JP5288930B2 - 誘導加熱調理装置 - Google Patents
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Description
図1〜図8は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理装置を示すものであって、組込式又はビルトイン式と称される誘導加熱調理装置の例を示している。
図1は加熱調理装置全体の一部分解した状態の斜視図である。
図2はその天板部を取り外した状態での本体部全体を示す斜視図である。
図3は本体部全体の平面図である。
図4は上下仕切り板などの主要な構成部品を取り外した状態の斜視図である。
図5は図1のV−V線縦断面図である。
図6は図1のVI−VI線縦断面図である。
図7は制御回路構成図である。
図8は本体部の前方上部を示す縦断面図である。
なお、各図において同じ部分又は相当する部分には同じ符号を付している。このことは、後述の実施の形態2及び実施の形態3においても同様である。
本発明の加熱調理装置は、1つの矩形の本体部Aを備えている。この本体部Aは、通常、本体部Aの上面を構成する天板部B、本体部Aの上面以外の周囲(外郭)を構成する筐体部C、鍋や食品等を電気的エネルギー等で加熱する加熱手段D、使用者により操作される操作手段E、操作手段からの信号を受けて加熱手段を制御する制御手段F、及び加熱手段の動作条件を表示する表示手段Gを備えている。また、加熱手段Cの一部として、グリル庫又はロースターと称される電気加熱手段を備えたものもある。
加熱手段の動作条件とは、加熱するための電気的、物理的な条件を言い、通電時間、通電量、加熱温度、通電パターン(連続通電、断続通電等)等を総称したものである。
表示手段とは、特に明示のない限り、液晶(LCD)や各種発光素子(半導体発光素子の一例としてはLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)、LD(Laser Diode)の2種類がある)、有機電界発光(Electro Luminescence:EL)素子など)を含む。このため表示手段の意味には、液晶画面やEL画面等の表示画面を含んでいる。
報知手段とは、特に明示のない限り、ブザーやスピーカ等の可聴音による報知手段と、文字や記号、イラスト、あるいは可視光による報知手段とを含んでいる。
図1、図2、図4及び図5〜図8において、Aは上面全体を後述する天板部Bで覆われた本体部であり、この本体部Aは、外形形状が流し台等の厨房家具KT(図6参照)に形成した設置口K1を覆う大きさ、スペースに合わせている所定の大きさで、略正方形又は長方形に形成されている。
天板部Bは以下述べるように、上枠(枠体ともいう)20とトッププレート(上板、トップガラス、天板とも称する)21の2つの大きな部品から構成されている。上枠20は、全体が非磁性ステンレス板又はアルミ板などの金属製板から額縁状に形成され、本体ケース2の上面開口部2Aを塞ぐような大きさを有している。
本発明では加熱手段として、本体部Aの上部右側位置にある右IH加熱源6R、反対に左側にある左IH加熱源6L、本体部Aの左右中心線上で後部寄りにある輻射式中央電気加熱源7及びロースター用の上下1対の輻射式電気加熱源22,23を備えている。これら加熱源は制御手段Fにより互いに独立して通電が制御されるように構成されているが、詳細は後で図7を参照しながら述べる。
右IH加熱源6Rは、本体ケース2の内部に区画形成された前記上部部品室10内部に設置されている。そして前記トッププレート21の右側位置の下面側に、右IH加熱コイル6RCを配置している。このコイルの上端部がトッププレート21の下面に微小間隙を置いて近接しており、電磁誘導加熱源となる。この実施の形態では例えば、最大消費電力(最大火力)3KWの能力を備えたものが使用されている。右IH加熱コイル6RCは、渦巻状に0.1mm程度の細い線を30本程束にして、この束(以下、集合線という)を1本又は複数本撚りながら巻き、外形形状が円形になるようにして最終的に円盤形に成形されている。右IH加熱コイル6RCの直径(最大外径寸法)は約180mm程度である。
なお、左右IH加熱コイル6LC、6RCの下面(裏面)には、コイルからの磁束漏洩防止材として、高透磁材料、例えばフェライトで形成された板や棒が配置されているが、この実施の形態ではその図示を省略している。磁束漏洩防止材は、左右IH加熱コイル6LC、6RCの下面全体を覆う必要はなく、断面が例えば正方形又は長方形等で棒状に成形した磁束漏洩防止材を右IH加熱コイル6RCと交差するように所定間隔で複数個設ければ良い。各コイルの中心部から放射状に複数個設ければ良い。
左IH加熱源6Lは、本体部Aの左右中心線を挟んで右IH加熱源6Rと対照的な位置に設置されており、右IH加熱源6Rと同様な構成になっている。即ち、温度検出素子31Lも設置されている(図7参照)。この実施の形態では例えば、最大消費電力(最大火力)3KW又は2.5KWの能力を備えたものが使用されている。また左IH加熱コイル6LCの直径(最大外径寸法)は最大火力が3KWの場合は約180mmであり、2.5KWの場合は約170mm程度となっている。
なお、トッププレート21に表示された円(図1と図3において実線)である案内マーク6LMの位置は、左IHコイル6LCの最外周位置と完全に一致しているものではない。案内マークは適正な誘導加熱領域を示すものである。図3の破線の円が大体左IH加熱コイル6LCの最外周位置を示す。また右IH加熱コイル6RCと同様に、その中央の空間内部には赤外線式の温度検出素子(以下、赤外線センサーという)31Lが設置されている(図7参照)。
なお、以下の説明において、左右に共通に配置された部材について共有する内容については、名称における「左、右」および符号における「L、R」の記載を省略する場合がある。
7は輻射式中央電気加熱源(以下、「中央加熱源」と称す)であり(図2、図3参照)、本体部Aの内部であって、トッププレート21の左右中心線上で、かつ、トッププレート21の後部寄りの位置に配置されている。中央加熱源7は、輻射によって加熱するタイプの電気ヒータ(例えばニクロム線やハロゲンヒータ、ラジエントヒータ)が使用され、トッププレート21を通してその下方から鍋等の被加熱物を加熱するものである。そして、例えば、最大消費電力(最大火力)1.2KWの能力を備えたものが使用されている。
なお、トッププレート21に表示された円(図1と図3において実線)である案内マーク7Mの位置は、中央加熱源7の最外周位置と完全に一致しているものではない。案内マークは適正な加熱領域を示すものである。図3の破線の円が大体中央加熱源7の最外周位置を示す。
24Rは、垂直に設置されている右側の上下仕切り板であり(図2、図4参照)、筐体部Cの内部で右側冷却室8Rとグリル加熱室9間を隔絶している仕切り壁の役目となっている。24Lは、同じく左側の上下仕切り板であり、筐体部Cの内部で左側冷却室8Kとグリル加熱室9間を隔絶している仕切り壁の役目となっている(図2、図4参照)。なお、上下仕切り板24R、24Lはグリル加熱室9の外側壁面と数mm程度の間隔を保って設置されている。
25は水平仕切り板であり(図2、図5参照)、左右の上下仕切り板24L、24Rの間全体を上下2つの空間に区画する大きさを有しており、この仕切り板の上方が前記上部部品室10である。またこの水平仕切り板はグリル加熱室9の天井面と数mmから1cm程度の所定の空隙116(図6参照)を持って設置されている。
24Aは左右の上下仕切り板24L、24Rにそれぞれ形成した切欠き部で、後述する冷却ダクト42を水平に設置する際にそれと衝突しないように設けている。
26は、水平仕切り板25とグリル加熱室9との間に形成された空隙で、これは最終的に後部排気室12と連通しており、空隙26内の空気が後部排気室12を通じて本体部Aの外に誘引されて排出されるようになっている。
この実施の形態でいう送風機30は、遠心型多翼式送風機(代表的なものとしてシロッコファンがある)を使用しており(図4、図5参照)、駆動モータ300の回転軸32の先端に翼部30Fを固定したものを用いている。また送風機30は、前記右側冷却室8Rと左側冷却室8Lのそれぞれに設置され、左右IH加熱コイル6LC、6RC用の回路基板とそれらコイル自体を冷却するようになっており、詳しくは以下で説明する。
前記送風機30は、その駆動モータ31の回転軸が水平になっている、いわゆる横軸型であり、右側冷却室8Rの中に設置されたファンケース37の内部に収容されている。その送風機30の多数の翼部30Fを囲むようにファンケース37内部には円形の送風空間が形成されている。
34は、前記ファンケース37の空気吐き出し用の排気口37Cから排出される冷却風が導入されるようにファンケース37に密着状態に接続される部品ケースであり(図4、図5参照)、全体が横長長方形形状を有しているとともに、排気口37Cに連通する導入口(図示せず)、後述する第1の排気口34A及び第2の排気口34Bの3箇所の部分だけを除いた他の部分全体が密閉されている。
42は全体がプラスチックで成型された冷却ダクトであり(図4、図5参照)、プラスチックの一体成形品である上ケース42Aと、同じくプラスチックの一体成形品である下ケース42Bとを重ねてネジで固定することで、その両者の間の内部に後述する3つの通風空間42F、42G、42Hが形成される。上ケース34側の一側縁部は方形で、残りの外周は円形になっている。42Cは上ケース42Aの上面の全体に亘りその壁面を貫通するよう多数形成した噴き出し孔で、送風機30からの冷却風を噴き出すために形成されており、各噴き出し孔42Cの口径は同じにしてある。
42Dは、上ケース42Aの中に一体成型で直線又は曲線状に形成したリブ(凸条)形状の仕切り壁であり、これにより部品ケース34の排気口34Aに一端が連通した通風空間42Fが区画形成される。
さらに通風空間42Hの一側部(図4では部品ケース34に近い側)は、前記部品ケース34の第2の排気口34Bの真上になるように冷却ダクト42が設置される。これにより部品ケース34から吐き出される冷却風は、冷却ダクト42の通風空間42Hに入り、ここから通風空間42Gに展開して各噴き出し孔42Cから噴出される。42Kは上ケース42Aの通風空間42Hに対応して形成した四角形の通風口で、これは後述する液晶表示画面45R、45Lを冷却する風を出すものである。
この実施の形態における加熱調理装置の操作手段Eは、前面操作部60と上面操作部61とからなっている(図1〜図4参照)。
(前面操作部)
本体ケース2の左右両側の前面にプラスチック製の前面操作枠62R,62Lが取り付けられており、この操作枠前面が前面操作部60となっている。この前面操作部には、左IH加熱源6L、右IH加熱源6R、中央加熱源7及びグリル加熱室9の電気ヒータ22、23の全ての電源を一斉に投入・遮断する主電源スイッチ63(図2参照)の操作ボタン63Aと、右IH加熱源6Rの通電とその通電量(火力)を制御する右電源スイッチ(図示せず)の電気接点を開閉する右操作ダイアル64Rと、同じく左IH加熱源6Lの通電とその通電量(火力)を制御する左制御スイッチ(図示せず)の左操作ダイアル64Lと、がそれぞれ設けられている。
上面操作部61は、右火力設定用操作部70、左火力設定用操作部71及び中央操作部72とからなっている。
トッププレート21の上面、具体的には上枠20の前部に上面操作部61が配置されている。本体部Aの左右中心線(図3のCL)を挟んで、右側には右IH加熱源6Rの右火力設定用操作部70が、中央部には中央加熱源7及びグリル加熱室9に設置された電気ヒータ22,23の中央操作部72が、左側には左IH加熱源6Lの左火力設定用操作部71が、それぞれ配置されている。
図3において、右火力設定用操作部70には、使用者が1度押圧するだけで右IH加熱源6Rの火力を簡単に設定することができる各火力のワンタッチ設定用キー部が設けられている。例えば、弱火力キー、中火力キー、および強火力キーの3つのワンタッチキーを備えており、弱火力キーは右IH加熱源6Rの火力を300Wに設定し、中火力キーは750Wに設定し、強火力キーは2.5KWに設定する。さらに、右ワンタッチキー部の右端部に強火力キーが設けられ、右IH加熱源6Rの火力を3KWにしたい場合には、これを押圧操作する。
同様に左IH加熱源6Lの火力設定のための左火力設定用操作部71にも右火力設定用操作部70と同様なワンタッチキー群が設置されている。
中央操作部72には、図3に示されるように、グリル(ロースト)調理およびオーブン調理に用いられるグリル加熱室9のヒータ22,23の通電を開始する操作スイッチ(図示せず)の操作ボタンと、その通電を停止する操作スイッチ(図示せず)の操作ボタンが並べて設けられている。
また、中央操作部72には、ヒータ22,23によるグリル調理や左IH加熱源6L、右IH加熱源6Rによる電磁調理における制御温度を、1度ずつ加算的又は減算的に設定する温度調節スイッチ(図示せず)の操作ボタンが横一列に設けられている。また図示していないが、中央加熱源7の電源入り・切りスイッチボタンもここに設けてある。
トッププレート21の右前側で、右IH加熱源6Rと右火力設定用操作部70との間の位置に、右IH加熱源6Rの火力の大きさを表示する右火力表示ランプ101Rが設けられている。右火力表示ランプ101Rはトッププレート21を介して(透過させて)その下面から表示光を上面側に放つようにトッププレート21の下面近傍に設けられている。
同様に、左IH加熱源6Lの火力の大きさを表示する左火力表示ランプ101Lが、トッププレート21の左前側で、左IH加熱源6Lと左火力設定用操作部22との間の位置に設けられ、トッププレート21を介して(透過させて)その下面から表示光を上面側に放つようにトッププレート21の下面近傍に設けられている。
統合表示手段100が、トッププレート21の左右方向の中央部で、前後方向の前側に設けられている。この統合表示手段は液晶パネルを主体に構成され、トッププレート21を介して(透過させて)その下面から表示光を上面側に放つようにトッププレート21の下面近傍に設けられている。
(1) 左右IH加熱源6L、6Rの機能(調理動作中であるかどうか等)
(2) 中央加熱源7の機能(調理中であるかどうか等)
(3) グリル加熱室9での調理の場合には、その加熱調理を行う場合の操作手順や機能(例えば、現在ロースター、グリル、オーブンの調理の何れが行われているかどうか)
の3つの場面に対応して、動作状況や火力等の加熱条件が、文字やイラスト、グラフなどによって明瞭に表示されるものである。具体的な構造と表示動作について省略する。
(1)左IH加熱源6Lの対応エリア(火力と時間で各1個)。
(2)中央加熱源7の対応エリア(火力と時間で各1個)。
(3)右IH加熱源6Rの対応エリア(火力と時間で各1個)。
(4)グリル加熱室9の調理用(火力と時間で各1個)。
(5) 各種調理における参考情報を随時又は使用者の操作で表示するガイドエリア(1個)。
(6) 異常運転検知時又は不適正操作使用時に使用者に報知する表示エリア(1個)。
グリル加熱室9の前面開口9Aはドア13によって開閉自在に覆われ、ドア13は前後方向に移動自在になるようグリル加熱室9に支持機構(図示せず)によって保持されている。また、ドア13の中央開口部13Aには耐熱ガラス製の窓板が設置され、グリル加熱室9の内部が外側から視認できるようになっている。13Bはドア13を開閉操作するために前方に突出した取っ手である。
14はその排気口9Eの外側に連続するように設置した金属製排気ダクトであり、この排気ダクトは流路断面が正方形又は長方形であり、図6に示すように途中から下流側に行くに従って斜め上方に傾斜し、その後垂直方向に曲がり、最終的には上端部開口14Aが上枠20に形成した中央通風口20C近傍まで連通している。
120は排気ダクト14の内部で、排気口9Eの下流側位置に設置された脱臭用触媒で、触媒ヒータ(図示せず)により加熱されることで活性化し、排気ダクト14を通るグリル加熱室9内部の熱気から臭気成分を除去する働きをする。
前記した通り、上枠20の後部には横に長く右通風口(吸気口になる)20B、中央通風口(排気口になる)20C、左通風口20Dがそれぞれ形成されている。これら3つの後部通風口の上には、上方全体を覆うように全体に亘り無数の小さな連通孔が形成された金属製平板状のカバー130(図1参照)が着脱自在に載せられている。カバーは金属板に連通孔用の小孔をプレス加工で形成したもの(パンチングメタルとも言う)の他に、金網や細かい格子状のものでも良い。何れにしても上方から使用者の指や異物等が各通風口20B、20C、20Dに入らないようなものであれば良い。
図4において、46は内部に前記上面操作部61の各種電気・電子部品56や誘導加熱調理時の火力を光で表示する発光素子(LED)57などが取付基板58上に固定されて収容された前部部品ケースで、上面が開放した透明プラスチック製の下ダクト46Aと、この下ダクトの上面開口を塞ぐように密閉する蓋となる透明プラスチック製の上ダクト46Bとから構成されている。下ダクト46Aの右端部と左端部にはそれぞれ通風口46R、46Lが開口しており、また中央の後部には通風を許容する切欠き46Cが形成されている。46Hは下ダクト46Aの下面に一体に形成された脚部で、この下ダクト46Aを水平仕切り板25の上面に支持する役目を有している。なお、この脚部を下ダクト46Aの下面に長く連続して形成し、冷却風の案内板を兼用するようにしても良いが、この実施の形態では下ダクト46Aと水平仕切り板25との間には、積極的に冷却風を流さないので、前記脚部46Hは数箇所点在しているだけである。
図6に示すように、排気ダクト14の脱臭用触媒120より下流側に、一段階下方へ凹ませた形状の筒形底部14Bが形成されている。14Cはこの底部14Bに形成された通気孔である。106はこの通気孔に臨ませた補助排気用の軸流形送風機で、106Aはその回転翼、106Bはその回転翼106Aを回転させる駆動用のモータであり、排気ダクト14に支持されている。グリル加熱室9で調理中、そのグリル加熱室9は高温になるから自然と内部気圧が上昇し、それに伴って高温の雰囲気が排出され、排気ダクト14を上昇してくるが、その送風機106を運転して矢印Y7で示すように本体部Aの内部の空気を排気ダクト14に取り入れることにより、その新鮮な空気にグリル加熱室9の高温空気は誘引され、温度が下がりながら排気ダクト14の上端部開口14Aから矢印Y8で示すように排気される。なお、補助排気用の軸流形送風機106は、調理装置の運転中に常に運転されている訳ではなく、運転されるのはグリル加熱室9で加熱調理が行われる場合である。この場合にはグリル加熱室9から排気ダクト14に高温の熱気が排出されるからである。また、この図5におけるY7、Y8の空気の流れと、図5におけるY1〜Y5の空気の流れとは全く関連しておらず、また連続した流れでもない。
(制御回路)
図7は、この調理装置の制御回路の全体を示す構成要素図であり、該制御回路は、1つ又は複数のマイクロコンピュータを内蔵して構成されている通電制御回路200によって形成されている。通電制御回路200は、入力部201と、出力部202と、記憶部203と、演算制御部204と、の4つの部分から構成され、定電圧回路(図示せず)を介して直流電源が供給されて、全ての加熱源と表示手段Gを制御する中心的な制御手段の役目を果たすものである。図7において、100V又は200V電圧の商用電源に対し、整流回路(整流ブリッジ回路ともいう)221を介して右IH加熱源6R用のインバータ回路210Rが接続されている。
同様に左IH加熱源6Lのインバータ回路210Lは、右加熱源回路206Rと同等の回路構成であるので説明は省略するが、6LCは右IH加熱コイル、224Lは共振コンデンサである。
一方、被加熱物Nがアルミや銅などの高電気導電率の材料で作られている場合には、所望の加熱出力を得るために加熱コイル6RC、6LCに大電流を流して被加熱物Nの底面に大きな電流を誘起させる必要がある。そのため高電気導電率の材料で作られている被加熱物Nの場合は、60〜70KHzの駆動周波数でオン・オフ制御することを行っている。
図7において、240は温度検出回路で、これには以下の各温度検出素子からの温度検出情報が入力される。
(1) 右IH加熱コイル6RCの中央部に設けた前記温度検出素子31R
(2) 左IH加熱コイル6LCの中央部に設けた前記温度検出素子31L
(3) 中央加熱源7の電気ヒータ近傍に設けた温度検出素子241
(4) グリル加熱室9の庫内温度検出用温度検出素子242
(5) 統合表示手段100の近傍に設置した温度検出素子243
(6) 部品ケース34の内部の2つの放熱フィン43A、43Bに密着して取り付けられ、それら2つの放熱フィンの温度を個別に検出する温度検出素子244、245。
図8に示すように上面操作部61は、本体ケース2の上面開口2Aの前端部に固定されている金属板製の前部フランジ板2Bのフランジ2T上方に位置している。また図8に示すように上面操作部61は、樹脂製の基板ケース250と、この基板ケースの上面に取り付けられた多数個の押圧操作式のスイッチ251、電子部品素子252等が実装された基板253と、前記スイッチ251の上方を覆うように設けられ、押しボタン254Aを有する押しボタンケース254と、この押しボタンケースの上方を覆うように外周縁部が前枠体123に密着状態に貼られたメンブレンシート255とを有している。
前記基板ケース250は、トッププレート21の横幅方向に長く形成されており、その基板ケースの後縁に沿って平板状の垂下部259を一体に形成している。この垂下部は前記支持片256R、256Lの間に挿入されて上下動可能に支持されている。
次に、上記の構成からなる加熱調理装置の動作の概要を説明する。
電源投入した場合、その投入から調理準備開始までの基本動作プログラムが、通電制御回路200の内部にある記憶部203に格納されている。
まず電源プラグを200Vの商用電源に接続し、主電源スイッチ63の操作ボタン63A(図2参照)を押して電源を投入する。
以上のようにして通電制御回路200には、主要な構成部分の回路電流や電圧、温度などのデータが集まるので、調理前の異常監視制御として、異常加熱判定を行う。例えば、統合表示手段100の液晶基板周辺の温度がその液晶表示基板の耐熱温度(例えば70℃)よりも高い場合は、異常高温と判定する。
次に、調理前異常監視処理を終えたあとに調理モードに移行した場合について、右IH加熱源6Rを使用した場合を例にして説明する。
まず、前面操作部60の右操作ダイアル64Rを右か左へ回す(回した量に応じて火力が設定される)。
次に、通電制御回路200が駆動回路228を駆動し、右IH加熱源回路210Rを駆動する。また統合表示手段100が駆動回路215によって駆動されるので、その表示エリアには火力や調理時間などの調理条件が表示される。
駆動回路228はIGBT225のゲートに駆動電圧を印加するので、右IH加熱コイル6RCに高周波電流が流れる。これにより右IH加熱コイル6RCからの高周波磁束により被加熱物Nの鍋が高温になり、電磁誘導加熱調理動作(調理モード)に入る。
この運転継続時間は、通電停止までの温度上昇の様子や室内気温、加熱源の運転火力大小等の条件に対応して通電制御回路200が予め決められた算式や数値テーブルから決定する。
また、使用した高温のてんぷら鍋がそのままトッププレート21の中央部上に置かれている場合もその高温の鍋(200℃近くある)からの熱を受ける。
そこで、この実施の形態1では、統合表示手段100の温度上昇を抑制するため送風機30により左右両側から空冷している。
排気口37Cの前方位置にはファンケース37に密着状態に接続される部品ケース34があり、空気導入口をその排気口37Cに密着状態で連通させているから、排気口37Cから部品ケース34の内部は、その内部気圧(静圧)を上昇させるように送風機30から空気が送り込まれる。その送り込まれた冷却風の一部は、部品ケース34の上面部で排気口37Cに近い側にある第1の排気口34Aから空気が放出される。
この放出された空気の温度は、途中で高温の発熱体や発熱性電気部品などを冷却していないから、排気口37Cから出た直後の温度と殆ど同じであり、新鮮な空気のままである。
一方、部品ケース34の内部に送風機30から圧力を持って送り込まれた冷却風は、回路基板41の表面に向けられず、また表面近くを流れる訳ではない。冷却風は回路基板41の表面(一側面)に突出した構造物となっている放熱フィン43A、43Bの部分を中心に多数の熱交換フィン素子間を通るから、放熱フィン43A,43Bが主に冷却される。
冷却ダクトの空間42Hの中に案内された冷却風の一部は、各種電気・電子部品56や誘導加熱調理時の火力を光で表示する発光素子(LED)57などが収容された前部部品ケース46の中に導かれる。具体的には、前記送風機30の冷却風は、前記部品ケース34の第2の排気口34Bから冷却ダクト42の通風空間42Hに入り、ここから通風空間42Hに対応して形成した冷却ダクト42の通風口42Kを通り、その通風口42Kの真上に密着するように位置している下ダクト46Aの通風口46R、46Lに入る。
ヒータ22,23を同時又は個別に通電することでグリル加熱室9内部で各種調理ができるが、この調理に伴ってグリル加熱室9の内部には高温の熱気が発生する。このためグリル加熱室9の内部圧力は自然と高まり、後部の排気口9Eから排気ダクト14の中を自然と上昇していく。その過程で駆動用ヒータ駆動回路214によりヒータ121に通電され高温になっている脱臭用触媒120によって排気中の臭い成分が分解される。
一方、排気ダクト14の途中には補助排気用の軸流形送風機106が設けてあるため、排気ダクト14を上昇してくる熱気に対し、その送風機106を運転して矢印Y7で示すように本体部Aの内部の空気を排気ダクト14に取り入れることにより、その新鮮な空気にグリル加熱室9の高温空気は誘引され、温度が下がりながら排気ダクト14の上端部開口14Aから矢印Y8で示すように排気される。
なお、このように排気ダクト14の上端部開口14Aからの排気流により、その開口14Aと隣り合っている後部排気室12の中の空気も誘引されて外部へ排出される。つまり、本体内部のグリル加熱室9と水平仕切り板25との間の空隙26の空気や上部部品室10内部の空気も一緒に後部排気室12を経由して排出される。
図9〜図14は本発明の実施の形態2に係る加熱調理装置を示すものである。図9は全体の平面図、図10はその送風機と部品ケース部分の縦断面図、図11は同じく送風機と部品ケース部分の横断面図、図12は図10のXII−XIIにおける断面図、図13は部品ケースと冷却ダクトの一部破断状態で示す主要部の斜視図、図14は部品ケースとファンケースの結合状態における側面図である。なお、各図において実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、相違点を中心に説明する。
そして前記ファンケース37と部品ケース34との間の送風室に、送風機30の回転翼部30Fを内蔵させ、この回転翼部30Fで発生した冷却風を前記部品ケース34の中に導入し、この導入された冷却風を部品ケース34で分岐し、IH加熱源の加熱コイル6RC、6LCに向けて噴き出すようにしたものである。
そしてこの上下仕切り板24Rの右側で本体ケース2の内側壁面(右側壁面)との間が右側の冷却室8Rになり、上下仕切り板24Rの左側で本体ケース2の内側壁面(左側壁面)との間が左冷却室8Lになっている。
つまり、上下仕切り板24R、24Lにより、左右それぞれの冷却室8L,8Rはグリル加熱室9と隔絶された状態になっている。
前記左右それぞれの冷却室8L,8Rの中には、左右別々の冷却ユニットCUが上方から挿入されて設置されている。その設置状態では、冷却ユニットCUの側面とグリル加熱室9の外壁面との間には、対向間隔が数mm程度の空隙116が確保され、また冷却ユニットCUの反対側の側面と本体ケース2の内側側壁面との間にも、対向間隔が数mmかそれよりも更に狭い空隙117が確保されるようになっている。つまり、この冷却ユニットCUは左右の冷却室8L,8Rの横幅一杯に近い横幅寸法を有し、冷却室8L,8Rの有効スペース一杯に及ぶように密着状態に近い状態で設置されている。なお、空隙118と116は、高温になるグリル加熱室9の熱がその壁面から放射されることを想定して、その熱的影響が左右の冷却室8L,8Rに少なくなるように工夫した構造の一つである。
図9において、X2は右IH加熱コイル6RCの中心点を示し、X3は同じく左IH加熱コイル6RLの中心点を示している。この図9から明らかなように、右IH加熱コイル6RCと左IH加熱コイル6LCは、直径の大きな鍋でも加熱できるように可能な限り相互間隔を大きくしている関係で、左右それぞれの冷却室8L,8Rの上方空間にも外周縁部が一部張り出すような位置関係になっている。同様に冷却ダクトも、左右それぞれの冷却室8L,8Rの上方空間にも外周縁部が一部張り出すような位置関係になっている。
58は上部部品室10の右奥隅にあって一部は右側の冷却室8Rの上方に張り出す形になっている電源基板Aであり、この基板に対し本体ケース2の背面下部から100V又は200Vの商用電源が引き込まれている。この電源基板Aには例えば商用電源を整流する整流ブリッジ回路221のための各種電気部品群が実装されている。
59は上部部品室10の左奥隅にあって一部は左側冷却室8Lの上方に張り出す形になっている電源基板Bであり、この基板は中央加熱源7とグリル加熱室9のヒータ22,23に電源を供給するものであり、前記電源基板Aから電力が供給され、加熱容量(火力)制御のための各種電気部品等が実装されている。
ファンケース40は、十分な開口面積を有する吸い込み口37Bが上端に形成され、そこから垂直に下方に伸びた吸い込み筒37Aと、この吸い込み筒の末端に連続し吸引した風の流れを回転させながら前記翼部30Fに変換する案内筒部40Aとを有しており、この案内筒部の中心部には周囲の壁面から中心部に向かって4本の腕部40Bが突設され、その腕部40Bの先端部にモータ300が固定されている。
38Aはファンケース37のリブ38で形成した喉部であり、前記ファンケース40もこの喉部を含めてリブ38に密着するような壁を対向面に連続して形成している。
またファンケース40にも舌部40Fや取付部40Gが形成され、これらをネジSC2でそれぞれ前記ファンケース37に締め付けて2つのファンケース37、40相互を結合している。
一体化された部品ケース34とファンケース37との間には排気口37Cを介して送風室39に連通した横長長方形形状の密閉空間が形成される。但し、第1の排気口34A及び第2の排気口34Bの3箇所だけは例外的に外部と連通部分として機能し、これら排気口34A、34Bから冷却風が強制的に(大気圧より高い圧力で)排出される。
40Cは、ファンケース37の排気口37Cに対応して前記ファンケース40に形成した傾斜案内部であり、送風室39で発生した風を部品ケース34の内側へ案内するものである。
十分な圧力と風量を確保するためには、前記第1の排気口34Aと、第2の排気口34Bの開口面積合計に比べて前記吸い込み口37Bの開口面積を十分大きく採る必要があるが、また翼部30Fの直径やその厚さも大きくする必要がある。しかし部品ケース34の厚さは送風室39等の厚さよりも小さくできるから、排気口37Cから部品ケース34に風が入る入口部分で前記傾斜案内部40Cが送風を円滑に流れるよう案内している。つまり図12に示すように排気口37Cの始めの部分ではその通路の幅はH5にせざるを得ないので、下流に行くに従いその寸法H5が小さくなるように傾斜案内部40Cがある。
223は、図7の回路図に示したような平滑化コンデンサ、224は、共振コンデンサ224であり、このような背の高い電気部品は図11に示すように、回路基板41からの高さ寸法S3を極力薄いものにしている部品ケース34では、その内壁面との間隙S2が小さくなる可能性があるので、これら部品を図10に示すように風を案内する方向に全て角度Θ2だけ傾斜させることで整列させて、第2の排気口34Bへ風が円滑に流れるようにしている。因みにこの実施の形態では例えば、S3は45mm、S2は25mmである。
このような構成において送風機30を駆動した場合について述べる。なおこの場合、左IH加熱コイル6LCが誘導加熱中であるものとする。
まず本体1の外部の空気が(左側冷却室8Lの)ファンケース37の吸い込み筒37Aの吸い込み口37Bからファンケース37の内部に吸引される。吸引された空気はファンケース37の内部で高速回転している翼部30Fにより排気口(出口)37Cから水平方向より所定角度上に向けて勢い良く送り出される。排気口37Cから見た前方位置にはファンケース37に密着状態に接続される部品ケース34があり、空気導入口をその排気口37Cに連通させているから、排気口37Cから送風機30で送り込まれた空気により、部品ケース34の内部気圧(静圧)は上昇する。
この実施の形態2では、以上のように、冷却風の吐き出し流の中心部が回路基板41の表面やその表面近くにならないようにしており、冷却風の吐き出し流の中心部は放熱フィン43A、43Bの非取付部側端部の方にあるから(図11参照)、長期間の使用により台所などの室内空間からの空気に含まれた油煙や埃が冷却風とともに回路基板41の表面や実装された小型電子部品等の周囲や端子部に付着・堆積する可能性を低く抑えることができ、長年の使用により、回路基板41に油煙や埃等の堆積物が溜まり、それが湿気を吸収して回路基板の電気絶縁性が低下することを防止できる。
そして第1の排気口34Aから冷却ダクト42に送りこまれた冷却用空気は、噴き出し孔42Cから図13の矢印WF2で示すように上方へ噴出し、真上にある右IH加熱コイル6RCの下面に衝突してそのコイルを効果的に冷却する。なお、右IH加熱コイル6RCの形状が、空冷用空気を一部で貫通させる空隙(貫通孔)を有している場合はその空隙にも第1の排気口34Aからの冷却風が貫通するように流れて冷却する。
さらに、排気口37Cから押し込まれた冷却風の中で、最も速度が速い部分である本流は図10に矢印Y4Aで示すように排気口37Cから前方に一直線状に流れ、部品ケース34において冷却風の流れの最も下流側位置にある第2の排気口34Bから噴出される。この第2の排気口34Bは第1の排気口34Aよりも数倍大きな開口面積を有しているため、排気口37Cから部品ケース34に押し込まれた冷却風の大部分はこの第2の排気口34Bから噴出するものである。
なお、冷却ダクトの空間42Hの中に案内された冷却風の一部は、各種電気・電子部品56や誘導加熱調理時の火力を光で表示する発光素子(LED)57などが収容された前部部品ケース46の中に導かれる。具体的には、前記送風機30の冷却風は、前記部品ケース34の第2の排気口34Bから冷却ダクト42の通風空間42Hに入り、ここから通風空間42Hに対応して形成した冷却ダクト42の通風口42Kを通り、その通風口42Kの真上に密着するように位置している下ダクト46Aの通風口46R、46Lに入る。これにより前部部品ケース46に入った冷却風でまず液晶表示画面(液晶表示部)45R、45Lが下方から冷却されるとともに、その後前部部品ケース46内を流れて最後に切欠き46Cから上部部品室10に排出される過程で順次内蔵部品等を冷却して行くものである。これにより液晶表示部45R、45L、統合表示装置100、各種電気・電子部品56や誘導加熱調理時の火力を光で表示する発光素子57等は順次冷却風で冷却される。特にこの前部部品ケース46の中に案内された冷却風は、誘導加熱動作で高温になっている左IH加熱コイル6LCを冷却した風でないから、その温度は低く、液晶表示部45R、45L及び統合表示装置100などは、冷却風の風量が少ないながらも効果的に温度上昇が抑制されるように冷却され続ける。
図15〜図19は本発明の実施の形態3に係る加熱調理装置を示すもので、図15は天板部を外した状態での全体の斜視図、図16はその縦断面図、図17はその冷却ユニットCUと冷却ダクトを中心に示す縦断面図、図18は部品ケースとファンケースの一部破談状態斜視図、図19は全体の縦断面図である。なお、各図において実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し相違点を中心に説明する。
(ア)インバータ回路を構成する回路基板21をファンケース37側に収容している。
(イ)送風機30の翼部30Fとモータ300は前記ファンケース37に収容されている。
(ウ)ファンケース37は吸い込み筒37Aが天板部Bの上枠20の近くまで上方に伸びていない。
(エ)吸い込み筒の代わりに、冷却室8R、8Lを外部と仕切るための上部仕切り壁301と下部仕切り壁302を設け、吸い込み口37Bの吸い込み風路を、本体ケース2の胴部背面壁2U、胴部側面壁2V、傾斜面2S、上部仕切り壁301及び下部仕切り壁302の5者で形成している。
(オ)インバータ回路を構成する回路基板21は、本体ケース2の両側壁面に近い側に配置せず、グリル加熱室9の側壁面に近い側に配置している。
(カ)ファンケース37の上面には、第1の排気口34A、第2の排気口34Bに加え、更に冷却風の下流側位置第3の排気口34Dを形成している。
(キ)冷却ダクト42に供給し、右IH加熱コイル6RCを冷却した後の冷却風の一部を、グリル加熱室9と上下仕切り板25との間に形成した間隙114に逃がし、この間隙を通じて最終的には後部排気室12から本体部Aの外へ排気させる。
(ク)冷却ユニットCUには、箱型容器状の部品ケースはなく、代わりに平板状の蓋板340を有し、内側に送風室39が形成されるように一体成形で製作されたファンケース37の側面全体を覆っている(吸い込み口37B、吸い込み筒37Aの一壁面もこの蓋板で構成している)。
(ケ)左右仕切り板24R,24Lは図16に示すように上枠20の下面に接する程の高さを有し、左右の冷却室8R、8Lと上部部品室10を隔絶しているが、上面操作部61や統合表示手段100、液晶表示画面45R、45L等を冷却するための風を導入する窓303を形成している。この窓には部品ケース46に冷却風を案内するガイド筒(図示せず)が貫通しており、このガイド筒を介して送風室39から部品ケース46の内部又はその周囲に冷却風が案内される。
(コ)水平仕切り板25の後端縁に、切欠き308を形成し、水平仕切り板25の上方空間である上部部品室10を後部で後部排気室12に連通させている。
左IH加熱コイル6LCが誘導加熱中であるものとすると、送風機30から冷却ダクト42に供給し、左IH加熱コイル6LCを冷却した後の冷却風の一部は、グリル加熱室9と上下仕切り板25との間に形成した間隙114に逃がすために、冷却ダクト42の通風空間42Hの底壁面、つまり下ケース42Bには直径数mm程度の透孔305が数個点在するように形成され、水平仕切り板25には前記透孔305に対応する位置に同様な大きさの透孔306を形成している。
図20及び図21は本発明の実施の形態4を示すもので、図20は部品ケースとファンケースの結合状態における側面図、図21は部品ケースの要部縦断面図である。
この実施の形態4では、トッププレート21の上方で調理中又は掃除中等に使用者が誤って水の容器を倒したようなケースを想定し、その場合、冷却ユニットCUの内部に、その吸気筒37Bの部分から液体が浸入した事態を想定して対処できる工夫をしたものである。
第1段の排水構造は前記ファンケース37の送風室39に至る吸い込み風路の底面にあり、第2段の排水構造は前記部品ケース34かファンケース37の底部にある。
53は、部品ケース又はファンケースの一方又は両方の対応する底壁面に所定の大きさで形成した水抜き用貫通孔で、この貫通孔の直上位置には、比重が1より小さい物質、例えばゴムやプラスチック等で軽量に又は中空構造に形成された弁兼用フロート54を設け、このフロートの自重で上方から前記貫通孔53に蓋をした状態にしてある。フロート54の表面は撥水処理をして水切れを良くしてある。
86は水受け皿84の底部に取り付けた複数個のローラーで、水受け皿84を前方に引き出して取り出す際の車輪になる。
すると、その水の浸入によってフロート54が自然に浮き上がり、これにより貫通孔53が開放されるから、浸入した水は下部にある水受け皿84の中に流れ出る。なお、放熱フィン43A下端は部品ケース34の最低部底面から間隙H2(この例では35mm)離れており、また回路基板41の導電部分は、部品ケース34の最低部底面から一定の距離、例えば最低30mm上方へ離れているので、例え500cc程度の水が流れ込んだとしても、その浸入した水等が回路基板41や放熱フィンなどの導電部や電気部品の端子部に接することはなく、浸入した水等で回路基板41の絶縁部が短絡(ショート)するという危険性はない。水滴程度の水が残っても送風機30の運転が行われている間に自然と乾燥して消滅する。
SC2 ネジ、SP スペース、PK シール材、WL 水位。
2 本体ケース、2A 胴部、2B フランジ板、2S 傾斜面、2T 前部フランジ板2Bのフランジ、2U 胴部背面壁、2V 胴部側面壁、3B フランジ、3L フランジ、3R フランジ、6L 左IH加熱源、6LC 左IH加熱コイル、6LM 案内マーク、6R 右IH加熱源、6RC 右IH加熱コイル、6RM 案内マーク、7 輻射式中央電気加熱源(ヒータ)、7M 案内マーク、8R 右側冷却室、8L 左側冷却室、9 グリル加熱室、9A 前面開口、9C 内枠、9D 外枠、9E 排気口
10 上部部品室、12 後部排気室、13 ドア、13B 取っ手、14 排気ダクト、14A 上端部開口、14B 筒形底部、14C 通気孔、20 上枠、20A 開口部、20B 右通風口、20C 中央通風口、20D 左通風口、20E 透孔、21 トッププレート、22 輻射式電気加熱源(ヒータ)、23 輻射式電気加熱源(ヒータ)、24A 切欠き部、24R 右側の上下仕切り板、24L 左側の上下仕切り板、
25 水平仕切り板、26 空隙、28 後部仕切り板、28A 排気穴、30 送風機、30F 翼部、31R 赤外線センサー、31L 赤外線センサー、32 回転軸、
33 電源・駆動回路。
34 部品ケース、34A 第1の排気口、34B 第2の排気口、34C 凹み部、
37 ファンケース、37A 吸い込み筒、37B 吸い込み口、37C 排気口、37D ケース、37E ケース、37F 舌部、37G 側部、37K 曲面部、38 リブ、39 送風室、40 ファンケース、40A 案内筒部、40B 腕部、40C 傾斜案内部、40F 舌部、41 回路基板、42 冷却ダクト、42A 上ケース、
42B 下ケース、42C 噴き出し孔、42D 仕切り壁、42E 仕切り壁、
42F 通風空間、42G 通風空間、42H 通風空間、42J 穴、43A 放熱フィン、43B 放熱フィン、45R 液晶表示画面、45L 液晶表示画面、46 部品ケース、46A 下ダクト、46B 上ダクト、46C 切欠き、46H 脚部、46R 通風口、46L 通風口、50 カバー。
51 窪み部、52 貫通孔、53 貫通孔、54 フロート。
56 電気・電子部品、57 発光素子(LED)、58 電源基板、59 電源基板、60 前面操作部、61 上面操作部、62R 前面操作枠、62L 前面操作枠、63 主電源スイッチ、64R 右操作ダイアル、64L 左操作ダイアル、66R 右表示灯、66L 左表示灯、70 右火力設定用操作部、71 左火力設定用操作部、72 中央操作部。
80 案内棒、81 支持板、83 ストッパー、84 水受け皿、85 間隙、86 ローラー。
100 統合表示手段、101R 右火力表示ランプ、101L 左火力表示ランプ、108 受け皿、109 焼き網、113 間隙、114 間隙、115 間隙、116 空隙、120 脱臭用触媒、121 後枠体、123 前枠体、123A 透孔、130 カバー。
200 通電制御回路、201 入力部、202 出力部、203 記憶部、204 演算制御部。
205 整流回路(整流ブリッジ回路)、210R 右IH加熱源のインバータ回路、
210L 左IH加熱源のインバータ回路、211 中央加熱源7のヒータ駆動回路、
212 グリル加熱室9の庫内加熱用ヒータ22を駆動するヒータ駆動回路、
213 グリル加熱室9の庫内加熱用ヒータ23を駆動するヒータ駆動回路、
214 触媒ヒータ121の駆動用ヒータ駆動回路、215 統合表示手段100の液晶画面駆動回路、221 整流ブリッジ回路、222 コイル、223 平滑化コンデンサ、224 共振コンデンサ、225 スイッチング手段(IGBT)、226 フライホイールダイオード、227 電流検出センサー、228 駆動回路、231 駆動回路、
240 温度検出回路、241 温度検出素子(温度センサー)、242 温度検出素子(温度センサー)、243 温度検出素子(温度センサー)、244 温度検出素子(温度センサー)、245 温度検出素子(温度センサー)、250 基板ケース、251 スイッチ、252 電子部品素子、253 基板、254 押しボタンケース、
254A 押しボタン、254B 押しボタン支持片、255 メンブレンシート、256L 支持片、256R 支持片、257 弾性体、259 垂下部、260 部品、262 端子用凹み部、263 端子、264 コード、265 コネクタ、266 底部。
300 駆動用モータ、301 上部仕切り壁、302 下部仕切り壁、304 仕切り壁、305 透孔、306 透孔、307 空隙、308 切欠き、340 蓋板。
Claims (14)
- 本体と、
前記本体の上面を覆うトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された複数の誘導加熱式加熱源と、
前記誘導加熱式加熱源に高周波電力を供給するインバータ回路が実装された回路基板と、
前記本体内部空間に冷却風を供給する送風手段と、
前記本体の誘導加熱式加熱源の下方に内蔵されたグリル加熱室と、
を具備した誘導加熱調理器において、
前記本体の内部には、前記グリル加熱室の右側及び左側空間において前後方向に伸び、かつ前記グリル加熱室とはそれぞれ隔絶された冷却室をそれぞれ形成し、
各冷却室には、内部に送風手段を備えたファンケースと、前記回路基板を収容した部品ケースとを直列に配置し、前記ファンケースの排気口から排出される冷却風を前記部品ケースに導入し、
前記部品ケースは、その上部に排気口を有し、
前記排気口は第1の排気口及び第2の排気口からなり、前記第1の排気口は、平面視において前記回路基板よりも上流側に形成され、前記第2の排気口は平面視において前記回路基板よりも下流側に形成され、
前記誘導加熱式加熱源の各加熱コイル部下方には、そのコイルに向けて冷却風を噴き出すための噴き出し孔が上面に形成された冷却ダクトを配置し、
前記冷却ダクトは、その端部が前記部品ケースを覆うようにして配置され、前記冷却ダクトの冷却風導入口を前記部品ケースの排気口に連通させ、
前記冷却ダクトは、その内部に、前記第1の排気口の通風空間と前記第2の排気口の通風空間とを区画するための仕切り壁が設けられている
ことを特徴とする誘導加熱調理装置。 - 前記ファンケースと前記部品ケースとは連結させて一体化構造物にしていることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理装置。
- 前記部品ケースの排気口は冷却風の流れる方向に沿って複数個形成され、上流側の排気口と下流側の排気口からそれぞれ前記冷却ダクトの所定位置に冷却風を導入するようにしていることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理装置。
- 前記部品ケースは箱型形状に形成され、その部品ケーシングの側面下部に前記ファンケースの排気口が接続され、前記部品ケースの上面に所定間隔離れた位置で、かつ冷却風の流れる方向に沿って前記排気口を複数個形成していることを特徴とする請求項3記載の誘導加熱調理装置。
- 本体と、
前記本体の上面を覆うトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された複数の誘導加熱式加熱源と、
前記誘導加熱式加熱源に高周波電力を供給するインバータ回路が実装された回路基板と、
前記本体内部空間に冷却風を供給する送風手段と、
前記本体の誘導加熱式加熱源の下方に内蔵されたグリル加熱室と、
を具備した誘導加熱調理器において、
前記本体の内部には、前記グリル加熱室の右側及び左側空間において前後方向に伸び、かつ前記グリル加熱室とは隔絶された冷却室をそれぞれ形成し、
各冷却室には、前記回路基板を収容した部品ケースと、この部品ケースに結合され、これとの間に前記送風手段の送風室を形成するファンケースとを備えた冷却ユニットを配置し、
前記送風室の排気口から排出される冷却風を部品ケースに導入し、
前記部品ケースは、その上部に排気口を有し、
前記排気口は第1の排気口及び第2の排気口からなり、前記第1の排気口は、平面視において前記回路基板よりも上流側に形成され、前記第2の排気口は平面視において前記回路基板よりも下流側に形成され、
前記部品ケースの内部には、前記第1の排気口の通風空間と前記第2の排気口の通風空間とを区画するための仕切り壁が設けられており、
前記誘導加熱式加熱源の各加熱コイル部下方には、そのコイルに向けて冷却風を噴き出すための噴き出し孔が上面に形成された冷却ダクトを配置し、
前記冷却ダクトは、その端部が前記部品ケースを覆うようにして配置され、前記冷却ダクトの冷却風導入口を前記部品ケースの排気口に連通させ、
前記冷却ダクトは、その内部に、前記第1の排気口の通風空間と前記第2の排気口の通風空間とを区画するための仕切り壁が設けられている
ことを特徴とする誘導加熱調理装置。 - 前記部品ケースは、前記回路基板を収容し一面が開口したケースと、このケースの前記開口を覆うように取り付けられ、前記ファンケースとの間に前記送風室を形成する第2のケースとを備えていることを特徴とする請求項5記載の誘導加熱調理装置。
- 前記部品ケースの排気口は冷却風の流れる方向に沿って複数個形成され、上流側の排気口と下流側の排気口からそれぞれ前記冷却ダクトの所定位置に冷却風を導入するようにしていることを特徴とする請求項5記載の誘導加熱調理装置。
- 前記部品ケースは箱型形状に形成され、この部品ケースの一部には、前記ファンケースとの間の空間が遠心式送風機の回転翼を囲む送風室を形成するリブを一体に形成していることを特徴とする請求項7記載の誘導加熱調理装置。
- 前記ファンケースの外気吸い込み口は、前記本体の後方上面近傍まで延びていることを特徴とする請求項1又は5記載の誘導加熱調理装置。
- 前記冷却ダクトは内部が複数の通路に区画され、その区画毎に噴き出し孔を形成していることを特徴とする請求項1又は5記載の誘導加熱調理装置。
- 前記グリル加熱室と冷却室との間は、金属又は断熱性材料からなる左右仕切り板で隔絶していることを特徴とする請求項1又は5記載の誘導加熱調理装置。
- 前記グリル加熱室と冷却ダクトとの間は、金属又は断熱性材料からなる上下仕切り板で隔絶していることを特徴とする請求項1又は5記載の誘導加熱調理装置。
- 前記部品ケースの排気口は冷却風の流れる方向にそって複数個形成されるとともに、前記基板には前記インバータ回路用の高圧電流が供給される半導体スイッチング素子と、このスイッチング素子が取り付けられた放熱フィンとを備え、この放熱フィンの周囲に前記送風手段からの冷却風が流れるように構成し、前記送風手段から送り込まれた冷却風の内、前記上流側の排気口から前記放熱フィンに至る前の冷却風が排出されるようにしていることを特徴とする請求項3又は7記載の誘導加熱調理装置。
- 前記回路基板は、部品ケースの内部において前記本体の外殻筐体寄りに縦に設置し、前記放熱フィンはこの回路基板から前記グリル加熱室側に突き出るように設置し、この放熱フィンより下方空間が、前記送風手段から供給される冷却風の流れの中心部となるようにしたことを特徴とする請求項1、3、5又は7記載の誘導加熱調理装置。
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