JP5194371B2 - 圧電アクチュエータ、液体移送装置及び圧電アクチュエータの製造方法 - Google Patents

圧電アクチュエータ、液体移送装置及び圧電アクチュエータの製造方法 Download PDF

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本発明は、圧電アクチュエータ、液体移送装置、及び、圧電アクチュエータの製造方法に関する。
液体を移送する液体移送装置として、ノズルからインクを吐出して印字を行うインクジェットヘッドがある。その中でも、インクに圧力を与える圧電アクチュエータを備えたものがある。この圧電アクチュエータとしては、例えば、積層された複数の圧電層と、これら複数の圧電層間に交互に配置された2種類の複数の内部電極とを有し、2種類の複数の内部電極は、同種の電極間において互いに導通し、さらに、駆動電圧を印加する駆動回路に接続されており、この2種類の複数の内部電極間に電位差を発生させることにより、電圧が印加された電極間の部分の圧電層を変形させてインクに圧力を付与するように構成されているものがある。
例えば、特許文献1(特開2004−358716号公報)の図1に示されるインクジェットヘッドの圧電アクチュエータは、複数のノズルにそれぞれ対応した複数の圧電素子を備え、各圧電素子は積層された複数の圧電層とその間に交互に配置された2種類の複数の内部電極とを有する。そして、1つおきに配置された同種の複数の内部電極は夫々圧電素子の両側面に形成された外部電極を介して互いに導通している。さらに、外部電極はFFC(フレキシブルフラットケーブル)により駆動回路に接続されている。つまり、駆動回路からFFCを介して1つおきに配置された同種の複数の内部電極に所定電圧が印加されるように構成されている。
また、特許文献2〜4(米国特許6,604,817号、6,631,981号、4,766,671号)に示されるインクジェットヘッドはいずれも、複数の圧力室を覆う圧電素子を備える。この圧電素子は、積層された圧電層と、これらの圧電層間に交互に配置された2種類の電極を備え、圧電層に形成されたスルーホール又は溝に充填された導電性材料を介して、同種の電極を導通させている。いずれの場合も、圧電層の圧力室と反対側の面に、導電性材料と接続された端子(電極)が形成され、この端子を通じてFFCにより駆動回路に接続されている。
特開2004−358716号公報(図1) 米国特許6,604,817号 米国特許6,631,981号 米国特許4,766,671号
しかしながら、各圧電素子の側面に形成された複数の外部電極の各々にFFCの端子を接続しようとすると、その電気的接続構成が複雑になる。特に高品質印刷のために圧電素子が高密度に配置されていると、接続がより困難になり、その分、電気的接続の信頼性が低下する、あるいは、製造コストが高くなる。また、圧電素子の側面の外部電極とFFCとの接続が、圧電素子の変形時に分断してしまう虞もあり、インクジェットヘッドの信頼性も低い。
また、特許文献2〜4に示されるインクジェットヘッドはいずれも圧電層の圧力室側の面が圧力室に露出している。従って、電極を接続するスルーホールを形成する際には、スルーホールが圧力室に連通しないように、スルーホールを形成する位置及び/又はスルーホールの深さに注意しなければならない。また、これらの文献に示されているインクジェットヘッドの圧電層はいずれも、複数の圧力室にわたって形成されている。従って、ある圧力室に圧力を付与するために、当該圧力室に対向する部分の圧電層を変形させた場合に、隣接する圧力室に対向する部分の圧電層にも変形が伝わる現象、いわゆるクロストークが問題となる。さらに、圧電層の圧力室と反対側の面には、導電性材料と接続された端子(電極)が形成されており、これらの端子とFFC等の外部配線部材とを接続している。FFC等の外部配線部材との接続は、外力に対して非常に弱いため、これらの接続の信頼性も問題となる。
本発明の目的は、圧電素子の内部電極に駆動電圧を供給するための電気的接続構成を簡素化するとともに、その接続が容易で、信頼性も高い圧電アクチュエータ及びこれを用いた液体移送装置を提供することと、このような圧電アクチュエータの製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第1の態様に従えば、平面に沿って配置された複数の圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットの一表面に配置され、前記複数の圧力室を覆う振動板と、前記振動板の前記圧力室と反対側の面において前記圧力室と対向する位置に夫々配置された圧電素子とを有する液体移送装置の圧電アクチュエータであって、前記各圧電素子は、積層された複数の圧電層と、所定の駆動電圧が印加される複数の第1電極と、共通の基準電位に保持される複数の第2電極とを備え、第1電極及び第2電極は、前記積層された複数の圧電層の間に交互に配置され、前記各圧電素子は、前記平面に直交する方向から見て、第1電極と第2電極とが互いに重ならない非重複領域を有し、前記圧電素子の前記非重複領域には、前記複数の圧電層の積層方向である厚み方向に延び、第1電極のみが露出する第1電極露出部によって画成される孔又は溝と、前記厚み方向に振動板まで延び、第2電極のみが露出する第2電極露出部によって画成された孔又は溝とが形成され、前記圧電素子の第1電極露出部によって画成される孔又は溝には、複数の第1電極を互いに導通させる第1導電性材料が充填され、前記圧電素子の第2電極露出部によって画成された孔又は溝には、前記振動板と接触し、且つ、複数の第2電極を互いに導通させる第2導電性材料が充填され、前記圧電素子の第1電極は、第1導電性材料を介して、前記圧電素子の前記振動板と反対側において第1配線に接続されており、前記各圧電素子は連結部材によって互いに連結され、前記各圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面は、ほぼ面一であり、第1配線は、前記各圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面上に形成されている圧電アクチュエータが提供される。
本発明の第1の態様によれば、複数の圧電層の間に配置された複数の第1電極が、第1電極露出部によって画成された孔又は溝の内部に充填された第1導電性材料を介して互いに導通される。また、第1電極の第1配線との電気的接続部は圧電素子の振動板と反対側に配置される。つまり、第1電極は、圧電素子の振動板と反対側において第1配線に接続される。従って、第1電極に駆動電圧を供給するための電気的接続構成が簡素化される。また、その接続を、圧電素子の振動板と反対側において容易に行うことができるようになり、接続の信頼性も高くなる。
また、これによると、第1導電性材料と振動板とが接触して導通するのを防ぐことができる。
また、各圧電素子が連結部材によって互いに連結されて、圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面が、ほぼ面一となっている場合には、この面上に、例えば第1配線等の配線を容易に形成することができる。また、例えば、連結部材が各圧電素子の最上層の圧電層を連結している場合には、圧電素子間のクロストークを小さく保つことができる。なぜならば、このような場合には、連結部材が複数の圧電素子を連結していても、圧電素子の変形が連結部材を通じて他の圧電素子に伝わることはほとんどないからである。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記振動板が導電性材料で形成されていてもよい。圧電素子の第2電極露出部によって構成された孔又は溝は、金属等の導電性材料で形成された振動板まで延びて、その内部に充填された第2導電性材料が振動板と接触している。従って、第2導電性材料を介して接続された第2電極と振動板とを同電位に保つことができる。特に、全ての圧電素子の第2電極露出部によって画成された孔又は溝が、振動板まで延びている場合には、振動板を通じて全ての圧電素子の第2電極が導通される。いずれか1つの圧電素子の第2導電性材料を、基準電位に保持されているものに接続すれば、全ての圧電素子の第2電極と振動板を、基準電位に保持できる。この場合には、各圧電素子の第2電極を互いに接続するために、FPC(フレキシブルプリントケーブル)等の配線部材を使用しなくてもよいので、接続の信頼性が向上する。尚、本願において、第1導電性材料と第2導電性材料とは、異なる種類の導電性材料であることに限定されるものではなく、これらの導電性材料は同一の種類であってもよい。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、第1配線は、前記圧電素子の前記振動板と反対側の面上に形成されていてもよい。これによると、圧電素子の表面に第1導電性材料と接続される第1配線を容易に形成することができる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、第2電極は、第2導電性材料を介して、前記圧電素子の前記振動板と反対側において第2配線に接続されていてもよい。これによると、複数の第2電極も、第2電極露出部によって画成された孔又は溝の内部に充填された第2導電性材料を介して、互いに導通され、第2電極の電気的接続部が圧電素子の振動板と反対側に配置される。つまり、圧電素子の振動板と反対側において、第2電極は第2配線と接続される。従って、第2電極を共通の基準電位に保持するための電気的接続構成が簡単になる。また、その接続を、圧電素子の振動板と反対側において容易に行うことができるため、接続の信頼性も高くなる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、第2配線は、前記圧電素子の前記振動板と反対側の面上に形成されていてもよい。これによると、圧電素子の表面に第2導電性材料と接続される第2配線を容易に形成することができる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記圧電素子の、第1電極露出部及び第2電極露出部によって画成される孔は、前記圧電素子の振動板と反対側の面から、前記複数の圧電層に亙って前記厚み方向に直線的に延びていてもよい。これによると、複数枚の圧電層を積層してから、これら複数の圧電層を貫通するように直線的に延びる孔(スルーホール)を一度に形成することができるため、スルーホールの形成が容易になる。また、圧電素子の振動板と反対側の面から導電性のペースト等を流し込む方法などによりスルーホール内に第1導電性材料及び第2導電性材料を充填すれば、圧電素子の側面からの加工を行う必要がなく、複数の第1電極及び複数の第2電極をそれぞれ容易に導通させることできる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、第1電極及び第2電極は、前記圧電素子の側面に露出していなくてもよい。これによると、圧電素子の側面における電極の短絡を防止することができる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記圧電素子の、第1電極露出部及び第2電極露出部によって画成される溝は、前記圧電素子の側面において、前記複数の圧電層に亙って前記厚み方向に直線的に延びていてもよい。これによると、複数枚の圧電層を積層してから、圧電素子の側面に、複数枚の圧電層に亙って直線的に延びる溝を一度に形成することができ、溝を容易に形成することができる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記振動板の少なくとも一部分は絶縁材料で形成され、前記圧電素子の第1電極露出部が、前記圧電素子の振動板と反対側の面から振動板の絶縁材料で形成された部分まで延びていてもよい。これによると、第1電極露出部を形成する際に、スルーホールや溝の先端が圧電素子内部の所定の位置に来るように精度よく加工を行う必要がなく第1電極露出部を容易に形成することができる。しかも、第1電極露出部に充填された第1導電性材料が振動板に接触したとしても、これらが導通することはないので圧電アクチュエータの信頼性が損なわれることはない。
本発明のアクチュエータにおいては、前記振動板は導電性材料で形成され、前記圧電素子の第1電極露出部が、振動板まで延びていなくてもよい。これによると、第1導電性材料と振動板とが接触して導通するのを防ぐことができる。
本発明の第2の態様に従えば、平面に沿って配置された複数の圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットと、前記流路ユニットの一表面に配置される、液体移送装置の圧電アクチュエータであって、前記圧電アクチュエータは、前記複数の圧力室を覆う振動板と、前記振動板の前記圧力室と反対側の面において前記圧力室と対向する位置に夫々配置された圧電素子とを備え、前記各圧電素子は、積層された複数の圧電層と、所定の駆動電圧が印加される複数の第1電極と、共通の基準電位に保持される複数の第2電極とを備え、第1電極及び第2電極は、前記積層された複数の圧電層の間に交互に配置され、前記各圧電素子は、前記平面に直交する方向から見て、第1電極と第2電極とが互いに重ならない非重複領域を有し、前記圧電素子の前記非重複領域には、前記複数の圧電層の積層方向である厚み方向に延び、且つ、第1電極のみが露出する第1電極露出部によって画成される孔又は溝と、前記厚み方向に振動板まで延び、且つ、第2電極のみが露出する第2電極露出部によって画成された孔又は溝とが形成され、前記圧電素子の第1電極露出部によって画成される孔又は溝には、複数の第1電極を互いに導通させる第1導電性材料が充填され、前記圧電素子の第2電極露出部によって画成された孔又は溝には、前記振動板と接触し、且つ、複数の第2電極を互いに導通させる第2導電性材料が充填され、前記圧電素子の第1電極は、第1導電性材料を介して、前記圧電素子の前記振動板と反対側において第1配線に接続されており、前記各圧電素子は連結部材によって互いに連結され、前記各圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面は、ほぼ面一であり、第1配線は、前記各圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面上に形成されている液体移送装置が提供される。
本発明の第2の態様によれば、本発明の液体移送装置において、複数の圧電層の間に配置された複数の第1電極が、第1電極露出部によって画成された孔又は溝の内部に充填された第1導電性材料を介して互いに導通される。また、圧電素子の振動板と反対側において、第1電極の第1配線との電気的接続部が配置される、つまり、第1電極は、圧電素子の振動板と反対側において第1配線と接続される。従って、第1電極に駆動電圧を供給するための電気的接続構成が簡単になる。また、その接続を、圧電素子の振動板と反対側において容易に行うことができるようになるので、接続の信頼性が高くなり、これにより液体移送装置の信頼性も高くなる。さらに、圧電素子の第2電極露出部は振動板まで延びており、その内部に充填された第2導電性材料が振動板と接触している。従って、例えば、振動板が導電性材料で形成され、全ての圧電素子の第2電極露出部が振動板まで延びている場合には、圧電素子の振動板と反対側で、各圧電素子の第2導電性材料を互いに接続する必要がない。いずれか1つの圧電素子の第2導電性材料に、グランド配線に接続すれば、全ての圧電素子の第2電極と振動板とを第2配線に接続したことになる。
また、これによると、第1導電性材料と振動板とが接触して導通するのを防ぐことができる。
また、各圧電素子が連結部材によって互いに連結されて、圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面が、ほぼ面一となっている場合には、この面上に、例えば第1配線等の配線を容易に形成することができる。また、例えば、連結部材が各圧電素子の最上層の圧電層を連結している場合には、圧電素子間のクロストークを小さく保つことができる。なぜならば、このような場合には、連結部材が複数の圧電素子を連結していても、圧電素子の変形が連結部材を通じて他の圧電素子に伝わることはほとんどないからである。
本発明の第3の態様に従えば、平面に沿って配置された複数の圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットの一表面に配置される、液体移送装置の圧電アクチュエータの製造方法であって、前記平面に直交する方向から見て、所定の駆動電圧が印加される複数の第1電極と共通の基準電位に保持される複数の第2電極とが互いに重ならない領域を有し、且つ、複数の圧電層の間に交互に配置されるように、前記複数の圧電層を積層して積層体を形成する積層工程と、前記積層体を分割して、前記複数の圧力室に夫々対応する複数の圧電素子を形成する分割工程と、第1電極のみが露出する第1電極露出部によって画成され、前記各圧電素子の一表面から前記圧電層の積層方向である厚み方向に直線的に延びる孔又は溝と、第2電極のみが露出する第2電極露出部によって画成され、前記各圧電素子の前記一表面から前記厚み方向に直線的に延びる孔又は溝とを形成する露出部形成工程と、第1電極露出部によって画成された孔又は溝に複数の第1電極を互いに導通させる第1導電性材料を充填するとともに、第2電極露出部によって画成された孔又は溝に第2電極を互いに導通させる第2導電性材料を充填する充填工程と、前記各圧電素子の前記一表面に、第1電極露出部によって画成された孔又は溝に充填された第1導電性材料と接続される第1配線を配置する配線形成工程と、を含み、前記分割工程において、前記基材を残しつつ、積層された前記複数の圧電層を分割することによって、前記複数の圧電素子を形成するとともに、前記基材の前記複数の圧電素子の間の部分を、前記複数の圧電素子を互いに連結する連結部材とし、前記配線形成工程において、前記圧電素子及び前記連結部材の前記流路ユニットと反対側の、ほぼ面一となった面に、前記第1配線を配置する圧電アクチュエータの製造方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、複数の圧電層、複数の第1電極及び複数の第2電極を積層してから、これら複数の圧電層、複数の第1電極及び複数の第2電極に亙って直線的に延びる孔又は溝を一度に形成することが可能となり、これらの電極露出部を容易に形成することができる。
また、各圧電素子が連結部材によって互いに連結されて、圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面が、ほぼ面一となっている場合には、この面上に、例えば第1配線等の配線を容易に形成することができる。
本発明の第4の態様に従えば、平面に沿って配置された複数の圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットの一表面に配置される、液体移送装置の圧電アクチュエータの製造方法であって、前記平面に直交する方向から見て、所定の駆動電圧が印加される複数の第1電極と共通の基準電位に保持される複数の第2電極とが互いに重ならない領域を有し、且つ、複数の圧電層の間に交互に配置されるように、前記複数の圧電層を積層して積層体を形成する積層工程と、前記積層体を分割して、前記複数の圧力室に夫々対応する複数の圧電素子を形成するとともに、同時に、前記各圧電素子の側面において、前記圧電層の積層方向である厚み方向に直線的に延び、第1電極のみが露出する第1電極露出溝、及び、前記各圧電素子の側面において、前記厚み方向に直線的に延び、第2電極のみが露出する第2電極露出溝を形成する分割工程と、第1電極露出溝に露出する複数の第1電極を互いに導通させる第1導電性材料を、第1露出溝に充填するとともに、第2電極露出溝に露出する複数の第2電極を互いに導通させる第2導電性材料を、第2露出溝に充填する充填工程と、前記各圧電素子の前記一表面に、第1電極露出溝に充填された第1導電性材料と接続される第1配線を形成する配線形成工程と、を含み、前記分割工程において、前記基材を残しつつ、積層された前記複数の圧電層を分割することによって、前記複数の圧電素子を形成するとともに、前記基材の前記複数の圧電素子の間の部分を、前記複数の圧電素子を互いに連結する連結部材とし、前記配線形成工程において、前記圧電素子及び前記連結部材の前記流路ユニットと反対側の、ほぼ面一となった面に、前記第1配線を配置する圧電アクチュエータの製造方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、分割工程において圧電素子を分割形成する際に、同時に、第1電極露出溝及び第2電極露出溝を形成することができるため、第1電極露出溝及び第2電極露出溝を容易に形成することができる。
また、各圧電素子が連結部材によって互いに連結されて、圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面が、ほぼ面一となっている場合には、この面上に、例えば第1配線等の配線を容易に形成することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、本発明をノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに適用したものである。
まず、本発明に係るインクジェットヘッド3を備えたインクジェットプリンタ1の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明にかかるインクジェットプリンタ1の概略斜視図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は図1の左右方向(走査方向)に移動可能なキャリッジ2と、このキャリッジ2に設けられて記録用紙Pに対してインクを噴射するシリアル式のインクジェットヘッド3(液体移送装置)と、記録用紙Pを図1の前方(紙送り方向)へ搬送する搬送ローラ4等を備えている。インクジェットヘッド3はキャリッジ2と一体的に走査方向へ移動して、ノズル15(図2参照)から記録用紙Pに対してインクを吐出する。そして、インクジェットヘッド3により記録された記録用紙Pは搬送ローラ4により紙送り方向へ排出される。
次に、インクジェットヘッド3について図2〜図4を用いて説明する。図2はインクジェットヘッド3の平面図、図3は図2のIII−III線断面図、図4は図2のIV−IV線断面図である。図2〜図4に示すように、インクジェットヘッド3は、内部に複数の個別インク流路30(液体流路)が形成された流路ユニット31と、流路ユニット31の一表面に配置された圧電アクチュエータ32とを備えている。
次に、流路ユニット31について、図2〜図5を用いて説明する。図5は、図2から圧電アクチュエータ32を除いた部分の平面図である。図3、図4に示すように、流路ユニット31は、キャビティプレート21、ベースプレート22、マニホールドプレート23、及び、ノズルプレート24を備えており、これらの4枚のプレートが積層状態で接合されている。このうち、キャビティプレート21、ベースプレート22及びマニホールドプレート23は略矩形のステンレス鋼製の板である。また、ノズルプレート24は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート23の下面に接着される。尚、ノズルプレート24も他の3枚のプレート21、22、23と同じ金属材料により形成されていてもよい。
マニホールドプレート21には、図2〜図5に示すように、平面に沿って紙送り方向(図2の上下方向)に3列に配置された複数の圧力室10が形成されている。図2、図5には複数の圧力室10のうちの一部(15個)が示されている。各圧力室10は平面視で(圧力室10が配置された平面に直交する方向から見て)略長円形上に形成されており、その長手方向が走査方向(図2の左右方向)となるように配置されている。ベースプレート22の平面視で圧力室10の長手方向両端部に重なる位置には、夫々連通孔12、13が形成されている。また、マニホールドプレート22には、紙送り方向に3列に延び、平面視で連通孔12に重なるマニホールド11が形成されている。マニホールド11には、後述する振動板25に形成されたインク供給口9を介して図示しないインクタンクからインクが供給される。また、マニホールドプレート22及びノズルプレート23の、平面視で各圧力室10のマニホールド11とは反対側の端部と重なる位置には、それぞれ連通孔14及びノズル15が形成されている。
そして、図2〜図5に示すように、マニホールド11は、各連通孔12を介して各圧力室10に連通し、さらに、各圧力室10は、連通孔13、14を介してノズル15に連通している。このように、流路ユニット2内には、マニホールド11から各圧力室10を経てノズル15に至る複数の個別インク流路30が形成されている。
次に、圧電アクチュエータ32について、図2、図3、図4、図6及び図7を用いて説明する。図6は圧電アクチュエータ32の主要部の斜視図、図7は圧電アクチュエータ32の平面図である。ただし、図6では、後述の支持部材48を省略している。
図3、図4、図6に示すように、圧電アクチュエータ32は、キャビティプレート21の表面に配置された振動板25と、振動板25のキャビティプレート21と反対側の面において、複数の圧力室10に対向する位置に夫々配置された複数の圧電素子26とを有する。振動板25は、ステンレス鋼等の鉄系合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、チタン合金等の金属材料、又は、これらの金属材料にシリコンと導電性樹脂を混ぜた導電性材料からなり、図3、図4に示すように、複数の圧力室10を覆うようにキャビティプレート21に接合されている。
複数の圧電素子26は、圧電セラミックス材料からなる、積層された複数の圧電層41と、積層された複数の圧電層41の間に交互に配置された個別電極42及び共通電極43と、最上層の圧電層41の上に配置された支持部材48の基部48aとを備えている。複数の圧電素子26は、複数の圧力室10に対応して紙送り方向に3列に配置されている。複数の圧電層41は、図7に示すように、平面視で圧力室10よりも一回り小さい略八角形状をしている。図3、図4に示すように、複数枚の圧電層41は、振動板25のキャビティプレート21と反対側の面の圧力室10の夫々に対向する位置に積層されている。尚、圧電層41の形状は、平面視で、略八角形のほか、略長円形状等であってもよい。
複数の個別電極42は、図3に示すように、共通電極43よりも対応する圧力室10の右側に、圧電素子26の側面に露出しない程度に延びている。共通電極43は、個別電極42よりも左側に、圧電素子26の側面に露出しない程度に延びている。このように、平面視で、個別電極42と共通電極43とは互いにずれた位置に配置されており、圧電素子26には、平面視で個別電極42と共通電極43とが互いに重ならない非重複領域が存在する。この非重複領域には、平面視で、個別電極42のみが重なる領域及び共通電極43のみが重なる領域が含まれる。また、個別電極42及び共通電極43は、圧電素子26の側面に露出していないので、圧電素子26の側面において、個別電極42と共通電極43とが互いに短絡してしまうのを防止することができる。
支持部材48は、圧電層41と同様の圧電セラミックス材料からなり、複数の積層された圧電層41に跨って配置されており、平面視で各圧電層41に対向する位置にあって、圧電素子26の一部を構成する複数の基部48aと、基部48aの間にあって、複数の圧電素子26を互いに連結する連結部48bとを有する。さらに、支持部材48は、その両端部(図6、図7の左右端部)の接合部48cを有し、この接合部48cにおいて振動板25に接合されている。このように、支持部材48は、複数の圧電素子26に跨って配置されており、後述する圧電アクチュエータ32の駆動時における圧電層41の変形が振動板25に効率よく伝達されるように複数の圧電素子26を支持している。尚、支持部材48は、圧電セラミックス材料のほか、合成樹脂等の非導電性材料により構成されていてもよい。
さらに、図3に示すように、圧電素子26の、平面視で複数の個別電極42のみが重なる領域には、圧電素子26の振動板25と反対側の面、つまり、基部48aの上面から、圧電層41の積層方向(厚み方向)に直線的に延びるスルーホール44が形成されている。スルーホール44は、積層された複数の圧電層41に亙って延び、スルーホール44を画成する基部48a及び圧電層41の内面(第1電極露出部)において、全ての個別電極42が露出している。ただし、スルーホール44は、振動板31に接合されている最下層の圧電層41を貫通しておらず、振動板31まで延びていない。
さらに、図3に示すように、圧電素子26の、平面視で複数の共通電極43のみが重なる領域には、基部48aの上面から、圧電層41の積層方向(厚み方向)に直線的に延びるスルーホール46が形成されている。スルーホール46は、積層された複数の圧電層41に亙って延び、スルーホール46を画成する基部48a及び圧電層41の内面(第2電極露出部)において、全ての共通電極43が露出している。さらに、スルーホール46は、振動板31に接合されている最下層の圧電層41を貫通して、振動板31まで延びている。
スルーホール44、46には、夫々、半田、銀、金等からなる導電性材料45(第1導電性材料)、導電性材料47(第2導電性材料)が充填されている。これにより、スルーホール44に充填された導電性材料45は、各圧電素子26の複数の個別電極42を互いに導通させ、スルーホール46に充填された導電性材料47は、複数の共通電極43を互いに導通させる。ここで、前述のように、スルーホール44は、振動板31までは延びていないので、導電性材料45を充填したときに、導電性材料45は振動板31には接触せず、個別電極42と振動板25とは導通しない。尚、導電性材料45と導電性材料47は、同じ種類の導電性材料であってもよいし、異なる種類の導電性材料であってもよい。
また、図2〜図4に示すように、支持部材48の振動板25と反対側の面、つまり、支持部材48の上面には、複数の接点17aと、複数の接点17bと、配線部17cとを有する複数の配線17(第1配線)が形成されている。接点17aは、平面視でスルーホール44に重なる位置に形成され、導電性材料45に接続されている。接点17bは、支持部材48の右端部に紙送り方向に配列されている。配線17cは接点17aから右方向に直線的に接点部17bまで延びている。さらに、支持部材48の上面には、複数の接点18aと、接点18bと、複数の配線18cと、配線18dと、配線18eとを有する配線18(第2配線)が形成されている。接点18aは、平面視でスルーホール46に重なる位置に形成され、導電性材料47に接続されている。接点18bは、支持部材48の右上の端部に形成された。配線18cは、右から1列目及び2列目の接点18aから、左側に延びて、配線18dに接続している。配線部18dは、紙送り方向に延びて、右から3列目にある接点18aを互いに接続している。配線18eは、配線18dの上端部から、右方向に直線的に延び、接点18bに接続されている。
これにより、複数の個別電極42は、導電性材料45を介して配線17に接続され、複数の共通電極43は導電性材料47を介して配線18に接続される。さらに、接点17bは、図示しないFPC等の可撓性を有する配線部材により図示しない駆動回路に接続されており、この駆動回路により複数の個別電極42に選択的に所定の駆動電圧が印加される。一方、接点18bは、図示しないFPC等の可撓性を有する配線部材により駆動回路に接続されグランド電位(共通の基準電位)に保持されており、複数の共通電極43はグランド電位に保持される。
このように、支持部材48の上面(圧電素子26の振動板25と反対側の面)には、複数の個別電極42とこれら複数の個別電極42に所定の駆動電圧を印加する駆動回路との間を接続する配線17と、複数の共通電極43に接続され、これら複数の共通電極43をグランド電位にするための配線18とが形成されている。つまり、配線17及び配線18は一平面上に形成されるので、個別電極42及び共通電極43の電気的接続の構成が簡単になる。また、これらの接続は、一平面上、すなわち、支持部材48の上面において、容易に行うことができるので、接続の信頼性も高くなる。
次に、圧電アクチュエータ32の駆動方法について説明する。ある圧電素子26の複数の個別電極42に対して、第1配線17を介して駆動回路から駆動電圧が印加されると、個別電極42とグランド電位に保持された共通電極43との間に電位差が生じる。このとき、圧電層41の、個別電極42と共通電極43との間に挟まれた部分(駆動部分)に、その分極方向である厚み方向と平行な方向の電界が生じるため、圧電縦効果により圧電層41の駆動部分が厚み方向に伸びる。そして、圧力室10内の容積が減少することから、圧力室10内のインクに圧力が付与されて、圧力室10に連通するノズル15からインクの液滴が吐出される。尚、圧電素子26は複数枚の圧電層41を有し、駆動時にはこれら複数枚の圧電層41の駆動部分の夫々が厚み方向に伸びるため、圧電素子26全体の変形量は大きくなり、1回の駆動で圧力室10内のインクに大きな圧力を付与することが可能である。
このとき、圧電アクチュエータ32を駆動して圧電層41の駆動部を変形させても、支持部材48はほとんど変形しないので、支持部材48の表面において接続されている個別電極42及び配線17、と、共通電極43及び配線18は、圧電層41の駆動部の変形によりこの接続が外れてしまうことはない。従って、個別電極42及び共通電極43の電気的接続の信頼性が高くなり、インクジェットプリンタ1の信頼性が高くなる。
次に、圧電アクチュエータ32の製造方法について図8及び図9を用いて説明する。図8及び図9は、圧電アクチュエータ32の製造工程を表す図である。
まず、図8(a)に示すように、圧電セラミックス材料からなる基材50の一表面の各圧力室10に対応する位置に、スクリーン印刷により個別電極42を形成する。個別電極42は、スクリーン印刷のほか、基材50の表面にコンタクトマスクを設置してその上からスパッタ法、蒸着法等により形成することも可能であり、また、基材50の全面に導電性材料を印刷しておき、不要な部分をレーザ等により除去して形成することも可能である。尚、基材50は、圧電セラミックス材料に限られず、アルミナ、ジルコニアなどのセラミックス材料や合成樹脂等、他の非導電性の材料により構成されていてもよい。
次に、図8(b)に示すように、基板50の個別電極42を形成した面に圧電セラミックスのグリーンシートを貼り付けて、圧電セラミックス層51を形成する。尚、圧電セラミックス層51は、グリーンシートを貼り付けるほか、超微粒子の圧電材料を基材50の表面に高速で衝突させて堆積させるエアロゾルデポジション法(AD法)やスパッタ法、化学蒸着法、水熱合成法等により形成することも可能である。
次に、図8(c)に示すように圧電セラミックス層51の個別電極42と反対側の面の各圧力室10に対応する位置に共通電極43を形成する。このとき、平面視で、個別電極42の右端部が共通電極43よりも右側に位置し、共通電極43の左端部が個別電極42よりも左側に位置するように、個別電極42と共通電極43とを互いにずらして配置する。そして、圧電セラミックス層51の共通電極43が形成された面に、さらに圧電セラミックス層51を形成する。以下、同様の動作を繰り返し、複数の圧電セラミックス層51、複数の個別電極42及び複数の共通電極43を積層させて、図8(c)に示すように、積層された複数の圧電セラミックス層51の間に、複数の個別電極42及び複数の共通電極43が交互に配置された積層体60を形成する(積層工程)。
次に、図8(d)に示すように、積層体60の複数の圧電セラミックス層51のうち、平面視で個別電極42及び共通電極43に重ならない部分を、超音波加工、マイクロブラスト加工、ダイサー加工等の方法により除去して圧電セラミックス層51を分割する(分割工程)。ただし、このとき、圧電素子26の側面に個別電極42及び共通電極43の端が露出しないように、圧電セラミックス層51の個別電極42及び共通電極42の端付近の部分は除去せずに残しておく。これにより、複数の圧電セラミックス層51が分割されて複数の圧電層41が形成される。また、基材50の圧電層41に対向する部分に支持部材48の複数の基部48aが形成され、基部48aの間に連結部48bが形成される。このようにして、積層された複数の圧電層41と、複数の個別電極42及び複数の共通電極43と、支持部材48の基部48aとを有する複数の圧電素子26が形成される。また、図示していないが、この分割工程において、基材50の両端部も除去せずに残しておくことにより、この部分に振動板25と接合される接合部48cが形成される。
次に、図9(a)に示すように、圧電素子26の一表面である、基部48aの上面の、平面視で個別電極42のみが重なる部分(図9(a)の個別電極42の右端部に対向する部分)にエキシマレーザ、フェムト秒レーザ等を照射して、圧電層41の積層方向に延びるスルーホール44を形成する。さらに、同様の方法で、圧電素子26の基部48aの上面の、平面視で共通電極43のみが重なる部分(図9(a)の共通電極43の左端部に対向する部分)に、圧電層41の積層方向に延びるスルーホール46を形成する(露出部形成工程)。このとき、スルーホール44は、最下層の圧電層41は貫通しないように形成する。また、スルーホール46は共通電極43を全て貫通し、さらに最下層の圧電層41も貫通するように形成する。このとき、スルーホール44、46の内部には、夫々、個別電極42、共通電極43のみが露出する。ここで、スルーホール44、46は直線的に延びているので、前述の積層工程において複数の圧電層51、複数の個別電極42及び複数の共通電極43を積層させた後、一度にスルーホール44、46を形成することができ、スルーホール44、46の形成が容易になる。さらに、支持部材48の同じ平面に向けてレーザを照射することにより、スルーホール44及びスルーホール46を形成するので、これらを同時に形成することができ、製造工程が簡略化される。また、スルーホール44、46はいずれも、最下層の圧電層41を貫通しないように形成することも可能であり、任意の深さに形成できる。尚、スルーホール44、46は、レーザを照射する方法の他、支持部材48の表面からドリルで孔を空けて形成することも可能である。また、この露出部形成工程と前述の分割工程とは、順序が逆であってもよい。
次に、図9(b)に示すように、スルーホール44、46の中に、夫々、半田、銀、金等の導電性材料45、47を充填する(充填工程)。特に、導電性材料45、は、スルーホール44の中を減圧状態にしておき、基部48aの上面からその中に導電性材料を滴下することにより充填される。このとき、スルーホール44の中に充填された導電性材料45は、スルーホール44内において露出した複数の個別電極42と接触し、これら複数の個別電極42を互いに導通させる。また、スルーホール46の中にも導電性材料47を充填する。スルーホール46の中に充填された導電性材料47は、スルーホール46内において露出した複数の共通電極43と接触し、これら複数の共通電極43を互いに導通させる。
このように、複数の個別電極42、複数の共通電極43を互いに導通させる際に、側面からの処理を行う必要がなく、基部48aの上面から(露出部形成工程と同じ方向から)導電性材料を流し込むことにより複数の個別電極42、複数の共通電極43を導通させることができるので、複数の個別電極42及び複数の共通電極43の導通を容易に行うことができる。スルーホール44、46に充填する導電性材料45、47が同一のものである場合には、導電性材料45、47の充填を同時に行うことができ、製造工程がさらに簡略化される。
次に、図9(c)に示すように、支持部材48の上面に、配線17及び配線18を形成する(配線形成工程)。これにより、個別電極42と配線17とは導電性材料45を介して接続され、共通電極43と配線18とは導電性材料47を介して接続される。このとき、配線17及び配線18は、同一平面上に形成されるので、スクリーン印刷等によりこれらを同時に形成することができる。さらに、複数の個別電極42と配線17との接続、及び、複数の共通電極43と配線18との接続は、支持部材48の上面において行われるので、個別電極42及び共通電極43の電気的接続構成が簡単になる。また、この接続は一表面上において容易に行うことができるので、接続の信頼性が高くなり、製造コストも下がる。この後、各圧電素子26の最下層にある圧電層41を振動板25に接着剤等を用いて接合することにより圧電アクチュエータ32は製造される。
ここで、本実施の形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、本実施の形態と同様の構成を有するものには同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
〈第1変更形態〉
図10に示すように、スルーホール74、76は、夫々、複数の個別電極42、複数の共通電極43を貫通しておらず、スルーホール74内において個別電極42の端部が露出し、スルーホール76内において共通電極43の端部が露出していてもよい。この場合においても、スルーホール74の中に充填された導電性材料75により複数の個別電極42は互いに導通され、スルーホール76の中に充填された導電性材料77により複数の共通電極43は互いに導通される。前述の圧電アクチュエータの製造方法を用いることによって、任意の深さのスルーホールを容易に形成できる。
〈第2変更形態〉
実施形態と同様に、振動板31が金属材料からなり、スルーホール86が振動板31まで延びている場合において、図11、図12に示すように、配線88は、複数の圧電素子82のうちの1つ(図10の最も右上のもの)のスルーホール46に対応する位置に形成された接点部88aにおいてのみ、導電性材料47と接続されていてもよい。ただし、図12は、図11の複数の圧電素子82のうち、支持部材48の上面に接点部88aが形成されたものの断面(図11のXII−XII線断面図)を示している。このとき、スルーホール86の中には導電性材料87が充填されており、複数の共通電極43と金属材料の振動板31とが互いに導通し、さらに、振動板31を介して各圧電素子82の複数の共通電極43が互いに導通する。これにより、1つの導電性材料87と配線88とを接点部88aを介して接続するだけで、全ての共通電極43をグランド電位に保持することができ、支持部材48の表面における配線が簡略化される。
〈第3変更形態〉
図13に示すように、振動板91が合成樹脂等の絶縁材料(非導電性材料)により形成されている場合には、スルーホール96に加えてスルーホール94も、複数の圧電層41を全て貫通し、振動板91まで延びていてもよい。この場合、スルーホール94、96は、積層された圧電層41を全て貫通しているので、スルーホール94、96を形成する際に、これらの先端が振動板91に接合される最下層の圧電層41を貫通しないように、レーザの照射時間の管理などを精度よく行う必要がなく、スルーホール94、96の形成が容易になる。さらに、スルーホール94、96に、夫々、導電性材料95、導電性材料97が充填されて、振動板91に接触しても、振動板91は非導電性材料からなるので、導電性材料95、97と振動板91とを絶縁する必要がなく、圧電アクチュエータ92の構成が簡単になる。尚、振動板91は、全てを非導電性材料で形成するものには限られず、導電性材料からなる基板のキャビティプレート21と反対側の面に絶縁材料の薄層を形成したものであってもよい。さらに、この薄層は、スルーホール94、96に充填された導電性材料95、97と接触する領域にのみ形成されたものであってもよい。また、この薄膜はスルーホール94に充填された導電性材料95と接触する領域にのみ形成されたものであってもよい。
〈第4変更形態〉
図14、図15に示すように、圧電アクチュエータ3Aの各圧電素子112の側面に、積層された複数の圧電層101に亙ってその積層方向に直線的に延びた溝104(第1電極露出溝)、溝106(第2電極露出溝)が形成されていてもよい。この場合、複数の個別電極102は溝104まで延びて、この溝104の表面においてその端部が露出している。複数の共通電極103は、溝106まで延びて、この溝106の表面においてその端部が露出している。さらに、支持部材110の基部110aの溝104、106に対向する部分には、夫々、基部110aを貫通する孔108、109が形成されている。また、溝104及び孔108と、溝106及び孔109には、夫々、導電性材料105、導電性材料107が充填されている。この場合でも、各圧電素子112の複数の個別電極102は、導電性材料105により互いに導通され、さらに、導電性材料105を介して支持部材48の表面において配線17と接続される。そして、複数の共通電極103は、導電性材料107により互いに導通され、さらに、導電性材料107を介して支持部材110の上面の配線18に接続される。尚、この場合は、溝104と孔108とが本発明に係る第1電極露出部であり、溝106と孔109とが本発明に係る第2電極露出部である。
このような圧電アクチュエータ3Aを製造する方法について説明する。積層工程において、実施形態の場合と同様にして、基材50に複数の圧電セラミックス層51、複数の個別電極102及び複数の共通電極103を積層させる。分割工程において、圧電セラミックス層51を複数の圧電素子112に分割する際に、同時に各圧電素子112の長手方向の両端部の一部を除去し、溝104、106を形成する。さらに、支持部材110の圧電素子112と反対側の面の、溝104、106に対向する位置から、圧電層101の積層方向に直線的に延びる孔(貫通孔)108、109を形成し、孔108及び孔109に半田、銀、金等からなる導電性のペーストを流し込み、溝104及び孔108に導電性材料105を充填し、溝106及び孔109に、導電性材料107を充填する。その後、配線形成工程により、実施形態と同様にして配線17、18を形成し、さらに、各圧電素子112の最下層にある圧電層101を振動板91に接合して圧電アクチュエータ3Aを製造する。
これによると、複数の圧電層101と、複数の個別電極102及び複数の共通電極103とを積層してから、溝104、106を一度に形成することができるので溝104、106を容易に形成することができる。さらに、分割工程において複数の圧電素子112に分割する際に、溝104、106を同時に形成することができるので、溝104、106を容易に形成することができる。また、この場合も、孔108、109から導電性材料を充填させることにより溝104、106に導電性材料を充填することができるので、側面からの加工を行う必要がなく、導電性材料105、107の充填が容易になる。尚、振動板91が金属材料からなる場合には、例えば、振動板91の表面の、溝104に対向する位置に、四フッ化エチレンにより撥水加工された表面を有する合成樹脂、セラミックス等の非導電性材料からなる突起を設ける等して、導電性材料105と振動板91とが接触しないようにする。
〈第5変更形態〉
図16に示すように、支持部材48の表面に図17に示すようなフレキシブルプリント配線板120(FPC)を貼り付けた構造であってもよい。この場合、個別電極42は、導電性材料45を介して、圧電素子26の振動板25と反対側の面、つまり、支持部材48の上面において、FPC120の配線121の接点部121aに接続され、接点部121bを介して駆動回路に接続される。共通電極43は、導電性材料47を介して、圧電素子26の振動板25と反対側の面、つまり、支持部材48上面においてFPC120の配線122の接点部122aに接続され、接点部122bを介して駆動回路に接続されてグランド電位に保持される。ここで、配線121、122が、夫々、本発明に係る第1配線、第2配線に相当する。この場合でも、個別電極42及び共通電極43とFPC120の配線121、122とは、導電性材料45、47を介して、支持部材48の上面において接続されるので、個別電極42及び共通電極43の電気的接続の構成が簡単になる。また、この接続を、一表面において容易に行うことができるので、接続の信頼性が高くなる。
〈第6変更形態〉
図18A,Bに示すように、各個別電極142が、電極本体部142a及び電極端子142bを有する構造であって、同様に各共通電極143が、電極本体部143a及び電極端子143bを有する構造であってもよい。電極本体部142a、143aは、同一の大きさ、形状である。電極本体部142a、143aは、平面視で略矩形の形状であり、且つ、圧電層41よりも一回り小さい。電極端子142b、143bはそれぞれ、電極本体部142a、142bの右上、左上に形成されている。この場合、個別電極142の電極本体部142aと、共通電極143の電極本体部143aとを、平面視で圧力室10の中央と重なるように揃えて配置しても、電極端子142b、143bは、平面視で互いに重ならない位置に配置することができる。スルーホール44、46は、圧電層41の平面視で電極端子142b、143bと重なる領域にそれぞれ形成される。従って、積層する圧電層41の間に個別電極142及び共通電極143を形成する際に、個別電極142及び共通電極143を互いにずらして形成する必要がなく、これらの電極の形成が容易となる。
なお、電極本体部142a、143aの形状は矩形でなくてもよく、任意の形状にし得る。また、電極端子142b、143bは、平面視で互いに重ならない位置であれば、電極本体部142a、143aの任意の位置に形成しうる。
以上の説明では、本発明の液体移送装置をインクジェットヘッドに適用した例について説明したが、これに限らず、試薬、生体溶液、配線材料溶液、電子材料溶液、冷媒用、燃料用などインク以外の液体を移送する液体移送装置に適用することも可能である。
本発明に係るインクジェットプリンタの概略斜視図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 図2の圧電素子を除いた部分の平面図である。 図2の圧電アクチュエータの主要部の斜視図である。 図6の圧電アクチュエータの平面図である。 図2の圧電アクチュエータの製造工程のうち前半を表す図である。 図2の圧電アクチュエータの製造工程のうち後半を表す図である。 第1変更形態の図3相当の断面図である。 第2変更形態の図2相当の平面図である。 第2変更形態の図3相当の断面図である。 第3変更形態の図3相当の断面図である。 第4変更形態の図2相当の平面図の一部を拡大した平面図である。 第4変更形態の図3相当の断面図である。 第5変更形態の図3相当の断面図である。 図16のFPCの平面図である。 図18(a)は第6変更形態の圧電アクチュエータを含むインクジェットヘッドの一部を拡大した平面図であり、図18(a)は、図18(b)のXVIIIB−XVIIIB線断面図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
3 圧電アクチュエータ
17、18 配線
31 振動板
32 圧電素子
41 圧電層
42 個別電極
43 共通電極
44、46 スルーホール
45、47 導電性材料
48a 基部
104、106 溝
108、109 孔

Claims (19)

  1. 平面に沿って配置された複数の圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットの一表面に配置される、液体移送装置の圧電アクチュエータであって、
    前記圧電アクチュエータは、前記複数の圧力室を覆う振動板と、前記振動板の前記圧力室と反対側の面において前記圧力室と対向する位置に夫々配置された圧電素子とを備え、
    前記各圧電素子は、積層された複数の圧電層と、所定の駆動電圧が印加される複数の第1電極と、共通の基準電位に保持される複数の第2電極とを備え、
    第1電極及び第2電極は、前記積層された複数の圧電層の間に交互に配置され、
    前記各圧電素子は、前記平面に直交する方向から見て、第1電極と第2電極とが互いに重ならない非重複領域を有し、
    前記圧電素子の前記非重複領域には、前記複数の圧電層の積層方向である厚み方向に延び、且つ、第1電極のみが露出する第1電極露出部によって画成された孔又は溝と、前記厚み方向に振動板まで延び、且つ、第2電極のみが露出する第2電極露出部によって画成された孔又は溝とが形成され、
    前記圧電素子の第1電極露出部によって画成された孔又は溝には、複数の第1電極を互いに導通させる第1導電性材料が充填され、前記圧電素子の第2電極露出部によって画成された孔又は溝には、前記振動板と接触し、且つ、複数の第2電極を互いに導通させる第2導電性材料が充填され、
    前記圧電素子の第1電極は、第1導電性材料を介して、前記圧電素子の前記振動板と反対側において第1配線に接続されており、
    前記各圧電素子は連結部材によって互いに連結され、前記各圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面は、ほぼ面一であり、
    第1配線は、前記各圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面上に形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記振動板が導電性材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 第1配線は、前記圧電素子の前記振動板と反対側の面上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 第2電極は、第2導電性材料を介して、前記圧電素子の前記振動板と反対側において第2配線に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 第2配線は、前記圧電素子の前記振動板と反対側の面上に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記圧電素子の第1電極露出部及び第2電極露出部によって画成された孔は、前記圧電素子の前記振動板と反対側の面から、前記複数の圧電層に亙って前記厚み方向に直線的に延びていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  7. 第1電極及び第2電極は、前記圧電素子の側面に露出していないことを特徴とする請求項6に記載の圧電アクチュエータ。
  8. 前記圧電素子の、第1電極露出部及び第2電極露出部によって画成される溝は、前記圧電素子の側面において、前記複数の圧電層に亙って前記厚み方向に直線的に延びていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  9. 前記振動板の少なくとも一部分は絶縁材料で形成され、前記圧電素子の第1電極露出部が、前記圧電素子の前記振動板と反対側の面から、前記振動板の絶縁材料で形成された部分まで延びていることを特徴とする請求項6に記載の圧電アクチュエータ。
  10. 前記振動板の少なくとも一部分は絶縁材料で形成され、前記圧電素子の第1電極露出部が、前記圧電素子の前記振動板と反対側の面から前記振動板の絶縁材料で形成された部分まで延びていることを特徴とする請求項8に記載の圧電アクチュエータ。
  11. 前記振動板は導電性材料で形成され、前記圧電素子の第1電極露出部が、前記振動板まで延びていないことを特徴とする請求項6に記載の圧電アクチュエータ。
  12. 前記振動板は導電性材料で形成され、前記圧電素子の第1電極露出部が、前記振動板まで延びていないことを特徴とする請求項8に記載の圧電アクチュエータ。
  13. 平面に沿って配置された複数の圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットと、前記流路ユニットの一表面に配置される圧電アクチュエータとを備えた液体移送装置であって、
    前記圧電アクチュエータは、前記複数の圧力室を覆う振動板と、前記振動板の前記圧力室と反対側の面において前記圧力室と対向する位置に夫々配置された圧電素子とを備え、
    前記各圧電素子は、積層された複数の圧電層と、所定の駆動電圧が印加される複数の第1電極と、共通の基準電位に保持される複数の第2電極とを備え、
    第1電極及び第2電極は、前記積層された複数の圧電層の間に交互に配置され、
    前記各圧電素子は、前記平面に直交する方向から見て、第1電極と第2電極とが互いに重ならない非重複領域を有し、
    前記圧電素子の前記非重複領域には、前記複数の圧電層の積層方向である厚み方向に延び、且つ、第1電極のみが露出する第1電極露出部によって画成された孔又は溝と、前記厚み方向に振動板まで延び、且つ、第2電極のみが露出する第2電極露出部によって画成された孔又は溝とが形成され、
    前記圧電素子の第1電極露出部によって画成された孔又は溝には、複数の第1電極を互いに導通させる第1導電性材料が充填され、前記圧電素子の第2電極露出部によって画成された孔又は溝には、前記振動板と接触し、且つ、複数の第2電極を互いに導通させる第2導電性材料が充填され、
    前記圧電素子の第1電極は、第1導電性材料を介して、前記圧電素子の前記振動板と反対側において第1配線に接続されており、
    前記各圧電素子は連結部材によって互いに連結され、前記各圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面は、ほぼ面一であり、
    第1配線は、前記各圧電素子及び前記連結部材の前記振動板と反対側の面上に形成されていることを特徴とする液体移送装置。
  14. 前記振動板は導電性材料で形成されていることを特徴とする請求項13に記載の液体移送装置。
  15. 第1配線は、前記各圧電素子の前記振動板と反対側の面上に形成されていることを特徴とする請求項13に記載の液体移送装置。
  16. 前記圧電素子の第2電極は、第2導電性材料を介して、前記圧電素子の前記振動板と反対側において第2配線に接続されていることを特徴とする請求項13に記載の液体移送装置。
  17. 第2配線は、前記圧電素子の前記振動板と反対側の面上に形成されていることを特徴とする請求項13に記載の液体移送装置。
  18. 平面に沿って配置された複数の圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットの一表面に配置される、液体移送装置の圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記平面に直交する方向から見て、所定の駆動電圧が印加される複数の第1電極と共通の基準電位に保持される複数の第2電極とが互いに重ならない領域を有し、且つ、複数の圧電層の間に交互に配置されるように、前記複数の圧電層を積層して積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体を分割して、前記複数の圧力室に夫々対応する複数の圧電素子を形成する分割工程と、
    第1電極のみが露出する第1電極露出部によって画成され、前記各圧電素子の一表面から前記圧電層の積層方向である厚み方向に直線的に延びる孔又は溝と、第2電極のみが露出する第2電極露出部によって画成され、前記各圧電素子の前記一表面から前記厚み方向に直線的に延びる孔又は溝とを形成する露出部形成工程と、
    第1電極露出部によって画成された孔又は溝に複数の第1電極を互いに導通させる第1導電性材料を充填するとともに、第2電極露出部によって画成された孔又は溝に第2電極を互いに導通させる第2導電性材料を充填する充填工程と、
    前記各圧電素子の前記一表面に、第1電極露出部によって画成された孔又は溝に充填された第1導電性材料と接続される第1配線を配置する配線形成工程と、を含み、
    前記積層工程において、前記複数の圧電層の前記流路ユニットと反対側に基材をさらに積層し、
    前記分割工程において、前記基材を残しつつ、積層された前記複数の圧電層を分割することによって、前記複数の圧電素子を形成するとともに、前記基材の前記複数の圧電素子の間の部分を、前記複数の圧電素子を互いに連結する連結部材とし、
    前記配線形成工程において、前記圧電素子及び前記連結部材の前記流路ユニットと反対側の、ほぼ面一となった面に、前記第1配線を配置することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  19. 平面に沿って配置された複数の圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットの一表面に配置される、液体移送装置の圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記平面に直交する方向から見て、所定の駆動電圧が印加される複数の第1電極と共通の基準電位に保持される複数の第2電極とが互いに重ならない領域を有し、且つ、複数の圧電層の間に交互に配置されるように、前記複数の圧電層を積層して積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体を分割して、前記複数の圧力室に夫々対応する複数の圧電素子を形成するとともに、同時に、前記各圧電素子の側面において、前記圧電層の積層方向である厚み方向に直線的に延び、第1電極のみが露出する第1電極露出溝、及び、前記各圧電素子の側面において、前記厚み方向に直線的に延び、第2電極のみが露出する第2電極露出溝を形成する分割工程と、
    第1電極露出溝に露出する複数の第1電極を互いに導通させる第1導電性材料を、第1露出溝に充填するとともに、第2電極露出溝に露出する複数の第2電極を互いに導通させる第2導電性材料を、第2露出溝に充填する充填工程と、
    前記各圧電素子の前記一表面に、第1電極露出溝に充填された第1導電性材料と接続される第1配線を形成する配線形成工程と、
    を含み、
    前記積層工程において、前記複数の圧電層の前記流路ユニットと反対側に基材をさらに積層し、
    前記分割工程において、前記基材を残しつつ、積層された前記複数の圧電層を分割することによって、前記複数の圧電素子を形成するとともに、前記基材の前記複数の圧電素子の間の部分を、前記複数の圧電素子を互いに連結する連結部材とし、
    前記配線形成工程において、前記圧電素子及び前記連結部材の前記流路ユニットと反対側の、ほぼ面一となった面に、前記第1配線を配置することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
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