(実施の形態1)
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
本実施の形態は、開口部を導電体により充填する方法について説明するものであり、第1乃至第3の方法について、図1〜3を用いて説明する。
まず、第1の方法について、図1を用いて説明する。基板10は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等からなるガラス基板、石英基板、シリコン基板、金属基板、ステンレス基板又は本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いる(図1(A))。次に、基板10上に、導体(導電体)からなる配線又は半導体11を形成する。本実施例では、半導体11を例示する。なお、必要に応じて、基板10上に珪素を含む絶縁膜からなる下地膜を形成し、該下地膜上に配線又は半導体11を形成する。
基板10上には、プラズマCVD法、スパッタリング法、SOG(Spin On Glass)法及びスピンコート法等の公知の方法を用いて、50nm〜5μm(好適には100nm〜2μm)の厚さで絶縁膜11を形成する。絶縁膜11の材料としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜及び酸化窒化珪素膜などの珪素を含む絶縁膜を用いて、単層又は積層して形成する。但し、配線を積層した多層配線を形成する場合、誘電率が低い材料(好適には比誘電率が4以下の材料)
を用いることが好適であり、例えば、アクリル、ベンゾシクロブテン、パリレン、フレア、透過性を有するポリイミドなどの有機材料を用いるとよい。
絶縁膜12として有機絶縁膜を用いると、その平坦性が優れているため、後に導電体を成膜した際にも、段差部で膜厚が極端に薄くなったり、断線が起こったりすることがないため好適である。また低誘電率の材料を層間絶縁膜として用いると、配線容量が低減するため、多層配線を形成することが可能となり、高性能化及び高機能化が実現された半導体装置の作製方法を提供することができる。
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、絶縁膜11をパターン加工して、開口部(コンタクトホール)13を形成する。ウエットエッチング、ドライエッチングのいずれの方法を用いても構わないが、ドライエッチングを用いると、高アスペクト比(3以上)の開口部13を形成できるので、好適である。開口部13の形成には、液滴吐出法を用いてもよく、この場合、ノズルから、ウエットエッチング液を吐出することで行う。但し、開口部13のアスペクト比の制御のため、水などの溶媒で適宜洗浄する工程を追加するとよい。勿論、この洗浄の工程も、液滴吐出法を用いて、ノズルから吐出する液滴を水に交換するか、または、溶液が充填されたヘッドを交換すると、同一の装置で連続処理が可能となり、処理時間の観点から好ましい。上記のいずれかの方法による開口部13の形成後、下層の半導体11が露出した状態となる。
次に、開口部13の上方にヘッド14を移動させ、該開口部13に導電体を含む組成物を連続的に吐出する。そうすると、開口部13は組成物15により充填される(図1(B))。
なおヘッド14には、単数又は複数のノズルが具備される。複数のノズルを具備する場合、スループットを考慮し、ノズルの個数は基板の行方向、列方向又は斜め方向と同じ長さに設定するとよい。また、複数のノズルのうち、径の異なるノズルを用意して、用途に応じて各ノズルを使い分けてもよい。また、被処理物とヘッド14との距離は、所望の箇所に滴下するために、出来る限り近づけておくことが好ましく、好適には0.1〜2mm程度に設定する。
組成物は、導電体を溶媒に溶解又は分散させたものを用いる。導電体とは、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al等の金属、Cd、Znの金属硫化物、Fe、Ti、Si、Ge、Zr、Baなどの酸化物、ハロゲン化銀の微粒子等、又は分散性ナノ粒子に相当し、溶媒とは、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン、アセトン等の有機溶剤などに相当する。溶媒の濃度は、レジストの種類に応じて適宜設定する。
液滴吐出法を用いる場合、ヘッド14に具備された各ノズルの径や所望のパターンの形状などに依存するが、ノズルの目詰まりや高精細なパターンの作製のため、導電体の粒子の径はなるべく小さい方が好ましい。組成物は、電解法、アトマイズ法又は湿式還元法等の公知の方法で形成されるものであり、その粒子サイズは、一般的に約0.5〜10μmである。但し、ガス中蒸発法で形成すると、分散剤で保護されたナノ分子は約7nmと微細であるため、本方法を用いることが好ましい。さらに、このナノ粒子は、被覆剤を用いて各粒子の表面を覆うと、溶剤中に凝集がなく、室温で安定に分散し、液体とほぼ同じ挙動を示す。従って、上記被覆剤を用いることが好ましい。
ヘッド14に具備されるノズルの径は、0.1〜50μm(好適には0.6〜26μm)とし、該ノズルから吐出される組成物の吐出量は0.00001pl〜50pl(好適には0.0001〜10pl)に設定する。この吐出量は、ノズルの径の大きさに比例して増加しており、例えば、径が0.6μmのノズルを用いると、吐出量は0.0001plとなり、径が0.7μmのパターンを形成することができる。また、径が1.2μmのノズルを用いると、吐出量は0.001plとなり、径が1.5μmのパターンを形成することができる。
液滴吐出法を用いたパターンの作製に際しては、ヘッド14を移動してもよいし、ヘッド14を固定して、被処理物が設置されたステージを移動させてもよい。但し、ヘッド14を移動する場合、組成物の加速度や、ヘッド14に具備されたノズルと被処理物との距離とその環境を考慮して行う。
液滴吐出法には、オンデマンド型とコンティニュアス型の2つの方式があるが、オンデマンド型を用いることが好適である。また液滴吐出法において用いるヘッドには大別して、圧電方式、バブルジェット(登録商標)方式があるが、本発明では、どちらの方法を用いてもよい。圧電方式は圧電体の電圧印加により変形する性質を利用したものであり、バブルジェット(登録商標)方式はノズル内に設けられたヒータにより組成物を沸騰させ、該組成物を吐出するものである。圧電方式を利用した場合には、圧電素子に印加する電圧の波形を制御することによって、その吐出量を制御できる利点を有する。通常、同じ量の組成物を連続的に吐出するが、開口部は、下から上に向かって径が大きくなる傾向があるため、予め開口部の径をセンサ等により測定しておき、その開口部の径に合わせた量を吐出すると、上記圧電方式の利点をうまく活用することができる。
なお、この工程は、減圧下で行うと、組成物を吐出して被処理物に着弾するまでの間に、該組成物の溶媒が揮発し、後の乾燥と焼成の工程を省略することができる。また、減圧下で行うと、導電体15の表面に酸化膜などが形成されないため好ましい。
また、組成物で導電層を形成後、必要に応じてテフロン(登録商標)加工した板などを用いてプレス処理をしたり、バフ研磨、ローラを用いて平坦化を行ってもよい。
次に、乾燥の工程と焼成(加熱処理)の工程の一方又は両方の工程を行う。乾燥と焼成の工程は、両工程とも加熱処理の工程であるが、例えば、乾燥は100℃で3分間、焼成は200〜350℃で15分間〜30分間で行う。両工程とも加熱処理の工程ではあるが、その目的、温度と時間が異なるものである。乾燥の工程、焼成の工程は、常圧下又は減圧下で、レーザ光の照射や瞬間熱アニール、加熱炉などにより行う。
乾燥と焼成の工程を良好に行うために、基板を加熱しておいてもよく、そのときの温度は、絶縁膜の材質に依存するが、一般的には200〜800度(好ましくは250〜450度)とする。本工程により、組成物中の溶媒の揮発、又は化学的に分散剤を除去するとともに、周囲の樹脂が硬化収縮することで、ナノ粒子間を接触させ、融合と融着を加速する。
レーザ光の照射を行う際には、連続発振またはパルス発振の気体レーザ又は固体レーザを用いれば良い。前者の気体レーザとしては、エキシマレーザ、YAGレーザ等が挙げられ、後者の固体レーザとしては、Cr、Nd等がドーピングされたYAG、YVO4等の結晶を使ったレーザ等が挙げられる。条件は適宜設定されるが、エキシマレーザを用いる場合はパルス発振周波数300Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜700mJ/cm2(好ましくは200〜300mJ/cm2)とすると良い。またYAGレーザを用いる場合には、その第2高調波を用いてパルス発振周波数1〜300Hzとし、レーザーエネルギー密度を300〜1000mJ/cm2(好ましくは350〜500mJ/cm2)とすると良い。そして幅100〜1000μm(好ましくは幅400μm)で線状に集光したレーザ光を基板全面に渡って照射し、このときの線状ビームの重ね合わせ率(オーバーラップ率)
を50〜98%として行っても良い。但し、レーザ光の吸収率の関係から、連続発振のレーザを用いることが好ましい。また、パルス発振と連続発振を組み合わせた所謂ハイブリッドのレーザ照射方法を用いてもよい。なお、絶縁膜12として有機絶縁膜を用いた場合、レーザ光の照射による加熱処理は、該絶縁膜12が破壊しないように、数マイクロ秒から数十秒の間で瞬間的に行うとよい。
瞬間熱アニール(RTA)は、不活性ガスの雰囲気下で、紫外光乃至赤外光を照射する赤外ランプやハロゲンランプなどを用いて、急激に温度を上昇させ、数分〜数マイクロ秒の間で瞬間的に熱を加えて行う。この処理は瞬間的に行うために、実質的に最表面の薄膜のみを加熱することができ、下層の膜には影響を与えない。つまり、絶縁膜12として、有機絶縁膜を用いた場合であっても、該有機絶縁膜には影響を与えない。
その後、スパッタリング法、蒸着法などの公知の方法を用いて、膜厚を50〜800nmとして、導電性を有する材料により導電層16を形成する(図1(C))。この導電層16の材料には、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選択された元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜やAgPdCu合金を用いる。
なお、組成物15と導電層16には、同じ材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。例えば、開口部13を充填する材料には、銀を用いて、導電層16を形成する材料には銅を用いてもよい。銅は、低抵抗なため、大型の表示装置に用いる場合に好適である。但し、銅を用いる場合には、不純物対策のため、合わせてバリア膜を設けるとよい。
また、絶縁膜12として有機材料を用いた場合、脱ガス等の防止から、Ti(チタン)、TiN(チタンナイトライド)、TiSixやMoSixなどのシリサイド膜やポリシリコン膜、Nb、TiON、W(タングステン)、WN、TiWN、Taなどの材料を用いて、バリア膜を形成してもよい。バリア膜は、単層又は積層構造のいずれでも構わない。このバリア膜は、密着性を高め、埋め込み性を付与し、さらにコンタクト抵抗の低減と安定化をもたらすものである。以上の工程により、開口部13に組成物が充填された導電層(配線)を形成することができる。
続いて、第2の作製方法について、図2を用いて説明する。基板10に半導体11、絶縁膜12を形成し、該絶縁膜12に開口部13を形成する工程までは、図1を用いて示した方法と同じであるため、ここでは説明を省略する。
本方法では、開口部13を形成後、スパッタリング法などの公知の方法により、膜厚を50〜800nmとして、導電性を有する材料により導電層17を形成する(図2(A))。図示するように、この状態では、開口部13は導電体で充填されていない。
次に、ヘッド14を走査して、導電層17上の全面に組成物を吐出し、膜厚を50〜800nmとして、導電層18を形成する(図2(B))。開口部13の上方においては、ヘッド14を停止させて、組成物を連続的に吐出し、該開口部13を導電体により充填させる。その後、ヘッド14の走査を引き続き行って、導電層17上に導電層18を形成する(図2(C))。次に、必要に応じて、乾燥及び焼成の工程の一方又は両方の工程を行う。
続いて、第3の作製方法について、図3を用いて説明する。基板10に半導体11、絶縁膜12を形成し、該絶縁膜12に開口部13を形成し、該開口部13を介して、絶縁膜12上に導電層17を形成する工程までは、図2を用いて説明した方法と同じであるため、ここでは説明を省略する。
本方法では、導電層17を形成後、開口部13の上方において、選択的にかつ連続的に組成物を吐出し、該開口部を組成物により充填させる。そうすると、開口部13には、絶縁膜12上に導電層17、該導電層17上に導電層18が形成され、該開口部13は、導電体で充填された状態となる。次に、必要に応じて、乾燥又は焼成の工程の一方又は両方の工程を行う。
上記の第1乃至第3の作製方法によれば、開口部に組成物が充填され、平坦化された導電層を形成することができる。従って、アスペクト比が高い開口部が設けられた絶縁膜にも、ボイド(空所)が生じず、平坦化された配線の作製方法を提供することができる。
液滴吐出法を用いる本発明は、材料の利用効率が大幅に向上し、廃液処理量が少なくなるため、環境問題の解決に貢献したプロセスを提供することができる。
さらに、マスクが不要なために製造工程が簡略化し、歩留まりが向上する。つまり、フォトリソグラフィ工程が不要なために、設計データを直接描画できれば、多種多様のデバイス用フォトマスクの設計と作成が不要となる。上記効果により、大幅にコストを低減した配線の作製方法及び半導体装置の作製方法を提供することができる。
さらに、液滴吐出法を用いる本発明は、所謂第5世代以降の大型基板にも容易に対応可能であり、常圧下であれば、真空機構などがいらないため、クリーンルーム内のフットプリントの増大を抑制する。また、大型基板に作製可能な本発明は、本発明を適用した表示装置、該表示装置を用いた電子機器の単価の低下が実現する。
(実施の形態2)
本実施の形態は、液滴吐出法を用いた導電層のパターン加工の方法について説明するものであり、第1の方法について図4、第2の方法について図5を用いて説明する。
両図面において、基板10に半導体11、絶縁膜12を形成し、該絶縁膜12に開口部13を形成し、該開口部13を介して絶縁膜12上に導電層17を形成し、該導電層17上に液滴吐出法を用いて導電層18を形成する工程までは、図2を用いて説明した方法と同じであるため、説明は省略する。
第1の方法について、図4を用いて説明する。導電層18上に、液滴吐出法により、紫外線に反応するフォトレジストを選択的に吐出して、レジストパターン21を形成する(図4(A))。このレジストパターン21としては、感光剤を含む組成物を用いればよく、例えば、代表的なポジ型レジストである、ノボラック樹脂と感光剤であるナフトキノンジアジド化合物、ネガ型レジストであるベース樹脂、ジフェニルシランジオール及び酸発生剤などを、溶媒に溶解又は分散させたものを用いる。溶媒としては、公知の溶媒を用いる。そして、レジストパターン21の硬化を目的として、100℃で焼成するプリベーク処理を行う。
次に、レジストパターン21で覆われていない部分の膜を、エッチング処理を行って除去する(図4(B))。このエッチング処理は、硫酸、硝酸、リン酸、フッ酸などの薬液で腐食を行うウエットエッチング、又は代表的にはRIE(reactive・ion・etching、反応性イオンエッチング)を用いるドライエッチングのどちらを用いてもよく、その目的や用途に応じて適宜選択するとよい。エッチングガスは、被加工物に応じて適宜選択すればよく、CF4、NF3、SF6などのフッ素系、Cl2、BCl3などの塩素系のエッチングガスを用いて行う。
最後に、レジスト剥離液を用いて、マスクとして機能したレジストパターン21を除去する(図4(C))。レジストの除去には、プラズマ化したガスとレジストを反応させ、レジストを気化させて取り除くプラズマアッシャ、O3(オゾン)を分解して反応性ガスの酸素ラジカルに変えて、この酸素ラジカルとレジストを反応させて、レジストを気化させるオゾンアッシャ、レジストを溶かすのに最適な薬液の槽を搭載したウェットステーション等を用いればよい。プラズマアッシャ、オゾンアッシャを用いた場合、実際のレジストが含有する重金属などの不純物は除去されないので、ウェットステーションで洗浄することが好ましい。
続いて、第2の方法について、図5を用いて説明する。本方法では、導電層18上の全面にレジスト24を塗布する。その後、レジストの硬化を目的として、100℃程度で焼成するプリベーク処理を行う。
次に、露光処理を行う(図5(B))。この露光処理とは、予め目的のパターンが書き込まれたマスクを、レジスト24の上に重ねて、その上から紫外線を照射する処理である。基板サイズに依存するが、基板全面を数カ所ずつ分けて、紫外線ランプなどの光源を用いて、感光剤の感光波長域の光を照射することが好ましい。
次に、露光で紫外線が照射された部分のレジストを現像液に浸して取り去る現像処理を行って、露光で焼き付けたレジストを所望のレジストパターン26にする。その後、120℃程度で焼成するポストベーク処理を行う。
上記のような工程を経て、レジストパターン26が形成された後は、図4(B)(C)を用いて説明したように、エッチング処理とレジスト剥離処理を行って、所望の形状にパターン加工することができる。
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることが可能である。
本実施例は、本発明を適用した半導体装置の作製工程について、図面を用いて説明する。より詳しくは、Nチャネル型トランジスタ及びPチャネル型トランジスタを同一基板上に形成する作製工程について、図面を用いて説明する。
基板300としては、ガラス基板、石英基板等を用いる。そして、絶縁表面を有する基板300上に、下地膜302として、公知の方法(プラズマCVD法等)により、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜などの珪素を含む絶縁膜を単層又は積層形成する(図6(A))。
次に、公知の方法(スパッタリング法、LPCVD法、プラズマCVD法等)
により25〜100nmの厚さで非晶質半導体を形成する。次に、非晶質半導体を公知の結晶化法(レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法等)を用いて結晶化させる。そして、得られた結晶質半導体を所望の形状にパターニングして半導体303、304を形成する。なお前記半導体としては、非晶質半導体、微結晶半導体、結晶質半導体又は非晶質珪素ゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体などを用いる。
その後、半導体303、304を覆うゲート絶縁膜305を形成する。ゲート絶縁膜305は、公知の方法(スパッタ法等)を用いて珪素を含む絶縁膜等により形成する。
次に、ゲート絶縁膜305上に、プラズマCVD法、スパッタリング法、SOG(Spin On Glass)法及びスピンコート法等の公知の方法を用いて、50nm〜4μm(好適には100nm〜2μm)の厚さで絶縁膜306を形成する(図6(B))。絶縁膜306の材料としては、珪素を含む絶縁材料やアクリルなどの有機材料を用いる。そして、前記絶縁膜306に、公知のエッチング方法を用いて、ゲート絶縁膜305に達する開口部307、308を形成する。
次に、絶縁膜306上に、スパッタリング法、蒸着法などの公知の方法を用いて、膜厚を10〜800nmとして、導電性を有する材料により導電層309を形成する(図6(C))。この導電層309は、バリア膜としての役割も果たす。続いて、液滴吐出法により、ノズル311から組成物を吐出して、導電層309上に、膜厚を10〜800nmとして、導電層310を形成する。
その後、フォトリソグラフィ法を用いてパターン加工、又はCMP法を用い平坦化して、絶縁膜306上に、導電層312〜315を形成する(図6(D))
。このように、CMP法と組み合わせて、優れた平坦化を実現する技術は、ダマシン法と呼ばれる配線技術である。導電層312〜315は、後に完成するトランジスタのゲート電極に相当する。
次に、導電層312〜315をマスクとして、所定のドーピング処理を行って、不純物領域331〜334、チャネル形成領域343、344を形成する(図7(A))。このドーピング処理は、阻止能の違いを利用して行うとよい。なお、図7では、不純物領域331、332にはN型を付与する不純物元素、不純物領域333、334にはP型を付与する不純物元素が添加された場合を例示する。
次に、新たに絶縁膜316を形成し、絶縁膜306、316にゲート絶縁膜305に達する開口部317〜320を形成する。その後、絶縁膜316上に、スパッタリング法、蒸着法などの公知の方法を用いて、膜厚を10〜800nmとして、導電層321を形成する。この導電層321はバリア膜としての役割も果たす。
次に、ヘッド311を走査し、開口部317〜320上において、連続的に組成物を吐出して、該開口部317〜320を導電体により充填する。次に、所定のパターン加工をすると、開口部が導電体で充填されたソース・ドレイン配線326〜329が完成する。その後保護膜330を形成して、基板300上にN型TFT341とP型TFT342が完成する。
本実施例は上記の実施の形態、実施例と組み合わせて実施することが可能である。
本発明の実施例について、図8を用いて説明する。
図8は、基板300上に6層の層が形成された半導体装置の断面図を示しており、1層目として半導体素子(ここでは薄膜トランジスタのみを示す)、2層目から6層目まで配線が形成された場合を示す。
このような多層配線を含む半導体装置は、CPUなどの半導体素子を多数組み込む必要がある機能回路に用いることが好適である。仮に、多層配線を形成しない場合、1層目に形成した半導体素子(ここでは薄膜トランジスタ)のゲート電極、又はソース・ドレイン配線と同じ層で配線を作製する必要が生じてしまう。
そうすると、配線を引き回す必要が生じ、その分歩留まりが悪くなる。またこの場合には、半導体素子のサイズを小さくする以外には、半導体装置の小型化が見込めない。一方、本発明の配線の作製方法を用いれば、多層配線を作製することが可能であるため、1層目に素子間の幅を狭くして高集積化し、その上層に配線を作製することができる。従って、大幅な小型化が実現され、さらに配線を引き回す必要がないために低抵抗化につながり、高速化が実現する。
本実施例は、上記の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
本発明の実施例について、図9を用いて説明する。本実施例は、上記の実施例1と比較して、ゲート電極とソース・ドレイン配線の作製方法が異なる薄膜トランジスタの作製工程について説明する。
絶縁表面を有する基板300上に下地膜302、半導体303、304、ゲート絶縁膜306及び絶縁膜306を形成し、該絶縁膜306に開口部307、308を形成する工程までは、図6(A)(B)に示す工程と同じであるため、ここでは説明を省略する。
開口部307、308を形成後、該開口部307、308に、ヘッド311に具備されたノズルから導電体を含む組成物を吐出し、ゲート電極351、352を形成する。次に、ゲート電極351、352をマスクとして、不純物領域375〜378、チャネル形成領域379、380を形成する。本実施例では、不純物領域375、376はN型を付与する不純物元素が添加された領域とし、不純物領域377、378はP型を付与する不純物元素が添加された領域とする。続いて、絶縁膜365を形成後、該絶縁膜306、365に開口部353〜356を形成する。
次に、ヘッド311を走査し、開口部353〜356上においてのみ選択的に液滴を吐出し、該開口部353〜356内に導電層357〜360を形成する。
次に、絶縁膜365上において選択的に液滴を吐出し、開口部353〜356に充填された導電層357〜360と電気的に接続された導電層361〜364を形成する。
本工程を経て、N型TFT371とP型TFT372が完成する。
本実施例は、上記の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
本発明の実施例について、図10を用いて説明する。本実施例は、非晶質半導体を用いた薄膜トランジスタの作製工程について説明する。
基板600上に液滴吐出法を用いて形成したゲート電極600を形成し、該ゲート電極600上にゲート絶縁膜601を形成する(図10(A))。その後、ゲート絶縁膜601上に非晶質半導体、N型非晶質半導体を積層形成し、同時にパターン加工して、非晶質半導体層及びN型非晶質半導体層を形成する。次に、N型非晶質半導体上に導電膜を形成し、非晶質半導体、N型非晶質半導体及び導電膜を同時にパターン加工して、非晶質半導体層602、N型非晶質半導体層603、604、ソース・ドレイン配線605、606を形成する。
続いて、保護膜610を形成し、該保護膜610上に絶縁膜611を形成する。次に、絶縁膜611に開口部612を形成し、開口部612にヘッド607から選択的に液滴を吐出して、開口部612を充填する導電層608を形成する(図10(B))。次に、導電層608と電気的に接続する導電層609を形成する。この導電層609は、画素電極に相当するものである。
この導電層609を形成後、液晶層や配向膜などを形成すると、液晶表示装置が完成する。
本実施例は、上記の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
本実施例について、図11、12を用いて説明する。
液滴吐出法は、所望の箇所のみにパターンを形成することができるという大きな特徴を有する。本特徴により、マスクが不要であり、材料の利用効率が向上するという効果が生ずる。本実施例では、このような特徴を活かし、パソコンに入力された回路配線を即座に作製することができるシステムや、開口部検出手段を用いて、開口部の径に合わせて吐出量を制御するシステム、液滴を吐出し被処理物に該液滴が着弾する瞬間を観察するシステム及びそれらのシステムを実現する装置について簡単に説明する。
本システムにおいて、基幹となる構成要素としては、CPU500、コントローラ501、モニター502、コントローラ503、開口部検出手段514、吐出量制御回路505、ステージ506、カメラ507、ストロボコントローラ508、ストロボランプ509、発光タイミング制御回路510及びキーボードやボタン等の入力手段511が挙げられる。
最初に、パソコンなどに入力された配線を作製するシステムについて簡単に説明する。入力手段513により、回路配線のデータが入力されたら、このデータはCPU500を介して揮発性メモリ511又は不揮発性メモリ512に記憶される。そして、このデータを基に、コントローラ503を介して、液滴吐出手段504が選択的に液滴を吐出し、配線を形成する。このシステムは、開口部を作製する場合にも適用することが可能で、例えば、入力手段により開口部を設ける箇所のデータが入力されたら、該データを基に、液滴吐出手段504が選択的にエッチング液を含む液滴組成物を吐出する。そうすると、選択的に開口部を形成することができる。なお、液滴を吐出する際には、その着弾精度の向上のため、絶縁膜等で溝を作製しておくことが好適である。
次に、開口部の深さや径、アスペクト比に合わせて吐出量を制御するシステムについて説明する。開口部は、下から上に向かってその径が大きくなる傾向があるが、開口部検出手段514は、その深さに応じた径を検出する機能を有するものであり、公知のセンサを用いればよい。また、圧電体を具備したノズルを用いた場合、該圧電体に印加する波形を制御することで、吐出量を制御することができる。従って、開口部検出手段514から得られた情報と、吐出量制御回路505から供給される信号により、開口部の径に合わせて、液滴吐出手段504から吐出する量を制御することができる。
最後に、液滴を吐出し、被処理物に該液滴が着弾する瞬間を観察するシステムについて説明する。液滴吐出手段504により液滴が吐出されたら、ストロボコントローラ508を介して、ストロボランプ509が発光する。ストロボランプ509が発光するタイミングは、発光タイミング制御回路510が制御する。そして、吐出から着弾までの瞬間をカメラ507により複数回撮影し、CPU500及びコントローラ501を介してモニター502により観察する。なお、着弾精度の向上のため、液滴吐出手段504のみが移動するのではなく、ステージ506を移動させてもよい。
続いて、上記システムを具備した液滴吐出装置について、図12(A)を用いて説明する。504は液滴吐出手段、514は開口部検出手段、506はステージ、507はカメラである。開口部の情報や配線のパターンの情報などがコンピュータ515に入力されたら、該コンピュータ515はこれらの情報に応じて、液滴吐出手段504により液滴を吐出する。なお、着弾した組成物の乾燥を早め、また組成物の溶媒成分を除去するために排気口516を真空排気しておくことが望ましい。また、図示しないが、基板を加熱する手段、加えて温度、圧力等、種々の物性値を測定する手段を、必要に応じて設置しても良く、これら手段も、筐体の外部に設置した制御手段によって一括制御することが可能である。さらに制御手段をLANケーブル、無線LAN、光ファイバ等で生産管理システム等に接続すれば、工程を外部から一律管理することが可能となり、生産性を向上させることに繋がる。
次に、液滴吐出手段504の構成について図12(B)を用いて説明する。液滴吐出手段は、溶液室521、溶液供給口524、ピエゾ素子523、振動板522、ノズル520からなり、ピエゾ素子523に所定のパルス電圧を加えることによって、溶液をノズル520から吐出させることができる。なお、ピエゾ素子523に加える電圧はサテライトを発生させない最適な波形を選ぶ必要がある。
本実施例では、圧電素子を用いたいわゆるピエゾ方式の場合を図示したが、溶液の材料によっては、発熱体を発熱させ気泡を生じさせ溶液を押し出す、いわゆるサーマルインクジェット方式を用いても良い。この場合、圧電素子を発熱体に置き換える構造となる。また液滴吐出のためには、溶液と、液室流路、予備液室、流体抵抗部、加圧室、溶液吐出口との濡れ性が重要となる。そのため材質との濡れ性を調整するための炭素膜、樹脂膜等をそれぞれの流路に形成する。
上記システムにより、露光を目的としたマスクが不要となり、露光、現像などの工程を大幅に削減することができる。その結果、スループットが高くなり、大幅に生産性を向上させることができる。また本構成は、配線の断線箇所や、配線と電極間の電気的接続の不良箇所などをリペアする目的で使用してもよい。この場合、例えばパソコンなどにリペア箇所を入力し、該箇所にノズルから組成物を吐出させる。
本実施例は、上記の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
本実施例では、組成物の吐出口が一軸方向に複数個配列した液滴吐出手段を備えた液滴吐出装置について、図13を用いて説明する。図13(A)(C)は装置の一構成例について示し、図13(B)は装置に用いるヘッド部の構成例について示す。
図13(A)に示す線状の液滴吐出装置は、ヘッド106を有し、該ヘッド106から液滴を吐出することで、基板102上に所望のパターンを形成する。基板102としては、所望のサイズのガラス基板の他、プラスチック基板に代表される樹脂基板、或いはシリコンに代表される半導体ウエハ等の被処理物に適用することができる。
図13(A)において、基板102は搬入口104から筐体101の内部へ搬入し、処理を終えた基板を搬出口105から搬出する。筐体101内部において、基板102は搬送台103に搭載され、搬送台103は搬入口と搬出口とを結ぶレール110a、110b上を移動する。
ヘッド支持部107は、液滴を吐出するヘッド106を支持し、搬送台103と平行に移動する。基板102が筐体101内部へ搬入されると、これと同時にヘッド支持部107が、ヘッドが最初の液滴吐出処理を行う所定の位置に合うように移動する。ヘッド106の初期位置への移動は、基板搬入時、或いは基板搬出時に行うことで、効率良く吐出処理を行うことができる。
液滴吐出処理は、搬送台103の移動により基板102が、ヘッド106の待つ所定の位置に到達すると開始する。本処理は、ヘッド支持部107及び基板102の相対的な移動と、ヘッド支持部に支持されるヘッド106からの液滴吐出の組み合わせによって達成される。基板やヘッド支持部の移動速度と、ヘッド106からの液滴を吐出する周期を調節することで、基板102上に所望のパターンを描画することができる。特に、液滴吐出処理は高度な精度が要求されるため、液滴吐出時は搬送台の移動を停止させ、制御性の高いヘッド支持部107のみを順次走査させることが望ましい。また、ヘッド106のヘッド支持部107による走査は一方向のみに限らず、往復或いは往復の繰り返しを行うことで液滴吐出処理を行っても良い。
液滴は、筐体101外部に設置した液滴供給部109から筐体内部へ供給され、さらにヘッド支持部107を介してヘッド106内部の液室に供給される。この液滴供給は筐体101外部に設置した制御手段108によって制御されるが、筐体内部におけるヘッド支持部107に内蔵する制御手段によって制御しても良い。また搬送台及びヘッド支持部の移動は、同様に筐体101外部に設置した制御手段108により制御する。
図13(A)には記載していないが、基板や基板上のパターンへの位置合わせのためのセンサや、筐体へのガス導入手段、筐体内部の排気手段、基板を加熱処理する手段、基板へ光照射する手段、加えて温度、圧力等、種々の物性値を測定する手段等を、必要に応じて設置しても良い。またこれら手段も、筐体101外部に設置した制御手段108によって一括制御することが可能である。さらに制御手段108をLANケーブル、無線LAN、光ファイバ等で生産管理システム等に接続すれば、工程を外部から一律管理することが可能となり、生産性を向上させることに繋がる。
次にヘッド106内部の構造を説明する。図13(B)は図13(A)のヘッド106の断面を長手方向に見たものであり、図13(B)の右側がヘッド支持部に連絡する。
外部からヘッド201の内部に供給される組成物は、共通液室流路202を通過した後、液滴を吐出するための各ノズル209へと分配される。各ノズル部は適度の液滴がノズル内へ装填されるために設けられた流体抵抗部203と、液滴を加圧しノズル外部へ吐出するための加圧室204、及び液滴吐出孔206によって構成されている。
加圧室204の側壁には、電圧印加により変形するチタン酸・ジルコニウム酸・鉛(Pb(Zr,Ti)O3)等のピエゾ圧電効果を有する圧電素子205を配置している。このため、目的のノズルに配置された圧電素子205に電圧を印加することで、加圧室204内の組成物を押し出し、外部に液滴207を吐出することができる。また各圧電素子はこれに接する絶縁物208により絶縁されているため、それぞれが電気的に接触することがなく、個々のノズルの吐出を制御することができる。
本実施例では、液滴吐出を圧電素子を用いたいわゆるピエゾ方式で行うが、組成物の材料によっては、発熱体を発熱させ気泡を生じさせ組成物を押し出す、いわゆるサーマルインクジェット方式を用いても良い。この場合、圧電素子205を発熱体に置き換える構造となる。
また液滴吐出のためのノズル部209においては、組成物と、共通液室流路202、流体抵抗部203、加圧室204さらに液滴吐出孔207との濡れ性が重要となる。そのため材質との濡れ性を調整するための炭素膜、樹脂膜等をそれぞれの流路に形成しても良い。
上記の手段によって、組成物を処理基板上に吐出することができる。また、液滴吐出方式には、組成物を連続して吐出させ連続した線状のパターンを形成する、いわゆるシーケンシャル方式と、組成物をドット状に吐出する、いわゆるオンデマンド方式があり、本発明における装置構成ではオンデマンド方式を示したが、シーケンシャル方式によるヘッドを用いることも可能である。
さらに図13(A)で示す線状液滴吐出装置に改良を加えた、図13(C)に示す線状の液滴吐出装置について説明する。本装置ではヘッド支持部107に回転機構を設け、任意の角度θに回転することで、基板102に対しヘッド106が角度を持たせるように設計したものである。角度θは任意の角度が許されるが、装置全体のサイズを考慮すると基板102が移動する方向に対し、0°から45°以内であることが望ましい。このヘッド支持部107に回転機構を持たせることにより、ヘッドに設けられた液滴吐出孔のピッチよりも狭いピッチで、パターンを描画することができる。
本実施例は、上記の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
本発明の実施例について、図14を用いて説明する。本実施例では、同一表面上に画素部及び該画素部を制御する駆動回路、並びにメモリ及びCPUを搭載したパネルについて説明する。図14は、TFTが形成された基板をシーリング材によって封止することによって形成された表示パネルの上面図であり、図14(B)は図14(A)のB-B’における断面図、図14(C)は図14(A)のA-A’における断面図である。
図14(A)はパネルの外観を示し、該パネルは、基板400上に複数の画素がマトリクス状に配置された画素部401を有し、該画素部401の周辺に信号線駆動回路402、走査線駆動回路403を有する。そして、これらを囲むようにしてシール材406が設けられる。対向基板409は、画素部401及び駆動回路402、403上のみに設けてもよいし、全面に設けてもよい。但し、発熱する恐れがあるCPU406には、放熱板を接するように配置することが好ましい。メモリ405は、不揮発性と揮発性のメモリのいずれでもよく、例えばVRAM(画面表示専用メモリ)や、RAMなどに相当する。
基板400上には、信号線駆動回路402及び走査線駆動回路403に信号を伝達するための入力端子部411が設けられ、該入力端子部411へはFPC412を介してビデオ信号等のデータ信号が伝達される。入力端子部411の断面は、図14(B)に示す通りであり、走査線もしくは信号線と同時に形成された配線からなる入力配線413とFPC412側に設けられた配線415とを、導電体416を分散させた樹脂417を用いて電気的に接続してある。導電体416としては、球状の高分子化合物に金もしくは銀といったメッキ処理を施したものを用いる。
図14(C)はパネルの断面図を示す。基板400上には、画素部401、信号線駆動回路402及びCPU406が設けられる。画素部401にはTFT430と保持容量429が設けられ、信号線駆動回路402にはTFT431及び432が設けられ、CPU406には複数のTFT440と配線441が設けられる。
TFTなどの半導体素子が設けられた基板400と、対向基板409の間にはスペーサ422が設けられており、シール材407により接着されている。そして、画素部401と信号線駆動回路402上にはラビング処理された配向膜435、液晶層423、配向膜424、対向電極425及びカラーフィルタ426が設けられる。基板400と対向基板409には偏光板428、429が設けられる。またCPU406を構成する素子として、半導体素子440とその上層に積層形成された配線441を有する。
基板400上の回路を構成する素子は、非晶質半導体に比べて移動度が高く、オン電流が大きい多結晶半導体(ポリシリコン)により形成され、それ故に同一表面上におけるモノシリック化が実現される。また、本発明の半導体装置の作製方法を適用することで、同一の基板400上に画素部と駆動回路以外に、CPUなどの機能回路をも一体形成することができる。このようなパネルはシステムオンパネルとよばれ、システムの多機能化を図ることができる。また本パネルは、接続する外部ICの個数が減少するため、小型・軽量・薄型が実現される。これは、最近普及が急速に進んだ携帯端末に適用すると、高付加価値化が実現されるため、大変有効である。
なお本実施例では、1層目に半導体素子を形成し、その上層に配線を積層形成する場合を示したが、本発明はこれに限定されず、半導体素子(主にトランジスタ)を積層形成し、その上層に配線を積層形成してもよい。また、剥離方法を用いて、別の基板上に形成された半導体素子を剥離して貼り付けることで、半導体素子を積層形成し、その上層に配線を積層形成してもよい。
また、本実施例では、表示素子として液晶素子を用いたパネルを示したが、本発明はこれに限定されない。表示素子として、例えば発光素子などの他の表示素子を用いたパネルに適用してもよい。
図14では、画素部401の他にメモリ405とCPU406が具備されたパネルを図示したが、以下には、それ以外の機能回路の構成について3つの場合を例に挙げて説明する。
まず第1の例として、機能回路がメモリ、CPU、VRAM及びインターフェースを有する場合が挙げられる。メモリは、SRAMやDRAMといった揮発性メモリにより構成され、画像データを保存する。VRAMは、SRAMやDRAMといった揮発性メモリによって構成される。インターフェースは、外部装置から入力された信号の一時的な保存、フォーマット変換などを行う。動作について簡単に説明すると、画像データや、キーボードやROMである外部装置から供給される制御信号は、インターフェース及びシステムバスを介して、CPUと外部装置との間で通信される。CPUは処理中の画像データやロジック回路の制御信号をメモリに一時的に格納し、処理された画像データはVRAMに格納される。
VRAMに格納された画像データは、駆動回路を介して、各画素に供給される。
第2の例として、機能回路がフレームメモリ、タイミング生成回路及びフォーマット変換回路を有する場合が挙げられる。タイミング生成回路は、各駆動回路の動作タイミングを決めるクロック、クロックバックを生成する。フォーマット変換回路は、外部装置からFPCを介して入力される圧縮符号化された信号の伸長復号、画像の補間やリサイズなどの画像処理が行われる。フォーマット変換された画像データは、フレームメモリに格納され、この格納された画像データは、駆動回路を介して、各画素に供給される。
第3の例として、機能回路がVRAM、マスクROM、画像処理回路、メモリ、CPU及びインターフェースを有する場合が挙げられる。インターフェースおよびシステムバスを介して、キーボードなどの外部装置との間で制御信号が通信される。マスクROMには、プログラムデータや画像データが格納される。マスクROMに格納されているデータは、CPUによって、メモリとの間で随時読み書きしながら処理される。画像データは画像処理回路でリサイズ等の処理が施され、VRAMに格納される。VRAMに格納されたデータは、駆動回路を介して、各画素に供給される。
上述した機能回路に含まれる各回路は、主に半導体素子により構成され、具体的にはトランジスタなどの3端子素子、ダイオードなどの2端子素子、容量素子及び抵抗素子などが挙げられる。そして、これらの半導体素子を電気的に接続する配線を作製する際、本発明を適用すると、多層配線の作製が可能となり、高性能化及び多機能化が実現された半導体装置の作製方法を提供することができる。
本実施例は、上記の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
本発明を適用して作製される電子機器の一例として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、カーオーディオなどの音響再生装置、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、家庭用ゲーム機などの記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それら電子機器の具体例を図15、16に示す。
図15(A)は、携帯端末であり、本体9301、音声出力部9302、音声入力部9303、表示部9304及び操作スイッチ9305等を含む。図15(B)はPDA(personal・digital・assistant)であり、本体9101、スタイラス9102、表示部9103、操作ボタン9104及び外部インターフェース9105等を含む。図15(C)は、携帯型ゲーム機器であり、本体9201、表示部9202及び操作ボタン9203等を含む。図15(D)は、ゴーグル型ディスプレイであり、本体9501、表示部9502及びアーム部9503等を含む。
図16(A)は、40インチ程度の比較的大型の液晶テレビであり、表示部9401、筐体9402及び音声出力部9403等を含む。図16(B)は、パソコンと付属して用いるモニターであり、筐体9601、音声出力部9602及び表示部9603等を含む。図16(C)は、デジタルビデオカメラであり、表示部9701、9702等を含む。図16(D)は、ノートパソコンであり、筐体9801、表示部9802及びキーボード9803等を含む。
上記に挙げた電子機器において、表示部9304、9103、9202、9502、9401、9603、9701、9702及び9802を含むパネルは、駆動回路やCPU等の機能回路450を具備することが好適である。この駆動回路や機能回路には、本発明を適用した多層配線が形成される。このように、駆動回路だけでなく、機能回路が一体形成されたパネルを有する場合、接続するICの個数を減らすことができるため、小型・軽量・薄型が実現された電子機器を提供することができる。
本実施例は、上記の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。