JP5189955B2 - 不可逆性示温ラベル - Google Patents
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Description
不可逆性示温ラベルは発色することにより温度管理するので、管理する温度によって発色する色調を変える必要があり、用途に応じて発色温度や色調の異なる示温ラベルが並列することになる。しかしながら、所定温度以上になりワックスが融解するまでは該ラベルの種類や発色色調等は隠蔽されており、判別できない。
品種や記号をプリントしなかったものなどは、それらを区別することが容易ではなく、その製造時、流通販売時、使用時などのいずれの段階においても、取り間違いが生ずる問題があった。
すなわち、本発明は、
「少なくともあらかじめ設定された任意の温度で融解するワックスとUV光をあてたときにのみ発色する実質的に蓄光性を有しない塗料(以下、UV発色塗料という)を含む示温組成物を、前記ワックスが融点以上になり融解した際の浸透吸収性を有するあらかじめ着色された領域を有する基材上に配設し、その上に透明フィルムを積層したことを特徴とし、該ワックスの融解により発色する色調とUV発色塗料が発色する色調を同系色としたことを特徴とする不可逆性示温ラベル。」に関する。
また、UV光をあてることにより発色する部分、いわゆるUVマーキング部の存在がわかりにくく美観が良好になるほか、UV塗料の配設位置がわかりやすいのでUV光を当てるときの目標になりやすい等の優れた効果も奏するものである。
該構成により、可視光下では同じように見え、意匠性を有する不可逆性示温ラベルでありながら、UV光をあてた場合のみUV発色塗料の効果により複数のラベルの種類を判別することができるのである。
基材上にあらかじめ設定された任意の第一の温度で不可逆的に発色する第一の示温部を配設し、その表面側にUV光をあてたときにのみ前記第一の示温部の発色色調と同系色に発色する実質的に蓄光性を有しない塗料(以下、第一のUV発色塗料という)により少なくとも構成される第一のUVマーキング部を第一の示温部と同一層内/または別層として設け、その上に透明フィルムを積層した第一の不可逆性示温ラベルと、
第一の不可逆性示温ラベルとは異なる温度で不可逆的に発色する前記第一の示温部の発色色調とは異なる色調に発色する第二の示温部を配設し、その表面側に前記第二の示温部の発色色調と同系色に発色する第二のUV発色塗料により少なくとも構成される第二のUVマーキング部を第二の示温部と同一層内/または別層として設け、その上に透明フィルムを積層した第二の不可逆性示温ラベルとを組み合わせたことを特徴とする不可逆性示温ラベルセット。
その場合、高温側のラベルのみに入れるのではなく、低温側のみに入れておくのが好ましい。万が一UV発色できるラベルにおいて、UV発色がうまくいかなかった場合、誤って違う種類のものを貼ってしまうことになるが、低温側に設定されたものに高温側のラベルを貼付してしまうと、設定温度をキャッチできずに、機械の故障等に直接繋がってしまうからである。
例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、天然ガス系フィッシャートロップシュワックス、石炭系フィッシャートロップシュワックス、又はそれらのワックスを分子蒸留して得られたワックス、ポリエチレンワックス、メタロセン触媒により合成された低分子量ポリプロピレン及び低分子量ポリエチレン等のワックスのほか、トリラウリン、ミリスチン酸、ベヘン酸、ステアリン酸アミド等の化学物質などが挙げられる。
すなわち、色紙などのあらかじめ着色された領域を有する基材上に、あらかじめ設定された任意の温度で融解するワックスをそれ自体が光を散乱させ不透明になり基材を隠蔽するように粗粒状態で塗工するなどして設け、さらにその上を透明フィルムなどで被覆する。
ワックスを粗粒状態で塗工する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
例えば、ワックスは、本来透明か半透明な性状を有しているものが多いが、有機溶剤中でボールミルなどを用い、粗粒状態にし、その後、塗工し乾燥させれば、完成したワックス層は光を乱反射するものとなり、不透明でかつ白色の状態を呈するものとすることができる。その際、適宜、バインダーを用いることもできる。
このUV塗料の効果により、通常は無色のラベルであり、どの位置にどのような温度で発色するどのような色調のラベルであるか判別困難な状況下でも、UV光をあてることにより所定の色調に発色するので、種別ごとに容易に判別することができるのである。
UV光を遮蔽すれば、UV発色塗料の発色を妨げることにも繋がるように思えるが、UV光には、上述のようにUV−A、UV−B、UV−Cがあり、その一部の特定UV光で発色させるように設計すれば、その他の波長のUV光を遮蔽することが可能となる。
UV−B、UV−Cは比較的材料を破壊させる攻撃性が強い。そこでこれらのUV光をカットし、UV−Aで発色するようなUV発色塗料を不可逆性示温ラベルに用いれば、耐久性を上げることができるのでより好ましい。
実施例1
シート状の基材として赤色の色紙を用い、その彩色面を上方すなわち表面側にして配置する。そして、この色紙の彩色面上に、あらかじめ設定された任意の温度で融解する下記ワックス1と下記UV発色塗料1の混合物を、少なくともワックス成分が光を散乱させ不透明になり基材を隠蔽するように粗粒状態で塗工し、前記基材の赤色彩色面が不透明化されかつ白色の状態を呈するるようなワックス層を形成する。
その後、表面側を透明フィルムで被覆し、実施例1の不可逆性示温ラベル1を得た。
ワックス1・・・パラフィンワックス(融点=75℃) 90質量%
UV発色塗料1・・・赤色UV発色塗料(シンロイヒ(株)社製ルミライトカラー、
発色波長=UV−A) 10質量%
また、同様の手法にて、緑色の色紙、下記ワックス2と下記UV発色塗料2を用い、ワックス層を形成した後に、表面側を透明フィルムで被覆し、実施例1の不可逆性示温ラベル2を得た。
ワックス2・・・ポリエチレンワックス(融点=123℃) 90質量%
UV発色塗料2・・・緑色UV発色塗料(シンロイヒ(株)社製ルミライトカラー、
発色波長=UV−A) 10質量%
実施例1の場合の示温表示は、不可逆性示温ラベル1の場合(75℃)、不可逆性示温ラベル2の場合(123℃)であった。
シート状の基材として赤色の色紙を用い、その彩色面を上方すなわち表面側にして配置する。そして、この色紙の彩色面上に、あらかじめ設定された任意の温度で融解する下記ワックス3を少なくともワックス成分が光を散乱させ不透明になり基材を隠蔽するように粗粒状態で塗工し、前記基材の赤色彩色面が不透明化されかつ白色の状態を呈するるようなワックス層(示温部)を形成する。その後、下記UV発色塗料3をワックス層3を塗工した部分の全部または一部に塗工し、UVマーキング部を積層形成する。その後、表面側を透明フィルムで被覆し、実施例2の不可逆性示温ラベル3を得た。
ワックス3・・・パラフィンワックス(融点=75℃)
UV発色塗料3・・・赤色UV発色塗料(シンロイヒ(株)社製ルミライトカラー、
発色波長=UV−A)
また、同様の手法にて、緑色の色紙上に下記ワックス4によるワックス層を設け、その全部または一部に下記UV発色塗料4を用い、UVマーキング部を積層形成した後に、表面側を透明フィルムで被覆し、実施例2の不可逆性示温ラベル4を得た。
ワックス4・・・ポリエチレンワックス(融点=123℃)
UV発色塗料4・・・緑色UV発色塗料(シンロイヒ(株)社製ルミライトカラー、
発色波長=UV−A)
実施例2の場合の示温表示は、不可逆性示温ラベル3の場合(75℃)、不可逆性示温ラベル4の場合(123℃)であった。
シート状の基材として赤色の色紙を用い、その彩色面を上方すなわち表面側にして配置する。そして、この色紙の彩色面上に、あらかじめ設定された任意の温度で融解する下記ワックス5と下記UV発色塗料5の混合物を、少なくともワックス成分が光を散乱させ不透明になり基材を隠蔽するように粗粒状態で塗工し、前記基材の赤色彩色面が不透明化されかつ白色の状態を呈するるようなワックス層を形成する。
その後、表面側を透明フィルムで被覆し、実施例3の不可逆性示温ラベル5を得た。
ワックス5・・・パラフィンワックス(融点=75℃) 90質量%
UV発色塗料5・・・赤色UV発色塗料(シンロイヒ(株)社製ルミライトカラー、
発色波長=UV−A) 10質量%
また、同様の手法にて、緑色の色紙上に、下記ワックス6を用い、ワックス層を形成した後に、表面側を透明フィルムで被覆し、実施例3の不可逆性示温ラベル6を得た。
ワックス6・・・ポリエチレンワックス(融点=123℃)
実施例1の場合の示温表示は、不可逆性示温ラベル5の場合(75℃)、不可逆性示温ラベル6の場合(123℃)であり、万が一、不可逆性示温ラベル5のUV発色が不調であった場合であっても、高温側の不可逆性示温ラベル6(123℃)と誤って不可逆性示温ラベル5(75℃)を使用する結果、所定温度以下で不可逆性示温ラベル5の赤色発色を誤発生するのみで、機械損傷などはないものであった。
仮に、高温側のみにUV発色させるように設定した場合には、誤って逆に使用した場合に、低温側の所定温度を超えても示温表示がされないこととなり、機械損傷を生ずる原因となるので、上記使用方法に優れた点がある。
2・・・ワックス層(示温部)
2−1・・・ワックス
2−2・・・UV発色塗料
3・・・透明フィルム
Claims (1)
- 少なくともあらかじめ設定された任意の温度で融解するワックスとUV光をあてたときにのみ発色する実質的に蓄光性を有しない塗料(以下、UV発色塗料という)を含む示温組成物を、前記ワックスが融点以上になり融解した際の浸透吸収性を有するあらかじめ着色された領域を有する基材上に配設し、その上に透明フィルムを積層したことを特徴とし、該ワックスの融解により発色する色調とUV発色塗料が発色する色調を同系色としたことを特徴とする不可逆性示温ラベル。
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