JP5190789B2 - 電動工具 - Google Patents

電動工具 Download PDF

Info

Publication number
JP5190789B2
JP5190789B2 JP2008244334A JP2008244334A JP5190789B2 JP 5190789 B2 JP5190789 B2 JP 5190789B2 JP 2008244334 A JP2008244334 A JP 2008244334A JP 2008244334 A JP2008244334 A JP 2008244334A JP 5190789 B2 JP5190789 B2 JP 5190789B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
inner diameter
diameter portion
case
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008244334A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010076010A (ja
Inventor
卓宏 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Koki Co Ltd filed Critical Hitachi Koki Co Ltd
Priority to JP2008244334A priority Critical patent/JP5190789B2/ja
Publication of JP2010076010A publication Critical patent/JP2010076010A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5190789B2 publication Critical patent/JP5190789B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、筒状のハウジングとアングル形状のケースを連結した電動工具に関し、特にアングル形状部の組立性を改良した電動工具に関する。
電動工具の一例である回転打撃工具は、反動が小さく締め付け能力が高いため、現在広く用いられている。この回転打撃工具として様々なタイプのものが提供されており、通常の回転打撃工具ではボルト締め付け作業ができないなどの狭い場所での作業用に、例えば特許文献1に記載されているような、ハウジングの先端がアングル形状になっている回転打撃工具が実現されている。
図7は、従来から使用されている一般的なアングル形状の回転打撃工具の断面図である。回転打撃工具101は、蓄電池102を電源とし、モータ109の駆動力によりアンビル117と同軸上に設けられた打撃機構部を動作させ、アンビル117を打撃することにより先端工具に回転打撃力を与える。上記の打撃機構部において、モータ109の駆動力はファーストギヤ、セカンドピニオン114、ファイナルギヤ118を経てスピンドル119を回転させる。スピンドル119とハンマ113は、カムボールとV字型カム溝で構成されたカム機構により連結される。さらに、ハンマ113はスプリングにより常に先端工具方向に付勢される。これにより、スピンドル119、ハンマ113間が相対的に捩じられた時、ハンマ113はカム機構の働きにより傘歯車であるファイナルギヤ118側へ後退し、捩れから解放されるとスプリングにより加速されながら回転・前進する。ハンマ113、アンビル117は、それぞれの回転平面上の2ヵ所に対称的に配置された凸部を持つ。アンビル117に装着される先端工具(図示せず)は、アンビル117と同期して回転する。
上述の構成によって、スピンドル119の回転力はカム機構を経てハンマ113に伝わり、一緒に回転を始める。半回転しないうちにハンマ113、アンビル117の凸部同士が嵌合する。スピンドル119、ハンマ113は相対的に捩じられることになり、カム機構の働きによりハンマ113はスプリングを縮めながら後退を始め、ついには凸部の高さを乗り越え、嵌合が解ける。ハンマ113はスピンドル119の回転力に加え、スプリングに蓄えられた弾性エネルギーによって回転方向に急激に加速され、かつ前進を始める。ハンマ113が加速されるうちに、再び凸部同士が嵌合することになるが、このとき強力な回転打撃力がアンビル117に加えられ、締結対象に伝わる。そして再びハンマ113は後退を始める。
以上が回転打撃のサイクルである。アングル形状の回転打撃工具は.モータとハンマの間、或いはハンマと先端工具の間に傘歯車を配してトルクの伝達方向を90°変換させる構造であり、締め付けトルクを大きくしたい場合にはモータとハンマの間に傘歯車を設け、センターハイトHを小さくしたい場合にはハンマと先端工具の間に傘歯車を設ける構成とするのが一般的である。
アングルドライバを使用する際に重要となるポイントの一つに、センターハイトHを小さくする点がある。センターハイトHを小さくすると、狭い場所での作業がし易いためである。また、作業中にアングルドライバを握る箇所をいろいろ変えるのに便利なように、プッシュタイプのスイッチ123に代えて、レバータイプのスイッチを使うことが提案されている。
図7に示すアングルドライバでは、例えば、ハウジング105を、モータ109の回転軸及びアンビル117の中心軸を通る面で2つに分割する構造としている。この場合、セカンドピニオン114とファイナルギヤ118を組み立てる際に、片側のハウジング上に、セカンドピニオン114とファイナルギヤ118をセットし、他方のハウジングをかぶせてネジ等によって固定していた。よって、組み立て時にセカンドピニオン114とファイナルギヤ118の噛み合い状態を目視にて確認することができるため、傘歯車の歯同士を傷つけないように組み立てることが可能である。しかし、図7のような分割方式のハウジング105では、ポリアミド系合成繊維などのモールドによって製造しているため、強度を保持する必要から必然的に大きめのハウジングとなり、センターハイトHを小さくすることが困難であった。
一方、ファイナルギヤ118及びセカンドピニオン114を収容するハウジング部分を別部品とし、その部分をアルミ等のダイカスト品とする製品も知られている。この場合、強度アップが図れることからセンターハイトHを低くできると共に、堅牢感を持たせることができる。しかしながら、分割型のハウジング105と異なり、ハンマケースは強度維持のため一体型とする必要があるため、セカンドピニオン114とファイナルギヤ118は組み立て時に2つの開口部からそれぞれ挿入する必要がある。例えば、セカンドピニオン114を取り付け、その後にファイナルギヤ118を取り付けるが、その際、双方のギヤの歯の噛み合い具合を目視しながら組み立てることができないという問題があった。
また、ボールベアリングをハンマケースに固定する際に、傘歯車付近に充填されるグリスの漏れを防ぐために焼きばめによって圧入することが多いが、ボールベアリングをハンマケースに取り付けた時点でファイナルギヤとセカンドピニオンが目視できないため、ファイナルギヤとセカンドピニオンのギヤの歯が互いに当たっているか否かを確認できないまま圧入する事になることから、ファイナルギヤとセカンドピニオンのギヤの歯を傷付ける恐れがあった。また、焼きばめ時の不具合を防ぐために、すきまばめによって嵌挿することも考えられるが、その場合は、回転打撃工具の稼働時の発熱によりハンマケースが僅かに膨張し、ハンマケースの穴部の寸法が広がることでハンマケースとボールベアリングの隙間が大きくなり、グリス漏れが生じる恐れがあった。
特開平6−285771号公報
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、センターハイトを及びアングル部の小型化を実現したアングル形式の電動工具を提供することにある。
本発明の他の目的は、第1及び第2の傘歯車の組み立ての際に、ギヤの歯を傷付けないで組み立てることができるアングル形式の電動工具を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、アングル部の組み込まれるベアリングの圧入部からのグリス漏れを防止できる電動工具を提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、モータによって駆動される第1の傘歯車と、第1の傘歯車と噛合する第2の傘歯車と、第2の傘歯車によって回転され先端工具を保持するシャフトと、モータを収容するハウジングと、ハウジングの先端側に取り付けられ、第1と第2の傘歯車、及び、シャフトを収容するアングル状のケースを有する電動工具において、ケースは、モータ側開口部と先端工具側開口部を有する金属製の一体構造であり、先端工具側開口部には、ベアリングの外径よりも僅かに大きい径を有する第1の内径部と、第1の内径部に隣接してベアリングの外径よりも僅かに小さい径を有する第2の内径部を設け、モータ側開口部から第1の傘歯車を挿入して回転可能にケースに取り付け、先端工具側開口部から、シャフトと傘歯車とベアリングの組立体を挿入し、組立体のベアリングを第1の内径部を介して第2の内径部に嵌挿させることによってシャフトと第2の傘歯車をケースに取り付けるようにした。
本発明の他の特徴によれば、ベアリングは、第1の内径部にすきまばめによって嵌挿され、第2の内径部に焼きばめによって嵌挿される。第1の内径部は、先端工具側開口部に隣接し、開口部からベアリングの軸方向長さと同じまたはそれ以上とした。つまり、シャフトと第2の傘歯車を保持するベアリングを保持するケースの内径寸法を、ベアリングをすきまばめと焼きばめを組み合わせて保持するような形状とした。また、ベアリングが第1の内径部に嵌挿された際に、第1及び第2の傘歯車が部分的に噛合するようにし、ベアリングが第2の内径部に嵌挿された際に、第1及び第2の傘歯車が完全に噛合するように配置した。
本発明のさらに他の特徴によれば、第2の内径部の軸方向長さはベアリングの軸方向長さよりも短くした。さらに、第1の内径部に円環状の溝を形成し、溝に止め環を挿入することにより、第2の内径部に挿入されたベアリングの先端工具側端部を保持する。シャフトの略中央部はベアリングにより回転可能に保持され、シャフトの先端工具側と反対の端部は、メタルによりケースに回転可能に保持される。
請求項1の発明によれば、先端工具側開口部には、ベアリングの外径よりも僅かに大きい径を有する第1の内径部と、第1の内径部に隣接してベアリングの外径よりも僅かに小さい径を有する第2の内径部を設け、組立体のベアリングを第1の内径部を介して第2の内径部に嵌挿させることによってシャフトと第2の傘歯車をケースに取り付けるようにしたので、製品を長時間使用し、ケースが高温になった場合においても、ケースとベアリングの隙間からのグリス漏れの発生を防止できる。また、第1と第2の内径部の2つを利用することにより、ベアリングの仮固定(第1の内径部)と本固定(第2の内径部)を順序よく行うことができるので、組立性が向上する。
請求項2の発明によれば、ベアリングは、第1の内径部にすきまばめによって嵌挿され、第2の内径部に焼きばめによって嵌挿されるので、簡単な方法によってケースにベアリングを強固に固定できる。
請求項3の発明によれば、第1の内径部は、先端工具側開口部に隣接し、開口部からベアリングの軸方向長さと同じまたはそれ以上を有するので、ベアリングを仮固定した際にも、ケースとベアリングとの接触領域が十分確保されるので、組み立て時にケースとベアリングの隙間からのグリス漏れを発生することを防止できる。
請求項4の発明によれば、ベアリングが第1の内径部に嵌挿された際に、第1及び第2の傘歯車が部分的に噛合するようにケースの形状が決定されるので、第1の傘歯車と第2の傘歯車の仮組立ての際に、歯車の位置合わせを行うことが可能となった。
請求項5の発明によれば、ベアリングが第2の内径部に嵌挿された際に、第1及び第2の傘歯車が完全に噛合するようにケースの形状が決定されるので、ベアリングの本固定をすることによって、自動的に良好な傘歯車の噛み合い状態を実現できる。しかも、焼きばめによる本固定のための圧入の際には、すでに第1及び第2の傘歯車の噛み合い状態は調整済みであるので、歯車の破損を恐れることが無く、大きな力を加えて焼きばめを行うことが可能である。
請求項6の発明によれば、第2の内径部の軸方向長さはベアリングの軸方向長さよりも短いので、焼きばめに要する長さを必要以上に設定していないので、組立性及び分解性を向上させることができる。
請求項7の発明によれば、第1の内径部に円環状の溝を形成し、この溝に止め環を挿入することにより、第2の内径部に挿入されたベアリングの先端工具側端部を保持するので、ケースが高温になる連続使用の状態を繰り返しても、ケースからベアリングが脱落することを防止できる。
請求項8の発明によれば、シャフトの略中央部はベアリングにより回転可能に保持され、シャフトの先端工具側と反対の端部は、メタルによりケースに回転可能に保持されるので、アングル形式の電動工具において、剛性が高く、スムーズな先端工具の回転を実現できる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る電動工具を説明する。本実施形態においては蓄電池を電源とし、モータを駆動源とするコードレスタイプの電動工具であり、電動工具の例として、手持ち可能なアングル形状の回転打撃工具の例を示す。図1は、本発明の実施形態による電動工具の内部構造を示す断面図である。
図1において、回転打撃工具1は、その内部にモータ9を有する略円筒型の細長いハウジング5を有する。ハウジング5の後端側にモータ9に電気を供給する着脱可能の蓄電池2が取り付けられる。尚、本明細書においては、図1の矢印で示す方向を前後、上下と定義して説明する(以下、同じ)。蓄電池2は、例えばニッカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの任意の二次電池を用いることができる。しかし、蓄電池2はハウジング5に内蔵しても良いし、或いは、蓄電池2の代わりに商用電源(AC電源)を供給するコードと置き換えても良い。
充電池1からモータ9への電気の供給は、スイッチ7によってON又はOFFが制御される。スイッチ7の下側には、トリッガ28が設けられ、本実施形態においてトリッガ28は、ハウジング5の下側にその一端が取り付けられたレバー3と接触し、レバー3を上下方向に揺動させることによってトリッガ28が移動する。レバー3の後端側は、揺動軸31によってハウジング5に固定され、バネ27によってスイッチ7がOFFになる位置にレバー3が付勢される。レバー3の中央部付近には、曲線部3bが形成されるが、これは、必要以上の力でレバー3を握った際に、トリッガ28を含むスイッチ機構を壊さないように、ある程度のバネ性を持たせるためである。また、レバー3の先端側の半分には、滑りを防止し、触感を良くする等の目的により、ゴム製のカバー3aが設けられる。蓄電池2とレバー3の間には、モータの回転制御や、先端工具付近を照射するLED(図示せず)の点灯制御や、蓄電池2の残量管理を行う制御回路を搭載する基板4が組み込まれる。
モータ9の出力軸は、ピニオン10に直結され、アイドルギヤ11とリングギヤ12による減速機構を介して、ハンマ13を回転させる。ハンマ13を含む打撃機構の動作原理は、図7で示した従来技術と同じであるので説明は省略する。ハンマ13によって、アンビル8が打撃されセカンドピニオン14が回転する。セカンドピニオン14は、2つのベアリング15a、15bによりハンマケース6に回転可能に保持され、その先端には第1の傘歯車14bが設けられる。本実施形態では、第1の傘歯車14bは、セカンドピニオン14と一体構成にて製造された例を示すが、別体部品で製造するようにしても良い。
第1の傘歯車14bは、シャフト17に取り付けられた第2の傘歯車18と噛合し、これらの機構によって、モータ9の回転力が90度向きをかえてシャフト17の回転力として伝達される。第1の傘歯車14bと第2の傘歯車18は、歯スジの真っ直ぐな直歯傘歯車でも良いし、歯スジのねじれた曲線のものである曲歯傘歯車であっても良い。このように、本実施例の回転打撃工具は、傘歯車手段を用いることにより、駆動源としてのモータ9の出力軸と、先端工具を回転させるシャフト17が直交するように配置される。
シャフト17の他端(先端)には、六角穴17eが形成され、この六角穴17eに装着されるドライバビット(図示せず)が、ネジ頭部に設けられた十字穴などの嵌合部(以後、十字穴)との嵌合を保ちながら回転力をネジに伝達することにより、ネジを締めることができる。ドライバビットとネジ頭部の十字穴との嵌合を維持するために、作業者は所定の押付け荷重(F)で回転打撃工具1を下方向に押し付けながら作業をする。
次に、図2を用いて電動工具のハウジング5の外観形状を説明する。図2において、ハウジング5は、モータ9の回転軸を通り上下に延びる平面で左右に分割され、左側ハウジングと右側ハウジングは、8本のネジ30によって固定される。ハウジング5の前方側端部には、ハンマケース6が固定される。レバー3の揺動軸31側の約半分の領域34は、ハウジング5によって覆われ、作業者によって把持される部分のみがハウジング5から外部に突出する。トリッガ28はハウジング5の領域34付近の内部空間を塞ぐ構造となっており、内部空間に塵や砂が入り込むことを防止する。
図3は、ハンマケース6にセカンドピニオン14を組み込んだ後に、シャフト組立体16を組み込む状態を示す断面図である。ハンマケース6は、アルミ等の軽金属のダイカストにて製造する。ダイカスト品を採用することにより、強度アップを図ることができ、センターハイトの肉厚を小さくでき、堅牢感を持たせることができる。しかしながら、ハンマケース6は一体型であるため、従来の左右分割式のハウジングに組み込むのと同じ方法にてシャフト組立体16を組み込むことができない。そこで、本実施形態では、まず、ハンマケース6の後方側(モータ側)の開口部6aからベアリング15a、15bとセカンドピニオン14の組立体を嵌挿し、ベアリング15bの前端面をハンマケース6の段差部6cに突き当たる所に位置づける。そして、ベアリング15aの後端面外周側を止め環19にて固定する。ハンマケース6の内周には、止め環19を固定するための円周方向に連続する溝6bが形成される。このようにして、セカンドピニオン14をハンマケース6に組み込む。
次に、ハンマケース6のもう一方の開口部(先端工具側開口部)6gからシャフト組立体16を取り付ける。シャフト組立体16の組み立て方法については、後述する。シャフト組立体16を組込む前に、ハンマケース6の内側の穴部6dにメタル22を取り付ける。メタル22は、いわゆるメタルベアリングと呼ばれるもので、シャフト17を回転可能に保持する。次に、シャフト組立体16を矢印の方向に、ハンマケース6に挿入する。
シャフト組立体16をハンマケース6に組み込む場合に注意しなければならないのは、挿入の際に、傘歯車14b、18の双方の歯を目視できず、歯車の噛み合いを確認しながら作業ができないことである。特に、本実施形態では、傘歯車14b、18付近は、グリスを充填するが、ベアリング23の外周部の隙間からグリスが漏れたりしないように、焼きばめによってハンマケース6に強固に固定される。そのため、歯車のかみ合わせを確認しないまま不用意に焼きばめのための圧入をすると、傘歯車14b、18の双方の歯の山部どうしが当たってしまい、スムーズに圧入できないことがある。また、最悪な場合は傘歯車14b、18の歯を破損してしまうことがある。
そこで本実施態様では、ハウジングケース6の内部形状を改良し、最初にすきまばめによってベアリング23を仮固定できるように第1の内径部32を形成し、第1の内径部32の上部(奥側)に本固定のための第2の内径部33を形成した。このハウジングケース9の先端付近の形状を示すのが図4である。図4では説明の便宜上、第1の内径部32と第2の内径部33の段差状態がわかるように誇張して描いているが、実際の目視ではその段差状態はほとんどわからないものである。
本実施形態においては、第1の内径部32の半径d1は、第2の内径部33の半径d2よりも僅かながら大きく構成する。例えば、ベアリング23の半径が10mmの場合、d1は10.003mm、d2は9.8mmとする。第1の内径部32の径は、ベアリング23をすきまばめで挿入できる程度の大きさであり、第2の内径部33の径は、ベアリング23を焼きばめによる圧入をしなければ嵌挿できない程度の大きさである。また、第1の内径部の軸方向の長さbは、ベアリング23の上下方向の長さ(厚さ)とほぼ等しいか、若干長いようにすれば良い。第1の内径部の中央よりやや下方には、円周方向に連続した円周溝6fが形成され、この溝部6fにはベアリング23の脱落を防止するための後述する止め環が装着される。円周溝6fの幅cは止め環を保持した際にガタが生じない程度の大きさでよいが、第1の内径部32のb1の部分の長さは、第2の内径部33の長さaとの合計(a+b1)が、ベアリング23の上下方向の長さ(厚さ)とほぼ等しいようにする。さらに、第2の内径部33の長さaは、2mm以上の長さとした。
次に、シャフト17をハンマケース6に組み立てる手順を図5〜6を用いて説明する。図5は、シャフト組立体16のベアリング23が、第1の内径部32の長さbの部分にすきまばめによって挿入された状態を示す図である。挿入に先立ち、シャフト組立体16を組み立てておく。シャフト組立体16は、主に、シャフト17と、シャフト17を回転可能に保持するボールタイプのベアリング23と、第2の傘歯車18によって構成される。ベアリング23はシャフト17の径の細くなった上側(細径部17a側)から下方向に挿入され、大径部と中径部の間の段差17dに突き当たるまで圧入される。第2の傘歯車18は、本実施形態ではシャフト17と別体部品にて構成され、シャフト17の径の細くなった上側(細径部17a側)から下方向に移動され、中径部と小径部の間の段差17cに突き当たるまで圧入され、その上部を止め環41によって固定される。シャフト17の中径部には、止め環41を装着するための円周方向に連続した溝17bが形成される。
シャフト17の下方には、先端工具の保持手段が取り付けられる。シャフト17の六角穴17eの軸方向中央部付近には、円周方向に2箇所の貫通穴17fが形成され、貫通穴17にボール37がセットされ、それを覆うようにスリーブ36が、シャフト17の下方から挿入される。スリーブの下方側の内壁とシャフト17の間には一定の間隔の隙間があり、この隙間にスプリング38が挿入される。スプリング38の上端はスリーブ36の内周壁に形成された凸部に当接し、下端はワッシャ39を介して、シャフト17の円周方向に連続する溝17gに装着される止め環40により固定される。尚、本実施形態では、先端工具の保持手段を組み立てた後にシャフト組立体16をハンマケース6に取り付けるようにしたが、組み立て手順はこれに限られず、シャフト組立体16をハンマケース6に取り付けたあとに、先端工具の保持手段を組み立てるようにしても良い。
本実施形態のハンマケース6の形状によると、シャフト組立体16を図5の状態になるまですきまばめにより挿入すると、傘歯車14b、18の双方の歯の山部がわずかながら噛み合うように構成される。従って、このすきまばめの際に、シャフト17を回転させながら傘歯車14b、18の噛み合わせを調整しながらシャフト組立体16を挿入する。この第1の内径部32の径は、ベアリング23の径よりもやや大きく、すきまばめであるので、比較的容易に挿入することができる。そして、ベアリング23の下端がハンマケース6の開口部6gに一致するまでハンマケース6の第1の内径部32に押し込む。この押し込んだ状態においては、ベアリング23の上端は、第1の内径部32と第2の内径部33の段差部に当接する。
次に、図5の状態からさらに、シャフト組立体16を図6の状態まで挿入する。この状態ではベアリング23の上端部が、第2の内径部33の上端部、即ち段差6eに到達するまで押し込まれるが、第2の内径部33の半径は、ベアリング23の半径よりも小さいので、そのまま押し込んでも中にはいらない。そこで、ハンマケース9を加熱して膨張させて挿入する、いわゆる焼きばめによって、ベアリング23を押し込むようにする。この押し込む際には、強い力で押し込む必要があるが、傘歯車14b、18の噛み合わせの調整は終わっており、強く押し込んでも傘歯車14b、18が破壊される心配はない。最後に、止め環35を円周溝6fに装着することによりベアリング23の移動を制限する。
以上説明したように、本実施形態においては、シャフト組立体のハンマケースへの組み込みにおいて、すきまばめと焼きばめによる固定を併用したので、第1の傘歯車と第2の傘歯車の組み立ての際に、ギヤの歯を傷付けないで組み立てることが可能となった。また、ハンマケースは、ネジ締めやボルト締め付け作業を連続して行うと最大で100℃程度まで温度が上昇することがあり、この時、ハンマケース6は熱により第1又は第2内径部の寸法が広がることでハンマケース6とベアリング23の隙間が大きくなり、この部分を単純にすきまばめによる挿入であるとグリス漏れが生じてしまう恐れがあったが、本実施形態では焼きばめを併用してベアリング23を強固に固定するようにしたので、製品を長時間使用してハンマケース6が高温になった場合においても、ハンマケース6とベアリング23の隙間からのグリス漏れを防止することができる。
尚、ベアリング23をハンマケース6から取り外す際には、止め環35を外し、ハンマケース6を加熱した後にプラスチックハンマ等でハンマケース6を叩くと、ベアリング23の下端がハンマケース6の開口部6gの端面まで浮いてくる(図5と同じ状態)。この、ベアリング23がハンマケース6の開口部6gと面一になった時点で、焼きばめ状態から単なる挿入状態になるため、容易にベアリング23を取り外すことが可能となり、組立性だけでなく脱着時の作業性を向上ができる。
以上、本発明を示す実施形態に基づき説明したが、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、電動工具としてアングル形式の回転打撃工具を用いて説明をしたが、これに限定されるものではなく、打撃機構を有しない回転工具で有っても同様に適用できる。また、動力源としても電気モータに限られず、エアモータや内燃機関を用いる工具において同様に適用できる。
本発明の実施形態の電動工具の内部構造を示す断面図である。 本発明の実施形態の電動工具のハウジング5及びハンマケース6の外観を示す図である。 ハンマケース6にセカンドピニオン14を組み込んだ後に、シャフト組立体16を組み込む状態を示す断面図である ハンマケース6の先端付近の形状を示す断面図である。 シャフト組立体16のベアリング23が、第1の内径部32の長さbの部分にすきまばめによって挿入された状態を示す断面図である。 シャフト組立体16のベアリング23が、第2の内径部33の長さaの部分にまで焼きばめによって挿入された状態を示す図である。 従来例のアングル形状の回転打撃工具の断面図である。
符号の説明
1 回転打撃工具 2 蓄電池 3 レバー
3a カバー 3b (レバーの)曲線部 4 基板
5 ハウジング 6 ハンマケース
6a (ハンマケースの)開口部 6b (ハンマケースの)溝
6c、6e (ハンマケースの)段差 6d (ハンマケースの)穴部
6f (ハンマケースの)円周溝 6g (ハンマケースの)開口部
7 スイッチ 8 アンビル 9 モータ 10 ピニオン
11 アイドルギヤ
12 リングギヤ 13 ハンマ 14 セカンドピニオン
14b 第1の傘歯車 15a、15b ベアリング 16 シャフト組立体
17 シャフト 17a (シャフトの)細径部
17b、17g (シャフトの)溝
17c、17d (シャフトの)段差
17e (シャフトの)六角穴 17f (シャフトの)貫通穴
18 第2の傘歯車 19 止め環 22 メタル
23 ベアリング 24 スライドボタン 27 バネ
28 トリッガ 29 正逆スイッチ 30 ネジ 31 揺動軸
32 第1の内径部 33 第2の内径部 34 領域
35 止め環 36 スリーブ 37 ボール 38 スプリング
39 ワッシャ 40、41 止め環
101 回転打撃工具 102 蓄電池
105 ハウジング 109 モータ 113 ハンマ
114 セカンドピニオン 117 アンビル
118 ファイナルギヤ 119 スピンドル
123 プッシュスイッチ

Claims (8)

  1. モータと、該モータによって駆動される第1の傘歯車と、前記第1の傘歯車と噛合する第2の傘歯車と、該第2の傘歯車によって回転され先端工具を保持するシャフトと、前記モータを収容するハウジングと、該ハウジングの先端側に取り付けられ、前記第1と第2の傘歯車、及び、前記シャフトを収容するアングル状のケースを有する電動工具において、
    前記ケースは、モータ側開口部と先端工具側開口部を有する金属製の一体構造であり、
    前記先端工具側開口部には、前記シャフトを回転可能に保持するベアリングの外径よりも僅かに大きい径を有する第1の内径部と、該第1の内径部に隣接して前記ベアリングの外径よりも僅かに小さい径を有する第2の内径部を設け、
    前記モータ側開口部から前記第1の傘歯車を挿入して回転可能に前記ケースに取り付け、
    前記先端工具側開口部から、前記シャフトと前記傘歯車とベアリングの組立体を挿入し、前記組立体の前記ベアリングを前記第1の内径部を介して前記第2の内径部に嵌挿させることによって前記シャフトと前記第2の傘歯車を前記ケースに取り付けることを特徴とする電動工具。
  2. 前記ベアリングは、前記第1の内径部にすきまばめによって嵌挿され、前記第2の内径部に焼きばめによって嵌挿されることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記第1の内径部は、前記先端工具側開口部に隣接し、前記開口部から前記ベアリングの軸方向長さと同じまたはそれ以上を有することを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
  4. 前記ベアリングが前記第1の内径部に嵌挿された際に、前記第1及び第2の傘歯車が部分的に噛合するように前記ケースの形状が決定されることを特徴とする請求項3に記載の電動工具。
  5. 前記ベアリングが前記第2の内径部に嵌挿された際に、前記第1及び第2の傘歯車が完全に噛合するように前記ケースの形状が決定されることを特徴とする請求項4に記載の電動工具。
  6. 前記第2の内径部の軸方向長さは前記ベアリングの軸方向長さよりも短いことを特徴とする請求項5に記載の電動工具。
  7. 前記第1の内径部に円環状の溝を形成し、該溝に止め環を挿入することにより、前記第2の内径部に挿入された前記ベアリングの先端工具側端部を保持することを特徴する請求項6に記載の電動工具。
  8. 前記シャフトの略中央部は前記ベアリングにより回転可能に保持され、前記シャフトの前記先端工具側と反対の端部は、メタルにより前記ケースに回転可能に保持されることを特徴とする請求項7に記載の電動工具。
JP2008244334A 2008-09-24 2008-09-24 電動工具 Active JP5190789B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008244334A JP5190789B2 (ja) 2008-09-24 2008-09-24 電動工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008244334A JP5190789B2 (ja) 2008-09-24 2008-09-24 電動工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010076010A JP2010076010A (ja) 2010-04-08
JP5190789B2 true JP5190789B2 (ja) 2013-04-24

Family

ID=42207051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008244334A Active JP5190789B2 (ja) 2008-09-24 2008-09-24 電動工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5190789B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6015656Y2 (ja) * 1980-12-27 1985-05-16 日本捻廻株式会社 工具
US5464365A (en) * 1991-09-21 1995-11-07 Robert Bosch Gmbh Motor-driven hand-held machine tool

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010076010A (ja) 2010-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4754395B2 (ja) ねじ締め機
JP4643298B2 (ja) 打撃工具
JP2009226568A (ja) 打撃工具
JP5448884B2 (ja) 打撃工具
US8474118B2 (en) Insertion tool for tangless spiral coil insert
JP2003145439A (ja) 打撃工具
JP6832509B2 (ja) 回転打撃工具
US20120006573A1 (en) Oil pulse rotary tool
JP5190789B2 (ja) 電動工具
JP3716751B2 (ja) 電動工具
JP5284856B2 (ja) 打撃工具
JP6416664B2 (ja) 回転打撃工具
JP2009172732A (ja) インパクト回転工具
JP2009285814A (ja) 電動工具
JP2004174656A (ja) インパクト工具
JP2006247792A (ja) ねじ締め工具
WO2020162268A1 (ja) ネジ締め工具
JP5307609B2 (ja) 打撃工具
JP2010000565A (ja) ねじ締め機
JP4122300B2 (ja) 打撃工具
JP2001191255A (ja) 回転打撃工具
JP2019000982A (ja) 動力工具
JP2019155548A (ja) インパクト工具
JP3129974U (ja) 多機能インパクト電動工具
JP7462273B2 (ja) インパクト回転工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5190789

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160208

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350