JP5193621B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータを動力源とする車両に搭載され、モータの回転力を車両の左右輪に伝達する動力伝達装置に関し、特に、モータから入力される入力回転を2段に変速することができつつも、装置の小型化を図ることができる動力伝達装置に関するものである。
従来、モータを動力源とする車両に搭載され、モータの回転力を車両の左右輪に伝達する動力伝達装置として、例えば、特許文献1には、モータから入力される入力回転を減速して、かかる回転力の増幅を図る電気自動車用駆動装置が開示されている。
この電気自動車用駆動装置では、2組の遊星歯車列を備え、それら各遊星歯車列を構成する変速要素(サンギヤ、リングギヤ及びキャリア)の内いずれかの変速要素の回転を規制すると共に、回転を規制する変速要素の組合せによって、モータから入力される入力回転を2段に変速することができるように構成されている。
特開平5−116549号公報
しかしながら、特許文献1に開示される電気自動車用駆動装置では、モータから入力される入力回転を2組の遊星歯車列により2段に変速する構成であるため、その分、スペースが必要となり、装置が大型化してしまうという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、モータから入力される入力回転を2段に変速することができつつも、装置の小型化を図ることができる動力伝達装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の動力伝達装置は、回転力を発生するモータと、そのモータの回転力が入力されると共に入力回転を減速する減速装置と、その減速装置が固定されると共に外郭を形成するケースとを備え、前記モータを動力源とする車両に搭載され、前記減速装置を介して前記モータの回転力を前記車両の左右輪に伝達するものであり、減速装置は、前記モータの回転力が入力され回転軸回りに回転される第1サンギヤと、その第1サンギヤの外周に配設されると共に前記回転軸回りに回転可能な第1リングギヤと、前記第1サンギヤと第1リングギヤとの間に配設され前記第1サンギヤ及び第1リングギヤに噛合される複数の第1プラネタリギヤと、それら複数の第1プラネタリギヤを回転可能に軸支すると共に前記回転軸回りに回転可能な第1キャリアとを備える遊星歯車ユニットと、前記第1リングギヤの回転を許容または規制するブレーキ装置と、前記第1サンギヤと第1キャリアとを連結または解放するクラッチ装置とを有し、前記ブレーキ装置により前記第1リングギヤの回転を規制し、且つ、前記クラッチ装置により前記第1サンギヤと第1キャリアとの連結を解放することにより、前記第1サンギヤの回転に伴って前記第1プラネタリギヤが自転しつつ前記第1サンギヤと第1リングギヤとの間を転動して前記回転軸回りに公転すると共に、前記第1プラネタリギヤの公転に伴って前記第1キャリアが前記回転軸回りに回転することで、前記第1サンギヤに入力される入力回転を減速して前記第1キャリアから前記車両の左右輪に伝達する一方、前記ブレーキ装置により前記第1リングギヤの回転を許容し、且つ、前記クラッチ装置により前記第1サンギヤと第1キャリアとを連結することにより、前記第1サンギヤの回転に伴って前記第1キャリアが前記回転軸回りに回転することで、前記第1サンギヤに入力される入力回転を等速で前記第1キャリアから前記車両の左右輪に伝達する変速部を備え、前記第1キャリアの回転力が入力される遊星歯車列により前記車両の左右輪の差動を吸収する差動装置と、前記差動装置に連結されると共に前記差動装置の回転力により前記回転軸回りに回転するポンプギヤ及びそのポンプギヤを内部に配設するハウジングを有するオイルポンプとを備え、前記ハウジングは、前記ケースの内部空間に連通される吸入油路と、その吸入油路に連通されると共に前記減速装置および前記差動装置に油を供給するための油路に連通される供給油路とを備え、前記差動装置の回転力が前記ポンプギヤに入力されることで、前記ケースの内部空間に貯留された油が前記吸入油路を通じて前記ハウジング内に吸入されると共に、吸入した油が前記供給油路を通じて前記減速装置および前記差動装置に圧送される。
請求項2記載の動力伝達装置は、請求項1記載の動力伝達装置において、前記減速装置は、前記モータの回転力が入力され前記回転軸回りに回転される第2サンギヤと、その第2サンギヤの外周に配設されると共に回転が規制される第2リングギヤと、前記第2サンギヤと第2リングギヤとの間に配設され前記第2サンギヤ及び第2リングギヤに噛合される複数の第2プラネタリギヤと、それら複数の第2プラネタリギヤを回転可能に軸支すると共に前記回転軸回りに回転可能な第2キャリアとを備える遊星歯車ユニットを有し、前記第2サンギヤの回転に伴って前記第2プラネタリギヤが自転しつつ前記第2サンギヤと第2リングギヤとの間を転動して前記回転軸回りに公転すると共に、前記第2プラネタリギヤの公転に伴って前記第2キャリアが前記回転軸回りに回転することで、前記第2サンギヤに入力される入力回転を減速して前記第2キャリアから前記第1サンギヤに伝達する減速部を備えている。
請求項3記載の動力伝達装置は、請求項1又は2に記載の動力伝達装置において、前記差動装置は、前記第1キャリアの回転力が入力され前記回転軸回りに回転される第3リングギヤと、その第3リングギヤの内周に配設されると共に前記回転軸回りに回転可能な第3サンギヤと、前記第3リングギヤと第3サンギヤとの間に配設され前記第3リングギヤ及び第3サンギヤに噛合される複数の第3プラネタリギヤと、それら複数の第3プラネタリギヤを回転可能に軸支すると共に前記回転軸回りに回転可能な第3キャリアとを備える遊星歯車ユニットを有し、前記第3リングギヤの回転に伴って前記第3プラネタリギヤが前記回転軸回りに公転すると共に前記第3サンギヤが前記回転軸回りに回転することで、前記第3リングギヤに入力される入力回転を前記第3サンギヤ及び第3キャリアから前記車両の左右輪にそれぞれ伝達すると共に、前記第3プラネタリギヤが自転しつつ前記第3サンギヤと第3リングギヤとの間を転動して前記回転軸回りに公転することで、前記第3サンギヤの回転と第3キャリアの回転との間に回転差を生じさせて前記車両の左右輪の差動を吸収する。
請求項1記載の動力伝達装置によれば、減速装置は、遊星歯車ユニットとブレーキ装置とクラッチ装置とを有する変速部を備え、ブレーキ装置により第1リングギヤの回転を規制し、且つ、クラッチ装置により第1サンギヤと第1キャリアとの連結を解放することにより、第1サンギヤの回転に伴って第1プラネタリギヤが自転しつつ第1サンギヤと第1リングギヤとの間を転動して回転軸回りに公転すると共に、第1プラネタリギヤの公転に伴って第1キャリアが回転軸回りに回転することで、第1サンギヤに入力される入力回転が減速され第1キャリアから車両の左右輪に伝達される。
一方、ブレーキ装置により第1リングギヤの回転を許容し、且つ、クラッチ装置により第1サンギヤと第1キャリアとを連結することにより、第1サンギヤの回転に伴って第1キャリアが回転軸回りに回転することで、第1サンギヤに入力される入力回転が等速のまま第1キャリアから車両の左右輪に伝達される。
よって、第1サンギヤに入力される入力回転、即ち、モータから入力される入力回転を1の遊星歯車ユニットにより減速と等速との2段に変速することができるので、従来のように2組の遊星歯車ユニットを必要とせず、その分、装置の小型化を図ることができるという効果がある。
このように、本発明における動力伝達装置によれば、モータから入力される入力回転を減速と等速との2段に変速することができるので、幅広い車速範囲において、モータを効率良く使用することができるという効果がある。
即ち、モータは、一般に、回転数の増加に伴い回転力が減少する特性を持つので、単に入力回転を減速するのみでは、モータの回転数が増加し車速が上がると、車輪を回転させるために必要な回転力を十分に得られなくなる場合がある。このため、モータを大型化して、回転力を確保しなければならない。
これに対し、本発明によれば、入力回転を減速と等速との2段に変速することができるので、車速の高い状態では、入力回転を等速のまま車輪に伝達することにより、回転数の増加を抑制することができる。これにより、モータの回転力を効率良く得ることができるという効果がある。その結果、幅広い車速範囲において、モータを効率良く使用することができる。また、モータの回転力を効率良く得ることができれば、モータの大型化が不要となり、その分、装置の小型化を図ることができるという効果がある。
また、本発明における動力伝達装置によれば、差動装置が遊星歯車列により構成されるので、傘歯車を用いて構成する場合と比較して、回転軸方向の長さ寸法を短くすることができ、装置の小型化を図ることができるという効果がある。
さらに、第3リングギヤに連結されると共に第3リングギヤの回転力により回転軸回りに回転するポンプ駆動シャフトと、ケースの内部空間に貯留された油を減速装置および差動装置に供給するオイルポンプとを備え、オイルポンプは、ケースの内部空間に連通される吸入油路およびその吸入油路に連通されると共に減速装置ならびに差動装置に油を供給するための油路に連通される供給油路を有するハウジングと、そのハウジング内に配設されると共にポンプ駆動シャフトに嵌合されるポンプギヤとを備え、差動装置の回転力によりポンプ駆動シャフトを介してポンプギヤに回転力が入力されることで、ポンプギヤが回転軸回りに回転し、ケースの内部空間に貯留された油が供給油路を通じてハウジング内に吸入されると共に、吸入した油が供給油路を通じて減速装置および差動装置に圧送される。
よって、モータが回転力を発生している場合、即ち、車両が走行し、減速装置及び差動装置に油が必要とされる場合には、油を確実に供給することができるという効果がある。一方、モータが回転力を発生していない場合、即ち、車両が停車し、減速装置及び差動装置に油が必要でない場合には、油の供給を停止して、エネルギーの省力化を図ることができるという効果がある。
請求項2記載の動力伝達装置によれば、請求項1記載の動力伝達装置の奏する効果に加え、減速装置は、遊星歯車ユニットを有する減速部を備え、第2サンギヤの回転に伴って第2プラネタリギヤが自転しつつ第2サンギヤの外周を回転軸回りに公転すると共に、第2プラネタリギヤの公転に伴って第2キャリアが回転軸回りに回転することで、第2サンギヤに入力される入力回転が減速され第2キャリアから第1サンギヤに伝達されるので、モータから入力される入力回転を減速した後で変速部に入力することができる。これにより、モータの回転力を増幅することができるので、モータの大型化が不要となり、その分、モータの小型化を図ることができるという効果がある。
請求項3記載の動力伝達装置によれば、請求項1又は2に記載の動力伝達装置の奏する効果に加え、差動装置、第3リングギヤの回転に伴って第3プラネタリギヤが回転軸回りに公転すると共に第3サンギヤが回転軸回りに回転することで、第3リングギヤに入力される入力回転が第3サンギヤ及び第3キャリアから車両の左右輪にそれぞれ伝達される。
また、第3プラネタリギヤが自転しつつ第3サンギヤと第3リングギヤとの間を転動して回転軸回りに公転することで、第3サンギヤの回転と第3キャリアの回転との間に回転差が生じて車両の左右輪の差動が吸収される。
よって、第3リングギヤに入力される回転力、即ち、第1キャリアの回転力を車両の左右輪に分配して伝達することができると共に、かかる左右輪の回転差を吸収することができる。これにより、モータの回転力を車両の左右輪に分配して伝達すると共に、かかる左右輪の回転差を吸収しつつも、動力源となるモータから差動装置までの要素を1つのユニットとして構成することができるので、構造の簡素化を図ることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図3を参照して、本発明の一実施の形態における動力伝達装置1の全体構成について説明する。図1は、動力伝達装置1の断面図であり、図2は、減速装置2及び差動装置3を模式的に示した動力伝達装置1の模式図である。また、図3は、図1のIIIで示す部分を拡大した動力伝達装置1の拡大断面図である。なお、図1では、動力伝達装置1の一部を外観図で示している。
動力伝達装置1は、図1に示すように、回転力を発生するモータMと、そのモータMの回転力が入力される減速装置2と、その減速装置2から回転力が入力される差動装置3とを主に備え、減速装置2及び差動装置3を介してモータMの回転力を車両の左右輪(図示せず)に伝達すると共に、モータMから入力される入力回転を減速装置2により減速することができるように構成されている。
減速装置2は、モータMの回転力を差動装置3に伝達すると共にモータMから入力される入力回転を減速するための装置であり、図1に示すように、モータMの回転力が入力される減速部10と、その減速部10から回転力が入力される変速部20とを備えて構成されている。
減速部10は、図1及び図3に示すように、減速サンギヤ11と、減速リングギヤ12と、減速プラネタリギヤ13と、減速キャリア14とを主に備え、いわゆる遊星歯車列により構成されている。
減速サンギヤ11は、遊星歯車列の太陽歯車を構成するものであり、モータMの回転子(図示せず)に連結されている。従って、減速サンギヤ11は、かかる回転子を介してモータMの回転力が入力されることで、モータMの回転力により回転軸O回りに回転される。
減速リングギヤ12は、遊星歯車列の内歯歯車を構成するものであり、動力伝達装置1の外郭を形成するケースCに固定されている。従って、減速リングギヤ12は、ケースCにより回転が規制される。
減速プラネタリギヤ13は、遊星歯車列の遊星歯車を構成するものであり、減速サンギヤ11及び減速リングギヤ12に噛合されると共に、シャフト15により減速キャリア14に軸支されている。従って、減速プラネタリギヤ13は、減速サンギヤ11が回転軸O回りに回転することで、減速サンギヤ11の回転に伴ってシャフト15を中心に自転しつつ減速サンギヤ11と減速リングギヤ12との間を転動して回転軸O回りに公転する。
また、減速プラネタリギヤ13は、図1及び図3に示すように、減速サンギヤ11に噛合される大径プラネタリギヤ13aと、減速リングギヤ12に噛合される小径プラネタリギヤ13bとを備え、それら大径プラネタリギヤ13aと小径プラネタリギヤ13bとが一体に連結されている。従って、大径プラネタリギヤ13aと小径プラネタリギヤ13bとは、減速サンギヤ11が回転軸O回りに回転することで、減速サンギヤ11の回転に伴って一体に回転する。
なお、本実施の形態において、減速部10には、3個の減速プラネタリギヤ13が設けられ、それら3個の減速プラネタリギヤ13が等間隔(中心角120°間隔)で配置されている。
減速キャリア14は、遊星歯車列の遊星枠を構成するものであり、上述したように減速プラネタリギヤ13をシャフト15により軸支していると共に、ベアリング16を介してケースCに支持されている。従って、減速キャリア14は、減速プラネタリギヤ13が減速サンギヤ11と減速リングギヤ12との間を転動して回転軸O回りに公転することで、減速プラネタリギヤ13の公転に伴って回転軸O回りに回転する。なお、減速キャリア14によるシャフト15の支持構造については、図3及び図4(a)を参照して後述する。
このように、遊星歯車列により構成される減速部10は、減速サンギヤ11が入力要素として、減速リングギヤ12が反力要素として、減速キャリア14が出力要素として、それぞれの役割を担っている。これにより、減速部10では、減速サンギヤ11に入力されるモータMの回転力を減速プラネタリギヤ13を介して減速キャリア14から出力することができる。
また、減速部10は、図2に示すように、減速サンギヤ11のピッチ円半径R1が減速リングギヤ12のピッチ円半径R2よりも小さく構成されている(R1<R2)。これにより、減速部10では、減速サンギヤ11の回転、即ち、モータMから入力される入力回転を減速することができる。
更に、減速プラネタリギヤ13は、大径プラネタリギヤ13aのピッチ円半径R3が小径プラネタリギヤ13bのピッチ円半径R4よりも大きく構成されている(R3>R4)。これにより、減速部10では、減速サンギヤ11の回転、即ち、モータMから入力される入力回転を減速プラネタリギヤ13により減速することができる。よって、モータMから入力される入力回転をより大きな減速比で減速することができる。
変速部20は、図1及び図3に示すように、変速サンギヤ21と、変速リングギヤ22と、変速プラネタリギヤ23と、変速キャリア24とを主に備え、いわゆる遊星歯車列により構成されると共に、ブレーキ装置40及びクラッチ装置50を備えている。
変速サンギヤ21は、遊星歯車列の太陽歯車を構成するものであり、減速キャリア14に連結されている。従って、変速サンギヤ21は、減速キャリア14を介して減速部10から回転力が入力されることで、減速部10の回転力により回転軸O回りに回転される。
変速リングギヤ22は、遊星歯車列の内歯歯車を構成するものであり、ベアリング26を介してケースCに支持されている。従って、変速リングギヤ22は、後述するように、変速プラネタリギヤ23が変速サンギヤ21と変速リングギヤ22との間を転動して回転軸O回りに公転することで、変速プラネタリギヤ23の公転に伴って回転軸O回りに回転する。
変速プラネタリギヤ23は、遊星歯車列の遊星歯車を構成するものであり、変速サンギヤ21及び変速リングギヤ22に噛合されると共に、シャフト25により変速キャリア24に軸支されている。従って、変速プラネタリギヤ23は、変速サンギヤ21が回転軸O回りに回転することで、変速サンギヤ21の回転に伴ってシャフト25を中心に自転しつつ変速サンギヤ21と変速リングギヤ22との間を転動して回転軸O回りに公転する。
なお、本実施の形態において、変速部20には、3個の変速プラネタリギヤ23が設けられ、それら3個の変速プラネタリギヤ23が等間隔(中心角120°間隔)で配置されている。
変速キャリア24は、遊星歯車列の遊星枠を構成するものであり、上述したように変速プラネタリギヤ23をシャフト25により軸支していると共に、回転軸O回りに回転可能に構成されている。従って、変速キャリア24は、変速プラネタリギヤ23が変速サンギヤ21と変速リングギヤ22との間を転動して回転軸O回りに公転することで、変速プラネタリギヤ23の公転に伴って回転軸O回りに回転する。なお、変速キャリア24によるシャフト25の支持構造については、図3及び図4(b)を参照して後述する。
このように、遊星歯車列により構成される変速部20は、変速サンギヤ21が入力要素として、変速キャリア24が出力要素として、それぞれの役割を担っている。これにより、変速部20では、変速サンギヤ21に入力される減速部10の回転力を変速キャリア24から出力することができる。
ブレーキ装置40は、変速リングギヤ22の回転を許容または規制するためのものであり、図1及び図3に示すように、複数(本実施の形態では5枚)の押圧プレート41と、それら複数の押圧プレート41の間に介挿される複数(本実施の形態では4枚)の摩擦プレート42と、ピストン43とを主に備えて構成されている。
押圧プレート41は、円盤状の板状部材であり、その内周と変速リングギヤ22の外周面との間に形成されたスプライン継手44により変速リングギヤ22にスプライン嵌合されている。従って、押圧プレート41は、変速リングギヤ22が回転軸O回りに回転することで、変速リングギヤ22の回転に伴って変速リングギヤ22と一体に回転軸O回りに回転する。
摩擦プレート42は、表面に摩擦材が貼付された円盤状の板状部材であり、その外周とケースCとの間に形成されたスプライン継手45によりケースCにスプライン嵌合されている。従って、摩擦プレート42は、ケースCにより回転が規制される。
このように、押圧プレート41及び摩擦プレート42は、変速リングギヤ22又はケースCにスプライン嵌合されることで、スプライン継手44,45の延設方向(図1左右方向)へ動作可能に構成されている。
ピストン43は、断面略L字状の円盤状部材であり、その突起部を押圧プレート41に向けて、ケースCに形成された油路L1が連通されるピストン室P1に配設されている。従って、ピストン43は、後述するオイルポンプ60から油路L1を通じてピストン室P1に油が供給されることで、ピストン室P1に供給される油の圧力により押圧プレート41を押圧する。
これにより、押圧プレート41と摩擦プレート42との間の隙間が詰まり、押圧プレート41と摩擦プレート42との間に生じる摩擦力により変速リングギヤ22がケースCに固定されて変速リングギヤ22の回転が規制される。その結果、遊星歯車列により構成される変速部20において、変速リングギヤ22に反力要素としての役割を与えることができる。
一方、ピストン室P1に油が供給されていない状態では、ピストン43は、リターンスプリング46により押圧プレート41の押圧方向とは反対方向(図1右側)へ付勢される。これにより、押圧プレート41と摩擦プレート42との間に隙間が確保され、変速リングギヤ22の回転が許容される。
クラッチ装置50は、変速サンギヤ21と変速キャリア24とを連結または解放するためのものであり、図1及び図3に示すように、複数(本実施の形態では7枚)の押圧プレート51と、それら複数の押圧プレート51の間に介挿される複数(本実施の形態では6枚)の摩擦プレート52と、ピストン53とを主に備えて構成されている。
押圧プレート51は、円盤状の板状部材であり、その内周と変速サンギヤ21の外周面との間に形成されたスプライン継手54により変速サンギヤ21にスプライン嵌合されている。従って、押圧プレート51は、変速サンギヤ21が回転軸O回りに回転することで、変速サンギヤ21の回転に伴って変速サンギヤ21と一体に回転軸O回りに回転する。
摩擦プレート52は、表面に摩擦材が貼付された円盤状の板状部材であり、その外周と変速キャリア24との間に形成されたスプライン継手55により変速キャリア24にスプライン嵌合されている。従って、摩擦プレート52は、変速キャリア24が回転軸O回りに回転することで、変速キャリア24の回転に伴って変速キャリア24と一体に回転軸O回りに回転する。
このように、押圧プレート51及び摩擦プレート52は、変速サンギヤ21又は変速キャリア24にスプライン嵌合されることで、スプライン継手54,55の延設方向(図1左右方向)へ動作可能に構成されている。
ピストン53は、断面略L字状の円盤状部材であり、その突起部を押圧プレート51に向けて配設されている。また、ピストン53は、ケースCに形成された油路L2が連通されるピストン室P2に配設されたサブピストン57に近設されている。従って、ピストン53は、後述するオイルポンプ60から油路L2を通じてピストン室P2に油が供給されることで、ピストン室P2に供給される油の圧力によりサブピストン57を介して押圧プレート51を押圧する。
これにより、押圧プレート51と摩擦プレート52と間の隙間が詰まり、押圧プレート51と摩擦プレート52との間に生じる摩擦力により変速サンギヤ21と変速キャリア24とが連結される。その結果、変速サンギヤ21と変速キャリア24とを一体に回転させることができる。
一方、ピストン室P2に油が供給されていない状態では、ピストン53は、リターンスプリング56により押圧プレート51の押圧方向とは反対方向(図1右側)へ付勢される。これにより、押圧プレート51と摩擦プレート52との間に隙間が確保され、変速サンギヤ21と変速キャリア24との連結が解放される。その結果、変速サンギヤ21と変速キャリア24とを別体に回転させることができる。
このように、変速部20では、ブレーキ装置40により変速リングギヤ22の回転を規制すると共に、クラッチ装置50により変速サンギヤ21と変速キャリア24との連結を解放することで、変速サンギヤ21に入力される減速部10の回転力を変速プラネタリギヤ23を介して変速キャリア24から出力して差動装置3に伝達することができる。
また、変速部20は、図2に示すように、変速サンギヤ21のピッチ円半径R5が変速リングギヤ22のピッチ円半径R6よりも小さく構成されている(R5<R6)。これにより、変速部20では、変速サンギヤ21の回転、即ち、減速部10から入力される入力回転を減速して出力することができる。
一方、ブレーキ装置40により変速リングギヤ22の回転を許容すると共に、クラッチ装置50により変速サンギヤ21と変速キャリア24とを連結することで、変速サンギヤ21に入力される減速部10の回転力を変速プラネタリギヤ23を介すことなく直に変速キャリア24から出力することができる。これにより、変速サンギヤ21の回転、即ち、減速部10から入力される入力回転を等速のまま出力することができる。
差動装置3は、減速装置2から入力される入力回転を車両の左右輪に伝達するための装置であり、図1に示すように、差動サンギヤ31と、差動リングギヤ32と、差動プラネタリギヤ33と、差動キャリア34とを主に備え、いわゆる遊星歯車列により構成されている。
差動サンギヤ31は、遊星歯車列の太陽歯車を構成するものであり、車両の左右輪の内いずれか一方の車輪を支持するドライブシャフト(図示せず)に連結されている。この差動サンギヤ31は、後述するように、差動リングギヤ32に噛合される差動プラネタリギヤ33が噛合されているので、差動リングギヤ32が回転軸O回りに回転することで、差動リングギヤ32の回転に伴って回転軸O回りに回転する。
差動リングギヤ32は、遊星歯車列の内歯歯車を構成するものであり、変速キャリア24に連結されている。従って、差動リングギヤ32は、変速キャリア24を介して変速部20から回転力が入力されることで、変速部20の回転力により回転軸O回りに回転される。
また、差動リングギヤ32には、図1に示すように、ポンプ駆動シャフト36が連結され、ポンプ駆動シャフト36は、ベアリング37を介してケースCに支持されている。従って、ポンプ駆動シャフト36は、差動リングギヤ32が回転軸O回りに回転することで、差動リングギヤ32の回転に伴って回転軸O回りに回転する。
差動プラネタリギヤ33は、遊星歯車列の遊星歯車を構成するものであり、差動サンギヤ31及び差動リングギヤ32に噛合されると共に、シャフト35により差動キャリア34に軸支されている。従って、差動プラネタリギヤ33は、差動リングギヤ32が回転軸O回りに回転することで、差動リングギヤ32の回転に伴って回転軸O回りに公転する。
また、差動プラネタリギヤ33は、図1に示すように、差動サンギヤ31に噛合される内プラネタリギヤ33aと、差動リングギヤ32に噛合される外プラネタリギヤ33bとを備え、それら内プラネタリギヤ33aと外プラネタリギヤ33bとが噛合されている。従って、内プラネタリギヤ33aと外プラネタリギヤ33bとは、互いに逆回転する。
なお、本実施の形態において、差動装置3には、3対の差動プラネタリギヤ33(即ち、各3個の内プラネタリギヤ33a及び外プラネタリギヤ33b)が設けられ、それら3対の差動プラネタリギヤ33が等間隔(中心角120°間隔)で配置されている。
差動キャリア34は、遊星歯車列の遊星枠を構成するものであり、上述したように差動プラネタリギヤ33をシャフト35により軸支していると共に、回転軸O回りに回転可能に構成されている。従って、差動キャリア34は、差動プラネタリギヤ33が回転軸O回りに公転することで、差動プラネタリギヤ33の公転に伴って回転軸O回りに回転する。
また、差動キャリア34には、図1に示すように、車両の左右輪の内いずれか他方の車輪を支持するドライブシャフト(図示せず)に連結される出力シャフト38が連結されている。
このように、遊星歯車列により構成される差動装置3は、差動リングギヤ32が入力要素として、差動サンギヤ31及び差動キャリア34が出力要素として、それぞれの役割を担っている。これにより、差動装置3では、差動リングギヤ32に入力される減速装置2の回転力を差動サンギヤ31及び差動キャリア34から出力して車両の左右輪に分配しつつ伝達することができる。
また、差動装置3は、差動プラネタリギヤ33が自転しつつ差動サンギヤ31と差動リングギヤ32との間を転動して回転軸O回りに公転することで、差動サンギヤ31の回転と差動キャリア34の回転との間に回転差を生じさせて車両の左右輪の差動を吸収することができる。
次いで、図3及び図4を参照して、減速キャリア14によるシャフト15の支持構造および変速キャリア24によるシャフト25の支持構造について説明する。図4(a)は、図3のIVa方向視における減速キャリア14の正面図であり、図4(b)は、図3のIVb方向視における変速キャリア24の正面図である。
図3及び図4(a)に示すように、減速キャリア14には、シャフト15が挿入されるシャフト孔14aが穿設されていると共に、そのシャフト孔14aの内面には、スナップリングS1を係止可能なスナップリング溝14bが凹設されている。
従って、シャフト15がシャフト孔14aに挿入された状態で、スナップリングS1をスナップリング溝14bに係止することで、シャフト15をシャフト孔14aに保持することができる。一方、スナップリングS1をスナップリング溝14bから取り外すことで、シャフト15をシャフト孔14aから抜き取ることができる。
このように、スナップリングS1によりシャフト15を保持する構成であるので、圧入やかしめ等によりシャフト15を保持する場合と比較して、組立作業の簡素化を図ることができると共に、シャフト15の着脱を可能として、分解整備の簡素化を図ることができる。
また、シャフト孔14aの内面には、シャフト15の外周面に突設されたピンP1を係合可能なピン溝14cが凹設されている。従って、ピンP1をピン溝14cに係合してシャフト15をシャフト孔14aに挿入することで、シャフト孔14a内でのシャフト15の回転を規制することができる。
このように、ピンP1によりシャフト15の回転を規制する構成であるので、例えば、シャフト15内部に形成された油路15aを通じて供給される潤滑油を所望の部分に向けて供給することができる。
同様に、図3及び図4(b)に示すように、減速キャリア24には、シャフト25が挿入されるシャフト孔24aが穿設されていると共に、そのシャフト孔24aの内面には、スナップリングS2を係止可能なスナップリング溝24bが凹設されている。
従って、シャフト24がシャフト孔24aに挿入された状態で、スナップリングS2をスナップリング溝24bに係止することで、シャフト25をシャフト孔24aに保持することができる。一方、スナップリングS2をスナップリング溝24bから取り外すことで、シャフト25をシャフト孔24aから抜き取ることができる。
このように、スナップリングS2によりシャフト25を保持する構成であるので、圧入やかしめ等によりシャフト25を保持する場合と比較して、組立作業の簡素化を図ることができると共に、シャフト25の着脱を可能として、分解整備の簡素化を図ることができる。
また、シャフト孔24aの内面には、シャフト25の外周面に突設されたピンP2を係合可能なピン溝24cが凹設されている。従って、ピンP2をピン溝24cに係合してシャフト25をシャフト孔24aに挿入することで、シャフト孔24a内でのシャフト25の回転を規制することができる。
このように、ピンP2によりシャフト25の回転を規制する構成であるので、例えば、シャフト25内部に形成された油路25aを通じて供給される潤滑油を所望の部分に向けて供給することができる。
次いで、図5を参照して、オイルポンプ60の詳細構成について説明する。図5は、図1のV−V線におけるオイルポンプ60の断面図である。オイルポンプ60は、減速装置2及び差動装置3の各部に潤滑油を供給すると共にピストン43,53に作動油を供給するためのものであり、図5に示すように、ハウジング61と、そのハウジング61内に配設されるポンプギヤ62とを主に備えて構成されている。
ハウジング61は、オイルポンプ60の外郭を形成するものであり、ケースC(図1参照)の内部空間に連通される吸入油路61aと、その吸入油路61aに連通されると共に減速装置2及び差動装置3の各部に潤滑油を供給するための油路(例えば油路15a,25a、図3参照)やピストン43,53に作動油を供給するための油路(例えば油路L1,L2、図1参照)に連通される供給油路61bとを備えている。
ポンプギヤ62は、回転することにより、ケースC内に貯留された油を吸入油路61aを通じてハウジング61内に吸入すると共に、吸入した油を供給油路61bを通じて減速装置2及び差動装置3の各部やピストン43,53に圧送するための歯車であり、ポンプ駆動シャフト36にスプライン嵌合されている。従って、ポンプギヤ62は、ポンプ駆動シャフト36を介して差動装置3の回転力が入力されることで、差動装置3の回転力により回転軸O回りに回転される。
このように、オイルポンプ60は、差動装置3の回転力、即ち、モータMの回転力によりポンプギヤ62が回転することで減速装置2及び差動装置3の各部やピストン43,53に潤滑油や作動油を供給する。これにより、モータMが回転力を発生している場合、即ち、車両が走行し、減速装置2及び差動装置3の各部に潤滑油が必要とされる場合やピストン43,53に作動油が必要とされる場合には、潤滑油や作動油を確実に供給することができる。
一方、モータMが回転力を発生していない場合、即ち、車両が停車し、減速装置2及び差動装置3の各部に潤滑油が必要でない場合やピストン43,53に作動油が必要でない場合には、潤滑油や作動油の供給を停止して、エネルギーの省力化を図ることができる。
以上のように、本実施の形態における動力伝達装置1によれば、減速装置2は、遊星歯車ユニットとブレーキ装置40とクラッチ装置50とを有する変速部20を備え、ブレーキ装置40により変速リングギヤ22の回転を規制し、且つ、クラッチ装置50により変速サンギヤ21と変速キャリア24との連結を解放することにより、変速サンギヤ21の回転に伴って変速プラネタリギヤ23が自転しつつ変速サンギヤ21と変速リングギヤ22との間を転動して回転軸O回りに公転すると共に、変速プラネタリギヤ23の公転に伴って変速キャリア24が回転軸O回りに回転することで、変速サンギヤ21に入力される入力回転が減速され変速キャリア24から車両の左右輪に伝達される。
一方、ブレーキ装置40により変速リングギヤ22の回転を許容し、且つ、クラッチ装置50により変速サンギヤ21と変速キャリア24とを連結することにより、変速サンギヤ21の回転に伴って変速キャリア24が回転軸O回りに回転することで、変速サンギヤ21に入力される入力回転が等速のまま変速キャリア24から車両の左右輪に伝達される。
よって、変速サンギヤ21に入力される入力回転、即ち、モータMから入力される入力回転を1の遊星歯車ユニットにより減速と等速との2段に変速することができるので、従来のように2組の遊星歯車ユニットを必要とせず、その分、装置の小型化を図ることができる。
このように、本実施の形態における動力伝達装置1によれば、モータMから入力される入力回転を減速と等速との2段に変速することができるので、幅広い車速範囲において、モータMを効率良く使用することができる。
即ち、モータMは、一般に、回転数の増加に伴い回転力が減少する特性を持つので、単に入力回転を減速するのみでは、モータMの回転数が増加し車速が上がると、車輪を回転させるために必要な回転力を十分に得られなくなる場合がある。このため、モータMを大型化して、回転力を確保しなければならない。
これに対し、本実施の形態における動力伝達装置1によれば、入力回転を減速と等速との2段に変速することができるので、車速の高い状態では、入力回転を等速のまま車輪に伝達することにより、回転数の増加を抑制することができる。これにより、モータMの回転力を効率良く得ることができる。その結果、幅広い車速範囲において、モータMを効率良く使用することができる。また、モータMの回転力を効率良く得ることができれば、モータMの大型化が不要となり、その分、装置の小型化を図ることができる。
また、本実施の形態における動力伝達装置1によれば、減速装置2は、遊星歯車ユニットを有する減速部10を備え、減速サンギヤ11の回転に伴って減速プラネタリギヤ13が自転しつつ減速サンギヤ11と減速リングギヤ12との間を転動して回転軸O回りに公転すると共に、減速プラネタリギヤ13の公転に伴って減速キャリア14が回転軸O回りに回転することで、減速サンギヤ11に入力される入力回転が減速され減速キャリア14から変速サンギヤ21に伝達される。
よって、モータMから入力される入力回転を減速した後で変速部20に入力することができる。これにより、モータMの回転力を増幅することができるので、モータMの大型化が不要となり、その分、モータMの小型化を図ることができる。
更に、本実施の形態における動力伝達装置1によれば、遊星歯車ユニットを有する差動装置3を備え、差動リングギヤ32の回転に伴って差動プラネタリギヤ33が回転軸O回りに公転すると共に差動サンギヤ31が回転軸O回りに回転することで、差動リングギヤ32に入力される入力回転が差動サンギヤ31及び差動キャリア34から車両の左右輪にそれぞれ伝達される。
また、差動プラネタリギヤ33が自転しつつ差動サンギヤ31と差動リングギヤ32との間を転動して回転軸O回りに公転することで、差動サンギヤ31の回転と差動キャリア34の回転との間に回転差が生じて車両の左右輪の差動が吸収される。
よって、差動リングギヤ32に入力される回転力、即ち、変速キャリア24の回転力を車両の左右輪に分配して伝達することができると共に、かかる左右輪の回転差を吸収することができる。これにより、モータMの回転力を車両の左右輪に分配して伝達すると共に、かかる左右輪の回転差を吸収しつつも、動力源となるモータMから差動装置3までの要素を1つのユニットとして構成することができるので、構造の簡素化を図ることができる。
また、本実施の形態における動力伝達装置1によれば、差動装置3が遊星歯車ユニットにより構成されるので、傘歯車を用いて構成する場合と比較して、回転軸O方向の長さ寸法を短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態で挙げた数値(各構成の数量など)は一例を示すものであり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記実施の形態では、減速装置2が減速部10と変速部20とを備えて構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変速部20のみを備えて構成しても良い。
上記実施の形態では、減速プラネタリギヤ13の大径プラネタリギヤ13aと小径プラネタリギヤ13bとが異なるピッチ円半径で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大径プラネタリギヤ13aと小径プラネタリギヤ13bとを同一のピッチ円半径で構成しても良い。即ち、大径プラネタリギヤ13aと小径プラネタリギヤ13bとを1の歯車で構成しても良い。
上記実施の形態では、差動装置3が遊星歯車列により構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の歯車機構で構成しても良い。他の歯車機構としては、例えば、傘歯車などが例示される。
上記実施の形態では、オイルポンプ60がモータMの回転力を利用して減速装置2及び差動装置3の各部やピストン43,53に潤滑油や作動油を供給する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、モータMとは別に他のモータなどを設け、かかるモータの回転力によりポンプギヤ62が回転することで減速装置2及び差動装置3の各部やピストン43,53に潤滑油や作動油を供給するように構成しても良い。
動力伝達装置の断面図である。 減速装置および差動装置を模式的に示した動力伝達装置の模式図である。 図1のIIIで示す部分を拡大した動力伝達装置の拡大断面図である。 (a)は、図3のIVa方向視における減速キャリアの正面図であり、(b)は、図3のIVb方向視における変速キャリアの正面図である。 図1のV−V線におけるオイルポンプの断面図である。
1 動力伝達装置
2 減速装置
3 差動装置
10 減速部
11 減速サンギヤ(第2サンギヤ)
12 減速リングギヤ(第2リングギヤ)
13 減速プラネタリギヤ(第2プラネタリギヤ)
13a 大径プラネタリギヤ(第2プラネタリギヤの一部)
13b 小径プラネタリギヤ(第2プラネタリギヤの一部)
14 減速キャリア(第2キャリア)
20 変速部
21 変速サンギヤ(第1サンギヤ)
22 変速リングギヤ(第1リングギヤ)
23 変速プラネタリギヤ(第1プラネタリギヤ)
24 変速キャリア(第1キャリア)
31 差動サンギヤ(第3サンギヤ)
32 差動リングギヤ(第3リングギヤ)
33 差動プラネタリギヤ(第3プラネタリギヤ)
34 差動キャリア(第3キャリア)
40 ブレーキ装置
41 押圧プレート(ブレーキ装置の一部)
42 摩擦プレート(ブレーキ装置の一部)
43 ピストン(ブレーキ装置の一部)
46 リターンスプリング(ブレーキ装置の一部)
50 クラッチ装置
51 押圧プレート(クラッチ装置の一部)
52 摩擦プレート(クラッチ装置の一部)
53 ピストン(クラッチ装置の一部)
56 リターンスプリング(クラッチ装置の一部)
57 サブピストン(クラッチ装置の一部)
M モータ
O 回転軸

Claims (3)

  1. 回転力を発生するモータと、そのモータの回転力が入力されると共に入力回転を減速する減速装置と、その減速装置が固定されると共に外郭を形成するケースとを備え、前記モータを動力源とする車両に搭載され、前記減速装置を介して前記モータの回転力を前記車両の左右輪に伝達する動力伝達装置において、
    減速装置は、
    前記モータの回転力が入力され回転軸回りに回転される第1サンギヤと、その第1サンギヤの外周に配設されると共に前記回転軸回りに回転可能な第1リングギヤと、前記第1サンギヤと第1リングギヤとの間に配設され前記第1サンギヤ及び第1リングギヤに噛合される複数の第1プラネタリギヤと、それら複数の第1プラネタリギヤを回転可能に軸支すると共に前記回転軸回りに回転可能な第1キャリアとを備える遊星歯車ユニットと、
    前記第1リングギヤの回転を許容または規制するブレーキ装置と、
    前記第1サンギヤと第1キャリアとを連結または解放するクラッチ装置とを有し、
    前記ブレーキ装置により前記第1リングギヤの回転を規制し、且つ、前記クラッチ装置により前記第1サンギヤと第1キャリアとの連結を解放することにより、前記第1サンギヤの回転に伴って前記第1プラネタリギヤが自転しつつ前記第1サンギヤと第1リングギヤとの間を転動して前記回転軸回りに公転すると共に、前記第1プラネタリギヤの公転に伴って前記第1キャリアが前記回転軸回りに回転することで、前記第1サンギヤに入力される入力回転を減速して前記第1キャリアから前記車両の左右輪に伝達する一方、前記ブレーキ装置により前記第1リングギヤの回転を許容し、且つ、前記クラッチ装置により前記第1サンギヤと第1キャリアとを連結することにより、前記第1サンギヤの回転に伴って前記第1キャリアが前記回転軸回りに回転することで、前記第1サンギヤに入力される入力回転を等速で前記第1キャリアから前記車両の左右輪に伝達する変速部を備え
    前記第1キャリアの回転力が入力される遊星歯車列により前記車両の左右輪の差動を吸収する差動装置と、
    前記差動装置に連結されると共に前記差動装置の回転力により前記回転軸回りに回転するポンプギヤ及びそのポンプギヤを内部に配設するハウジングを有するオイルポンプとを備え、
    前記ハウジングは、前記ケースの内部空間に連通される吸入油路と、その吸入油路に連通されると共に前記減速装置および前記差動装置に油を供給するための油路に連通される供給油路とを備え、
    前記差動装置の回転力が前記ポンプギヤに入力されることで、前記ケースの内部空間に貯留された油が前記吸入油路を通じて前記ハウジング内に吸入されると共に、吸入した油が前記供給油路を通じて前記減速装置および前記差動装置に圧送されることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記減速装置は、
    前記モータの回転力が入力され前記回転軸回りに回転される第2サンギヤと、その第2サンギヤの外周に配設されると共に回転が規制される第2リングギヤと、前記第2サンギヤと第2リングギヤとの間に配設され前記第2サンギヤ及び第2リングギヤに噛合される複数の第2プラネタリギヤと、それら複数の第2プラネタリギヤを回転可能に軸支すると共に前記回転軸回りに回転可能な第2キャリアとを備える遊星歯車ユニットを有し、
    前記第2サンギヤの回転に伴って前記第2プラネタリギヤが自転しつつ前記第2サンギヤと第2リングギヤとの間を転動して前記回転軸回りに公転すると共に、前記第2プラネタリギヤの公転に伴って前記第2キャリアが前記回転軸回りに回転することで、前記第2サンギヤに入力される入力回転を減速して前記第2キャリアから前記第1サンギヤに伝達する減速部を備えていることを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 前記差動装置は、
    前記第1キャリアの回転力が入力され前記回転軸回りに回転される第3リングギヤと、その第3リングギヤの内周に配設されると共に前記回転軸回りに回転可能な第3サンギヤと、前記第3リングギヤと第3サンギヤとの間に配設され前記第3リングギヤ及び第3サンギヤに噛合される複数の第3プラネタリギヤと、それら複数の第3プラネタリギヤを回転可能に軸支すると共に前記回転軸回りに回転可能な第3キャリアとを備える遊星歯車ユニットを有し、
    前記第3リングギヤの回転に伴って前記第3プラネタリギヤが前記回転軸回りに公転すると共に前記第3サンギヤが前記回転軸回りに回転することで、前記第3リングギヤに入力される入力回転を前記第3サンギヤ及び第3キャリアから前記車両の左右輪にそれぞれ伝達すると共に、前記第3プラネタリギヤが自転しつつ前記第3サンギヤと第3リングギヤとの間を転動して前記回転軸回りに公転することで、前記第3サンギヤの回転と第3キャリアの回転との間に回転差を生じさせて前記車両の左右輪の差動を吸収することを特徴とする請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
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