JP2007140323A - 膜パターンの形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、電子機器 - Google Patents
膜パターンの形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、電子機器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】平坦な断面形状を有した膜パターンを形成する方法を提供する。
【解決手段】本発明の膜パターンの形成方法は、基板P上に所定パターンの液受容部11を形成する液受容部形成工程と、前記液受容部11に対して機能材料を含む液状物12を塗布し、該塗布した液状物12を乾燥させて機能膜13を形成する機能膜形成工程と、前記液受容部11及び前記機能膜13を含む基板全面に対して平坦化処理を行う平坦化工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の膜パターンの形成方法は、基板P上に所定パターンの液受容部11を形成する液受容部形成工程と、前記液受容部11に対して機能材料を含む液状物12を塗布し、該塗布した液状物12を乾燥させて機能膜13を形成する機能膜形成工程と、前記液受容部11及び前記機能膜13を含む基板全面に対して平坦化処理を行う平坦化工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、膜パターンの形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、及び電子機器に関するものである。
液晶装置等の電気光学装置に使われるスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)を製造する際、電極又は配線等を形成する工程において、例えばフォトリソグラフィ法が用いられている。予め機能膜を、スパッター、CVDと言った既存成膜方法により形成した後、基板上にレジストと呼ばれる感光材を塗布し、回路パターンを照射して現像した後、レジストパターンに応じて機能膜をエッチングすることで機能薄膜の回路パターンを形成するものである。この一連のフォトリソグラフィ法を利用した機能薄膜の形成、パターンニングは、成膜処理及びエッチング処理時に真空装置等の大掛かりな設備と複雑な工程を必要とし、また材料使用効率が数%程度とそのほとんどを廃棄せざるを得ず、製造コストが高いのみならず、生産性も低い。
これに対して、液体吐出ヘッドから機能液体材料を液滴状に吐出する液滴吐出法(いわゆるインクジェット法)を用いて、基板上に機能膜のパターンを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、金属微粒子等の導電性微粒子を分散させた機能液である薄膜パターン形成用インクを基板に直接パターン塗布し、その後熱処理やレーザ照射を行って薄膜の導電膜パターンに変換する。この方法によれば、従来の成膜処理、フォトリソグラフィ、及びエッチング工程が不要となり、プロセスが大幅に簡単なものになるとともに、原材料の使用量も少なく生産性の向上と言ったメリットがある。
特開2003−317945号公報
特許文献1では、インクジェットにて目的とするゲート、ソース配線及び電極等の膜パターンを形成するため、予め当該パターンに対応したパターンを有するバンクをフォトリソグラフィにより形成し、該バンクパターン内に銀、ニッケル等の導電性を有する成分を含有した機能性インクをインクジェットにより塗布、焼成することで、所望のゲート、ソース配線及び電極等を形成している。
しかしながら、一般に上記機能性インクの金属含有量は1〜10体積%であり、機能性インク塗布後の溶媒の揮発による体積収縮により、形成される膜パターンの断面形状はバンク面に対して大きく下に凸となる場合がある。そこで、このような下に凸の状態を緩和するため、インクの盛り込み量を増やすとバンクパターンから機能性材料が顕著に溢れる等の問題が生じる。その結果、バンクパターンから溢れたインク材料に起因する絶縁不良や、下に凸の形状に起因するゲート絶縁膜のカバレジ異常、さらにはトランジスタのゲート長が設計値よりも増大する等、配線上の絶縁耐圧の確保および信頼性の高い半導体キャリア層が電極上に形成できないといった課題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、平坦な断面形状を有した膜パターンを形成する方法を提供することを目的とし、さらには該膜パターンの形成方法を用いた製造方法であって、信頼性の高い電気光学装置の製造方法を提供することを目的としている。そして、さらに本発明はそのような方法により製造された電気光学装置並びに信頼性の高い電子機器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の膜パターンの形成方法は、基板上に所定パターンの液受容部を形成する液受容部形成工程と、前記液受容部に対して機能材料を含む液状物を塗布し、該塗布した液状物を乾燥させて機能膜を形成する機能膜形成工程と、前記液受容部及び前記機能膜を含む基板全面に対して平坦化処理を行う平坦化工程と、を含むことを特徴とする。
このような膜パターンの形成方法によると、膜パターンの形成面を簡便且つ確実にフラットにすることが可能となる。その結果、当該膜パターンの形成方法を用いて配線等の積層構造を形成した場合にも、平坦な積層構造を安価に提供することが可能となる。つまり、形成したフラットな膜パターン上に他の機能膜を好適に積層することができ、その際に膜の破損等の不具合が極めて生じ難いものとなる。したがって、例えば半導体素子等の形成時に本発明の膜パターンの形成方法を採用すれば、配線の断線等が生じ難く、信頼性の高い半導体素子を低コストにて提供することが可能となるのである。
前記液受容部形成工程において、前記基板上に所定パターンの隔壁部を形成し、該隔壁部により囲まれた領域を当該液受容部とすることができ、前記隔壁部は、主成分を酸化ケイ素として構成することができる。隔壁部を酸化ケイ素により構成すると、後の平坦化工程において当該隔壁部が損傷を受ける等の不具合が生じ難いものとなる。つまり、有機系のバンク材料では機械強度が弱く、後の平坦化処理に耐えられない等の不具合が生じる場合があるのである。なお、酸化ケイ素が主成分の隔壁部を形成するためには、例えば焼成後にSiO2となるポリシロキサン、ポリシラザン等のSi含有感光性材料を用いることができる。
前記機能膜形成工程において、形成する機能膜が前記液受容部から溢れ出るように当該機能膜を形成するものとすることができる。つまり、本発明では過量に機能材料を含む液状物を塗布し、液受容部から溢れ出るように機能膜を形成したとしても、後の平坦化工程で溢れ出た機能膜は削られるため、溢れ出たことに起因する問題(例えば導電膜における絶縁不良発生)は生じないものとなる。逆に言うと、このような方法によれば、液受容部に機能膜が不足して下に凸の形状の機能膜が形成される不具合も生じ難いものとなる。なお、機能膜が液受容部から溢れ出るように形成するためには、例えば液状物における機能材料の濃度を調整したり、或いは液状物の吐出量を調整したりすることで実現することができる。
また、隔壁部により液受容部を形成する場合には、前記機能膜形成工程において、形成する機能膜が前記隔壁部の上面から溢れ出るように当該機能膜を形成するものとすれば良い。ここで、隔壁部は形成する機能膜の膜厚よりも大きな膜厚で形成することができる。後の平坦化工程で当該隔壁部を所望の厚さに研磨することが可能なためである。
前記機能膜形成工程において、前記液状物の塗布は、液滴吐出装置を用いた液滴吐出法により行うことができる。このような方法によると、液受容部内に対して確実に液状物を塗布することができるようになるとともに、当該液受容部への塗布量の調整も簡便に行うことができるようになる。
前記機能膜形成工程は、第1機能材料を含む第1液状物を塗布し、該塗布した第1液状物を乾燥・焼成させて第1機能膜を形成する第1機能膜形成工程と、第2機能材料を含む第2液状物を塗布し、該塗布した第2液状物を乾燥・焼成させて第2機能膜を形成する第2機能膜形成工程と、を含むものとすることができる。複数の機能膜の積層により多層の膜パターンを形成する場合、平坦化工程を行わないと、膜の断面形状には大きな凹凸が形成され易い。そこで、本発明のような平坦化工程を行えば、形成される多層膜の表面形状を確実に平坦とすることができ、当該膜パターンの信頼性が非常に高いものとなる。
前記平坦化工程は、化学的機械研磨により行うことができる。このような化学的機械研磨(CMP)によれば、簡便に機能膜及び/又は液受容部の平坦化を行うことが可能となり、低コストに繋がることとなる。具体的には、当該平坦化工程において、前記液受容部から溢れ出た前記機能膜を除去し、平坦な機能膜を形成するものとすることができる。
次に、上記課題を解決するために、本発明の電気光学装置の製造方法は、上記膜パターンの形成方法を用いて配線パターンを形成する工程を含むことを特徴とする。このような製造方法によれば、配線パターンの形成面を完全にフラットにすることができ、当該配線パターン上にゲート絶縁膜やアモルファスシリコン等の半導体層を簡便且つ確実に形成することができるようになる。その結果、高性能で高信頼性の薄膜トランジスタ等の半導体素子を備えた電気光学装置を安価に提供することが可能となる。
(膜パターンの形成方法)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(a)は、本実施形態の膜パターンの形成方法で用いる液滴吐出装置の概略構成図、図1(b)は、同液滴吐出装置に搭載された液滴吐出装置の概略構成図である。図2は、本実施形態の膜パターンの形成方法を説明するための断面工程図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(a)は、本実施形態の膜パターンの形成方法で用いる液滴吐出装置の概略構成図、図1(b)は、同液滴吐出装置に搭載された液滴吐出装置の概略構成図である。図2は、本実施形態の膜パターンの形成方法を説明するための断面工程図である。
本実施形態では、液滴吐出法を用いて導電性微粒子材料(機能材料)を含む液体材料(液状物)を基体上に配置し、導電膜パターン(膜パターン)を形成する例について説明する。本実施形態に係る形成方法で用いられる液体材料には、少なくとも1種類以上の金属元素が含有され、金属は微粒子、有機金属、無機塩のいずれかの形態で分散媒に分散もしくは溶解させたスラリーからなるものである。
上記金属材料のうち微粒子材料の具体例を挙げるならば、銀、銅、ニッケル、マンガン、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、白金等の金属や、インジウム錫酸化物、酸化錫、酸化インジウム、インジウム亜鉛酸化物、ハロゲン含有酸化錫等の金属酸化物である。上記金属微粒子ないし金属酸化物微粒子は、液体材料における分散性の向上や変質の防止を目的としたコーティングが施されていてもよい。
一方、分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
上記導電性微粒子の分散液の表面張力は0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲内であることが好ましい。液滴吐出法にて液体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、液体材料組成物の吐出ノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えると吐出ノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量や、吐出タイミングの制御が困難になる。表面張力を調整するため、上記分散液には、基板との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生などの防止に役立つものである。上記表面張力調節剤は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでもよい。
上記分散液の粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましい。インクジェット法を用いて液体材料を液滴として吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合には吐出ノズル周辺部が液体材料の流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、吐出ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となるだけでなく、液滴の吐出量が減少する。
ここで、液滴吐出装置について、図1(a)の概略構成図を参照して説明する。液滴吐出装置(インクジェット装置)IJは、液滴吐出ヘッドから基板Pに対して液滴を吐出(滴下)するものであって、液滴吐出ヘッド301と、X方向駆動軸304と、Y方向ガイド軸305と、制御装置CONTと、ステージ307と、クリーニング機構308と、基台309と、ヒータ315とを備えている。ステージ307は、この液滴吐出装置IJにより液体材料が塗布される基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド301は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とY軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド301の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド301の吐出ノズルからは、ステージ307に支持されている基板Pに対して、上述した微粒子材料を含む液体材料が吐出される。
X方向駆動軸304には、X方向駆動モータ302が接続されている。X方向駆動モータ302はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX方向の駆動信号が供給されると、X方向駆動軸304を回転させる。X方向駆動軸304が回転すると、液滴吐出ヘッド301はX軸方向に移動する。
Y方向ガイド軸305は、基台309に対して動かないように固定されている。ステージ307は、Y方向駆動モータ303を備えている。Y方向駆動モータ303はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY方向の駆動信号が供給されると、ステージ307をY方向に移動する。
Y方向ガイド軸305は、基台309に対して動かないように固定されている。ステージ307は、Y方向駆動モータ303を備えている。Y方向駆動モータ303はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY方向の駆動信号が供給されると、ステージ307をY方向に移動する。
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド301に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X方向駆動モータ302に液滴吐出ヘッド301のX方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y方向駆動モータ303にステージ307のY方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構308は、液滴吐出ヘッド301をクリーニングするものである。クリーニング機構308には、図示しないY方向の駆動モータが備えられている。このY方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構は、Y方向ガイド軸305に沿って移動する。クリーニング機構308の移動も制御装置CONTにより制御される。
クリーニング機構308は、液滴吐出ヘッド301をクリーニングするものである。クリーニング機構308には、図示しないY方向の駆動モータが備えられている。このY方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構は、Y方向ガイド軸305に沿って移動する。クリーニング機構308の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ315は、本実施形態ではフラッシュランプであり、コンデンサに蓄えた電荷を短時間に放電する光照射によって基板Pを瞬時に加熱することで、基板P上に塗布された液体材料に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒータ315の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。フラッシュランプとしては例えばキセノンランプを例示することができ、光照射エネルギーが1〜50J/cm2程度、光照射時間が1μ秒〜数m秒程度のものを好適に用いることができる。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド301と基板Pを支持するステージ307とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。ここで、以下の説明において、X方向を走査方向、X方向と直交するY方向を非走査方向とする。
したがって、液滴吐出ヘッド301の吐出ノズルは、非走査方向であるY方向に一定間隔で並んで設けられている。なお、図1(a)では、液滴吐出ヘッド301は、基板Pの進行方向に対し直角に配置されているが、液滴吐出ヘッド301の角度を調整し、基板Pの進行方向に対して交差させるようにしてもよい。このようにすれば、液滴吐出ヘッド301の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することが出来る。また、基板Pとノズル面との距離を任意に調節することが出来るようにしてもよい。
したがって、液滴吐出ヘッド301の吐出ノズルは、非走査方向であるY方向に一定間隔で並んで設けられている。なお、図1(a)では、液滴吐出ヘッド301は、基板Pの進行方向に対し直角に配置されているが、液滴吐出ヘッド301の角度を調整し、基板Pの進行方向に対して交差させるようにしてもよい。このようにすれば、液滴吐出ヘッド301の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することが出来る。また、基板Pとノズル面との距離を任意に調節することが出来るようにしてもよい。
図1(b)は、液滴吐出ヘッド301の断面図である。液滴吐出ヘッド301には、液体材料(配線用液体材料等)を収容する液体室321に隣接してピエゾ素子322が設置されている。液体室321には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系323を介して液体材料が供給される。ピエゾ素子322は駆動回路324に接続されており、この駆動回路324を介してピエゾ素子322に電圧を印加し、ピエゾ素子322を変形させることにより、液体室321が変形し、ノズル325から液体材料が吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子322の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子322の歪み速度が制御される。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
次に、導電膜の形成方法の一具体例として、基板上に形成したバンク(隔壁部)を利用して導電膜を基板上にパターン形成する方法について図2を参照して説明する。
図2(a)に示す基板Pとしては、ガラス、石英、セラミックス等の硬質基板のほか、プラスチック等の可撓性基板も用いることができる。
バンクは、仕切部材として機能する部材であり、バンクの形成はリソグラフィ法や印刷法等、任意の方法で行うことができる。例えば、リソグラフィ法を使用する場合は、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等の所定の方法で、図2(a)に示す基板P上にバンクの高さに合わせてシリコン含有感光性材料層を塗布形成する。そして、バンク形状(導電膜の形成領域)に合わせてマスクを施しシリコン含有感光性材料層を露光、現像することにより部分的に除去し、さらにこれを焼成することで所定の平面形状を有するバンク(隔壁部)B,Bを基板P上に形成する。これによりバンクB,Bに取り囲まれたバンク内領域(液受容部)11が、導電膜を形成すべき領域(例えば10μm幅)として形成される。
バンクは、仕切部材として機能する部材であり、バンクの形成はリソグラフィ法や印刷法等、任意の方法で行うことができる。例えば、リソグラフィ法を使用する場合は、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等の所定の方法で、図2(a)に示す基板P上にバンクの高さに合わせてシリコン含有感光性材料層を塗布形成する。そして、バンク形状(導電膜の形成領域)に合わせてマスクを施しシリコン含有感光性材料層を露光、現像することにより部分的に除去し、さらにこれを焼成することで所定の平面形状を有するバンク(隔壁部)B,Bを基板P上に形成する。これによりバンクB,Bに取り囲まれたバンク内領域(液受容部)11が、導電膜を形成すべき領域(例えば10μm幅)として形成される。
バンクBを形成する材料としては、機械的強度が大きく、後工程のCMP処理の機械的研磨に耐えられるものを用いている。ここでは、焼成後SiO2となるシリコン含有感光性材料を塗布し、パターニング後、焼成してSiO2からなるバンクBを形成するものとしている。なお、このようなバンクBは、ガラス等の硬質基板では必ずしも必要ではく、例えば硬質基板Pに溝を形成して液受容部を構成するものとしても良い。
次に、バンク内領域11におけるバンク形成時の感光性材料の残渣を除去するために、基板Pに対して残渣処理を施す。この残渣処理としては、紫外線を照射することにより残渣処理を行う紫外線(UV)照射処理や大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするO2プラズマ処理等を選択できるが、ここではO2プラズマ処理を実施する。具体的には、基板Pに対しプラズマ放電電極からプラズマ状態の酸素を照射することで行う。O2プラズマ処理の条件としては、例えばプラズマパワーが50〜1000W、酸素ガス流量が50〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基板Pの板搬送速度が0.5〜10mm/sec、基板温度が70〜90℃とされる。なお、基板Pがガラス基板の場合、その表面は導電膜形成用の液体材料に対して親液性を有しているが、本実施の形態のように残渣処理のためにO2プラズマ処理や紫外線照射処理を施すことで、バンク内領域11の底部に露出した基板P表面の親液性を高めることができる。
続いて、バンクBに対し撥液化処理を行い、その表面に撥液性を付与する。撥液化処理としては、例えば大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理法(CF4プラズマ処理法)を採用することができる。CF4プラズマ処理の条件は、例えばプラズマパワーが50〜1000W、4フッ化メタンガス流量が50〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基体搬送速度が0.5〜1020mm/sec、基体温度が70〜90℃とされる。なお、処理ガスとしては、CF4ガスに限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いることもできる。
このような撥液化処理を行うことにより、バンクBにはフッ素基が導入され、高い撥液性が付与される。基板Pがガラス等である場合には、バンクBに対する撥液化処理により基板P表面の撥液性が損なわれることはないが、基板Pの材質によっては、親液化処理した基板P表面に対し撥液処理の影響がでることがある。その場合には、基板P表面に撥液化されにくい酸化シリコン膜等を下地膜として形成したり、バンクBを撥液性を有する材料(フッ素樹脂等)で形成して撥液処理自体を省略することで対処できる。
次に、図2(b)に示すように、上述の液滴吐出装置IJを用いて、配線パターン用液体材料をバンク内領域11に露出した基板P上に吐出して配置する。例えば、微粒子材料として銀、ニッケル、ITO(インジウム錫酸化物)等の導電性材料の微粒子を含む液体材料12を液滴吐出ヘッド301から吐出する。液滴吐出の条件としては、例えば、インク重量4ng/dot、吐出速度5〜7m/secで行うことができる。また、液滴を吐出する雰囲気は、温度60℃以下、湿度80%以下に設定されていることが好ましい。これにより、液滴吐出ヘッド301の吐出ノズルが目詰まりすることなく安定した液滴吐出を行うことができる。
このとき、膜パターン形成領域であるバンク内領域11に露出した基板Pは、バンクBに囲まれているので、液体材料12が所定位置以外に拡がるのを阻止でき、また、バンクBの表面は撥液性を付与されているため、吐出された液体材料12の一部がバンクB上に乗り上げたとしてもバンクB表面で弾かれてバンク内領域11に流れ落ちる。さらに、バンク内領域11に露出した基板P表面は親液性を付与されているため、吐出された液体材料12は基板P表面で均一に濡れ広がり、図2(c)に示すように液体材料12をバンク内領域11の延在方向において均一に配置することができる。
基板Pに所定量の液体材料12を吐出配置した後、分散媒を除去し、固体の導電膜とするために、乾燥/焼成工程を行う。この工程では、乾燥工程と焼成工程とを別々の工程で行ってもよく、一括の加熱処理により乾燥/焼成を行ってもよい。本実施形態の場合、乾燥/焼成処理を、フラッシュランプを用いた光照射による加熱処理によって行う。フラッシュランプの光照射条件は、光照射エネルギーが1〜50J/cm2程度、光照射時間が1μ秒〜数m秒程度である。
この乾燥/焼成処理により、図2(d)に示すように、分散媒が除去され、また微粒子材料表面のコーティング材等も除去されることで、微粒子材料が凝集して電気的に接触した導電膜13が基板P上に形成される。上記乾燥/焼成処理は大気中で行ってもよいが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。乾燥/焼成処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング材の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して決定すればよい。例えば、有機物からなるコーティング材を除去するためには、約300℃で焼成することが必要である。また、プラスチックなどの基板を使用する場合には、室温以上100℃以下で行うことが好ましい。
なお、本実施形態では、図2(d)に示すように導電膜13がバンクBの表面から溢れ出るように、つまり導電膜13の表面がバンクBの表面よりも突出するように膜形成するものとしている。具体的には、液体材料12の吐出量を調整することで上記突出形状を実現しているが、例えば液体材料12の濃度を調整することで上記突出形状を実現することもできる。また、本実施形態では導電膜13を単層で構成しているが、例えば2層以上の積層構造により導電膜13を構成することも可能である。
なお、上記実施の形態では、液体材料の塗布方法として、液滴吐出法を採用した場合について説明したが、液体材料の塗布方法は、液滴吐出法に限定されず、種々の方法を採用することが可能であり、例えば、CAPコート法やダイコート法、カーテンコート法等を、液体材料の塗布形態に応じて用いることができる。
(電気光学装置の製造方法)
次に、本発明に係る膜パターンの形成方法による配線形成工程を含む電子機器の製造方法の一例として、電気光学装置の製造方法、特に電気光学装置を構成するアクティブマトリクス基板の製造方法について説明する。
次に、本発明に係る膜パターンの形成方法による配線形成工程を含む電子機器の製造方法の一例として、電気光学装置の製造方法、特に電気光学装置を構成するアクティブマトリクス基板の製造方法について説明する。
まず、図3は、本発明に係る膜パターンの形成方法を用いて製造したアクティブマトリクス基板の一部を拡大した図である。アクティブマトリクス基板20は、格子状に配線されたゲート配線40とソース配線42とを備えている。複数のゲート配線40がX方向(第1方向)に延びるように形成され、ソース配線42がY方向(第2方向)に延びるように形成されている。ゲート配線40には、ゲート電極41が接続され、ゲート電極41上に絶縁層を介してTFT30が配置されている。一方、ソース配線42には、ソース電極43が接続され、ソース電極43の一端は、TFT(スイッチング素子)30と電気的に接続されている。
ゲート配線40とソース配線42に囲まれた領域には、画素電極45が配置され、ドレイン電極44を介してTFT30と電気的に接続されている。アクティブマトリクス基板20上には、ゲート配線40と略平行に延びる容量線46が設けられており、容量線46は、画素電極45及びソース配線42の下層に絶縁層を介して配置されている。なお、ゲート配線40、ゲート電極41、ソース配線42、容量線46は、基板上の同一配線層に形成されている。
図4は、アクティブマトリクス基板20の等価回路図である。アクティブマトリクス基板20は、平面視マトリクス状に配列形成された複数の画素100aを有している。これらの画素100aの各々には、画素スイッチング用のTFT30が形成されており、画素信号S1、S2、…、Snを供給するソース配線42がTFT30のソースに電気的に接続されている。ソース配線42に供給する画素信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のソース配線42同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。TFT30のゲートには、ゲート配線40が電気的に接続されている。そして、所定のタイミングで、ゲート配線40にパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmをこの順に線順次で印加するように構成されている。
画素電極45は、TFT30のドレインと電気的に接続されている。そして、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけオン状態とすることにより、ソース配線42から供給される画素信号S1、S2、…、Snを各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極45を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号S1、S2、…、Snは、図5に示す対向基板120の対向電極121との間で一定期間保持されるようになっている。
保持された画素信号S1、S2、…、Snがリークするのを防ぐために、容量線46によって、画素電極45と対向電極121との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量48が付加されている。例えば、画素電極45の電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量48により保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い液晶表示装置100を実現することができる。
次に、アクティブマトリクス基板20の製造方法について説明する。
本実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法は、基板P上に格子パターンの配線を形成する第1工程と、半導体膜等の積層部を形成する第2工程と、画素電極等を形成する第3工程とを含む。
本実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法は、基板P上に格子パターンの配線を形成する第1工程と、半導体膜等の積層部を形成する第2工程と、画素電極等を形成する第3工程とを含む。
[第1工程:配線形成]
図6、図7は、第1工程である配線形成工程を説明する図である。なお、図6(b)、図7(b)は、それぞれ図6(a)、図7(a)のA−A’線に沿う断面図である。
ゲート配線40やソース配線42等の格子パターンの配線が形成される基板Pとしては、ガラス、石英ガラス、Siウエハ、プラスチックフィルム、金属板など各種の材料を用いることができる。また、これら各種の素材基板の表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されたものであっても良い。
図6、図7は、第1工程である配線形成工程を説明する図である。なお、図6(b)、図7(b)は、それぞれ図6(a)、図7(a)のA−A’線に沿う断面図である。
ゲート配線40やソース配線42等の格子パターンの配線が形成される基板Pとしては、ガラス、石英ガラス、Siウエハ、プラスチックフィルム、金属板など各種の材料を用いることができる。また、これら各種の素材基板の表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されたものであっても良い。
まず、図6に示すように、基板P上に、絶縁性の材料からなるバンク51が形成される。バンクは、後述する配線用液体材料を基板Pの所定位置に配置するためのものである。具体的には、図6(a)に示すように、洗浄した基板Pの上面に、格子パターンの配線の形成位置に対応した複数の開口部52,53,54,55を有するバンク51をフォトリソグラフィ法を用いて形成する。
バンク51の材料としては、例えば強度及び耐熱性等を考慮して無機質からなるものを採用している。無機質のバンク材料としては、例えば、ポリシラザン、ポリシロキサン、シロキサン系レジスト、ポリシラン系レジスト等の骨格にケイ素を含む高分子無機材料や感光性無機材料、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマー、ポリアリールエーテルのうちいずれかを含むスピンオングラス膜、ダイヤモンド膜、及びフッ素化アモルファス炭素膜、などが挙げられる。さらに、無機質のバンク材料として、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、などを用いてもよい。ポリシラザンと光酸発生剤とを含む感光性ポリシラザン組成物のように感光性を有する材料とした場合には、レジストマスクが不要になるため、好適である。
なお、バンク51には、開口部52,53,54,55内に配線用液体材料を良好に配置させるために、撥液処理が施される。撥液処理として、CF4プラズマ処理等(フッ素成分を有するガスを用いたプラズマ処理)を施す。このCF4プラズマ処理等に代えて、バンク51の素材自体に予め撥液成分(フッ素基等)を充填しておいてもよい。
バンク51により形成される開口部52,53,54,55は、ゲート配線40やソース配線42等の格子パターンの配線に対応している。すなわち、バンク51の開口部52,53,54,55に配線用液体材料を配置することにより、ゲート配線40やソース配線42等の格子パターンの配線が形成される。
具体的には、X方向に延びるように形成された開口部52,53は、ゲート配線40、容量線46の形成位置に対応する。そして、ゲート配線40の形成位置に対応する開口部52には、ゲート電極41の形成位置に対応する開口部54が接続している。また、Y方向に延びるように形成された開口部55は、ソース配線42の形成位置に対応する。なお、Y方向に延びる開口部55は、X方向に延びる開口部52,53と交差しないように、交差部56において分断されるように形成される。
具体的には、X方向に延びるように形成された開口部52,53は、ゲート配線40、容量線46の形成位置に対応する。そして、ゲート配線40の形成位置に対応する開口部52には、ゲート電極41の形成位置に対応する開口部54が接続している。また、Y方向に延びるように形成された開口部55は、ソース配線42の形成位置に対応する。なお、Y方向に延びる開口部55は、X方向に延びる開口部52,53と交差しないように、交差部56において分断されるように形成される。
次いで、先に記載の液滴吐出装置IJによって、少なくとも1種類以上の金属元素を含有する配線用液体材料を開口部52,53,54,55内に吐出配置して、基板上にゲート配線40やソース配線42等からなる格子パターンの配線を形成する。配線用液体材料は、先に記載のように、金属を含有する液体材料で、金属は微粒子、有機金属、無機塩のいずれかの形態で分散媒に分散もしくは溶解させたスラリーからなるものである。一方金属材料としては、例えば、銀、アルミニウム、銅、ニッケル、マンガン、チタン等の1種類または複数の金属が用いられる。
基板Pに配線用液体材料を吐出した後、分散媒を除去して固体の導電膜を得る。具体的には、図7に示すように、第1配線用液体材料として銀を含む液体材料を吐出し、これを乾燥・焼成して第1導電膜41a,42a,50aを形成する一方、第2配線用液体材料としてニッケルを含む液体材料を吐出し、これを乾燥・焼成して第2導電膜41b,42b,50bを形成する。
ここで、本実施形態では、上記膜パターンの形成方法で示したのと同様に、第2導電膜41b,42b,50bはバンク51から溢れ出るように、つまり第2導電膜41b,42b,50bの表面がバンク51の表面から突出するように形成する。そして、突出した第2導電膜41b,42b,50bの表面をCMP(化学的機械研磨)により平坦化して、図8に示すようにバンク51の表面と面一のソース配線42、ゲート配線41、及びドレイン配線50を形成する。以上の工程により、基板P上には、図8に示すように、バンク51及び格子パターンの配線からなる層が形成される。
[第2工程:積層部形成]
図9〜図12は、第2工程である積層部形成工程を説明する図である。なお、図9(b)〜図12(b)は、それぞれ図9(a)〜図12(a)におけるA−A’線に沿う断面図であり、図9(c)〜図12(c)は、それぞれ図9(a)〜図12(a)におけるB−B’線に沿う断面図である。
第2工程では、図12に示すように、バンク51及び格子パターンの配線42,41,50からなる層上の所定位置に絶縁膜31と半導体膜(活性層32、コンタクト層33)からなる積層部35を形成する。
図9〜図12は、第2工程である積層部形成工程を説明する図である。なお、図9(b)〜図12(b)は、それぞれ図9(a)〜図12(a)におけるA−A’線に沿う断面図であり、図9(c)〜図12(c)は、それぞれ図9(a)〜図12(a)におけるB−B’線に沿う断面図である。
第2工程では、図12に示すように、バンク51及び格子パターンの配線42,41,50からなる層上の所定位置に絶縁膜31と半導体膜(活性層32、コンタクト層33)からなる積層部35を形成する。
本工程では、第1工程で形成された配線層(ゲート配線40等)の上に新たに配線層を形成することになるが、第1工程では配線形成用のバンク51の表面を撥液化しているため、係るバンク51の表面に直接ソース電極等を形成しようとすると、電極形成用の液体材料がバンク51によってはじかれてしまい、良好な膜パターンを形成することができない。そこで、本工程では、ソース電極等を形成する前に予め下地となるバンク51の表面に親液処理を施しておく。親液処理としては、紫外線照射処理や大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするO2プラズマ処理等を選択することができる。また、これらを組み合わせた処理としてもよい。O2プラズマ処理は、例えば、基板Pに対しプラズマ放電電極からプラズマ状態の酸素を照射することにより行なう。O2プラズマ処理の条件としては、例えばプラズマパワーが50W〜1000W、酸素ガス流量が50ml〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基板Pの搬送速度が0.5mm/sec〜10mm/sec、基板温度が70℃〜90℃とされる。
バンク51の表面を親液化した後、プラズマCVD法により、基板P上の全面に対して、絶縁膜31、活性層32、コンタクト層33の連続成膜を行う。具体的には、図9に示すように、絶縁膜31として窒化シリコン膜(厚さ300nm)、活性層32としてアモルファスシリコン膜(厚さ200nm)、コンタクト層33としてn+型シリコン膜(厚さ50nm)を原料ガスやプラズマ条件を変化させることにより連続して形成する。なお、焼成温度はバンク51の耐熱性の上限までに設定することが必要である。
次いで、図10に示すように、フォトリソグラフィ法を用いて、所定位置にレジスト58を配置する。具体的には、アクティブ素子部分(ゲート電極40上)、ゲート配線40とソース配線42の交差部56上、容量線46上、及びドレイン配線50と画素電極との接続部分である。なお、交差部56上に配置するレジスト58と容量線46上に配置するレジスト58とは、接触しなように形成される。また、ゲート電極41上に配置するレジスト58には、ハーフ露光を行うことにより、図10(b)に示すように、溝59を形成する。
次いで、基板Pの全面に対してドライエッチングを施して、図11に示すように、レジスト58の形成されていない領域のコンタクト層33及び活性層32を除去する。
続いて、図12に示すように、先に記載の液滴吐出装置IJを用いて画素電極を形成する領域にレジスト61を形成する。その後、基板Pの全面に対してドライエッチングを施して、レジスト58及びレジスト61の形成されていない領域の絶縁膜31を除去する(図13)。これにより、図13に示すように、レジスト58,61を配置した所定位置以外の領域から、コンタクト層33、活性層32、絶縁膜31が取り除かれる一方、レジスト58,61が配置された所定位置には、絶縁膜31と半導体膜(コンタクト層33、活性層32)からなる積層部35が形成される。
なお、ゲート電極41上に形成される積層部35では、レジスト58にハーフ露光を行って溝59を形成しているので、エッチング前に再度現像することにより溝が貫通する。したがって、図13(b)示すように、溝59に対応するコンタクト層33が除去され、2つに分断された状態に形成される。これにより、ゲート電極41上に活性層32及びコンタクト層33からなるスイッチング素子としてTFT30が形成される。
その後、図14に示すように、コンタクト層33を保護する保護膜49として窒化シリコン膜を基板Pの全面に成膜する。このようにして、積層部35の形成が完了する。
[第3工程:画素電極形成]
図15〜図18は、第3工程である画素電極45等の形成工程を説明する図である。なお、図15(b)〜図18(b)は、それぞれ図15(a)〜図18(a)におけるA−A’線に沿う断面図であり、図15(c)〜図18(c)は、それぞれ図15(a)〜図18(a)におけるB−B’線に沿う断面図である。
図15〜図18は、第3工程である画素電極45等の形成工程を説明する図である。なお、図15(b)〜図18(b)は、それぞれ図15(a)〜図18(a)におけるA−A’線に沿う断面図であり、図15(c)〜図18(c)は、それぞれ図15(a)〜図18(a)におけるB−B’線に沿う断面図である。
第3工程では、ソース電極43、ドレイン電極44、導電層47及び画素電極45を形成する(図18参照)。ソース電極43、ドレイン電極44、導電層47は、ゲート配線40やソース配線42を形成したのと同じ材料によって形成することができる。画素電極45は、透明性が必要であることから、ITO等の透光性材料によって形成することが望ましい。これらの形成には、第1工程と同様に、液滴吐出法を用いた本発明の膜パターン形成方法が適用される。
まず、ゲート配線40及びソース配線42等を覆うようにバンクをフォトリソグラフィ法に基づいて形成する。ここでは、まず図15に示すように、バンクとなる2層の材料層を形成し、これをフォトリソグラフィ法によりパターニングするものとしている。なお、2層の材料層は、下層側に形成され親液性を示す第1材料層64と、上層側に形成され撥液性を示す第2材料層65とからなるものである。
そして、図16に示すように、材料層64,65に対して露光を施し、具体的には画素電極形成領域63aはハーフ露光を行う一方、接続部形成領域63bはフル露光を行うものとしている。なお、接続部形成領域63bは、各配線と電極とを接続するための領域である。このようなハーフ露光及びフル露光により、図16に示したパターンのバンク64a及びバンク65aを形成する。ここでは、ハーフ露光を施した領域はバンク64aからなる単一層のバンクから構成され、露光を施さなかった領域はバンク64a及びバンク65aからなる2層のバンクから構成されている。なお、撥液性のバンク65aは略格子状とされ、ソース配線42とゲート配線40、及びソース配線42と容量線46との交差部には開口部62が形成され、TFT30のドレイン領域に対応する位置には開口部61が形成される。開口部62は、図16(b)に示すように、ゲート電極41上に形成した積層部35(TFT30)の一部が露出するように形成される。すなわち、バンク64a,65aが積層部35(TFT30)をX方向に2分割するように形成される。
バンク64a,65aにより形成される開口部62は、分断されたソース配線42を連結する導電層47又はソース電極43の形成位置に対応しており、開口部63は、ドレイン電極44の形成位置に対応している。また、それ以外の部分でバンク65aにより取り囲まれた領域は、画素電極45の形成位置に対応している。このようにして形成したバンク64s,65aの開口部62,63内及びバンク65aにより取り囲まれた領域に液体材料を配置すれば、分断されたソース配線42を連結する導電層47、ソース電極43、ドレイン電極44、画素電極45を形成することができる。
続いて、バンク64a及びバンク65aを形成した状態(図16)で、図17に示すように開口部61,62を介して保護膜49及び第2導電膜50bに対してエッチングを施す。その後、図18に示すように、前述した液滴吐出装置IJによって、ソース電極43やドレイン電極44等の電極材料を含む電極用液体材料を開口部62,63内に吐出配置する。電極用液体材料は、ゲート配線40等を形成するために用いた配線用液体材料と同様のものを用いることができる。基板Pに電極用液体材料を吐出した後には、分散媒の除去のため、必要に応じて乾燥処理、焼成処理を行う。乾燥/焼成処理により、導電性微粒子間の電気的接触が確保され、導電膜に変換される。このようにして、基板P上には、図18に示すように、分断されたソース配線42を連結する導電層47、ソース電極43、ドレイン電極44が形成される。
次いで、バンク65aにより囲まれた領域であって、素子部分以外の領域、つまりバンク64aのみが形成された領域に、画素電極45の電極材料を含む画素電極用液体材料を吐出配置する。画素電極用液体材料は、ITO等の導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液である。基板Pに画素電極用液体材料を吐出した後には、分散媒の除去のため、フラッシュランプによる乾燥/焼成処理を行う。乾燥/焼成処理により、微粒子間の電気的接触が確保され、導電膜に変換される。このようにして、基板P上には、図18に示すように、ドレイン電極44と導通する画素電極45が形成される。
以上の工程を経ることにより、アクティブマトリクス基板20を製造することができる。このような本実施形態では、図7に示したように配線42b,41b,50bの表面をバンク51の表面から突出させて形成する一方、これを図8に示すようにCMPにより平坦化した後に、絶縁膜31、活性層32、コンタクト層33を積層してなる積層部35を形成するものとしている。したがって、配線42b,41b,50bの形成面を簡便且つ確実にフラットにすることが可能となり、積層部35が凸凹になって断線等が生じる不具合発生が極めて生じ難いものとなる。その結果、非常に信頼性の高い電気光学装置を提供することが可能となるのである。
(電気光学装置)
次に、アクティブマトリクス基板20を用いた電気光学装置の一例である液晶表示装置100について説明する。図5(a)は、液晶表示装置100を対向基板側から見た平面図であり、図5(b)は、(a)のH−H’線に沿う断面図である。
次に、アクティブマトリクス基板20を用いた電気光学装置の一例である液晶表示装置100について説明する。図5(a)は、液晶表示装置100を対向基板側から見た平面図であり、図5(b)は、(a)のH−H’線に沿う断面図である。
図5において、液晶表示装置(電気光学装置)100は、アクティブマトリクス基板20を含むTFTアレイ基板110と対向基板120とが光硬化性の封止材であるシール材152によって貼り合わされ、このシール材152によって区画された領域内に液晶150が封入、保持されている。シール材152の形成領域の内側の領域には、遮光性材料からなる周辺見切り153が形成されている。シール材152の外側の領域には、データ線駆動回路201及び実装端子202がTFTアレイ基板110の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路204が形成されている。TFTアレイ基板110の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路204の間を接続するための複数の配線205が設けられている。また、対向基板120のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板110と対向基板120との間で電気的導通をとるための基板間導通材206が配設されている。
なお、データ線駆動回路201及び走査線駆動回路204をTFTアレイ基板110の上に形成する代わりに、例えば、駆動用LSIが実装されたTAB(Tape Automated Bonding)基板とTFTアレイ基板110の周辺部に形成された端子群とを異方性導電膜を介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。
なお、データ線駆動回路201及び走査線駆動回路204をTFTアレイ基板110の上に形成する代わりに、例えば、駆動用LSIが実装されたTAB(Tape Automated Bonding)基板とTFTアレイ基板110の周辺部に形成された端子群とを異方性導電膜を介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。
上記液晶表示装置100においては、使用する液晶150の種類、すなわち、TN(Twisted Nematic)モード、C−TN法、VA方式、IPS方式モード等の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、位相差板、偏光板等が所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略する。また、液晶表示装置100をカラー表示用として構成する場合には、対向基板120において、TFTアレイ基板110の後述する各画素電極に対向する領域に、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタをその保護膜とともに形成する。
この液晶表示装置100においては、アクティブマトリクス基板20が前述の方法により製造されているので、高品質な表示が可能で、信頼性に優れた液晶装置となる。
なお、前記のアクティブマトリクス基板は、液晶表示装置以外の他の電気光学装置、例えば有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置等にも応用が可能である。有機EL表示装置は、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して励起させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが再結合する際の光の放出(蛍光/燐光)を利用して発光させる素子である。そして、上記のTFT30を有する基板上に、有機EL表示素子に用いられる蛍光性材料のうち、赤、緑および青色の各発光色を呈する材料すなわち発光層形成材料及び正孔注入/電子輸送層を形成する材料を液体材料とし、各々をパターニングすることで、自発光フルカラーELデバイスを製造することができる。本発明における電気光学装置の範囲には、このような有機ELデバイスも含まれるものとする。なお、有機EL表示装置においては、正孔注入/輸送層形成材料や発光層形成材料を形成する方法として本発明の膜パターンの形成方法を適用することも可能である。
更に、アクティブマトリクス基板20は、PDP(プラズマディスプレイパネル)や、基板上に形成された小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用する表面伝導型電子放出素子等にも適用可能である。
更に、アクティブマトリクス基板20は、PDP(プラズマディスプレイパネル)や、基板上に形成された小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用する表面伝導型電子放出素子等にも適用可能である。
また、本発明の膜パターンの形成方法は、電気光学装置(アクティブマトリクス基板)の製造に限らず、種々の電子機器用基板の製造に適用することができ、例えば、タッチパネル(座標入力装置)を構成する基板の製造における導電膜の形成工程や、各種パネルの帯電防止膜としての導電膜の形成工程に好適に用いることができる。
(電子機器)
次に、本発明の電子機器の具体例について説明する。
図19(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。符号600は携帯電話本体を示し、601は上記実施形態の液晶表示装置100を備えた表示部を示している。
図19(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。符号700は情報処理装置、701はキーボードなどの入力部、703は情報処理本体、702は上記実施形態の液晶表示装置100を備えた表示部を示している。
図19(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。符号800は時計本体を示し、801は上記実施形態の液晶表示装置100を備えた表示部を示している。
次に、本発明の電子機器の具体例について説明する。
図19(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。符号600は携帯電話本体を示し、601は上記実施形態の液晶表示装置100を備えた表示部を示している。
図19(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。符号700は情報処理装置、701はキーボードなどの入力部、703は情報処理本体、702は上記実施形態の液晶表示装置100を備えた表示部を示している。
図19(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。符号800は時計本体を示し、801は上記実施形態の液晶表示装置100を備えた表示部を示している。
このように、図19(a)〜(c)に示す電子機器は、上記実施形態の液晶表示装置100を備えたものであるので、信頼性の高い導電膜が電極部材等に用いられたことで、信頼性に優れる電子機器となっている。また、テレビやモニター等の大型液晶パネルにおいても上記実施形態の製造方法を適用することができる。
なお、本実施形態の電子機器は液晶表示装置100を備えるものとしたが、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置等、他の電気光学装置を備えた電子機器とすることもできる。
以上、添付図面を参照しながら本発明についての好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
IJ…液滴吐出装置、301…液滴吐出ヘッド、P…基板(基体)、B…バンク(隔壁部)、11…バンク内領域(液受容部)、12…液体材料(液状物)、13…導電膜(機能膜)
Claims (12)
- 基板上に所定パターンの液受容部を形成する液受容部形成工程と、
前記液受容部に対して機能材料を含む液状物を塗布し、該塗布した液状物を乾燥・焼成させて機能膜を形成する機能膜形成工程と、
前記液受容部及び前記機能膜を含む基板全面に対して平坦化処理を行う平坦化工程と、を含むことを特徴とする膜パターンの形成方法。 - 前記液受容部形成工程において、前記基板上に所定パターンの隔壁部を形成し、該隔壁部により囲まれた領域を当該液受容部とすることを特徴とする請求項1に記載の膜パターンの形成方法。
- 前記隔壁部の主成分が酸化ケイ素であることを特徴とする請求項2に記載の膜パターンの形成方法。
- 前記機能膜形成工程において、形成する機能膜が前記液受容部から溢れ出るように当該機能膜を形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の膜パターンの形成方法。
- 前記機能膜形成工程において、形成する機能膜が前記隔壁部の上面から溢れ出るように当該機能膜を形成することを特徴とする請求項2又は3に記載の膜パターンの形成方法。
- 前記機能膜形成工程において、前記液状物の塗布は、液滴吐出装置を用いた液滴吐出法により行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の膜パターンの形成方法。
- 前記機能膜形成工程は、第1機能材料を含む第1液状物を塗布し、該塗布した第1液状物を乾燥させて第1機能膜を形成する第1機能膜形成工程と、第2機能材料を含む第2液状物を塗布し、該塗布した第2液状物を乾燥させて第2機能膜を形成する第2機能膜形成工程と、を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の膜パターンの形成方法。
- 前記平坦化工程は、化学的機械研磨により行うことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の膜パターンの形成方法。
- 前記平坦化工程は、前記液受容部から溢れ出た前記機能膜を除去し、平坦な機能膜を形成する工程であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の膜パターンの形成方法。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の膜パターンの形成方法を用いて配線パターンを形成する工程を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項10に記載の方法により得られたことを特徴とする電気光学装置。
- 請求項11に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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JP2005336646A JP2007140323A (ja) | 2005-11-22 | 2005-11-22 | 膜パターンの形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、電子機器 |
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JP2012155369A (ja) * | 2011-01-21 | 2012-08-16 | Japan Aviation Electronics Industry Ltd | 静電容量式タッチパネル |
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2005
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