JP5194458B2 - 太陽光発電システムの制御方法と太陽光発電システムの発電量予測装置 - Google Patents
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舟橋他、「小規模電力系統(マイクログリッド)における発電機最適運転の検討」学会誌「EICA」第11巻第1,3合併号、pp.127−133、2006
前記太陽光発電装置を通常運転用と予備用に分けると共に、前記制御部には、予め作成された太陽光発電装置の発電開始時間から発電終了時間までの快晴時の発電量のピーク曲線と前記電力貯蔵部に対する充放電の運転計画曲線を記憶させ、発電開始時間から発電終了時間での充電中で、前記充放電の運転計画曲線に基づく充電値よりも発電出力量が大きい時の余剰分を充電し、発電出力量が計画充電値よりも少ない時には前記予備用の太陽光発電装置を電力系統に接続し、前記電力貯蔵部が所定値充電量となったときには放電モードに切替え、且つ前記発電開始時間から発電終了時間での非充電時のときには前記ピーク曲線に沿って放電し、全放電終了時には電力系統に接続された太陽光発電装置を解列する制御を、発電開始時間から発電終了時間まで定周期で繰り返し行うことを特徴としたものである。
前記単位時間を細分化した短周期の計測時間で個々の太陽光発電装置の発電量を計測する計測手段と、個々の太陽光発電装置における太陽電池のパネル効率と面積、及び前記短周期の計測時間から日射強度を算出する日射強度算出手段と、前記区分単位のメッシュ中心をx軸,y軸方向に1メッシュ毎に短周期の計測時間単位分をn回繰り返して得られた日射強度の2つのデータの最大相関係数を算出する最大相関係数算出手段と、この最大相関係数をメッシュ間の距離から風向きと風力を決定して日射変動分を決める日射変動分算出手段と、前記単位時間でメッシュの風上から風下への繰返し得られる日射変動分の積算から前記単位時間分の日射量を算出する日射量算出手段と、得られた日射量にメッシュの面積をかけて発電量の予測値を算出する予測値算出手段とを備えたことを特徴としたものである。
また、広域化による日射強度の多様性からくる太陽光発電装置の発電量の平準化が図ると同時に、変動吸収を複数の太陽電池群のオン/オフ機能を持たせることで、系統への信頼性・品質・経済性の向上を実現する。
この太陽光発電装置から所定の電力量が出力される。5,6は変圧器、7は太陽光発電システムの変電所、8は変電所の母線、9は電力会社の変電所である。
なお、図1では、母線8に接続される負荷及びガス発電機などの他の変動追従型発電機等は省略している。
目標値を設け、この目標値に対して発電量が上回るときはその分を充電し、発電量が足りないときは、その分を放電して平滑化する方法がとられる。図11は
太陽光発電の発電量と時間関係図を示したもので、線アは太陽光発電の発電量が雲に影響されない快晴時の出力曲線、線イは電力貯蔵部の運転計画曲線(値)、線ウが当日の太陽光発電装置の出力曲線で、雲による影響で日射強度が変化することにより発電出力が変化している。設定された運転計画曲線イに従った制御方法では、当日の太陽光発電装置の出力曲線ウが変動の度に、電力貯蔵部11の充放電が繰り返されてしまう。
太陽光発電の発電量のピーク曲線アの算出方法としては、図11と同様に雲がないとき(快晴時)の、日射強度曲線に対し、この時点までの変動頂点の、各時刻での偏差を算出し、それを平均する。その偏差分を、快晴時の日射強度曲線にかけて、当日の、以後の日射強度ピーク曲線イを作成する。太陽光発電の効率(計算による日射強度と、発電量の実測値から算出)を掛けて、当日の太陽光発電量のピーク曲線とする(S3)。当日のピーク曲線イは、時刻t1からピーク値となるt2までが、当該日における電力貯蔵部11の充電分の運転計画値であり、予想される当日の太陽光発電量のピーク曲線ウよりも下限に設定され、また、
t2からt3までが電力貯蔵部11の放電分の運転計画値で、当日の太陽光発電量のピーク曲線ウよりも上限に設定される。S4では太陽電池群を通常運転用1a,1b…と予備運転用2a…に分け、これらの各データや計画値は制御部14に格納される。
S17で1日の運転が終了する。
また、時刻t2以降の放電時での放電量は、予備用の太陽光発電装置が補ったあとの差分であるため、電力貯蔵部10に対する放電深度を浅くすることができ、電力貯蔵部10の寿命への影響を軽減することができる。
近年、分散電源系統では、PPSや電力会社への売電時には、一定時間出力を一定に保つ潮流一定出力が求められている。これらの条件として、例えば、
(1)発電所出力の1分平均値を計算し、平時は、任意の時間内において、周波数変動対策後の発電設備合成出力(1分間平均値)の「最大電力−最小電力」が全発電機の定格出力合計値の10%以下であること。
(2)指定された時間帯において、周波数変動対策後の全電気設備合成出力を電力系統に流出されず一定にすること、または発電機を解列すること。
である。ここで、出力一定とは1分間平均値と一定制御目標値の偏差を定格出力合計値の2%以下とする、といった表現があてはまる。そのためには、一定時間内の一定出力を1分間隔でのばらつきを押さえながら制御する技術が必要となり、図5の実施例は、太陽光発電装置を含む分散電源系統への適用を可能としたものである。
制御部14は、予め設定されたこの発電予想曲線に沿って1日の充放電制御を実行する。すなわち、時刻t12までは段階的に設定された発電予想曲線に沿って充電を行い、時刻t12以降は潮流一定制御のための計画値から太陽光発電装置の出力値を引いた差分が放電量となる。
また、時刻t12前後での時間幅がやや大きく設定されたことにより、設定されたピーク値以上の太陽光発電装置による出力のひげが発生したとき、太陽光発電池群を部分的に解列することによりひげ取の範囲が拡大でき、需要と供給の時間的ミスマッチを解消して間欠的なエネルギーの安定化を図ることが可能となる。
図5で示す潮流一定制御における発電量の出力計画は、快晴時による線アに基づくものであるが、快晴時以外の該当日の発電量には計画曲線の内外に渡って変動する電力波形のひげが発生する。このひげ取りを、より精度よく台数運転制御を実施するためには、精度の良い発電量の予測が必要となる。以下は、その予測法について説明する。
また、メッシュ区分で2つ以上の区分にまたがるパネルを持つ太陽光発電装置については、物理的にメッシュ区域から逸脱して面積が相対的に大きくなっても、日照強度と日照量に換算するときは、パネル面積で割るので計算値に影響はないので、一箇所のメッシュ区分に強制収用することで解決が可能である。
発電量の予測は、太陽光発電の計量結果を用い、複数の太陽光発電装置のオン/オフ制御時の装置選択に利用する各装置の発電量の見込みは、負荷予測の電力量を差し引いたものを使う。各戸の負荷予測は過去の蓄積データに、気象や曜日、日時のパラメータを用いて、ニューロネットワーク技術やカオス技術を利用して計算が可能である。以下具体的に説明する。
(1)単位時間後のメッシュ内での発電量を予測する。
(2)電力貯蔵装置と複数の太陽光発電装置の最適運転計画を作成する。
(3)運転計画に従って、個々の装置を制御する。
(4)上記(1)から(3)を繰り返す。
それぞれについて、以下のように展開する。
a,単位時間をさらに刻み、短周期の計測幅を持たす。
b,短周期の時間単位での個々の太陽電池の発電量を計測する。
c,個々の太陽電池のパネル効率と面積、短周期の計測時間から日射強度を算出する。
d,図8で示すように、メッシュの中心をx、y方向に1メッシュずつ過去データをシフトし、これをaで設定された短周期の時間単位分、n回繰り返す
e,2つのデータ(図9のM1とM2)の最大相関関数を算出する。
f,図9で示すように、最大相関係数とメッシュ間の距離、すなわち、M1からM2にまで移動した距離から、風向と風力を決定する。このとき、日本では雲に影響を与える風として西向き、40km/hが一般的なので、設置当初はこれをベースに相関関係のデータ探索を行うと検索の高速化が実現できる。この相関関係によって導いた風力と風向はデータとして蓄積し、その傾向と蓄積データをベースにニューロネットワーク技術やカオス技術を応用した相関関係のデータ探索を行うと以後の検索の高速化が実現できる。
g,短周期計測の差分結果より日射変動成分を取り出す。この成分は微分成分となる。
h,雲の動きが、各メッシュの日射強度に直接影響するので、次の隣接したメッシュに、同じ雲が影響を与える時間と方向を算出する。風上側のメッシュが解列しており、日照データが得られないときは、さらに上流の日照データを用いる。下流のデータがあるときは2者を比べてその中間値を採用する。
i,gとhの結果を当初の単位時間分について、図10で示すように風上側から繰り返し積算することで、最大日射強度と、最小日射強度から最大日射変動幅を得て単位時間分の日射量を得る。
j,図10は、1メッシュ毎の風の移動時間の態様を示したもので、最も風上のメッシュ列の上部2段(矢印表示のない部分)については日射量の算出が出来ないので、前回値を用いる。計測した変動成分より一次近似して算出することも可能。一般に天候が安定しているときは近似式から算出したほうが有効なので、快晴時は近似式から算出し、それ以外は前回値を利用することが考えられる。これは、魚眼カメラやレーザ光観測などを利用した気象予測から、高い精度で得ることで代替が可能である。
k,日射量に個々のメッシュで持つ太陽光発電装置の発電効率と面積をかけて、発電量と最大発電変動幅の予測値を得る。風上からの実発電実績に基づいて計算した予測値は、高い正確さが期待できる。
(a)単位時間当たりの潮流変動幅を全太陽光発電装置(分散電源系統の全発電機の場合もある)の定格出力の合計のa%以下にする。
(b)複数の単位時間をまたがっての平均の潮流変動幅を全太陽光発電装置(分散電源系統の全発電機の場合もある)の定格出力の合計のb%以下にする。
(c)経済的に最良の運転を選択する。
(d)安定運転に最良の選択をする。
(e)系統に対して最良の運転を選択する。
などが条件としてあり、優先度によってそれぞれの関数に重みを与え、最終的に一次の不等式で表現する。
このときの入力パラメータとしては、
(f)メッシュごとの次の単位時間(例:1分間)発電量と最大発電変動幅の予測と、予測変動幅(風上が最大で、風下につれて小さくなる。また、天候の安定度によって値が変化する…快晴時は最小、雨天時、晴天時、曇天時がそれに続く)
(g)複数の単位時間(例:20分間、30分間、1時間)をまたがっての平均の全出力電力量目標値
(h)電力貯蔵部の残量(蓄電池残量)
がある。
制約条件としては、
(i)太陽光発電装置の電力コスト(売電コスト、買電コスト)
(j)運転逸脱時のペナルティ(コスト換算したもの)
(k)電力貯蔵部の残量と充放電サイクルコスト(充放電サイクル周期、充放電カウントをする深度、及び充放電サイクル寿命)
(l)電力貯蔵部の運転戦略
・予備分を加味した充放電限界値の設定…これには、全システムの停止、充放電サイクルを最初から繰り返すなどの上下限値を超えたときのシステムの振る舞いも定めておく。
・充放電切替方針…回数、切替回数を加算する充放電深度、リセットタイミング。
・目標潮流まで全力で追従/許容潮流まで追従したら止める。
上記の目標関数、入力パラメータ、制約条件から、その後の単位時間(例:1分間)の電力貯蔵部の充電量/放電量、太陽電池群(太陽光発電装置)の解列/接続を求め、運転計画を作成する。
また、単位時間(例:1分単位)の出力予測を行い、短時間の変動に対して、他の発電機だけでなく、太陽光発電装置の部分的な解列(OFF)によって、その時点で最適な大容量の制御を短時間に行うことが可能となるものである。
太陽光発電装置はパネルの種類でさまざまな特性があるが、それらが混在していても可能な制御方式である。また、電力貯蔵部はさまざまな特性を持ち、最適な運転モデルはないが、この実施例3による制約条件の書き換えだけで、多種類の電力貯蔵装置に最適な運転モデルの提供が可能となり、しかも、高価な電力貯蔵部の必要容量を減らすことができるものである。
2… 第2の太陽電池群
3… 第1のパワーコンデショナー
4… 第2のパワーコンデショナー
5… 変圧器
6… 変圧器
7… 太陽光発電システム変電所
8… 母線
9… 電力会社変電所
10… 安定化装置
11… 電力貯蔵部
12… 電力変換部
13… 連系変圧器
14… 制御部
Claims (9)
- 太陽電池群よりなる太陽光発電装置と、電力貯蔵部と電力変換部を有する安定化装置を電力系統に接続し、安定化装置の制御部を介して電力変換部に対する制御を実行し、電力貯蔵部への充放電制御を行うように構成した太陽光発電システムにおいて、
前記太陽光発電装置を通常運転用と予備用に分けると共に、前記制御部には、予め作成された太陽光発電装置の発電開始時間から発電終了時間までの快晴時における発電量のピーク曲線と前記電力貯蔵部に対する充放電の運転計画曲線を記憶させ、発電開始時間から発電終了時間での充電中で、前記充放電の運転計画曲線に基づく充電値よりも発電出力量が大きい時の余剰分を充電し、発電出力量が計画充電値よりも少ない時には前記予備用の太陽光発電装置を電力系統に接続し、前記電力貯蔵部が所定値充電量となったときには放電モードに切替え、且つ前記発電開始時間から発電終了時間での非充電時のときには前記ピーク曲線に沿って放電し、全放電終了時には電力系統に接続された太陽光発電装置を解列する制御を、発電開始時間から発電終了時間まで定周期で繰り返し行うことを特徴とした太陽光発電システムの制御方法。 - 前記所定値充電量は、前記電力貯蔵部の満充電か、満充電時点から発電終了時間までに必要な電力量を満たす充電量を確保する量であることを特徴とした請求項1記載の太陽光発電システムの制御方法。
- 前記充放電の運転計画曲線は、充電時の運転計画に基づく値と共に放電時のみの運転計画曲線を作成し、各計画曲線に基づく計画値は段階状に作成し、充電終了時と放電開始時の接合部分にピークシフト可能な時間間隔を持たせたことを特徴とした請求項1又は2記載の太陽光発電システムの制御方法。
- 前記電力貯蔵部は、非充電状態で、且つ発電量が運転計画曲線に基づく発電出力値よりも大きいときに、前記太陽光発電装置を電力系統から部分的に解列することを特徴とした請求項1乃至請求項3記載の太陽光発電システムの制御方法。
- 前記太陽光発電装置の電力系統からの解列制御は、太陽光発電装置の出力予測量から負荷予測による電力量を差し引いた信号に基づくものであることを特徴とした請求項1乃至請求項4記載の太陽光発電システムの制御方法。
- 前記太陽電池群は、メッシュで区切られた区分単位で構成し、系統との接続と解列の切替制御は、任意の単位時間における発電量の出力予測と、この出力予測に対する発電変動時に各区分単位毎で行うことを特徴とした請求項1乃至請求項3記載の太陽光発電システムの制御方法。
- 前記発電量の出力予測は、前記任意の単位時間をさらに細分化した短周期での計測幅を持たせて発電量を計測し、個々の太陽電池の効率と面積、短周期の計測時間から日射強度を算出し、これを前記メッシュの中心をx軸,y軸方向に1メッシュ毎に短周期の計測時間単位分をn回繰り返して得られた日射強度の2つのデータの最大相関関数を算出し、この最大相関関数とメッシュ間の距離から風向きと風力を決定して短周期の計測結果より日射変動成分を抽出して前記単位時間分についての日射量を求め、この日射量に前記メッシュ個々で持つ発電効率と面積をかけて発電量の予測値とすることを特徴とした請求項6記載の太陽光発電システムの制御方法。
- 前記単位時間分の日射量は、風上側から順次繰り返して積算して求めることを特徴とした請求項7記載の太陽光発電システムの制御方法。
- 太陽電池群よりなる太陽光発電装置と、電力貯蔵部と電力変換部を有する安定化装置を電力系統に接続し、安定化装置の制御部を介して電力変換部に対する制御を実行し、電力貯蔵部への充放電制御を行うように構成した太陽光発電システムであって、前記太陽電池群を任意のメッシュで区切って区分単位とし、この区分単位毎に任意の単位時間で発電量の出力予測を行い、この出力予測値に基づき発電量が予め作成された運転計画曲線の値より大のとき太陽光発電装置を電力系統から解列するものにおいて、
前記単位時間を細分化した短周期の計測時間で個々の太陽光発電装置の発電量を計測する計測手段と、個々の太陽光発電装置における太陽電池のパネル効率と面積、及び前記短周期の計測時間から日射強度を算出する日射強度算出手段と、前記区分単位のメッシュ中心をx軸,y軸方向に1メッシュ毎に短周期の計測時間単位分をn回繰り返して得られた日射強度の2つのデータの最大相関係数を算出する最大相関係数算出手段と、この最大相関係数をメッシュ間の距離から風向きと風力を決定して日射変動分を決める日射変動分算出手段と、前記単位時間でメッシュの風上から風下への繰返し得られる日射変動分の積算から前記単位時間分の日射量を算出する日射量算出手段と、得られた日射量にメッシュの面積をかけて発電量の予測値を算出する予測値算出手段とを備えたことを特徴とした太陽光発電システムの発電量予測装置。
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