JP5195269B2 - 一方向クラッチ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
このうちの外径側部材は、金属製の円筒(円環)部材の内周面を塑性変形させる事により、内周面に、円周方向に亙る凹凸であるカム面を形成している。
又、上記各ローラは、このカム面と、上記外径側部材の内側に配置される内径側部材の外周面との間の、円周方向複数個所(例えば、3個所以上)に配置される。
又、上記各弾性部材は、上記各ローラを、上記カム面と上記内径側部材の外周面との間隔が狭くなる方向にそれぞれ押圧する。この様な弾性部材として、例えば、弾性を有する金属製或は合成樹脂製の、板材或は線材を曲げ形成したばねや、ゴム等が挙げられる。
又、上記保持器は、上記外径側部材と結合した状態で、この外径側部材と上記内径側部材との間に配置されるもので、略円輪状(通常の円輪状の部材以外に、例えば、円輪状の部分から円周方向の何れかの部分に突部や凹部が形成されている様な部材を含む概念)の平板部と、複数の突部とを備える。これら各突部は、この平板部の片側面の円周方向複数個所に、それぞれが上記平板部と一体に突設され、円周方向片側面を、それぞれ、上記各弾性部材の弾性力を支承可能な受部としている。又、上記各突部同士の間部分を、上記各ローラ及び各弾性部材を収納する為のポケットとしている。
更に、上記外径側部材は、内周面に上記カム面を有する円筒部と、この円筒部の軸方向一端部から径方向内方に突出した内向鍔部とを一体に形成したものである。
そして、上記保持器の各ポケット内に上記各ローラ及び上記各弾性部材を収納すると共に、上記外径側部材と上記保持器とを結合した状態で、これら各ローラ及び各弾性部材を、上記内向鍔部とこの保持器の平板部との間に配置している。
そして、これら各ポケット内に上記各ローラ及び各弾性部材を配置し、これら各弾性部材の弾性力によりこれら各ローラを上記各突部の円周方向他側面に押し付けた状態で、これら各ローラの外周面と上記各突片とを係合させる。
これにより、これら各ローラが径方向内方に脱落する事を防止する。
この場合に好ましくは、請求項10に記載した発明の様に、各突片を、各ローラの中心よりも径方向内方部分に形成する。そして、これら各突片の先端部と、この先端部と円周方向に対向する各突部の円周方向他側面との間隔を、上記各ローラの外径よりも小さくする。
この場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、各突部の径方向中間部に円周方向に亙ってスリットを設ける。
或は、請求項6に記載した発明の様に、外径側部材の内向鍔部の内周縁部に、保持器の各突部の端面から突出した爪部を係合する事により、これら外径側部材と保持器とを結合する。
この場合に好ましくは、請求項13に記載した発明の様に、各透孔を、円周方向に長い長孔とする。
この製造方法では、先ず、内径が外径側部材のカム面の内接円の直径よりも小さい金属製の円筒部材の外周面を拘束した状態で、この円筒部材の内径寄り部分にパンチを、軸方向に押し込む。そして、この円筒部材の内周面に上記外径側部材のカム面を形成する。これと共に、この際に生じた余肉をこの円筒部材の軸方向一端側に移動させる事により、この円筒部材の一端部に、上記カム面よりも径方向内方に突出した素内向鍔部を形成する。
その後、この素内向鍔部の内径寄り部分を除去して、上記外径側部材の内向鍔部とする。
そして、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に、上記結合部材を外す。
そして、上記側板部を、外径側部材と保持器との何れか一方の部材の側面に当接させると共に、上記各腕部をこれら両部材の外径側或は内径側に配置し、上記各鉤部を他方の部材の側面に係合する。
これにより、これら両部材を不離に結合する。
そして、この腕部が、これら両部材内に配置されるローラと干渉しない位置に配置される様に、上記結合部材の円周方向に関する位置決めを行う。
又、この側板部に各腕部と同じ方向に突出する位置決め突部を設ける。
そして、上記外径側部材の側面に軸方向に形成した、例えば、装置に組み付ける為にボルトを螺合したり挿通する、ねじ孔或は通孔に、上記位置決め突部を挿入する事により、上記結合部材の円周方向に関する位置決めを行う。
又、上記保持器を外径側部材に組み付ける際に、上記各弾性突出部を弾性変形させつつ上記外径側部材の内向鍔部の内周縁を通過させ、通過後に、上記各係合爪をこの内向鍔部の側面の径方向内端部に係合させる。
これにより、上記外径側部材と保持器とを不離に結合して一方向クラッチ組立体とする。
そして、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に、上記各弾性突出部を除去する。
又、上記保持器を外径側部材に組み付ける際に、これら各弾性突出部を弾性変形させつつ この外径側部材の内向鍔部の内周縁を通過させ、通過後に、上記各弾性突出部の基端部をこの内向鍔部の内周面に弾性的に当接させる。
これにより、上記外径側部材と保持器とを不離に結合して一方向クラッチ組立体とし、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に上記各弾性突出部を除去する。
即ち、本発明の場合、金属製の円筒部材の内周面を塑性変形させる事によりカム面を形成し、上記外径側部材としている為、このカム面を形成した部分の強度を十分に確保できる。この結果、例えば、このカム面に各ローラから力が作用しても、このカム面を形成した部分が変形する事を防止して、動力の伝達を十分に行える。
特に、本発明の場合、内向鍔部を、上記カム面を有する円筒部と一体に形成している為、外径側部材の強度が向上し、このカム面を形成した部分をより変形しにくくできる。又、各ローラ及び各弾性部材を、上記内向鍔部と保持器の円輪部との間に配置している為、別途、カバー等を設ける事なく、上記各ローラ及び各弾性部材が、上記保持器の各ポケットから脱落する事を防止できる。
この様に外径側部材及び保持器を容易に得られる為、一方向クラッチの製造コストを低くできる。
一方、請求項10に記載した発明によれば、各突片と各突部の円周方向他側面の間隔が各ローラの外径よりも小さい為、
それぞれ、外径側部材及び保持器の内径側に内径側部材を配置する前に、各ポケット内から各ローラ及び各弾性部材が脱落する事を防止できる。この為、上記内径側部材の組み付けが容易になる。
又、上記溝と上記内向鍔部の片側面とを角部がない様に連続させている為、上記外径側部材をパンチ等の工具により塑性変形させて形成する場合に、上記溝を形成する為にこの工具に設けた突起部に発生する応力を抑える事ができる。この結果、上記外径側部材の成形性を向上させられる共に、工具の耐久寿命を向上させられる。
尚、請求項4に記載した発明の様に、各突部にスリットを設ければ、これら各突部を保持器内に締め代を有する状態で嵌合する際に、これら各突部を撓み易くでき、この嵌合作業が容易になる。
又、請求項13に記載した発明によれば、上記各透孔を円周方向に長く形成している為、これら各透孔の径方向の寸法を小さくしてもこれら各透孔の面積を確保できる。この様に各透孔の径方向寸法を小さくできれば、保持器の径方向寸法も小さくできる。言い換えれば、潤滑油の流通に必要な各透孔の面積を確保する為に、保持器の径方向寸法を大きくする必要はない。
又、請求項14に記載した発明によれば、外径側部材に内向鍔部が存在しても、この内向鍔部と内径側部材との間の隙間を通じて、各ポケット内に潤滑油を流通させ易くなる。
尚、請求項19、20に記載した発明の場合、結合部材の少なくとも1個の腕部を外径側部材及び保持器の内径側に配置している代りに、この腕部の円周方向に関する位置を規制して、この腕部が各ローラと干渉する事を防止している。この結果、ユニット化の際に、各ローラや各弾性部材が、破損したり所定の位置からずれたりする事を防止できる。
図1〜10は、請求項1、2、7、15、16に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の一方向クラッチ4cは、外径側部材である外輪9bと、複数のローラ11、11と、弾性部材である複数のばね12b、12bと、保持器16aとを備える。このうちの外輪9bは、図4、5に示す様に、内周面に円周方向に亙る凹凸であるカム面15bを有する円筒部21と、この円筒部21の軸方向一端部{図2、図4(B)の右端部}から径方向内方に突出した内向鍔部22とから成る。又、上記円筒部21と上記内向鍔部22とは、一体に形成されている。尚、本例の場合、この内向鍔部22は、全周に亙って形成しているが、例えば、後述する各ローラ11、11及び各ばね12b、12bを配置している個所と、ねじ28、28により結合する個所とに対応した部分に、間欠的に形成しても良い。
先ず、図8に示す様な、内径が上記外輪9bのカム面15bの内接円の直径よりも小さい金属製の円筒部材31を、図9(A)に示す様に、台座32上に載置した状態で、外周面をダイ33により拘束する。この状態で、図9(B)に示す様に、上記円筒部材31の内径寄り部分にパンチ34を、軸方向に押し込む。このパンチ34の外周面は、上記外輪9bの円筒部21の内周面に見合った(断面の輪郭が同じで凹凸が逆となった)形状を有する。この為、上記パンチ34の押し込みにより、上記円筒部材31の内周面に、上記外輪9bのカム面15bが形成される。又、本例の場合、この様なパンチ34の押し込みにより生じた円筒部材31の内径寄りの余肉部分を、上記円筒部材31の一端側(図9の下端側)に移動させる。
即ち、本例の場合、金属製の円筒部材31の内周面を塑性変形させる事によりカム面15bを形成し、上記外輪9bとしている。この為、前述の図62に示した従来構造の第2例の様な、部分円筒部36、36の中間部を屈曲させてカム面15aを形成した構造と比べて、カム面15bを形成した部分の強度及び剛性を十分に確保できる。又、本例の場合、内向鍔部22を上記カム面15bを有する円筒部21と一体に形成している為、上記外輪9bの強度及び剛性が向上し、このカム面15bを形成した部分を、より変形しにくくできる。この結果、内径側部材10bから上記外輪9bに動力が伝達される際に、各ローラ11、11から上記カム面15bに力が作用しても、このカム面15bを形成した部分が径方向外方に変形する事を防止して、一方向クラッチ4cによる動力の伝達を十分に行える。
本例の場合、上述の様に外輪9bを、この様に保持器16aを、それぞれ容易に得られる為、一方向クラッチ4cの製造コストを低く抑えられる。
図11〜18は、請求項1、2、7〜9、12〜16に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述の第1例の構造は、各ローラ11、11を3個組み込んだ構造に就いて説明したが、本例は、各ローラ11、11を6個組み込んだ構造である。従って、外輪9cの内周面に形成する凹部25a、25a、保持器16bの各突部24a、24a及び各ポケット17b、17b、更には、各ばね12c、12cの数も6個ずつとしている。この為に、上記外輪9cの内周面の形状、及び、上記保持器16bの形状を、上述の第1例の構造と異ならせている。又、本例の各図の構造は、上述の第1例の図1の構造と円周方向に関して逆方向としている。従って、本例の場合、内径側部材10cが上記外輪9cに対し、図11の時計方向に相対回転する傾向となった場合にオーバーラン状態となり、図11の反時計方向に相対回転する傾向となった場合にロック状態となる。
図20〜23は、請求項1、2、7〜11、12〜16に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合、上述の第2例の構造に加えて、保持器16cを構成する各突部24b、24bの円周方向片側面(図20〜23の反時計側の側面)に、各ローラ11、11に向けて、前述した各実施の形態に比べて大きく突出する第二の突片46、46を、それぞれ形成している。これら各第二の突片46、46は、保持器16cの径方向内端部に形成されている。そして、これら各第二の突片46、46の先端部と、これら各先端部と円周方向に対向する各突部24b、24bの円周方向他側面(図20〜23の時計側の側面)に形成した径方向内側の突片38、38との間隔Aを、上記各ローラ11、11の外径Dよりも小さくしている(A<D)。更に、上記各第二の突片46、46の円周方向突出量を、各ばね12c、12cを縮め切った場合の長さよりも十分に大きくしている。そして、上記各ローラ11、11が、それぞれの転動面を上記各第二の突片46、46の先端縁に突き当たるまで、上記各ばね12c、12c側に変位させた状態でも、これら各ばね12c、12cが縮み切らない様にしている。
図24〜28は、請求項1〜4、7、8、11、14〜16に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合も、前述の第2例と同様に、外輪9cを構成する円筒部21aの内周面(カム面15c)の形状を、軸方向から見た場合に略六角形としている。そして、この六角形の各頂点及びその周辺部分を、凹部25a、25aとしている。但し、本例の場合、前述の第2例と異なり、外輪9cと保持器16dとをねじにより結合していない。その代わりに本例の場合には、上記外輪9cと保持器16dとの間に、各ローラ11、11及び各ばね12c、12cを組み込んだ状態で、上記円筒部21aの内周面のうち、これら各凹部25a、25aの間部分47、47に、上記保持器16dを構成する突部24c、24cを、締め代を有する状態で嵌合している。
図30〜31は、請求項1、2、5、7、8、11、14〜16に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合、上述の第4例と異なり、外輪9cの内向鍔部22aの内周縁に、保持器16eの各突部24d、24dの端面から突出した突起部49、49を、締め代を有する状態で嵌合している。そして、上記外輪9cと上記保持器16eとを結合している。即ち、上記各突起部49、49の自由状態での外接円の直径を、上記内向鍔部22aの内径よりも僅かに大きくしている。上記外輪9cと上記保持器16eとを結合する際には、上記各突起部49、49を、外接円の直径が小さくなる方向に弾性変形させつつ、上記内向鍔部22aの内周縁に嵌合する。そして、上記各突起部49、49をこの内向鍔部22aの内周縁に弾性的に当接させて、上記外輪9cと保持器16eとを不離に結合している。尚、上記各突起部49、49のうちの何れか2個以上の突起部49、49を、締め代を有する状態で上記内向鍔部22aの内周面に嵌合し、上記保持器16eと外輪9cとが不離に結合されれば良いが、締め代を有する突起部49、49は、円周方向に関して等間隔となる3個所以上位置に設ける事が好ましい。その他の構造及び作用は、上述の第4例と同様である。
図32〜33は、請求項1、2、6〜8、11、14〜16に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合、外輪9cの内向鍔部22aの内周縁部に、保持器16fの各突部24e、24eの端面から突出した爪部50、50を係合する事により、上記外輪9cと上記保持器16fとを結合している。これら各爪部50、50は、上記各突部24e、24eの先端面の径方向内端部から軸方向に突出する様に形成されており、先端部を外径側に曲げ形成している。又、先端部外径寄り部分に傾斜面を形成して、上記各爪部50、50が上記内向鍔部22aの内周縁部との係合により弾性変形する際の案内としている。
図34〜39は、請求項1、2、7、8、11、14〜18に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合、上述の第4〜6例と異なり、保持器16gの突部24f、24fを利用せず、その代りに、外輪9cとこの保持器16gとを、結合部材51により結合している。この結合部材51は、円輪状の側板部52と、この側板部52の外周縁部複数個所(図示の例では4個所)から径方向外方に突出し、更に、先端寄り部分を軸方向に関して片側に曲げ形成した腕部53、53と、これら各腕部53、53の先端部を径方向内方に突出させる事により設けた鉤部54、54とを備える。これら各腕部53、53は、上記側板部52、52の円周方向に関し等間隔に配置されている。尚、これら各腕部53、53は、円周方向に離隔した位置に、少なくとも2個所設ければ良い。
図40〜42は、請求項1、2、7、8、11、14〜20に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合、結合部材51aの各腕部53a、53aを、側板部52aの内周縁側の2個所位置に設けている。これら各腕部53a、53aは、側板部52aの中心軸に関して対称位置(180度反対側位置)に設けられている。又、これら各腕部53a、53aは、この側板部52aの内径側端部側面から、軸方向に突出する様に設けており、それぞれの先端部に、径方向外方に突出する状態で設けた鉤部54a、54aを除く部分の外接円の直径は、外輪9cの内向鍔部22a、及び、保持器16gの円輪部23bの内径よりも僅かに小さくしている。一方、上記各鉤部54a、54aの自由状態での外接円の直径は、上記内向鍔部22a及び円輪部23bの内径よりも少し大きくしている。本例の場合、この様に構成される結合部材51aを、図42に示す様に、上記内向鍔部22a側から結合している。
図44〜46は、やはり、請求項1、2、7、8、11、14〜20に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例の場合、結合部材51bは、側板部52bと、この側板部52bの径方向両端部からそれぞれ同じ方向に折り曲げ形成した1対の腕部53b、53bとを備える。又、上記側板部52bの側面には、これら両腕部53b、53bと同方向に突出した位置決め突部57aを設けている。
図47〜54は、請求項1、2、7、8、11、14〜16、21に対応する、本発明の実施の形態の第10例を示している。本例の場合、保持器16hの各突部24f、24fのうち、2個の突部24f、24fの先端面に、それぞれ弾性突出部58、58を、上記保持器16hの射出成形時に、突出形成している。これら各弾性突出部58、58の基端寄り部分には、図53に詳示する様な外径側に突出した係合爪59、59を、それぞれ設けている。又、上記各弾性突出部58、58のうち、上記各突部24f、24fの先端面との接続部60、60は、他の部分に比べて薄くし、後述する様に、これら各接続部60、60で上記各弾性突出部58、58と上記各突部24f、24fの先端面とを分離し易くしている。又、上記各弾性突出部58、58の、上記各係合爪59、59を除く部分の外接円の直径は、外輪9cの内向鍔部22aの内径よりも小さくしている。これに対して、上記各係合爪59、59の自由状態での外接円の直径は、上記内向鍔部22aの内径よりも大きくしている。
図55〜58は、請求項1、2、7、8、11、14〜16、22に対応する、本発明の実施の形態の第11例を示している。本例の場合、保持器16iを外輪9cに組み付ける場合に、各弾性突出部58a、58aの基端部を、この外輪9cの内向鍔部22aの内周面に弾性的に当接させる。即ち、上記各弾性突出部58a、58aの基端部の自由状態での外接円の直径を、上記内向鍔部22aの内径よりも大きくしている。そして、上記各弾性突出部58a、58aをこの内向鍔部22aを通過させた状態で、これら各弾性突出部58a、58aの基端部をこの内向鍔部22aに圧入する。これにより、上記保持器16iと外輪9cとを不離に結合する。又、本例の場合も、上記各弾性突出部58a、58aの基端部で上記保持器16iの各突部24f、24fの先端面との接続部60a、60aを、他の部分よりも弱くして、内径側部材10cに組み付ける際、或は、組み付けた後に、上記各弾性突出部58a、58aを上記各突部24f、24fから分離し易くしている。その他の構造及び作用は、上述の第10例と同様である。
2 回転軸
3 歯車伝達機構
4、4a、4b、4c、4d 一方向クラッチ
5 クランクシャフト
6 ピストン
7 大歯車
8 出力軸
9、9a、9b、9c 外輪
10、10a、10b、10c 内径側部材
11 ローラ
12、12a、12b、12c ばね
13 カバー
14 凹入部
15、15a、15b、15c カム面
16、16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i 保持器
17、17a、17b ポケット
18 有底溝
19 押圧棒
20 ねじ
21、21a 円筒部
22、22a 内向鍔部
23、23a、23b 円輪部
24、24a、24b、24c、24d、24e、24f 突部
25、25a 凹部
26 保持部
27 受部
28 ねじ
29 ねじ孔
30 通孔
31 円筒部材
32 台座
33 ダイ
34、34a パンチ
35、35a 素内向鍔部
36 部分円筒部
37 除肉部
38 突片
39 突出部
40 通孔
41 ねじ孔
42 透孔
43 溝
44 中間素材
45、45a 隙間
46 第二の突片
47 間部分
48 スリット
49 突起部
50 爪部
51、51a、51b 結合部材
52、52a、52b 側板部
53、53a、53b 腕部
54、54a、54b 鉤部
55、55a、55b、55c 一方向クラッチ組立体
56 通孔
57、57a 位置決め突部
58、58a 弾性突出部
59 係合爪
60、60a 接続部
61 リング部
Claims (22)
- 金属製の円筒部材の内周面を塑性変形させる事により、内周面に円周方向に亙る凹凸であるカム面を形成した外径側部材と、このカム面とこの外径側部材の内側に配置される内径側部材の外周面との間の円周方向複数個所に配置された複数のローラと、これら各ローラを、上記カム面と上記内径側部材の外周面との間隔が狭くなる方向にそれぞれ押圧する複数の弾性部材と、上記外径側部材と結合した状態で、この外径側部材と上記内径側部材との間に配置され、略円輪状の平板部と、この平板部の片側面の円周方向複数個所に突設され、円周方向片側面を、それぞれ、上記各弾性部材の弾性力を支承可能な受部とした、それぞれが上記平板部と一体に設けられた複数の突部とを備え、これら各突部同士の間部分を、上記各ローラ及び各弾性部材を収納する為のポケットとした保持器とを備え、上記外径側部材は、内周面に上記カム面を有する円筒部と、この円筒部の軸方向一端部から径方向内方に突出した内向鍔部とを一体に形成したものであり、上記保持器の各ポケット内に上記各ローラ及び上記各弾性部材を収納すると共に、上記外径側部材と上記保持器とを結合した状態で、これら各ローラ及び各弾性部材が、上記内向鍔部とこの保持器の平板部との間に配置されている一方向クラッチ。
- 円筒部の外周面が、軸方向に関して直径が変化しない円筒面である、請求項1に記載した一方向クラッチ。
- 外径側部材の内周面に保持器の各突部を締め代を有する状態で嵌合する事により、これら外径側部材と保持器とを結合した、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
- 各突部の径方向中間部に円周方向に亙ってスリットを設けた、請求項3に記載した一方向クラッチ。
- 外径側部材の内向鍔部の内周縁に、保持器の各突部の端面から突出した突起部を締め代を有する状態で嵌合する事により、これら外径側部材と保持器とを結合した、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
- 外径側部材の内向鍔部の内周縁部に、保持器の各突部の端面から突出した爪部を係合する事により、これら外径側部材と保持器とを結合した、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
- 保持器が、合成樹脂の射出成形により、或は、金属材料の型成形により形成されたものである、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
- 保持器を構成する各突部の円周方向他側面で、各ローラの中心よりも径方向内方部分に、各ポケット内に向けて突出する突片を形成し、これら各ポケット内に上記各ローラ及び各弾性部材を配置し、これら各弾性部材の弾性力によりこれら各ローラを上記各突部の円周方向他側面に押し付けた状態で、これら各ローラの外周面と上記各突片とを係合させる事により、これら各ローラが径方向内方に脱落する事を防止した、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
- 保持器を構成する各突部の円周方向片側面の一部に、各ローラに向けて突出する突片をそれぞれ形成した、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
- 各突片が各ローラの中心よりも径方向内方部分に形成されており、これら各突片の先端部と、この先端部と円周方向に対向する各突部の円周方向他側面との間隔が、上記各ローラの外径よりも小さい、請求項9に記載した一方向クラッチ。
- 外径側部材の円筒部の内周面と内向鍔部の保持器を配置する側の片側面との連続部に、全周に亙って溝を形成しており、この溝と上記内向鍔部の片側面とを角部がない様に連続させている、請求項1〜10のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
- 保持器の平板部の円周方向複数個所で各突部から外れた位置に、この平板部を貫通する透孔をそれぞれ形成した、請求項1〜11のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
- 各透孔が、円周方向に長い長孔である、請求項12に記載した一方向クラッチ。
- 外径側部材の内向鍔部の内周縁部と内径側部材の外周面との間に、各ポケット内に潤滑油が流通可能な隙間を設けている、請求項1〜13のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
- 請求項1〜14のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチの製造方法であって、内径が外径側部材のカム面の内接円の直径よりも小さい金属製の円筒部材の外周面を拘束した状態で、この円筒部材の内径寄り部分にパンチを押し込み、この円筒部材の内周面に上記外径側部材のカム面を形成すると共に、この際に生じた余肉をこの円筒部材の軸方向一端側に移動させる事により、この円筒部材の一端部に、上記カム面よりも径方向内方に突出した素内向鍔部を形成し、その後、この素内向鍔部の内径寄り部分を除去して、上記外径側部材の内向鍔部とする、一方向クラッチの製造方法。
- 造るべき外径側部材の円筒部の外周面が、軸方向に関して直径が変化しない円筒面であり、円筒部材の軸方向両端面のうち、パンチの押し込み側の端面のうちでこのパンチにより押圧される部分の周囲部分を抑え部材で抑え付ける事により、上記円筒部材の軸方向の厚さが変化しない状態として、この円筒部材の内径寄り部分にパンチを押し込む、請求項15に記載した一方向クラッチの製造方法。
- 請求項1〜2、7〜14のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチの製造方法であって、外径側部材と保持器との間に、各ローラ及び各弾性部材を組み込んだ状態で、結合部材によりこれら外径側部材と保持器とを不離に結合して一方向クラッチ組立体とし、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に上記結合部材を外す、一方向クラッチの製造方法。
- 結合部材として、側板部と、この側板部の片側面から突出した少なくとも2個の腕部と、これら各腕部の先端部にそれぞれ設けた鉤部とを備えたものを使用し、上記側板部を外径側部材と保持器との何れか一方の部材の側面に当接させると共に、上記各腕部をこれら両部材の外径側或は内径側に配置し、上記各鉤部を他方の部材の側面に係合する事により、これら両部材を不離に結合する、請求項17に記載した一方向クラッチの製造方法。
- 結合部材の各腕部のうち、少なくとも1個の腕部を外径側部材及び保持器の内径側に配置しており、この腕部がこれら両部材内に配置されるローラと干渉しない位置に配置される様に、上記結合部材の円周方向に関する位置決めを行う、請求項18に記載した一方向クラッチの製造方法。
- 結合部材の側板部は、外径側部材の側面に当接するものであり、この側板部に各腕部と同じ方向に突出する位置決め突部を設けて、上記外径側部材の側面に軸方向に形成したねじ孔或は通孔に上記位置決め突部を挿入する事により、上記結合部材の円周方向に関する位置決めを行う、請求項19に記載した一方向クラッチの製造方法。
- 請求項1〜2、7〜14のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチの製造方法であって、保持器の各突部のうちの少なくとも2個の突部の先端面に、それぞれ弾性突出部を突出形成し、これら各弾性突出部の基端寄り部分に係合爪をそれぞれ設け、上記保持器を外径側部材に組み付ける際に、上記各弾性突出部を弾性変形させつつ上記外径側部材の内向鍔部の内周縁を通過させ、通過後に、上記各係合爪をこの内向鍔部の側面の径方向内端部に係合させる事により、上記外径側部材と保持器とを不離に結合して一方向クラッチ組立体とし、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に上記各弾性突出部を除去する、一方向クラッチの製造方法。
- 請求項1〜2、7〜14のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチの製造方法であって、保持器の各突部のうちの少なくとも2個の突部の先端面に、それぞれ弾性突出部を突出形成し、上記保持器を外径側部材に組み付ける際に、これら各弾性突出部を弾性変形させつつ上記外径側部材の内向鍔部の内周縁を通過させ、通過後に、上記各弾性突出部の基端部を上記内向鍔部の内周縁に弾性的に当接させる事により、上記外径側部材と保持器とを不離に結合して一方向クラッチ組立体とし、この一方向クラッチ組立体を内径側部材に組み付ける際、或は、組み付けた後に上記各弾性突出部を除去する、一方向クラッチの製造方法。
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