JP5643564B2 - コア固定具及びコイル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コイル内にコアを配したリアクトル等のコイル装置、及びコアをケースに固定するためのコア固定具に関する。
(用語の定義)
以下の説明において、磁場中で比較的に強く磁化される材質(例えば、強磁性体、フェリ磁性体、反強磁性体)を磁性体といい、強く磁化されない材質(例えば、常磁性体、反磁性体)を非磁性体という。
(背景技術)
リアクトルは、交流成分に対して誘導性リアクタンスを与える受動素子であり、インバータ回路、アクティブフィルタ回路、直流昇圧回路等に使用されている。近年実用化が進むハイブリッド自動車や電気自動車においても、駆動システムのキーデバイスである直流昇降圧コンバータ等にリアクトルが使用されている。一般に電気自動車用などの比較的に容量の大きなリアクトルは、環状に形成された磁性体である磁心(コア)と、コアに巻かれた巻線(コイル)が、放熱ケース内に収容された構造を有している。また、磁気飽和を防ぐために、コアを磁束と垂直な面で複数の断片に分割して、分割面の間に非磁性体のギャップ部材を挿入して接着固定した構造(分割コア)が一般に採用されている。
コアは、鉄損等のエネルギーロスにより発熱するため、放熱ケースへのコアの取り付けにおいては、コアから放熱ケースへの十分な熱伝導の確保が重要となる。また、直流昇降圧コンバータ等に使用されるリアクトルでは、エネルギーの蓄積と放出が高いレートで繰り返されるため、コアの磁気歪や電磁吸引力により振動や騒音が発生する。
特許文献1には、金属板から形成された弾性変形可能な固定具によってコアを放熱ケース内側の底面及び側面に押さえ付けることにより、放熱ケース内でコアを挟持する板ばねタイプの固定具が開示されている。この固定構造(メタルタッチ構造)は、コアを放熱ケースに密着させるため、容易に良好な放熱特性を確保することができる。
また、上述のように、分割コアはギャップ部材を介して複数のコア断片を積み重ねて接着剤により接合したものである。分割コアの接着層が厚くなると、リアクトルの特性が低下する。そのため、分割コアの接着は、十分に薄い接着厚を得るために、コア断片のスタック(積み重ね)方向に一定の接着圧を加えた状態で行われる。特許文献1に開示されているような板ばねタイプの固定具により放熱ケース内に分割コアを固定すると、固定具により分割コアにスタック方向の圧縮荷重が加えられる。従って、接着剤が未硬化の状態で分割コアを放熱ケース内に取り付けることにより、放熱ケースへのコアの取り付け工程と、分割コアの接着工程とを一括して行うことができるという利点がある。
また、特許文献2には、ステーによりコアを放熱ケース内に吊り下げて、コアを放熱ケースに直接接触させない固定構造(フローティング構造)が開示されている。この固定構造は、コアを放熱ケースに直接接触させないため、コアから放熱ケースへの振動の伝達が少なく、リアクトルから発生する騒音を軽減させることができる。
特開2010−123927 特開2010−147067
特許文献1に開示されているようなコアを放熱ケースに直接固定する構造では、コアに発生した振動がほとんど減衰されずに放熱ケースに伝わってしまうため、リアクトルが動作中に発生する騒音や振動が大きいという問題がある。
一方、特許文献2に開示されているような吊り下げ構造では、放熱ケース内にコアを取り付けた状態でコアに接着荷重を与えることができないため、放熱ケースにコアを取り付ける前に分割コアの接着工程を別途設ける必要があり、作業工数が増えるという問題がある。また、コアのスタック方向(コア断片が積み重ねられた方向)に圧縮荷重を加えながら分割コアを接着するための専用治具も用意しなければならない。
これらの課題を同時に解決するコアの固定構造は従来提案されていなかった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。
本発明の実施形態に従い、リアクトル等のコイル装置のコアをケースに固定するコア固定具が提供される。本発明の実施形態に係るコア固定具は、コアに固定されるコア固定部と、ケースに固定されるケース固定部と、ケースの内側面と当接してケースから離れる方向にコアを付勢する付勢部と、コア固定部、ケース固定部及び付勢部の一端を連結する連結部とを備えている。
このような構成のコア固定具を用いれば、コアの側面がケースの内側面に接触しないフローティング構造を有するコイル装置の組み立てを効率的に行うことができる。具体的には、組み立て前に予め専用治具を使用して分割コアの接着工程を行う必要がなく、ケース内に分割コアを取り付けるだけで、コアに適切な接着圧が与えられる。
典型的には、付勢部は、ケースの内側面と当接する当接部と、この当接部と連結部とを連結し、当接部とコアとの距離が変化するように弾性変形可能なアーム部とを有している。また、コア固定部及びケース固定部は、コア又はケースにねじ止めされる通し穴が形成された固定部を有している。
コア固定部又はケース固定部は、固定部と連結部とを連結するアーム部を有していることが望ましい。
このように、コア固定部とケース固定部のうち少なくとも一方の固定部が、連結部を直結せずに、アーム部を介して連結部に連結される構成にすることで、コアがケース内に柔軟に保持され、振動・衝撃や熱膨張によるコアの破損や特性劣化の発生が防止される。
また、本発明の実施形態に従い、コアを内部に配したコイルがケース内に収容されたコイル装置が提供される。本発明の実施形態に係るコイル装置は、上記のコア固定具によりコアの両端がケースに固定されることを特徴とする。
典型的には、コアは、複数のコア断片がギャップ部材を介して一方向に積み重ねられて接着固定された分割コアである。コア固定具はコアのスタック方向両端に取り付けられることが望ましい。
コアのスタック方向両端には、コア固定具の付勢部と当接する突起部が形成されていることが望ましい。このような突起部をコアに設けることで、コア固定具によりコアに加えられる力の位置及び方向を適切に設定することができる。
また、コアのスタック方向両端に形成された突起部の対応する一組の間にはコアが連続して形成されていることが望ましい。この構成により、両突起部からコアに加えられる力の大半がコア内で圧縮力として作用するため、引張強度やせん断強度の弱い圧粉磁心(ダストコア)を使用する際には有効である。
本発明の実施形態に係るコア固定具を使用することで、低騒音・低振動のフローティング構造を有するコイル装置を、専用治具を用いたコイル接着工程を省き、効率的に組み立てることができるという利点がある。
図1は本発明の実施形態のリアクトルの分解図である。 図2は本発明の実施形態のリアクトル本体の斜視図である。 図3は本発明の実施形態のコア固定具の外観図である;(a)正面図、(b)背面図、(c)平面図、(d)底面図、(e)側面図 図4は本発明の実施形態のリアクトルの平面図である。 図4におけるA断面図である。 図6は本発明の第2の実施形態のリアクトル本体の斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係るリアクトル1について、図面を参照しながら詳しく説明する。図1はリアクトル1の分解図であり、図2はケース50に収容する前のリアクトルの本体1aの斜視図である。なお、以下の説明において、図1における左下側から右上側に向かう方向を幅方向(X軸方向)、右下側から左上側に向かう方向を奥行方向(Y軸方向)、下側から上側に向かう方向を高さ方向(Z軸方向)と定義する。また、リアクトル1を使用する際には、リアクトル1をどのような方向に向けて配置してもよい。
リアクトル1は、一対のU型コアユニット20及び20’、一対のU型コアユニットの対向する端面の間にそれぞれ配置される2つのギャップ部材30、コイル40、ケース50、並びにコアユニット20及び20’をそれぞれケース50に取り付けるための2つのコア固定具10を備えている。
一対のU型コアユニット20及び20’は、ギャップ部材30を介してそれぞれが有する2つの端面を互いに突き合わせて、リング状のコアを形成する。ギャップ部材30は、例えばアルミナ等の非磁性体のセラミックスや樹脂から形成される。各U型コアユニット20及び20’の各端面の周縁には、端面同士を位置決めして突き合わせるための係合突起24及び係合凹部24’がそれぞれ形成されている。本実施形態のU型コアユニット20及び20’は、係合突起24又は係合凹部24’を除いては同一の構造を有している。そのため、以下の説明においては、特に必要の無い限りU型コアユニット20についてのみ説明をし、U型コアユニット20’に関する説明は省略する。なお、U型コアユニット20と20’の構成(例えば、コア断片の数や後述する樹脂成形部の形状等)は互いに異なるものであってもよい。
U型コアユニット20は、磁性体のみから形成された単体の磁性部材ではなく、ギャップ部材30を介して幅方向にスタックされた複数のコア断片20c(磁性体)が樹脂(非磁性体)に埋め込まれたものであり、射出成形(インサート成形)により作られる(図5参照)。樹脂にはポリフェニレンサルファイド(PPS)等の耐熱樹脂が使用される。また、本実施形態において使用されるコア断片20cは圧粉磁心であるが、ケイ素鋼板やフェライトを使用してもよい。本実施形態のU型コアユニット20は、平行に配置された一対のI型コア断片と、この一対のI型コア断片の隣り合う端面(ギャップ面)を連絡する1つのU型コア断片を、所定の板厚を有するギャップ部材30を介して配列させて、インサート成形によりモールドしたものである。なお、U型コアユニット20の両端は、I型コア断片の一端が樹脂により被覆されずに露出している。
図1に示されるように、U型コアユニット20の固定面20bには、コア固定具10を取り付けるための一対のブラケット21a及び21bが形成されている。ブラケット21a及び21bには、インサート成形によりナット22が埋め込まれている。また、ブラケット21a及び21bの奥行方向外側には、板ばね支持突起23a及び23bが固定面20bから突出している。コア固定具10の板ばね部12は、板ばね支持突起23a及び23bと当接して、板ばね支持突起23a及び23bを介して弾性力をコアに加える。なお、板ばね支持突起23a及び23bは、弾性力が板ばね支持突起23a及び23bに集中するように、上腕部121a、122aの根元付近(連結部11の直近)で板ばね部12と当接する位置に形成されている。
コイル40は、平角エナメル線から形成された2つの同一構造の巻線部を並列に配置して、巻き始め同士を連結させた構造を有している。なお、本実施形態のコイル40は1本の平角エナメル線を加工して形成されたものであるが、二つの巻線を溶接等で連結したものでもよい。
コイル40の2つの並列に配置された巻線部にU型コアユニット20の2つの平行な直線部(I型コアが埋め込まれた部分)を通した後、U型コアユニット20の各端面とU型コアユニット20’の各端面とがギャップ部材30を介してそれぞれ突き合わされて接着される。このようにして組み立てられたリアクトル1の本体は、2つのコア固定具10によりケース50に取り付けられる。
コア固定具10は、リアクトル本体1aを幅方向両端においてケース50に取り付けるための部材であり、ステンレス鋼板の板金加工により形成されている。コア固定具10は、コアに弾性力を付与する板ばね部12、ケース50にボルトで固定されるケース固定部13、コアユニット20(20’)にボルトで固定されるコア固定部14、及びこれら各部を連結する連結部11を備えている。本発明の実施形態に係るコア固定具10は、コアに幅方向両側から弾性力を付与する機能と、コア固定具10を介してケース50にリアクトル本体1aをボルト止めする機能とを兼ね備えている。
図3はコア固定具10の外観を示す投影図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は右側面図である。左側面図は右側面図の鏡像であるため図示を省略する。なお、以下の説明において、図3(b)背面図における上下左右によりコア固定具10の上下左右の方向を定義し、また図3(b)背面図における紙面裏側を前方、紙面表側を後方と定義する。
板ばね部12は、左右一対のアーム(左アーム121、右アーム122)と、各アームの先端を連結する当接部123を有している。左アーム121は、連結部11の左端から下方に延びる上腕部121aと、上腕部121aの下端から略U字状に反り返る肘部121bと、肘部121bの先端から斜め上方に直線的に延びる前腕部121cを有している。同様に、右アーム122は、連結部11の右端から下方に延びる上腕部122aと、上腕部122aの下端から略U字状に反り返る肘部122bと、肘部122bの先端から斜め上方に直線的に延びる前腕部122cを有している。上腕部121a及び122aは、連結部11と同様に平板状の部材であり、連結部11と同一平面上に形成されている。連結部11と上腕部121a及び122aは、コア固定具10をコアユニット20に取り付けたときに、コアユニット20の固定面20bに対して略平行に配置される。また、コアユニット20の固定面20bには、コア固定具10をコアユニット20に取り付けたときに、上腕部121a及び122aの上部とそれぞれ当接する板ばね支持突起23a及び23bが形成されている。コア固定具10の幅方向の自然長は、リアクトル本体1aをケース50に取り付けたときのU型コアユニット20の固定面20bとケース内側面との間の距離よりも長くなるよう設定されている。そのため、リアクトル本体1aをケース50に取り付ける際に、当接部123はケースの内側面と当接して、コア側に押し込まれる。このとき、各アームが弾性変形して、ケース50及びコアユニット20に反発力を与える。コアユニット20へは、各アーム121及び122が当接する板ばね支持突起23a及び23bを介して反発力が加えられる。反発力の大きさは、アームの幅、長さ、厚さ、数等の設計パラメータにより、必要なコアの接着荷重(幅方向の圧縮荷重)を与えられるように調整されている。また、当接部123は、リアクトル本体1aをケース50内に取り付け又はケース50から取り出す際にケース50の内側面とスムーズに摺動できるよう、当接部123の先端が連結部11を向くように反り返っている。
ケース固定部13は、連結部11の中央から下方に延びる平板状のアーム13aと、アーム13aの先端から90°屈曲して幅方向外側に延びる略平板状の固定部13bを有している。アーム13aも連結部11と同一平面上に形成されている。固定部13bの中央には、幾分細長い長円形の貫通穴13hが形成されている。貫通穴13hは、ケース50にコア固定具10をボルト止めする際に、ボルト70が通される通し穴である。U型コアユニット20及び20’は、ギャップ部材30を介して幅方向に積み重ねられた複数のコア断片20cをインサート成形により樹脂で被覆したものであるため(図5参照)、幅方向の寸法精度が比較的に低い。コアは、このようなU型コアユニット20及び20’を、更にギャップ部材を介して幅方向に貼り合わせて形成したものであるため、幅方向の寸法精度は例えば奥行方向の寸法精度と比べて格段に低くなっている。そのため、コアの幅方向の寸法の大きなばらつきが許容されるように、貫通穴13hは長円形に形成されている。また、コア固定具10の板厚や加工寸法のばらつきにより、板ばね部12の幅方向の寸法やストローク量(弾性変形による幅方向の寸法の可変量)にもばらつきが生じる。貫通穴13hを長円形に形成することにより、板ばね部12の幅方向の寸法やストローク量のばらつきも許容することが可能になる。
コア固定部14は、左側コア固定部141及び右側コア固定部142から構成される。左側コア固定部141及び右側コア固定部142は、それぞれ連結部11の下端から90°屈曲して幅方向外側に延びる略平板状の部分であり、ケース固定部13(アーム13a)の奥行方向両側にそれぞれ形成される。左側コア固定部141及び右側コア固定部142には、貫通穴141h及び142hがそれぞれ形成されている。貫通穴141h及び142hは、コアユニット20(20’)にコア固定具10をボルト止めする際に、ボルト60が通される通し穴である。
次に、コア固定部14によりリアクトル本体1aをケース50内に固定する手順を説明する。図4は、リアクトル本体1aがケース50内に収容された状態を示す平面図である。また、図5は、図4におけるA−A断面を示す断面図である。コア固定具10は、リアクトル本体1aを組み立てる前に、ボルト60によりU型コアユニット20及び20’に取り付けられる(図1)。具体的には、ボルト60を、コア固定具10の左側コア固定部141及び右側コア固定部142にそれぞれ通した後、U型コアユニット20(20’)のブラケット21a及び21bに埋め込まれたナット22にねじ込むことにより、コア固定具10がU型コアユニット20(20’)に固定される。次に、コア固定具10が取り付けられたU型コアユニット20又は20’の各直線部にコイル40の2つの巻線部を通し、ギャップ部材30及び接着剤を介して一対のU型コアユニット20及び20’の各端面を貼り合わせる。このようにして組み立てられたリアクトル本体1a(図2)は、接着剤が硬化する前にケース50に収容されて、ボルト70により固定される。具体的には、ボルト70を各コア固定具10のケース固定部13に設けられた貫通穴13hに通した後、ケース50内に形成された取り付け台52に設けられた雌ねじ52tにねじ込むことにより、リアクトル本体1aがケース50に取り付けられる。最後に、絶縁性と放熱性を有するシリコーン樹脂等の充填材がケース50内に充填されて、リアクトル1が完成する。
本実施形態のようにリアクトル本体1aをケース50と接触させないフローティング構造では、リアクトル本体1aが発生する熱は、リアクトル本体1aと密着する充填材を介してケース50に伝達される。充填材には比較的に熱伝導性の良好な樹脂が採用されているが、十分な放熱特性を確保するためには、ケース50とリアクトル本体1aとの距離を狭く設定する必要がある。また、リアクトル本体1aに大きな温度分布が発生した場合にもリアクトルの特性が劣化するため、リアクトル本体1aを均一に放熱させる必要がある。十分に均一な放熱性能を与える為には、少なくとも幅方向及び奥行方向において、ケース50内にリアクトル本体1aを誤差1mm未満の精度で取り付けることが必要となる。本発明の実施形態に係るコア固定具10(詳細にはケース固定部13及びコア固定部14)を使用してケース50にコアをボルト止めすることにより、特に幅方向と奥行方向で高い取り付け精度を達成することができ、放熱特性に優れたフローティング構造が実現する。
また、自然状態におけるリアクトル本体1aの全幅、すなわちコア固定具10の板ばね部12を弾性変形させない状態での2つの板ばね部12の先端間の距離は、ケース50の内側の幅よりも広くなっている。従って、リアクトル本体1aをケース50内に収容する際に、各コア固定具10の板ばね部12の先端(当接部123)がケース50の内壁と接触して、内側(連結部11側)に押し込まれる。そして、板ばね部12は、当接部123が各上腕部121a及び122aに近付くように弾性変形する。この弾性変形の復元力により、各当接部123は対向するケース50の内壁を外側に押し、その反作用がリアクトル本体1aに幅方向両側から圧縮力として加えられる。この圧縮力が加えられた状態で、U型コアユニット20及び20’とギャップ部材30とを接合する接着剤の硬化が進められる。
なお、リアクトル本体1aの良好な電磁特性、振動特性及び寸法精度を得るためには、U型コアユニット20及び20’を接合する接着層の厚さを十分に薄くする必要がある。そのためには、一定以上の接着圧を接着面であるギャップ面に垂直に加えた状態で接着剤を硬化させる必要がある。板ばね部12を備えていないコア固定部を使用してリアクトル1を組み立てる場合には、ケース50にリアクトル本体1aを収容する前に、専用の組み立て治具により接着圧をコアに与えた状態で接着剤を硬化させる必要があった。本発明の実施形態に係るコア固定具10を使用すれば、従来のように専用の組み立て治具を使用した加圧接着工程を省略することができるため、組み立てに必要な工数を大幅に削減することができ、また専用治具を用意する必要も無くなる。
コア固定具10の板ばね部12は、上腕部121a及び122aの背面で、U型コアユニット20(20’)の固定面20bに形成された板ばね支持突起23a及び23bとそれぞれ当接している。リアクトル本体1aをケース内に収容したときにコア固定具10の当接部123がケース50の内壁面から受ける幅方向内向きの力の大半は、板ばね支持突起23a及び23bを介してコアに伝えられる。図5(図4におけるA−A断面)は、U型コアユニット20の板ばね支持突起23aと、U型コアユニット20’の板ばね支持突起23bを通る断面を示している。図4及び5に示されるように、U型コアユニット20の板ばね支持突起23aと、U型コアユニット20’の板ばね支持突起23bは、幅方向に延びる直線L上に配置されている。また、上述のように各板ばね支持突起23a及び23bを介してコアに加えられる力の向き(幅方向内向き)はこの直線Lの方向と一致する。更に、図5に示されるように、各板ばね支持突起23aと23bを結ぶ線分L上には、コア断片20cとスペーサ部材30が隙間無く配置されている。そのため、各板ばね支持突起23aと23bを介してコアに加えられた力の大半は直線Lに沿った圧縮力としてコア内を伝達し、コア内に強いせん断力が生じることがない。従って、せん断強度の弱いダストコア等を使用しても、板ばね部12の弾性力によりコアにひび割れ等が生じることがない。逆に、板ばね支持突起23a及び23bに加えられる力の向きが直線Lの方向と一致しない構造では、コアに強いせん断応力や引張応力が発生するため、ダストコア等のせん断強度や引張強度が弱い磁性材料を使用すると、コアにひび割れ等が発生する可能性がある。また、仮に板ばね支持突起をブラケット21aと21bの中間(固定面20bの幅方向中央)に設けると、板ばね支持突起を結ぶ線分上にはコアが存在しない領域が存在することになる。このような構造は、コアに強いせん断応力が発生するため、ダストコア等のせん断強度の弱いコア材料の使用には適していない。また、本実施形態において圧縮力が加えられる直線Lは、ギャップ部材30を介して互いに接合されるU型コアユニット20及び20’の端面(接着面)の中央を垂直に通る。そのため、U型コアユニット20及び20’の接着面に均一な接着圧を加えることができ、均一な厚さの接着層が形成される。これにより、U型コアユニット20及び20’の接着部に十分なせん断強度を与えることができ、良好な騒音・振動特性が確保される。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施の形態は、上記に説明したものに限定されず、特許請求の範囲の記載により表現された技術的思想の範囲内で任意に変更することができる。
例えば、上記の実施形態では、ケース固定部13においてはボルト止めされる固定部13bがアーム13aを介して連結部11に接続されており、コア固定部14においては各固定部141及び142が連結部11に直結されているが、本発明の実施形態の構成はこれに限定されない。アームは、コアからケース50に、あるいはケース50からコアに伝わる振動を緩和させる機能を有しているが、例えば、アームはケース固定部13とコア固定部14の少なくとも一方に設けられていればよい。但し、上記の実施形態のように板ばね支持突起23a、23bを設ける場合には、板ばね支持突起23a、23bに弾性力が集中するように、コア固定部14にはアームを設けずに高い剛性を与えるのが望ましい。
また、上記実施形態のコア固定具10には、コア固定部(141、142)が2つ、ケース固定部(13)が1つ、板ばね部(12)が一つ設けられているが、各部の数はこれに限定されない。また、上記実施形態では、板ばね部12が二つのアームを有し、ケース固定部13が一つのアームを有しているが、各部のアームの数はこれに限定されない。また、コア固定部141及び142に一つ以上のアームが設けられていてもよい。
上記の実施形態では板ばね部12の2つのアーム121及び122が先端で1つの当接部に連結されているが、別の実施形態では各アーム121及び122の先端にそれぞれ独立した当接部を設けてもよい。
上記の実施形態では、奥行方向中央にケース固定部が配置され、その奥行方向外側にコア固定部が配置され、更に奥行方向外側に板ばね部12のアーム121及び122が配置されているが、これら各部の配置関係は上記の実施形態の構成に限定されない。但し、板ばね部12のアーム121及び122をコアの固定面20bに当接させてコアに弾性力を加える構成にする場合には、コアに大きなせん断力を与えないような位置(例えば、コアを挟む一対のアームとコアとの当接点を結ぶ線分上にコアが切れ目無く存在する位置)に板ばね部12のアーム121及び122を配置することが望ましい。また、上記の実施形態では、ケース固定部13が上下方向下側に、コア固定部14が上下方向上側に、板ばね部12の当接部123がその中間に配置されているが、これら各部の上下方向の配置関係もこれに限定されない。また、上記実施形態にはリングコアが使用されているが、例えばI型コアやE型コアなど別の形状のコアを使用してもよい。
図6に本発明の実施形態の変形例の一つを示す。図6は本発明の実施形態の変形例であるリアクトル本体200の外観図である。この変形例のコア固定具210では、コア固定部214が、板ばね部212より幅方向外側に配置され、アーム214aを介して連結部211に接続されている。また、連結部211は、各部の左側のアームを連結する左側連結部211aと、右側のアームを連結する右側連結部211bに分離されている。これに伴い、ケース固定部213には左側アーム213aと右側アーム213bの2つのアームが形成されている。コア固定具210は、コア固定部214にアーム214aを設けたことにより、コア固定部214とケース固定部213、及び板ばね部212の当接部2123とを結ぶ距離(ばね長)が長く確保されている。そのため、コア固定具10よりも大型ではあるが、コアとケースとの間で更に振動が伝わり難くなっている。図6に示されるような構成も、本発明の範囲に含まれる。
また、上記に説明した実施形態及び変形例は、本発明をリアクトルに適用した例であるが、例えばトランス等の別の種類のコイル装置にも本発明を適用することができる。
1 リアクトル
10 コア固定具
11 連結部
12 板ばね部
121 左アーム
122 右アーム
121a,122a 上腕部
121b,122b 肘部
121c,121c 前腕部
123 当接部
13 ケース固定部
13a アーム
13b 固定部
13h 貫通穴
14 コア固定部
141 左側コア固定部
142 右側コア固定部
141h 貫通穴
20,20’ コアユニット
20b 固定面
21a,21b ブラケット
22 ナット
23a,23b 板ばね支持突起
24 係合突起
24’ 係合凹部
30 ギャップ部材
40 コイル
50 ケース
52 取り付け台
52t 雌ねじ
60,70 ボルト

Claims (11)

  1. コイル装置のコアをケースに固定するコア固定具であって、
    前記コアに固定されるコア固定部と、
    前記ケースに固定されるケース固定部と、
    前記ケースの内側面と当接して前記ケースから離れる方向に前記コアを付勢する付勢部と、
    前記コア固定部、前記ケース固定部及び前記付勢部の一端を連結する連結部と
    を備えたコア固定具。
  2. 前記付勢部は、
    前記ケースの内側面と当接する当接部と、
    前記当接部と前記連結部とを連結し、前記当接部と前記コアとの距離が変化するように弾性変形可能なアーム部と
    を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のコア固定具。
  3. 前記コア固定部及び前記ケース固定部は、前記コア又は前記ケースにねじ止めされる通し穴が形成された固定部を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載のコア固定具。
  4. 前記コア固定部又は前記ケース固定部は、前記固定部と前記連結部とを連結するアーム部を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載のコア固定具。
  5. 前記コイル装置はリアクトルである
    ことを特徴とする請求項4に記載のコア固定具。
  6. コアを内部に配したコイルがケース内に収容されたコイル装置であって、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のコア固定具により前記コアの両端が前記ケースに固定されることを特徴とするコイル装置。
  7. 前記コアは、複数のコア断片がギャップ部材を介して一方向にスタックされて接着固定された分割コアであり、前記コア固定具は前記コアのスタック方向両端に取り付けられる
    ことを特徴とする請求項6に記載のコイル装置。
  8. 前記コアのスタック方向両端には、前記コア固定具の付勢部と当接する突起部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載のコイル装置。
  9. 前記コアのスタック方向両端に形成された前記突起部の対応する一組の間にはコアが連続して形成されていることを特徴とする請求項8に記載のコイル装置。
  10. 前記コアはダストコアである
    ことを特徴とする請求項8又は9のいずれか一項に記載のコイル装置。
  11. リアクトルであることを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載のコイル装置。
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