以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)メディアプレーヤー接続機能付きテレビジョンの構成:
(2)メディアプレーヤー接続時の処理:
(3)メディアプレーヤー接続後の処理:
(4)メディアプレーヤー接続解除時の処理:
(5)各種変形例:
(5−1)ダミー映像の変形例:
(5−2)省電力動作:
(5−3)充電に関する変形例:
(5−4)操作マクロに関する変形例:
(5−5)接続に関する変形例:
(1)メディアプレーヤー接続機能付きテレビジョンの構成
図1は、本発明の一実施形態にかかるメディアプレーヤー接続機能付きテレビジョン(以下、単にテレビジョンと表記するものとする。)の概略構成を示している。同図において、テレビジョン10は、マイコン11とチューナ12と映像処理回路13と音声処理回路14と入力端子15と液晶モジュール16とドッキングユニット17とリモコン受光部18とバス19とスピーカ20と電源回路21とスイッチ回路22(切換手段)と外部入力端子23から構成されている。バス19によって各構成部分11〜18が接続されており、これらの間でデータの授受が双方向に可能となっている。また、各構成部分11〜20は電源回路21と接続されており、当該電源回路21から電源の供給を受けている。なお、電源回路21は、マイコン11のタイマなどを最低限機能させるためのスタンバイ電源と、通常のメイン電源を供給することができる。マイコン11は、CPU11aとRAM11bとROM11cとから構成されており、ROM11cに記憶されたプログラムに基づいてCPU11aが後述する処理を実行するための演算を行う。その際に、プログラムの実行に必要なデータやパラメータがRAM11bに展開される。
チューナ12にはアンテナ端子12aが備えられており、アンテナ端子12aを介して入力された信号から所望の放送チャンネルに対応する周波数のデジタルテレビジョン放送信号を抽出する。チューナ12は、デジタルテレビジョン放送信号に対して検波や多重化解除やスクランブル解除や圧縮解除などの処理を行い、映像信号と音声信号を生成する。そして、チューナ12が生成した映像信号はスイッチ回路22を介して映像処理回路13に出力され、音声信号はスイッチ回路22を介して音声処理回路14に対して出力される。なお、チューナ12が同調するための周波数情報や多重化情報はROM11cに記憶されたチャンネルマップCMから取得される。また、チャンネルマップCMはユーザーの意図や放送状態によって更新する必要がありため、ROM11cとして書き換え可能な媒体が採用されている。スイッチ回路22は例えばS端子やD1端子等の外部入力端子23と接続されており、当該外部入力端子23から入力された映像/音声信号を映像処理回路13と音声処理回路14に出力するように切り換えることができる。
映像処理回路13は、チューナ12や外部入力端子23から入力された映像信号に対して例えば明るさやコントラスト等の画質調整やサイズ調整等を行う。また、マイコン11から出力されたOSD(On Screen Display)信号をチューナ12から入力された映像信号と合成したり、差し替えたりする処理を行う。一方、音声処理回路14に出力された音声信号は、音声処理回路14によって音量等が調整される。映像処理回路13によって調整された映像信号は液晶モジュール16に出力され、当該映像信号に基づいて映像処理回路13に備えられた液晶パネル16aの各液晶素子が駆動される。
液晶パネル16aの背面には蛍光管等のバックライト16bが備えられており、当該バックライト16bの点灯がインバータ回路16dによってインバータ制御される。バックライト16bから出力された光が上記映像信号に基づいて液晶素子が駆動された液晶パネル16aを偏光・透過することにより、映像を表示することができる。一方、音声処理回路14から出力された音声信号は、スピーカ20に入力され、当該スピーカにて出力される。リモコン受光部18は、外部のリモコンから出力される赤外線のパルス信号を受光して電気信号に変換するフォトダイオードを有しており、当該電気信号を所定の形式に変換してマイコン11に出力する。
ドッキングユニット17は外部のメディアプレーヤーとテレビジョン10とのインターフェースをなすものであり、信号調整回路17aと充電回路17bと充電スイッチ17cと接続端子17dとから構成されている。接続端子17dは、メディアプレーヤーとドッキングユニット17とを電気的に接続するための端子であり、より具体的にはメディアプレーヤーから映像信号や音声信号をドッキングユニット17に伝送するための端子や、テレビジョン10からメディアプレーヤーへ電源を供給するための端子や、例えばシリアルデータ通信によってメディアプレーヤーとテレビジョン10が双方向に制御信号を授受するための端子などから構成されている。
信号調整回路17a(信号受付手段)はメディアプレーヤーから入力された映像信号や音声信号を調整し、スイッチ回路22を介して映像処理回路13と音声処理回路14に出力する処理を行う。ここでは、メディアプレーヤーからの映像信号や音声信号の検出を行い、映像信号に対してはテレビジョン10での表示に適した解像度に変換する処理を行う。信号調整回路17aから出力された映像信号や音声信号はスイッチ回路22に入力され、マイコン11の指示に基づいて後段の回路へ出力されるか否かが切り替えられる。充電回路17bはテレビジョン10の電源回路21から電源の供給を受けており、メディアプレーヤーの充電に適した電源を生成して充電を行う。充電スイッチ17cは機械式のスイッチであり、ユーザーが切り換えを行うことにより、充電回路17bに充電を行わせるか否かを制御することができる。
図2は、テレビジョン10およびメディアプレーヤーの外観を斜めから見て示している。なお、メディアプレーヤーは本発明の再生端末に相当する。同図において、テレビジョン10は略鉛直に正立した略薄板状の液晶パネル16aを備えており、当該液晶パネル16aの背面側に上述した各回路が備えられている。テレビジョン10には液晶パネル16aを下方から支持する脚部24を有しており、同脚部24は水平面に広く接する略板状のベース部24aとベース部24aから略鉛直に立設されて上記パネル16aと接続する支柱24bとから構成されている。ベース部24aの上面から下方に凹みを形成することにより、メディアプレーヤー50の下端を挿入させる凹部24cが設けられている。メディアプレーヤー50は、その下端が凹部24cに嵌まり込むことにより、正立した状態で保持される。このとき、正立したメディアプレーヤー50の上端と液晶パネル16aの下端とが接触しないように、凹部24cが液晶パネル16aよりも前方に形成されている。メディアプレーヤー50の下端には図示されない入出力端子59が設けられるとともに、凹部24cの内部には上述した接続端子17dが備えられている。
メディアプレーヤー50の下端を凹部24cに挿入したときに入出力端子59と接続端子17dが電気的に接続するように、入出力端子59と接続端子17dは互いに対応する位置に形成されている。これにより、入出力端子59と接続端子17dを介して、メディアプレーヤー50から映像信号や音声信号をドッキングユニット17に伝送したり、テレビジョン10からメディアプレーヤー50へ電源を供給したり、メディアプレーヤー50とテレビジョン10が双方向に制御信号を授受することが可能となる。また、ベース部24aの上面における凹部24cに隣接する部位にはスライド式の充電スイッチ17cが備えられている。ユーザーが充電スイッチ17cをいずれか一方にスライドさせることによりメディアプレーヤー50に対する充電をONにし、他方にスライドさせることによりメディアプレーヤー50に対する充電をOFFにすることが可能となっている。具体的には、充電スイッチ17cを操作することにより、充電回路17bと接続端子17dとの間を接続する電源供給ラインの導通/遮断が切り換えられる。
図3は、メディアプレーヤー50の概略構成を示している。同図に示すように、メディアプレーヤー50は、CPU51aとRAM51bとROM51cとハードディスク(HDD)51dとビデオデコーダ52と液晶ディスプレイ53と充電池54と音声出力部55とバス56と操作パネル57と画像出力回路58と上記入出力端子59とから構成されている。CPU51aは、ROM51cから読み出したプログラムデータをRAM51b上に展開しつつ、メディアプレーヤー50の各機能を実現するためのオペレーティングシステム(O/S)やアプリケーションを実行する。HDD51d(記憶手段)は、上記O/Sが採用するファイルシステムによって各種メディアファイルや写真ファイルを記憶させる。
具体的には、音声と動画が再生可能な動画ファイルや、音声のみの再生が可能な音声ファイルや、静止画を表す静止画ファイル等を記憶する。これらのファイルの種別は、ファイル名における拡張子や、ファイルに添付されたヘッダによって上記OSが判別することができる。特に、動画ファイルの再生には高度な圧縮解凍処理が必要となるため、専用のICとしてビデオデコーダ52が備えられている。液晶ディスプレイ53は、CPU51aが実行するアプリケーションによって出力されるUI(ユーザーインターフェース)画面を表示するとともに、上記ビデオデコーダ52がデコードした動画や静止画を表示する。
充電池54は、例えばリチウムイオン電池で構成されており、外部から所定の電源が供給されることにより充電され、各部への電源供給が可能となる。音声出力部55は、アンプとヘッドホン端子等から構成され、外部のヘッドホン等に所定レベルの音声を出力する。操作パネル57は、上記UI画面等にしたがってメディアプレーヤー50に対して操作をするためのボタン等によって構成されている。入出力端子59は、画像出力回路58から映像信号を入力するとともに、音声出力部55から音声信号を入力する。また、入出力端子59は、充電池54とも接続されており、テレビジョン10側から入出力端子59に入力された電源を充電用の電源として充電池54に供給することが可能となっている。さらに、入出力端子59はバス56を介してCPU51aと接続されているため、CPU51a上にて実行されているアプリケーションとデータを授受することができる。
(2)メディアプレーヤー接続時の処理
図4は、メディアプレーヤー接続時の接続処理の流れを示している。同図の処理は、テレビジョン10に設けられた凹部24cにメディアプレーヤー50の下部が挿し込まれたときに実行される処理であり、主としてテレビジョン10のマイコン11が実行する処理である。まず、ステップS100においては、凹部24cにメディアプレーヤー50が挿し込まれたか否かを検知(接続検知手段)し、挿し込まれるまで待機する。このとき、テレビジョン10はメディアプレーヤー50が挿し込まれたか否かを検知するために必要な程度の少量の電源を要し、少なくともスタンバイ状態で電源が供給されている必要がある。凹部24cにメディアプレーヤー50が挿し込まれたか否かを検知するための手段として、例えばメディアプレーヤー20の入出力端子59との電気的接続に伴う接続端子17dの抵抗変化をマイコン11が検知する手段や、凹部24cにメディアプレーヤー50の下部が挿し込むことにより操作されるバネ接点などを利用した機械的なスイッチを設けることにより検知する手段を採用することができる。
凹部24cにメディアプレーヤー50が挿し込まれたことをマイコン11が検知すると、次にステップS110においてマイコン11が充電回路17bに対してメディアプレーヤー50の充電池54を充電するための電源を生成するよう指令する(充電手段)。ここで、充電スイッチ17cがOFF側にスライドされていると、充電回路17bと接続端子17dとの間を接続する電源供給ラインが遮断されるため、充電池54に対する充電がなされない(充電制限手段)。一方、充電スイッチ17cがON側にスライドされていると、充電回路17bと接続端子17dとの間を接続する電源供給ラインが導通するため、充電池54に対する充電がなされることとなる。すなわち、ユーザーは充電スイッチ17cを操作することによって、メディアプレーヤー50をテレビジョン10に接続したときに充電を行うか否かを選択することができる。従って、ユーザーが望まない無駄な電力の消費を防止することができる。
ステップS120においては、マイコン11がROM11cに記憶されたチャンネルマップCMを取得し、当該チャンネルマップCMを更新する。そして、更新したチャンネルマップCMをROM11cに書き戻す処理を行う。図5は、チャンネルマップCMを示している。同図において、チャンネルマップCMにおいては、通常モードと入力モードが規定されている。通常モードにおいては、各チャンネルに対応する音声および映像の入力ソースとしてチューナ12が規定されており、さらにチューナ12が受信すべきデジタルテレビジョン放送の周波数も規定されている。一方、外部入力モードにおいては、各チャンネルに対応して、外部入力端子23やドッキングユニット17等の入力ソースが規定されている。
例えば、外部入力モードのビデオ1モードに対して、音声および映像の入力ソースとして外部入力端子23からの入力が対応付けられている。また、外部入力モードとして”メディアプレーヤーモードα”および”メディアプレーヤーモードβ”が設けられており、メディアプレーヤーモードαに対応する音声および映像の入力ソースとして、ドッキングユニット17からの入力が規定されている。一方、メディアプレーヤーモードβに対応する音声の入力ソースとしてドッキングユニット17からの入力が規定され、映像についてはマイコン11のOSD信号が規定されている。このチャンネルマップCMは、例えば所定の周期ごとやユーザーがオートプリセットを行うことにより更新される。
マイコン11は、チャンネルマップCMにリストアップされたいずれかのチャンネルの指定をリモコン等で受け付ける。ただし、チャンネルマップCMには各チャンネルを無効化する旨のフラグ(●で図示。)を添付することができ、当該フラグが添付されたチャンネルは選択することができない。マイコン11がチャンネルマップCMにリストアップされたいずれかのチャンネルまたは入力モードの選択を受け付けると、当該選択されたチャンネルまたは入力モードについて選択中である旨のフラグ(◎で図示。)をチャンネルマップCMおいて添付する。そして、当該チャンネルに対応する入力ソースにスイッチ回路22が切り換え、通常モードである場合には、対応する周波数をチューナ12が選局するように指令を行う。また、最後に選局した通常モードのチャンネルについては、その旨を示すフラグ(△で図示。)をチャンネルマップCMおいて添付されている。
ステップS120においては、チャンネルマップCMにおける外部入力モードのチャンネルとしてメディアプレーヤーモードαおよびメディアプレーヤーモードβを追加する処理を行う。ステップS120を実行する段階でチャンネルマップCMにおけるメディアプレーヤーモードαおよびメディアプレーヤーモードβに対応する欄には無効化するフラグ(●で図示。)が添付されており、ステップS120では当該フラグを除去することにより、実質的にメディアプレーヤーモードαとメディアプレーヤーモードβを有効なものとしてチャンネルマップCMに追加する。以上のようなメディアプレーヤーモードα,βを追加することにより、以降はチャンネルアップやチャンネルダウンの操作等を行うことにより、メディアプレーヤーモードα,βが指定され得る状態となる。なお、チャンネルマップCMに規定されていないテレビジョン放送のチャンネルや入力モードは、リモコン等によって選択することはできない。
次のステップS130においてテレビジョン10の電源の状態をマイコン11が判断する。ここで、テレビジョン10がスタンバイ状態であると判断された場合には、ステップS140にて、スタンバイ状態から通常のON状態に移行し、電源回路21にメイン電源を供給させる。一方ステップS130においてテレビジョン10が通常のON状態であると判断された場合には、そのまま通常のON状態を継続し、メイン電源の供給を継続する。
次のステップS150では、メディアプレーヤー50が現在何らかのメディアファイルを再生しているか否かをマイコン11が判定する。すなわち、ユーザーが何らかのメディアファイルを再生した状態のままメディアプレーヤー50をテレビジョン10にセットしたか否かを判定する。ここでいずれかのメディアファイルを再生していると判定した場合には、ステップS160において、どのようなメディアファイルが再生中であるかを判定する。すなわち、ステップS150,S160では、下記のA〜Cに示す3通りの状態が判断されることとなる。
A:いずれのメディアファイルも再生していない。
B:音声と映像を含むメディアファイルを再生している。
C:音声のみのメディアファイルを再生している。
なお、一般的にメディアプレーヤー50において入出力端子59に音声信号や映像信号を出力させるか否かを設定することができるが、本実施形態ではメディアプレーヤー50が再生を行っている音声や映像に対応する音声信号と映像信号がそのままメディアプレーヤー20の入出力端子59から出力されるように設定されているものとする。また、ステップS160においてメディアプレーヤー50がB,Cのいずれかの再生状態であるかをマイコン11が認識する手法として、以下の手法を採用することができる。例えば、メディアプレーヤー50のCPU51a等で実行されている再生アプリケーションやO/Sがマイコン11の求めに応じて、現在再生中のメディアファイルのプロパティを返す機能を有している場合には、当該プロパティに基づいてマイコン11がA〜Cのいずれかを判断することができる。
また、音声信号や映像信号をそれぞれ入力する接続端子17d(入出力端子59)の信号状態をマイコン11が検知し、無信号状態か否かによってA〜Cのいずれかを判断することもできる。例えば、映像信号の場合、同期信号の検出の有無によって映像信号の有無を判断することができる。さらに、接続端子17d(入出力端子59)のなかに音声信号や映像信号の有無を伝達するための端子を設け、当該端子の電気的状態をマイコン11が検知するようにしてもよい。また、音声のみのメディアファイルを再生している場合であっても、当該メディアファイルの再生に必要なメディアプレーヤー50のUI画面に対応する映像信号が接続端子17d(入出力端子59)を介して出力される場合も考えられる。この場合、接続端子17d(入出力端子59)の信号状態や電気的状態だけではBとCとの区別をすることができない。しかし、UI画面は変動が少なくパターンも限られるため、例えば映像信号の波形や情報量(ビットレート)等に基づいて判別をすることができる。
ステップS160において、Bであると判定された場合には、テレビジョン10は、次のステップS170において、マイコン11がテレビジョン10の入力モードをメディアプレーヤーモードαに切り換える処理を行う。このメディアプレーヤーモードαにおいては、ドッキングユニット17の信号調整回路17aを機能させ、当該信号調整回路17aにて接続端子17dを介して入力される映像信号や音声信号を調整し、チューナ12に出力する処理を行わせる。さらに、スイッチ回路22を切り換えることにより、信号調整回路17aから入力される音声信号や映像信号を映像処理回路13と音声処理回路14に入力させることができる。従って、メディアプレーヤー50が出力している音声信号と映像信号をそれぞれテレビジョン10のスピーカ20と液晶パネル16aから出力可能な状態とされる。なお、ステップS120では予めチャンネルマップCMにおいてメディアプレーヤーモードαを有効化しているため、マイコン11はメディアプレーヤーモードαに切り替えることができる。
Bであると判定された場合には、メディアプレーヤー50で再生中のメディアファイルの音声信号と映像信号が接続端子17d(入出力端子59)を介して出力されるため、テレビジョン10のスピーカ20と液晶パネル16aからこれらに対応した音声と映像を出力することができる。例えば、メディアプレーヤー50において音声付きのニュース映像を再生していた場合には、テレビジョン10のスピーカ20と液晶パネル16aからニュースの音声と映像を出力することができる。このように、メディアプレーヤー50がテレビジョン10にセットされた場合に、自動的にメディアプレーヤーモードαに切り換えることができるため、ユーザーはメディアプレーヤー50で鑑賞していたメディアファイルを引き続きテレビジョン10で鑑賞することができる。
一方、ステップS160において、Cであると判定された場合には、テレビジョン10のマイコン11はステップS180において、メディアプレーヤーモードβに切り換える処理を行う。メディアプレーヤーモードβでは、信号調整回路17aから入力される音声信号のみを音声処理回路14に入力させ、映像信号はマイコン11から映像処理回路13に入力されるように、スイッチ回路22が切り換えられることとなる。そして、マイコン11が所定のOSD信号を生成するとともに、当該OSD信号を映像処理回路13に出力し、液晶パネル16aにて表示させる。なお、ステップS120では予めチャンネルマップCMにおいてメディアプレーヤーモードβを有効化しているため、マイコン11はメディアプレーヤーモードβに切り替えることができる。
図6は、上記OSD信号に基づいて液晶パネル16aが表示するダミー映像を示している。同図において、現在メディアプレーヤーモードとなっている旨と、音声が再生中である旨が表示されている。このように、映像の出力がない場合に所定の画面を表示させることにより、ユーザーに現在の動作状況を通知することができる。すなわち、無信号状態におけるいわゆる砂嵐画面やブルーバック画面となることが防止でき、ユーザーが故障したと誤認識することが防止できる。一方、音声はメディアプレーヤー50が再生しているとおりのものがテレビジョン10のスピーカ20から出力されるため、ユーザーはメディアプレーヤー50によって再生させた音声メディアをスピーカ20から聴くことができる。
ステップS150において、Aであると判定された場合には、例えばメディアプレーヤー50の電源がOFFである場合等、音声信号と映像信号のいずれも接続端子17d(入出力端子59)から入力されていないこととなる。そこで、マイコン11は、ステップS190においてメディアプレーヤー50を再生状態とすべく、所定の操作コマンドを生成し、上記接続端子17d(入出力端子59)を介してメディアプレーヤー50のCPU51aに当該操作コマンドを送信する。なお、メディアプレーヤー50は操作パネル57よってユーザーからの操作を監視しており、当該操作に基づいて操作パネル57が操作コマンドを生成(エンコード)し、メディアプレーヤー50のCPU51aが常時実行する制御アプリケーションに出力する。そして、当該制御アプリケーションが、上記操作コマンドに応じた処理をCPU51aが実行するようになっている。これにより、ユーザーが所望する動作をメディアプレーヤー50に行わせることができる。
ステップS190では、マイコン11が操作コマンドを生成して、メディアプレーヤー50のCPU51aに送信する。マイコン11は、メディアプレーヤー50のCPU51aで実行さている制御アプリケーションがメディアプレーヤー50の操作パネル57から受け付ける操作コマンドと同様の操作コマンドを生成する。ここでは、メディアプレーヤー50の操作パネル57に対する下記の[1]〜[6]に示す操作に対応する操作コマンドを生成し、上記接続端子17d(入出力端子59)を介してメディアプレーヤー50のCPU51aに送信する(操作マクロ出力手段,コマンド出力手段)。
[1]Mボタン→[2]Dボタン→[3]Dボタン→
[4]Dボタン→[5]Rボタン→[6]Pボタン
図7は、メディアプレーヤー50の操作パネル57および制御アプリケーションが実行する操作メニュー(フォルダ)構造を示している。同図において、メインメニューを起点とした階層状の操作メニューが形成されており、操作パネル57を操作することにより、各操作メニューを選択することが可能となっている。操作パネル57には、メインメニューへ戻るためのMボタンと、同一階層の操作メニューを上に移動するためのUボタンと下に移動するためのDボタンと、一つ上の階層に戻るためのLボタンと、一つ下の階層に進むためのRボタンと、決定(再生)を行うためのPボタンとから構成されている。上記の[1]〜[6]に示す操作コマンドをメディアプレーヤー50のCPU51aが受信すると、まず[1]の操作コマンドによってメインメニューの一番上の“オーディオフォルダ”が選択された状態となる。なお、メディアプレーヤー50の電源がOFFとなっている場合には、[1]の操作コマンドによってメディアプレーヤー50の電源が投入される。次に、[2]〜[4]の操作コマンドによってメインメニュー内を3回下に移動して、“PODCASTフォルダ”を選択する。そして、[5]の操作コマンドによってPODCASTの下層の最上部にある“新着フォルダ”が選択される。このように、“PODCASTフォルダ”の“新着フォルダ”が選択された状態で、[6]の操作コマンドによって当該“新着フォルダ”のメディアファイルが再生されることとなる。
ここで、“新着フォルダ”とは、前回メディアプレーヤー50を使用した時よりも後に、メディアプレーヤー50のHDD51dに記憶されたメディアファイルが一時的に格納されるフォルダである。例えば、メディアプレーヤー50の使用を終えた後に、メディアプレーヤー50をUSB[Universal serial bus]マスストレージモードで外部のコンピュータに接続し、当該コンピュータからメディアプレーヤー50のHDD51dにメディアファイルの転送を受けた場合に、当該メディアファイルが格納されるフォルダを指す。
また、近年、インターネット上の外部のサーバにおいて定期的または不定期的にアップロードされたメディアファイルをダウンロードさせるRSS[RDF Site Summary]フィードが普及してきており、このようなRSSフィードによってコンピュータにダウンロードされた新規のメディアファイルがさらにメディアプレーヤー50に転送され、上記“新着フォルダ”に格納される。なお、必ずしも物理的なフォルダに格納される必要はなく、例えば新着であることを示すフラグが添付されたメディアファイルを仮想的な“新着フォルダ”に格納されたものとして扱ってもよい。なお、RSSフィードにおいては、映像付きのメディアファイルのみならず、音声のみのメディアファイルもダウンロードさせることができる。本実施形態において、“新着フォルダ”には、映像付きのメディアファイルも音声のみのメディアファイルも混在して格納されることとする。
以上のように[1]〜[6]の操作コマンドをテレビジョン10のマイコン11がまとめて生成することにより、本来は複雑な操作を要する動作も容易にメディアプレーヤー50に実行させることができる。このような動作は、操作パネル57に対する複数の操作の組み合わせ対応しており、[1]〜[6]の操作コマンドの組み合わせを操作マクロであると考えることができる。なお、[1]〜[6]の操作コマンドを送出するタイミングは[1]〜[6]の順序となるが、各操作コマンドに応じた動作が完了するまで次の操作コマンドの受け付けができない場合(例えばCPU51aがビジーとなる場合)には、各操作コマンドに応じた動作が完了するのを待ってから次の操作コマンドを送出するのが望ましい。
次のステップS200においては、ステップS150と同様にメディアプレーヤー50がいずれかのメディアファイルを再生しているか否かマイコン11が判定する。ここで何らメディアファイルを再生していないと判定された場合、“新着フォルダ”が空であったと判断することができる。従って、再生すべきメディアファイルがないとして、ステップS210にて処理を終了させる。一方、メディアプレーヤー50がいずれかのメディアファイルを再生していると判断された場合にはステップS160に戻り、どのようなメディアファイルを再生しているか(B,Cのいずれであるかを)を判定する。ここでも、音声および映像を再生している判定された場合には、ステップS170にてメディアプレーヤーモードαに切り換えられるため、メディアプレーヤー50からの音声および映像をテレビジョン10のスピーカ20および液晶パネル16aにて鑑賞することができる。一方、音声のみのメディアファイルを再生している場合には、上述したステップS180を実行するため、メディアプレーヤー50からの音声のみをスピーカ20から出力させ、液晶パネル16aにはマイコン11が生成したダミー映像が表示されることとなる。すなわち、本実施形態において、“新着フォルダ”に存在するメディアファイルは音声のみの場合もあるため、メディアファイルの種類に応じて最適なモードに移行することができる。
以上のようにして、ユーザーがテレビジョン10にメディアプレーヤー50をセットするにあたり再生中であったメディアファイル、または、“新着フォルダ”に格納されたメディアファイルの音声をテレビジョン10のスピーカ20にて出力させることができ、該当する場合には映像もテレビジョン10の液晶パネル16aにて出力させることができる。ユーザーがテレビジョン10にメディアプレーヤー50をセットするにあたり複数のメディアファイルで構成されるファイルリストを再生させていた場合や、“新着フォルダ”に格納された複数のメディアファイルを再生する場合には、メディアプレーヤー50がすべての再生対象の再生を完了させるまでの時間をテレビジョン10側が予測することができない。そこで、ステップS220において、現在、何らかのメディアファイルを再生しているか否かを判定する処理をマイコン11が周期的に実行する。この処理はステップS150と同様の処理である。
そして、いずれのメディアファイルも再生されていない場合には、再生すべきファイルの再生が完了したとして、ステップS230にてメディアプレーヤーモードα,βを終了させ、処理を終了させる。例えば、ステップS170,S180にてメディアプレーヤーモードα,βに移行する直前にチューナ12が受信していたチャンネルを受信するようにチューナ12を制御する。図5に示すチャンネルマップCMにおいては、最後に選択された通常モードのチャンネルには、その旨を示すフラグ(△で図示。)が添付されているため、当該フラグが添付されたチャンネルをチューナ12にて選局させることができる。一方、ステップS220において、何らかのメディアファイルを再生していると判定された場合には、ステップS160に戻り、現在の再生状態が上述したB,Cのいずれであるかを判定し、再生中のメディアファイルに応じたメディアプレーヤーモードα,βの切り換えを実行する。このようにステップS150〜S230を周期的に繰り返して実行することにより、メディアプレーヤー50の再生状態を監視することができ、再生完了後にはテレビジョン10を通常のモードに戻すことができる。また、周期的に再生中のメディアファイルが映像を含むものか否かが判定されているため、再生中のメディアファイルの種類に応じて、適宜、ダミー映像を表示させることができる。
(3)メディアプレーヤー接続後の処理
以上においては、メディアプレーヤー50をテレビジョン10に接続したとき、および、その直後における処理を説明したが、ここからはメディアプレーヤー50をテレビジョン10に接続した後の処理について説明する。図8は、メディアプレーヤー50の接続後に実行する充電監視処理の流れを示している。同図において、ステップS310にて、ドッキングユニット17の充電回路17bが接続端子17d(入出力端子59)を介してメディアプレーヤー50の充電池54の充電残量を計測する。そして、ステップS320にて充電残量が所定の閾値に達していないと判断された場合には、ステップS330にて充電回路17bに充電を行わせる。ただし、充電スイッチ17cがOFFにされている場合には、充電回路17bからの電源ラインが通電しないため、充電は行われないこととなる。一方、ステップS320にて充電残量が所定の閾値に達していると判断された場合には、充電を行うことなくステップS310に戻る。以上の処理は、メディアプレーヤー50の接続中において周期的に実行されるため、メディアプレーヤー50の接続時(図4のステップS110)に開始した充電によって、所定の閾値以上に充電残量が達したことを検知し、充電を停止させることができる。従って、無駄な電力消費を防止することができる。また、メディアプレーヤー接続後にユーザーが充電スイッチ17cをON側に操作し、かつ、充電残量が所定の閾値に達していない場合にも、充電を開始させることができる。また、本処理を実行するタイミングを周期的ではなく、充電開始から任意の時間とすることもできる。
ところで、メディアプレーヤー50をテレビジョン10に接続し、最初の段階では充電のみを行っていたが、その後、メディアプレーヤー50を再生させたいと考える場合も考えられる。そのような場合に備えて、テレビジョン10は以下に説明する処理を実行している。図9においては、メディアプレーヤー50の再生状態を監視する再生状態監視処理の流れを示している。同図においては、上述した接続処理(図4)のステップS150〜S220と同様の処理が示されている。再生状態監視処理は、接続処理が終了した後において周期的に実行される処理である。なお、接続処理は、ステップS230においてメディアプレーヤーモードから通常のモードに移行した状態で終了させられているか、ステップS210においてメディアプレーヤーモードに移行することなく終了させられることとなる。従って、接続処理の終了後に実行される再生状態監視処理は、メディアプレーヤーモードではない状態で実行されていることとなる。
再生状態監視処理においては、ステップS410,S420において、メディアプレーヤー50の再生状態を以下のA〜Cのいずれかであるかを判定する(再生状態検知手段)。なお、ステップS410〜S420の処理の詳細は上述した接続処理(図4)と同様であるため、説明を省略する。
A:いずれのメディアファイルも再生していない。
B:音声と映像を含むメディアファイルを再生している。
C:音声のみのメディアファイルを再生している。
ステップS410において、Aであると判定された場合には、リターンし、引き続きメディアプレーヤー50の再生状態を監視する。ステップS420において、Bであると判定された場合には、ステップS430にて上述した接続処理(図4)のステップS170と同様に音声信号と映像信号ともにメディアプレーヤー50からの入力を受け付けるメディアプレーヤーモードαにテレビジョン10を切り換える。
また、ステップS420において、Cであると判定された場合には、ステップS440にて上述した接続処理(図4)のステップS180と同様に音声信号のみメディアプレーヤー50からの入力を受け付け、ダミー映像を液晶パネル16aに表示させるメディアプレーヤーモードβにテレビジョン10を切り換える。このようにすることにより、メディアプレーヤー50においていずれかのメディアファイルを再生させれば、テレビジョン10を自動的にメディアプレーヤーに切り換えることができる。また、上述した接続処理(図4)にてチャンネルマップCMにメディアプレーヤーモードα,βが追加されているため、これらのモードに切り換えることができる。
ステップS450においては、上述した接続処理(図4)のステップS220と同様に、何らかのメディアファイルを再生しているか否かを判定する処理をマイコン11が周期的に実行する。そして、いずれのメディアファイルも再生されていない場合には、メディアファイルの再生が完了したとして、ステップS460にてメディアプレーヤーモードα,βを終了させ、リターンする。一方、いずれかのメディアファイルが再生されていると判定された場合には、上述したステップS420に戻り、メディアファイルの内容に応じたメディアプレーヤーモードα,βを実行させる。これにより、種類の異なる複数のメディアファイルを連続して再生させた場合でも、メディアファイルの種類に応じたメディアプレーヤーモードα,βに切り換えることができる。
以上においては、テレビジョン10に接続したメディアプレーヤー50に対して操作を行った場合に、テレビジョン10を連携させる動作を説明したが、逆にテレビジョン10に対して操作を行うことにより、メディアプレーヤー50の機能を利用することもできる。図10においては、リモコン操作監視処理の流れを示している。同図において、ステップS500では、リモコン受光部18から所定の信号の入力があったか否かをテレビジョン10のマイコン11が判定する。この信号とは、図示しないリモコンに設けられたスライドショー&オーディオボタンを押すことにより生成した赤外線パルスの受光に応じてリモコン受光部18が生成する信号を意味する。従って、ステップS500では、リモコンのスライドショー&オーディオボタンが押されたか否かを判定されていることとなる。
リモコンのスライドショーボタンが押されない場合には、ステップS500に戻り、同様の処理を繰り返す。一方、リモコンのスライドショー&オーディオボタンが押された場合には、ステップS510にて、マイコン11が下記の[1]〜[8]に示す操作コマンドを生成して、メディアプレーヤー50のCPU51aに送信する。
[1]Mボタン→[2]Dボタン→[3]Dボタン→
[4]Rボタン→[5]Pボタン→[6]Mボタン
[7]Rボタン→[8]Pボタン
すると、メディアプレーヤー50は上記の操作コマンドに応じた動作を順次実行する。
すなわち、まずメディアプレーヤー50の操作メニューのメインメニューに戻る[1]の操作コマンドを与えることにより、ユーザーによって任意に操作されていた状態から一定の状態(メインメニュー)にメディアプレーヤー50を復帰させることができる。また、メディアプレーヤー50の電源がOFFとなっている場合も、[1]の操作コマンドにより電源をONにさせることができる。次に、メインメニューにて下へ2回移動する[2],[3]の操作コマンドを与えることにより、メインメニューから“写真フォルダ”に移動させることができる。さらに、[4]の操作コマンドにより“写真フォルダ”の下の層に移動し、当該層の最上部にある“お気に入りフォルダ”が選択された状態となる。
そして、実行を指示する[5]の操作コマンドを与えることにより、“お気に入りフォルダ”に格納された写真ファイルを順次切り換えて表示するスライドショーが実行される。なお、写真ファイルとは例えばデジタルスチルカメラで撮影された画像データである。さらに、メインメニューに戻る[6]の操作コマンドを与えることにより、再びメインメニューに戻る。このとき、メインメニューの最上部にある“オーディオフォルダ”が選択されており、次の[7]の操作コマンドによって下層の最上部にある“お気に入りフォルダ”をカレントフォルダとすることができる。さらに、再生を実行させる[8]の操作コマンドを与えることにより、“オーディオフォルダ”における“お気に入りフォルダ”に格納されたオーディオファイルを順次再生する処理が実行される。
以上の[1]〜[8]に示す操作コマンドも全体として操作マクロであり、メディアプレーヤー50に対する複雑な操作をリモコンのスライドショー&オーディオボタンだけで代替することができる。以上のステップS510を実行することにより、メディアプレーヤー50の液晶ディスプレイ53にて写真画像を順次表示することができる。同時に、メディアプレーヤー50の音声出力部55から音声を出力することができる。さらに、これらの音声と映像に対応した音声信号と映像信号は、入出力端子59からも出力され、当該入出力端子59と接続するテレビジョン10の接続端子17dにも入力される。このようにすることにより、メディアプレーヤー50は再生状態に移行するため、上述した再生状態監視処理にて再生状態が検知され、テレビジョン10のマイコン11がメディアプレーヤーモードαに切り換えることとなる。ここでは、メディアプレーヤー50から音声信号および映像信号が双方がとも音声処理回路14と映像処理回路13にそれぞれ入力されることとなるため、テレビジョン10のスピーカ20と液晶パネル16aからこれらに対応する音声と映像が出力される。従って、ユーザーはお気に入りの写真や音楽をテレビジョン10によって鑑賞することができる。
(4)メディアプレーヤー接続解除時の処理
図11は、メディアプレーヤー50をテレビジョン10から取り外すときの処理の流れを示している。同図の処理は、テレビジョン10に設けられた凹部24cからメディアプレーヤー50の下部が引き抜かれるときに実行される処理である。まず、ステップS500においては、凹部24cからメディアプレーヤー50が引き抜かれるか否かを検知(解除検知手段)し、引き抜かれるまで待機する。凹部24cからメディアプレーヤー50が引き抜かれたか否かを検知するための手段として、例えばメディアプレーヤー20の入出力端子59との電気的接続に伴う接続端子17dの抵抗変化をマイコン11が検知する手段や、凹部24cにメディアプレーヤー50の下部を挿し込むことにより操作される機械的なスイッチを設けることにより検知する手段を採用することができる。
ステップS600においてメディアプレーヤー50とテレビジョン10との接続解除が検知されると、ステップS610においてマイコン11はチャンネルマップCMをROM11cから読み出して、チャンネルマップCMからメディアプレーヤーモードα,βに無効である旨のフラグ(●で図示。)を添付する処理を実行する(禁止手段)。メディアプレーヤーモードα,βは、上述した接続処理(図4)においてメディアプレーヤー50とテレビジョン10を接続した場合に限り有効なものとされるモードであり、メディアプレーヤー50がテレビジョン10に接続されていない状態では、メディアプレーヤーモードα,βはチャンネルマップCMにおいて有効なものとして存在しないこととなる。従って、メディアプレーヤー50がテレビジョン10に接続されていない状態では、メディアプレーヤーモードα,βに移行できないようにすることができる。
図12は、メディアプレーヤー50とテレビジョン10を接続した状態S1、および、メディアプレーヤー50とテレビジョン10との接続を解除した状態S2のそれぞれにおいてチャンネルアップダウン操作を行った場合の様子を模式的に示している。リモコン等を利用してチャンネルアップダウン操作を行うことにより、チャンネルマップCMに規定された各チャンネルやモードが順次切り換えられていく(任意切換手段)。従って、チャンネルマップCMにメディアプレーヤーモードα,βが規定された状態S1においては、メディアプレーヤーモードα,βにも順次切り換えられることとなる。一方、チャンネルマップCMにメディアプレーヤーモードα,βが無効化されている状態S2においては、メディアプレーヤーモードα,βには切り換えられることはなく、メディアプレーヤーモードα,βへの移行がスキップされることとなる。このようにすることにより、メディアプレーヤー50とテレビジョン10との接続を解除した状態S2でメディアプレーヤーモードα,βに移行することが防止でき、テレビジョン10が無音状態、無映像状態となることが防止できる。
(5)各種変形例
(5−1)ダミー映像の変形例
以上説明した実施形態において、メディアプレーヤー50が音声のみのメディアファイルを再生している場合には、マイコン11が生成したOSD信号に基づくダミー映像を液晶パネル16aに出力する。このダミー映像は、少なくともテレビジョン10がメディアプレーヤー50の音声信号を正常に出力している旨をユーザーに伝えることができればよく、図6に示すものに限られるものではない。例えば、図6に示したダミー映像の文字を周期的に移動させることによって、スクリーンセ−バーの機能を発揮させるようにすることも可能である。液晶パネル16aにおいては、スクリーンセ−バーの効果は大きくないが、例えばプラズマパネルなどに本発明を適用する場合には、スクリーンセ−バー機能を有したダミー映像とするのが望ましい。
また、テレビジョン10がメディアプレーヤー50の音声のみを出力する際に、ユーザーを退屈させないように、ダミー映像に趣向性を加えるようにしてもよい。例えば、テレビジョン10のROM11cに複数の写真画像ファイルを記憶させておき、当該写真画像ファイルのスライドショーをマイコン11が生成し、ダミー映像を表示するためのOSD信号として出力するようにしてもよい。また、テレビジョン10にメモリカードスロットやHDDや光ディスクドライブ等を備えさせ、当該メモリカードスロットに挿入されたメモリカードから写真画像ファイルを読み出して、マイコン11がスライドショーを生成するようにしてもよい。この場合、ユーザーが好みの写真画像ファイルを記憶させたメモリカードを挿入することにより、好みの写真画像ファイルのスライドショーを、メディアプレーヤー50による音声出力を聴きながら鑑賞することができる。
また、ダミー映像は、完全にマイコン11が生成したOSD信号に基づくものに限られず、マイコン11が生成したOSD信号による映像と、他の入力ソースからの映像とを合成させたものであってもよい。例えば、チューナ12が受信したテレビジョン放送の映像と、マイコン11が生成したOSD信号による映像を合成してダミー映像を生成するようにしてもよい。このようにすることにより、例えばスポーツ等の音声が必ずしも必要でないテレビジョン番組を鑑賞しながら、メディアプレーヤー50が再生するメディアファイルの音声を聴くことができる。マイコン11が生成したOSD信号によって、メディアプレーヤー50の音声のみを出力中である旨を表示しておけば、ユーザーは故障と勘違いすることもない。さらに、テレビジョン放送の映像とOSD信号による映像を合成するにあたっては、共通の領域の画像信号を重ね合わせるようにしてもよいし、領域を分割し、それぞれ領域ごとにテレビジョン放送の映像とOSD信号による映像を表示するようにしてもよい。
(5−2)省電力動作
以上においては、メディアプレーヤー50から音声のみが出力されている場合(Cであると判定された場合)に、ダミー映像を表示させる実施形態を説明したが、省電力の観点からダミー映像を表示させないようにしてもよい。図13は、本変形例にかかる接続処理の流れを示している。本実施形態において、上記実施形態(図4)とほぼ同様の接続処理の流れとなっている。しかしながら、メディアプレーヤー50から音声のみが出力されている場合に、メディアプレーヤーモードβに切り換えるステップS180の処理が上記実施形態(図4)と相違している。本変形例では、ステップS180に代替する処理として、ステップS180AとステップS180Bとを実行する。ステップS180Aにおいては、上記実施形態(図4)と同様にメディアプレーヤーモードβに切り換える処理を実行する。それと同時にマイコン11がOSD信号を生成し、ダミー映像を出力する。
図14は、本変形例にて表示されるダミー映像を示している。同図に示すように、ダミー映像において”メディアプレーヤー50から音声のみ出力されているため、数秒後にバックライトを消灯します”というメッセージが表示されている。以上のようなダミー映像を液晶パネル16aに表示させた上で、次のステップS180Bを実行させる。ステップS180Bにおいては、マイコン11が電源回路21に対してインバータ回路16dと駆動回路16cへの電源供給を停止するように指令する。これにより、バックライトが消灯し、電力消費を抑えることができる。また、ユーザーに対してバックライトを消灯することを予告することができるため、故障と勘違いされることが防止できる。なお、本変形例においては、一旦、ダミー映像を表示してからバックライトを消灯するようにしたが、ステップS170にてメディアプレーヤー50から音声のみが出力されていると判定された段階で、バックライトを消灯するようにしてもよい。
(5−3)充電に関する変形例
図15は、本変形例にかかる充電設定処理の流れを示している。同図において、ステップS700では、リモコン受光部18から所定の信号の入力があったか否かをテレビジョン10のマイコン11が判定する。この信号とは、図示しないリモコンに設けられた充電設定ボタンを押すことにより生成した赤外線パルスの受光に応じてリモコン受光部18が生成する信号を意味する。ステップS700にて充電設定ボタンが押されたことが確認されると、ステップS710にてマイコン11が所定のOSD信号を生成し、当該OSD信号に基づく充電設定用UI画面を液晶パネル16aに表示させる。次に、ステップS720にて、当該充電設定用UI画面に対する操作に対応するリモコン受光部18からの信号の入力を受け付ける。
図16は、充電設定用UI画面の一例を示している。同図において、メモリー効果防止機能のON/OFFを指定するためのチェックボックスが設けられている。当該チェックボックスをONにチェックをした場合には充電を開始させる充電残量を具体的な数値として指定することが可能となっている。また、充電を終了させる充電残量も具体的な数値として指定することが可能となっている。ステップS720では、充電設定用UI画面に対する操作に対応するリモコン受光部18からの信号の入力を受け付け、当該操作に応じて充電設定用UI画面を更新する。
ステップS630においては、充電設定用UI画面に設けられた決定ボタンの操作に対応するリモコン受光部18からの信号の入力を受け付けられたか否かを検知し、受け付けられた場合には、ステップS740にて充電設定用UI画面におけるユーザーの指定に基づいて充電開始閾値と充電終了閾値とを取得する。メモリー効果防止機能がOFFと指定された場合には充電開始閾値を0%とし、メモリー効果防止機能がONと指定された場合には充電設定用UI画面にて指定された充電を開始させる充電残量を充電開始閾値として取得する。一方、充電設定用UI画面にて指定された充電を終了させる充電残量を充電終了閾値として取得する。以上のようにして取得された充電開始閾値と充電終了閾値はステップS750にてROM11cに書き込まれる。
図17は、本変形例にかかる充電監視処理の流れを示している。同図の処理は、上述した実施形態の充電開始処理(図8)とほぼ同様であるが、図8のステップS320に代替してステップS320Aを実行するようにしている。ステップS320Aにおいては、ROM11cから予め充電設定処理において設定された充電開始閾値と充電終了閾値を読み出すとともに、ステップS310にて計測した充電池54の充電残量が当該充電開始閾値と当該充電終了閾値との間の値になっているか否かを判定する。
そして、充電池54の充電残量が充電開始閾値と充電終了閾値との間の値となっている場合には、ステップS330にて充電回路17bに充電を行わせる。一方、ステップS320にて充電残量が所定の閾値に達していると判断された場合には、充電を行うことなくステップS300に戻る。このようにすることにより、ユーザーが充電を終了させるレベルを任意に調整することができる。従って、必要なだけ充電をさせることが可能となる。また、充電を開始させるレベルも設定することができるため、完全放電させるまで充電を開始させないようにすることができる。従って、充電池54のメモリー効果による弊害を防止することができる。なお、本変形例では充電終了条件を充電残量で指定するようにしたが、充電時間によって充電終了条件を指定するようにしてもよい。なお、充電開始閾値と充電終了閾値とを同じ値に設定することにより、充電スイッチ17dがONである場合にも充電を行わせないように制限することもできる。
(5−4)操作マクロに関する変形例
上述した実施形態において、テレビジョン10に接続したときにメディアプレーヤー50が何も再生していない場合に、新着のメディアファイルを再生するようにマイコン11が操作マクロを出力するようにしたが、上述したリモコン監視処理(図10)と同様にリモコンの操作に応じてマイコン11が“新着フォルダ”のメディアファイルを再生するようにマイコン11が操作マクロを出力するようにしてもよい。この場合、リモコンに新着ファイル再生ボタンを設けておけばよい。さらに、操作マクロをユーザーが編集できるようにしてもよい。上述したリモコン監視処理(図10)においてはスライドショー&オーディオボタンの操作に対応する以下の操作コマンドからなる操作マクロが生成される。
[1]Mボタン→[2]Dボタン→[3]Dボタン→
[4]Rボタン→[5]Pボタン→[6]Mボタン
[7]Rボタン→[8]Pボタン
例えば、この操作マクロをユーザーが編集できるようにしてもよい。
図18は、スライドショー&オーディオボタンに対応する操作マクロを編集するUI画面を示している。当該UI画面は、所定のリモコン操作に応じてマイコン11が生成したOSD信号に基づいて液晶パネル16aが表示させるものである。当該UI画面においては、スライドショー&オーディオボタンによって、スライドさせられる写真ファイルを格納したフォルダと、再生させられる音声メディアファイルを格納したフォルダとを指定するエクスプローラ画面E1,E2が表示されている。これらのエクスプローラ画面E1,E2は、予めマイコン11が接続端子17d(入出力端子59)を介してメディアプレーヤー50で実行されているO/SにHDD51dのメニュー(フォルダ)構造を問い合わせることにより、表示することができる。このようなエクスプローラ画面E1,E2にてユーザーが、スライド・再生させたいフォルダを指定し、決定する。
なお、エクスプローラ画面E1,E2で指定されたフォルダを指定フォルダF1,F2と表すものとする。指定フォルダF1,F2が決定されると、図7に示したメインメニューの最上部“オーディオフォルダ”から指定フォルダF1,F2へ移動するのに必要な操作が算出され、操作マクロが設定される。例えば、指定フォルダF1が写真フォルダの下層の最上部にある“お気に入りフォルダ”よりも2個下の位置にある“旅行フォルダ”である場合には、下記の[1]〜[7]の操作マクロが設定される。
[1]Mボタン→[2]Dボタン→[3]Dボタン→
[4]Rボタン→[5]Dボタン→[6]Dボタン→
[7]Pボタン
例えば、指定フォルダF2が“オーディオフォルダ”の下層の最上部にある“お気に入りフォルダ”よりも1個下の位置にある“ドライブ用フォルダ”である場合には、上記の[1]〜[7]に続く[8]〜[11]の操作コマンドが追加された下記の操作マクロが設定される。
[1]Mボタン→[2]Dボタン→[3]Dボタン→
[4]Rボタン→[5]Dボタン→[6]Dボタン→
[7]Pボタン→
[8]Mボタン→[9]Rボタン→[10]Dボタン→
[11]Pボタン
以上の操作マクロはROM11cに記憶される。そして、スライドショー&オーディオボタンが操作されると、ステップS510においてマイコン11が当該データを読み出してメディアプレーヤー50にCPU51aに送信する。出力する。これにより、ユーザーが指定した指定フォルダF1,F2の写真ファイルとメディアファイルをスライド・再生させることができる。
以上においては、操作マクロの一部を編集することにより、ユーザーがスライド・再生させるフォルダを指定できるようにしたが、テレビジョン10のマイコン11がユーザーによって任意に設定された操作マクロをROM11cに記憶し、リモコン等の操作によって実行するようにすることもできる。例えば、テレビジョン10のリモコンに操作マクロ登録処理の開始ボタンと終了ボタン、および、登録操作マクロの実行ボタンを設けておく。そして、操作マクロ登録処理の開始が指示されてから終了が指示されるまでの期間において、マイコン11は、メディアプレーヤー50のCPU51aと通信を行い、当該CPU51aが操作パネル57から受け付けた操作コマンドをマイコン11が取得する。そして、マイコン11が取得した操作コマンドをひとまとめにして、操作マクロとしてROM11cに格納しておく。そして、ユーザーが登録操作マクロの実行ボタンの操作によってテレビジョン10のマイコン11に対して登録マクロの実行を指示することにより、当該操作マクロを実行できるようにする。
例えば、下記の[1]〜[9]の操作コマンドからなる操作マクロも予め登録しておくことにより、容易に実行させることができる。
[1]Mボタン→[2]Dボタン→[3]Dボタン→
[4]Dボタン→[5]Dボタン→[6]Rボタン→
[7]Rボタン→[8]Dボタン→[9]Pボタン
以上の操作マクロによれば、順次操作メニューを移動し、最終的にはリセットを実行させることができる。図7に示すツリー状の操作メニューを採用したメディアプレーヤー50においては、目的のリセット操作に辿り着くまで多くのフォルダ移動操作が必要とされるが、複数の任意の操作をまとめて操作マクロとして実行させることができるため、容易にリセットを実行させることができる。
(5−4)接続に関する変形例
さらに、テレビジョン10とメディアプレーヤー50が接続するときのメディアプレーヤー50の位置は、図2に示した位置に限定されるものではない。すなわち、充電等が可能な程度に安定してメディアプレーヤー50を保持し、電気的に接続することができればよく、他の位置に接続端子17dを設けるようにしてもよい。例えば、図19に示すように支柱24bにおける液晶パネル16aの下端よりも低い位置に前方から後方に凹む凹部24cを設け、当該凹部24cに対して前方から後方に向かってメディアプレーヤー50の下端を挿し込む。この場合、メディアプレーヤー50を略水平に保持することができる。さらに、図20に示すように液晶パネル16aの枠部の上面に下方に凹む凹部24cを設け、当該凹部24cに対してメディアプレーヤー50を略鉛直に挿し込むようにしてもよい。
なお、本発明は前記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
10…テレビジョン,11…マイコン,11a…CPU,11b…RAM,11c…ROM,12…チューナ,12a…アンテナ端子,13…映像処理回路,14…音声処理回路,16…液晶モジュール,16a…液晶パネル,16b…バックライト,16c…駆動回路,16d…インバータ回路,17…ドッキングユニット,17a…信号調整回路,17b…充電回路,17c…充電スイッチ,17d…接続端子,18…リモコン受光部,19…バス,20…スピーカ,21…電源回路,22…スイッチ回路,23…外部入力端子,24…脚部,24a…ベース部,24b…支柱,50…メディアプレーヤー,51a…CPU,51b…RAM,51c…ROM,51d…HDD,52…ビデオデコーダ,53…液晶ディスプレイ,54…充電池,55…音声出力部,56…バス,57…操作パネル,58…画像出力回路,59…入出力端子