WO2020162268A1 - ネジ締め工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】先端工具保持部が所定の出力トルクを具備可能であるクラッチを備えたネジ締め工具を提供する。 【解決手段】ネジ締め工具であるスクリュードライバ1は、モータ10と、モータ10の回転力の伝達状態を切替可能なクラッチ機構13と、クラッチ機構13により駆動される遊星歯車機構15と、遊星歯車機構15により駆動されるスピンドル17と、を備えている。遊星歯車機構15は、各プラネタリギヤ74に噛み合うサンギヤ70及びインターナルギヤ72、並びに各プラネタリギヤ74を保持するキャリア76を有する。
Description
本発明は、ビット(先端工具)を保持するスピンドルがモータにより回転されるネジ締め工具に関する。
特開2018-187766号公報(特許文献1)に開示されたスクリュードライバ1では、ブラシレスモータ25の回転軸30の回転が、ギヤ48により減速されて、クラッチを構成するカム49に伝達され、カム49が対向するカム部53に噛み合うと、ドライバビット52を装着する第2スピンドル46(先端工具保持部)が回転する。
上述のスクリュードライバ1では、クラッチの出力トルクと先端工具保持部の出力トルクとは、摩擦を考慮しない理想状態では同一である。
本発明の主な目的は、先端工具保持部が所定の出力トルクを具備可能であるクラッチを備えたネジ締め工具を提供することである。
本発明の主な目的は、先端工具保持部が所定の出力トルクを具備可能であるクラッチを備えたネジ締め工具を提供することである。
請求項1に記載の発明は、モータと、前記モータの回転力の伝達状態を切替可能なクラッチ機構と、前記クラッチ機構により駆動される減速機構と、前記減速機構により駆動される先端工具保持部と、を備えていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記発明において、前記減速機構は、プラネタリギヤに噛み合うサンギヤ及びインターナルギヤ、並びに前記プラネタリギヤを保持するキャリアを有する遊星歯車機構であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記発明において、前記クラッチ機構は、所定方向の回転において前記先端工具保持部に回転力を伝達するためのワンウェイ伝達部を有することを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記発明において、前記ワンウェイ伝達部は、前記所定方向において外輪に対する内輪の回転をロックし、前記所定方向と逆の回転方向において前記外輪に対する前記内輪の回転を許容するワンウェイニードルベアリングであることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、上記発明において、前記減速機構は、溝内を移動可能であるボールを介して、前記クラッチ機構と連結されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、上記発明において、前記クラッチ機構は、1つの面同士の接触により回転力を伝達する単板クラッチであることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、上記発明において、前記クラッチ機構は、前記モータにより駆動される駆動側部材と、前記駆動側部材と接触することによって回転駆動される従動側部材と、を備えていることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、上記発明において、前記従動側部材は、円錐状の円錐部を介して前記駆動側部材に接触することを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、上記発明において、前記先端工具保持部と前記従動側部材との間に介装されるシャフトが設けられており、前記先端工具保持部は、前記シャフトを介して、前記従動側部材を、前記駆動側部材に接触するように押すことを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、上記発明において、前記従動側部材を前記駆動側部材から離れる方向に付勢する弾性体が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記発明において、前記減速機構は、プラネタリギヤに噛み合うサンギヤ及びインターナルギヤ、並びに前記プラネタリギヤを保持するキャリアを有する遊星歯車機構であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記発明において、前記クラッチ機構は、所定方向の回転において前記先端工具保持部に回転力を伝達するためのワンウェイ伝達部を有することを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記発明において、前記ワンウェイ伝達部は、前記所定方向において外輪に対する内輪の回転をロックし、前記所定方向と逆の回転方向において前記外輪に対する前記内輪の回転を許容するワンウェイニードルベアリングであることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、上記発明において、前記減速機構は、溝内を移動可能であるボールを介して、前記クラッチ機構と連結されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、上記発明において、前記クラッチ機構は、1つの面同士の接触により回転力を伝達する単板クラッチであることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、上記発明において、前記クラッチ機構は、前記モータにより駆動される駆動側部材と、前記駆動側部材と接触することによって回転駆動される従動側部材と、を備えていることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、上記発明において、前記従動側部材は、円錐状の円錐部を介して前記駆動側部材に接触することを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、上記発明において、前記先端工具保持部と前記従動側部材との間に介装されるシャフトが設けられており、前記先端工具保持部は、前記シャフトを介して、前記従動側部材を、前記駆動側部材に接触するように押すことを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、上記発明において、前記従動側部材を前記駆動側部材から離れる方向に付勢する弾性体が設けられていることを特徴とするものである。
本発明の主な効果は、先端工具保持部が所定の出力トルクを具備可能であるクラッチを備えたネジ締め工具が提供されることである。
以下、本発明の実施の形態、及びその変更例が、適宜図面に基づいて説明される。
当該形態における前後上下左右は、説明の便宜上定められたものであり、作業の状況及び部材の移動の少なくとも何れか等により変化することがある。
当該形態における前後上下左右は、説明の便宜上定められたものであり、作業の状況及び部材の移動の少なくとも何れか等により変化することがある。
図1は、本発明に係るネジ締め工具の一例であるスクリュードライバ1に係る右側面図である。図2は、スクリュードライバ1の中央縦断面図である。尚、図1における右がスクリュードライバ1の前となり、同図における上がスクリュードライバ1の上となる。
スクリュードライバ1は、各種部材を直接的あるいは間接的に保持する保持体としてのハウジング2を有している。尚、各種のハウジング及びケースにおける各種の部材の保持は、部材がハウジング等の内部に完全に入る場合の他、部材の一部がハウジング等に入っており、残りの一部がハウジング等から突出あるいは露出している場合も適宜含んでいるものとする。
スクリュードライバ1は、中心軸を前後方向とする円柱状の本体部4と、本体部4の後部から後方及び下方へ突出するように形成されたハンドル部5を有する。
ハンドル部5は、本体部4の後上部から後方に延びる部分と、本体部4の後下部から後下方に延びる部分と、これらの部分の後端部同士に渡されて上下方向に延びる部分であるグリップ部6と、を備えており、本体部4の後部と合わせてループ状となっている。
グリップ部6は、作業者が把持する部分である。
スクリュードライバ1は、各種部材を直接的あるいは間接的に保持する保持体としてのハウジング2を有している。尚、各種のハウジング及びケースにおける各種の部材の保持は、部材がハウジング等の内部に完全に入る場合の他、部材の一部がハウジング等に入っており、残りの一部がハウジング等から突出あるいは露出している場合も適宜含んでいるものとする。
スクリュードライバ1は、中心軸を前後方向とする円柱状の本体部4と、本体部4の後部から後方及び下方へ突出するように形成されたハンドル部5を有する。
ハンドル部5は、本体部4の後上部から後方に延びる部分と、本体部4の後下部から後下方に延びる部分と、これらの部分の後端部同士に渡されて上下方向に延びる部分であるグリップ部6と、を備えており、本体部4の後部と合わせてループ状となっている。
グリップ部6は、作業者が把持する部分である。
スクリュードライバ1の本体部4内には、後側から順に、モータ10、及びファン11が同軸に保持されており、更に、その軸より前上方の軸で後側から順に、クラッチ機構13、シャフト14、減速機構としての遊星歯車機構15、及び先端工具保持部としての前穴付き円柱状のスピンドル17が、同軸に保持されている。尚、スピンドル17にシャフト14が含められても良い。
モータ10は、スクリュードライバ1の駆動源であり、その回転は、クラッチ機構13に伝達される。そして、クラッチ機構13に伝達された回転力(トルク)は、クラッチ機構13が切れていなければ、遊星歯車機構15を介してスピンドル17に伝えられる。スピンドル17は、軸周りに回転可能な円筒状の部材であり、ビット(先端工具)Bを受け入れる。ビットBとして、図示されたようにドライバを用いることができ、スクリュードライバ1は、ネジ締めに用いることができる。
モータ10は、スクリュードライバ1の駆動源であり、その回転は、クラッチ機構13に伝達される。そして、クラッチ機構13に伝達された回転力(トルク)は、クラッチ機構13が切れていなければ、遊星歯車機構15を介してスピンドル17に伝えられる。スピンドル17は、軸周りに回転可能な円筒状の部材であり、ビット(先端工具)Bを受け入れる。ビットBとして、図示されたようにドライバを用いることができ、スクリュードライバ1は、ネジ締めに用いることができる。
ハウジング2は、モータ10を保持する筒状のモータハウジング20と、その前側に順につながるそれぞれ筒状のギヤハウジング21及び先端ハウジング22と、モータハウジング20の後側につながりハンドル部5の外郭となるハンドルハウジング23と、を有している。
ギヤハウジング21及び先端ハウジング22は、モータハウジング20の前開口部に入れられる複数(3個)の前後に延びるネジ22Sにより、モータハウジング20に対して固定されている。
ハンドルハウジング23は、半割状の左ハンドルハウジング23L及び右ハンドルハウジング23Rを有しており、左ハンドルハウジング23Lは、モータハウジング20と一体形成されている。右ハンドルハウジング23Rは、左ハンドルハウジング23Lに対し、複数のネジ24により組み合わせられている。
尚、ハウジング2の区分の数、並びに区分毎の大きさ及び形状の少なくとも何れかは、様々に変更可能であり、例えば、左ハンドルハウジング23Lは、モータハウジング20と別体であっても良い。
ギヤハウジング21及び先端ハウジング22は、モータハウジング20の前開口部に入れられる複数(3個)の前後に延びるネジ22Sにより、モータハウジング20に対して固定されている。
ハンドルハウジング23は、半割状の左ハンドルハウジング23L及び右ハンドルハウジング23Rを有しており、左ハンドルハウジング23Lは、モータハウジング20と一体形成されている。右ハンドルハウジング23Rは、左ハンドルハウジング23Lに対し、複数のネジ24により組み合わせられている。
尚、ハウジング2の区分の数、並びに区分毎の大きさ及び形状の少なくとも何れかは、様々に変更可能であり、例えば、左ハンドルハウジング23Lは、モータハウジング20と別体であっても良い。
ハンドルハウジング23の後上部であって、グリップ部6の上端部には、メインスイッチ25が配置されている。メインスイッチ25は、作業者により指先で引く操作が可能であるトリガ25aと、トリガ25aの操作によりオンオフが切り替わるメインスイッチ本体部25bを有している。トリガ25aは、メインスイッチ本体部25bから前方へ突出しており、ハンドルハウジング23(グリップ部6の上前部)からループ内へ露出している。メインスイッチ本体部25bは、ハンドルハウジング23に保持されている。トリガ25aは、メインスイッチ本体部25bを介してモータ10のオンオフを切替えるものであり、モータ10のオンオフを操作するスイッチ操作部である。
ハンドルハウジング23の後下部であって、グリップ部6の下方には、商用電源が供給される電源コード26が引き込まれている。又、その前側において、ライト30のコントローラ28が、ハンドルハウジング23に保持されている。更に、その前方において、LEDを含むライト30が、ハンドルハウジング23に保持されている。ライト30は、スピンドル17の前方を照射可能である。又更に、その上方において、モータ10の回転方向を切り替えるレバー32a付きの正逆切替スイッチ32が、レバー32aをループ内に露出させた状態でハンドルハウジング23に保持されている。
モータ10、メインスイッチ本体部25b、電源コード26、ライト30、及び正逆切替スイッチ32は、それぞれ、図示されないリード線によってコントローラ28に電気的に接続されている。
右ハンドルハウジング23Rの下部右側には、フック33が設けられている。
ハンドルハウジング23の後下部であって、グリップ部6の下方には、商用電源が供給される電源コード26が引き込まれている。又、その前側において、ライト30のコントローラ28が、ハンドルハウジング23に保持されている。更に、その前方において、LEDを含むライト30が、ハンドルハウジング23に保持されている。ライト30は、スピンドル17の前方を照射可能である。又更に、その上方において、モータ10の回転方向を切り替えるレバー32a付きの正逆切替スイッチ32が、レバー32aをループ内に露出させた状態でハンドルハウジング23に保持されている。
モータ10、メインスイッチ本体部25b、電源コード26、ライト30、及び正逆切替スイッチ32は、それぞれ、図示されないリード線によってコントローラ28に電気的に接続されている。
右ハンドルハウジング23Rの下部右側には、フック33が設けられている。
他方、モータハウジング20の後端部の左右両側には、前後に延びており上下に並ぶ複数の吸気口34が設けられており、各吸気口34の前方であって、ギヤハウジング21の左右両側には、前後に延びており上下に並ぶ複数の排気口35が設けられている。
モータハウジング20に保持されるモータ10は、ブラシ付きのACモータであり、モータハウジング20内において内方に立てられたリブ内に配置される円筒状のステータ41と、ステータ41の内側に配置されるロータ42を備えている(インナーロータ)。
ロータ42の中心には、前後方向に延びるモータ軸43が配置されている。モータ軸43は、モータハウジング20の後端部内に保持されるモータ後軸受44と、ギヤハウジング21に保持されるモータ前軸受45とにより、軸周りで回転可能に支持されている。
モータ前軸受45の前側であって、モータ軸43の先端部には、ピニオンギヤ46が、モータ軸43と一体に固定されている。
ロータ42の中心には、前後方向に延びるモータ軸43が配置されている。モータ軸43は、モータハウジング20の後端部内に保持されるモータ後軸受44と、ギヤハウジング21に保持されるモータ前軸受45とにより、軸周りで回転可能に支持されている。
モータ前軸受45の前側であって、モータ軸43の先端部には、ピニオンギヤ46が、モータ軸43と一体に固定されている。
モータ軸43の前部周辺であって、モータ前軸受45の後側には、ファン11が配置されている。ファン11は、複数枚の羽根を有する遠心ファンであり、モータ軸43に一体に固定されている。
ファン11の外方には、各排気口35が位置している。
尚、ファン11あるいはその一部は、モータ10の構成要素とすることも可能である。
ファン11の外方には、各排気口35が位置している。
尚、ファン11あるいはその一部は、モータ10の構成要素とすることも可能である。
図3は、図2の前部拡大図である。図4は、図2のA-A線断面図である。図5は、図2のB-B線断面図である。図6は、図2のC-C線断面図である。図7は、クラッチ機構13、遊星歯車機構15及びスピンドル17の分解斜視図である。
クラッチ機構13は、ピニオンギヤ46と噛み合う筒状のクラッチギヤ50と、その前方に配置される筒状の前クラッチ52と、を有する。
クラッチ機構13は、ピニオンギヤ46と噛み合う筒状のクラッチギヤ50と、その前方に配置される筒状の前クラッチ52と、を有する。
駆動側部材としてのクラッチギヤ50は、円筒状であるベース部50aと、ベース部50aの前端部の径方向外側に固定された第1クラッチ部50bと、を有する。
ベース部50aにおける他の部分より大径となっている中央部外面には、ピニオンギヤ46と噛み合うギヤ部50Gが形成されており、ギヤ部50Gより小径のベース部50a後端部における径方向外側には、ギヤハウジング21に保持されるボールベアリング54の内輪が固定されている。ボールベアリング54の外輪の後側(ギヤハウジング21側)には、ワッシャ55(図3参照)が配置されている。
ベース部50aの内孔の前端部には、シャフト14の後部を回転可能に保持するボールベアリング56が設けられている。ベース部50aの内孔の後部には、外輪がボールベアリング56の外輪より小径であるワンウェイニードルベアリング58が設けられている。ワンウェイ伝達部としてのワンウェイニードルベアリング58は、所定方向(正転時)で外輪に対する内輪の回転をロックし、その逆の回転方向で当該回転を許容する。ワンウェイニードルベアリング58の内輪には、シャフト14の後部が通されている。又、図3等に示されるように、ギヤハウジング21には、ボールベアリング54より小径であるボールベアリング60が保持されている。ボールベアリング54の外輪の前側には、ワッシャ55の後側でワッシャ55に接触するワッシャ62が配置されている。シャフト14は、ボールベアリング56,60及びワンウェイニードルベアリング58に対して、前後方向に相対的に移動可能である。
第1クラッチ部50bは、断面が“[”字状であるリング状であり、前部開口部には、前広がりの円錐面状である第1クラッチ面50Tが形成されている(円錐クラッチ,円錐部)。
ベース部50aにおける他の部分より大径となっている中央部外面には、ピニオンギヤ46と噛み合うギヤ部50Gが形成されており、ギヤ部50Gより小径のベース部50a後端部における径方向外側には、ギヤハウジング21に保持されるボールベアリング54の内輪が固定されている。ボールベアリング54の外輪の後側(ギヤハウジング21側)には、ワッシャ55(図3参照)が配置されている。
ベース部50aの内孔の前端部には、シャフト14の後部を回転可能に保持するボールベアリング56が設けられている。ベース部50aの内孔の後部には、外輪がボールベアリング56の外輪より小径であるワンウェイニードルベアリング58が設けられている。ワンウェイ伝達部としてのワンウェイニードルベアリング58は、所定方向(正転時)で外輪に対する内輪の回転をロックし、その逆の回転方向で当該回転を許容する。ワンウェイニードルベアリング58の内輪には、シャフト14の後部が通されている。又、図3等に示されるように、ギヤハウジング21には、ボールベアリング54より小径であるボールベアリング60が保持されている。ボールベアリング54の外輪の前側には、ワッシャ55の後側でワッシャ55に接触するワッシャ62が配置されている。シャフト14は、ボールベアリング56,60及びワンウェイニードルベアリング58に対して、前後方向に相対的に移動可能である。
第1クラッチ部50bは、断面が“[”字状であるリング状であり、前部開口部には、前広がりの円錐面状である第1クラッチ面50Tが形成されている(円錐クラッチ,円錐部)。
従動側部材としての前クラッチ52は、第1クラッチ部50bに向かい合う後部である第2クラッチ部52aと、第2クラッチ部52aより小径の前部である連結部52bと、を有する。
第2クラッチ部52aの外面は、前広がりの円錐面状である第2クラッチ面52Tが形成されている(円錐クラッチ,円錐部)。第2クラッチ面52Tは、第1クラッチ面50Tと向かい合っている。
連結部52bの前端部外面には、複数(3個)のボール64をそれぞれ保持するボール保持部が、周方向に等間隔に形成されている。又、連結部52bの前部の径方向内方における前クラッチ52の内孔の前端部は、多角柱状(六角柱状,回転伝達可能形状)に形成された角穴部52Hとなっている。角穴部52Hには、シャフト14の中央部において他の部分より径方向外方に突出する多角柱状(六角柱状,回転伝達可能形状)の角柱部14Hが入っている。角穴部52Hの後側には、前クラッチ52の内孔の内面における他の部分より径方向内方に突出する小径部52Sが設けられている。角柱部14Hの後面は、小径部52Sの前面に接触可能であり、角柱部14Hは、小径部52Sにより、小径部52Sより後方への移動を阻止される。
前クラッチ52とクラッチギヤ50との間には、ワッシャ66を介して、弾性体としてのコイルスプリング68が介装されている。即ち、ボールベアリング56の内輪の前側に、ワッシャ66が配置され、その前面に、コイルスプリング68の後端が接触している。コイルスプリング68の前端は、小径部52Sの後面に当たっている。ワッシャ66の中央孔及びコイルスプリング68の内部には、シャフト14の後部が通過している。
第2クラッチ部52aの外面は、前広がりの円錐面状である第2クラッチ面52Tが形成されている(円錐クラッチ,円錐部)。第2クラッチ面52Tは、第1クラッチ面50Tと向かい合っている。
連結部52bの前端部外面には、複数(3個)のボール64をそれぞれ保持するボール保持部が、周方向に等間隔に形成されている。又、連結部52bの前部の径方向内方における前クラッチ52の内孔の前端部は、多角柱状(六角柱状,回転伝達可能形状)に形成された角穴部52Hとなっている。角穴部52Hには、シャフト14の中央部において他の部分より径方向外方に突出する多角柱状(六角柱状,回転伝達可能形状)の角柱部14Hが入っている。角穴部52Hの後側には、前クラッチ52の内孔の内面における他の部分より径方向内方に突出する小径部52Sが設けられている。角柱部14Hの後面は、小径部52Sの前面に接触可能であり、角柱部14Hは、小径部52Sにより、小径部52Sより後方への移動を阻止される。
前クラッチ52とクラッチギヤ50との間には、ワッシャ66を介して、弾性体としてのコイルスプリング68が介装されている。即ち、ボールベアリング56の内輪の前側に、ワッシャ66が配置され、その前面に、コイルスプリング68の後端が接触している。コイルスプリング68の前端は、小径部52Sの後面に当たっている。ワッシャ66の中央孔及びコイルスプリング68の内部には、シャフト14の後部が通過している。
遊星歯車機構15は、各ボール64を介して連結部52bに連結される筒状のサンギヤ70と、サンギヤ70の径方向外方に配置され、円筒状で内面に内歯を有しており、先端ハウジング22に保持されているインターナルギヤ72と、インターナルギヤ72の内歯に噛み合う外歯を有する複数(3個)のプラネタリギヤ74と、各プラネタリギヤ74を回転可能に支持する1個のキャリア76と、サンギヤ70とキャリア76との間に介装されるワッシャ78と、を有する。
サンギヤ70は、連結部52b及び各ボール64を覆う円筒状の連結部70aと、連結部70aにおけるドーナツ状の前壁の中央部から前方に円筒状に突出するサンギヤ部70bと、を有する。
連結部70aの後部は、その前部より薄肉であり、連結部70aの後部外面は、その前部外面より小径であって、その後部外面と前部外面との境界部に、段部70Sが形成されている。段部70Sの前後方向における位置(前後位置)は、インターナルギヤ72の後面の前後位置と揃っている。又、図3に示されるように、段部70Sとインターナルギヤ72の後面とに接触するワッシャ80が設けられている。ワッシャ80は、サンギヤ70の後方への移動を阻止する。ワッシャ80の後側には、ワッシャ80を介してインターナルギヤ72を止めるサークリップ82が、先端ハウジング22の内面に対し固定されている。
連結部70aの後部開口部には、対応するボール64における径方向外側の部分が転動してボール64が前後に移動可能であるように受け入れられる前後方向の溝70G(図3参照)が、複数(3箇所)、周方向に等間隔に設けられている。溝70G、各ボール64、及びボール保持部を備えた前クラッチ52により、前クラッチ52がサンギヤ70に対して前後に移動した場合でも、トルクが前クラッチ52からサンギヤ70に伝達する。
他方、サンギヤ部70bの外曲面には、外歯が形成されている。
連結部70aの後部は、その前部より薄肉であり、連結部70aの後部外面は、その前部外面より小径であって、その後部外面と前部外面との境界部に、段部70Sが形成されている。段部70Sの前後方向における位置(前後位置)は、インターナルギヤ72の後面の前後位置と揃っている。又、図3に示されるように、段部70Sとインターナルギヤ72の後面とに接触するワッシャ80が設けられている。ワッシャ80は、サンギヤ70の後方への移動を阻止する。ワッシャ80の後側には、ワッシャ80を介してインターナルギヤ72を止めるサークリップ82が、先端ハウジング22の内面に対し固定されている。
連結部70aの後部開口部には、対応するボール64における径方向外側の部分が転動してボール64が前後に移動可能であるように受け入れられる前後方向の溝70G(図3参照)が、複数(3箇所)、周方向に等間隔に設けられている。溝70G、各ボール64、及びボール保持部を備えた前クラッチ52により、前クラッチ52がサンギヤ70に対して前後に移動した場合でも、トルクが前クラッチ52からサンギヤ70に伝達する。
他方、サンギヤ部70bの外曲面には、外歯が形成されている。
インターナルギヤ72の外面には、他の部分より径方向外方へ突出した突起72aが、複数(4箇所)、周方向に等間隔に設けられている。各突起72aは、回り止めのため、先端ハウジング22内面の窪み(図示略)に入れられる。
各プラネタリギヤ74は、サンギヤ部70bの外歯とも噛み合っている。
各プラネタリギヤ74は、サンギヤ部70bの外歯とも噛み合っている。
キャリア76は、円筒状であるキャリア本体76aと、各プラネタリギヤ74の軸であり後部がキャリア本体76aから後方に突出するようにキャリア本体76aに支持されるピン76bと、キャリア本体76aの前端部から前方に円筒状に突出する連結部76cと、を有する。
キャリア本体76aの内孔の後部開口部の後側であって、周方向に等間隔に配置されたピン76bの径方向内方に、ワッシャ78が配置されている。
連結部76cの内孔の前側開口部には、他の部分より径方向外方に凹んでボール84を保持するボール保持凹部76Hが、複数(3箇所)、周方向に等間隔に設けられている。図3に示されるように、各ボール84の前側にはワッシャ86が配置されており、ワッシャ86の後面は、各ボール84の前部に当たって、各ボール84の径方向外側の部分を、対応するボール保持凹部76H内に収める。
サンギヤ70の内孔、ワッシャ78の中央孔及びキャリア76の内孔には、シャフト14の前部が通過している。
キャリア本体76aの内孔の後部開口部の後側であって、周方向に等間隔に配置されたピン76bの径方向内方に、ワッシャ78が配置されている。
連結部76cの内孔の前側開口部には、他の部分より径方向外方に凹んでボール84を保持するボール保持凹部76Hが、複数(3箇所)、周方向に等間隔に設けられている。図3に示されるように、各ボール84の前側にはワッシャ86が配置されており、ワッシャ86の後面は、各ボール84の前部に当たって、各ボール84の径方向外側の部分を、対応するボール保持凹部76H内に収める。
サンギヤ70の内孔、ワッシャ78の中央孔及びキャリア76の内孔には、シャフト14の前部が通過している。
シャフト14の前側のスピンドル17は、前部に配置された、装着されたビットBに係止する複数(2個)のチャックボール17S付きの円筒状であるビット保持部17Fと、後端部外面に形成された、対応するボール84における径方向内側の部分を受け入れる複数(3箇所)の前後に延びる溝17Gと、後端部において後面から前方に凹むように形成された、ニードルベアリング88を介してシャフト14の前端部を受け入れる接続凹部17J(図3参照)と、を有する。
溝17G、各ボール84、及びボール保持凹部76Hを備えたキャリア76により、スピンドル17がキャリア76に対して前後に移動した場合でも、トルクがキャリア76からスピンドル17に伝達する。
接続凹部17Jの底部(前端部)には、金属製のボール90が入れられている。ボール90には、シャフト14の前端が当たり、ボール90は、シャフト14の当接によるスピンドル17の摩耗を防止している。
スピンドル17は、先端ハウジング22に保持されたスピンドル軸受92(ニードルベアリング)により、前後移動が許容された状態で、軸周りで回転可能に支持されている。スピンドル軸受92の後端は、ワッシャ94を介して、上述のワッシャ86に押さえられている。スピンドル軸受92の前側は、先端ハウジング22内面から内方に突出したリブの後面に当たっている。
先端ハウジング22の当該リブの前側には、リング状の弾性体(ゴム)であり潤滑剤としてのグリスをせき止めるオイルシール95が保持されている。オイルシール85の孔部は、スピンドル17に接触している。グリスは、先端ハウジング22内等に塗布されている。尚、グリスは、オイルであっても良い。又、グリス及びオイル以外の潤滑剤が用いられても良い。
溝17G、各ボール84、及びボール保持凹部76Hを備えたキャリア76により、スピンドル17がキャリア76に対して前後に移動した場合でも、トルクがキャリア76からスピンドル17に伝達する。
接続凹部17Jの底部(前端部)には、金属製のボール90が入れられている。ボール90には、シャフト14の前端が当たり、ボール90は、シャフト14の当接によるスピンドル17の摩耗を防止している。
スピンドル17は、先端ハウジング22に保持されたスピンドル軸受92(ニードルベアリング)により、前後移動が許容された状態で、軸周りで回転可能に支持されている。スピンドル軸受92の後端は、ワッシャ94を介して、上述のワッシャ86に押さえられている。スピンドル軸受92の前側は、先端ハウジング22内面から内方に突出したリブの後面に当たっている。
先端ハウジング22の当該リブの前側には、リング状の弾性体(ゴム)であり潤滑剤としてのグリスをせき止めるオイルシール95が保持されている。オイルシール85の孔部は、スピンドル17に接触している。グリスは、先端ハウジング22内等に塗布されている。尚、グリスは、オイルであっても良い。又、グリス及びオイル以外の潤滑剤が用いられても良い。
ビットBが後方に押されていない場合(図1~図7)、スピンドル17及びシャフト14がコイルスプリング68の付勢力により前方に位置し、前クラッチ52(第2クラッチ面52T)が、角柱部14H及び角穴部52Hを介して前方に位置して、クラッチギヤ50(第1クラッチ面50T)から離れている。
よって、クラッチギヤ50の正転は、前クラッチ52に伝達されず、前クラッチ52、サンギヤ70、各プラネタリギヤ74、キャリア76、スピンドル17及びビットBは回転しない(クラッチ機構13のクラッチ切断)。
尚、クラッチギヤ50の逆転は、ビットBの前後位置にかかわらず、ワンウェイニードルベアリング58のロックによりシャフト14に伝えられ、更に角柱部14H、角穴部52H、前クラッチ52、各ボール64、サンギヤ70、各プラネタリギヤ74、キャリア76、各ボール84、スピンドル17及びビットBに伝達される(クラッチ機構13の逆転時のクラッチ接続)。この場合、ワンウェイニードルベアリング58は、クラッチ機構13に含めて考えられる。
よって、クラッチギヤ50の正転は、前クラッチ52に伝達されず、前クラッチ52、サンギヤ70、各プラネタリギヤ74、キャリア76、スピンドル17及びビットBは回転しない(クラッチ機構13のクラッチ切断)。
尚、クラッチギヤ50の逆転は、ビットBの前後位置にかかわらず、ワンウェイニードルベアリング58のロックによりシャフト14に伝えられ、更に角柱部14H、角穴部52H、前クラッチ52、各ボール64、サンギヤ70、各プラネタリギヤ74、キャリア76、各ボール84、スピンドル17及びビットBに伝達される(クラッチ機構13の逆転時のクラッチ接続)。この場合、ワンウェイニードルベアリング58は、クラッチ機構13に含めて考えられる。
この状態から、コイルスプリング68の付勢力に抗してビットBが後方に押されると、図8に示されるように、スピンドル17がシャフト14の角柱部14H、及び小径部52Sを介して前クラッチ52を後方へ押す。押されて後方に移動した前クラッチ52の第2クラッチ面52Tは、クラッチギヤ50の第1クラッチ面50Tに接触し、クラッチギヤ50の正転が前クラッチ52に伝達するようになる(単板クラッチ)。
そして、正転は、前クラッチ52から、各ボール64を介し、サンギヤ70、各プラネタリギヤ74、及びキャリア76(遊星歯車機構15)に伝わり、更に、各ボール84を介してスピンドル17及びビットBに伝達される(クラッチ機構13の正転時のクラッチ接続)。
但し、スピンドル17がビットB(ネジ締め完了時のネジ等)から所定閾値以上の負荷を受けて、前クラッチ52が遊星歯車機構15を介して当該負荷を受けると、第2クラッチ面52Tが第1クラッチ面50Tに対して滑り、クラッチギヤ50の回転力の伝達が遮断される(クラッチ機構13の所定トルク以上の正転時のクラッチ切断)。このときの所定閾値は、第2クラッチ面52Tの第1クラッチ面50Tに対する圧着力の大きさに応じる。
スクリュードライバ1では、クラッチ機構13よりスピンドル17側に、遊星歯車機構15が配置されている。即ち、駆動源をモータ10とし駆動源側を上流側とした駆動力の流れにおけるクラッチ機構13より下流側に、遊星歯車機構15が配置されている。このため、クラッチ機構13の出力トルクより遊星歯車機構15による減速の分だけ大きなトルクでスピンドル17の出力を行うことができ、クラッチ機構13の出力トルクとスピンドル17の出力トルクとを異ならせることができる。よって、スクリュードライバ1では、クラッチ機構13を備えながら、スピンドル17が所定の出力トルクを具備可能となる。
そして、正転は、前クラッチ52から、各ボール64を介し、サンギヤ70、各プラネタリギヤ74、及びキャリア76(遊星歯車機構15)に伝わり、更に、各ボール84を介してスピンドル17及びビットBに伝達される(クラッチ機構13の正転時のクラッチ接続)。
但し、スピンドル17がビットB(ネジ締め完了時のネジ等)から所定閾値以上の負荷を受けて、前クラッチ52が遊星歯車機構15を介して当該負荷を受けると、第2クラッチ面52Tが第1クラッチ面50Tに対して滑り、クラッチギヤ50の回転力の伝達が遮断される(クラッチ機構13の所定トルク以上の正転時のクラッチ切断)。このときの所定閾値は、第2クラッチ面52Tの第1クラッチ面50Tに対する圧着力の大きさに応じる。
スクリュードライバ1では、クラッチ機構13よりスピンドル17側に、遊星歯車機構15が配置されている。即ち、駆動源をモータ10とし駆動源側を上流側とした駆動力の流れにおけるクラッチ機構13より下流側に、遊星歯車機構15が配置されている。このため、クラッチ機構13の出力トルクより遊星歯車機構15による減速の分だけ大きなトルクでスピンドル17の出力を行うことができ、クラッチ機構13の出力トルクとスピンドル17の出力トルクとを異ならせることができる。よって、スクリュードライバ1では、クラッチ機構13を備えながら、スピンドル17が所定の出力トルクを具備可能となる。
先端ハウジング22の前端部の外側には、深さ調整用のキャップ100が、前後方向に移動可能に設けられている。
キャップ100は、移動により、上下左右に広がる中央孔付きの前面であるベース面100aの前後位置が変更され、締め付けるネジあるいはその周辺部に接触するまでの距離が調整される。
尚、キャップ100は、前後移動不能(深さ一定)とされても良いし、省略されても良い。
キャップ100は、移動により、上下左右に広がる中央孔付きの前面であるベース面100aの前後位置が変更され、締め付けるネジあるいはその周辺部に接触するまでの距離が調整される。
尚、キャップ100は、前後移動不能(深さ一定)とされても良いし、省略されても良い。
このようなスクリュードライバ1における、ネジをワークに対し締め付ける場合の動作例が説明される。ワークは、例えば建物の部屋の天井等の内装に用いられるボードであり、この場合、スクリュードライバ1は、ボード用スクリュードライバとなる。
正逆切替スイッチ32のレバー32aが正転側に切り替えられており、又キャップ100のベース面100aがワークに対するネジの深さに応じた所望の位置に調整されている状態で、作業者がハンドル部5を把持し、ワークに立てたネジの工具穴にビットBの先端を当ててトリガ25aを引くと、メインスイッチ本体部25bにおける切替により、電源コード26からモータ10への給電が制御され、モータ10がトリガ25aの引き込み量に応じた速度で駆動され、ロータ42(モータ軸43)が回転する。
正逆切替スイッチ32のレバー32aが正転側に切り替えられており、又キャップ100のベース面100aがワークに対するネジの深さに応じた所望の位置に調整されている状態で、作業者がハンドル部5を把持し、ワークに立てたネジの工具穴にビットBの先端を当ててトリガ25aを引くと、メインスイッチ本体部25bにおける切替により、電源コード26からモータ10への給電が制御され、モータ10がトリガ25aの引き込み量に応じた速度で駆動され、ロータ42(モータ軸43)が回転する。
モータ軸43の回転により、ファン11が回転して各排気口35から空気が排気され、各吸気口34から各排気口35への空気の流れ(風)が形成される。
かような風によって、モータ10を始めとするスクリュードライバ1の内部機構が冷却される。
かような風によって、モータ10を始めとするスクリュードライバ1の内部機構が冷却される。
更に、作業者がワークのネジに対してビットBを押し付けると、スピンドル17がシャフト14を後方に押し、クラッチ機構13が第2クラッチ面52Tと第1クラッチ面50Tとにおいて接続され、モータ軸43のトルクは、正転するクラッチギヤ50から前クラッチ52に伝達され、更にスピンドル17及びビットBに伝達されて、ワークに対するネジ締めが進行する。尚、正転時、ワンウェイニードルベアリング58は、フリー(回転許容状態)となっている。
そして、キャップ100がワークに接触すると、ワークはスピンドル17に加えてキャップ100も押すこととなり、ワークがスピンドル17を押す力はキャップ100がワークに接触する前に比べて減少し、クラッチ機構13の伝達トルクが減少する。すると、クラッチ機構13は、ワークの負荷に負けて解除状態となる。よって、ワークに対するネジ締めが、当該解除状態に応じた所定値に係る締め付けトルクにおいて、又キャップ100によりワークに対する所定の深さにおいて完了する。
そして、キャップ100がワークに接触すると、ワークはスピンドル17に加えてキャップ100も押すこととなり、ワークがスピンドル17を押す力はキャップ100がワークに接触する前に比べて減少し、クラッチ機構13の伝達トルクが減少する。すると、クラッチ機構13は、ワークの負荷に負けて解除状態となる。よって、ワークに対するネジ締めが、当該解除状態に応じた所定値に係る締め付けトルクにおいて、又キャップ100によりワークに対する所定の深さにおいて完了する。
他方、ワークのネジを取り外す場合には、作業者は、一旦メインスイッチ25を切ったうえで正逆切替スイッチ32のレバー32aを逆転側に切り替え、再度トリガ25aを引く。
すると、第2クラッチ面52T及び第1クラッチ面50Tの状態(スピンドル17及びシャフト14の前後位置)にかかわらず、ワンウェイニードルベアリング58(ワンウェイ伝達部)によりシャフト14と遊星歯車機構15とがつながり、クラッチギヤ50の逆転が遊星歯車機構15に伝達され、更にスピンドル17及びビットBに伝達される。
よって、作業者は、ネジの工具穴にビットBを入れてトリガ25aを引けば、ネジを逆転させてワークから外すことができる。
すると、第2クラッチ面52T及び第1クラッチ面50Tの状態(スピンドル17及びシャフト14の前後位置)にかかわらず、ワンウェイニードルベアリング58(ワンウェイ伝達部)によりシャフト14と遊星歯車機構15とがつながり、クラッチギヤ50の逆転が遊星歯車機構15に伝達され、更にスピンドル17及びビットBに伝達される。
よって、作業者は、ネジの工具穴にビットBを入れてトリガ25aを引けば、ネジを逆転させてワークから外すことができる。
以上のスクリュードライバ1は、モータ10と、モータ10の回転力の伝達状態を切替可能なクラッチ機構13と、クラッチ機構13により駆動される減速機構(遊星歯車機構15)と、減速機構により駆動されるスピンドル17と、を備えている。よって、スクリュードライバ1では、クラッチ機構13の出力トルクが減速機構により減速されてスピンドル17の出力トルクとなり、スピンドル17が所定の出力トルクを具備可能であるクラッチ機構13を備えたスクリュードライバ1が提供されることとなる。
更に、減速機構は、各プラネタリギヤ74に噛み合うサンギヤ70及びインターナルギヤ72、並びに各プラネタリギヤ74を保持するキャリア76を有する遊星歯車機構15である。よって、確実に動作する減速機構がシンプルでコンパクトに形成される。
又更に、クラッチ機構13は、所定方向の回転(逆転)においてスピンドル17に回転力を伝達するためのワンウェイニードルベアリング58(ワンウェイ伝達部)を有する。よって、ネジが外し易くなるといったように逆転が使い易いものとなる。
加えて、クラッチ機構13は、第1クラッチ面50T及び第2クラッチ面52T同士の接触により回転力を伝達する単板クラッチである。よって、多板摩擦クラッチの場合のように、伝達解除(切断)状態でドラグトルクが発生する対策として非作業時の共回り防止機構を設ける必要がなく、スクリュードライバ1がシンプルに形成される。又、クラッチ機構13の動作音が抑制される。
又、クラッチ機構13は、モータ10により駆動されるクラッチギヤ50と、クラッチギヤ50と接触することによって回転駆動される前クラッチ52と、を備えている。よって、確実に動作するクラッチ機構13がシンプルに形成される。
更に、前クラッチ52は、円錐状の円錐部(第1クラッチ面50T及び第2クラッチ面52T)を介してクラッチギヤ50に接触する。よって、クラッチギヤ50の径方向内方にシャフト14等を配置することができ、スクリュードライバ1が径方向にコンパクトになる。
更に、減速機構は、各プラネタリギヤ74に噛み合うサンギヤ70及びインターナルギヤ72、並びに各プラネタリギヤ74を保持するキャリア76を有する遊星歯車機構15である。よって、確実に動作する減速機構がシンプルでコンパクトに形成される。
又更に、クラッチ機構13は、所定方向の回転(逆転)においてスピンドル17に回転力を伝達するためのワンウェイニードルベアリング58(ワンウェイ伝達部)を有する。よって、ネジが外し易くなるといったように逆転が使い易いものとなる。
加えて、クラッチ機構13は、第1クラッチ面50T及び第2クラッチ面52T同士の接触により回転力を伝達する単板クラッチである。よって、多板摩擦クラッチの場合のように、伝達解除(切断)状態でドラグトルクが発生する対策として非作業時の共回り防止機構を設ける必要がなく、スクリュードライバ1がシンプルに形成される。又、クラッチ機構13の動作音が抑制される。
又、クラッチ機構13は、モータ10により駆動されるクラッチギヤ50と、クラッチギヤ50と接触することによって回転駆動される前クラッチ52と、を備えている。よって、確実に動作するクラッチ機構13がシンプルに形成される。
更に、前クラッチ52は、円錐状の円錐部(第1クラッチ面50T及び第2クラッチ面52T)を介してクラッチギヤ50に接触する。よって、クラッチギヤ50の径方向内方にシャフト14等を配置することができ、スクリュードライバ1が径方向にコンパクトになる。
尚、本発明の形態は上記形態及び変更例に限定されず、例えば更に次のような変更例を適宜有する。
減速機構は、遊星歯車機構15に代えて、あるいは遊星歯車機構15と共に、他の機構が用いられても良い。遊星歯車機構15は、キャリア等が複数設けられた複数段に係るものとされても良い。減速機構に代えて、増速機構が配置されても良く、この場合であっても、クラッチ機構13の出力トルクとスピンドル17の出力トルクとが互いに異なるものとなり、クラッチ機構13の出力トルクによらずスピンドル17の出力トルクが所定値に設定可能となる。
クラッチギヤ50及び前クラッチ52は、円錐面に代えて、あるいは円錐面と共に、円筒面あるいは円板の平面等の他の面で動力を伝達しても良い。
スピンドル17の移動方向及びシャフト14の移動方向の少なくとも一方は、前後方向以外であっても良い。
スピンドル17、シャフト14及び前クラッチ52の少なくとも何れかは、ワークのネジへの押し付け力の反力以外により移動しても良い。
ワンウェイ伝達部として、ワンウェイニードルベアリング58に代えて、あるいはワンウェイニードルベアリング58と共に、他の部材あるいは機構が用いられても良い。例えば、歯車及びその所定方向の回転において歯に引っ掛かるラチェット爪を有するラチェット機構が用いられても良い。
減速機構は、遊星歯車機構15に代えて、あるいは遊星歯車機構15と共に、他の機構が用いられても良い。遊星歯車機構15は、キャリア等が複数設けられた複数段に係るものとされても良い。減速機構に代えて、増速機構が配置されても良く、この場合であっても、クラッチ機構13の出力トルクとスピンドル17の出力トルクとが互いに異なるものとなり、クラッチ機構13の出力トルクによらずスピンドル17の出力トルクが所定値に設定可能となる。
クラッチギヤ50及び前クラッチ52は、円錐面に代えて、あるいは円錐面と共に、円筒面あるいは円板の平面等の他の面で動力を伝達しても良い。
スピンドル17の移動方向及びシャフト14の移動方向の少なくとも一方は、前後方向以外であっても良い。
スピンドル17、シャフト14及び前クラッチ52の少なくとも何れかは、ワークのネジへの押し付け力の反力以外により移動しても良い。
ワンウェイ伝達部として、ワンウェイニードルベアリング58に代えて、あるいはワンウェイニードルベアリング58と共に、他の部材あるいは機構が用いられても良い。例えば、歯車及びその所定方向の回転において歯に引っ掛かるラチェット爪を有するラチェット機構が用いられても良い。
モータ10は、ステータ41の外側にロータ42が配置されたアウターロータ型のものであっても良い。又、モータ10は、ブラシレスモータであっても良い。
モータ軸43とスピンドル17との間に、シャフト14以外の1又は2以上の中間軸が介装されても良い。
モータ軸43とスピンドル17との間に、シャフト14以外の1又は2以上の中間軸が介装されても良い。
電源コード26による給電に代えて、バッテリによる給電が行われても良く、この場合、ハウジング2等にバッテリ取付部が形成されても良い。又、バッテリは、10.8V、18V(最大20V),18V,25.2V,28V,36V等の任意のリチウムイオンバッテリを用いても良いし、10.8V未満あるいは36Vを超える電圧のリチウムイオンバッテリを用いても良いし、他の種類のバッテリを用いても良い。
ボール64及び溝70Gの設置数、ボール84及び溝17Gの設置数、チャックボール17Sの設置数、プラネタリギヤ74の数、並びに吸排気口の数の少なくとも何れかが増減されたり、例えばニードルベアリングがボールベアリングとされあるいはボールベアリングがニードルベアリングといったように各種軸受においてその形式が代えられたりする等、各種の部材、部分の数、配置、材質、大きさ、形式の少なくとも何れか等は、適宜変更されても良い。
又、出力軸(先端工具保持部)の方向が軸方向(モータ10のモータ軸43の方向あるいはその回転力を伝達する機構の伝達方向)と異なる(略90度となる)アングル電動工具にも、本発明を適用することができる。
更に、インパクトレンチ、インパクトドライバ、あるいは他のネジ締め工具又は電動工具等に、本発明が適用されても良い。
ボール64及び溝70Gの設置数、ボール84及び溝17Gの設置数、チャックボール17Sの設置数、プラネタリギヤ74の数、並びに吸排気口の数の少なくとも何れかが増減されたり、例えばニードルベアリングがボールベアリングとされあるいはボールベアリングがニードルベアリングといったように各種軸受においてその形式が代えられたりする等、各種の部材、部分の数、配置、材質、大きさ、形式の少なくとも何れか等は、適宜変更されても良い。
又、出力軸(先端工具保持部)の方向が軸方向(モータ10のモータ軸43の方向あるいはその回転力を伝達する機構の伝達方向)と異なる(略90度となる)アングル電動工具にも、本発明を適用することができる。
更に、インパクトレンチ、インパクトドライバ、あるいは他のネジ締め工具又は電動工具等に、本発明が適用されても良い。
1・・スクリュードライバ(ネジ締め工具)、10・・モータ、13・・クラッチ機構、14・・シャフト、15・・遊星歯車機構(減速機構)、17・・スピンドル(先端工具保持部)、50・・クラッチギヤ(駆動側部材)、50T・・第1クラッチ面(円錐部,単板クラッチ)、52・・前クラッチ(従動側部材)、52T・・第2クラッチ面(円錐部,単板クラッチ)、58・・ワンウェイニードルベアリング(ワンウェイ伝達部)、70・・サンギヤ、72・・インターナルギヤ、74・・プラネタリギヤ、76・・キャリア、B・・ビット(先端工具)。
Claims (10)
- モータと、
前記モータの回転力の伝達状態を切替可能なクラッチ機構と、
前記クラッチ機構により駆動される減速機構と、
前記減速機構により駆動される先端工具保持部と、
を備えている
ことを特徴とするネジ締め工具。 - 前記減速機構は、プラネタリギヤに噛み合うサンギヤ及びインターナルギヤ、並びに前記プラネタリギヤを保持するキャリアを有する遊星歯車機構である
ことを特徴とする請求項1に記載のネジ締め工具。 - 前記クラッチ機構は、所定方向の回転において前記先端工具保持部に回転力を伝達するためのワンウェイ伝達部を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネジ締め工具。 - 前記ワンウェイ伝達部は、前記所定方向において外輪に対する内輪の回転をロックし、前記所定方向と逆の回転方向において前記外輪に対する前記内輪の回転を許容するワンウェイニードルベアリングである
ことを特徴とする請求項3に記載のネジ締め工具。 - 前記減速機構は、溝内を移動可能であるボールを介して、前記クラッチ機構と連結されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載のネジ締め工具。 - 前記クラッチ機構は、1つの面同士の接触により回転力を伝達する単板クラッチである
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載のネジ締め工具。 - 前記クラッチ機構は、
前記モータにより駆動される駆動側部材と、
前記駆動側部材と接触することによって回転駆動される従動側部材と、
を備えている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載のネジ締め工具。 - 前記従動側部材は、円錐状の円錐部を介して前記駆動側部材に接触する
ことを特徴とする請求項7に記載のネジ締め工具。 - 前記先端工具保持部と前記従動側部材との間に介装されるシャフトが設けられており、
前記先端工具保持部は、前記シャフトを介して、前記従動側部材を、前記駆動側部材に接触するように押す
ことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のネジ締め工具。 - 前記従動側部材を前記駆動側部材から離れる方向に付勢する弾性体が設けられている
ことを特徴とする請求項7ないし請求項9の何れかに記載のネジ締め工具。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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SE2130369A1 (en) * | 2021-12-17 | 2023-06-18 | Atlas Copco Ind Technique Ab | Power tool and load-responsive power transmission for a power tool |
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Publication number | Publication date |
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