JP5185584B2 - 潤滑油組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑油組成物及びその製造方法に関し、効果的な消泡性を有するものに関する。
最近では自動車を始め、産業用の各種機械類は、小型で効率の高い機械となってきているが、それにつれて、機械類に使用される潤滑油の使用環境が厳しくなっている。
例えば、機械類が小型化したために潤滑油のタンクも小型になり、油量が少なくなった結果,オイルの受けるストレスは大きくなり、劣化速度が速くなって、潤滑性能ばかりでなく消泡性能が早期に失われるようになってきた。具体的には、オイルタンクからの油面上昇による泡の吹き出し、あるいは高圧ポンプにおける空気巻き込みによるキャビテーションによって、不快な異常音などが発生する。特に、自動車の場合は変速機から発生する泡が原因となって、潤滑油がエンジン室内に噴出することがあり、火災の発生の危険が生じる。
また、自動車の高品質化に伴って、静音化は重要な位置付けになって来ており、上記の如く変速機から不快な異常音が発生すると自動車そのものの商品価値が下がるばかりでなく、泡が潤滑部分に巻き込まれて焼き付き、摩耗を起こすこともあるため、この点からも長期に消泡性を維持することが潤滑油に求められるようになってきている。
こうした潤滑油における消泡性については、油面上の泡に対する消泡と、油中の泡に対する消泡の両者に対する対策が必要とされるが、油面上の泡の消泡性と油中の泡の消泡性を同時に行うことには困難が伴い、明確な対処法がなかなか見つけられないでいた。(非特許文献1)
すなわち、ジメチルポリシロキサン系の消泡剤は油面上の泡を消すのに有効である反面で、添加量が多くなると油中の泡を小型化して安定化させる結果、油中の泡が却って消えなくなる傾向がある。一方、ポリアクリレート系ポリマーの消泡剤は、油中の泡を不安定化するために放気性の消泡剤として使用されてきたが、この消泡剤は油面上の泡を逆に安定化させる傾向にあった。
「潤滑油の消泡」岡田美津男著、油化学、42巻10号(1993)、807〜810頁
本発明は、上記観点からなされたもので、潤滑油組成物において、油面上の泡に対する消泡と、油中の泡に対する消泡の両者を効果的に行い、長期に渡り、油面上および油中の優れた消泡性を維持できる潤滑油組成物及び、その効率的な製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、鉱油及び/又は合成油の基油に、25℃における粘度が10,000〜60,000mm/sのポリジメチルシロキサンを灯油、軽油その他の引火点が40℃以上の有機溶剤で希釈し、この稀釈液を攪拌機により8,000回転/分以上で1分以上攪拌して、ポリジメチルシロキサンの平均粒子径をPIDS(Polarization Intensity Differential Scattering Technology)を利用した測定器による測定で0.1μm以下にし、このポリジメチルシロキサンをSi換算で0.1〜30ppmと、さらに、重量平均分子量が4,000〜150,000のポリアクリレート系消泡剤を上記ポリジメチルシロキサンのSi換算量(ppm)で60倍以上を添加することによって、油面上の泡の消泡性と油中の泡の消泡性を兼ね備え、長期間に亘って消泡効果を維持することができる潤滑油組成物とするものである
本発明によれば、一定粘度のポリジメチルシロキサンと、一定分子量のポリアクリレート系消泡剤を一定の比率で組み合わせて潤滑油中に添加することによって、油面上の泡に対する消泡と油中の泡に対する消泡の両者を効果的に行うことができる。
また、ポリジメチルシロキサンを稀釈剤とともに高速攪拌して細粒化し、ポリアクリレート系消泡剤と混合することによって、長期間に亘って消泡効果を維持することができ、長寿命の消泡性を備えた潤滑油組成物を効率的に得ることができる。
本発明の潤滑油組成物における基油には、通常の潤滑油に使用される鉱油、合成油、これらの混合物を使用することができ、特に、API(American Petroleum Institute;米国石油協会)基油カテゴリーでグループ1、グループ2、グループ3、グループ4などに属する基油を、単独または混合物として使用することができる。
グループ1基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、溶剤精製、水素化精製、脱ろうなどの精製手段を適宜組合せて適用することにより得られるパラフィン系鉱油がある。
粘度指数は80〜120、好ましくは95〜110がよい。40℃における動粘度は、好ましくは2〜680mm/s、より好ましくは8〜220mm/sである。また全硫黄分は700ppm未満、好ましくは500ppm未満がよい。全窒素分も50ppm未満、好ましくは25ppm未満がよい。さらにアニリン点は80〜150℃、好ましくは90〜120℃のものを使用するのがよい。
グループ2基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、水素化分解、脱ろうなどの精製手段を適宜組合せて適用することにより得られたパラフィン系鉱油がある。ガルフ社法などの水素化精製法により精製されたグループ2基油は、全イオウ分が10ppm未満、アロマ分が5%以下であり、本発明において好適に用いることができる。
これらの基油の粘度は特に制限されないが、粘度指数は90〜125、好ましくは100〜120がよい。40℃における動粘度は、好ましくは2〜680mm/s、より好ましくは8〜220mm/sである。また全硫黄分は700ppm未満、好ましくは500ppm未満、更に好ましくは10ppm未満がよい。全窒素分も10ppm未満、好ましくは1ppm未満がよい。さらにアニリン点は80〜150℃、好ましくは100〜135℃のものを使用するのがよい。
グループ3基油及びグループ2プラス基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、高度水素化精製により製造されるパラフィン系鉱油や、脱ろうプロセスにて生成されるワックスをイソパラフィンに変換・脱ろうするISODEWAXプロセスにより精製された基油や、モービルWAX異性化プロセスにより精製された基油があり、これらも本発明において好適に用いることができる。
これらの基油の粘度は特に制限されないが、粘度指数は95〜145、好ましくは100〜140がよい。40℃における動粘度は、好ましくは2〜680mm/s、より好ましくは8〜220mm/sである。また全硫黄分は、0〜100ppm、好ましくは10ppm未満がよい。全窒素分も10ppm未満、好ましくは1ppm未満がよい。さらにアニリン点は80〜150℃、好ましくは110〜135℃のものを使用するのがよい。
合成油としては、例えば、ポリオレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、エステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールエステル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ポリフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、含フッ素化合物(パーフルオロポリエーテル、フッ素化ポリオレフィン等)、シリコーン油などが挙げられる。
上記ポリオレフィンには、各種オレフィンの重合物、又はこれらの水素化物が含まれる。オレフィンとしては任意のものが用いられるが、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、炭素数5以上のα−オレフィンなどが挙げられる。ポリオレフィンの製造にあたっては、上記オレフィンの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特にポリα−オレフィン(PAO)と呼ばれているポリオレフィンが好適であり、これはグループ4基油である。
これら合成基油の粘度は特に制限されないが、40℃における動粘度は、好ましくは2〜680mm/s、より好ましくは8〜220mm/sである。
天然ガスの液体燃料化技術のフィッシャートロプッシュ法により合成されたGTL(ガストゥリキッド)は、原油から精製された鉱油基油と比較して、硫黄分や芳香族分が極めて低く、パラフィン構成比率が極めて高いため、酸化安定性に優れ、蒸発損失も非常に小さいことから、本発明の基油として好適に用いることができ、これはグループ3基油である。
GTL基油の粘度性状は特に制限されないが、通例、粘度指数は130〜180、より好ましくは140〜175である。また40℃における動粘度は、2〜680mm/s、より好ましくは5〜120mm/sである。また、通例、全硫黄分は10ppm未満、全窒素分1ppm未満である。そのようなGTL基油商品の一例として、SHELL XHVI(登録商標)がある。
上記基油は、その粘度が一般に低い方が泡の排液速度が大きくなるため好ましいと言えるが、本発明においては上記したように消泡剤が配合されるので、この点に関する基油の影響は基本的に小さいと考えることができる。その中で、通常は100℃における動粘度が1〜50mm/s、特に2〜15mm/sの範囲にあるものが好適である。
この基油の%CA は、酸化安定性の点から20以下であるものが好ましく、更に10以下であるものが好ましい。また、低温流動性の指標である流動点については特に制限はないが、−10℃以下であるのが好ましく、特に−15℃以下であるものが好ましい。そして、粘度指数は高温時の粘度を高く保つ上で100以上が好ましい。
本発明の潤滑油組成物を構成する消泡剤のポリジメチルシロキサンは、下記式(I)で表される。
Figure 0005185584
(上記式Iにおいて、nは正の整数で粘度に対応する値である。)
上記ポリジメチルシロキサンは、25℃における動粘度が約10,000〜60,000mm /s程度が好ましい。もちろん上記粘度以下のポリジメチルシロキサンを含むことが排除されるものではないが,含有量が多くなると潤滑油が濁ったり、あるいは潤滑油中に分散することができず沈降したりするために、そうしたことが起こらないような適当な含有量に留めることが必要である。
このポリジメチルシロキサンは、単独で、あるいは粘度の異なった二種以上のものを組み合わせて使用することができる。
その使用量については、基油に、Si換算で、組成物全量を基準として、約0.1〜30ppm(重量ppm:以下同じ)の割合で配合される。0.1ppm未満では消泡性の効果がでない場合があり、30ppmを超えると潤滑油組成物が濁ったり、逆に消泡効果がでない場合がある。より好ましくは、約3〜10ppmの範囲である。
上記ポリジメチルシロキサンと共に、ポリアクリレート系の消泡剤が使用される。このポリアクリレートとしては、分子量が約4,000〜150、000程度のものを使用するとよい。その使用量は、上記したポリジメチルシロキサンのSi量(ppm)に対して60倍以上となるような添加量(ppm)で併用するようにするとよい。また、通常の添加量の範囲であれば上限は特に規制されないが、抗乳化性の低下が問題となることがあり0.5重量%以下になるようにすると好ましいことが多く、更に好ましくは0.2重量%以下である。
本発明の潤滑油組成物は、上記したように基油に、ポリジメチルシロキサン成分と、ポリアクリレート成分を配合することにより得られるが、さらに潤滑油の用途に応じて、その特性向上のために通常使用される金属系清浄剤、無灰系分散剤、酸化防止剤、摩擦調整剤、金属不活性化剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤などの公知の添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
これらの追加的な添加剤は、その全配合量を組成物全量基準で、通常、約0.05〜25重量%程度の範囲にすることが好ましい。
上記したポリジメチルシロキサンを基油に配合する場合、予め溶剤に分散させてから配合するようにすると好ましい。
このポリジメチルシロキサンは、上記溶剤にその必要量を加えて、ホモジナイザー等の攪拌機によって8,000回転/分以上の高速回転で1分以上攪拌する。好ましくは、20,000回転/分以上で5分以上攪拌するようにする。
こうした攪拌によって、溶剤中のポリジメチルシロキサンは細粒化されて粒子サイズが小さくなり、ポリジメチルシロキサンの平均粒子径を0.1μm以下にすることが出来る。この平均粒子径は、PIDS(Polarization Intensity Differential Scattering
Technology:偏光散乱強度差)を利用した測定器で測定した場合のものである。
上記分散用の溶剤は,低粘度で、基油に溶解し、かつ加温後は容易に蒸発して基油中に残らないようなものがよい。
こうした溶剤としては、例えば、JIS K2203に規定される灯油、或いはJIS K2204に規定される軽油のように、引火点が40℃以上で、取扱がガソリンと比べて安全なもので、また、粘度が低く、上記ホモジナイザーなどの攪拌機によって容易に攪拌することが出来るようなものがよい。
そして、この溶媒は、鉱油あるいは合成油の基油に容易に溶解することができるものであり、さらに後記するように、ポリジメチルシロキサンを分散させた溶媒と上記ポリアクリレートを基油に添加して攪拌し、消泡剤を基油中に分散させながら約60℃前後まで加温した場合に、上記溶媒が容易に蒸発して系外に大半が離散し、潤滑油組成物中に残存しないようなものであることが望ましい。この溶媒が残っていると,潤滑油組成物の引火点を下げたり、動粘度を低下させて潤滑性能や酸化安定性を低下させる虞れがある。
ここで使用される溶剤は、上記の灯油や軽油に限定されるものではなく,その他の石油系溶剤やエステルなどの有機溶剤で、上記の要求を満足するものであれば適宜使用することができる。更に、動粘度低下分を考慮して、配合することが可能であればPAO(ポリアルファーオレフィン)などの合成油も使用することができる。
上記溶媒中に細かく砕いて分散させたポリジメチルシロキサンと上記ポリアクリレートは、上記した基油中に加えて、消泡剤が基油中全体に均一状態に分散するように混合、攪拌する。上記ポリジメチルシロキサンの添加量は、Si換算により0.1〜30ppmとなるように基油に添加する。また、上記ポリアクリレートは、上記のポリジメチルシロキサンのSi換算量(ppm)に対して60倍以上となるような量を添加する。
上記消泡剤の基油中への混合、攪拌は、ジェット攪拌その他の適宜の方法で混ぜ合わせることができ、上記したように、攪拌によって消泡剤を基油中に分散させながら約60℃前後まで加温し、これによって、ポリジメチルシロキサンを分散させていた上記溶媒を蒸発させて系外に離散させ、潤滑油組成物中に残存しないようにして、ポリジメチルシロキサン及びポリアクリレートが均一状態に分散、混合されている潤滑油組成物を得ることができる。
上記したものでは、ポリジメチルシロキサンを溶媒中に分散させることのよって、ポリジメチルシロキサンの平均粒子径を0.1μm以下にしているが、基油中に混合、分散させた後に、平均粒子径が0.1μm以下になるようにするようにしてもよい。
こうしたポリジメチルシロキサンとポリアクリレートを含有する潤滑油組成物では、ポリジメチルシロキサンが潤滑油組成物中に細粒化されて分散されているので、同じ添加量であっても粒子数が増加する結果、潤滑油組成物から発生する泡と接触する確率が増え、これによって消泡効果を効果的に発揮することができる。
上記ポリジメチルシロキサンは、油面上の泡の表面に吸着し、泡の間に入り込んで泡を破泡する機能を有しているため、特に油面上の泡を効果的に消泡することができる。しかし、潤滑油組成物中に混入した泡の場合は、ポリジメチルシロキサンが油中の泡を破泡すると大きな泡がつぶれて小さくなり、泡自体の浮力が一層小さくなって長時間、油中に留まることになり、油中の泡を安定化してしまう欠点がある。
一方、上記ポリジメチルシロキサンに対して、一定濃度で併存しているポリアクリレートは、潤滑油組成物の中にある泡同士を合一させることによって泡のサイズを大きくすることができ、これによって泡の浮力が大きくなり、油面上に早く浮き上がらせるようになる。そして、油面上に達したら、上記ポリジメチルシロキサンによって破泡することができるから、潤滑油組成物の表面上および油中の泡のいずれについても、効果的に取り除くことができる。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
(基油)
基油1: API基油テゴリー;グループ2、製造方法;水素化精製、40℃の動粘度;20.12mm/s、100℃の動粘度;4.136mm/s、粘度指数;107、密度(15℃);0.85、引火点(FP);198℃
基油2: API基油テゴリー;グループ3、製造方法;ガス・ツー・リキッド、40℃の動粘度;16.89mm/s、100℃の動粘度;4.023mm/s、粘度指数;142、密度(15℃);0.82、引火点(FP);224℃
(ポリジメチルシロキサン分散液の調製)
下記の材料を用意して、表1に示すポリジメチルシロキサン分散液を調製した。
ポリジメチルシロキサン:東レシリコン(株)製・SH200
溶媒1:灯油
溶媒2:軽油
溶媒3:PAO2(100℃の動粘度;2.0mm/s)
Figure 0005185584
(潤滑油組成物の調製)
表2に示す配合及び製法により、実施例1〜4、比較例1〜4を調製した。
ポリジメチルシロキサンの平均粒子径(μm)については、PIDS(Polarization
Intensity Differential Scattering Technology:偏光散乱強度差)を利用したBeckman Colour LS13320測定器によって測定した。
Figure 0005185584
(試験1:泡立ち試験・JIS法)
上記実施例1〜4、比較例1〜4の潤滑油組成物について、JIS K2518に規定する泡立ち試験によって泡立ち度を測定し、消泡効果の評価を行った。
(1)上記60℃に加温し、200rpmで15分間攪拌して調製した直後の潤滑油組成物について、シーケンスI、シーケンスII、シーケンスIIIの泡立ち度を測定した。
シーケンスI:24±0.5℃の泡立ち度。
シーケンスII:93±1℃の泡立ち度。
シーケンスIII:シーケンスIIの93±1℃の泡立ち度の測定後、24±0.5℃に降温しての泡立ち度。
泡立ち度の表示方法:10ml単位で表示、10ml以下の場合はトレース(Tr)、液面が見える場合はゼロ(0)と表示する。
(2)同上1日経過後の潤滑油組成物について、シーケンスI、シーケンスII、シーケンスIIIの泡立ち度を測定した。
(3)同上7日経過後の潤滑油組成物について、シーケンスI、シーケンスII、シーケンスIIIの泡立ち度を測定した。
(4)同上1月経過後の潤滑油組成物について、シーケンスI、シーケンスII、シーケンスIIIの泡立ち度を測定した。
(試験2:泡立ち試験・ミキサー法)
油中の消泡性については,上記60℃に加温し、200rpmで15分間攪拌して調製した潤滑油組成物の1月経過後のものについて、市販のミキサーを利用して実験を行った。先ず、ガラス製のミキサー容器に予めmm単位で目盛りを付け、200mLの試料をミキサーに入れて2分間攪拌し、ミキサーの回転を停止する。
(1)ミキサーの回転停止直後から10秒後の泡層の厚さ(mm)を計測した。
(2)ミキサーの回転停止直後から1分後の泡層の厚さ(mm)を計測した。
(3)ミキサーの回転停止直後から2分後の泡層の厚さ(mm)を計測した。
(試験結果)
試験1及び試験2の結果を表3及び表4に示す。
Figure 0005185584
Figure 0005185584
(考察)
実施例1のポリジメチルシロキサン3ppmとポリアクリレート消泡剤0.02重量%の組み合わせでは、JIS法の調整直後から1ヶ月後に至る泡立ち試験結果と共に、1ヶ月後のミキサー法による泡立ち試験による油中の消泡効果も優れている。
実施例2や実施例3の結果に示すように、実施例1のポリジメチルシロキサン分散液の溶媒の灯油に替えてPAO(低粘度のポリα−オレフィン)や軽油を溶媒として使用した場合においても、実施例1とほぼ同等の消泡性を長期間維持することができることが判る。
実施例4のように、実施例1の基油をグループ2からグループ3に替えたものでも、JIS法の泡立ち試験およびミキサー法の泡立ち試験のいずれにおいても良好な消泡性を示した。
比較例1のグループ2の基油を使用したギヤオイルは消泡剤成分を全く含まないため、JIS法の泡立ち試験で調製直後において、特にシーケンスI、シーケンスIIIの泡立ち度が大きく、商品価値が低いことが判る。なお、調製直後の結果が悪かったので、1日後、7日後、1月後の試験は行なっていない。
また、比較例2のグループ3の基油を使用したギヤオイルも消泡剤成分を全く含まないため、JIS法の泡立ち試験で調製直後において、特にシーケンスI、シーケンスII、シーケンスIIIの順に泡立ち度が大きく、商品価値が低いことが判る。なお、調製直後の結果が悪かったので、同じく1日後、7日後、1月後の試験は行なっていない。
比較例3のように,ポリジメチルシロキサン分散液を添加したものでは、比較例1に比べて相当程度の消泡効果が得られているが、特にミキサー法の泡立ち試験において未だ充分な結果が得られていない。また、比較例4においても、特にミキサー法による泡立ち試験において未だ充分な結果が得られていない。
上記の結果より、ポリジメチルシロキサンとポリアクリレート消泡剤の添加量には相互依存性があり、基油としてグループ2やグループ3を使用した場合にも両者を適切な量で併用すると優良な消泡性が得られることが判った。

Claims (4)

  1. 25℃における粘度が10,000〜60,000mm/sのポリジメチルシロキサンを灯油、軽油その他の引火点が40℃以上の有機溶剤で希釈し、この稀釈液を攪拌機により8,000回転/分以上で1分以上攪拌して、ポリジメチルシロキサンの平均粒子径をPIDS(Polarization Intensity Differential Scattering Technology)を利用した測定器による測定で0.1μm以下にし、このポリジメチルシロキサンをSi換算で0.1〜30ppmと、さらに、重量平均分子量が4,000〜150,000のポリアクリレート系消泡剤を上記ポリジメチルシロキサンのSi換算量(ppm)で60倍以上を、鉱油及び/又は合成油の基油に添加した潤滑油組成物。
  2. 上記ポリジメチルシロキサンは、灯油、軽油その他の引火点が40℃以上の有機溶剤で希釈し、この稀釈液を攪拌機により20,000回転/分以上で5分以上攪拌し、ポリジメチルシロキサンの平均粒子径をPIDSを利用した測定器による測定で0.1μm以下にした請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 上記基油は、API(American Petroleum Institute,米国石油協会)基油カテゴリーでグループ2またはグループ3に分類されるものである請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
  4. 25℃における粘度が10,000〜60,000mm/sのポリジメチルシロキサンを灯油、軽油その他の引火点が40℃以上の有機溶剤で希釈し、この稀釈液を攪拌機により8,000回転/分以上で1分以上攪拌して、ポリジメチルシロキサンの平均粒子径をPIDS(Polarization Intensity Differential Scattering Technology)を利用した測定器による測定で0.1μm以下にし、このポリジメチルシロキサンをSi換算で0.1〜30ppmとなるように鉱油及び/又は合成油の基油に添加し、さらに、重量平均分子量が4,000〜150,000のポリアクリレート系消泡剤を上記ポリジメチルシロキサンのSi換算量(ppm)の60倍以上を上記基油に添加することを特徴とする潤滑油組成物の製造方法。
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