JP5188416B2 - 電磁誘導加熱調理器 - Google Patents
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本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、ファンを削除しても中央加熱源を冷却することができ、低コスト化を図ることができる電磁誘導加熱調理器を得ることを目的とする。
本発明の実施の形態の電磁誘導加熱調理器は、図1に示すように、略矩形の本体部Aを中心に構成されている。本体部Aの上面には天板部B(図中の符号20、21等)があり、本体部Aの上面以外の周囲は筐体部C(図中の符号2等)により囲まれている。
上枠20は、全体が非磁性ステンレス板又はアルミ板の金属製板から額縁状に形成され、本体ケース2の上面開口部を塞ぐような大きさを有している。上枠20はネジ等の固定具で本体ケース2に固定されている。
また、トッププレート21は、上枠20の中央に設けられた大きな開口部を覆うように重ね合わせて設置されている。このトッププレート21は、全体が耐熱強化ガラスや結晶化ガラスなどの赤外線を透過させる半透明な材料からなり、上枠20の開口部の形状に合わせて長方形又は正方形に形成されている。
トッププレート21の上面には図1には、左右のIHコイル6LC、6RC,中央加熱源7のおおまかな位置を示す円形の案内マーク6LM、6RM、7Mが、それぞれ印刷等の方法で表示されている。
この統合液晶表示部100の下方に統合液晶表示装置101が配置され、液晶表示部444L、44Rの下方に液晶表示装置45L、45Rが配置されている。
その統合液晶表示装置101は、左右のIHコイル6LC,6RC、中央加熱源7及びグリル加熱室9のヒータ等の通電状態(火力や時間等)を入力したり、確認することができる。
また、左右の液晶表示装置45L、45Rは、タイマー調理の左右のIHコイル6LC,6RCにおけるタイマースイッチを操作すると、そのスタート時点からの経過時間が計測されて数字で表示される。
グリル加熱室9は後述するドア13閉じられた状態では、略独立した密閉空間になっているが、排気ダクト14を介して本体ケース2の外部空間、つまり台所等の室内空間に連通している。
このグリル加熱室8の前面開口はドア13によって開閉自在に覆われ、ドア13は前後方向に移動自在になるようにグリル加熱室9に支持機構によって保持されている。また、ドア13の中央開口部13Aには耐熱ガラス製の窓板が設置され、グリル加熱室9の内部が外側から視認できるようになっている。ドア13の開閉操作は前方に突出した取っ手13Bによって行うことができる。
24Aは左右の上下仕切板24R、24Lにそれぞれ形成した切欠部で、後述する冷却ダクト42を水平に設置する際にそれと衝突しないように設けてある。
尚、本実施の形態において、水平仕切板25は、本体ケース2の内部に水平に取り付けられているが、本体ケース2内をグリル加熱室の上面位置で上下に区画するものであれば、水平仕切板25の一部又は全部が本体ケース2に対して、傾斜して設けられてもよい。 28は上部部品室10と排気室12とを仕切る後部仕切板であり、下端部は水平仕切板25に、また上端部は上枠20に対する高さ寸法を有している。28Aは後部仕切板28に2箇所形成した排気穴で、上部部品室10に入った冷却風を排気するためのものである。
図8に示すように、58は上部部品室10の右奥隅にあって一部は右側冷却室8Rの上方に入り出す形になっている電源基板であり、この電源基板58に対し本体ケース2の背面下部から100V又は200Vの商用電源が引き込まれている。この電源基板58には例えば商用電源を整流するブリッジ回路のための各種電気部品群が実装されている。
これら二つの電源基板58,59は、水平仕切板25の上面から一定の空隙を保つようにして、その水平仕切板25にネジ等の固定手段で取り付けられている。その空隙は、後述する冷却ユニットCUからの冷却風を通り易くするためのものである。
この風向板70は、手前から奥に立ち上がるように傾斜して風を上方に案内する風向板本体71と、風向板本体71の両側部で略真中から奥まで突設された風逃げ防止リブ72と、風向板本体71の奥に突設され、風を上昇させる整流リブ73とからなる。
そして、風向板本体71の上面は図7に示す中央部分と図4に示す側部から中央に向かう部分は円弧状に形成され、全体として略半球状に構成されている。
このように、風向板本体71が全体として略半球状に構成されているのは、風の流れをスムーズにするためである。
尚、本実施の形態では、中央加熱源7に効率よく冷却風を流すために、中央加熱源7の直下に風向板70が配置されているが、風向板70により中央加熱源7に冷却風を流すことができれば、中央加熱源7の下側であれば、風向板70を中央加熱源7の真下からずれた位置に配置してもよい。
右側冷却室8Rと左側冷却室8Lのそれぞれに設置された送風機30は、左右のIHコイル6LC、6RC用の回路基板とそれらコイル自体を冷却するようになっている。
送風機30の多数の回転翼30Fを囲むようにファンケース37内部には円形の送風空間が形成された送風室39が形成されている。37Cはファンケース37の一端部に形成した吹出口である。ファンケース37は吸気口である右通風口20B、左通風口20Dと連通している。
ファンケース37は、例えば2つのプラスチック製ケース37A、37Bを組み合わせてネジ等の固定具で結合されることで一体構造物として形成されている。この結合状態で冷却室8R,8Lにその上方から挿入され、適当な固定手段で移動しないように固定されている。
部品ケース34の上面部には、送風機30からの冷却風の流れる方向に沿って第1の排気口34Aと第2の排気口34Bを2個離して形成している。
第2の排気口34Bは、部品ケース34において冷却風の流れの最も下流側にあり、また第1の排気口34Aよりも大きな開口面積(数倍の大きさの開口面積)を有している。なお、図6において、Y1からY5は送風機30により吸い込まれる空気と排出される空気の流れを示すものであり、Y1,Y2・・・Y5と順次冷却風は流れていく。
部品ケース34とファンケース37とは、いわゆる冷却ユニットCUを構成しており、その冷却ユニットCUが冷却室8R、8Lに上方から挿入されて固定されている。
この冷却ダクト42は例えばプラスチックの一体成形品である上ケース42Aと、同じくプラスチックの一体成形品である下ケース42Bとを重ねてネジで固定することで、その両者の間の内部に後述する3つの通風空間42F、42G、42Hが形成される。冷却ダクト42の部品ケース34側の一側縁部は方形で、残りの外周は円形になっている。
42CAは上ケース42Aの上面の後部に複数個(例えば7個)、通風空間42Fの周壁面を構成する上ケース42Aの背面側に複数個(例えば3個:これは図5では見えない位置にある)それぞれ形成した第1の噴出孔である。第1の噴出孔42CAは、送風機30からの冷却風を、主に冷却ダクト42の真後ろと斜め後方、即ち、電源基板58,59や中央加熱源7方向に供給するために形成されている。なお、各噴出孔42CAの口径は同じにしてあり、例えば、直径8mmの真円である。
42Dは、上ケース42Aの中に一体成形で直線又は曲線上に形成したリブ形状の仕切壁で、これにより部品ケース34の排気口34Aに一端が連通下通風空間42Fが区画形成される。
42Eは、同様に上ケース42Aの中に一体に形成した平面形状がコ字状の仕切壁で、これにより部品ケース34の排気口34Bに一端が連通した通風空間42Hが区画形成される。この通風空間42Hは仕切壁の一側部に形成した連通口42Jを介して最も広い通風空間42Gに連通している(図6参照)。
これにより、部品ケース34から吐き出される冷却風は、冷却ダクト42の通風空間42Hに入り、ここから通風区間42Gに展開して第2の噴出孔42CBから噴出される。なお、42Kは上ケース42Aの通風空間42Hに対応して形成した四角形の通風口で、これは後述する液晶表示装置45R、45Lを冷却する風を出すものである。
そして、中央加熱源7の直下には風向板70が設けられているので、風向板70に向かった冷却風は風向板70の全体として略半球状の風向板本体71によって上方に案内される。
即ち、風向板70に向かった冷却風は風向板70で集められてから上方に向けられ、風向板70の直上に位置する中央加熱源7を冷却し、しかる後は、後部仕切り板28の排気孔28Aから排気室12に入り、トッププレート21の中央通風口20cから外部に排出される。
調理器本体1の左右両側の全面にプラスチック製の前面操作パネル62R、62Lが取り付けられており、この操作パネルが前面操作部60となっている。
この前面操作部60には、左右のIHコイル6、中央加熱源7及びシーズヒータ22、23の全ての電源を一斉に投入・遮断しうる主電源スイッチの操作ボタン63と、右のIHコイル6の通電とその通電量(火力)を制御する右操作ダイヤル64Rと、同じく左のIHコイル6の通電とその通電量(火力)を制御する左操作ダイヤル64Lとがそれぞれ設けられている。
下ダクト46Aの右端部と左端部にはそれぞれ通風口46R、46Lが開口しており、中央の後部には通風を許容する切欠46Cが形成されている。46Hは下ダクト46Aの一体に形成された脚部で、この下ダクト46Aを水平仕切り板25の上面に支持する役目を有している。
送風機30の冷却風は、部品ケース34の第2の排気口34Bから冷却ダクト42の通風空間42Hに入り、ここから通風空間42Hに対応して形成した通風口42Kを通して液晶表示装置45R、45Lの下方から前部部品ケース46に入り、切欠き46Cから上部部品室12に排出されるものである。
これにより、液晶表示装置45R、45L、統合液晶表示装置100ともに常に送風機30からの冷却風で冷却される。特に、部品ケース34の第2の排気口34Bからの冷却風は、誘導加熱動作時に高温になる左右のIHコイル6LC、6RCを冷却した風でないから、その温度は低く、液晶表示装置45R、45L及び統合表示装置100とともに、冷却風の風量が少ないながらも効果的に温度上昇が抑制される。
なお、図6の矢印Y5に示す冷却風の流れで、下流側になる左右のIHコイル6LC、6RCの後部位置が冷えにくいため、この実施の形態では、通風空間42Fに第1の排気口34Aから低温の風が直接供給されるようにして、当該部分を冷やすようにしている。
106はこの通気孔14Cに臨ませた補助排気用の軸流形送風機で、106Aはその回転翼、106Bはその回転翼を回転させる駆動用のモータであり、排気ダクト14に支持されている。
グリル加熱室9で調理中、そのグリル加熱室9は高温になるから、自然と内部気圧が上昇し、それに伴って高温の雰囲気が排出され、排気ダクト14を上昇してくるが、その送風機106を運転して矢印7で示すように本体部Aの内部の空気を排気ダクト14に取り入れることにより、その新鮮な空気にグリル加熱室9の高温空気は誘引され、温度が下がりながら排気ダクト14の上端部開口14Aから矢印Y8で示すように排気される。
なお、補助排気用の軸流形送風機106は、調理装置の運転中に常に運転されている訳でなく、運転されるのはグリル加熱室9で加熱調理が行われる場合である。この場合に、グリル加熱室9から排気ダクト14に高温の熱気が排出されるからである。
なお、右IHコイル6RCの形状が、空冷用空気を一部で貫通させる空隙を有している場合はその空隙にも第1の排気口34Aからの冷却風が進入し、それを貫通するように上方に流れて冷却する。
また、図8に示すように、第1の噴出孔42CAからの噴出した冷却風が中央加熱源7の側方に向かって流すようにしたのは、中央加熱源7の直下に風向板70が配置され、風向板70に達した冷却風は風向板70で集められてから上方に向けられ、風向板70の直上に位置する中央加熱源7を冷却するためである。
このように、中央加熱源7の直下に風向板70を配置したのは、中央加熱源7が通電されたときそれが非常に高温になるので、その中央加熱源7を風向板70によって冷却風を流し、中央加熱源7の冷却を促進するようにしたものである。
そして、噴出した冷却風は冷却ダクト42の空間42G、42Hの中に案内され、その大部分の冷却風は、上ケース42Aの上面に多数形成した噴き出し孔42CA、42CBから噴き出し、その真上にある右IHコイル6RCの下面に衝突してそのコイルを効果的に冷却する。
次に、この右加熱源6Rによる加熱中、グリル加熱室9のヒータ22,23に通電した場合について説明する。
ヒータ22,23を同時又は個別に通電することでグリル加熱室9内部で各種調理ができるが、この調理に伴ってグリル加熱室9の内部には高温の熱気が発生する。このためグリル加熱室9の内部圧力は自然と高まり、図7に示すように、後部の排気口9Eから排気ダクト14の中を自然と上昇していく。その過程で通電され高温になっている脱臭用触媒120によって排気中の臭い成分が分解される。
なお、このように排気ダクト14の上端部開口14Aからの排気流により、その開口14Aと隣り合っている後部排気室12の中の空気も誘引されて外部へ排出される。つまり、本体内部のグリル加熱室9と水平仕切り板25との間の空隙26の空気や上部部品室10内部の空気も一緒に後部排気室12を経由して排出される。
Claims (5)
- グリル加熱室が形成されている本体ケースと、
前記本体ケースの上面に設けられたトッププレートと、
前記本体ケース内に区画され、終端部が外部空間に通ずる排気室と、
前記本体ケース内をグリル加熱室の上面位置で上下に区画する仕切板と、
前記本体ケース内を前記グリル加熱室の右側及び左側においてそれぞれ区画され、前後方向に伸び、かつ前記グリル加熱室とは隔絶された左右の冷却室と、
前記本体ケース内で、仕切板の上方空間に配置された左右前方の2つの誘導加熱式加熱源及び中央後方の中央加熱源とを具備し、
前記各冷却室には、内部に送風機を備え外気の吸込口と吹出口とを有したファンケースと、前記ファンケースから排出される冷却風が導入されるとともに前記誘導加熱式加熱源に高周波電力を供給するインバータ回路が実装された回路基板を収容した部品ケースとを設置し、
前記部品ケースと前記中央加熱源の下方空間とを連通させる冷却ダクトを配置し、
前記冷却ダクトには、前記部品ケースから供給された冷却風を前記中央加熱源に供給する噴出孔を設け、
前記本体ケース内で、前記中央加熱源の下側に、前記冷却ダクトの噴出孔から噴出された冷却風を上方に案内する風向板を前記仕切板に設け、
前記風向板によって案内されて前記中央加熱源を冷却した後の空気を前記排気室から前記本体ケースの外部へ放出させることを特徴とする電磁誘導加熱調理器。 - 前記風向板は、手前から奥に立ち上がるように傾斜して冷却風を上方に案内する風向板本体と、風向板本体の両側部に突設された風逃げ防止リブと、風向板本体の奥に突設され、冷却風を上昇させる整流リブとで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導加熱調理器。
- 前記風向板本体の上面は全体として略半球状面に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電磁誘導加熱調理器。
- 前記冷却ダクトには、前記部品ケースから供給された冷却風を前記誘導加熱式加熱源に供給する誘導加熱式加熱源用噴出孔を設け、
前記部品ケースには、排気口、及び冷却風の流れにおいて該排気口より下流側にある下流排気口を設け、
前記誘導加熱式加熱源用噴出孔には、前記下流排気口から冷却風が供給され、
前記誘導加熱式加熱源を冷却した後の空気が前記排気室から前記本体ケースの外部へ放出されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁誘導加熱調理器。 - 前記本体ケース内で、前記仕切板の上方空間に前記誘導加熱式加熱源より後方に電源基板を配置し、
前記冷却ダクトには、前記部品ケースから供給された冷却風を前記電源基板に供給する電源基板用噴出孔を設け、
前記電源基板用噴出孔には、前記下流排気口から冷却風が供給され、
前記電源基板を冷却した後の空気を前記排気室から前記本体ケースの外部へ放出させることを特徴とする請求項4に記載の電磁誘導加熱調理器。
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