方法。
  17. 請求項1〜2、7〜14のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチの製造方法であって、外径側部材と保持器との間に、各ローラ及び各弾性部材を組み込んだ状態で、結合部材によりこれら外径側部材と保持器とを不離に結合して一方向クラッチ組立体とし、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に上記結合部材を外す、一方向クラッチの製造方法。
  18. 結合部材として、側板部と、この側板部の片側面から突出した少なくとも2個の腕部と、これら各腕部の先端部にそれぞれ設けた鉤部とを備えたものを使用し、上記側板部を外径側部材と保持器との何れか一方の部材の側面に当接させると共に、上記各腕部をこれら両部材の外径側或は内径側に配置し、上記各鉤部を他方の部材の側面に係合する事により、これら両部材を不離に結合する、請求項17に記載した一方向クラッチの製造方法。
  19. 結合部材の各腕部のうち、少なくとも1個の腕部を外径側部材及び保持器の内径側に配置しており、この腕部がこれら両部材内に配置されるローラと干渉しない位置に配置される様に、上記結合部材の円周方向に関する位置決めを行う、請求項18に記載した一方向クラッチの製造方法。
  20. 結合部材の側板部は、外径側部材の側面に当接するものであり、この側板部に各腕部と同じ方向に突出する位置決め突部を設けて、上記外径側部材の側面に軸方向に形成したねじ孔或は通孔に上記位置決め突部を挿入する事により、上記結合部材の円周方向に関する位置決めを行う、請求項19に記載した一方向クラッチの製造方法。
  21. 請求項1〜2、7〜14のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチの製造方法であって、保持器の各突部のうちの少なくとも2個の突部の先端面に、それぞれ弾性突出部を突出形成し、これら各弾性突出部の基端寄り部分に係合爪をそれぞれ設け、上記保持器を外径側部材に組み付ける際に、上記各弾性突出部を弾性変形させつつ上記外径側部材の内向鍔部の内周縁を通過させ、通過後に、上記各係合爪をこの内向鍔部の側面の径方向内端部に係合させる事により、上記外径側部材と保持器とを不離に結合して一方向クラッチ組立体とし、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に上記各弾性突出部を除去する、一方向クラッチの製造方法。
  22. 請求項1〜2、7〜14のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチの製造方法であって、保持器の各突部のうちの少なくとも2個の突部の先端面に、それぞれ弾性突出部を突出形成し、上記保持器を外径側部材に組み付ける際に、これら各弾性突出部を弾性変形させつつ上記外径側部材の内向鍔部の内周縁を通過させ、通過後に、上記各弾性突出部の基端部を上記内向鍔部の内周縁に弾性的に当接させる事により、上記外径側部材と保持器とを不離に結合して一方向クラッチ組立体とし、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に上記各弾性突出部を除去する、一方向クラッチの製造方法。
JP2008269942A 2007-10-23 2008-10-20 一方向クラッチ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5195269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008269942A JP5195269B2 (ja) 2007-10-23 2008-10-20 一方向クラッチ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007274706 2007-10-23
JP2007274706 2007-10-23
JP2008193955 2008-07-28
JP2008193955 2008-07-28
JP2008269942A JP5195269B2 (ja) 2007-10-23 2008-10-20 一方向クラッチ及びその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010054042A JP2010054042A (ja) 2010-03-11
JP2010054042A5 JP2010054042A5 (ja) 2012-03-08
JP5195269B2 true JP5195269B2 (ja) 2013-05-08

Family

ID=42070178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008269942A Expired - Fee Related JP5195269B2 (ja) 2007-10-23 2008-10-20 一方向クラッチ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5195269B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5662844B2 (ja) * 2011-02-28 2015-02-04 志賀工業株式会社 ローラ寄せ板バネ装着装置およびローラ寄せ板バネ装着方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5939443A (ja) * 1982-08-25 1984-03-03 Mitsubishi Electric Corp オ−バランニングクラツチのクラツチ筐体製造方法
JPH0752429Y2 (ja) * 1989-09-01 1995-11-29 日本精工株式会社 ローラクラッチ
JP3848024B2 (ja) * 1999-09-03 2006-11-22 株式会社ジェイテクト 一方向クラッチ用樹脂製保持器
JP4755783B2 (ja) * 2001-03-21 2011-08-24 Nskワーナー株式会社 ワンウェイクラッチ装置
JP4372507B2 (ja) * 2003-02-13 2009-11-25 本田技研工業株式会社 回転作動型ワンウェイクラッチ
JP2008138723A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Ntn Corp 一方向クラッチ
JP2008157265A (ja) * 2006-12-20 2008-07-10 Ntn Corp 一方向クラッチ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010054042A (ja) 2010-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8944947B2 (en) Pulley unit
JP2004308888A (ja) ワンウェイクラッチ装置およびその製造方法
EP3284967B1 (en) One-way clutch retainer
JP5966554B2 (ja) 波形保持器及びその製造方法
US8371948B2 (en) Flywheel device
EP1469219A1 (en) One-way clutch
JP5195269B2 (ja) 一方向クラッチ及びその製造方法
EP2634012A1 (en) Wheel support device
JP4853105B2 (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
KR20040033065A (ko) 롤러 클러치 내장형 풀리 장치의 조립 방법
JP2003090414A (ja) ローラクラッチ内蔵型プーリ装置とその組立方法
JP2010054042A5 (ja)
JP2011075091A (ja) 軸受の分割外輪および分割外輪を備える軸受
JP2009281487A (ja) クランクシャフトと回転部材との連結構造
KR100809176B1 (ko) 내장형 롤러 클러치를 구비한 풀리 장치 및 이의 조립 방법
JP4406600B2 (ja) 一方向クラッチ
US20150176557A1 (en) Torque transmission mechanism
JP5446497B2 (ja) 一方向クラッチ
JP5408306B2 (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2009097712A (ja) プーリユニット
JP4940995B2 (ja) 一方向クラッチ
JP2010190250A (ja) 一方向クラッチ
JP4640343B2 (ja) 一方向クラッチ、一方向クラッチの組立方法ならびに一方向クラッチ付きの転がり軸受
JPH11218160A (ja) 一方向クラッチ
JP2009168180A (ja) ころ軸受用保持器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130121

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5195269

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees