JP5190473B2 - 複層潤滑被膜用組成物及び内燃機関のピストン - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のアルミニウム合金製ピストンに好適な複層潤滑被膜用組成物に関する。
ピストンのスカート部は、不可避的に内燃機のシリンダスリーブ内面に接触する。そのため、ピストンの外周部に耐摩耗性や耐焼き付き性を改善することが求められる。
そのための改善策が種々提案されてきた(例えば、特許文献1(請求項1)参照。)。
特許文献1の請求項1に「上層被膜組成物と下層被膜組成物からなる複層潤滑被膜用組成物であって、該上層被膜組成物が結合樹脂であるエポキシ樹脂及びポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種50〜70wt%と、固体潤滑剤である窒化ホウ素5〜20wt%と、硬質粒子である窒化珪素及びアルミナの少なくとも1種15〜30wt%とからなり、該下層被膜塑性が結合樹脂であるエポキシ樹脂及びポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種50〜70wt%と、固体潤滑剤であるポリテトラフルオロエチレン15〜30wt%、二硫化モリブデン5〜20wt%とからなることを特徴とする複層潤滑被膜用組成物。」との記載がある。
二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤の作用により、耐摩耗性や耐焼き付き性を改善することができる。
上記構成の上層被膜組成物と下層被膜組成物からなる複層潤滑被膜用組成物が、健全である場合には、耐摩耗性や耐焼き付き性が発揮される。
ところで、エンジンの種類や使用環境によっては、潤滑油中に砂等の異物が混入することがある。低コストを目的に、フィルタを省いた汎用エンジンで且つ砂塵内で作業するような汎用エンジンにその懸念がある。
潤滑油中に異物が混入すると、この異物が研削材となって、複層潤滑被膜用組成物を傷つけ、アルミ地が露出する。すると、摩耗や焼き付けが進行し、ピストンの寿命が短くなるという不具合が発生する。また、ピストンとシリンダスリーブとの接触圧力が、許容値を超えると、複層潤滑被膜用組成物が傷つけられ、アルミ地が露出し、同様の不具合が発生する。
そこで、複層潤滑被膜用組成物が傷ついても、この複層潤滑被膜用組成物に被覆される金属製品の寿命を延ばすことができる技術が必要となる。
特開2008−56750公報
本発明は、複層潤滑被膜用組成物が傷ついても、この複層潤滑被膜用組成物に被覆される金属製品の寿命を延ばすことができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、被覆対象物に被せられる下層被膜と、この下層被膜に被せられる上層被膜とからなる複層潤滑被膜を組成し、
前記上層被膜を組成する上層被膜組成物は、結合樹脂であるエポキシ樹脂とポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種50〜70質量%と、固体潤滑剤である窒化ホウ素5〜20質量%と、硬質粒子である窒化珪素とアルミナの少なくとも1種15〜30質量%とからなり、
前記下層被膜を組成する下層被膜組成物は、前記被覆対象物のビッカース硬度よりも高いビッカース硬度である複層潤滑被膜用組成物であって、
前記被覆対象物は、アルミニウム合金であり、
前記下層被膜は、鉄めっき膜と陽極酸化膜とのうちの1種であることを特徴とする。
請求項に係る発明によれば、請求項1記載の複層潤滑被膜用組成物からなる複層潤滑被膜が、外周部に被覆されている内燃機関のピストンが提供される。
請求項1に係る発明では、下層被膜組成物は、被覆対象物のビッカース硬度よりも高いビッカース硬度である。ビッカース硬度の高い下層被膜は、傷がつきにくい。下層被膜が傷つきにくいことで、被覆対象物の露出を防ぎやすくなる。露出を防ぐことで、被覆された金属製品の長寿命化を図ることができる。
加えて、請求項に係る発明では、被覆対象物は、アルミニウム合金であり、下層被膜は、鉄めっき膜と陽極酸化膜とのうちの1種である。鉄めっき膜、陽極酸化膜のいずれかからなる下層被膜は、アルミニウム合金に強く密着する。アルミニウム合金に強く密着することで、さらに被覆対象物の露出を防ぐことができる。さらに複層潤滑被膜用組成物で被覆された金属製品の長寿命化を図ることができる。
請求項に係る発明では、複層潤滑被膜が外周部に被覆されている内燃機関のピストンが提供される。複層潤滑被膜用組成物からなる複層潤滑被膜は、傷が付きにくいため、複層潤滑被膜で被覆されているピストンも、傷が付きにくい。このような傷の付きにくいピストンを内燃機関に搭載することで、様々な環境下で内燃機関を用いることができ、有益である。
実施例1に係るピストンの製造方法を説明する図である。 実施例と比較例とを比較する図である。 実施例2に係るピストンの製造方法を説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1(a)に示されるように、まずアルミニウム合金製の被覆対象物11に、鉄めっきを施す。
具体的には、陰極12に被覆対象物11を接続し、陽極13に鉄(Fe)板14を接続し、これらをめっき槽16内の電解液17に浸す。
電解液17に浸した状態で、電流を流し、被覆対象物11に鉄めっきを施す。
例えば、電解液17は、300g/lの塩化第一鉄(FeCl)と、20g/lの塩化アンモニウム(NHCl)との混合液を用いることができる。
電解液17の温度を50℃、陰極電流密度を6A/dmとして、鉄めっきを施すことができる。
なお、めっき処理に先立って、被覆対象物11表面を脱脂することや酸化膜を除去する等の前処理を行っておくことが望ましい。前処理を行うことで鉄めっき膜(図1(c)、符号19)の被覆対象物11への密着性がさらに高まる。
被覆対象物11に鉄めっきを施すことで、(b)に示すように中間品18を得ることができる。
この中間品18のc部拡大図である(c)に示すように、鉄めっきを施すことで、被覆対象物11の表面には、下層被膜としての鉄めっき膜19が被せられている。
鉄めっき膜19の厚さt1は、例えば20μmである。この厚さt1は、(a)に示されるめっき処理の条件を変更することで調節することができる。厚さt1は、5μm〜30μmの範囲であれば差し支えない。
また、鉄めっき膜19のビッカース硬度は、Hv400〜500である。
一方、ピストンを始めとする金属製品には、アルミニウム合金の1つである、アルミニウム−珪素(Al−Si)系合金が用いられることがある。この、Al−Si系合金のビッカース硬度はHv70〜140である。
即ち、下層被膜である鉄めっき膜19のビッカース硬度は、アルミニウム合金(Al−Si系合金)のビッカース硬度よりも高いということができる。
次に、中間品18の表面に、上層被膜組成物を塗布する。
上層被膜組成物の混合割合は、結合樹脂であるエポキシ樹脂(EP)とポリアミドイミド樹脂(PAI)の少なくとも1種を50〜70質量%、固体潤滑剤である窒化ホウ素(BN)を5〜20質量%、硬質粒子である窒化珪素(Si)とアルミナ(Al)の少なくとも1種15〜30質量%とすることができる。
例えば、エポキシ樹脂62.5質量%、窒化ホウ素12.5質量%、窒化珪素25.0質量%の割合で混合する。この混合物を有機溶剤に溶いて、中間品18の表面に塗布し、焼成する。
これで、(d)に示すように、金属製品としてのピストン20が得られる。
(d)のe部拡大図である(e)に示すように、鉄めっき膜19の上層に、焼成された上層被膜22が組成される。ピストン20の外周部24を被覆する複層潤滑被膜23は、鉄めっき膜19と、上層被膜22とからなる。
上層被膜22の厚さt2は、例えば10μmである。上層被膜22の厚さt2は、5〜10μmの範囲であれば差し支えない。
汎用エンジンでは、潤滑油中に砂などの異物が混じることがある。この異物に対する耐久性について、本発明のピストンと従来のピストンとを比較しながら説明する。
比較例である図2(a)に示すように、ピストン100は、アルミニウム合金製の被覆対象物101の外周部102に、下層被膜103及び上層被膜104を被覆してなる。
下層被膜103及び上層被膜104の被膜組成物は、共に、エポキシ樹脂(EP)62.5質量%、窒化ホウ素(BN)12.5質量%、窒化珪素(Si)25.0質量%の割合で混合した混合物である。
このようなピストン100を内燃機関で用いると、(b)に示すように、潤滑油中に混じった異物によって、下層被膜103、上層被膜104が研削されることがある。研削されることで被覆対象物101が外部に露出し、今度は、外部に露出された被覆対象物が異物に研削される。
実施例である(c)に示すように、ピストン20は、アルミニウム合金製の被覆対象物11の外周部24に、複層潤滑被膜23を被覆してなる。
複層潤滑被膜23のうち、下層被膜の被膜組成物は、鉄めっき膜19である。
上層被膜22の被膜組成物は、エポキシ樹脂(EP)62.5質量%、窒化ホウ素(BN)12.5質量%、窒化珪素(Si)25.0質量%の割合で混合した混合物である。
このようなピストン20を内燃機関で用いると、(d)に示すように、潤滑油中に混じった異物によって、上層被膜22が研削されることがある。しかし、ビッカース硬度の高い鉄めっき膜19は、硬度が高いことで異物に研削されにくい。
即ち、以下のようにいうことができる。下層被膜組成物は、被覆対象物11のビッカース硬度よりも高いビッカース硬度の鉄めっき膜19(下層被膜)からなる。ビッカース硬度の高い鉄めっき膜19は、傷がつきにくい。鉄めっき膜19が傷つきにくいことで、被覆対象物11の露出を防ぎやすくなる。被覆対象物11の露出を防ぐことで、複層潤滑被膜23で被覆されたピストン20(金属製品)の長寿命化を図ることができる。
加えて、被覆対象物11は、アルミニウム合金であり、下層被膜は、鉄めっき膜19である。鉄めっき膜19からなる下層被膜は、被覆対象物11であるアルミニウム合金に強く密着する。アルミニウム合金に強く密着することで、さらに被覆対象物11の露出を防ぐことができる。さらに複層潤滑被膜用組成物で被覆されたピストン20の長寿命化を図ることができる。
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図3(a)に示されるように、まずアルミニウム合金製の被覆対象物11に、陽極酸化処理を行う。
具体的には、陰極12にカーボン製の板27を接続し、陽極13に被覆対象物11を接続し、これらをめっき槽16内の電解液28に浸す。
電解液28に浸した状態で、電流を流し、被覆対象物11に陽極酸化処理を行う。
例えば、電解液28は、65.6g/lのリン酸三ナトリウム(NaPO)と、7.3g/lのフッ化カリウム(KF)との混合液を用いることができる。
電解液の温度を22℃、電圧を70V、期間を30分として、陽極酸化処理を行うことができる。
なお、陽極酸化処理は、このような方法の他、プラズマ放電を行いながらの陽極酸化処理等任意の方法を用いることができる。即ち、被覆対象物11の表面に陽極酸化膜((c)符号、31)を被覆させることができれば、任意の方法を選択することができる。
陽極酸化処理を行った後は、図1で説明したのと同様に、上層被膜組成物を中間品の表面に塗布し、焼成させる。
このようにして、(b)に示すようなピストン30が完成する。
(b)のc部拡大図である(c)に示すように、陽極酸化処理することで被覆対象物11に下層被膜としての陽極酸化膜(アルマイト:Al)31が被覆される。
陽極酸化膜31の厚さt2は、例えば10μmである。この厚さt2は、(a)に示されるめっき処理の条件を変更することで調節することができる。厚さt2は、5μm〜20μmの範囲であれば差し支えない。
また、陽極酸化膜31のビッカース硬度は、Hv250〜400である。
一方、アルミニウム合金の1つであり、ピストンによく用いられるAl−Si系合金のビッカース硬度はHv70〜140である。
即ち、下層被膜組成物である陽極酸化膜31のビッカース硬度は、アルミニウム合金(Al−Si系合金)のビッカース硬度よりも高いということができる。
陽極酸化膜31の上層に、焼成された上層被膜32が組成される。ピストン30の外周部を被覆する複層潤滑被膜33は、陽極酸化膜31と、上層被膜32とからなる。
陽極酸化膜31の表面には、微細な凹凸部34が形成される。この微細な凹凸部34がアンカーの役割をすることで、陽極酸化膜31と上層被膜32との密着性を高めている。
実施例2に係るピストン30でも以下のことがいえる。
下層被膜組成物は、被覆対象物11のビッカース硬度よりも高いビッカース硬度の陽極酸化膜31(下層被膜)からなる。ビッカース硬度の高い陽極酸化膜31からなる下層被膜組成物は、傷がつきにくい。下層被膜組成物が傷つきにくいことで、被覆対象物11の露出を防ぎやすくなる。被覆対象物11の露出を防ぐことで、複層潤滑被膜用組成物で被覆されたピストン30(金属製品)の長寿命化を図ることができる。
本発明者らは、本発明の効果について確認すべく、実験を行った。以下に実験について説明する。
(実験例)
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。実験について表1に沿って説明する。
Figure 0005190473
実験番号1では、従来の技術でピストンを作成した。
即ち、母材にアルミニウム合金を用い、この母材の表面に、下層被膜を被覆させた。この下層被膜の下層被膜組成物は、エポキシ樹脂、窒化ホウ素、窒化珪素からなる混合物である。この混合物を母材の表面に塗布した上で焼成した。
下層被膜の被覆後に、上層被膜を被覆させた。この上層被膜の上層被膜組成物は、エポキシ樹脂、窒化ホウ素、窒化珪素からなる混合物である。この混合物を下層被膜の表面に塗布した上で焼成した。
以上の条件により作成したピストンを、単気筒160ccの汎用エンジンに取付け実験を行った。
潤滑油中に、砂としてJIS Z 8901 試験用粉体を混合させ、エンジンを作動させた。エンジンは、3600rpmで100時間作動させた。
エンジンを止め、外観を観察することで評価を行った。実験番号1では、ピストンの表面に深い疵が生じ、評価は×であった。
実験番号2では、母材を陽極酸化膜で被覆した。その他の条件は実験番号1と同様である。即ち、実験番号2では、図3で説明した条件でピストンを作成した。
実験番号2では、ピストンの表面に浅い疵が生じていたものの、問題とはならない程度の疵であったため、評価は○であった。
実験番号3では、母材を鉄めっき膜で被覆した。その他の条件は実験番号1と同様である。即ち、実験番号3では、図1で説明した条件でピストンを作成した。
実験番号3では、ピストンの表面に疵が生じなかったため、評価は◎であった。
下層被膜のビッカース硬度が最も低い実験番号1では、ピストンの表面に深い疵が生じた。一方、下層被膜のビッカース硬度が最も高い実験番号3では、ピストンの表面に疵が生じなかった。
このことから、複層潤滑被膜用組成物からなる、複層潤滑被膜は、傷が付きにくいため、複層潤滑被膜で被覆されているピストンも、傷が付きにくい。このような傷の付きにくいピストンを内燃機関に搭載することで、様々な環境下で内燃機関を用いることができ、有益であるということができる。
尚、本発明にかかる複層潤滑被膜用組成物は、実施の形態ではピストンの被覆に用いたが、その他の金属製品にも適用可能であり、その他の金属製品に適用することは差し支えない。
本発明にかかる複層潤滑被膜用組成物は、ピストンの被覆に好適であり、本発明のピストンは、汎用エンジンに好適である。
11…被覆対象物、19…鉄めっき膜(下層被膜)、20、30…ピストン(金属製品)、22、32…上層被膜、23、33…複層潤滑被膜、24…外周部、31…陽極酸化膜(下層被膜)。

Claims (2)

  1. 被覆対象物に被せられる下層被膜と、この下層被膜に被せられる上層被膜とからなる複層潤滑被膜を組成し、
    前記上層被膜を組成する上層被膜組成物は、結合樹脂であるエポキシ樹脂とポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種50〜70質量%と、固体潤滑剤である窒化ホウ素5〜20質量%と、硬質粒子である窒化珪素とアルミナの少なくとも1種15〜30質量%とからなり、
    前記下層被膜を組成する下層被膜組成物は、前記被覆対象物のビッカース硬度よりも高いビッカース硬度である複層潤滑被膜用組成物であって、
    前記被覆対象物は、アルミニウム合金であり、
    前記下層被膜は、鉄めっき膜と陽極酸化膜とのうちの1種であることを特徴とする複層潤滑被膜用組成物。
  2. 請求項1記載の複層潤滑被膜用組成物からなる複層潤滑被膜が外周部に、被覆されていることを特徴とする内燃機関のピストン。
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