JP5195003B2 - リアクトル装置及びリアクトル装置製造方法 - Google Patents

リアクトル装置及びリアクトル装置製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5195003B2
JP5195003B2 JP2008122932A JP2008122932A JP5195003B2 JP 5195003 B2 JP5195003 B2 JP 5195003B2 JP 2008122932 A JP2008122932 A JP 2008122932A JP 2008122932 A JP2008122932 A JP 2008122932A JP 5195003 B2 JP5195003 B2 JP 5195003B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
case
reactor
leaf spring
reactor body
cores
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008122932A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009272508A (ja
Inventor
健 朝倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008122932A priority Critical patent/JP5195003B2/ja
Publication of JP2009272508A publication Critical patent/JP2009272508A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5195003B2 publication Critical patent/JP5195003B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

本発明は、リアクトル装置及びリアクトル装置製造方法に係り、特に、複数のコアを接合して形成されるリアクトル体が複数の固定部材によってケースに固定されるリアクトル装置及びリアクトル装置製造方法に関する。
磁性材料のコアにコイルを巻回してリアクトル装置を形成する場合、閉じた磁気回路を作るために複数のコアの接合が行われる。このような場合、ケースに取り付けられて収納されたリアクトルが動作して温度が上昇すると、ケース材料の熱膨張係数とコア材料の熱膨張係数の間の相違によってコアの接合部に応力が働くことがある。
例えば、特許文献1には、2つのU字コアと複数のI字コアとで構成されるリアクトル装置において、一方のU字コアはアルミケースに締結ボルトで締結されてアルミケースに対し移動することができないが、他方のU字コアは、アルミケースに締結されているリテーナによりアルミケースに押さえつけられており、アルミケースに対しすべりが許容される構成が開示されている。これによって、アルミケースの温度が変化しても、アルミケースとコアとの間の熱膨張性の相違によって生じることのあるコアとコアとの間に形成されたギャップの伸縮を防止できる、と述べられている。
特開2004-241475号公報
上記のように、ケースに取り付けられて収納されたリアクトルが動作して温度が上昇すると、ケース材料の熱膨張係数とリアクトルの熱膨張係数の間の相違によってコアの接合部に応力が働き、コアの間の接合を損傷することが生じ得て、信頼性の課題となる。そこで、特許文献1にはいくつかの対策が示されている。
本発明の目的は、新しい考えで、信頼性を向上できるリアクトル装置およびリアクトル装置製造方法を提供することである。また、他の目的は、ケースに取り付けられて収納されたリアクトルを構成するコアの間の接合の損傷を抑制することができるリアクトル装置およびリアクトル製造方法を提供することである。以下の手段は、上記目的の少なくとも1つに貢献する。
本発明に係るリアクトル装置は、複数のコアを接合して形成されるリアクトル体と、リアクトル体を収納するケースと、リアクトル体の一方側をケースに固定する一方側の板バネ体と、リアクトル体の他方側をケースに固定する他方側の板バネ体であって、ケースとリアクトル体とが温度上昇するときにおいてケースとリアクトル体との間の熱膨張係数の相違から生じるリアクトル体に対するケースの相対的伸長に応じて一方側の板バネ体が伸長するように、一方側の板バネ体の板厚を他方側の板バネ体の板厚より薄く設定し、または板厚を同じとして互いに異なる材質に設定される一方側の板バネ体と他方側の板バネ体と、を備えることを特徴とする。
また、リアクトル装置において、リアクトル体からのリード線が引き出される引出側においてリアクトル体をケースに固定するために配置される引出側固定部材を他方側の板バネ体とし、引出側と反対側においてリアクトル体をケースに固定するために配置される反対側固定部材を一方側の板バネ体とすることが好ましい。
また、本発明に係るリアクトル装置製造方法は、複数のコアを接合して形成されるリアクトル体を複数の板バネ体でケースに取り付けてリアクトル装置を製造する方法であって、リアクトル体と複数の板バネ体はそのままの状態として、ケースを単独で予め定めた所定温度に昇温して膨張させる工程と、昇温によって膨張したケースにリアクトル体を複数の板バネ体を介して複数の締結材を用いて取り付ける工程と、ケースにリアクトル体が固定された状態から室温に戻してケースを収縮させ複数の板バネ体と複数の締結部材とを介してケースに取り付けられたリアクトル体において室温状態の下の圧縮応力を生成させる工程と、を含むことを特徴とする。
上記構成の少なくとも1つにより、リアクトル装置は、複数のコアを接合して形成されるリアクトル体とをケースに固定する複数の固定部材のうち、少なくとも1つの固定部材の剛性が他の固定部材の剛性と異なる。一般的にケースとリアクトルとの間の熱膨張係数が相違し、これによって温度上昇がある場合に、ケースとリアクトルとの間に応力が生じえるが、上記構成によれば、剛性の小さい固定部材が他の固定部材よりも大きく伸縮できるので、ケースとリアクトルとの間の熱膨張係数の相違による伸縮を吸収できる。これによって、ケースに取り付けられて収納されたリアクトルを構成するコアの間の接合の損傷を抑制することができ、リアクトル装置の温度変化時における信頼性を向上させることができる。
また、リアクトル装置において、リアクトル体からのリード線が引き出される引出側においてリアクトル体をケースに固定するために配置される引出側固定部材の剛性よりも、引出側と反対側においてリアクトル体をケースに固定するために配置される反対側固定部材の剛性の方が小さい。これによって、引出側における伸縮を抑制しながら、引出側と反対側に大きく伸縮できるので、ケースとリアクトルとの間の熱膨張係数の相違による伸縮を吸収できる。したがって、ケースに取り付けられて収納されたリアクトルを構成するコアの間の接合の損傷を抑制しながら、リード線に対する影響も少なくできる。
また、リアクトル装置製造方法は、ケースを予め定めた所定温度に昇温して膨張させ、膨張されたケースにリアクトル体を複数の締結材を用いて固定し、ケースにリアクトル体が固定された状態から室温に戻し、複数の締結部材の間のリアクトル体において室温状態の下の圧縮応力を生成させる。これによって、リアクトル作動によって温度上昇があっても、圧縮応力を緩和することから始まるので、引張応力の発生までの余裕がある。コアとコアの接合は、圧縮によって損傷することが少ないので、温度上昇がある場合でも、ケースに取り付けられて収納されたリアクトルを構成するコアの間の接合の損傷を抑制することができ、リアクトル装置の温度変化時における信頼性を向上させることができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、板バネによってリアクトル体の下方側をケースに対して保持するいわゆるフロート構造を有するリアクトルを説明するが、リアクトル体とケースの間の熱膨張係数が異なるものであれば、これ以外の構造でリアクトル体をケースに取り付けるものであってもよい。また、以下で述べる材質、寸法は説明のための一例であって、用途等に応じ適当に変更が可能である。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、リアクトル装置10の断面構造図であり、図2は、リアクトル装置10の平面図である。なお、以下では、リアクトル装置10に蓋を設けないものとして説明するが、勿論、適当な蓋でリアクトル装置10の上部を覆うものとしてもよい。リアクトル装置10は、磁性体であるコアにコイルを巻回し、コイルに高周波信号を流すことでインダクタンスとして利用するもので、例えば、スイッチング素子と合わせて用いて、昇圧回路を構成することができるものである。コイルに高周波信号を流すことでコア、コイルは発熱し、例えば、約100℃から約200℃程度に温度が上昇することがある。
リアクトル装置10は、ケース12と、リアクトル体30と、リアクトル体30をケース12に取り付けるための板バネ体20,22とを含んで構成される。なお、リアクトル体30が収納されたケース12には、ポッティング樹脂14が充填されている。このリアクトル装置10は、リアクトル体30の下方側を板バネ体20,22を介してケース12に取り付ける構造を有している。リアクトル体を上方側からケースに押し付けるようにして保持する構造と区別して、この保持構造を、板バネによるフロート構造と呼ぶことができる。
ケース12は、バスタブ状の容器体で、リアクトル体30を収納する機能を有する。ケース12の下方には図示されていないが、適当な冷却装置が配置される。ケース12としては、放熱性のよい材料を用いて成形されたものを用いることができる。例えば、材料としてアルミニウム等の金属材料を用い、適当なバスタブ形状に一体として成形したものを用いることができる。
リアクトル体30は、複数のコアを組み合わせて全体として環状形状とした環状コア体を適当な樹脂で成形したものにコイル36,38を巻回して配置したものである。環状コア体を樹脂で成形したものは、図2に示すように、一方側体32と他方側体34とで構成される。図3に、環状コア体を構成する複数のコアと、コアの間に配置される複数のギャップ板の様子を示す。
環状コア体は、図3の例では、C字形状またはU字形状をしたコア40,60と、I字形状または棒状形状をしたコア42,43,44,45,62,63を組合わせ、隣接するコアの間にギャップ板46,47,48,49,50,51,64,65を挟んで、適当な接着材を用いて、環状形状に一体化したものである。環状コア体の寸法の一例を述べると、平面図における長手方向の寸法が約70mmから約100mm程度、短手方向の寸法が約50mmから約70mm程度、厚さが約15mmから約30mm程度である。
コア42,43,44,45,62,63は、その中を磁束が通る磁性体であり、珪素鋼等の電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き積層したものを用いることができる。あるいは、磁性体圧粉を焼結した圧粉磁心を用いることもできる。ギャップ板46,47,48,49,50,51,64,65は、隣接するコアの間の隙間を規制する板材で、例えば、板厚を約1mmから約3mm程度とするセラミック板等を用いることができる。
環状コア体は、適当な樹脂によって成形されるが、実際には、組立の容易性を考慮して、一方側体32と他方側体34の2つに分けて成形される。図3の例では、コア40,42,43,44,45とギャップ板46,47,48,49を組み合わせて接着材で一体化したものをコア44,45の端面を覆わないようにして樹脂で周囲を成形した一方側体32と、コア60,62,63とギャップ板64,65を組み合わせて接着材で一体化したものをコア62,63の端面を覆わないようにして樹脂で周囲を成形した他方側体34とに分けて成形される。成形用の樹脂としては、耐熱性のよい材料が用いられる。例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等を用いることができる。
一方側体32のコア44,45の端面と、他方側体34のコア62,63の端面とは、樹脂で覆わないようにして、この端面の間に、残るギャップ板50,51を挟み、適当な接着材でこれらを一体化する。このとき、ギャップ板50,51が一方側体32または他方側体34の樹脂によって覆われるように、予め一方側体32または他方側体34の端部の樹脂部分を長めに成形することが好ましい。なお、次に説明する図4には、一方側体32と他方側体34とギャップ板50,51が一体化される前の様子が示されているが、ここでは、他方側体34の端部の樹脂部分が長めに成形され、そこにギャップ板50,51の寸法部分が収納されるようになっている。
このようにして形成されたリアクトル体30は、磁性体であるコアが主要要素であるので、その熱膨張特性は、ほとんどコアの熱膨張係数で決まる。コアの材料である電磁鋼板等の熱膨張係数と、ケース12の材料であるアルミニウムの熱膨張係数とを比較すると、後者の方が大きい。したがって、リアクトル体30をケース12に取り付けた状態でリアクトル装置10を作動させると、リアクトル体30が発熱し、リアクトル体30と共にケース12の温度が上昇する。このときに、熱膨張係数の差によって、ケース12の方がリアクトル体30よりも大きく伸長することになる。
図1、図2に戻り、コイル36,38は、環状コア体を樹脂で成形した一方側体32と他方側体34が挿入されるように、中空形状に成形した環状コイルである。コイル36,38は、そこに流す電流の大きさに対応した断面積の導体を絶縁被覆したものを、内径が一方側体32、他方側体34の対応する箇所の外形よりやや大きめの環状内径形状で、所定の巻数で環状に巻回したものを用いることができる。なお、必要があれば適当な樹脂で成形するものとしてもよい。
コイル36,38は、それぞれの一方端が引出リード線37,39として外部に引き出され、他方端がそれぞれ相互に接続されている。すなわち、引出リード線37を一方端として環状に巻回されたコイル36が形成され、コイル36の他方端はそのままコイル38の他方端となって、環状に巻回されてコイル38が形成された後、コイル38の一方端が引き出されて引出リード線39となる。このように、コイル36,38は一体的に形成される。なお、引出リード線37,39は、その端部で、外部のバスバー8,9にそれぞれ接続される。外部のバスバー8,9は、リアクトル装置10の構成要素ではなく、例えば昇圧回路の端子に対応するものである。
板バネ体20,22は、リアクトル体30をケース12に取り付ける機能を有する固定部材である。板バネ体20は、リアクトル体30の一方側をケース12に取り付けるために用いられ、板バネ体22は、リアクトル体30の他方側をケース12に取り付けるために用いられる。ここで、リアクトル体30の一方側とは、リアクトル体30を構成するコイル36,38の引出リード線37,39が引き出される側で、図1、図2の例では、紙面上で、リアクトル体30の左側である。このことから、板バネ体20を引出側固定部材、板バネ体22を引出側と反対側を固定する反対側固定部材と呼ぶことができる。
板バネ体20,22は、L字形状に折曲成形された板材である。折り曲げられた一方側には固定用の穴21,23(図4参照)が設けられ、その穴21,23を用いて、適当な締結部材によって、板バネ体20,22がケース12に固定される。図2の例では、板バネ体20がボルト24,25によってケース12に固定され、板バネ体22がボルト26,27によってケース12に固定される様子が示されている。折り曲げられた他方側は、リアクトル体30の端部に取り付けられる。取り付け方は、リアクトル体30の端部に設けられた溝にはめ込み、適当な接着材で固定するものとできる。または、板バネ体20,22をリアクトル体30と一体化成形によって一体化するものとしてもよい。
引出側固定部材である板バネ体20と反対側固定部材である板バネ体22は、リアクトル体30に取り付けられた端部と、ケース12に取り付けられた端部との間における剛性が異なっている。具体的には、引出側固定部材である板バネ体20の剛性よりも、反対側固定部材である板バネ体22の剛性のほうが小さい。具体的には、反対側固定部材である板バネ体22の板厚が、引出側固定部材である板バネ体20の板厚よりも薄く設定される。例えば、板バネ体20,22の材料を共に鉄板とし、板バネ体20の板厚を約1mm、板バネ体22の板厚を約0.5mmとすることができる。
板バネ体20,22は、リアクトル体30に取り付けられた端部と、ケース12に取り付けられた端部との間における剛性が異なればよく、鉄板でなくてもよい。例えば、鉄以外の金属材料の板材であってもよい。また、適当な耐熱性と弾性を有していれば、プラスチック材料、ゴム材料等で板バネ体20,22を形成するものとしてもよい。また、剛性の相違は、上記のように、同じ材料で板厚を異ならせて得ることができるが、それ以外に、相互の形状を異なるものとして、リアクトル体30に取り付けられた端部と、ケース12に取り付けられた端部との間における剛性が相互に異なるものとしてもよい。また、形状、板厚を同じとして、材質を相互に異ならせて剛性を異ならせるものとしてもよい。その他、これらの組み合わせで、相互に剛性が異なるものとしてもよい。その意味で板バネ体とは、板状で、弾性を有する部品であればよい。
図4は、リアクトル体30の組立の様子、およびリアクトル体30と板バネ体20,22との関係を説明する図である。ここでは、図3に関連して説明したように、一方側体32と、他方側体34と、ギャップ板50,51とが一体化される前の状態で示されている。この状態で、ギャップ板50,51の両端面、一方側体32のコア44,45の樹脂に覆われていない端面、他方側体34のコア62,63の樹脂に覆われていない端面等に適当な接着材が塗布される。そして、これらが一体化される前に、コイル36,38の中空環状部分に、一方側体32の半環状の部分、他方側体34の半環状の部分がそれぞれ挿入される。
挿入の際に、一方側体32のコア44と他方側体34のコア62との間にギャップ板50を挟みこみ、一方側体32のコア45と他方側体34のコア63との間にギャップ板51を挟みこむ。そして、一方側体32とギャップ板50,51と他方側体34とを一体化する。これによって、樹脂で覆われた環状コア体にコイル36,38が巻回されて配置されたリアクトル体30が形成される。
そして、リアクトル体30の一方側体32の端部の下方に設けられた溝に引出側固定部材である板バネ体20の折曲部がはめ込まれ、同様に、リアクトル体30の他方側体34の端部の下方に設けられた溝に反対側固定部材である板バネ体22の折曲部がはめ込まれる。板バネ体20,22とリアクトル体30とは、適当な接着材等でしっかりと固定される。上記のように、リアクトル体30と板バネ体20,22が一体化成形される構造をとるときは、これらのはめ込み、接着材固定を省略できる。
このようにして、リアクトル体30と板バネ体20,22が一体化されると、板バネ体20,22に設けられた穴21,23を用いて、図2に示されるように、ボルト24,25,26,27によって、板バネ体20,22がケース12に固定される。これによって、リアクトル体30が、剛性の相互に異なる板バネ体20,22を介して、ケース12に固定される。その後、適当なポッティング樹脂14によって、ケース12の内部が充填される。ポッティング樹脂14としては、耐熱性と適当な弾性を有する樹脂を用いることができ、例えばシリコン樹脂を用いることができる。
かかる構成の作用を以下に説明する。上記のように、リアクトル体30が作動によって発熱し、リアクトル体30とともにケース12の温度が上昇したとき、熱膨張係数の差によって、ケース12の方がリアクトル体30よりも大きく伸長する。このとき、その伸長の差は、2つの板バネ体20,22の伸長によって吸収される。
上記のように、引出側固定部材である板バネ体20の剛性よりも、反対側固定部材である板バネ体22の剛性のほうが小さい。したがって、ケース12とリアクトル体30の間の伸長量は、大部分が反対側固定部材である板バネ体22で吸収される。すなわち、図1、図2で言えば、引出側固定部材である板バネ体20は余り伸長せず、反対側固定部材である板バネ体22が、リアクトル体30に対するケース12の相対的伸長に応じて伸長する。これによって、ケース12に取り付けられて収納されたリアクトル体30を構成するコアの間の接合に働く引張応力を低減でき、接合の接着の損傷を抑制できる。
また、引出側固定部材である板バネ体20は余り伸長しないことから、引出リード線37,39のケース12に対する相対的位置関係をほとんど変化しないものとできる。これによって、リアクトル体30と共にケース12の温度が上昇したときに、ケース12に取り付けられて収納されたリアクトル体30を構成するコアの間の接合の損傷を抑制しながら、引出リード線37,39に対する影響を少なくできる。
上記では、ケース12に取り付けられて収納されたリアクトル体30を構成するコアの間の接合の損傷を抑制するために、相互に剛性の異なる板バネ体20,22を用いた。次の方法は、板バネ体20,22の剛性が同じものであっても、ケース12に取り付けられて収納されたリアクトル体30を構成するコアの間の接合の損傷を抑制することができる。勿論、板バネ体20,22の剛性を異ならせることで、さらに信頼性の向上が図れる。
図5は、板バネ体20,22の剛性が同じものであっても、ケース12に取り付けられて収納されたリアクトル体30を構成するコアの間の接合の損傷を抑制することができるリアクトル装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。ここでは、まず、ケース12のみを適当な温度に加熱し、膨張させる(S10)。この加熱のときは、ケース12にリアクトル体30が取り付けられていない。つまり、S10では、ケース12のみを単独で加熱し、膨張させる。加熱温度は、リアクトル装置の作動状態において上昇する温度と同程度がよい。上記の例では、作動時の温度が約100℃から約200℃であるので、例えば、約200℃に加熱し、ケース12を膨張させる。
ケース12が加熱によって十分に膨張すると、つぎに、室温状態にあるリアクトル体30を、2つの板バネ体とボルト24,25,26,27を用いてケース12に取り付け、しっかりと締結固定する(S12)。2つの板バネ体の剛性は同じものであってもよい。つまり、同じ板バネ体を2つ用いるものとできる。
そして室温に戻す(S14)。これによって、ケース12は収縮する。この室温への温度降下によって、ケース12とリアクトル体30との間の熱膨張係数の差によって、ケース12の方がリアクトル体30よりも大きく収縮する。これによって、リアクトル体30およびケース12に圧縮応力が生じる。その後、ポッティングが行われる(S16)。
このようにして製造されたリアクトル装置は、常温の下で、リアクトル体30およびケース12に圧縮応力が生じている。リアクトル体30のコアの間の接合は、圧縮状態において損傷することは少ない。ここで、リアクトル装置が作動して、リアクトル体30が発熱すると、リアクトル体30およびケース12の温度が上昇する。この温度上昇のとき、熱膨張係数の差によって、ケース12の方がリアクトル体30よりも大きく伸長し、リアクトル体30を引っ張るようになる。ここで、リアクトル体30には、常温において圧縮応力が生じているので、この引っ張りは、圧縮応力を緩和することから始まるので、差し引きの引張応力の発生までの余裕がある。このように、常温においてリアクトル体30に予め圧縮応力を与えておくことができるので、リアクトル体30と共にケース12に温度上昇がある場合でも、ケース12に取り付けられて収納されたリアクトル体30を構成するコアの間の接合の損傷を抑制することができ、リアクトル装置の温度変化時における信頼性を向上させることができる。
本発明に係る実施の形態におけるリアクトル装置の断面構造図である。 本発明に係る実施の形態において、リアクトル装置の平面図である。 本発明に係る実施の形態において、環状コア体を構成する複数のコアと、コアの間に配置される複数のギャップ板の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、リアクトル体の組立の様子、およびリアクトル体と板バネ体との関係を説明する図である。 他の実施形態において、リアクトル装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
8,9 バスバー、10 リアクトル装置、12 ケース、14 ポッティング樹脂、20,22 板バネ体、21,23 穴、24,25,26,27 ボルト、30 リアクトル体、32 一方側体、34 他方側体、36,38 コイル、37,39 引出リード線、40,42,43,44,45,60,62,63 コア、46,47,48,49,50,51,64,65 ギャップ板。

Claims (3)

  1. 複数のコアを接合して形成されるリアクトル体と、
    リアクトル体を収納するケースと、
    リアクトル体の一方側をケースに固定する一方側の板バネ体と、リアクトル体の他方側をケースに固定する他方側の板バネ体であって、ケースとリアクトル体とが温度上昇するときにおいてケースとリアクトル体との間の熱膨張係数の相違から生じるリアクトル体に対するケースの相対的伸長に応じて一方側の板バネ体が伸長するように、一方側の板バネ体の板厚を他方側の板バネ体の板厚より薄く設定し、または板厚を同じとして互いに異なる材質に設定される一方側の板バネ体と他方側の板バネ体と、
    を備えることを特徴とするリアクトル装置。
  2. 請求項1に記載のリアクトル装置において、
    リアクトル体からのリード線が引き出される引出側においてリアクトル体をケースに固定するために配置される引出側固定部材を他方側の板バネ体とし、引出側と反対側においてリアクトル体をケースに固定するために配置される反対側固定部材を一方側の板バネ体とすることを特徴とするリアクトル装置。
  3. 複数のコアを接合して形成されるリアクトル体を複数の板バネ体でケースに取り付けてリアクトル装置を製造する方法であって、
    リアクトル体と複数の板バネ体はそのままの状態として、ケースを単独で予め定めた所定温度に昇温して膨張させる工程と、
    昇温によって膨張したケースにリアクトル体を複数の板バネ体を介して複数の締結材を用いて取り付ける工程と、
    ケースにリアクトル体が固定された状態から室温に戻してケースを収縮させ複数の板バネ体と複数の締結部材とを介してケースに取り付けられたリアクトル体において室温状態の下の圧縮応力を生成させる工程と、
    を含むことを特徴とするリアクトル装置製造方法。
JP2008122932A 2008-05-09 2008-05-09 リアクトル装置及びリアクトル装置製造方法 Expired - Fee Related JP5195003B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008122932A JP5195003B2 (ja) 2008-05-09 2008-05-09 リアクトル装置及びリアクトル装置製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008122932A JP5195003B2 (ja) 2008-05-09 2008-05-09 リアクトル装置及びリアクトル装置製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009272508A JP2009272508A (ja) 2009-11-19
JP5195003B2 true JP5195003B2 (ja) 2013-05-08

Family

ID=41438794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008122932A Expired - Fee Related JP5195003B2 (ja) 2008-05-09 2008-05-09 リアクトル装置及びリアクトル装置製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5195003B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112009005402B4 (de) 2009-11-26 2014-07-31 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Reaktor-Sicherungsstruktur
JP5643564B2 (ja) * 2010-07-26 2014-12-17 株式会社タムラ製作所 コア固定具及びコイル装置
CN103314419B (zh) * 2010-12-27 2015-12-09 丰田自动车株式会社 电抗器装置
US8786391B2 (en) 2011-01-26 2014-07-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Reactor and reactor apparatus
JP5951933B2 (ja) * 2011-03-14 2016-07-13 株式会社タムラ製作所 コアモジュール、コイル装置及びコアモジュールの製造方法
JP5874959B2 (ja) * 2011-10-11 2016-03-02 住友電装株式会社 リアクトルおよびその製造方法
JP5893892B2 (ja) 2011-10-31 2016-03-23 株式会社タムラ製作所 リアクトル及びその製造方法
JP5964598B2 (ja) * 2012-01-20 2016-08-03 株式会社タムラ製作所 リアクトル及びその製造方法
JP6005961B2 (ja) 2012-03-23 2016-10-12 株式会社タムラ製作所 リアクトル及びその製造方法
JP6177522B2 (ja) * 2012-12-12 2017-08-09 株式会社タムラ製作所 リアクトル
US9424976B2 (en) 2012-12-11 2016-08-23 Tamura Corporation Reactor

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5744509U (ja) * 1980-08-26 1982-03-11
JPS61219117A (ja) * 1985-03-25 1986-09-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd トランス取付装置
JP2733614B2 (ja) * 1989-02-10 1998-03-30 セイコーインスツルメンツ株式会社 腕時計用カバーガラスの接着固定方法
JPH04123487A (ja) * 1990-09-14 1992-04-23 Hitachi Ltd 電子機器およびその製造方法
JP3598647B2 (ja) * 1996-04-24 2004-12-08 株式会社デンソー 密閉型電動圧縮機
DE112004000178B4 (de) * 2003-09-04 2017-08-10 Mitsubishi Denki K.K. Permanentmagneterregter Synchronmotor und Verfahren zu seiner Herstellung
JP2005234506A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置
JP2007180225A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Toyota Motor Corp リアクトルの固定構造および電気機器ユニット
JP4867889B2 (ja) * 2007-01-18 2012-02-01 株式会社デンソー 電力変換装置及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009272508A (ja) 2009-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5195003B2 (ja) リアクトル装置及びリアクトル装置製造方法
JP6460393B2 (ja) リアクトル
JP5556887B2 (ja) 固定子構造及び固定子製造方法
WO2016167199A1 (ja) リアクトル
US10096420B2 (en) Reactor
JP5212891B2 (ja) リアクトル
US10147536B2 (en) Reactor
JP2010034228A (ja) リアクトル
JP2016066720A (ja) 磁気結合型リアクトル
JP5288001B2 (ja) リアクトル固定構造
JP6585888B2 (ja) リアクトル
JP6458720B2 (ja) リアクトル
JP5316872B2 (ja) リアクトル、及びコンバータ
JP5316871B2 (ja) リアクトル、及びコンバータ
JP2010245458A (ja) リアクトル用コイル部材及びリアクトル
JP2019102496A (ja) コイル装置
JP6628155B2 (ja) リアクトル
JP2007123625A (ja) 変流器及びその製造方法
US11289261B2 (en) Circuit assembly
JP2011124267A (ja) リアクトル固定構造
JP2007013004A (ja) 点火コイル
JP2009246239A (ja) リアクトル及びコイル成形体
CN216751530U (zh) 电磁兼容滤波器
JP6459141B2 (ja) リアクトル
JP6541967B2 (ja) リアクトル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130121

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160215

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160215

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees